JP2008269850A - 固体高分子形燃料電池電極用触媒 - Google Patents

固体高分子形燃料電池電極用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】金属微粒子を炭素材料に担持してなる高活性な燃料電池電極用触媒を提供する。
【解決手段】炭素材料に金属微粒子を担持してなる触媒であって、該炭素材料が下式(a)〜(d)を同時に満たすことを特徴とする固体高分子形燃料電池電極用触媒。(a)窒素吸着比表面積(SBET;m2/g):200≦SBET≦2000(b)塩基性官能基量(B;meq/g)とSBETの比:0.5≦B/SBET≦8(c)全酸度(TA;μeq/g)とSBETの比:0.05≦TA/SBET≦2(d)塩基性官能基量Bと全酸度TAの比:2≦B/TA≦15
【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池電極用触媒に関するものである。
固体高分子形燃料電池は、水素を燃料とするクリーンな電源として、電気自動車の駆動電源、また、発電と熱供給を併用する定置電源として開発が進められている。また、固体高分子形燃料電池は、リチウムイオン電池など二次電池と比較して高いエネルギー密度が特徴であり、携帯用コンピュータあるいは移動用通信機器の電源としても開発が進められている。
固体高分子形燃料電池の発電部分(セル)は、アノード(燃料極)とカソード(空気極)、および両極間に配したプロトン伝導性の固体高分子電解質膜で構成される。アノードおよびカソードは、通常、白金などの貴金属を担持した触媒、フッ素樹脂紛などの造孔剤、および固体高分子電解質の混合体薄膜である。
固体高分子形燃料電池では、単位電極面積当たりの出力が高いことが求められる。最も効果的な前記解決策の一つは、アノードとカソードを構成する電極触媒で起こる電気化学反応の触媒活性を向上させることである。ここで、アノードでの電気化学反応は、水素を燃料とする反応であって、水素分子(H2)が水素カチオン(H+、プロトン)に酸化する電気化学的反応であり、また、カソードでの電気化学反応は、固体高分子電解質から来るプロトンと酸素分子(O2)が反応して酸素分子が水(H2O)に還元される電気化学反応であり、これらの電気化学反応における触媒活性の向上である。そして、このような固体高分子形燃料電池のアノードとカソードの電極触媒としては、通常、白金などの貴金属が用いられるが、これらの貴金属は高価であるので、固体高分子形燃料電池の実用化や普及を加速するために、電極単位面積当たりの使用量の低減が求められ、更に、その為には触媒活性の更なる向上が必須である。
固体高分子形燃料電池用触媒の使用量削減には、これまで、微粒子化による単位質量当りの反応に関与する表面積の拡大と、白金と他の金属との合金化による触媒単位表面積当りの反応電流密度の増大(高活性化)の二つの方法が検討されてきた。これまでの精力的な研究により、合金化に関しては、非特許文献1、非特許文献2にカソード反応、アノード反応に適した種々の合金の研究結果がまとめられている。しかしながら、実用展開のためには、白金へ添加する合金元素の溶出によるプロトン伝導度の低下(プロトンと溶出イオンとのイオン交換)、また、溶出元素の溶出による活性の低下など、解決すべき課題が残されている。
他方、触媒を担持する担体と触媒金属との相互作用を改善することによる活性向上の試みも検討されている。非特許文献3は、湿式の白金担持プロセスにおける担体カーボンブラックの表面状態の効果を検討し、特に、カーボンブラック表面をアルカリ処理することで、担持する白金の微粒子化、高担持化を行っている。
特許文献1には、触媒成分である金属微粒子を炭素担体へ担持する製造法の工夫による触媒性能の改善が示されている。従来の湿式の化学的還元法、或いは、金属塩の含浸乾固後の還元雰囲気中熱処理還元法では、担体表面上に均質に粒子径の揃った微粒子の担持ができないが、還元、或いは不活性ガスの高温炉中へカーボン担体と金属前駆体の懸濁液を噴霧することで、均質に粒子径の揃った微粒子を高密度にカーボン担体に担持させるというものである。また、特許文献1では、使用するカーボン担体の表面特性についても記載されている。酸化された炭素表面では、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基等の官能基が形成され、それにより表面をより親水性にすることが可能であること、還元された炭素表面は、末端が水素となり、それにより疎水性が促進されること等が記載されている。
特許文献2には、多孔質シリカを鋳型としてその細孔に炭素源を充填し炭素化させた後、シリカを除去することで、多孔質シリカの特徴である精密に制御された細孔構造をそのまま反映した担体炭素を得ることが開示されている。更に、予めシリカ細孔中に白金微粒子を担持させてから炭素質前駆体を充填することにより、白金微粒子を炭素表面に固定した細孔構造炭素触媒を得ることができ、また、このようにして得られた触媒は細孔構造を適当なサイズに制御することにより、プロトン伝導樹脂との白金微粒子との接触面積を高めることが可能となり高性能な固体高分子形燃料電池を得ることができるとされている。
