JPH11206398A - 光学活性クロマン−3−酢酸類及びそのエステルの製造法 - Google Patents

光学活性クロマン−3−酢酸類及びそのエステルの製造法

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JPH11206398A
JPH11206398A JP20540698A JP20540698A JPH11206398A JP H11206398 A JPH11206398 A JP H11206398A JP 20540698 A JP20540698 A JP 20540698A JP 20540698 A JP20540698 A JP 20540698A JP H11206398 A JPH11206398 A JP H11206398A
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genus
ifo
chroman
microorganism
isomer
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JP20540698A
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Toshihiro Oikawa
利洋 及川
Yasuko Matsuba
松葉  泰子
Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬中間体として有用な光学純度の高いクロ
マン-3-酢酸類及びそのエステルを簡便且つ効率的に製
造すること。 【解決手段】 クロマン-3-酢酸エステル類の(3R)
体と(3S)体の混合物に、これらを立体選択的に加水
分解する酵素活性を有する酵素を作用させて、光学活性
クロマン-3-酢酸類または光学活性クロマン-3-酢酸エス
テル類を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬原料として有
用な化合物である光学活性クロマン-3-酢酸類及びその
エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロマン-3-酢酸エステル類はヨーロッ
パ公開特許公報EP 0709370及びEP 076
0364において知られ、抗血小板薬の有用な中間体で
ある。EP 0760364では6-アミノクロマン-3-
酢酸メチルエステルをキラルカラムクロマトグラフィー
で光学分割しているが、分割効率は満足できるものでは
なかった。
【0003】加水分解酵素を用いた光学選択的な加水分
解による光学分割法も、工業的には魅力的な方法である
が、クロマン-3-酢酸エステル類に対し高い光学選択性
を示し且つ効率よく加水分解するエステル加水分解酵素
は知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医薬
原料として有用な光学活性クロマン-3-酢酸類及び光学
活性クロマン-3-酢酸エステル類の、簡便且つ効率的な
製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便且つ
効率的に光学純度の高いクロマン-3-酢酸類及びそのエ
ステルを製造する方法を見いだすべく鋭意研究を重ねた
結果、(3R)−及び(3S)−クロマン-3-酢酸エス
テル類の混合物に、これらを光学選択的に加水分解す
る、すなわちこれらを立体選択的に加水分解する能力を
有するエステル加水分解酵素または該酵素を含有する微
生物、またはその処理物を作用させ、光学活性クロマン
-3-酢酸類及び光学活性クロマン-3-酢酸エステル類を得
ることが出来ることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、下記式(I)
【0007】
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のア
ルキル基を示し、R2は水素原子、置換または無置換の
アミノ基を表す)で示されるクロマン-3-酢酸エステル
類の(3R)体と(3S)体の混合物に、これらの化合
物を立体選択的に加水分解する能力を有するエステル加
水分解酵素を反応媒体中で接触させて、これらの(3
R)体と(3S)体のいずれか一方を優先的に加水分解
する工程と、前記加水分解により生じた光学活性クロマ
ン-3-酢酸類、または加水分解されずに残存するクロマ
ン-3-酢酸エステル類の(3R)体及び(3S)体の少
なくとも一方を前記反応媒体から回収する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、酵素を用いて(3R)−
及び(3S)クロマン-3-酢酸エステル類の立体選択的
な加水分解を行うことで、簡便且つ効率的に光学活性ク
ロマン-3-酢酸類またはそのエステルを製造することが
可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】上記式(I)におけるR1基とし
ては、直鎖状または分岐鎖状の1〜5個の炭素原子を有
するアルキル基が挙げられ、さらに具体的にはメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等が挙げら
