JP2008263876A - α−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法 - Google Patents
α−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】アシルピリジンからα−ヒドロキシアシルピリジンを著量生成し、蓄積する能力を有する微生物又はその処理物を作用させることにより、アシルピリジンからα−ヒドロキシアシルピリジンを微生物学的に製造する。微生物としては、例えば、クラブトレラ属、デルフティア属、シュードモナス属、又はコマモナス属の微生物を使用することができ、α−ヒドロキシアシルピリジンを製造することができる。
【選択図】なし
Description
テトラへドロン(Tetrahedron)、2001年、第57巻、8841−8850頁 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)、1987年、第109巻、3789−3790頁
本発明は、このような知見に基づくものである。
で表されるアシルピリジンに対して、そのα位にヒドロキシル基を導入する能力を有する微生物又はその処理物を作用させることを特徴とする、一般式(2):
で表されるα−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法に関する。
また、本発明の製造方法の別の好ましい実施態様においては、前記微生物が、クラブトレラ・スピーシーズ YGK−A443(FERM P−20939)、デルフティア・スピーシーズ YGK−A649(FERM BP−10389)、シュードモナス・プチダ YGK−703(FERM P−19700)、又はコマモナス・スピーシーズ YGK−141(FERM P−21232)である。
前記一般式(1)及び一般式(2)において、Rはアシル基を示す。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などの脂肪族アシル基を、また、ベンゾイル基、ナフトイル基などの芳香族アシル基を挙げることができる。
すなわち、2−アシルピリジンに対しては、その6位にヒドロキシル基を導入する能力を有する微生物又はその処理物を作用させることにより、6−ヒドロキシ−2−アシルピリジンを得ることができる。3−アシルピリジンに対しては、その6位にヒドロキシル基を導入する能力を有する微生物又はその処理物を作用させることにより、6−ヒドロキシ−3−アシルピリジンを得ることができる。4−アシルピリジンに対しては、その2位にヒドロキシル基を導入する能力を有する微生物又はその処理物を作用させることにより、2−ヒドロキシ−4−アシルピリジンを得ることができる。
1.形態的・培養的性質(+は陽性、−は陰性を表す。)
(1)細胞形態:桿菌
(2)幅:0.7〜0.8μm
(3)長さ:1.5〜2.0μm
(4)胞子形成:−
(5)運動性:+
(6)コロニー形態:円形、周縁全縁、隆起状態レンズ状、表面形状スムーズ、不透明、クリーム色
(1)グラム染色:−
(2)各培養温度での生育:37℃ +、45℃ −
(3)カタラーゼ:+
(4)オキシダーゼ:+
(5)酸/ガス産生(グルコース):−/−
(6)O/Fテスト(グルコース):+/−
(7)硝酸塩還元:+
(8)インドール産生:−
(9)ブドウ糖 酸性化:−
(10)アルギニンジヒドロラーゼ:−
(11)ウレアーゼ:−
(12)エスクリン加水分解:+
(13)ゼラチン加水分解:−
(14)β−ガラクトシダーゼ:+
(15)各種化合物の資化性
ブドウ糖:+
L−アラビノース:+
D−マンノース:+
D−マンニトール:+
N−アセチル−D−グルコサミン:+
マルトース:+
グルコン酸カリウム:−
n−カプリン酸:−
アジピン酸:−
dl−リンゴ酸:−
クエン酸ナトリウム:−
酢酸フェニル:−
(16)チトクロームオキシダーゼ:+
本菌株よりゲノムDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)の5’末端側塩基の配列を解析した。決定された塩基配列を配列表の配列番号1に示す。こうして得られた本菌株の16S rDNA塩基配列(配列番号1)を用いて、DNA塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)に対して相同性を検索し、近縁菌群と系統樹を作製した結果、本菌株はクラブトレラ属に属すると推定された。最も近縁であった基準株はクラブトレラ・サッカロフィラ(Crabtreella saccharophila)IAM12669[Accession No.238789]であり、相同率は99.0%であった。以上の結果より、本菌株をクラブトレラ・スピーシーズであると判定した。