一般に、カーボンブラックを担体とした白金触媒における白金の利用率が低くなる原因は、プロトン伝導性樹脂と白金との接触面積が十分でないことである。特許文献3、特許文献4、特許文献5では、プロトン伝導性樹脂と白金との接触面積を高めることを目的としている。具体的には、白金を担持した触媒担体について、その表面全体にプロトン解離性官能基(酸性官能基)を結合させる、あるいは、その表面全体を上記と同様の官能基を有する化合物で被覆するというもので、プロトン解離性官能基を介して白金へのプロトン伝導経路が確保され、白金の利用率が大幅に高まるというものである。
そして、特許文献3では、プロトン解離性官能基を有するシラン化合物を使用して、担体カーボン表面の含酸素官能基(フェノール性水酸基、カルボキシル基、ラクトン基、キノン基、無水カルボン酸基等)と反応させることで触媒表面をプロトン解離性官能基で被覆することが開示されている。
特許文献4では、酸性官能基が化学的に結合した炭素担体が開示され、更に、炭素担体をプラズマ処理することで炭素担体表面に活性なラジカルを生成させてから酸性官能基を導入する(酸性官能基を有する化合物と反応させる)と、酸性官能基が炭素担体の表面に効率よく化学結合できることが記載されている。炭素担体のプラズマ処理の効果は、むしろ、炭素担体の表面に含酸素官能基が形成されて、酸性官能基を有する化合物との反応が効率よく起こることによるものと推測される。また、酸性官能基を有する化合物として、ビニルスルホン酸塩、メタクリレート系リン酸塩などを用いて、炭素担体を表面修飾している。
特許文献5では、スルホンサン酸基、カルボン酸基、リン酸基等の水素イオン伝導性を付与できる作用基(プロトン解離性官能基、酸性官能基)を有するイオノマーを炭素担体表面に施して、担体表面に水素イオン伝導性を付与することが開示されている。前記イオノマーは、担体表面の官能基を基点としてモノマーを重合させるいわゆるグラフト化処理することにより形成される。具体的には、スチレン系、アクリル系、メタクリル系、アリルスルホン系、フェニル系のモノマーを重合させた後に、末端をスルホン化してプロトン解離性官能基を付与するというものである。
前述の担体処理は、酸性官能基を付与するものであるが、反対に、塩基性官能基を炭素担体の表面に付与することも行われている。
特許文献6では、カーボン担体の表面芳香族環にアミノ基等の塩基性官能基を結合させることによって、カーボン担体粒子同士を凝集させることなく、カーボン担体粒子を固体高分子電解質樹脂で被覆できることが開示されている。固体高分子電解質樹脂は酸性であり(陰性のイオン交換基を有する)、カーボン担体の表面を塩基性(正電荷に帯電)としているので、固体高分子電解質樹脂とカーボン担体は互いに静電力で引き合うことになる。前記結果として形成される組織は、触媒近傍に三相界面を形成して反応サイトを十分に増大することができるとしている。
特許文献7では、カーボン担体の表面をN,N-ジメチルアミノプロピルアミン等の塩基性表面処理剤で処理することによって、プロトン伝導性ポリマーがカーボン担体表面から剥離するのを抑制できることが開示されている。これは、塩基性表面処理剤で処理することでカーボン担体の表面が塩基性に改質され、前記塩基性表面がプロトン伝導性ポリマーの酸性基とイオン結合するので、プロトン伝導性ポリマーの剥離が抑制できるとされている。
特許文献3には、担体カーボン表面にシラン化合物を介して酸性官能基を結合させ、これによって水素イオンチャンネル(プロトン伝導経路)を形成することが開示されている一方、これとは反対に、アミド基やアミン基などの塩基性官能基(非共有電子対を有する窒素原子を持つ)を持つシラン化合物を利用して担体カーボン表面に結合させることも開示されている。塩基性の表面にした担体カーボンの場合には、スルホン酸基などを有して酸性である高分子電解質を強く引き付け、この引き付けられた高分子電解質によって担体カーボンの表面近傍に水素イオンチャンネルを形成するというものである。
特表2006−508501号公報 特開2006−228502号公報 特開2000−228204号公報 特開2005−122925号公報 特開2006−24572号公報 特開平8−78021号公報 特開2002−373663号公報 D.A. Stevens et. al, "Thermal degradation of the support in carbon-supported platinum electrocatalysts for PEM fuel cells", Carbon, vol.43, page179-188, 2005 T. J. Schmidt et. al, "PtRu alloy Colloids as Precursors for Fuel Cell Catalysts", Journal of Electrochemical Society, vol. 145, page925-931, 1998 S. Kim, S.-J. Park, "Effect of acid/base treatment to carbon blacks on preparation of carbon-supported platinum nanoclusters", Electrochem. Acta, vol.52, page3013-3021, 2007
