JP2008262931A - プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】剥がれのない隔壁を有するプラズマディスプレイを提供する。
【解決手段】ガラス粉末および有機成分からなるプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストであって、ラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤からなる熱重合成分を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストに関する。より詳細には、プラズマディスプレイパネルにおいて、感光性ペースト法により隔壁を形成する際に、焼成によるはがれを防止するためにガラス基板と隔壁間に設ける緩衝層を形成するためのプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、且つ大型化が容易であることから、OA機器および広報表示装置などの分野に浸透している。また高品位テレビジョンの分野などでの進展が非常に期待されている。
このような用途の拡大にともなって、微細で多数の表示セルを有するカラーPDPが注目されている。PDPは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に備えられた放電空間内で対抗するアノードおよびカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体にあてることにより表示を行うものである。この場合、放電の広がりを一定領域に押さえ、表示を規定のセル内で行わせると同時に、且つ均一な放電空間を確保するために隔壁(障壁、リブともいう)が設けられている。
上記の隔壁の形状は、およそ幅30〜80μm、高さ100〜200μmであるが、通常は前面ガラス基板や背面ガラス基板にガラスからなる絶縁ペーストをスクリーン印刷法で印刷・乾燥し、この印刷・乾燥工程を10〜20回繰り返して所定の高さにした後、焼成して形成している。しかしながら、通常のスクリーン印刷法では、特にパネルサイズが大型化した場合に、あらかじめ前面透明平面板上に形成された放電電極と絶縁ガラスペーストの印刷場所との位置あわせが難しく、位置精度が得られ難い問題がある。しかも10〜20回のガラスペーストの重ね合わせ印刷を行うことによって隔壁および壁体の側面エッジ部の波打ちや裾の乱れが生じ、高さの精度が得られないため、表示品質が悪くなり、また作業性が悪い、歩留まりが低いという問題がある。特に、パターン幅が50μm、ピッチが100μm以下になると隔壁底部がペーストのチクソトロピー性により滲みやすく、シャープで残渣のない隔壁形成が難しくなる問題がある。
PDPの大面積化、高解像度化にともない、このようなスクリーン印刷による方法では、高アスペクト比、高精細の隔壁の製造がますます技術的に困難となり、且つコスト的に不利になってきている。
これらの問題を改良する方法として、特許文献1〜4では、感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィー技術により隔壁を形成する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、感光性ペーストのガラス含有量が少ないために焼成後に緻密な隔壁が得られなかったり、感光性ペーストの感度や解像度が低かったりするという問題があった。このためにスクリーン印刷・露光・現像の工程を繰り返し行うことによって高アスペクト比の隔壁を得る必要があった。しかしながら、印刷・露光・現像を繰り返し行うのでは、位置あわせの問題が生じ、低コスト化に限界があった。
また、特許文献2では、感光性ペーストを転写紙上にコーティングした後、転写フィルムをガラス基板上に転写して隔壁を形成する方法が、特許文献4、5では、フォトレジスト層の溝に誘電体ペーストを充填して隔壁を形成する方法がそれぞれ提案されている。また特許文献6では、感光性有機フィルムを用いる隔壁を形成する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、転写フィルムやフォトレジストあるいは有機フィルムを必要とするために工程が増えるのでコストを下げるには限界があった。また、高精細度や高アスペクト比を有する隔壁を得るには問題があった。
特許文献7〜9では、フォトリソ法で形成したサブトラクティブマスク層を介してサンドブラストや液体ホーニングにより隔壁を形成する方法が提案されているが、サブトラクティブマスク層の形成が必要であるため工程が複雑になり、マスク層の剥離が面倒である問題があった。また、50μm以下の線幅の加工が難しく、高精細パターン形成が難しいという問題があった。
特許文献10では、感光性ペースト法を用いて、隔壁を1回の露光で形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法では形成した隔壁パターンを焼成して隔壁を得る際に、断線、はがれが生じる問題があった。
特開平1−296534号公報 特開平2−165538号公報 特開平5−342992号公報 特開平6−295676号公報 特開平3−57138号公報 特開平4−109536号公報 特開平6−314543号公報 特開平7−282730公報 特開平7−85792公報 特開平8−50811号公報