1.形態的・培養的性質(+は陽性、−は陰性を表す。)
(1)細胞形態:桿菌
(2)幅:0.8μm
(3)長さ:1.5〜2.0μm
(4)胞子形成:−
(5)運動性:+
(6)コロニー形態:周縁全縁、隆起状態レンズ状、表面形状スムーズ、クリーム色
(1)グラム染色:−
(2)各培養温度での生育:37℃ +、45℃ −
(3)カタラーゼ:+
(4)オキシダーゼ:+
(5)酸/ガス産生(グルコース):−/−
(6)O/Fテスト(グルコース):−/−
(7)硝酸塩還元:+
(8)インドール産生:−
(9)ブドウ糖 酸性化:−
(10)アルギニンジヒドロラーゼ:−
(11)ウレアーゼ:−
(12)エスクリン加水分解:−
(13)ゼラチン加水分解:−
(14)β−ガラクトシダーゼ:−
(15)各種化合物の資化性
ブドウ糖:−
L−アラビノース:−
D−マンノース:−
D−マンニトール:+
N−アセチル−D−グルコサミン:−
マルトース:−
グルコン酸カリウム:+
n−カプリン酸:+
アジピン酸:+
dl−リンゴ酸:+
クエン酸ナトリウム:−
酢酸フェニル:+
(16)チトクロームオキシダーゼ:+
(17)MacConkey寒天培地での生育性:+
本菌株よりゲノムDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)のうち5’末端側約500塩基の配列を解析した。決定された塩基配列を配列表の配列番号2に示す。こうして得られた本菌株の16S rDNA塩基配列(配列番号2)を用いて、DNA塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)に対して相同性を検索し、近縁菌群と系統樹を作製した結果、本菌株はデルフティア属に属すると推定された。最も近縁であった基準株はデルフティア・アシドボランス(Delftia acidovorans)IAM12409株〔Accession No.AB021417〕であり、相同率は99%であった。以上の結果より、本菌株をデルフティア・スピーシーズであると判定した。
1.形態的・培養的性質(+は陽性、−は陰性を表す。)
(1)細胞形態:桿菌
(2)幅:0.8〜1.0μm
(3)長さ:1.5〜2.0μm
(4)胞子:−
(5)運動性:+
(6)コロニー形態:円形、全縁滑らか、凸状、光沢あり、淡黄色
(1)グラム染色:−
(2)培養温度:37℃ +、45℃ −
(3)カタラーゼ:+
(4)オキシダーゼ:+
(5)酸/ガス産生(グルコース):−/−
(6)O/Fテスト(グルコース):−/−
(7)硝酸の還元:−
(8)インドール産生:−
(9)グルコース 酸化性:−
(10)アルギニンデヒドロゲナーゼ:+
(11)ウレアーゼ:−
(12)エスクリン加水分解:−
(13)ゼラチン加水分解:−
(14)β−ガラクトシダーゼ:−
(15)各種化合物の資化性
グルコース:+
L−アラビノース:−
D−マンノース:−
D−マンニトール:−
N−アセチル−D−グルコサミン:−
マルトース:−
グルコン酸カリウム:+
n−カプリン酸:+
アジピン酸:−
dl−リンゴ酸:+
クエン酸ナトリウム:+
酢酸フェニル:+
(16)チトクロームオキシダーゼ:+
本菌株よりゲノムDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)のうち5’末端側約500塩基の配列を解析した。決定された塩基配列を配列表の配列番号3に示す。こうして得られた本菌株の16S rDNA塩基配列(配列番号3)を用いて、DNA塩基配列データベース〔MicroSeq Bacterial 500 Library V.0023(Applied Biosystems,CA,USA)〕に対して相同性を検索したところ、本菌株はシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)の16S rRNAとは相同率100%であり、シュードモナス・プチダの16S rRNAと一致した。以上の結果より、本菌株をシュードモナス・プチダであると判定した。
1.形態的・培養的性質(+は陽性、−は陰性を表す。)
(1)細胞形態:桿菌
(2)幅:0.6〜0.7μm
(3)長さ:1.0〜1.5μm
(4)胞子形成:−
(5)運動性:+
(6)コロニー形態:円形、周縁全縁、隆起状態レンズ状、表面形状スムーズ、透明度不透明、淡黄色
(1)グラム染色:−
(2)各培養温度での生育:37℃ +、45℃ +
(3)カタラーゼ:+
(4)オキシダーゼ:+
(5)酸/ガス産生(グルコース):−/−
(6)O/Fテスト(グルコース):−/−
(7)硝酸塩還元:−
(8)インドール産生:−
(9)ブドウ糖 酸性化:−
(10)アルギニンジヒドロラーゼ:−
(11)ウレアーゼ:−
(12)エスクリン加水分解:−
(13)ゼラチン加水分解:−
(14)β−ガラクトシダーゼ:−
(15)各種化合物の資化性
ブドウ糖:−
L−アラビノース:−
D−マンノース:−
D−マンニトール:−
N−アセチル−D−グルコサミン:−
マルトース:−
グルコン酸カリウム:+
n−カプリン酸:+
アジピン酸:+
dl−リンゴ酸:+
クエン酸ナトリウム:+
酢酸フェニル:−
(16)チトクロームオキシダーゼ:+
本菌株よりゲノムDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)の5’末端側塩基の配列を解析した。決定された塩基配列を配列表の配列番号4に示す。こうして得られた本菌株の16S rDNA塩基配列(配列番号4)を用いて、DNA塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)に対して相同性を検索し、近縁菌群と系統樹を作製した結果、本菌株はコマモナス属に属すると推定された。最も近縁であった基準株はComamonas Nitrativorans ATCC23310株〔Accession No.AJ251577〕であり、相同率は96.5%であった。以上の結果より、本菌株をコマモナス・スピーシーズであると判定した。
[i]得られた培養液はそのまま以下に述べる蓄積反応に使用してもよいし、
[ii]微生物を培養液から回収して蓄積反応に使用したり、又は
[iii]微生物の処理物を蓄積反応に使用することもできる。微生物の処理物とは、物理的(例えば、超音波、遠心分離など)又は化学的(例えば、界面活性剤、有機溶媒など)処理により、微生物の膜構造を部分的又は全体的に破壊する操作により得られた生成物を意味する。例えば、微生物の破砕物、粗酵素、精製酵素などを挙げることができる。
は遠心分離により培養液から回収して蓄積反応に使用することができる。すなわち、得られた微生物はアシルピリジンを含む生理食塩水、又は緩衝液などの水性溶媒に懸濁して反応に使用することができる。反応条件(pH、温度、アシルピリジンの添加量)は[i]の場合と同じである。
脱塩水1.0L中に酵母エキス1.0g、リン酸水素二ナトリウム十二水和物4.3g、リン酸二水素カリウム4.2g、硫酸鉄(II)七水和物0.3g、モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.3g、塩化マンガン(II)四水和物0.3g、硫酸マグネシウム七水和物0.5g、及びイソニコチン酸3.0gを含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを7.5に調整した培地。
脱塩水1.0L中に酵母エキス1.25g、リン酸水素二ナトリウム十二水和物4.3g、リン酸二水素カリウム4.2g、硫酸鉄(II)七水和物0.3g、モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.3g、硫酸マグネシウム七水和物0.5g、グルタミン酸ナトリウム5.0g、及びイソニコチン酸5.0gを含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを7.0に調整した培地。
脱塩水1.0L中に酵母エキス1.0g、リン酸水素二ナトリウム十二水和物4.3g、リン酸二水素カリウム4.2g、硫酸鉄(II)七水和物0.3g、モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.3g、塩化マンガン(II)四水和物0.3g、硫酸マグネシウム七水和物0.5g及びピコリン酸1.0gを含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを7.0に調整した培地。