特許文献1では、加熱温度、懸濁液の分散状態などにより金属微粒子のサイズや担持率を制御することになるが、一般的に、液相での化学的還元反応に比較して、気相で反応速度を制御して均質な微粒子を生成させ、且つ、同時に生成した微粒子を高密度に担体へ担持させるのは困難であり、担体の性状依存性が大きいという問題が残る。また、活性改善の本質が白金の均質・微粒子担持では、その改善効果が小さいという課題も残る。さらに、担体相を構成する炭素粒子の表面特性について、上述のように記載されているが、高い触媒活性や耐久性等の特性向上に関する担体の表面性状について具体的な示唆がない。
特許文献2では、三次元的に発達した細孔構造が担体構造の特徴であるが、細孔内部に担持された白金微粒子は細孔サイズを制御してもプロトン伝導樹脂と接触させることが困難であり、白金の利用率を高めるのが難しい。鋳型炭素の製造コストと触媒パフォーマンスとの総合的視点から、いわゆる導電性カーボンブラックを担体とした触媒と比較して、本質的な優位性に乏しいという点で課題が残る。すなわち、担体構造については前述のように記載されているが、担体の表面性状までは言及しておらず、実用的には前記課題が残る。
特許文献3、4、5では、炭素担体の表面にプロトン解離性官能基(水素イオン解離性官能基、酸性官能基)で被覆して炭素担体表面にプロトン伝導性を付与することが開示されているが、酸性官能基を施すために行う炭素表面の官能基を利用したグラフト処理はグラフトする分子の分子量によらず一般に炭素担体粒子同士の相互作用を大きく変化させ、その結果として炭素担体粒子の分散状態が大きく変わるため、炭素担体粒子が本来有する凝集構造が崩れるという副次的作用を避けることが難しい。そして、炭素担体の凝集構造が崩れると、電子伝導のネットワークが弱まり触媒層の電気抵抗が増大し、また、細孔構造が崩れるためにガス透過性が低下し電極の重負荷特性が低下するなどの新たな課題を発生させてしまう。すなわち、前記特許文献では、炭素担体にプロトン伝導性を付与する担体表面性状の改質方法について記載されているが、それに伴う電子伝導性及びガス透過性の低下や、電子伝導性及びガス透過性とのバランスを考慮した前記担体表面性状については記載や示唆がなされていない。
特許文献3、6、7では、炭素担体の表面を塩基性官能基で被覆して、プロトン伝導性固体高分子電解質を担体表面に密着させ、電解質の剥離を防いだり、担体の表面近傍に水素イオンチャンネルを形成することが開示されているが、担体の表面全体に亘って固体高分子電解質との親和性を高めると、担体粒子全体が固体高分子電解質で覆われてしまうことになり、担体粒子同士の相互作用を弱め、担体粒子の連結が途切れて電子伝導性が低下するという問題がある。また、上述と同様に、炭素担体の凝集構造が崩れて、ガス透過性が低下するという問題も生じる。前記特許文献では、炭素担体の表面を塩基性官能基で被覆してプロトン伝導性固体電解質との相互作用を強めることは記載されているが、それに伴う電子伝導性及びガス透過性の低下や、電子伝導性及びガス透過性とのバランスを考慮した前記担体表面性状については記載や示唆がなされていない。
このように従来の技術では、白金の利用率を高めることを狙い、粒子分散状態の改善、担体の三次元的構造の改善、担体表面を酸性官能基で被覆すること、或いは担体表面を塩基性官能基で被覆することがそれぞれ行われているが、本質的に担体を含めた白金触媒の活性改善には至っていなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、白金など金属微粒子を炭素材料に担持してなる触媒において、炭素材料と金属微粒子との相互作用を強めるという新たな視点により触媒の活性を本質的に高めることを狙ったものであり、固体高分子形燃料電池電極用の高活性触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、白金などの触媒能を有する金属微粒子を担持してなる触媒において、担体である炭素材料の表面構造を鋭意検討した。その結果、特定の表面構造を有する炭素材料に金属微粒子を担持させることにより、触媒活性が大幅に改善することを見出し、本発明に至った。具体的には、特定の比表面積の炭素材料で、プロトン吸着性(塩基性)とプロトン解離性(酸度)の両方を考慮して、塩基性官能基量によるプロトン吸着性の制御と同時に、酸度によるプロトン解離性を制御し、金属微粒子を担持させることで触媒活性を高められることを見出したものである。更に、前記炭素材料について、特定の細孔サイズを制御したミクロ孔を有する構造にすることで、より触媒活性を高められることも見出した。
すなわち、本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)炭素材料に金属微粒子を担持してなる触媒であって、炭素材料が以下の(a)〜(d)を同時に満たすことを特徴とする固体高分子形燃料電池電極用触媒。
(a)窒素吸着比表面積(SBET;m2/g):200≦SBET≦2000
(b)塩基性官能基量(B;meq/g)とSBETの比:0.5≦B/SBET≦8
(c)全酸度(TA;meq/g)とSBETの比:0.05≦TA/SBET≦2
(d)塩基性官能基量Bと全酸度TAの比:2≦B/TA≦15