本発明は、感光性ペースト法によって隔壁を形成する際、焼成時の隔壁のはがれを防止し、歩留まりのよい高精細プラズマディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明は以下の構成をとる。すなわち、ガラス粉末および有機成分からなるプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストであって、ラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤からなる熱重合成分を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストである。
本発明のプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストを用いることにより、焼成の際の隔壁の剥がれが生じないため、高精細のPDPを歩留まりよく製造できるようになる。これにより高精細のプラズマディスプレイを提供することができる。
感光性ペースト法によって形成した隔壁パターンは、光硬化の不均一によって歪み応力が生じやすいため、焼成の際に剥がれが生じやすい。隔壁の剥がれが生じると剥がれた箇所で色の混色が起こり、また剥がれた隔壁がパネル上に残り画素をつぶしてしまい歩留まりが低下する。
本発明は感光性ペースト法による隔壁パターンを緩衝層上で形成し、該隔壁パターンと該緩衝層を同時に焼成することによって、ガラス基板上で形成する場合に比べて隔壁の密着性が増大してはがれが抑制され、歩留まりが向上することを見いだした。
本発明で用いる緩衝層は、ガラス粉末および有機成分からなるペーストをガラス基板上に塗布した後乾燥して形成する。この乾燥した塗布面に隔壁パターンを形成した後、隔壁パターンと緩衝層を同時に焼成すると、緩衝層と隔壁パターンの脱バインダーが同時におこるため、隔壁パターンの脱バインダーによる収縮応力が緩和され、剥がれや断線を防止できる。これに対し、緩衝層のみを焼成した後、この上に隔壁を形成する場合、隔壁と緩衝層間の密着力が得られず焼成の際の剥がれや断線を防ぐのが難しい。また、隔壁パターンと緩衝層を同時に焼成する場合、工程数が少なくて済むとの利点がある。同時に焼成する際に、緩衝層中の有機成分が架橋構造を有しているため隔壁パターンの形成時に現像液に浸食されない。
緩衝層中の有機成分を架橋するには、緩衝層用ペーストに感光性を付与し、ガラス基板上に塗布し、乾燥を行った後、露光を行い、緩衝層を光硬化する方法が簡便で好適に用いられる。緩衝層用ペースト中に、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて、光重合開始剤、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤などの添加剤成分を加えることで感光性が付与される。
一方、本発明のプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストによれば、熱重合によって架橋構造を得ることができる。この場合は、緩衝層用ペースト中にラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤を添加し、ペーストを塗布後、加熱する方法等がある。ラジカル重合性モノマーの具体的な例としては、エチレン、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メチルビニルケトン、アクリルアミド、アクリロニトリル等がある。ラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン等があげられる。
緩衝層中の有機成分に直鎖状ポリマーを用いる場合は、架橋構造を有する場合に比べ、現像液に非溶解性のポリマーを選択せねばならない、また現像液による浸食によって、緩衝層に亀裂が生じやすい。
緩衝層用ペーストに用いる有機成分には、有機バインダー、可塑剤、溶媒および必要に応じ分散剤やレベリング剤などを添加できる。有機バインダーの具体的な例としては、ポリビニルアルコール、セルロース系ポリマー、シリコンポリマー、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリアミド、高分子量ポリエーテル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。バインダーは隔壁の現像液に溶解しないものを選択する必要がある。
緩衝層用ペーストの粘度を調整する際は、バインダー成分の溶媒を用いるのが好ましい。溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
また、ペースト中に可塑剤を含むこともできる。可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
緩衝層用ペーストに用いるガラス粉末の量は、ガラス粉末と有機成分の和に対して50〜85重量%であるのが好ましい。50重量%未満では、緩衝層の緻密性、表面の平坦性が欠如するため、反射率が低下して輝度が得られない。85重量%を超えると焼成収縮に起因する緩衝層の亀裂が発生しやすくなる。
また緩衝層は、隔壁パターンの現像工程で隔壁底部に残渣を残して形成することもできる。この方法により、工程数を減らすことができ、低コスト化が可能となるため好ましい。この場合、現像時間によって緩衝層厚みを制御できる。
緩衝層の厚みは、3〜20μm、より好ましくは6〜15μmであることが均一な緩衝層の形成のために好ましい。厚みが20μmを超えると、焼成の際、脱媒が困難でありクラックが生じやすく、またガラス基板へかかる応力が大きいために基板がそる等の問題が生じる。また、3μm未満では厚みの均一性を保持するのが困難である。
