JP2000093191A - 光学活性化合物の製造方法 - Google Patents
光学活性化合物の製造方法Info
- Publication number
- JP2000093191A JP2000093191A JP10265339A JP26533998A JP2000093191A JP 2000093191 A JP2000093191 A JP 2000093191A JP 10265339 A JP10265339 A JP 10265339A JP 26533998 A JP26533998 A JP 26533998A JP 2000093191 A JP2000093191 A JP 2000093191A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alcohol
- lower alkyl
- microorganism
- carbon atoms
- optically active
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
択的に下記一般式(II)で示される光学活性な第2級ま
たは第3級アルキンアルコールの工業的に有利な製造方
法の提供。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 で表わされる(R,S)−アルコールを、該(R,S)
−アルコールに作用して、R体のアルコールを選択的に
生成する能力を有する微生物の菌体および/または該微
生物の菌体処理物の存在下に、グルコース、グルコース
脱水素酵素およびNADPH(還元型ニコチン酸アミド
アデニンジヌクレオチド燐酸)を含有する水性媒体中で
処理して、下記一般式(II)で表わされるR体のアルコ
−ルを生成させることを特徴とする光学活性化合物の製
造方法。 【化2】
Description
学活性な生理活性物質の合成原料として重要な化合物で
ある光学活性アルコールの製造方法に関する。
チレン結合を有する光学活性第2級アルキンアルコール
を得る方法として、炭酸エステル体をキャンディダ属由
来の酵母リパーゼ、シュードモナス属、リゾプス属、ア
スペルギルス属、ムコール属由来の菌体リパーゼ、豚膵
臓リパーゼ、緑膿菌由来のリポプロテインリパーゼなど
のリパーゼで加水分解する方法(特開平5−31709
0)が知られているが、炭酸エステル体の合成が煩雑で
あるという欠点を有していた。
結合を有する化合物を酵素で不斉加水分解反応を行い光
学活性第2級アルキンアルコールを得る方法(特開平3
−247299)も知られているが、内部アセチレン結
合を有する光学活性第2級または第3級アルキンアルコ
ールの製造方法は知られていない。
術の欠点を克服し、工業的に有利な前記一般式(II)で
示される光学活性な第2級または第3級アルキンアルコ
ールの製造方法を提供することを目的とする。
式(I)
R3:水素または炭素数1〜5の低級アルキル基。ただ
し、R1およびR2、ならびに炭素数1〜5の低級アル
キル基を意味するR3は、R体のアルコールの生成反応
に影響を及ぼさないような置換基を有していてもよ
い。)で表わされる(R,S)−アルコールを、該
(R,S)−アルコールに作用して、R体のアルコール
を選択的に生成する能力を有する微生物の菌体および/
または該微生物の菌体処理物の存在下に、水性性媒体中
で処理することにより、下記一般式(I)
R3:水素または炭素数1〜5の低級アルキル基。ただ
し、R1およびR2、ならびに炭素数1〜5の低級アル
キル基を意味するR3は、R体のアルコールの生成反応
に影響を及ぼさないような置換基を有していてもよ
い。)で表わされるR体のアルコールが効率的に得られ
ることを見出し、本発明を完成することができた。
コールの製造は、前記(R,S)−アルコールと該
(R,S)−アルコールに作用して、R体のアルコール
を選択的に生成する能力を有する微生物の菌体および/
または該微生物の菌体処理物とをグルコース、グルコー
ス脱水素酵素およびNADPH(還元型ニコチン酸アミ
ドアデニンジヌクレオチド燐酸)を含有する水性媒体中
で接触処理することによって行われる。
記一般式(I)で示される化合物の具体例としては、3
−ペンチン−2−オール、3−ヘキシン−2−オール、
3−ヘプチン−2−オール、3−オクチン−2−オー
ル、4−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ペン
チン−2−オール等が挙げられる。
または該微生物の菌体処理物は前記一般式(I)で表わ
される(R,S)−アルコールに作用して、R体のアル
コールを選択的に生成する能力を有するものであれば、
その種類は問わないが、例えば、前記のようなR体のア
ルコールを選択的に生成する能力を有するノカルディア
属(Nocardia)に属する微生物が挙げられる。
a)に属する微生物としては、ノカルディア・フスカ
(Nocardia fusuka)IFO 1434
0、ノカルディア・グロベルラ(Nocardia g
oroberula)IFO 13510等が例示され
る。
培地は、炭素源、窒素源、無機塩、有機微量栄養源など
を含有する通常の培地でよく、微生物の種類に応じて適
宜選択される。また、培養方法は通常液体で行われる
が、固体培養によっても行うことができる。培養条件は
微生物の種類に応じて適宜選択すればよく、培養温度は
10〜70℃、pH3〜12の範囲が用いられるが、一
般的には温度20〜45℃、pH4〜9の範囲で10〜
120時間培養するのが好ましい。培養中には通気攪拌
を行って微生物の培養を促進させることもできる。この
ようにして培養した微生物の菌体は、生菌体や乾燥菌体
または菌体破砕物や菌体抽出物のような菌体処理物の形
態で使用できる。その形態としては、例えば粉末状又は
顆粒状である。
に従って固定化して使用することもでき、例えばポリス
チレンや、デンプン等の高分子化合物やゼオライトやシ
リカゲル等の多孔質物質に担持、固定した固定化酵素や