(2)前述の炭素材料が表面にミクロ孔を有し、且つ、ミクロ孔の細孔容積(Vmicro;ml/g)が0.1≦Vmicro≦0.8であることを特徴とする(1)の固体高分子形燃料電池電極用触媒。
(3)前述の炭素材料が表面にミクロ孔を有し、且つ、ミクロ孔の平均直径(Dmicro;nm)が1.0≦Dmicro≦3.0であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
(4)上述の(1)〜(3)に記載の固体高分子形燃料電池用触媒を含有する電極を、正極または負極の少なくとも一方に用いられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極触媒によれば、担体の比表面積や細孔構造、担体表面の塩基性と酸度の両方を制御しているので、その表面に担持した金属微粒子の触媒活性が極めて高くなり、従来よりも高い活性の触媒を提供することができる。また、かかる高活性の触媒を電極に適用することにより、触媒金属の使用量を削減し、且つ高性能な燃料電池を提供することが可能となる。
本発明の燃料電池用触媒は、炭素材料の表面に金属微粒子を担持してなる触媒の活性を改善するもので、具体的には、炭素材料表面と金属表面の相互作用を制御することにより金属微粒子の電子状態を変化させ、これによって金属表面で生じる電気化学的な反応の過電圧を低減させ、或いは、反応速度を高めることを意図するものである。
一般的に、炭素材料は、炭素のsp2結合よりなる縮合多環芳香族の積層した構造部位(黒鉛構造部位、グラファイト構造部位)と、sp3結合からなるダイヤモンド型結晶構造部位と、sp2結合とsp3結合が混合して更にダングリングボンドを含む非晶質炭素部位とが混合した構造を持つ。特に固体高分子電解質形燃料電池の触媒では、炭素材料の担体に白金を主成分とした貴金属微粒子を担持させた触媒を用いる。したがって、担体である炭素材料には、電子伝導性、高電位での耐酸化安定性(特に、カソードにおいて)が要求され、前記両特性を満たす黒鉛構造が適する。しかしながら、金属微粒子を担体表面に強く吸着担持させるためには、黒鉛構造におけるπ電子面で表面が構成される縮合多環芳香族のグラフェンシート(炭素六員環シート)の面上は不適当であり、末端が酸素や水素などと結合したグラフェンシートのエッジで構成される面が、電荷移動と極性の観点から金属微粒子の吸着に適することが推察される。この際の担体表面と金属微粒子との相互作用を高めるための炭素表面の構造を鋭意検討した結果、担体表面のプロトン吸引性とプロトン解離性の両方を有することで、金属微粒子の担持した炭素材料触媒の活性を高めることに成功した。すなわち、担体表面に塩基性官能基と酸性官能基の両方を共存させることである。更に、この炭素材料のプロトン吸引性とプロトン解離性の指標として、各々、塩化水素の吸着量、水酸化ナトリウムの吸着量が最適であることを見出した。これらの指標の最適な範囲は以下の通りである。即ち、塩化水素の吸着量で表される塩基性官能基量B(meq/g)の表面積当りの平均値B/SBET(meq/m2)は、0.5≦B/SBET≦8であることが好ましい。B/SBETが0.5未満ではプロトン吸引性が弱く触媒活性の改善の程度が小さくなってしまう。また、B/SBETが8を超えると実質的に炭素材料の黒鉛構造性が低下し、その結果、電子伝導性、耐酸化安定性が低下して、固体高分子形燃料電池電極用の触媒として不適当となってしまう。ここで、表面積を表す指標としては、窒素ガスの吸着により評価されるBET解析で評価した表面積SBET(m2/g)が適切である。プロトン吸引性は、金属表面から供与される電子を受容する炭素表面の電子受容性の間接的な指標と推察される。金属表面から担体への電子移動が多ければそれだけ金属微粒子と担体との相互作用が強まり、同時に金属微粒子の電子状態の変化が触媒活性の改善に繋がっているものと推察される。
他方、NaOHの吸着量で表される酸性官能基量TA(meq/g)の表面積当りの平均値TA/SBET(meq/m2)は、0.05≦TA/SBET≦2であることが好ましい。前記範囲で酸性官能基が担体表面に存在すると、前記プロトン吸引性の効果を阻害することなく担体表面にプロトン伝導性を付与でき、プロトン伝導性固体電解質とのプロトン授受も促進できる。その結果として総合的に触媒活性が向上する。TA/SBETが0.05未満では一般的な炭素材料表面と大きく性状が異なり担体として不適当である。また、TA/SBETが2を超えると実質的にプロトン吸引性の特徴を打ち消す効果が高くなり、プロトン吸引性による活性向上効果が消失するため本発明には適当でない。
これら塩基性官能基量Bと酸性官能基量TAの各々の絶対量を前述のように規定すると同時に、その存在比を規定することが担体表面性状による触媒活性改善には必須である。本発明者が鋭意検討の結果、TAとBの相対的な存在比の最適な範囲は、2≦B/TA≦15である。B/TAが2よりも小さいと、相対的に酸性官能基の寄与が大きく塩基性官能基による触媒金属の活性改善効果が現れず、他方、B/TAが15よりも大きいと酸性官能基によるプロトン伝導補助効果が現れず活性の改善が小さくなってしまうものと推察される。
