JPH11113590A - 光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エステルの製造方法

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JPH11113590A
JPH11113590A JP4719898A JP4719898A JPH11113590A JP H11113590 A JPH11113590 A JP H11113590A JP 4719898 A JP4719898 A JP 4719898A JP 4719898 A JP4719898 A JP 4719898A JP H11113590 A JPH11113590 A JP H11113590A
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glycerol
genus
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ester
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JP4719898A
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Yasuhisa Asano
泰久 浅野
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬品等の有用な製造中間体である光学活性
グリセロールα−モノカルボン酸エステルの効率的な製
造方法を提供する。 【解決手段】 光学活性グリセロールα−モノカルボン
酸エステルの合成活性を有する酵素の存在下、グリセロ
ールをアシル供与体でエステル化することを特徴とす
る、光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エステル
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品等の原料ま
たは中間体として有用な光学活性グリセロールα−モノ
カルボン酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性なグリセロール誘導体の化学的
合成法としては、D-マンニトールからS-体のグリセロー
ルアセトナイドを得る方法(J. Org. Chem., 43, 4876,
(1978) )、L-アスコルビン酸から得る方法(J. Am. S
oc. Chem., 102, 6304, (1980))等が知られているが、
これらの方法は工程数が多く、操作が煩雑で実用的では
ない。また、多糖誘導体を有効成分とする分割剤によ
り、ラセミ体のグリセロールアセトナイドやグリセロー
ル環状炭酸エステル等を光学分割する方法(特開昭61-1
22283 号公報)が知られているが、この方法では溶剤を
多量に消費するため、経済的な方法とはなり難い。
【0003】生物学的合成法としては、リパーゼ等の酵
素の利用によりラセミ体のグリセロールケタールのカル
ボン酸エステルを立体選択的に加水分解する方法(EP55
6909、US4931339 等)、あるいは立体選択的にエステル
化する方法(特開平2-227097号公報、特開平5-192186号
公報等)が知られているが、ラセミ体基質の半分だけを
利用するものであり、経済的ではない。
【0004】一方、リパーゼのエステル転移反応を利用
してプロキラルな2-O-置換グリセロールを光学活性モノ
カルボン酸エステルに変換する方法(Tetrahedron Let
t., 29, 5173 (1988))も知られているが、グリセロー
ルを2-O-置換体に変換する工程が煩雑であり、経済的な
課題を有する。
【0005】また、ラセミ体のグリセロールアセトナイ
ドの片方の光学異性体のみを微生物によって酸化し、残
存する光学活性グリセロールアセトナイドを取得する方
法(EP244912、US4956285 、EP412585等)が知られてい
るが、補酵素の再生等が必要であり、工業的製法とはな
り難い。リパーゼの存在下、グリセロールとアシル供与
体からモノアシルグリセロールを合成する方法(Enzyme
Microb. Technol., 17, 578 (1995) )については多く
の報告があるが、光学活性体の合成に関する知見は全く
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、医薬品等の有用な製造中間体である光学活性グ
リセロールα−モノカルボン酸エステルの効率的な製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明者は光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エ
ステルの製造方法について鋭意研究を重ねた結果、特定
の酵素の存在下において、グリセロールとアシル供与体