緩衝層は、50〜400℃の範囲の熱膨張係数(α)50〜400が70〜85×10−7/K、より好ましくは72〜80×10−7/Kであるガラスからなることが、基板ガラスの熱膨張係数と整合し、焼成の際にガラス基板にかかる応力を減らすので好ましい。85×10−7/Kを超えると、緩衝層の形成面側に基板が反るような応力がかかり、70×10−7/K未満では緩衝層のない面側に基板が反るような応力がかかる。このため、基板の加熱、冷却を繰り返すと基板が割れる場合がある。また、前面基板との封着の際、基板のそりのために両基板が平行にならず封着できない場合もある。
また緩衝層に含まれるガラスには、ガラス転移点Tgが430〜500℃、軟化点Tsが470〜580℃のものをもちいることが好ましい。緩衝層を形成する際、ガラス転移点が500℃、熱軟化点が580℃より高いと、高温で焼成しなければならず、焼成の際にガラス基板に歪みが生じる。またガラス転移点が430℃、熱軟化点が470℃より低い材料は、その後の工程で、蛍光体を塗布、焼成する際に緩衝層に歪みが生じ、膜厚精度が保たれないので好ましくない。
緩衝層には、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうち少なくとも1種類をガラス中に10〜60重量%含むガラス微粒子を用いることによって熱軟化温度、熱膨張係数のコントロールが容易になる。
酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛の添加量は60重量%を超えるとガラスの耐熱温度が低くなり過ぎてガラス基板上への焼き付けが難しくなる。
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムを含むガラス微粒子を用いることによっても熱軟化温度、熱膨張係数をコントロールすることができるが、その含有率は好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。また、基板ガラスとのイオン交換などの化学反応による基板の変形、変質を防いだり、電極に用いている金属との反応を防いだりするのに有効である。
上記ガラスのうち特に、酸化ビスマスを10〜60重量%含有するガラスを用いることは、ペーストのポットライフが長いことなどの利点がある。
酸化ビスマスを含むガラス組成としては、酸化物換算表記で
酸化ビスマス 10〜40重量部
酸化珪素 3〜50重量部
酸化ホウ素 10〜40重量部
酸化バリウム 8〜20重量部
酸化亜鉛 10〜30重量部
の組成を含むものを50重量%以上含有することが好ましい。
本発明の感光性ペースト法は、主としてガラス粉末からなる無機成分と感光性を持つ有機成分からなる感光性ペーストを用いて、露光によりフォトマスクのパターンを焼き付け、現像により、隔壁パターンを形成し、その後焼成して隔壁を得る方法である。この際、露光は1回もしくは2回で行うのが好ましい。2回露光法は、隔壁パターンの底部まで均一に光硬化するため、歪み応力が発生しづらく、焼成時の剥がれ、断線を防ぐ効果があり好適に用いられる。露光回数が3回を超える場合は、位置あわせが困難なため精細な隔壁形状が得られず、工程数が増えるため低コスト化が難しくなる。
本発明の隔壁に用いられるガラス材料としては、屈折率1.50〜1.65であることが好ましい。一般に絶縁体として用いられるガラスは、1.50〜1.90程度の屈折率を有しているが、感光性ペースト法を用いる場合、有機成分の平均屈折率がガラス粉末の平均屈折率と大きく異なる場合は、ガラス粉末と感光性有機成分の界面での反射・散乱が大きくなり、精細なパターンが得られない。一般的な有機成分の屈折率は1.45〜1.70であるため、ガラス粉末と有機成分の屈折率を整合させるためには、ガラス粉末の平均屈折率を1.50〜1.65にすることが好ましい。
プラズマディスプレイやプラズマアドレス液晶ディスプレイの隔壁に用いる場合は、ガラス転移点、熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成するため、隔壁材質として、ガラス転移点が430〜500℃、熱軟化温度が470〜580℃のガラス材料を用いることが好ましい。
感光性ペースト法に用いるガラス粉末の量は、ガラス粉末と有機成分の和に対して65〜85重量%であるのが好ましい。65重量%より小さいと、焼成時の収縮率が大きくなり、隔壁の断線、剥がれの原因となるため、好ましくない。またパターン太り、現像時の残膜の発生が起こりやすい。85重量%より大きいと、感光性成分が少ないことにより、パターンの形成性が悪くなる。
隔壁材質の組成としては、酸化珪素はガラス中に、3〜60重量%の範囲で配合することが好ましく、3重量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、また熱膨張係数が所望の値から外れ、ガラス基板とのミスマッチが起こりやすい。また60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
酸化ホウ素はガラス中に、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%を超えるとガラスの安定性が低下する。
酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち少なくとも1種類を3〜20重量%含むガラス微粒子を用いることによっても得ることができるが、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の酸化物は添加量としては、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。
酸化リチウムを含むガラス組成としては、酸化物換算表記で
酸化リチウム 2〜15重量部
酸化珪素 15〜50重量部
