JP2002017386A - インドール−3−カルボン酸誘導体の製造法 - Google Patents

インドール−3−カルボン酸誘導体の製造法

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Toru Nagasawa
透 長澤
Toyokazu Yoshida
豊和 吉田
Eiji Sato
栄治 佐藤
Tetsuji Nakamura
哲二 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医農薬合成中間体として有用なインドール−3
−カルボン酸誘導体類の効率的な製造法の提供。 【解決手段】インドール誘導体を、インドール−3−カ
ルボン酸誘導体に変換する能力を有する微生物細胞また
はその処理物を作用させ、生成するインドール−3−カ
ルボン酸誘導体を採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素の作用により
インドール誘導体からインドール−3−カルボン酸誘導
体を製造する方法に関する。これらのインドール−3−
カルボン酸誘導体は種々の医農薬品等の原料として有用
である。
【0002】
【従来の技術】生体における酵素的脱炭酸反応は、アミ
ノ酸やα−ケト酸に関して詳細に研究され、酵素的性質
が明らかにされている。しかし、芳香族カルボン酸の非
酸化的脱炭酸酵素については不明な点が多い状況にあ
る。微生物による芳香族カルボン酸の非酸化的脱炭酸反
応としては、ヒドロキシ安息香酸をフェノールへと変換
する反応が知られている(Microb.Ecol.,
20,103,1990)。また、Citrobact
er属細菌が没食子酸を脱炭酸し、ピロガロールを生成
蓄積することが知られている(Agric.Biol.
Chem.,46,2539,1982)。
【0003】芳香族化合物への炭酸固定を触媒する微生
物については、フェノールの分解の第一段階として4−
ヒドロキシ安息香酸へ変換することがPseudomonas属の
細菌で知られている(Arch.Microbiol.,148,213,1987)。
4−ヒドロキシ安息香酸や3,4−ジヒドロキシ安息香
酸の脱炭酸反応および逆反応による炭酸固定がClostrid
ium属由来の酵素で触媒されることが明らかにされてい
る(Appl.Environ.Microbiol.,60,4182,1994)。また、Ba
cillus属由来のピロール−2−カルボン酸脱炭酸酵素
が、ピロールへの炭酸固定を行い、ピロール−2−カル
ボン酸を合成することを見いだされている、(Eur.J.Bio
chem.,253,480,1998)。さらに、Serratia属由来の酵素
でも同様な活性が見出されている(特願平11−539
号)。一方、多環式化合物であるインドール誘導体につ
いては酵素的な脱炭酸反応およびその逆反応である炭酸
固定反応に関する報告はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医農薬合成
中間体として有用なインドール−3−カルボン酸誘導体
を酵素的な炭酸固定反応により、工業的に有利な製造方
法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インドー
ル誘導体の酵素的な脱炭酸反応およびその逆反応である
炭酸固定反応について鋭意検討を行った結果、インドー
ル誘導体に位置特異的に炭酸固定反応を触媒する酵素が
存在することを発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、インドール−3−カルボン酸誘導
体の製造法において、一般式(III)
【化3】 (式中、X1〜X6は水素原子または置換基を示す)で表
されるインドール誘導体を、炭酸イオンの存在下、イン
ドール誘導体から、一般式(IV)
【化4】 (式中、X1〜X6は水素原子または置換基を示す)で表