れ、より好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。
【0010】R2がアミノ基である際の置換基として
は、アセチル基、tert−ブトキシカルボニル基、ま
たはベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0011】本発明におけるエステル加水分解酵素とし
ては動物組織由来または微生物由来の各種エステラー
ゼ、各種リパーゼ、各種プロテアーゼ、さらには各種ペ
プチダーゼ等で、上記式(I)の化合物を立体選択的
に、すなわちその(3R)体及び(3S)体のいずれか
を優先的に加水分解する酵素活性を有するものが用いら
れる。そのような酵素としては市販のものも利用するこ
とができ、具体的には豚肝臓由来エステラーゼ、ペニシ
リウム属のかび由来カルボキシペプチダーゼP、エセリ
シア属の細菌由来のアルカリプロテアーゼI、トリチラ
シウム属のカビ由来プロテイナーゼKまたはノボザイム
234等が挙げられる。
【0012】更に、各種微生物の有するエステル加水分
解酵素も利用することができる。このような微生物とし
ては、その(3R)体及び(3S)体の一方を優先的に
加水分解する酵素を有するものであれば良く、例えば、
シュードノカルディア(Pseudonocardia)属、シュード
モナス(Pseudomonas)属、ブレビバクテリウム(Brevi
bacterium)属、ブレブンディモナス(Brevundimonas)
属、ピキア(Pichia)属、及びヤロウイナ(Yarrowia)
属、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)属、マイ
コプラナ(Mycoplana)属、コマモナス(Comamonas)
属、キサントバクタ−(Xanthobacter)属、バチルス
(Bacillus)属、ブレッタノマイセス(Brettanomyce
s)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)属、サ−モアクチノマイセ
ス(Theromoactinomyces)属、ペニシリウム(Penicill
ium)属、及びスフィンゴモナス(Sphingomonas)属に
属する微生物が挙げられる。
【0013】かかる微生物の具体例としては、シュード
ノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermop
hila)FERM BP-6275またはATCC 19285、シュードモナス
・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 1268
9、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas f
luorescens)ATCC 13525、ブレブンディモナス・ビスキ
ュラリス(Brevundimonas vesicularis)IFO 12165、ピ
キア・ファビアニー(Pichia fabianii)IFO 1370、ヤ
ロウイナ・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)IFO 0
746、フラボバクテリウム・オケアノコイテス(Flavoba
cterium okeanokoites)FERM BP-6276またはIFO 1588
0、スフィンゴモナス・カプシュラタ(Sphingomonas ca
psulata)IFO 12533、マイコプラナ・バラッタ(Mycopl
ana ballata)IFO 13290、コマモナス・テリジェナ(Co
mamonas terrigena)IFO13299、キサントバクタ−・オ
−トトロフィカス(Xanthobacter autotrophicus)JCM
7864、バチルス・カウストフィラス(Bacillus kaustop
hilus)IAM 11001、ブレッタノマイセス・アノマラス
(Brettanomyces anomalus)IFO 0796、トリコスポロン
・ブラッシカエ(Trichosporon brassicae)IFO 1584、
ストレプトマイセス・ルシタヌス(Streptomyces lusit
anus)ATCC 17834、ストレプトマイセス・セルロフラバ
ス(Streptomyces celluloflavus)IFO 13780、サ−モア
クチノマイセス・プチダス(Thermoactinomyces putidu
s)JCM 3213、サ−モアクチノマイセス・サッカリ(The
rmoactinomyces sacchari)JCM 3137、ペニシリウム・
リラシナム(Penicillium lilacinum)IFO 5350等が挙
げられる。
【0014】なお、ATCCが付された微生物は米国アメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション発行の微生物
カタログ第6版(1996)に記載されており、該ATCC
より入手する事ができる。またIFOが付された微生物は
(財)発酵研究所発行の微生物カタログ第6版(199
6)に記載されており、該IFOより入手する事ができ
る。またJCMが付された微生物は(財)理化学研究所の
微生物カタログ第6版(1996)に記載されており、