固定化菌体としても利用できる。
成させる処理反応において、(R,S)−アルコール体
とグルコース濃度は、適宜その好ましい範囲を選択すれ
ば良い。例えば基質濃度として(R,S)−アルコール
体を0.1mg/ml以上、好ましくは1〜300mg
/mlとすればよい。また、グルコース濃度は1mg/
ml以上、好ましくは5〜300mg/mlとすれば良
い。
類ならびに濃度も、適宜その好ましい範囲のものを選択
すれば良い。該グルコース脱水素酵素としては、精製品
でも粗製品でも良く、例えば入手の容易な市販品として
天野製薬(株)製のものが挙げられる。さらに、グルコ
ース脱水素酵素を含有する微生物菌体(処理菌体、休止
あるいは静止菌体)そのものでも良い。グルコース脱水
素酵素の濃度は、例えば、天野製薬(株)製グルコース
脱水素酵素では0.1mg/ml以上とすればよい。ま
たNADPH濃度も、適宜、その好ましい範囲を選択す
れば良いが、例えば0.1mg/ml以上のものが挙げ
られる。
5〜9に保てばよい。このPHの調整は通常の方法、た
とえばリン酸カリウムバッファー、トリスバッファー、
塩化アンモニウムバッファーなどによって行えばよい。
混合物等が挙げられる。使用し得る有機溶媒には特に限
定はないが、メタノールやエタノール等の低級アルコー
ル;アセトン等のケトン;テトラヒドロフラン等の親水
性溶媒が好ましい。前記の溶媒を併用することによっ
て、反応系中の基質の溶解度を上げることができる。ま
た、同様の目的で、各種のアニオン系またはノニオン系
界面活性剤を添加することも可能である。
最大になるように設定すればよく、通常15〜70℃、
好ましくは20〜50℃である。反応時間は、通常0.
5〜160時間、好ましくは1〜120時間である。
微生物の菌体または菌体処理物は通常の濾過操作または
遠心分離などで分離されるが、分離せずそのまま再使用
することもできる。得られたR体のアルコールの分離は
抽出操作、蒸留操作またはカラムクロマトグラフィーな
どにより行なうことができる。
コールは分子内に三重結合とヒドロキシル基を持つ反応
性の高い化合物であり、光学活性なβ−ヒドロキシアル
デヒド、β−ヒドロキシ酸、ブテノライド、ラクトン化
合物、エポキシ化合物の合成原料として有用である。
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
肉エキス0.5g/dl、NaCl 0.5g/dl、
寒天2g/dlからなる寒天斜面培地(pH7.0)で
28℃、24時間培養したノカルディア・フスカ(No
cardiafusuka)IFO 14340の1白
金耳を、ぺプトン1.0g/dl、酵母エキス0.1g
/dl、肉エキス0.5g/dl、NaC1 0.5g
/dlからなり、pH7.0に調整、加熱減菌した液体
培地500mlを入れた2l容量の振盪フラスコに植菌
し、28℃で48時間振盪培養した。
ウムバッファーで洗浄した後、室温で風乾し乾燥菌体を
得た。次いでこの乾燥菌体1.5gリン酸カリウムバッ
ファー(200mM、pH7.0)10m1、グルコー
ス1g、グルコース脱水素酵素(天野製薬製、72.2
U/mg)4mg、NADPH12mgおよび(R,
S)−3−ペンチン−2−オール2.5gを三角フラス
コに入れ、30℃で4日間マグネチックスターラーで攪
拌した。
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリーエバ
ポレーターて酢酸エチルを留去し、PEG20Mカラム
(西尾工業製)3mm×2m:カラム温度75℃、注入
口温度230℃、キャリヤーガス(窒素:60ml/m
in)の条件下、およびキャピラリーカラム(Chir
alsel−DEX CB、0.25mm×25m;C
hrompack,U.S.A)カラム温度110℃、
注入口温度230°C、キャリヤーガス(ヘリウム:2
ml/min、窒素60ml/min)の条件下、ガス
クロマトグラフィーて分析した結果、光学純度が99%
以上の(R)−3−ペンチン−2−オール2.0gを得
た。
oberula)IFO 13510を用いる以外は実
施1と同様に培養、生成処理および分析を行い、光学純
度95%の(R)−3−ペンチン−2−オール1.6g
を得た。
微生物の菌体の処理物を用いることにより、安価に入手
が容易な原料を用いて、簡便でしかも高不斉選択的に光
学活性アルコールを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2:炭素数1〜5の低級アルキル基、
R3:水素または炭素数1〜5の低級アルキル基。ただ
し、R1およびR2、ならびに炭素数1〜5の低級アル
キル基を意味するR3は、R体のアルコールの生成反応
に影響を及ぼさないような置換基を有していてもよ
い。)で表わされる(R,S)−アルコールを、該
(R,S)−アルコールに作用して、R体のアルコール
を選択的に生成する能力を有する微生物の菌体および/
または該微生物の菌体処理物の存在下に、グルコース、
グルコース脱水素酵素およびNADPH(還元型ニコチ
ン酸アミドアデニンジヌクレオチド燐酸)を含有する水
性媒体中で処理して、下記一般式(II)で表わされるR
体のアルコ−ルを生成させることを特徴とする光学活性
化合物の製造方法。 【化2】 (式中、R1、R2:炭素数1〜5の低級アルキル基、
R3:水素または炭素数1〜5の低級アルキル基。ただ
し、R1およびR2、ならびに炭素数1〜5の低級アル
キル基を意味するR3は、R体のアルコールの生成反応
に影響を及ぼさないような置換基を有していてもよ
い。) - 【請求項2】 微生物の種類が、ノカルディア属(No
cardia)に属する微生物である請求項1記載の光