を反応させると、光学活性グリセロールα−モノカルボ
ン酸エステルが生成することを見い出して、本発明を完
成させた。
【0008】本発明は、光学活性グリセロールα−モノ
カルボン酸エステルの合成活性を有する酵素の存在下、
グリセロールをアシル供与体でエステル化することを特
徴とする、光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エ
ステルの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いるアシル供与体としては、活性アシ
ル供与体が好ましく、例えば、一般式(1) : R1CO−O−CR2=CR34 (1) (式中、R1は置換又は非置換の脂肪族炭化水素基又は
芳香族炭化水素基であり、R2は水素原子又はメチル基
であり、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は水素
原子又は脂肪族炭化水素基である。)で表される脂肪族
又は芳香族カルボン酸のアルケニルエステルが挙げられ
る。
【0010】上記一般式(1) において、R1で示される
脂肪族炭化水素基は、飽和、不飽和のいずれでもよく、
炭素原子数1〜17のものが好ましい。また、R1で示さ
れる芳香族炭化水素基としては、フェニル、t-ブチルフ
ェニル等のアリール基、アリールアルキル基、フェニル
アリル等のアリールアルケニル基等が挙げられる。ま
た、R1で示される脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水
素基は、その炭素原子に結合する水素原子の一部又は全
部が適当な置換基で置換されていてもよい。脂肪族炭化
水素基の置換基としては、例えば、塩素等のハロゲンが
挙げられる。芳香族炭化水素基の置換基としては、例え
ば、セーブチル等のアルキル、塩素等のハロゲン、ニト
ロ等が挙げられる。上記一般式(1) において、R4で示
される脂肪族炭化水素基は、飽和、不飽和のいずれでも
よく、炭素原子数1〜3のものが好ましい。
【0011】上記一般式(1) で表されるアシル供与体と
しては、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、カプロン酸ビニル、
ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、
アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビ
ニル、酢酸イソプロペニル等の脂肪族カルボン酸のアル
ケニルエステル、及び安息香酸ビニル、2-クロロ安息香
酸ビニル、4-ニトロ安息香酸ビニル、2,4-ジニトロ安息
香酸ビニル、3,5-ジニトロ安息香酸ビニル、桂皮酸ビニ
ル、4-t-ブチル安息香酸ビニル等の芳香族カルボン酸の
アルケニルエステルが挙げられる。
【0012】また、上記一般式(1) で表されるアシル供
与体のほかに、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マイ
レン酸、無水安息香酸、無水フタル酸等の酸無水物、安
息香酸メチル、あるいは酢酸、酪酸、アクリル酸等の各
々2,2,2-トリフルオロエチルエステル、2,2,2-トリクロ
ロエチルエステル、フェニルエステル等も使用可能であ
る。
【0013】本発明において用いる酵素は、光学活性な
グリセロールα−モノカルボン酸エステルの合成活性を
有するものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhiz
opus)属、ペニシリウム(Penicillium)属、ゲオトリカ
ム(Geotrichum)属、ムコール(Mucor)属、リゾムコー
ル(Rhizomucor)属、フミコラ(Humicola)属、シュー
ドモナス(Pseudomonas)属、バークホーデリア(Burkho
lderia)属、キャンディダ(Candida)属、ブレビバクテ
リウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属、セデ
セア(Cedecea)属、バチルス(Bacillus)属、プロテウ
ス(Proteus)属、メチロバクテリウム(Methylobacteri
um)属等に属し、光学活性グリセロールα−モノカルボ
ン酸エステル生産能を有する微生物が産生する酵素を用
いることができる。
【0014】具体的には、市販酵素として入手すること
ができるリパーゼAK(シュードモナス・フルオレセンス
(Pseudomonas fluorescens) 由来)、リパーゼD (リゾ
プス・デレマ(Rhizopus delemar)由来)、リパーゼPS
(シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia) 由
来)、リパーゼF-AP(リゾプス(Rhizopus sp.)属由
来)、リパーゼG (ペニシリウム・カメンバーティ(Pen
icillium camembertii) 由来)、リパーゼGC-20 (ゲオ
トリカム・キャンジジューム(Geotricum candidum)由
来)、リパーゼPZ-6(アスペルギルス(Aspergillus s
p.) 属由来)、リパーゼM-AP(ムコール(Mucor sp.) 属
由来、天野製薬社製)、ノボザイム435 (キャンディダ
・アンタクチカ(Candida antarctica)由来、Novo社
製)、キラザイムL-1 (バークホーデリア(Burkholderi
a)属由来)、キラザイムL-4 (シュードモナス(Pseudom
onas sp.) 属由来)、キラザイムL-6 (シュードモナス
(Pseudomonas sp.) 属由来)、キラザイムL-8 (フミコ
ラ(Humicola)属由来、Boehringer Mannheim 社製)、リ
ポザイム(リゾムコール・ミハイ(Rhizomucor miehei)
由来、Fulka 社製)等を使用することができる。
【0015】また、本発明においては、上記の光学活性
グリセロールα−モノカルボン酸エステル生産能を有す
る上記微生物の培養物、菌体又は菌体処理物をそのまま
利用することも可能である。そのような微生物として
は、分譲菌株として入手することができるセデセア・ダ
ビセ(Cedecea davisae)JCM1685 、ブレビバクテリウム
・プロトホミエ(Brevibacterium protophomiae)IFO121
28、コリネバクテリウム・アクアティカム(Corynebact
erium aquaticum)IFO12154、ノカルディア・コラリナ
(Nocardia corallina)IFO3338 、シュードモナス・マ
ルトフィラ(Pseudomonas maltophila)IFO12690、シュ
ードモナス・クロロラフィス(Pseudomonaschlororaphi
s)IFO3523 、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bac
illus stearothermophillus)IAM1035 、バチルス・サ
チルス(Bacillus subtilis) JCM1465T 、メチロバクテ
リウム・ラジオトレランス(Methylobacterium radioto
lerans)IAM12099、プロテウス・ブルガリス(Proteus
vulgaris)IAM12003等を利用することができる。
【0016】酵素として市販酵素を用いる場合、酵素を
そのまま、あるいは適当な担体に常法により固定化して
用いることができる。また、微生物を用いる場合、微生
物を培地中で培養して得られる培養物をそのままか、又
は該培養物から遠心分離などの集菌操作によって得られ
る菌体若しくはその処理物を用いることもできる。菌体
処理物としては、凍結乾燥菌体、菌体破砕物、無細胞抽
出物、無細胞抽出物からゲル濾過、イオン交換クロマト
グラフィー等の分離操作により得られる粗酵素又は精製
酵素等が挙げられる。また、菌体又は菌体処理物を常法
により固定化して利用することも可能である。酵素が菌
体外に出る性質のものである場合には、培養液上清から
凍結乾燥あるいは有機溶媒を用いる方法等、常法により
回収したものを用いることができる。
【0017】本発明では、反応のために特に溶媒は必要
としないが、有機溶媒を添加して反応系を均一にするこ
ともできる。用いる有機溶媒は特に限定されるものでは
ないが、具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル、1,4-ジオキサン、アセトン、トリエチル
アミン等を単独または混合して利用することができる。
【0018】アシル供与体の使用量は、光学活性なグリ
セロールα−モノカルボン酸エステルを合成しうる限り
特に限定されるものではないが、通常は、グリセロール
1mol に対して 0.1〜2.5 mol が好ましい。反応温度
は、用いる酵素の安定性等により異なるが、通常、 0〜
80℃である。
【0019】生成した光学活性グリセロールα−モノカ
ルボン酸エステルの反応液からの単離は、常法に従えば
よく、例えば、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー
などの公知の方法により行うことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕表1に記載の酵素をそれぞれ用いてグリセ
ロールα−モノ安息香酸エステルを合成した。酵素 100
mgを25mlの蒸留水に溶かし、400mg の多孔性樹脂(DIAI
ON HPA25、三菱化学社製)と混合した。この混合物を10
℃、100rpmで24時間穏やかに振盪した後、280nm におけ
る吸光度を測定し、酵素の吸着を確認した。酵素の吸着
した多孔性樹脂を濾別し、減圧下、室温でシリカゲル上
にて8時間乾燥した。この酵素固定化樹脂をそのまま反
応に供した。
【0021】100mM のグリセロールと100mM の安息香酸