されるインドール−3−カルボン酸誘導体の合成を触媒
する能力を有する酵素、酵素固定化物、微生物、菌体培
養液、または菌体処理物を作用させ、生成するインドー
ル−3−カルボン酸誘導体を採取することを特徴とする
インドール−3−カルボン酸誘導体の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(I)および(II)中において、X1〜X6は水素原
子または置換基を表し、該反応を阻害しない限り、特に
制限はないが、具体的には、X1の場合、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アシ
ル基、アミノ基、水酸基、ハロゲン基、アルコキシル
基、オキシカルボニル基、シリル基等の置換基やそれら
から誘導化された置換基等が、 X2〜X6の場合、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル
基、アシル基、アミノ基、水酸基、ハロゲン基、ニトリ
ル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシル基、オ
キシカルボニル基、シリル基等の置換基やそれらから誘
導化された置換基等が例示される。
【0007】原料となるインドール誘導体は、公知の方
法により合成することができる。本発明において使用す
る酵素、酵素固定化物、微生物、菌体培養液、または菌
体処理物は、インドール誘導体から、インドール−3−
カルボン酸誘導体へ炭酸固定反応を触媒する能力を有す
ればその種類及び起源を問わない。
【0008】本反応を触媒する酵素あるいは酵素固定化
物としては、例えば、インドール誘導体から、インドー
ル−3−カルボン酸誘導体へ炭酸固定反応を触媒する能
力を有する微生物から分離された粗酵素又は精製酵素等
が使用することができる。そのような微生物としては、
特に制限はないが、例えば代表的なものとしてArthroba
cter属、Gibberella属およびFusarium属等に属する微生
物が挙げられる。
【0009】Arthrobacter属に属する微生物としては、
Arthrobacter nicotiance FI 1612(FERM P-17955)
が、 Gibberella属に属する微生物としてはGibberella
fujikuroi IFO 6605が、Fusarium属に属する微生物とし
ては Fusarium subglutinans FI31(FERMP-17954)等が
例示される。Arthrobacter nicotiance FI 1612およびF
usarium subglutinans FI 31は本発明者らが新たに土壌
中より分離したもので、上記寄託番号にて通商産業省工
業技術院生命工学工業研究所に寄託されており、その生
物学的性状は以下の通りである。
【0010】Arthrobacter nicotiance FI 1612 形態; 桿菌 グラム染色性; + 胞子; − 酸素要求性; 好気性 運動性; − カタラーゼ; + ペプチドグリカンタイプ; A4α,L-Lys−L-
Ala−L-Glu 細胞の加水分解物中にmeso-ジアミノピメリン酸は認め
られず.グルコースからの酸およびガスの生産は認めら
れず.さらに16SrDNA配列の類似性より、 Arthr
obacter nicotianceと結論。
【0011】Fusarium subglutinans FI 31 コロニーの性質;オートミール培地で25℃、3日間で直
径30mmのコロニーを形成し、気中菌糸体が3mm程の高さ
になる。 寒天は、黄褐色を呈する。寒天表面のオレン
ジの分生子座中に分生子の塊が存在。多くの暗黒色の菌
核からなる。 形態;気菌糸にねばねばしたボール状に形成された小分
生子は、50μm長の一般的に見られる又は増殖している
柄状のフィアライド、8-20μm長の楕円・こんぼう状の
楕円分生子から形成される。分生子座の大分生子は、ふ