脱塩水1.0L中に酵母エキス2.5g、リン酸水素二ナトリウム十二水和物4.3g、リン酸二水素カリウム4.2g、硫酸鉄(II)七水和物0.3g、モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.05g、塩化マンガン(II)四水和物0.05g、硫酸マグネシウム七水和物0.5g及びニコチン酸3.0gを含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを7.0に調整した培地。
[HPLCの分析条件]
カラム;CAPCELL PAK C18 MGII (SHISEIDO) 4.6×250mm、
流速;1mL/分、
カラム温度;40℃、
検出波長;210nm、
移動相[X];アセトニトリル/水=5/95(v/v)(85%リン酸を加えてpHを2.0に調整)、
移動相[Y];アセトニトリル/水=10/90(v/v)(85%リン酸を加えてpHを2.0に調整)、
移動相[Z];アセトニトリル/水=30/70(v/v)(85%リン酸を加えてpHを2.0に調整)、
保持時間;表1に示す。
(1)前培養
培地[A]100mLを500mL容の三角フラスコに入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した後、フィルター滅菌したスクロース10%溶液2.5mLを添加した。この三角フラスコに、栄養寒天培地に維持したクラブトレラ・スピーシーズ YGK−A443の菌体を1白金耳接種し、27℃で27時間振とう培養して、前培養液を得た。
撹拌、通気、温度及びpH調整が可能な2L容のジャーファーメンターに培地[A]1Lを入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した後、フィルター滅菌したスクロース10%溶液25mLを添加した。このジャーファーメンターに、上記前培養液20mLを加え、撹拌及び通気を実施しながら27℃及びpH7.5で19時間培養を行った。その後、炭素源及び窒素源であるスクロース7.5%とイソニコチン酸10%を含む酸性の水溶液を、pHコントローラーを用いて培養液に添加した。すなわち、培養液がpH7.2になるように、炭素源及び窒素源を少しずつ添加し、培養を継続した。本培養を開始してから46時間目で、スクロース7.5%とイソニコチン酸10%を含む水溶液の添加総量が380mLになり、生育速度と酵素生産速度が低下したため、培養を終了し、本培養液を得た。
上記本培養液10mLを遠心分離により集菌し静止菌体を得た。これに、各アシルピリジン〔3−アセチルピリジン(東京化成工業製)、3−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、3−ベンゾイルピリジン(和光純薬工業製)、4−アセチルピリジン(東京化成工業製)、4−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、4−ベンゾイルピリジン(東京化成工業製)〕をそれぞれ0.5w/v%を含む、pH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液を10mL加え、懸濁した。この懸濁液を50mL三角フラスコに入れ、撹拌を行いながら、27℃にて反応を開始した。その後、懸濁液のアシルピリジン濃度が0.5〜1.0w/v%の範囲に保たれるようにアシルピリジンを適宜添加し、α−ヒドロキシアシルピリジンの蓄積反応を行った。目的物の蓄積がほぼ終息した時点で蓄積反応を終了した(原料が3−アセチルピリジンの場合は55時間、3−プロピオニルピリジンは41.5時間、3−ベンゾイルピリジンは22時間、4−アセチルピリジンは44時間、4−プロピオニルピリジンは41.5時間、4−ベンゾイルピリジンは22時間)。
(1)前培養
培地[B]100mLを500mL容の三角フラスコに入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。この三角フラスコに、栄養寒天培地に維持したデルフティア・スピーシーズ YGK−A649の菌体を1白金耳接種し、27℃で27時間振とう培養して、前培養液を得た。
撹拌、通気、温度及びpH調整が可能な2L容のジャーファーメンターに培地[B]1Lを入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。このジャーファーメンターに、上記前培養液20mLを加え、撹拌及び通気を実施しながら27℃及びpH7.0で培養を開始した。炭素源及び窒素源であるグルタミン酸4.0%とイソニコチン酸3.4%を含む酸性の水溶液を、pHコントローラーを用いて培養液に添加した。すなわち、培養液がpH7.0になるように、炭素源及び窒素源を少しずつ添加し、培養を継続した。本培養を開始してから25時間目で、グルタミン酸4.0%とイソニコチン酸3.4%を含む酸性の水溶液の添加総量が850mLになり、生育速度と酵素生産速度が低下したため、培養を終了し、本培養液を得た。