ビニルおよび50mgの酵素固定化樹脂を含む1,4-ジオキサ
ン溶液2mlを30℃にて振盪して反応を行った。生成した
グリセロールα−モノ安息香酸エステルの定量は、反応
液を直接ODS-80Tsカラム(東ソー社製)を用いる高速液
体クロマトグラフィー分析することにより行った。尚、
キャリアーとして 30%アセトニトリル水溶液を用い、流
速は0.5 ml/min、検出は 254nmで行った。
【0022】一方、生成したグリセロールα−モノ安息
香酸エステルの光学純度の決定は、アセトナイド化合物
に誘導体化した後、高速液体クロマトグラフィーにより
行った。すなわち、触媒量の(+)-カンファースルホン酸
の存在下、グリセロールα−モノ安息香酸エステルを含
む反応液にアセトンジメチルアセタールを作用させて誘
導化を行い、これをキラルセルOJカラム(ダイセル化学
社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにより分析
した。尚、キャリアーとしてn-ヘキサン/ イソプロピル
アルコール=95/5 溶液を用い、流速は0.3 ml/min、検出
は 254nmで行った。(S)-体および(R)-体の保持時間はそ
れぞれ26分、28分であった。表1に、各酵素を用いた場
合の合成についての反応時間、反応転化率、得られたエ
ステルの光学純度及び絶対配置を示す。
【0023】
【表1】
【0024】〔実施例2〕ノボザイム435 、リポザイム
50mgを用いて実施例1と同様の条件で反応を行った。結
果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】〔実施例3〕多孔性樹脂に固定化しないリ
パーゼPS 50mg を用いて実施例1と同様の条件で120 時
間反応を行ったところ、グリセロールα−モノ安息香酸
エステルへの転化率は100%、光学純度は36.5%e.e.(R-
体)であった。
【0027】〔実施例4〕表3に記載の微生物の菌株を
それぞれ用いてグリセロールα−モノ安息香酸エステル
を合成した。菌株を、グリセロールトリ安息香酸エステ
ル0.05% 、肉エキス1%、ポリペプトン1%、NaCl 0.5% か
らなる培地(pH 7.2)5mlに植菌し、30℃で2〜3日間
振盪培養した。遠心分離にて集菌して得た湿菌体に−20
℃に冷やしたアセトン 0.5mlを加えて混合した。これを
SPIN-X(コーニング・コースター社製)を用いて遠心
し、アセトンを除去した。さらにアセトン0.5 mlを加え
て菌体を洗浄後、遠心分離してアセトンを除去した後、
シリカゲル上、室温で8時間減圧乾燥してアセトン乾燥
菌体とした。
【0028】100mM のグリセロールと 100mMの安息香酸
ビニルを含む1,4-ジオキサン溶液0.5ml 中にアセトン乾
燥菌体5〜20mgを加えて、30℃で1〜7日間反応させ
た。反応液を実施例1と同様に高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、全ての菌株でグリセロールモノ
安息香酸エステルの生成が確認された。生成したグリセ
ロールα−モノ安息香酸エステルの光学純度を実施例1
と同様にして分析した。表3に、各菌株についての反応
転化率、生成したエステルの光学純度及び絶対配置を示
す。
【0029】
【表3】
【0030】〔実施例5〕表4に記載の微生物の菌株を
それぞれ用いてグリセロールα−モノ安息香酸エステル
を合成した。各菌株を、それぞれ実施例4と同様に培養
し、遠心分離で除菌した培養液上清を凍結乾燥して菌体
外酵素を得た。この菌体外酵素を用いて実施例4と同様
に反応を行った。全てについて、グリセロールα−モノ
安息香酸エステルの生成が確認された。表4に、各菌株
についての反応転化率、生成したエステルの光学純度及
び絶対配置を示す。
【0031】
【表4】
【0032】バチルス・サチルス JCM1465T の菌体外酵
素を用いて得たグリセロールα−モノ安息香酸エステル
を高速液体クロマトグラフィーにて精製し、NMR 分析を
行った。その結果を以下に示す。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3),δ ppm: 8.097〜8.052 (m, 2
H), 7.591〜7.548 (m,1 H), 7.465〜7.426 (m, 2 H),
4.494〜4.416 (m, 1 H), 4.385 (dd,1 H, J = 5.7, 7.1
Hz), 4.354〜4.341 (m, 1 H), 4.152 (dd, 1 H, J =
6.4, 8.5 Hz),3.884 (dd, 1 H, J = 6.0, 8.4 Hz), 1.4
64 (s, 3 H), 1.396 (s, 3 H).13 C-NMR (100 MHz, CDCl3), δ ppm: 166.34, 133.16,
129.77, 129.72, 128.40, 109.86, 73.68, 66.40, 65.0
3, 26.74, 25.39.