更に、金属微粒子と炭素材料との吸着を強めるためには、金属微粒子と担体との接触面積を大きくすることが重要であり、そのための指標は、窒素吸着比表面積(SBET;m2/g)である。高密度に金属微粒子を担持させるためには、炭素材料表面の表面積が一定値以上であることが必要である。また、炭素材料の電子伝導性維持の観点から、表面積の上限も同時に存在する。鋭意検討の結果、本発明の上記表面性状を有する炭素材料では、その効果を発現するためには、炭素材料の比表面積が200≦SBET≦2000であることが判明した。更に好ましくは、500≦SBET≦2000である。SBETが200未満では炭素材料表面に数nmサイズの金属微粒子を高密度に担持させることが困難となり、燃料電池の実用上の性能を発揮することが出来ず、本発明には不適当である。SBETが2000を超えると炭素材料の電子伝導性が低下して電極触媒としては不適当である。
前記比表面積に加え、炭素材料に金属微粒子が吸着するのに適した大きさの細孔を存在させることは、金属微粒子と炭素材料表面との接触面積を大きくするのに更に有効である。
鋭意検討の結果、金属微粒子のサイズは実用上1〜5nm直径であるが、この大きさの微粒子に適する細孔のサイズはいわゆるミクロ孔(2nm以下の細孔)に属することが推察される。本発明において、炭素材料のミクロ孔の大きさ(直径)を検討した結果、ミクロ孔の平均直径(Dmicro;nm)は1.0≦Dmicro≦3.0であることがより好ましいことを見出した。Dmicroが1.0未満では、金属微粒子との接触面積が小さ過ぎて金属微粒子と炭素材料との間の電子移動量が少なく、活性改善効果が現れなくなってしまう場合がある。他方、Dmicroが3.0を超えると、金属微粒子が孔の中に埋没してしまって、実質的に触媒反応に関与できる金属微粒子の表面積が低下してしまい、やはり活性の改善効果が現れなくなってしまう場合がある。
更に、ミクロ孔の容積も鋭意検討の結果、ミクロ孔の細孔容積(Vmicro;ml/g)は0.1≦Vmicro≦0.8であることが、本発明により好ましいことを見出した。Vmicroが0.1未満ではミクロ孔の数が少なく金属微粒子を高密度に担持させることが出来ず、本発明には不適当である場合がある。他方、Vmicroが0.8を超えると、炭素材料表面に占めるグラフェンシートのエッジの比率が高くなり過ぎ、耐酸化安定性が低下して燃料電池電極用触媒の担体としては適さなくなってしまう場合がある。
(炭素材料)
本発明に適する炭素材料は、塩基性官能基と酸性官能基による表面性状、比表面積、及びミクロ孔構造が本質的に重要であり、その他の構造に関して特に制限を加えるものではない。本発明に用いる炭素材料を具体的に例示するならば、ファーネス法で製造したカーボンブラック(ファーネスブラック)、アセチレンブラック、ランプブラックなどの各種カーボンブラック、種々の合成法で製造される繊維状の炭素材料、具体的には、単層のシングルウォールカーボンナノチューブ、多層のマルチウォールカーボンナノチューブ、直径がサブミクロンから数十ミクロンに至るカーボンナノファイバー、結晶性の高い人造黒鉛などの黒鉛粉、キッシュグラファイト、コークス粉、合成樹脂などの炭化水素系高分子化合物を熱処理して製造される各種炭素材料などを例示することができる。
(炭素材料表面の制御方法)
本発明では、炭素材料表面の塩基性を高め、酸性を適度に制御することが本質的に重要であり、その製造方法に関しては何ら制限されるものではない。以下、本発明に適用される表面性状の改質方法を例示する。
酸性官能基の導入には、いわゆる炭素材料の酸化手法を適用することが可能である。例示するならば、湿式の酸化として、硝酸などの強酸、過酸化水素による酸化などを例示することができ、また、気相反応として、オゾン酸化、空気、酸素雰囲気中での熱酸化などを例示することができる。また、ランプブラックや着色用途向けのいわゆるカラーカーボンと呼ばれるカーボンブラックでは、そもそもその製造工程において表面に多量の含酸素官能基が導入されており、これらのカーボンは特に酸素官能基を導入処理せずにそのまま本発明に適用可能である。
次いで、炭素材料表面に塩基性官能基を導入する方法を例示する。含酸素官能基で塩基性を発現するのは、縮合多環芳香族内でキノン基と環状エーテル酸素とが共存する場合である。このような構造を積極的に炭素材料表面に導入するには、先ず炭素材料表面に含酸素官能基を多量に導入した後、不活性雰囲気若しくは還元性雰囲気で、600℃以上1200℃以下の温度で熱処理する方法を適用することができる。この熱処理により一部の酸性官能基が脱離し、その一部は環状エーテルに結合状態が変化して炭素材料表面に残り、このエーテル酸素と共鳴するキノン基だけが選択的に表面に残存するため、炭素材料表面に塩基性構造が形成される。
その他、含窒素官能基としては、弱い塩基性官能基としてアミノ基、比較的強い塩基性官能基としてピリジン型窒素を例示することが出来る。アミノ基の炭素材料表面への導入には、硝酸、過酸化水素などの酸化処理などの方法で含酸素官能基を炭素材料表面に多数導入しておいて、その酸素を窒素に置換する方法を適用することが可能である。たとえば、アンモニア水に炭素材料を分散させ、高圧・高温下で処理する、アンモニアガス中で炭素材料を加熱処理するなどの方法によって、炭素材料表面のカルボキシル基や水酸基はアミノ基に置換され、また縮合多環芳香族中のエーテル型酸素は窒素に置換される。
その他、塩基性の化合物を炭素材料表面に吸着・固定化させることも好適に本発明に適用可能である。ピリジン型窒素を含有する複素員環、或いは、アミノ基を含む化合物を炭素材料に含浸・乾固させる、或いは、含浸・乾固した後、更に不活性雰囲気下で、100〜1000℃の温度で熱処理することによる固定化も好適に本発明に適用可能である。
また、本発明では炭素材料のミクロ孔を導入し、その容積とミクロ孔サイズを制御することが本質的に重要である。ミクロ孔の導入方法に関して、本発明は何ら制限するものではないが、例示するならば、いわゆる炭素材料の賦活を適用することが出来る。賦活の具体的方法は何ら問わないが、例示するならば、水蒸気賦活、炭酸ガス賦活、アルカリ金属賦活、塩化亜鉛賦活などを挙げることができる。ミクロ孔の容積・サイズの制御は、炭素材料の結晶性に応じて、賦活条件の強弱により制御可能である。
(触媒の金属種)
本発明は、固体高分子電解質形燃料電池用の触媒に適用する担体を中心技術とするものであり、触媒能を有する金属種は特に限定されるものではなく、一般的に適用される白金、白金と他の金属成分とを複合化した合金などを適用することが可能である。本発明の触媒をカソードに適用する場合の金属種としては、白金、或いは白金合金を例示することが可能である。白金と合金化させる金属元素として、3d、4d、5d族の金属元素が好適である。5d族の金属元素は白金の5d電子の移動先としての機能では3d、4d元素よりも弱いと推察されるが、一方、固体高分子形燃料電池の電極反応の環境での金属の腐食溶解という観点からは、5d元素と白金との合金化は白金の腐食を抑制するという観点から有効な合金元素である。前記金属元素の中でも、遷移金属元素がより好ましい。
特に、カソード反応への本発明の適用に好適な白金以外の金属元素としては、本発明者らが鋭意検討の結果、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Re、Ir、Auの中から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。更に好ましくは、Cr、Fe、Co、Ni、Rh、Pd、Irの中から選ばれる少なくとも1種以上である。電子論的に確固たる第一原理的な理論的裏づけはないが、前記金属元素は、白金の5d電子を適度に減少させる効果が高く、そのために酸素還元反応における触媒活性を高めると考えられる。
他方、本発明の触媒はアノード反応にも効果的に適用することができる。アノード反応への白金の適用課題は、炭化水素から水素を製造する際に副生する一酸化炭素によって白金触媒表面が強固に被覆されることに起因する水素酸化反応の阻害(一酸化炭素による被毒)、或いは、メタノール燃料電池においてメタノール酸化反応時のメタノール酸化過程で生成する中間体などに起因する白金表面の被毒(被覆)である。アノード反応の被毒対策の基本指針は、白金表面に形成される一酸化炭素などを酸化燃焼させるもので、そのための酸素源を合金元素上に形成するというもので、例えばRu(ルテニウム)と白金との合金の場合には、Ru原子表面に形成される水酸基が酸素源となる。その他、アノードの耐被毒機能を持つ合金として、Pt−Fe、Pt−Moなどを例示することができる。
(担持量)
触媒金属微粒子の炭素担体上への担持量は、金属換算で10質量%以上80質量%以下が好ましい。10質量%未満では、実用上必要な出力電圧を得るための触媒層の厚さが厚くなり過ぎるために過電圧が大きくなってしまうことがある。また、80質量%を超える担持量では触媒層が薄過ぎるため大電流密度の負荷運転時に正極で生成する水によるガス拡散孔の閉塞を生じやすく安定した燃料電池の運転に支障をきたしてしまう場合がある。好ましくは、20質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、20質量%以上60質量%以下である。
(触媒金属微粒子の担持方法)
本発明において規定される炭素材料表面に金属微粒子を担持する方法は特に制限されるものではない。具体的に金属微粒子の担持方法を例示するならば、塩化白金酸等の金属塩化物や、金属硝酸塩、アセチルアセトナートなどの金属錯体を、アルコール類、フェノール類、クエン酸類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類及びエーテル類、ボロンハイドライド、ヒドラジンなどから選ばれる還元剤によって還元し、炭素材料表面に液相で吸着させることによって、白金を主成分とした微粒子を炭素担体に担持するのが好ましい。その際に、水酸化ナトリウムなどを加えてpHを調節し、更に、微粒子の凝集を妨げるためにポリビニルピロリドンなどの保護剤を添加するのが好ましい。
微粒子の凝集・粒子の成長と炭素材料への吸着とは競合反応であるから、炭素材料の吸着速度を高めることが有効であり、そのための合成指針として、炭素担体の表面積を大きくする、或いは、微粒子の液相での密度を小さくして微粒子の会合頻度を下げることが重要である。
また、予め金属成分の前駆体を吸着させた炭素材料を気相での還元により触媒金属微粒子として炭素材料表面に析出させることも可能であるし、また、金属前駆体の溶液と炭素材料との懸濁液を気相中で急速加熱し、金属前駆体を気相で還元して触媒金属微粒子を生成させると同時に炭素材料表面に担持させる方法を適用することも可能である。