さ状の分生子柄、筒状の梗子(分生子形成細胞)から成
り、長さ25μmである。分生子は、約3-4の隔壁を持つ。 明瞭な足細胞ははっきりせず、30−35×3.5μmの曲が
った頂端細胞を持つ。厚壁胞子は存在しない。
【0012】Gibberella fujikuroi IFO 6605は公知で
あり、財団法人発酵研究所から容易に入手することがで
きる。また、これらの微生物から単離した酵素遺伝子を
各種宿主ベクター系に導入した遺伝子操作微生物の利用
も可能である。
【0013】さらに、上記のような微生物から分離され
た粗酵素又は精製酵素のみならず、該微生物を培地中で
培養して得られる培養物をそのままか、又は該培養物か
ら遠心分離などの集菌操作によって得られる培養上清、
菌体、若しくは菌体処理物の存在下でインドール−3−
カルボン酸誘導体を製造することもできる。菌体処理物
としては、アセトン、トルエン等で処理した菌体、菌体
の破砕物、菌体を破砕した無細胞抽出物などが挙げられ
る。
【0014】本発明においては、これら酵素、酵素固定
化物、微生物、菌体培養液、または菌体処理物を通常1
種類用いるが、同様な能力を有する2種以上のそれを混
合して用いることも可能である。
【0015】本発明の製造方法において、酵素を反応に
供するに際しては、該酵素が活性を示す限りその使用形
態は特に限定されず、酵素を適当な担体に固定化して使
用することもできる。酵素を固定化して用いることによ
り、反応終了後のインドール−3−カルボン酸誘導体並
びに酵素の分離・回収が容易になるとともに、酵素の再
利用も可能となる。
【0016】本発明においてこれらの微生物を培養する
ための培地としては、通常これらの微生物が生育し得る
ものであれば何れのものでも使用できる。炭素源として
は、例えば、グルコース、シュークロースやマルトース
等の糖類、酢酸、クエン酸やフマル酸等の有機酸あるい
はその塩、エタノールやグリセロール等のアルコール類
等を使用できる。窒素源としては、例えば、ペプトン、
肉エキス、酵母エキスやアミノ酸等の一般天然窒素源の
他、各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用できる。
その他、無機塩、微量金属塩、ビタミン等が必要に応じ
て適宜添加される。また、高い酵素活性を得るために、
例えば、インドール、インドール−3−カルボン酸、ト
リプトファン、3−シアノインドール等のインドール骨
格もつ化合物あるいはカルボン酸を置換基に持つ化合物
等を酵素産生の誘導物質として培地に添加することも有
効である。
【0017】その培養は常法に従って行えばよく、例え
ば、pH4〜10、温度15〜40℃の範囲にて好気的
に6〜96時間培養する。また、静置培養で同様に培養
することで高い酵素活性を得ることができる場合があ
る。
【0018】本発明において、炭酸固定反応によるイン
ドール−3−カルボン酸誘導体の生産は、以下の方法で
行うことができる。炭酸イオンの存在下、水または緩衝
液等の反応溶媒中でインドール誘導体に上記酵素、酵素
固定化物、微生物、菌体培養液、または菌体処理物を接
触させることにより行うことができる。そして、反応温
度、反応系内の内圧、必要により反応液のpHを制御しな
がら反応を行う。場合によっては反応の途中で炭酸イオ
ンあるいはインドール誘導体を加え、反応を継続させる
こともある。
【0019】反応液の基質濃度は、0.01〜50質量
%の間で特に制限はないが、生産性等を考慮すると0.
1〜30質量%の濃度で実施するのが好ましい。炭酸イ
オンの供給源としては、炭酸ガスあるいはナトリウム、
カリウム、アンモニウム等の炭酸塩が挙げられ、特に、
炭酸水素カリウムや炭酸水素ナトリウム等が有効であ
る。本反応は、平衡反応であるため、これらの塩に加え
て炭酸ガス加圧下に反応を行うことにより、さらに反応
収量を高めることもできる。
【0020】反応液中の微生物等の濃度は、通常、0.