【0033】〔実施例6〕下記の表5に記載のアシル供
与体100mMおよびグリセロール100mMを含む1,4‐ジオキ
サン20mlに30mgのノボザイム435を添加して、15℃また
は30℃で振とうすることにより、グリセロールα‐モノ
安息香酸エステルの合成反応を行った。表5に、反応時
間、反応転化率および生成したエステルの光学純度を示
す。なお、絶対配置は全て(R)であった。生成したグ
リセロールα‐モノ安息香酸エステルの定量および光学
純度の決定は、実施例1に記載の方法にしたがって行っ
た。
【0034】
【表5】
【0035】〔実施例7〕アシル供与体としてピバル酸
ビニルを用いて、実施例6と同様の条件下で反応を行っ
た。この際の反応温度は30℃、反応時間は96時間とし
た。その結果、グリセロールα‐モノピバル酸エステル
の生成が確認され、反応転化率は19.2%であった。生成
したグリセロールα‐モノピバル酸エステルの定量は、
実施例1に記載の方法にしたがって行った。ただし、検
出は215nmで行った。
【0036】〔実施例8〕グリセロール100mMおよび無
水安息香酸100mMを含む1,4‐ジオキサン1リットルに15
gのノボザイム435を添加して、15℃で24時間振とうす
ることにより、グリセロールα‐モノ安息香酸エステル
の合成反応を行った。反応後、酵素を濾過によって除去
し、反応液を減圧下で濃縮した。得られた濃縮液に100m
lの水を添加し、酢酸エチル100mlによる抽出を3回行っ
た。3回の抽出によって得られる酢酸エチル相を混合
し、飽和NaHCO3水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した
後、硫酸ナトリウム(無水)を添加することにより脱水
した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、18.9gの
油状物質を得た。該油状物質から、シリカゲルクロマト
グラフィー(溶離液:酢酸エチル)により、13.3gの油
状グリセロールα‐モノ安息香酸エステル(光学純度:
53.1% e.e.、(R)体)を単離した。さらに、ヘキサン
/イソプロピルアルコール(95:5)で結晶化を行
い、針状結晶(光学純度:95.4% e.e.、(R)体)を得
た。上記の光学純度の決定は、実施例1に記載の方法に
したがって行った。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、医薬品等の原料または
中間体として有用な光学活性グリセロールα−モノカル
ボン酸エステルを効率よく、経済的に製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 7/62 C12R 1:15) (C12P 7/62 C12R 1:38) (C12P 7/62 C12R 1:07) (C12P 7/62 C12R 1:125) (C12P 7/62 C12R 1:37) (C12P 7/62 C12R 1:365)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性グリセロールα−モノカルボン
    酸エステルの合成活性を有する酵素の存在下、グリセロ
    ールをアシル供与体でエステル化することを特徴とす
    る、光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エステル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 アシル供与体が、一般式(1) R1CO−O−CR2=CR34 (1) (式中、R1は置換又は非置換の脂肪族炭化水素基又は
    芳香族炭化水素基であり、R2は水素原子又はメチル基
    であり、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は水素
    原子又は脂肪族炭化水素基である。)で表される脂肪族
    又は芳香族カルボン酸のアルケニルエステルである、請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アシル供与体が脂肪族又は芳香族カルボ
    ン酸のビニルエステルである、請求項1に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 酵素が微生物由来のものである、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酵素がアスペルギルス(Aspergillus)
    属、リゾプス(Rhizopus)属、ペニシリウム(Penicill
    ium)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、ムコール(Mu
    cor)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、フミコラ(Hu
    micola)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バーク
    ホーデリア(Burkholderia)属、キャンディダ(Candid
    a)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリ
    ネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルディア
    (Nocardia)属、セデセア(Cedecea)属、バチルス(Ba
    cillus)属、プロテウス(Proteus)属又はメチロバクテ
    リウム(Methylobacterium)属に属し、光学活性グリセ
    ロールα−モノカルボン酸エステル生産能を有する微生
    物由来のものである、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の製造方法。
JP4719898A 1997-08-13 1998-02-27 光学活性グリセロールα−モノカルボン酸エステルの製造方法 Pending JPH11113590A (ja)

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