酸化ホウ素 15〜40重量部
酸化バリウム 2〜15重量部
酸化アルミニウム 6〜25重量部
の組成を含むものを50重量%以上含有することが好ましい。
また、上記組成で、酸化リチウムの代わりに、酸化ナトリウム、酸化カリウムを用いても良いが、ペーストの安定性の点で、酸化リチウムが好ましい。
酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化カリウム等のアルカリ金属の酸化物を合計で2〜10重量%含有するガラスを用いることによって、熱軟化温度、熱膨張係数のコントロールが容易になるだけでなく、ガラスの平均屈折率を低くすることができるため、有機物との屈折率差を小さくすることが容易になる。2%より小さい時は、熱軟化温度の制御が難しくなる。10%より大きい時は、放電時にアルカリ金属酸化物の蒸発によって輝度低下をもたらす。さらにアルカリ金属の酸化物の添加量はペーストの安定性を向上させるためにも、10重量%より小さいことが好ましく、より好ましくは8重量%以下である。
特に、アルカリ金属の中では酸化リチウムを用いることによって、比較的ペーストの安定性を高くすることができ、また、酸化カリウムを用いた場合は、比較的少量の添加でも屈折率を制御できる利点があることから、アルカリ金属酸化物の中でも、酸化リチウムと酸化カリウムの添加が有効である。
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、硬度や加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨張係数、屈折率の制御の点からは、その含有量は40重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。
この結果、ガラス基板上に焼き付け可能な熱軟化温度を有し、平均屈折率を1.50〜1.65にすることができ、有機成分との屈折率差を小さくすることが容易になる。
酸化ビスマスを含有するガラスは熱軟化温度や耐水性向上の点から好ましいが、酸化ビスマスを10重量%以上含むガラスは、屈折率が1.6以上になるものが多い。このため酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化カリウムなどのアルカリ金属の酸化物と酸化鉛を併用することによって、熱軟化温度、熱膨張係数、耐水性、屈折率のコントロールが容易になる。
本発明におけるガラス材質の屈折率測定は、感光性ペースト法で露光する光の波長で測定することが効果を確認する上で正確である。特に、350〜650nmの範囲の波長の光で測定することが好ましい。さらには、i線(365nm)もしくはg線(436nm)での屈折率測定が好ましい。
本発明における隔壁の気孔率は、隔壁の倒れを防止する基板との密着性に優れていることから、3%以下であることが好ましい。気孔率(P)は、隔壁材質の理論密度をdth、隔壁の実測密度をdexとしたとき、
P=(dth − dex)/dth×100
と定義する。理論密度は隔壁の成分比と各成分の比重から算出する。実測密度の測定は通常のアルキメデス法を用いて行うのが好ましい。気孔率が3%より大きいと、密着性が悪化するのに加え、強度の不足、また放電時に気孔から排出されるガス、水分による輝度低下などの放電特性悪化の原因になる。パネルの放電寿命、輝度安定性などの放電特性を考慮すると、さらに好ましくは0.5%以下がよい。
本発明の隔壁はコントラストをあげる点で優れていることから、黒色に着色されていてもよい。種々の金属酸化物を添加することによって、焼成後の隔壁を着色することができる。例えば、感光性ペースト中に黒色の金属酸化物を1〜10重量%含むことによって、黒色のパターンを形成することができる。この際に用いる黒色の金属酸化物として、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの酸化物の内、少なくとも1種、好ましくは3種以上を含むことによって、黒色化が可能になる。特に、FeとMnの酸化物をそれぞれ0.5重量%以上含有することによって、黒色パターンを形成できる。
さらに、黒色以外に、赤、青、緑等に発色する無機顔料を添加したペーストを用いることによって、各色のパターンを形成できる。これらの着色パターンは、プラズマディスプレイのカラーフィルターなどに好適に用いることができる。
また、本発明の隔壁の比重は2〜3.3であることが好ましい。2以下にするためには、ガラス材料に酸化ナトリウムや酸化カリウムなどのアルカリ金属の酸化物を多く含ませなければならず、放電中に蒸発して放電特性を低下させる要因となるため、好ましくない。3.3以上になると、大画面化した時ディスプレイが重くなったり、自重で基板に歪みを生じたりするので好ましくない。
本発明の隔壁材料にガラス軟化点が650〜850℃であるフィラーを10〜50重量%含ませてもよい。これにより、感光性ペースト法において、パターン形成後の焼成時の収縮率が小さくなり、パターン形成が容易になる。フィラーとしては、熱軟化温度が600℃以上の高融点ガラスやセラミックスなどを用いることができる。
高融点ガラス粉末としては、酸化珪素、酸化アルミニウムを15重量%以上含有するガラス粉末が好ましく、これらの含有量合計がガラス粉末中50重量%以上であることが、必要な熱特性を持たせるためには有効である。一例としては、以下の組成を含有するガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化珪素 :15〜50重量部
酸化ホウ素 : 5〜20重量部
酸化アルミニウム:15〜50重量部
酸化バリウム : 2〜10重量部
感光性ペーストの有機成分は、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を加えることも行われる。
感光性成分としては、光不溶化型のものと光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、
(A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性のモノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの
(B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの
(C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
また、光可溶型のものとしては、
(D)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレックス、キノンジアゾ類を含有するもの
(E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
本発明において用いる感光性成分は、上記のすべてのものを用いることができる。感光性ペーストとして、無機微粒子と混合して簡便に用いることができる感光性成分は、(A)のものが好ましい。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート等のアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシキメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
これらモノマーの含有率は、ガラス粉末と感光性成分の和に対して、5〜30重量%が好ましい。これ以外の範囲では、パターンの形成性の悪化、硬化後の硬度不足が発生するため好ましくない。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
また、前述の炭素−炭素二重結合を有する化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これら光反応性モノマーの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。
共重合するモノマーとしては、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
こうして得られた側鎖にカルボキシル基等の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。酸価が50未満であると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が180を超えると未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい。
以上示した、ポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。
また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させることが好ましい。
感光性ペースト中の感光性ポリマー、感光性オリゴマーおよびバインダーからなるポリマー成分の量としては、パターン形成性、焼成後の収縮率の点で優れていることから、ガラス粉末と感光性成分の和に対して、5〜30重量%であることが好ましい。この範囲外では、パターン形成が不可能もしくは、パターンの太りがでるため好ましくない。
光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.05〜20重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜15重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
紫外線吸収剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い化合物を添加することによって高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外線吸収剤としては有機系染料からなるもの、中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
有機染料の添加量はガラス粉末に対して0.05〜1重量部が好ましい。0.05重量%以下では紫外線吸光剤の添加効果が減少し、1重量%を超えると焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ましくは0.1〜0.18重量%である。
有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を上げると、有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、それをペースト作製時に混練する方法以外に、該有機溶媒中にガラス微粒子を混合後、乾燥する方法があげられる。この方法によってガラス微粒子の個々の粒子表面に有機の膜をコートしたいわゆるカプセル状の微粒子が作製できる。
本発明において、無機微粒子に含まれるPb、Fe、Cd、Mn、Co、Mgなどの金属および酸化物がペースト中に含有する場合、感光性成分と反応してペーストが短時間でゲル化し、塗布できなくなる場合がある。このような反応を防止するために安定化剤を添加してゲル化を防止することが好ましい。用いる安定化剤としては、トリアゾール化合物が好ましく用いられる。トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール誘導体が好ましく用いられる。この中でも特にベンゾトリアゾールが有効に作用する。本発明において使用されるベンゾトリアゾールによるガラス微粒子の表面処理の一例を上げると、無機微粒子に対して所定の量のベンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、これら微粒子が十分に浸すことができるように溶液中に1〜24時間浸積する。浸積後、好ましくは20〜30℃下で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った微粒子を作製する。使用される安定化剤の割合(安定化剤/無機微粒子)は0.05〜5重量%が好ましい。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上させるために添加される。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性ペースト中に、通常、0.001〜1重量%である。
可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は通常、添加量は、ペースト中に、通常、0.001〜1重量%である。
本発明の感光性ペーストには、溶液の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
有機成分の屈折率とは、露光により感光性成分を感光させる時点におけるペースト中の有機成分の屈折率のことである。つまり、ペーストを塗布し、乾燥工程後に露光を行う場合は、乾燥工程後のペースト中の有機成分の屈折率のことである。例えば、ペーストをガラス基板上に塗布した後、50〜100℃で1〜30分乾燥して屈折率を測定する方法などがある。
本発明における屈折率の測定は、一般的に行われるエリプソメトリー法やVブロック法が好ましく、測定は露光する光の波長で行うことが効果を確認する上で正確である。特に、350〜650nmの範囲中の波長の光で測定することが好ましい。さらには、i線(365nm)もしくはg線(436nm)での屈折率測定が好ましい。
また、有機成分が光照射によって重合した後の屈折率を測定するためには、ペースト中に対して光照射する場合と同様の光を有機成分のみに照射することによって測定できる。
また、増感剤は、露光波長に吸収を有しているものが用いられる。この場合、吸収波長近傍では屈折率が極端に高くなるため、増感剤を多量に添加することによって、有機成分の屈折率を向上することができる。この場合の増感剤の添加量は3〜10重量%添加することができる。
緩衝層用ペーストおよび感光性ペーストは、通常、上記の無機および有機の各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散し作製する。
ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cps(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基板への塗布をスクリーン印刷法以外にスピンコート法で行う場合は、200〜5000cpsが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、4000〜20万cpsが好ましい。
次に、緩衝層用ペーストおよび感光性ペーストを用いて、緩衝層上にパターン加工を行う一例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
ガラス基板の上に、緩衝層用ペーストを5〜30μmの厚みで塗布する。ここでペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができる。表面処理液としてはシランカップリング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどあるいは有機金属例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シランカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に80〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表面処理ができる。
緩衝層用ペーストの塗布の後、ペースト中の溶媒を除去するため、乾燥を行う。この後、緩衝層用ペースト中に、光もしくは熱重合性の成分が含まれる際は、光、または熱架橋により硬化し、隔壁パターン形成の際の現像液による浸食を防ぐ。
形成した緩衝層上に隔壁パターンを形成する際、直接感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布した後パターニングする方法と、ポリマー製フィルムの上に感光性ペーストを塗布、パターニングしたものを緩衝層上に転写する方法がある。塗布方法としては、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
塗布した後、露光装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。また、フォトマスクを用いずに、赤色や青色のレーザー光などで直接描画する方法を用いても良い。
露光装置としては、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
この際使用される活性光源は、たとえば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜30分間露光を行なう。
