JPH06237780A - ピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents

ピリジン誘導体の製造方法

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JPH06237780A
JPH06237780A JP13196993A JP13196993A JPH06237780A JP H06237780 A JPH06237780 A JP H06237780A JP 13196993 A JP13196993 A JP 13196993A JP 13196993 A JP13196993 A JP 13196993A JP H06237780 A JPH06237780 A JP H06237780A
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JP
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chloropyridine
hydroxypyridine
chloromethyl
hydroxymethyl
cyano
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JP13196993A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Sasaki
康之 佐々木
Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Katsutoshi Sato
勝利 佐藤
Mari Ooishi
真里 大石
Manami Sekine
真波 関根
Sunao Imaki
直 今木
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 医薬、農薬、染料等の重要な合成中間体であ
る3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジン、3
−アミノメチル−6−クロロピリジンおよび3−(アル
キルアミノ)メチル−6−クロロピリジンを、微生物反
応および化学反応を利用して製造する方法に関する。 【構成】 微生物の菌体およびその菌体処理物を用い
て、3−シアノピリジンをヒドロキシル化して、3−シ
アノ−6−ヒドロキシピリジンを製造し、ついで、3−
シアノ−6−ヒドロキシピリジンを酸性水溶液中で還元
することにより3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシ
ピリジンを得る。これを塩素化して3−クロロメチル−
6−クロロピリジンを製造し、さらにアミノ化すること
により3−アミノメチル−6−クロロピリジンを得る。
上記3−クロロメチル−6−クロロピリジンをアルキル
アミノ化することにより3−(アルキルアミノ)メチル
−6−クロロピリジンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピリジン誘導体の製造
方法に関し、詳細には医薬、農薬、染料等の重要な合成
中間体である3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピ
リジン、3−アミノメチル−6−クロロピリジンおよび
3−(アルキルアミノ)メチル−6−クロロピリジン
を、微生物反応および化学反応を利用して製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ピリ
ジン誘導体は、医薬、農薬、染料等の分野における重要
な合成中間体である。例えば近年、新しい殺虫剤として
ニコチン酸レセプターに作用する農薬の開発が進められ
ている。下記構造にて表されるImidaclopri
d(日本特殊農薬(株)商品名)はかかる農薬の一つで
あり、3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジン
および3−アミノメチル−6−クロロピリジンは、その
合成中間体として重要な物質である。
【0003】
【化1】
【0004】従来より、ピリジンの3位および6位に置
換基を有する化合物の合成法が種々検討されてきた。と
くに、上記の化合物については、以下のように、大きく
分けて(1)化学的な方法および(2)微生物学的方法
があるが、化学的な方法では、6位への置換基の選択的
な導入が困難であり、最終生成物に位置異性体が不純物
として混入する欠点がある。一方微生物学的方法では、
下記反応式からわかるように工程数が長いこと、還元が
容易でないこと、さらに原料ニコチン酸が高価である等
の問題点がある。
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意検討を行った結果、3−シアノピリジ
ンを出発物質として用い、微生物反応ついで化学合成反
応を組み合わせることにより、重要な合成中間体である
3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジン、3−
アミノメチル−6−クロロピリジンおよび3−(アルキ
ルアミノ)メチル−6−クロロピリジンを容易に製造出
来る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、微生物の菌体また
はその菌体処理物を用いて、3−シアノピリジンをヒド
ロキシル化して、3−シアノ−6−ヒドロキシピリジン
を製造し、ついで、得られた3−シアノ−6−ヒドロキ
シピリジンを酸性水溶液中で還元することを特徴とする
3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジンの製造
方法、該3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジ
ンを塩素化して3−クロロメチル−6−クロロピリジン
を製造し、さらに得られた3−クロロメチルー6‐クロ
ロピリジンをアミノ化することを特徴とする3−アミノ
メチル−6−クロロピリジンの製造方法、および、該3
−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジンを塩素化
して3−クロロメチル−6−クロロピリジンを製造し、
さらに得られた3−クロロメチルー6‐クロロピリジン
をアルキルアミノ化することを特徴とする3−(アルキ
ルアミノ)メチル−6−クロロピリジンの製造方法に存
する。以下、本発明につき詳細に説明する。
【0009】本発明では、まず微生物を用いて3−シア
ノピリジンをヒドロキシル化し、3−シアノ−6−ヒド
ロキシピリジンを製造する。本発明に用いる微生物とし
ては、アグロバクテリウム属(Agrobacteri
um)、アースロバクター属(Arthrobacte
)、ボルデテラ属(Bordetella)、ブレビ
バクテリウム属(Brevibacterium)、シ
ュウドモナス属(Pseudomonas)、アクロモ
バクター属(Achromobacter)、コマモナ
ス属(Comamonas)、エルウィニア属(Erw
inia)、バクテリウム属(Bacterium)、
コリネバクテリウム属(Corynebacteriu
)、セラチア属(Serratia)、サルシナ属
Sarcina)、キサントバクター属(Xanth
obacter)、アルカリゲネス属(Alcalig
enes)、フラボバクテリウム属(Flavobac
terium)およびミクロコッカス属(Microc
occus)に属する微生物から選ばれる微生物の菌体
またはその菌体処理物を使用する。かかる微生物として
は、3−シアノピリジンの6位に選択的にヒドロキシル
基を導入する能力を有するものであれば特に制限はされ
ない。
【0010】Agrobacterium属に属する微
生物としては、Agrobacterium radi
obacterAgrobacterium tum
efaciensAgrobacterium vi
scosumなどが挙げられる。具体的には、Agro
bacterium radiobacter NRR
L B−11291(Agricultur al Research Service
Culture Collection)、Agrobacterium
tumefaciens IAM 13129(東京大
学応用微生物研究所)、Agrobacterium
viscosum IFO 13652(財団法人 醗
酵研究所)等が挙げられる。
【0011】Arthrobacter属に属する微生
物としては、Arthrobacter globif
ormisArthrobacter fragil
isなどが挙げられる。具体的には、Arthroba
cter globiformis IFO 1213
7(財団法人 醗酵研究所)、Arthrobacte
fragilis FERM P−4350(工業
技術院生命工学工業技術研究所)等が挙げられる。
【0012】Bordetella属に属する微生物と
しては、Bordetella bronchisep
ticaなどが挙げられる。具体的には、Bordet
ella bronchiseptica ATCC
4617(American Type Culture Collection)等が挙
げられる。Brevibacterium属に属する微
生物としては、Brevibacterium but
anicumBrevibacterium ket
oglutamicumなどが挙げられる。具体的に
は、Brevibacterium butanicu
ATCC 21196(American Type CultureCol
lection)、Brevibacterium keto
glutamicumATCC 15587(American
Type Culture Collection)等が挙げられる。
【0013】Pseudomonas属に属する微生物
としては、Pseudomonasdacunhae
Pseudomonas maltophilaPs
eudomonas chlororaphisPs
eudomonas hydantoinophilu
Pseudomonas putidaなどが挙げ
られる。具体的には、Pseudomonas dac
unhae ATCC13261(American Type Cult
ure Collection)、Pseudomonasmalto
phila ATCC 13637(American Type Cu
lture Collection)、Pseudomonas chl
ororaphis IFO 3904(財団法人 醗
酵研究所)、Pseudomonas hydanto
inophilum FERM P−4347(工業技
術院生命工学工業技術研究所)、Pseudomona
putida ATCC 21244(American T
ype Culture Collection)等が挙げられる。
【0014】Achromobacter属に属する微
生物としては、Achromobacter xero
sisなどが挙げられる。具体的には、Achromo
bacter xerosis IFO 12668
(財団法人 醗酵研究所)等が挙げられる。Comam
onas属に属する微生物としては、Comamona
acidovoransComamonas
estosteroniなどが挙げられる。具体的に
は、Comamonas acidovorans
CIMB 9289(National Collections of Indust
rial And Marine Bacteria Ltd. )、Comamona
testosteroni ATCC 11996
(American Type Culture Collection)等が挙げられ
る。
【0015】Erwinia属に属する微生物として
は、Erwinia herbicolaなどが挙げら
れる。具体的には、Erwinia herbicol
ATCC 21434(American Type Culture Co
llection)等が挙げられる。Bacterium属に属
する微生物としては、Bacterium cyclo
−oxydansなどが挙げられる。具体的には、Ba
cterium cyclo−oxydans ATC
C 12673(American Type Culture Collection)
等が挙げられる。
【0016】Corynebacterium属に属す
る微生物としては、Corynebacterium
xerosisなどが挙げられる。具体的には、Cor
ynebacterium xerosis NCTC
9755(National Collection of Type Cultures)
などが挙げられる。Serratia属に属する微生物
としては、Serratia liquefacien
Serratia marcescensなどが挙
げられる。具体的には、Serratia lique
faciens IFO 12979(財団法人 醗酵
研究所)、Serratia marcescens
IFO 3054(財団法人 醗酵研究所)、Serr
atia marcescens IFO 12648
(財団法人 醗酵研究所)等が挙げられる。
【0017】Sarcina属に属する微生物として
は、Sarcina luteaなどが挙げられる。具
体的には、Sarcina lutea ATCC 9
341(American Type Culture Collection)等が挙げ
られる。Xanthobacter属に属する微生物と
しては、Xanthobacter flavusなど
が挙げられる。具体的には、Xanthobacter
flavus NCIMB 10071(National Col
lections of IndustrialAnd Marine Bacteria Ltd.)等
が挙げられる。
【0018】Alcaligenes属に属する微生物
としては、Alcaligeneseutrophu
Alcaligenes aquamarinu
Alcaligenes faecalisなどが
挙げられる。具体的には、Alcaligenes
utrophus ATCC 17699(American T
ype Culture Collection)、Alcaligenes
aquamarinusFERM P−4229(工業
技術院生命工学工業技術研究所)、Alcaligen
es faecalis IFO 13111(財団法
人 醗酵研究所)等が挙げられる。
【0019】Flavobacterium属に属する
微生物としては、Flavobacterium su
aveolensFlavobacterium
minogenesFlavobacterium
arborescensFlavobacteriu
dehydrogenansFlavobact
erium heparinumなどが挙げられる。具
体的には、Flavobacterium suave
olens IFO 3752(財団法人 醗酵研究
所)、Flavobacterium aminoge
nes FERMP−3134(工業技術院生命工学工
業技術研究所)、Flavobacterium ar
borescens IFO 3750(財団法人 醗
酵研究所)、Flavobacterium dehy
drogenans ATCC 13930(American
Type Culture Collection)、Flavobacter
ium heparinum IFO 12017(財
団法人 醗酵研究所)等が挙げられる。
【0020】Micrococcus属に属する微生物
としては、Micrococcusvarians
icrococcus morrhuaeなどが挙げら
れる。具体的には、Micrococcus vari
ans IAM 1314(東京大学応用微生物研究
所)、Micrococcus morrhuae
AM 1711(東京大学応用微生物研究所)等が挙げ
られる。
【0021】これらの微生物の培養に必要な栄養物とし
ては、特に限られるものではなく、通常微生物の培養に
用いられるものが利用される。たとえば、炭素源として
は、グルコース、シュクロース、フラクトース、グリセ
ロール、ソルビトール、糖蜜、澱粉加水分解物等の糖
質、酢酸、フマル酸等の有機酸、等が利用される。窒素
源としては、硝酸塩類、アンモニウム塩類、コーンステ
ィープリカー、酵母エキス、肉エキス、酵母粉末、大豆
加水分解液、綿実粉、ポリペプトン、ベントン等が挙げ
られる。無機塩としては、リン酸カリウム、リン酸カル
シウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マ
ンガン、塩化ナトリウム等が利用できる。また酵素を誘
導するために、培地中に鉄イオン、コバルトイオン、銅
イオン等の無機塩類等を添加することも望ましい。
【0022】培養温度は20〜40℃、好ましくは30
〜35℃、pHは4.0〜9.0、好ましくは5.0〜
7.0で、通常20〜24時間程度培養する。その際培
養は好気的に行い、十分に、たとえばOD660 で5〜4
0程度に菌を成育する。
【0023】本発明における「微生物菌体処理物」と
は、微生物菌体の抽出物や微生物菌体の磨砕物、更には
それらを硫安分別、イオン交換クロマトグラフィー、ゲ
ル濾過等の公知の方法により分離精製したものを意味
し、本発明においては、3−シアノピリジンに微生物菌
体自身(生菌体または乾燥菌体)を作用させてもよい
し、あるいは微生物菌体処理物を作用させてもよい。
【0024】また上記の培養で得られた微生物菌体また
はその菌体処理物を、ポリアクリルアミドゲル、光架橋
性樹脂、寒天、カラギーナン等のゲルで包括固定化した
後、3−シアノピリジンと反応させることも可能であ
る。菌体自身を作用させる場合、上記のようにして十分
に菌を成育させた後、3−シアノピリジンを添加する。
3−シアノピリジンの濃度は0.1重量%〜飽和濃度、
好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で添加する。添
加後、20〜50℃、好ましくは30〜40℃の温度
で、pHは4.0〜9.0、好ましくは5.0〜7.0
で、2〜24時間、通常は20〜24時間程度通気攪拌
し、反応を行う。
【0025】菌体の処理物を作用させる場合、タンパク
質重量で2〜15mg程度の菌体抽出物または菌体磨砕
物を含む0.01〜1Mリン酸緩衝液(pH 6〜9)
等の溶液に、3−シアノピリジンを上記範囲で添加、反
応させる。微生物菌体またはその菌体処理物を固定化し
た場合は、上記の条件下で攪拌型反応槽内で3−シアノ
ピリジンと反応させるか、固定化物をカラムに充填して
3−シアノピリジンを含有する液を流通させる。
【0026】なお、本発明では、上記の微生物菌体また
はその菌体処理物を水性媒体中で3−シアノピリジンに
作用させることが好ましい。本発明では、上記の微生物
菌体またはその菌体処理物を水性媒体中で3−シアノピ
リジンに作用させることが好ましい。本発明でいう水性
媒体とは、水または酢酸バッファー、リン酸バッファー
等の緩衝液を意味する。かかる水性媒体は、基質となる
3−シアノピリジンに対して過剰量存在することが好ま
しい。
【0027】かくして得られる3−シアノ−6−ヒドロ
キシピリジンは、反応物から公知の方法、たとえばメタ
ノール、水等の溶媒で抽出し、ODS樹脂等によるカラ
ムクロマトグラフィー等で精製することができる。次い
で、この得られた3−シアノ−6−ヒドロキシピリジン
を用い、酸性水溶液中で還元して3−ヒドロキシメチル
−6−ヒドロキシピリジンを製造する。この場合、例え
ば、酸性水溶液中で触媒の存在下、水素を作用させる方
法等が挙げられる。
【0028】水素化触媒としては、通常使用される水素
化触媒が用いられるが、具体例としてはラネーニッケル
触媒に代表されるニッケル触媒や、アルミナ、シリカ、
または活性炭などの担体に担持したパラジウム触媒など
があげられる。これら水素化触媒の使用量は3−シアノ
−6−ヒドロキシピリジンに対してラネーニッケル触媒
では1〜20%、パラジウム触媒では0.1〜10%の
範囲が反応効率、経済性の点から好ましい。
【0029】また、酸性水溶液としては、種々の無機酸
または有機酸が使用出来るが、その内硫酸、塩酸、燐酸
などの無機強酸が好ましい。酸性水溶液として用いる酸
の使用量は1〜10倍当量の範囲が好ましく、この範囲
外では副反応が顕著となる。水素圧力は0.1〜20k
g/cm2 、好ましくは1〜10kg/cm2 の範囲
が、また反応温度は0〜150℃、好ましくは20〜1
00℃の範囲が、反応速度や反応選択率の点から選ばれ
る。
【0030】かくして得られる3−ヒドロキシメチル−
6−ヒドロキシピリジンは公知の方法、例えば触媒を濾
別後、濾液をアルカリ性としてから酢酸エチルまたはブ
タノールで抽出し、濃縮精製することにより反応液から
取り出せる。次いで、この得られた3−ヒドロキシメチ
ル−6−ヒドロキシピリジンを用い、塩素化することに
より3−クロロメチル−6−クロロピリジンを製造す
る。
【0031】本反応に用いる塩素化剤としては、五塩化
リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、ホ
スゲン、ベンゾトリクロリド、塩化アセチルから選ばれ
る塩素化剤が用いられる。これらの塩素化剤のうち、特
に五塩化リンとオキシ塩化リンの混合物が反応収率の点
から好ましく用いられる。なお、この塩素化反応は希釈
剤の存在下に於いても行うことができる。希釈剤として
は特に制限が無いが、脂肪族または芳香族炭化水素や、
ハロゲン化炭化水素化合物が好ましく用いられる。
【0032】本反応において用いられる塩素化剤の使用
量は、3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシピリジン
に対し0.5〜10倍当量、好ましくは1〜5倍当量で
ある。反応温度は0〜200℃、好ましくは10〜15
0℃の範囲が選ばれる。かくして、得られる3−クロロ
メチル−6−クロロピリジンは、例えば反応液を加水分
解中和後、有機溶媒により抽出し、濃縮精製することに
より反応液から取り出せる。次いでこの得られた3−ク
ロロメチル−6−クロロピリジンをアミノ化する(好ま
しくは、アンモニアを作用させる)ことにより、3−ア
ミノメチル−6−クロロピリジンを製造する。
【0033】本反応においては、3−クロロメチル−6
−クロロピリジンに対し、常圧下または20気圧以下の
加圧下で、10倍当量以上の過剰量のアンモニアを作用
させる。反応温度は−80〜80℃、好ましくは−30
〜30℃の温度範囲が選ばれる。なお、本反応は好まし
くは希釈剤を用いて実施される。希釈剤としては特に制
限が無いが、脂肪族または芳香族炭化水素や、ハロゲン
化炭化水素化合物、または脂肪族エーテル類が好ましく
用いられる。かくして、得られる3−アミノメチル−6
−クロロピリジンは、例えば減圧後反応液を加水分解中
和し、次いで有機溶媒により抽出し、濃縮精製すること
により反応液から取り出せる。
【0034】一方、上記で得られた3−クロロメチル−
6−クロロピリジンをアルキルアミノ化する(好ましく
は、炭素数6以下のアルキル基を有する1級アルキルア
ミンを作用させる)ことにより、3−(アルキルアミ
ノ)メチル−6−クロロピリジンを製造する。本反応に
おいては、炭素数6以下のアルキル基を有する1級アル
キルアミンの存在下水素化反応を行うが、その使用量は
3−アミノ−6−クロロピリジンに対して1〜20倍
量、好ましくは3〜10倍量である。反応温度は−80
〜150℃、好ましくは−30〜80℃の温度範囲が選
ばれる。なお、本反応による方法は好ましくは上記のよ
うな希釈剤を用いて実施される。かくして、得られる3
−(アキルアミノ)メチル−6−クロロピリジンは、例
えば減圧後反応液を加水分解中和し、次いで有機溶媒に
より抽出し、濃縮精製することにより反応液から取り出
せる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 酵母エキス1g、グルコース1g、K2 HPO4 0.3
g、KH2 PO4 0.1g、FeSO4 1mg、MgS
4 50mg、MnSO4 1mgを水100mlに含有
する栄養溶液をへそ付き三角フラスコに満たし120℃
において20分間殺菌した。30度に冷却した後に、別
殺菌したインデューサーとしての3−シアノピリジン
0.2g、CuSO4 1mgを添加した。普通寒天培地
上で24時間培養したComamonas acido
vorans(NCIMB9289)を1白金耳摂取
し、30度、24時間、160rpmのロータリーシェ
ーカーで培養した。24時間後培養物を回収し、菌体を
遠心分離によって分離した。分離された菌体をさらに
0.02モル酢酸バッファー(pH5.5)に懸濁洗浄
し、遠心分離によって分離し、バイオマスを得た。10
0ml反応器に1.0%3−シアノピリジン(pH5.
5)を20ml入れ30℃に加熱した。上記バイオマス
を添加して、反応混合物を十分に攪拌した。24時間後
に3−シアノ−6−ヒドロキシピリジン72mgを得
た。
【0036】次いで、ガラス内筒付きオートクレーブに
上記反応により得た3−シアノ−6−ヒドロキシピリジ
ン0.6g、5%パラジウム−カーボン触媒54mg、
3.2N硫酸12mlを仕込み、水素圧3kg/cm
2 、80℃で3時間反応した。触媒を濾別後、反応液を
HPLCにて分析した結果、3−ヒドロキシメチル−6
−ヒドロキシピリジンの収率は、仕込んだ3−シアノ−
6−ヒドロキシピリジンに対して75%であった。
【0037】実施例2 実施例1において、水素化反応条件を水素圧1kg/c
2 、25℃に変え、5時間反応を行った。3−ヒドロ
キシメチル−6−ヒドロキシピリジンの収率は仕込んだ
3−シアノ−6−ヒドロキシピリジンに対して72%で
あった。
【0038】実施例3 3−シアノ−6−ヒドロキシピリジンの製造例 下記表1に挙げた菌を用い、実施例1と同様の操作によ
り3−シアノ−6−ヒドロキシピリジンを得た。3−シ
アノ−6−ヒドロキシピリジンの生成量を下記表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例4 実施例1で得られた3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロ
キシピリジン3.0g、オキシ塩化リン4.0g及び五
塩化リン11.0gを氷冷下フラスコに仕込んだ。反応
液を2時間還流後、減圧下に濃縮した。残留物を水で希
釈後、水酸化ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出し
た。濃縮精製することにより、仕込んだ3−ヒドロキシ
メチル−6−ヒドロキシピリジンに対して75%の収率
で3−クロロメチル−6−クロロピリジンを得た。次い
で、オートクレーブにこの3−クロロメチル−6−クロ
ロピリジン3.0g、トルエン10mlを仕込んだ後、
アンモニアガス20mlを圧入した。5℃で6時間反応
後、反応液を水酸化ナトリウム水溶液に加え、トルエン
で抽出した。有機層を濃縮精製することにより仕込んだ
3−クロロメチル−6−クロロピリジンに対して71%
の収率で3−アミノメチル−6−クロロピリジンを得
た。
【0042】実施例5 実施例4で得られた3−クロロメチル−6−クロロピリ
ジン3.0g、70%エチルアミン水溶液を仕込み5℃
で6時間反応した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液に
加え、トルエンで抽出した。有機層を濃縮精製すること
により仕込んだ3−クロロメチル−6−クロロピリジン
に対して71%の収率で3−(エチルアミノ)メチル−
6−クロロピリジンを得た。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価な3−シア
ノピリジンを出発原料として用い、従来の方法に比べて
少ない工程数で高選択的に3−ヒドロキシメチル−6−
ヒドロキシピリジン、3−アミノメチル−6−クロロピ
リジンおよび3−(アルキルアミノ)メチル−6−クロ
ロピリジンを得ることが出来る。これらのピリジン誘導
体は、医薬、農薬、染料等の重要な合成中間体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/12 C12R 1:38) (C12P 17/12 C12R 1:025) (C12P 17/12 C12R 1:18) (C12P 17/12 C12R 1:15) (C12P 17/12 C12R 1:425) (C12P 17/12 C12R 1:05) (C12P 17/12 C12R 1:20) (C12P 17/12 C12R 1:265) (C12P 17/12 C12R 1:40) (C12P 17/12 C12R 1:01) (72)発明者 大石 真里 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 関根 真波 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 今木 直 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の菌体またはその菌体処理物を用
    いて、3−シアノピリジンをヒドロキシル化して、3−
    シアノ−6−ヒドロキシピリジンを製造し、ついで、得
    られた3−シアノ−6−ヒドロキシピリジンを酸性水溶
    液中で還元することを特徴とする、3−ヒドロキシメチ
    ル−6−ヒドロキシピリジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 該微生物が、アグロバクテリウム属、ア
    ースロバクター属、ボルデテラ属、ブレビバクテリウム
    属、シュウドモナス属、アクロモバクター属、コマモナ
    ス属、エルウィニア属、バクテリウム属、コリネバクテ
    リウム属、セラチア属、サルシナ属、キサントバクター
    属、アルカリゲネス属、フラボバクテリウム属およびミ
    クロコッカス属から選ばれる微生物であることを特徴と
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該微生物の菌体またはその菌体処理物を
    水性媒体中で3−シアノピリジンに作用させることを特
    徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 3−シアノ−6−ヒドロキシピリジン
    を、酸性水溶液中で、触媒の存在下水素を作用させるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の3−ヒドロキシメチル−
    6−ヒドロキシピリジンを塩素化して3−クロロメチル
    −6−クロロピリジンを製造し、さらに得られた3−ク
    ロロメチル−6−クロロピリジンをアミノ化することを
    特徴とする3−アミノメチル−6−クロロピリジンの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 3−クロロメチル−6−クロロピリジン
    にアンモニアを作用させることを特徴とする請求項5記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の3−ヒドロキシメチル−
    6−ヒドロキシピリジンを塩素化して3−クロロメチル
    −6−クロロピリジンを製造し、さらに3−クロロメチ
    ル−6−クロロピリジンをアルキルアミノ化することを
    特徴とする3−(アルキルアミノ)メチル−6−クロロ
    ピリジンの製造方法。
  8. 【請求項8】 3−クロロメチル−6−クロロピリジン
    に炭素数6以下のアルキル基を有する1級アルキルアミ
    ンを作用させることを特徴とする請求項7記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 3−ヒドロキシメチル−6−ヒドロキシ
    ピリジンに五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、
    塩化チオニル、ホスゲン、ベンゾトリクロリド、および
    塩化アセチルから選ばれる塩素化剤を作用させることを
    特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008263876A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Yuki Gosei Kogyo Co Ltd α−ヒドロキシアシルピリジンの製造方法

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