上記本培養液10mLを遠心分離により集菌し静止菌体を得た。これに、各アシルピリジン〔3−アセチルピリジン(東京化成工業製)、3−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、3−ベンゾイルピリジン(和光純薬工業製)、4−アセチルピリジン(東京化成工業製)、4−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、4−ベンゾイルピリジン(東京化成工業製)〕をそれぞれ0.5w/v%を含む、pH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液を10mL加え、懸濁した。この懸濁液を50mL三角フラスコに入れ、撹拌を行いながら、27℃にて反応を開始した。その後、懸濁液のアシルピリジン濃度が0.5〜1.0w/v%の範囲に保たれるようにアシルピリジンを適宜添加し、α−ヒドロキシアシルピリジンの蓄積反応を39時間行った。目的物の蓄積がほぼ終息した時点で蓄積反応を終了した(原料が4−アセチルピリジンの場合は44時間、その他のアシルピリジンの場合は39時間)。
(1)前培養
培地[C]100mLを500mL容の三角フラスコに入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。この三角フラスコに、栄養寒天培地に維持したシュードモナス・プチダ YGK−703の菌体を1白金耳接種し、27℃で27時間振とう培養して、前培養液を得た。
撹拌、通気、温度及びpH調整が可能な2L容のジャーファーメンターに培地[C]1Lを入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。このジャーファーメンターに、上記前培養液20mLを加え、撹拌及び通気を実施しながら27℃及びpH7.0で培養を開始した。炭素源及び窒素源であるグルコース25%とピコリン酸25%を含む酸性の水溶液を、pHコントローラーを用いて培養液に添加した。すなわち、培養液がpH7.0になるように、炭素源及び窒素源を少しずつ添加し、培養を継続した。本培養を開始してから27時間目で、グルコース25%とピコリン酸25%を含む水溶液の添加総量が120mLになり、生育速度と酵素生産速度が低下したため、培養を終了し、本培養液を得た。
上記本培養液10mLを遠心分離により集菌し静止菌体を得た。これに、各アシルピリジン〔2−アセチルピリジン(東京化成工業製)、2−ベンゾイルピリジン(東京化成工業製)〕をそれぞれ0.5w/v%を含む、pH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液を10mL加え、懸濁した。この懸濁液を50mL三角フラスコに入れ、撹拌を行いながら、27℃にて反応を開始した。その後、懸濁液のアシルピリジン濃度が0.5〜1.0w/v%の範囲に保たれるようにアシルピリジンを適宜添加し、α−ヒドロキシアシルピリジンの蓄積反応を行った。目的物の蓄積がほぼ終息した時点で蓄積反応を終了した(原料が2−アセチルピリジンは35.5時間、2−ベンゾイルピリジンは72時間)。
(1)前培養
培地[D]100mLを500mL容の三角フラスコに入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。この三角フラスコに、栄養寒天培地に維持したシュードモナス・プチダ YGK−703の菌体を1白金耳接種し、27℃で27時間振とう培養して、前培養液を得た。
撹拌、通気、温度及びpH調整が可能な2L容のジャーファーメンターに培地[D]1Lを入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。このジャーファーメンターに、上記前培養液20mLを加え、撹拌及び通気を実施しながら27℃及びpH7.0で培養を開始した。炭素源及び窒素源であるグルコース12.5%とニコチン酸12.5%を含む酸性の水溶液を、pHコントローラーを用いて培養液に添加した。すなわち、培養液がpH7.0になるように、炭素源及び窒素源を少しずつ添加し、培養を継続した。本培養を開始してから26時間目で、グルコース12.5%とニコチン酸12.5%を含む水溶液の添加総量が210mLになり、生育速度と酵素生産速度が低下したため、培養を終了し、本培養液を得た。