塗布した感光性ペースト表面に酸素遮蔽膜を設けることによって、パターン形状を向上することができる。酸素遮蔽膜の一例としては、ポリビニルアルコール(PVA)やセルロースなどの膜、あるいは、ポリエステルなどのフィルムが上げられる。
PVA膜の形成方法は濃度が0.5〜5重量%の水溶液をスピナーなどの方法で基板上に均一に塗布した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥することによって水分を蒸発させて行う。また水溶液中にアルコールを少量添加すると絶縁膜との塗れ性が良くなり蒸発が容易になるので好ましい。さらに好ましいPVAの溶液濃度は、1〜3重量%である。この範囲にあると感度が一層向上する。PVA塗布によって感度が向上するのは次の理由が推定される。すなわち感光性成分が光反応する際に、空気中の酸素があると光硬化の感度を妨害すると考えられるが、PVAの膜があると余分な酸素を遮断できるので露光時に感度が向上すると考えられる。
ポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等の透明なフィルムを用いる場合は、塗布後の感光性ペーストの上に、これらのフィルムを張り付けて用いる方法もある。
露光後、感光部分と非感光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行なうが、この場合、浸漬法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法で行なう。
用いる現像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
有機アルカリとしては、アミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好ましくない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
ガラス基板上にパターン加工する場合は、540〜610℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
また、以上の塗布や露光、現像、焼成の各工程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
本発明のプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストは、以下の参考例で用いたプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストの感光性成分および光重合開始剤を、上述のラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤に置き換えたものであり、熱重合によって架橋構造を得ることによってこれらと同様の効果を得ることができる。

なお、参考例、比較例中の濃度(%)は特にことわらない限り重量%である。
参考例1
<有機成分の調製>
下記の溶媒およびポリマーをそれぞれ40%溶液となるように混合し、攪拌しながら60℃まで加熱し、すべてのポリマーを均質に溶解させ、ポリマー溶液1を得た。
ポリマー溶液1:
溶媒:ガンマブチロラクトン(γ−BL)
ポリマー:40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメタアクリレート(MMA)および30%のスチレン(St)からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタアクリレート(GMA)を付加反応させた重量平均分子量43000、酸価95の感光性ポリマー
ついで溶液を室温まで冷却し、以下に示す有機成分を構成する各成分を表1に示す割合で加えて溶解させ有機成分A1およびA2をそれぞれ得た。その後、この溶液を400メッシュのフィルターを用いて濾過し、有機ビヒクルを作製した。
有機染料:スダンIV:アゾ系有機染料、化学式C2420O、分子量380.45
モノマー:TMPTA :トリメチロールプロパントリアクリレート
開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン
増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン
増感助剤:p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
可塑剤:ジブチルフタレート(DBP)
増粘剤:酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルに溶解させたSiO (濃度15%)
溶媒:γ−BL
Figure 2008262931
得られた有機成分A1およびA2のビヒクルに下記に示す各ガラス粉末(1)および(2)を表2に示す割合で添加し、混練機で混練することによって緩衝層用ペーストおよび隔壁用感光性ペーストを製造した。ガラス粉末は、あらかじめアトラクターにて微粉末にしたものを用いた。
ガラス粉末(1):組成 LiO 9%、SiO 20%、B 31%、BaO 4%、Al 24%、ZnO 2%、MgO 6%、CaO 4%。平均粒径2.6μmの非球状粉末、Tg(ガラス転移点)480℃、Ts(軟化点)520℃、熱膨張係数 79×10−7/K、g線(436nm)での屈折率1.58
ガラス粉末(2):組成 Bi 27%、SiO 14%、B 18%、BaO 14%、Al 4%、ZnO 21%、NaO 2%、平均粒径3.4μmの非球状粉末、Tg 486℃、Ts 531℃、熱膨張係数 74×10−7/K、g線(436nm)での屈折率 1.75