該JCMより入手する事ができる。またIAMが付された微生
物は応用微生物研究所発行の微生物カタログ第6版(1
996)に記載されており、該IAMより入手する事がで
きる。
【0015】また、シュードノカルディア・サーモフィ
ラ(Pseudonocardia thermophila)FERM BP-6275及びフ
ラボバクテリウム・オケアノコイテス(Flavobacterium
okeanokoites)FERM BP-6276は、通商産業省、工業技
術院、生命光学工業技術研究所に平成10年2月27日
付でブダペスト条約に基づいて国際寄託されている。
【0016】これらの酵素または微生物のうち(R)体
を優先的に加水分解するものを用いれば、(S)体のク
ロマン-3-酢酸エステル類と、(R)体のクロマン-3-酢
酸類が、(S)体を優先的に加水分解するものを用いれ
ば、(R)体のクロマン-3-酢酸エステル類と、(S)
体のクロマン-3-酢酸類とを得ることができる。
【0017】これらの微生物は、本発明に必要な能力を
有する物である限り、どのようなものであってもよく、
紫外線照射や、変異剤処理等の変異処理により得られる
変異株であっても良く、遺伝子工学的手法により誘導さ
れるものであってもよい。
【0018】(3R)体と(3S)体の混合物に作用さ
せるエステル加水分解活性を有する酵素は、単離精製さ
れた酵素、該酵素を有する微生物または該微生物の処理
物の形態で用いることができ、2以上の酵素を本発明の
効果を損なわない範囲内で混合して、あるいは組み合わ
せて用いてもより。
【0019】本発明における微生物の培養物またはその
処理物としては、本発明に必要な能力を有する物である
限りどのようなものであってもよく、培養物としては培
養液、生菌体などが挙げられ、その処理物としては例え
ば洗浄菌体、乾燥菌体、培養上清、菌体破砕物、菌体自
己消化物、菌体抽出物、あるいはこれらから常法により
得られる部分精製または精製酵素等が挙げられる。さら
にこれらの微生物の培養物またはその処理物は、ポリア
クリルアミド法、アルギン酸法、カラギーナン法、また
は適当な坦体に共有結合法、吸着法等公知の方法で固定
化する方法により固定化して使用することもできる。
【0020】微生物の培養は、微生物の種類に応じ、当
該微生物を通常この分野において用いる培地、例えば、
肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、NZア
ミン等の有機栄養源、グルコース、マルトース、しょ
糖、でんぷん、有機酸等の炭素源、硫酸アンモニウム、
尿素、塩化アンモニウム等の窒素源、リン酸塩、マグネ
シウム、カリウム、鉄等の無機栄養源、ビタミン類を適
宜組み合わせて使用できる。培地のpHは6〜9の範囲
で選べばよく、培養温度は20〜60℃、好ましくは2
8〜37℃である。ただし、シュードノカルディア・サ
ーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)FERM BP-62
75については45〜55℃が好ましい。培養日数は1〜
7の範囲で目的のエステル加水分解酵素の含量が最大に
なるまで培養すればよい。
【0021】生菌体及び培養上清は、上記のように微生
物を培養して得た培養液から、遠心分離、濾過等の操作
により得られる。洗浄菌体は、生菌体を生理食塩水など
で洗浄して得られ、乾燥菌体は生菌体や洗浄菌体を凍結
乾燥、アセトン乾燥処理することなどにより得られる。
菌体破砕物は、種々の物理化学的方法、例えば超音波破
砕、フレンチプレス、浸透圧、凍結融解、溶菌酵素、界
面活性剤及び有機溶媒処理等により得られる。部分精製
または精製酵素は、例えば菌体破砕物や培養上清等か
ら、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾
過、疎水クロマトグラフィー等の常法により分画して得
ることができる。
【0022】光学選択的加水分解の反応媒体としては、
反応に悪影響を及ぼさない溶媒またはそれらの混合物が
用いることができ、水もしくは水と水に混和する溶媒と
の混合物を用いた均一系であっても、或いは水と水に混
和しない溶媒もしくは水と水に混和する溶媒と水に混和
しない溶媒の混合物を用いた二相系を用いることができ
る。
【0023】水に混和する溶媒としては、炭素数が1〜
4の直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル
アルコール類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキジド、テトラヒドロフラン
等を挙げることができる。これらの水混和性溶媒の添加
量としては、水100容量部に対して、例えば0.1〜
20容量部とすることができる。
【0024】水と混和しない溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン等の有機溶媒を挙げることができ、水1
00容量部に対して1.0〜40.0容量部の範囲で用
いることができる。
【0025】反応媒体に添加するラセミ型クロマン-3-
酢酸エステル類の仕込濃度は、通常0.01〜50%w
/v、好ましくは0.01〜20%w/vである。反応
温度は常温ないしは加温下、好ましくは15〜70℃、