学活性化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265339A JP2000093191A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 光学活性化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265339A JP2000093191A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 光学活性化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000093191A true JP2000093191A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17415818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10265339A Pending JP2000093191A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 光学活性化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000093191A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7241566B2 (en) | 2001-06-22 | 2007-07-10 | Marshfield Clinic | Methods and oligonucleotides for the detection of Salmonella sp., E. coli O157:H7, and Listeria monocytogenes |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP10265339A patent/JP2000093191A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7241566B2 (en) | 2001-06-22 | 2007-07-10 | Marshfield Clinic | Methods and oligonucleotides for the detection of Salmonella sp., E. coli O157:H7, and Listeria monocytogenes |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4394647B2 (ja) | 光学活性テトラヒドロチオフェン誘導体の製造方法、および、光学活性テトラヒドロチオフェン−3−オールの晶析方法 | |
WO1991002081A1 (fr) | Methode de production de la d-pantolactone | |
JPH0630783A (ja) | 3,5−ジオキソエステルの立体選択性微生物的または酵素的還元による3−ヒドロキシ−5−オキソ、3−オキソ−5−ヒドロキシおよび3,5−ジヒドロキシエステルの製造 | |
JP2000245495A (ja) | R−3−キヌクリジノールの製造方法 | |
US6214610B1 (en) | Process for the preparation of optically active N-benzyl-3-pyrrolidinol | |
JP3087419B2 (ja) | (s)−1−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法 | |
JP2000093191A (ja) | 光学活性化合物の製造方法 | |
JP4042454B2 (ja) | 光学活性3−メチルグルタル酸モノエステルの製造方法 | |
JP3123428B2 (ja) | 微生物によるクロロヒドリンの光学分割方法 | |
JP3893721B2 (ja) | 光学活性化合物の製造方法 | |
JP3146640B2 (ja) | ベンゾイルギ酸の製造方法 | |
JPS5923794B2 (ja) | ジヒドロキシアセトンの製造法 | |
JP4428866B2 (ja) | HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の製造法 | |
JP3007461B2 (ja) | 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法 | |
JP2981250B2 (ja) | D―パントテノニトリルの製造法 | |
JP3217301B2 (ja) | 光学活性グリシド酸エステル及び光学活性グリセリン酸エステルの製造方法 | |
JP3741758B2 (ja) | 光学活性グリセロール誘導体の製法 | |
JP2624296B2 (ja) | γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法 | |
JP2001292790A (ja) | 新規な4−ハロゲン化−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造方法 | |
JP3843692B2 (ja) | 光学活性endo−ノルボルネオールの製造法 | |
JPH04341195A (ja) | 光学活性マンデル酸の製法 | |
JPH10210997A (ja) | 光学活性3−キヌクリジノールの製法 | |
JP3935992B2 (ja) | 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 | |
JP2002017386A (ja) | インドール−3−カルボン酸誘導体の製造法 | |
JPS60153797A (ja) | メバロン酸の発酵生産法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070821 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |