JP2000245495A - R−3−キヌクリジノールの製造方法 - Google Patents
R−3−キヌクリジノールの製造方法Info
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Abstract
ど)の重要中間体であるR−3−キヌクリジノールを効
率よく製造する。 【解決手段】 3−キヌクリジノンからR−3−キヌク
リジノールを生成する能力を有するアルカリゲネス(A
lcaligenes)属、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)属、アースロバクター
(Arthrobacter)属、フィロバシディウム
(Filobasidium)属、ロドトルラ(Rho
dotorula)属、オーレオバシディウム(Aur
eobasidium)属、ヤロウィア(Yarrow
ia)属に属する微生物の菌体及び/または該菌体処理
物の存在下、水性媒体中で3−キヌクリジノンを光学選
択的に還元させて該水性媒体中にR−3−キヌクリジノ
ールを生成蓄積せしめ、ついで該水性媒体からR−3−
キヌクリジノールを採取することを特徴とするR−3−
キヌクリジノールの製造方法。
Description
/または該菌体処理物の存在下3−キヌクリジノンに、
該化合物のカルボニルを光学選択的に還元してR−3−
キヌクリジノールを製造する方法に関する。
−キヌクリジノールは生理活性又は薬理活性成分(医薬
品、農薬など)の中間原料として有用な化合物である。
この光学活性R−3−キヌクリジノールの化学的製造法
においては、3−キヌクリジノンと光学活性フェネチル
アミンから調製したイミンを原料とし、ソディウムボロ
ハイトレイトで還元して製造する方法{(Synth.
Commun.22(13),pp1895−1911
(1992)}、ラセミのアセチル体を酒石酸で分割し
加水分解して製造する方法{Acta Pharm.S
uec.16(4),pp281−283(197
9)}が知られている。また、生物学的製造法として、
ブチルエステルのラセミ体を原料として、馬血清のエス
テラーゼで光学分割して製造する方法{LifeSc
i.,21(9),pp1293−1302(197
7)}、ラセミ体を原料とし、ズブチリシンプロテアー
ゼを用いるアシル化反応によって光学分割して製造する
方法(米国特許第5215918号公報)、ラセミ体を
原料としてビニル酪酸とズブチリシンプロテアーゼの存
在下にS体をキヌクリジニル酪酸に変換させてR体を得
る方法(独国公開特許第19715465号公報)、ラ
セミ体3−キヌクリジノールエステルにAspergi
llus属またはPseudomonas属に属する微
生物由来のエステル分解酵素を作用させてR体を取得す
る方法(特開平10−210997号公報)などが知ら
れている。しかしながらこれらの方法は、いずれもR−
3−キヌクリジノールを経済的に有利に製造する方法と
はいいがたい。また、3−キヌクリジノンに微生物を作
用させる方法(特開平10−243795号公報)が提
案されたが、本法において例示されているR−3−キヌ
クリジノール生成例は、ナカザワエ(Nakazawa
e)属、プロテウス(Proteus)属、キャンディ
ダ(Candida)属に属する微生物を用いた方法で
あるが、生成収率、光学純度とも工業的に充分とは言い
難い。
れ、簡便にR−3−キヌクリジノールを製造する方法を
提供することを鋭意検討した結果、ある種の微生物を3
−キヌクリジノンに作用させることにより、R−3−キ
ヌクリジノールが高収率、高光学純度で得られることを
見い出し、本発明を完成した。
らR−3−キヌクリジノールを生成する能力を有するア
ルカリゲネス(Alcaligenes)属、コリネバ
クテリウム(Corynebacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、フィ
ロバシディウム(Filobasidium)属、ロド
トルラ(Rhodotorula)属、オウレオバシデ
ィウム(Aureobasidium)属、ヤロウィア
(Yarrowia)属に属する微生物の菌体及び/ま
たは該菌体処理物の存在下、水性媒体中で3−キヌクリ
ジノンを光学選択的に還元させて該水性媒体中にR−3
−キヌクリジノールを生成蓄積せしめ、ついで該水性媒
体からR−3−キヌクリジノールを採取することを特徴
とするR−3−キヌクリジノールの製造方法を提供する
ものである。
ルカリゲネス(Alcaligenes)属、コリネバ
クテリウム(Corynebacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、フィ
ロバシディウム(Filobasidium)属、ロド
トルラ(Rhodotorula)属、オーレオバシデ
ィウム(Aureobasidium)属、ヤロウィア
(Yarrowia)属に属する微生物であって3−キ
ヌクリジノンからR−3−キヌクリジノールを生成する
能力を有する微生物である。具体的な種としては、例え
ばアルカリゲネス ユウトロフス(Alcaligen
es eutrophs)、アルカリゲネス エポキシ
リティカス(Alcaligenes epoxyly
ticus)、アルカリゲネス マルガリタエ(Alc
aligenes margaritae)、コリネバ
クテリウム メディオラナム(Corynebacte
riummediolanum)、フィロバシディウム
カプシュリゲナム(Filobasidium ca
psuligenum)、ロドトルラ アウランティア
カ(Rhodotrula aurantiaca)、
ヤロビア リポリティカ(Yarrowia lipo
lytica)、アウレオバシディウム マンソニー
(Aureobasidium mansonii)が
挙げられる。
体的菌株としては、例えばアルカリゲネス ユウトロフ
ス(Alcaligenes eutrophs)AT
CC17699、コリネバクテリウム メディオラナム
(Corynebacterium mediolan
um)ATCC 14004、フィロバシディウムカプ
シュリゲナム(Filobasidium capsu
ligenum)IFO 1119、ロドトルラ アウ
ランティアカ(Rhodotrula auranti
aca)IFO 0754、ヤロビア リポリティカ
(Yarrowia lipolytica)IFO
1548、オウレオバシディウム マンソニー(Aur
eobasidium mansonii)IFO 6
421が挙げられる。
ているものは大阪発酵研究所、またATCC番号の付さ
れているものはAmerican Type Cult
ure Colectionに保管されている菌株であ
り、いずれも容易に入手可能である。また、上記微生物
の変異株、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換え法な
どの遺伝学的手法により誘導される組換え株などのいず
れの株であっても3−キヌクリジンからR−3−キヌク
リジノールを生成する能力を有するかぎり本発明で用い
られる微生物に包含される。
の1種あるいは2種以上が菌体及び/または菌体処理物
として用いられる。具体的には、上記微生物を培養して
得られた菌体をそのまま、あるいは培養して得られた菌
体を公知の手法で処理したもの、即ち、アセトン処理し
たもの(アセトン処理物)、凍結乾燥処理したもの(凍
結乾燥処理物)、菌体を物理的または酵素的に破砕した
もの等を用いることができる。また、菌体、アセトン処
理物又は凍結乾燥処理物から、3−キヌクリジノンに作
用しR−3−キヌクリジノールに変換する能力を有する
酵素画分を粗製物あるいは精製物として取り出して用い
ることも可能である。さらには、このようにして得られ
た菌体又は菌体処理物を通常の固定化技術を用いて、す
なわち、ポリアクリルアミド、カラギーナンゲル等の担
体に固定化したもの等を用いることも可能である。
菌体処理物」の用語は、上述の菌体、アセトン処理物、
凍結乾燥処理物、酵素画分、及びそれらの固定化物全て
を包含する。次に、本発明の製造方法について具体的に
説明する。本発明においては、原料として3−キヌクリ
ジノンを用い、これに前述した微生物の菌体及び/又は
該菌体処理物を作用させて、R−3−キヌクリジノール
を製造する。本発明の製造方法において微生物は、通
常、培養して用いられるが、この培養については定法通
り行うことができる。本微生物の培養の為に用いられる
培地には本微生物が資化しうる炭素源、窒素源、及び無
機イオン等が含まれる。炭素源としては、グルコース、
フルクトース、サッカロース等の炭水化物、グリセロー
ル、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリ
アルコール類、有機酸その他が適宜使用される。窒素源
としては、NZアミン、トリプトース、酵母エキス、ポ
リペプトン、肉エキス、大豆抽出物などの有機窒素源、
あるいは硫酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩など
の無機窒素源、その他などが適宜使用される。無機イオ
ンとしては、リン酸イオン、マグネシウムイオン、鉄イ
オン、マンガンイオン、モリブデンイオンその他が必要
に応じ適宜使用される。更に、培地にキヌクリジノール
を添加して馴化培養することも有効である。培養は好気
的条件下に、pH約5〜9、好ましくはpH6〜8、温
度4〜50℃、好ましくは25〜40℃の適当な範囲に
制御しつつ1〜100時間行う。
として、本微生物を培養し、得られた菌体及び/または
該菌体処理物に3−キヌクリジノンを添加し、反応させ
3−キヌクリジノールを得る方法、培地に3−キヌクリ
ジノンを添加し培養と反応を同時に行う方法、あるいは
培養終了後該培養液に3−キヌクリジノンを添加して更
に反応を行う方法等を適宜用いることができる。
50℃の範囲で行い、pHは4〜10、好ましくは6〜
9の範囲で行う。3−キヌクリジノンの濃度は0.00
01〜50%、好ましくは0.01〜5%の範囲が望ま
しく、必要に応じて反応の間、3−キヌクリジノンは追
補添加される。培養及び反応で得られたR−3−キヌク
リジノールの採取方法としては、常法通り微生物などの
固形分を遠心分離、フィルタープレス、限外濾過などの
通常の分離装置により除去した後に反応液を有機溶媒に
よる抽出、晶析、カラムクロマトグラフィー、濃縮、蒸
留などの分離精製手段に供することにより分離すること
ができ、分離精製手段は単独でまたは複数の手段を組み
合わせて利用できる。前記有機溶媒としては、例えばブ
タノールなどのアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、トルエン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチ
レンなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メ
チルなどのエステル類、ケトン類、エーテル類、これら
の混合溶媒などが利用できる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 リン酸水素1カリウム0.1重量%、硫酸マグネシウム
0.05重量%、酵母エキス0.3重量%、ポリペプト
ン0.5重量%、硫酸アンモニウム0.2重量%、グル
コース2重量%、肉エキス0.3重量%(pH7.0)
の組成からなる培地50mlを仕込んだ500ml容三
角フラスコを120℃、15分間滅菌処理後、アルカリ
ゲネス ユウトロフス(Alcaligenes eu
trophs)ATCC 17699を1白金耳量接種
し、30℃で24時間好気的に培養した。培養終了後、
培養液(10ml)を集め、遠心分離後、菌体に反応液
(グルコース2重量%、3−キヌクリジノン・HCl
50mM、NaOHでpH7に調整)3mlに懸濁し、
炭酸カルシウム0.2gを加えて30℃で72hr振と
う反応させた。反応終了後、遠心分離により菌体を除
き、炭酸ナトリウムを飽和濃度に添加後、酢酸エチルで
2mlで2度抽出し、酢酸エチル層を集めて蒸発乾固さ
せることによりR−3−キヌクリジノール粗結晶16m
gを取得した。R−3−キヌクリジノールの定量は、T
LC(アセトン:クロロホルム:5Nアンモニア水=
8:1:1でシリカゲルプレートを展開後、ヨウ素で発
色)並びにHPLC(ダイセル社キラルパックOD、移
動相n−ヘキサン:イソプロパノール=90:10)に
て行った。また、光学純度の検定は、以下の通りアセチ
ル化した後、HPLC(ダイセル社キラルパックOD−
H、移動相n−ヘキサン:イソプロパノール:トリエチ
ルアミン=90:10:0.1、移動相の流速は0.5
ml/min、カラム温度40℃、示差屈折計により検
出)にて分析した。アセチル化は以下の通り行った。酢
酸エチル抽出後乾固させサンプルに、無水酢酸:ピリジ
ン=5:1液を加え60℃で20分処理し、しかる後に
蒸発乾固させ、残査をイソプロパノールに溶解して分析
に供した。本条件で、R−3−キヌクリジノール(関東
化学製、製品番号29373−1A)は16分後に溶出
した。生成したR−3−キヌクリジノールの濃度は5.
7g/l(反応液1リットル換算)、変換率90%、光
学純度はR体98%以上であった。
rynebacterium mediolanum)
ATCC 14004を用いた以外は実施例1と同様の
実験を行った。反応液中に生成したR−3−キヌクリジ
ノールは5.3g/l、該反応液から採取したR−3−
キヌクリジノール粗結晶は15mgであった。変換率8
5%、光学純度は92%であった。
麦芽エキス0.3重量%、グルコース2重量%(pH
6.0)の組成からなる培地50mlを仕込んだ500
ml容三角フラスコを120℃、15分間滅菌処理後、
ロドトルラ オウランティアカ(Rhodotrula
aurantiaca)IFO 0754を1白金耳
量接種し、30℃で24時間好気的に振とう培養した。
反応および分析は、実施例1と同様に行った。生成した
R−3−キヌクリジノールの濃度は5.3g/l(反応
液1リットル換算)、該反応液から採取したR−3−キ
ヌクリジノール粗結晶は15mgであった。変換率85
%、光学純度は94%であった。
a lypolytica)IFO 1548を用いた
以外は、実施例3と同様の実験を行った。R−3−キヌ
クリジノールの生成濃度は、5.4g/l(反応液1リ
ットル換算)、採取した粗結晶は15mgであった。変
換率86%、光学純度は94%であった。
eobasidiummansonii)IFO 64
21を用いた以外は、実施例3と同様の実験を行った。
R−3−キヌクリジノールの生成濃度は、5.2g/l
(反応液1リットル換算)、採取した粗結晶は、14m
gであった。変換率83%、光学純度は93%であっ
た。
ilobasidium capsuligenum)
IFO 1119を用いた以外は、実施例3と同様の実
験を行った。R−3−キヌクリジノールの生成濃度は、
5.5g/l(反応液1リットル換算)、採取した粗結
晶は、15mgであった。変換率89%、光学純度は9
3%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】 3−キヌクリジノンからR−3−キヌク
リジノールを生成する能力を有するアルカリゲネス(A
lcaligenes)属、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)属、アースロバクター
(Arthrobacter)属、フィロバシディウム
(Filobasidium)属、ロドトルラ(Rho
dotorula)属、オーレオバシディウム(Aur
eobasidium)属、ヤロウィア(Yarrow
ia)属に属する微生物の菌体及び/または該菌体処理
物の存在下、水性媒体中で3−キヌクリジノンを光学選
択的に還元させて該水性媒体中にR−3−キヌクリジノ
ールを生成蓄積せしめ、ついで該水性媒体からR−3−
キヌクリジノールを採取することを特徴とするR−3−
キヌクリジノールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5794399A JP3858505B2 (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | R−3−キヌクリジノールの製造方法 |
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DE102013104418B4 (de) | 2013-04-30 | 2018-09-27 | Cambrex Iep Gmbh | Biokatalytisches Verfahren für die Herstellung von (R)-3-Chinuclidinol |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP5794399A patent/JP3858505B2/ja not_active Expired - Fee Related
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