より好ましくは20〜60℃で行うことができる。
【0026】反応液のpHは使用する加水分解酵素の種
類や微生物により異なるが、通常pH3〜11で行われ
る。また、加水分解反応の進行により反応液のpHが変
化する場合はpHを至適pHに調節するのが好ましい。
【0027】また、反応液に界面活性剤等を添加するこ
とで基質と酵素との反応性を高めることもできる。
【0028】光学選択的加水分解終了後反応液からの光
学活性クロマン-3-酢酸エステル類と光学活性クロマン-
3-酢酸類の分離採取は、水もしくは水と水に混和する溶
媒との混合物を用いた均一系で行った場合は、水に混和
しない抽出溶媒により光学活性クロマン-3-酢酸エステ
ル類を抽出することにより、また水と水に混和しない溶
媒もしくは水と水に混和する溶媒と水に混和しない溶媒
の混合物を用いた二相系を用いた場合は有機溶媒層と水
層を分離することで極めて簡便に実施することができ
る。得られた有機溶媒層の光学活性クロマン-3-酢酸エ
ステル類は、その使用目的により溶液のまま、あるいは
溶媒を留去してから合成中間体としての用途に供しても
よいが、適当な溶媒から目的物を晶析させれば、より光
学純度の高い光学活性クロマン-3-酢酸エステル類を得
ることができる。水層の光学活性クロマン-3-酢酸類は
濾過等公知の方法により、菌体成分を除去し濃縮晶析等
公知の方法で得ることができる。
【0029】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 (市販酵素による(RS)6-アミノ-クロマン-3-酢酸メ
チルエステルの光学選択的加水分解)分析条件として
は、キラルセルOD−H(ダイセル(株))の光学分割
カラムで、ヘキサン/エタノール=3:2(容量比、以
下同様)をキャリアとして、流速を1分間に0.5ml
で溶出し、254nmの吸光度にて検出した。加水分解
(RS)6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステル塩酸
塩2.5mg、リン酸カリウム緩衝液0.1mmol、
及び適当量の酵素を加え1.0mlになるよう混合し
て、30℃で20分または4時間反応した後等量のクロ
ロホルムで未反応の6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエ
ステルを抽出した。次に、減圧下クロロホルムを留去
し、残さをエタノールに溶解し、さらにヘキサン/エタ
ノール=3:2で希釈し高速液体クロマトグラフィーで
(3S)-6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステル及
び(3R)-6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステル
をそれぞれ定量した。分析条件としては、キラルセルO
D−H(ダイセル(株))の光学分割カラムで、ヘキサ
ン/エタノール=3:2をキャリアとして、流速を1分
間に0.5mlで溶出し、254nmの吸光度にて検出
した。その結果を表1に示した。
【0031】
【表1】 実施例2 (微生物による(RS)6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチ
ルエステルの光学選択的加水分解)表1に示す培養条件
で各寒天斜面培地に各種微生物を生育させ、一白金耳量
の菌体を、(RS)6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエ
ステル塩酸塩2.5mg、リン酸カリウム緩衝液(pH
7.2)0.1mmol、からなる反応液1mlに懸濁
し、30℃で16時間反応した後等量のクロロホルムで
未反応の6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステルを抽
出した。次に、減圧下クロロホルムを留去し、残さをエ
タノールに溶解し、さらにヘキサン/エタノール=3:
2で希釈し、高速液体クロマトグラフィーで(3S)-6
-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステル及び(3R)-
6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステルをそれぞれ定
量した。分析条件としては、キラルセルOD−H(ダイ
セル(株))の光学分割カラムで、ヘキサン/エタノー
ル=3:2をキャリアとして、流速を1分間に0.5m
lで溶出し、254nmの吸光度にて検出した。その結
果を表2〜5に示した。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】 実施例3 (シュードノカルディア・サーモフィラによる(RS)
6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチルエステルの光学選択的
加水分解)酵母エキス0.1%、肉エキス(エルリッ
ヒ)0.1%、NZアミン(TYPE1)0.2%、塩
化ナトリウム0.5%、リン酸1カリウム0.05%、
リン酸2カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.01
%、溶性でんぷん1.0%を含み、pHを7.4とした