(燃料電池用電極の製造方法)
本発明の触媒を用いて構成される電極は、電極の構成材料である電解質材料の種類や形態、電極構成に必要なバインダー材料の種類・構造によらず触媒の効果を発揮するものであって、これら電極構成材料は特に限定されるものではない。
本発明に使用される電解質膜や触媒層中に使用される電解質材料は、リン酸基、スルホン酸基等を導入した高分子、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーやベンゼンスルホン酸が導入されたポリマー等を挙げることができるが、高分子に限定するものではなく、無機系材料との複合化膜、無機-有機ハイブリッド系の電解質膜等を使用した燃料電池に使用しても差し支えない。特に好適な作動温度範囲を例示するならば、常温〜150℃の範囲内で作動する燃料電池が好ましい。
(燃料電池)
本発明の燃料電池用電極で、電解質膜を挟み、さらに、ガス拡散層、セパレーター、燃料ガス流路基板、酸素もしくは空気流路基板、ガスマニホールド等を組み合わせて固体高分子形燃料電池とすることができる。
(炭素担体の製造法)
BET評価による比表面積815m2/gのカーボンブラックA、比表面積224m2/gのカーボンブラックB、比表面積1470m2/gの活性炭C、比表面積1935m2/gの活性炭E、を基に以下の種々の表面処理行程により表面官能基を制御した炭素材料を作製した。また、比較材として比表面積2189m2/gの活性炭Fと比表面積120m2/gのカーボンブラックGを用意した。
<熱処理>
炭素材料Aをアルゴン雰囲気下で所定の温度(500、600、700、800、900、1000、1100、1200℃)で1時間熱処理したものを各々A500、A600、A700、A800、A900、A1000、A1100、A1200と記載する。他の炭素材料に関しても、同様の処理をし、同様の記載とした。
<硝酸酸化-熱処理>
炭素材料Aを濃硝酸(比重1.39)に分散し80℃で攪拌しながら1時間処理した後、蒸留水で希釈・攪拌・濾過を繰り返し、濾液が中性になったところで濾過を終了し、90℃で真空乾燥したものをANと記載する。ANをアルゴン雰囲気下で所定の温度(500、700、900、1100℃)で1時間熱処理したものを、各々AN500、AN700、AN900、AN1100と記載する。他の炭素材料に関しても、同様の処理をし、同様の表記とする。
<アンモニアガス処理>
炭素材料AN500をアンモニアガス雰囲気中500℃で1時間処理したものをAN500Aと記載する。他の炭素材料に関しても同様の表記とする。
<賦活処理>
上記カーボンブラックAを、CO2ガス流通下1100℃で30分間処理したものをカーボンブラックDとする。
(白金担持)
上記の各種カーボンブラックを蒸留水に分散させ超音波処理し、アルゴンバブル30分した後、攪拌しながら塩化白金酸水溶液とホルムアルデヒド水溶液を数時間かけてゆっくり滴下して白金微粒子をカーボンブラック上に担持させた。Ptの担持率は約50mass%でPt粒子のX線回折による直径が3〜4nmの範囲になるように合成の条件を適宜検討した。
上記の炭素担体の窒素ガス吸着測定による比表面積(SBET)、ミクロ孔容積(Vmicro)、ミクロ孔細孔径(Dmicro)、塩基性官能基量(B/SBET)、全酸度(TA/SBET)を表1にまとめて示した。
Figure 2008269850
(炭素材料の各種物性値の測定)
ここで本発明の炭素表面の官能基量は、下記の方法により測定するものとする:
(1)窒素ガス吸着による各種指標:
BET、Vmicro、Dmicro;窒素ガスの吸着等温測定から、BET法による比表面積SBET、tプロット解析により求めたミクロポア(直径2nm以下の細孔)の面積Smicroと、スリット形状のミクロ孔を仮定して算出したミクロポア径Dmicroである。ガス吸着測定には、日本ベル株式会社製BELSORP 36を用い、tプロット解析は装置に付属の解析プログラムを使用して上記の物性値を算出した。
(2)塩基性官能基量:
予め90℃で30分以上真空乾燥したカーボンブラック0.5gを精秤し100mLの三角フラスコへ入れる。そこへ1/100規定HCl溶液を50mL注入し、カーボンブラックを充分に分散させ、密栓状態で2時間振とうする。振とう後の溶液を加圧濾過し、カーボンブラックと反応後のHCl溶液とに分離する。反応後のHCl溶液を10mLとり、1/100規定のNaOH溶液で中和滴定し、滴下したNaOH溶液量からカーボンブラック1g当たりのHCl吸着量を算出し、これを塩基性官能基量とする。
(3)酸性官能基量:
予め90℃で30分以上真空乾燥したカーボンブラック0.5gを精秤し100mLの三角フラスコへ入れる。そこへ1/100規定NaOH溶液を50mL注入し、カーボンブラックを充分に分散させ、密栓状態で2時間振とうする。振とう後の溶液を加圧濾過し、カーボンブラックと反応後のNaOH溶液とに分離する。反応後のNaOH溶液を10mLとり、1/100規定のHCl溶液で中和滴定し、滴下したHCl溶液量からカーボンブラック1g当たりのNaOH吸着量を算出し、これを酸性官能基量とする。
(触媒層電極・膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly, MEA)の作製)