Figure 2008262931
得られた緩衝層用ペーストB3を125mm角ソーダライムガラス基板上に、325メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷による塗布、乾燥を行い、乾燥後厚み14μmの均一な膜を得た。塗布厚みはスキージ角度と速度によって調整した。
この膜に上面から50mW/cm出力の超高圧水銀灯で全面紫外線露光し、光硬化を行った。露光量は1J/cmであった。
次に塗布膜上に隔壁用感光性ペーストB1を上記と同じ方法で塗布、乾燥を繰り返し、塗布厚みを180μmに調整した。その後、80℃で1時間保持して乾燥した。
続いて、フォトマスクを介して上面から50mW/cm出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。露光量は10J/cmであった。フォトマスクはピッチ150μm、線幅20μmのネガ型のクロムマスクを用いた。
次に、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重量%の水溶液を85秒間シャワーすることにより現像し、その後シャワースプレーを用いて水洗浄し、光硬化していないスペース部分を除去してストライプ状の隔壁パターンを形成した。
このようにして緩衝層および隔壁を形成したガラス基板を、空気中にて570℃で30分間焼成を行い、隔壁を作製した。
焼成後の剥がれの有無を評価した。隔壁の剥がれのない場合は○とし、剥がれがある場合は全隔壁の本数に対する剥がれた隔壁の本数の割合を%で示した。結果を表3に示す。
参考例2
隔壁用ペーストとして、下記に示すガラス粉末(3)を用いて、表2に示す隔壁用ペーストB2を作製して使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
ガラス粉末(3):組成 LiO 3%、KO 6%、SiO 21%、B 33%、BaO 4%、Al 20%、ZnO 13%、平均粒径2.6μmの非球状粉末、Tg(ガラス転移点)473℃、Ts(軟化点)520℃、熱膨張係数 79×10−7/K、g線(436nm)での屈折率1.60。
参考例3
隔壁ペーストを100μm塗布、乾燥後、フォトマスクを介して露光量5J/cmで露光を行い、この塗布面上にさらに隔壁ペーストを80μm塗布、乾燥および4J/cmのマスク露光を行って、隔壁パターン形成した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で、隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
参考例4
緩衝層用ペーストとして、下記に示すガラス粉末(4)を用い、表2に示す緩衝層用ペーストB4を作製して使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
ガラス粉末(4):組成 Bi 38%、SiO 7%、B 19%、BaO 12%、Al 3%、ZnO 21%、平均粒径3.4μmの非球状粉末、Tg 476℃、Ts 525℃、熱膨張係数 77×10−7/K、g線(436nm)での屈折率 1.75。
参考例5
緩衝層用ペーストの塗布厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で、隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
参考例6
下記の溶媒およびポリマーをそれぞれ40%溶液となるように混合し、攪拌しながら60℃まで加熱し、すべてのポリマーを均質に溶解させ、ポリマー溶液2を得た。このポリマー溶液を用い、表2に示す緩衝層用ペーストB5を作製して使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で、隔壁形成した。
ポリマー溶液2:
溶媒:ブチルカルビトールアセテート(BCA)
ポリマー:エチルセルロース(非感光ポリマー)、置換度:1.5、重量平均分子量50000
焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
比較例1
緩衝層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で、隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
比較例2
緩衝層用ペーストを塗布、乾燥、焼成を行った後、この焼成した緩衝層上に隔壁を形成した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に表3に示す条件で、隔壁を形成した。焼成後の剥がれの有無を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2008262931
さらに、焼成した緩衝層および隔壁を形成したガラス基板を用いて高精細のプラズマディスプレイパネルを得た。

Claims (1)

  1. ガラス粉末および有機成分からなるプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペーストであって、ラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤からなる熱重合成分を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト。
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