01〜20質量%であり、好ましくは0.01〜10質
量%である。
【0021】反応液のpHは用いる酵素の至適pH、炭酸イ
オンの溶解性等を考慮し、総合的に決定され、特に制限
はないが、一般的にはpH4〜11の範囲であり、好ましく
はpH5〜9である。また、反応が進行するに従いpHが変
化してくるが、この場合は適当な中和剤を添加して最適
pHに調整することが望ましい。
【0022】反応温度は0〜60℃が好ましく、5〜5
0℃がより好ましい。
【0023】反応溶媒は、通常イオン交換水、緩衝液等
の水性媒体を使用するが、インドール誘導体の溶解を促
進させるために有機溶媒あるいは界面活性剤を含んだ系
でも反応を行うことができる。有機溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、t-ブチルアル
コール、t-アミルアルコール等のアルコール系溶媒、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化
水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン系溶媒、その他アセトニトリル、N,N-ジメチ
ルホルムアミド等を適宜使用できる。界面活性剤として
は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
硫酸塩等のアニオン界面活性剤、アルキルピリジニウム
塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド等のカチ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル(フェニ
ル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニ
ル)エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン系界
面活性剤)、ポリオキシエチレングリコールソルビタン
アルキルエステル(トゥイーン系界面活性剤)、ポリオ
キシエチレングリコールp-t-オクチルフェニルエーテル
(トリトン系界面活性剤)、ショ糖脂肪酸エステル等の
非イオン性界面活性剤、N−アルキル−N,N−ジメチ
ルアンモニウムベタイン、レシチン、ホスファチジルエ
タノールアミン、リゾレシチン等の両性界面活性剤等を
適宜使用できる。
【0024】また、これらの有機溶媒あるいは界面活性
剤を水への溶解度以上に加えて2層系で反応を行うこと
も可能である。有機溶媒を反応系に共存させることで、
選択率、変換率、収率などが向上することも多い。反応
時間は、通常、1時間〜1週間、好ましくは1〜72時間
であり、そのような時間で反応が終了する反応条件を選
択することが好ましい。
【0025】尚、以上のような基質あるいは炭酸イオン
濃度、酵素濃度、pH、温度、溶媒、反応時間及びその他
の反応条件はその条件における反応収率等を考慮して目
的とするインドール−3−カルボン酸誘導体が最も多く
採取できる条件を適宜選択することが望ましい。
【0026】炭酸固定反応終了混合液からの目的物の単
離は除菌後、濃縮、抽出、カラム分離、結晶化等など通
常の公知の方法によって行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定され
るものではない。
【0028】〔実施例1〕インドール−3−カルボン酸
2.0g/l、酵母エキス1.0g/l、 (NH4)
2HPO4 2.0g/l、MgSO4・7H2 O
0.5g/l、ビタミン混合液5ml/lおよび金属塩
混合液5ml/lからなる培地30ml(pH7.0)
を500ml容坂口フラスコに分注し、121℃、15
分間加熱滅菌した後、表1に示す菌株を接種し、28℃
で28時間振とう培養した。尚、ビタミン混合液はビオ
チン100mg/l、パントテン酸カルシウム20mg
/l、イノシトール100mg/l、ニコチン酸20m
g/l、ピリドキシン塩酸塩20mg/l、p−アミノ
安息香酸10mg/l、リボフラビン10mg/l、葉
酸0.5mg/lからなり、金属塩混合液は、H3BO
4 300mg/l、CaCl2 400mg/l、C
uSO4・7H2O 40mg/l、KI 100mg
/l、FeSO4・7H2O 200mg/l、MnS
O4・7H2O 400mg/l、H2MoO4・2H
2O 200mg/l、濃塩酸10ml/lからなる。
【0029】培養終了後、遠心分離にて菌体を集菌し、
培養液と同量の0.85%NaCl溶液で洗浄した後、
1.5mlの同溶液に菌体を懸濁した。100mMイン
ドール溶液(インドールを40%メタノールに溶解し、
100mM溶液を調整したもの)0.4ml、0.5M
リン酸カリウム緩衝液(pH6.0)0.4ml、 K
HCO3 0.6mmolおよび表1に示す菌体懸濁液
1.0mlをそれぞれ添加し、全量を2mlに調整後、
密栓し、20℃で6時間反応させた。反応液から遠心分
離にて除菌した後、高速液体クロマトグラフィーでイン
ドール−3−カルボン酸の定量を行った。結果を表1に
示す。
【0030】表1.
【0031】〔実施例2〕マルトース10g/l、肉エ
キス5g/l、インドール−3−カルボン酸1.5g/
l、酵母エキス0.5g/l、MgSO4・7H2 O
0.5g/l、K2HPO4 1g/lおよび金属塩
混合液5ml/lからなる培地30ml(pH7.0)
を500ml容坂口フラスコに分注し、121℃、15
分間加熱滅菌した後、Arthrobacter nicotiance FI 161
2を接種し、28℃で28時間振とう培養した。
【0032】培養終了後、遠心分離にて菌体を集菌し、
培養液と同量の0.85%NaCl溶液で洗浄した後、
1.5mlの同溶液に菌体を懸濁した。
【0033】100mMインドール溶液(インドールを
40%メタノールに溶解し、100mM溶液を調整した
もの)0.4ml、0.5Mリン酸カリウム緩衝液(p
H6.0)0.4ml、 KHCO3 0.6mmol
およびArthrobacter nicotiance FI 1612菌体懸濁液
1.0mlを添加し、全量を2mlに調整後、密栓し、
20℃で6時間反応させた。反応液から遠心分離にて除
菌した後、高速液体クロマトグラフィーでインドール−
3−カルボン酸の定量したところ、インドール−3−カ
ルボン酸7.0mmol/Lの生成が認められた。
【0034】〔実施例3〕実施例2と同様にArthrobact
er nicotiance FI 1612を5倍スケールで培養し、同条
件での5倍スケール(反応液10ml)で反応させた。
6時間後、インドール−3−カルボン酸10mmol/
Lの生成が認められた。
【0035】この反応を15回繰り返し、生成物である
インドール−3−カルボン酸の単離を行った。すなわ
ち、15回分の反応液から遠心分離にて除菌した後、減
圧下、炭酸ガスを留去させた。Dowex 1×2(O
型)に吸着させたのち、水、0.05N酢酸で洗浄
し、2N酢酸で溶出させた。この溶出液を酢酸エチルで
3回抽出し、濃縮乾固した。酢酸エチル/n−ヘキサン
で再結晶し、106mgのインドール−3−カルボン酸
を得た。H−NMRおよび13C−NMRにて構造を
確認した。
【0036】〔実施例4〕実施例1と同様に表2に示す
菌体懸濁液を調製し、続いて、ただし、インドールの代
わりに2−メチルインドールを添加して同様に反応させ
た。反応液から遠心分離にて除菌した後、高速液体クロ
マトグラフィーで2−メチルインドール−3−カルボン
酸の定量を行った。
【0037】表2.
【発明の効果】医農薬合成中間体として有用なインドー
ル−3−カルボン酸誘導体を極めて穏和な酵素的な手法
より、製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 17/10 (C12P 17/10 C12R 1:06) C12R 1:06) (72)発明者 中村 哲二 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化成品開発研究所内 Fターム(参考) 4B064 AE48 CA02 CA05 CB30 CD12 DA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インドール−3−カルボン酸誘導体の製
    造法の製造法において、一般式(I) 【化1】 (式中、X1〜X6は水素原子または置換基を示す)で表
    されるインドール誘導体を、炭酸イオンの存在下、一般
    式(II) 【化2】 (式中、X1〜X6は水素原子または置換基を示す)で表
    されるインドール−3−カルボン酸誘導体の合成を触媒
    する能力を有する酵素、酵素固定化物、微生物、菌体培
    養液、または菌体処理物を作用させ、生成するインドー
    ル−3−カルボン酸誘導体を採取することを特徴とする
    インドール−3−カルボン酸誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)および(II)で表されるイ
    ンドール誘導体およびインドール−3−カルボン酸誘導
    体の内、X1およびX3〜X6が水素原子であることを特
    徴とする請求項1記載のインドール−3−カルボン酸誘
    導体の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8889730B2 (en) 2012-04-10 2014-11-18 Pfizer Inc. Indole and indazole compounds that activate AMPK
US9394285B2 (en) 2013-03-15 2016-07-19 Pfizer Inc. Indole and indazole compounds that activate AMPK
CN117981758A (zh) * 2024-04-02 2024-05-07 中国农业科学院作物科学研究所 一种喷施处理提高小麦抗假禾谷镰刀菌引起的茎基腐病害的杀菌剂及应用

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