上記本培養液10mLを遠心分離により集菌し静止菌体を得た。これに、各アシルピリジン〔3−アセチルピリジン(東京化成工業製)、3−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、3−ベンゾイルピリジン(和光純薬工業製)〕をそれぞれ0.5w/v%を含む、pH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液を10mL加え、懸濁した。この懸濁液を50mL三角フラスコに入れ、撹拌を行いながら、27℃にて反応を開始した。その後、懸濁液のアシルピリジン濃度が0.5〜1.0w/v%の範囲に保たれるようにアシルピリジンを適宜添加し、α−ヒドロキシアシルピリジンの蓄積反応を行った。目的物の蓄積がほぼ終息した時点で蓄積反応を終了した(原料が3−アセチルピリジンの場合は46.5時間、3−プロピオニルピリジン及び3−ベンゾイルピリジンは72時間)。
(1)前培養
培地[D]100mLを500mL容の三角フラスコに入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。この三角フラスコに、栄養寒天培地に維持したコマモナス・スピーシーズ YGK−141の菌体を1白金耳接種し、27℃で27時間振とう培養して、前培養液を得た。
撹拌、通気、温度及びpH調整が可能な2L容のジャーファーメンターに培地[D]1Lを入れ、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌を実施した。このジャーファーメンターに、上記前培養液20mLを加え、撹拌及び通気を実施しながら27℃及びpH7.0で培養を開始した。炭素源及び窒素源であるクエン酸12.5%とニコチン酸12.5%を含む酸性の水溶液を、pHコントローラーを用いて培養液に添加した。すなわち、培養液がpH7.0になるように、炭素源及び窒素源を少しずつ添加し、培養を継続した。本培養を開始してから24時間目で、クエン酸12.5%とニコチン酸12.5%を含む水溶液の添加総量が200mLになり、生育速度と酵素生産速度が低下したため、培養を終了し、本培養液を得た。
上記本培養液10mLを遠心分離により集菌し静止菌体を得た。これに、各アシルピリジン〔3−アセチルピリジン(東京化成工業製)、3−プロピオニルピリジン(ジョンソン・マッセイ製)、3−ベンゾイルピリジン(和光純薬工業製)〕をそれぞれ0.5w/v%を含む、pH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液を10mL加え、懸濁した。この懸濁液を50mL三角フラスコに入れ、撹拌を行いながら、27℃にて反応を開始した。その後、懸濁液のアシルピリジン濃度が0.5〜1.0w/v%の範囲に保たれるようにアシルピリジンを適宜添加し、α−ヒドロキシアシルピリジンの蓄積反応を行った。目的物の蓄積がほぼ終息した時点66時間で蓄積反応を終了した。
Claims (4)
- 前記微生物が、クラブトレラ(Crabtreella)属、デルフティア(Delftia)属、シュードモナス属、又はコマモナス(Comamonas)に属する微生物である、請求項1記載のα−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法。
- 前記微生物が、クラブトレラ・スピーシーズ YGK−A443(FERM P−20939)、デルフティア・スピーシーズ YGK−A649(FERM BP−10389)、シュードモナス・プチダ YGK−703(FERM P−19700)、又はコマモナス・スピーシーズ YGK−141(FERM P−21232)である、請求項1記載のα−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法。
- 受託番号FERM P−21232である、コマモナス・スピーシーズ YGK−141。
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JP2007112672A JP5126707B2 (ja) | 2007-04-23 | 2007-04-23 | α−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法 |
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