殺菌培地10mlに、上記培地で培養したシュードノカ
ルディア・サーモフィラ微生物寄託センター寄託番号FE
RMBP-6275を5%植菌し、52℃で72時間培養した。
遠心分離で得た湿菌体を、1gの(RS)6-アミノ-ク
ロマン-3-酢酸メチルエステル塩酸塩を加え水酸化カリ
ウムでpH8.0とした反応液50mlに添加し、55
℃で2%水酸化カリウムでpH8.0に調整しつつ3時
間加水分解反応を行った。反応終了後、20mlのトル
エンを加え、未反応の6-アミノ-クロマン-3-酢酸メチル
エステルを抽出した。残存するほとんどの6-アミノ-ク
ロマン-3-酢酸メチルエステルはトルエン相に抽出さ
れ、加水分解された6-アミノ-クロマン-3-酢酸は水層に
存在した。トルエン相を濃縮することにより収率40%
で光学純度は99%以上の(S)6-アミノクロマン-3-
酢酸メチルエステルを得た。
【0036】実施例4 (シュードノカルディア・サーモフィラによる(RS)
6-アミノ-クロマン-3-酢酸エチルエステルの光学選択的
加水分解)酵母エキス0.1%、肉エキス(エルリッ
ヒ)0.1%、NZアミン(TYPE1)0.2%、塩
化ナトリウム0.5%、リン酸1カリウム0.05%、
リン酸2カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.01
%、溶性でんぷん1.0%を含み、pHを7.4とした
殺菌培地10mlに、上記培地で培養したシュードノカ
ルディア・サーモフィラ微生物寄託センター寄託番号FE
RMBP-6275を5%植菌し、52℃で72時間培養した。
遠心分離で得た湿菌体を、1gの(RS)6-アミノ-ク
ロマン-3-酢酸エチルエステル塩酸塩を加え水酸化カリ
ウムでpH8.0とした反応液50mlに添加し、55
℃で2%水酸化カリウムでpH8.0に調整しつつ6時
間加水分解反応を行った。反応終了後、20mlのトル
エンを加え、未反応の6-アミノ-クロマン-3-酢酸エチル
エステルを抽出した。残存するほとんどの6-アミノ-ク
ロマン-3-酢酸エチルエステルはトルエン相に抽出さ
れ、加水分解された6-アミノ-クロマン-3-酢酸は水層に
存在した。トルエン相を濃縮することにより収率35%
で光学純度は99%以上の(S)6-アミノクロマン-3-
酢酸エチルエステルを得た。
【0037】分析条件としては、キラルセルOD−H
(ダイセル(株))の光学分割カラムで、ヘキサン/エ
タノール=3:2(容量比)をキャリアとして、流速を
1分間に0.5mlで溶出し、254nmの吸光度にて
検出した。
【0038】培地組成(%:重量%) 培地1: 酵母エキス 0.5% バクトトリプトン 1.0% 塩化ナトリウム 1.0% 寒天 1.5% pH7.3 培地2 グルコ−ス 2.0 % 酵母エキス 0.2 % 硫酸マグネシウム 0.05% ポリペプトン 0.5 % リン酸二水素カリウム 0.1 % 寒天 1.5 % pH5.6〜5.8 培地3 酵母エキス 0.4% 麦芽エキス 1.0% グルコ−ス 0.4% 寒天 1.5% pH7.3 培地4 酵母エキス 0.1% 肉エキス 0.1% NZアミン 0.2% グルコ−ス 1.0% 寒天 1.5% pH7.3 培地5 酵母エキス 0.2% でんぷん(溶性) 1.0% 寒天 1.5% pH7.3 培地6 酵母エキス 0.1% 肉エキス 0.1% NZアミン 0.2% マルト−ス 1.0% 寒天 1.5% pH7.3 培地7 ポテトエキス 0.4% グルコ−ス 2.0% 寒天 1.5% pH5.4〜5.8
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の方法を
用いると、医薬中間体として有用な光学純度の高いクロ
マン-3-酢酸類及びそのエステルを簡便且つ効率的に製
造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 41/00 C12R 1:39) (C12P 41/00 C12R 1:13) (C12P 41/00 C12R 1:15) (C12P 41/00 C12R 1:01) (C12P 41/00 C12R 1:05) (C12P 41/00 C12R 1:84) (C12P 41/00 C12R 1:645)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のア
    ルキル基を示し、R2は水素原子、置換または無置換の
    アミノ基を表す)で示されるクロマン-3-酢酸エステル
    類の(3R)体と(3S)体の混合物に、これらの化合
    物を立体選択的に加水分解する能力を有するエステル加
    水分解酵素を反応媒体中で接触させて、これらの(3
    R)体と(3S)体のいずれか一方を優先的に加水分解
    する工程と、 前記加水分解により生じた光学活性クロマン-3-酢酸
    類、または加水分解されずに残存するクロマン-3-酢酸
    エステル類の(3R)体及び(3S)体の少なくとも一
    方を前記反応媒体から回収する工程とを有することを特
    徴とする光学活性クロマン-3-酢酸類またはそのエステ
    ルの製造法。
  2. 【請求項2】 エステル加水分解酵素が、ブタ肝臓由来
    エステラーゼ、ペニシリウム属に属するかび由来のカル
    ボキシペプチダーゼP、エセリシア属に属する細菌由来