各々の触媒を用いて下記の行程で触媒層電極を作製した。
予め乳鉢で充分に粉砕した触媒粉に5%濃度のナフィオン溶液(アルドリッチ製)を白金触媒の質量に対してナフィオン固形分の質量が2倍になるように加え、軽く撹拌後、超音波で充分に分散処理した。更に、この分散液を強く攪拌した状態で、触媒とナフィオンを合わせた固形分濃度が6質量%となるように酢酸ブチルを加え、触媒スラリーを作製した。
別容器中でカーボンブラックに酢酸ブチルを加え、超音波で十分に分散させて、カーボンブラックが6質量%のカーボンブラックスラリーを作製した。触媒スラリーとカーボンブラックスラリーを質量比8:2で混合した後、十分攪拌し、触媒層スラリーとした。
市販のカーボンクロス(ElectroChem社製EC-CC1-060)を準備し、これを5%に希釈したテフロン(登録商標)分散液中に浸漬した後、乾燥し、さらにアルゴン気流中で340℃に昇温してガス拡散層を作製した。また、カーボンブラック1gにエタノール99gを加え、ボールミルでカーボンブラックを粉砕し、一次分散液を作った。その後、一次分散液を攪拌しながら30%テフロン(登録商標)分散液0.833gを少しずつ滴下し、マイクロポア層スラリーを作製した。このスラリーを先に作成したガス拡散繊維層の片面にスプレーを用いて塗布し、アルゴン気流中80℃で乾燥した後に340℃に昇温して、ガス拡散繊維層とマイクロポア層が積層したガス拡散層を作製した。
触媒層スラリーをガス拡散層のマイクロポア層の上にスプレーで塗布し、80℃のアルゴン気流中で1時間乾燥し、固体高分子形燃料電池用電極を得た。なお、各々の電極は白金使用量が0.15mg/cm2となるようにスプレー等の条件を設定した。白金使用量は、スプレー塗布前後の電極の乾燥質量を測定し、その差から計算して求めた。
さらに、得られた固体高分子形燃料電池用電極から2.5cm角の大きさを切り取り、アノード用電極、或いは、カソード用電極とした。アノード電極とカソード電極で電解質膜(ナフィオン112)をはさみ、130℃、総加圧0.625tで3分間ホットプレスを行い、MEAを作製した。
(セル評価法)
得られたMEAは、それぞれ燃料電池測定装置に組み込み、電池性能測定を行った。電池性能測定は、セル端子間電圧を開放電圧(通常0.9〜1.0V程度)から0.2Vまで段階的に変化させ、セル端子間電圧が0.8Vのときに流れる電流密度を測定した。ガスは、カソードに空気、アノードに純水素を、利用率がそれぞれ50%と80%となるように供給し、それぞれのガス圧は、セル下流に設けられた背圧弁で0.1MPaに圧力調整した。セル温度は80℃に設定し、供給する空気と純水素は、それぞれ80℃と90℃に保温された蒸留水中でバブリングを行い、加湿した。
表2に、表1に記載した各々の触媒を用いて上述の方法で作製した電極をアノードとカソードに組合わせて作製したMEAの評価結果をまとめて示した。
表2から、本発明で規定する触媒をカソードに用いたMEAは、明らかに高い電池性能を発現していることがわかる。
Figure 2008269850
本発明の触媒をアノードに適用した際の特性を調べるために、触媒1、触媒7、触媒12を用いて白金使用量が0.04mg/cm2となるようにアノード用電極を作製し、カソードは触媒12を用いて白金使用量が0.15mg/cm2となるようにを電極を作製し、アノードとカソードを組み合わせてMEAを作製した。電極、MEAの作製は白金使用量が異なるのみで他は上述と同一の工程とした。これらのMEAを用いてセルを作製し、上述の評価方法で特性を評価した。その結果を表3にまとめて示した。
表3から、本発明の触媒をアノードに用いたMEAは、アノードの白金量が少ないにもかかわらず、明らかに優れたMEA特性を発揮することが明らかとなった。
Figure 2008269850

Claims (4)

  1. 炭素材料に金属微粒子を担持してなる触媒であって、該炭素材料が下式(a)〜(d)を同時に満たすことを特徴とする固体高分子形燃料電池電極用触媒。
    (a)窒素吸着比表面積(SBET;m2/g):200≦SBET≦2000
    (b)塩基性官能基量(B;meq/g)とSBETの比:0.5≦B/SBET≦8
    (c)酸性官能基量(TA;meq/g)とSBETの比:0.05≦TA/SBET≦2
    (d)塩基性官能基量Bと酸性官能基量TAの比:2≦B/TA≦15
  2. 前記炭素材料がミクロ孔を有し、且つ、該ミクロ孔の細孔容積(Vmicro;ml/g)が0.1≦Vmicro≦0.8であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子形燃料電池電極用触媒。
  3. 前記炭素材料がミクロ孔を有し、且つ、該ミクロ孔の平均直径(Dmicro;nm)が1.0≦Dmicro≦3.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  4. 請求項1〜3に記載の固体高分子形燃料電池用触媒を含有する電極が、正極または負極の少なくとも一方に用いられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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