    のアルカリプロテアーゼI、トリチラシウム属のカビ由
    来のプロテイナーゼKまたはノボザイム234からなる
    群から選択されたエステル加水分解酵素である請求項1
    記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記エステル加水分解酵素の前記(3
    R)体と(3S)体の混合物への接触が、前記エステル
    加水分解酵素を有する微生物またはその処理物を前記
    (3R)体と(3S)体の混合物に接触させることによ
    り行われる請求項1に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 前記微生物が、シュードノカルディア
    (Pseudonocardia)属、シュードモナス(Pseudomona
    s)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ブ
    レブンディモナス(Brevundimonas)属、ピキア(Pichi
    a)属、ヤロウイナ(Yarrowia)属、フラボバクテリウ
    ム属(Flavobacterium)属、スフィンゴモナス(Sphingo
    monas)属、マイコプラナ(Mycoplana)属、コマモナス
    (Comamonas)属、キサントバクタ−(Xanthobacter)
    属、バチルス(Bacillus)属、ブレッタノマイセス(Br
    ettanomyces)属、トリコスポロン(Trichosporon)
    属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、サ−モア
    クチノマイセス(Thermoactinomyces)属、及びペニシ
    リウム(Penicillium)属からなる群から選択された属
    に属する微生物である請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 前記微生物が、シュードノカルディア・
    サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)FERM BP-
    6275またはATCC 19285、シュードモナス・エルギノーサ
    (Pseudomonas aeruginosa)IFO 12689、シュードモナ
    ス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)ATC
    C 13525、ブレブンディモナス・ビスキュラリス(Brevu
    ndimonas vesicularis)IFO 12165、ピキア・ファビア
    ニー(Pichia fabianii)IFO 1370、ヤロウイナ・リポ
    リティカ(Yarrowia lipolytica)IFO 0746、フラボバ
    クテリウム・オケアノコイテス(Flavobacterium okean
    okoites)FERM BP-6276またはIFO 15880、スフィンゴモ
    ナス・カプシュラタ(Sphingomonas capsulata)IFO 12
    533、マイコプラナ・バラッタ(Mycoplana ballata)IF
    O 13290、コマモナス・テリジェナ(Comamonas terrige
    na)IFO 13299、キサントバクタ−・オ−トトロフィカ
    ス( Xanthobacter autotrophicus )JCM 7864、バチル
    ス・カウストフィラス(Bacillus kaustophilus)IAM 1
    1001、ブレッタノマイセス・アノマラス(Brettanomyce
    s anomalus)IFO 0796、トリコスポロン・ブラッシカエ
    (Trichosporon brassicae)IFO 1584、ストレプトマイ
    セス・ルシタヌス(Streptomyces lusitanus)ATCC 178
    34、ストレプトマイセス・セルロフラバス(Streptomyc
    es celluloflavus)IFO 13780、サ−モアクチノマイセス
    ・プチダス(Thermoactinomyces putidus)JCM 3213、
    サ−モアクチノマイセス・サッカリ(Thermoactinomyce
    s sacchari)JCM 3137またはペニシリウム・リラシナム
    (Penicillium lilacinum)IF O5350である請求項3記
    載の製造法。
  6. 【請求項6】 R2がアミノ基である請求項1〜4記載
    の製造法。
  7. 【請求項7】 R1がメチル基、またはエチル基である
    請求項1〜5記載の製造法
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CN115197858A (zh) * 2022-08-02 2022-10-18 劲牌有限公司 一种高产乙酸乙酯费比恩毕赤酵母在清香型小曲白酒中的应用

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