JPH07192626A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JPH07192626A
JPH07192626A JP33344793A JP33344793A JPH07192626A JP H07192626 A JPH07192626 A JP H07192626A JP 33344793 A JP33344793 A JP 33344793A JP 33344793 A JP33344793 A JP 33344793A JP H07192626 A JPH07192626 A JP H07192626A
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plasma display
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バリアリブの裾のダレ、ニジミ、高さの不均
一性を解消し、バリアリブを大面積にしかも高精度に形
成できる作業性の良いプラズマディスプレイパネルの製
造方法を得る。 【構成】 パターンマスクを介して感光性フィルムを露
光し、現像して所定のパターンを形成した後に熱処理を
行い、しかる後、パターン間にバリアリブ用のガラスペ
ーストを埋め込み低温乾燥させ、次に、ペースト中に含
む熱硬化樹脂を硬化させ、外力に対するバリアリブの形
状の保護を行う。その後、表面洗浄、感光性フィルムの
アルカリ溶液中での剥離、洗浄、焼成の各処理を順次行
う。ここで、バリアリブ用のペースト中には形状保護材
として80〜150℃の温度で硬化するアクリル系樹脂
を20〜50wt%し、感光性フィルムのアルカリ溶液
剥離時の形状の破損を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータ端末や
券売機において、バーグラフ等の文字情報や画情報の表
示装置として使用されるプラズマディスプレイパネルの
製造方法に関し、特に、放電セル内の表示放電が一定領
域外に広がることを防止し、かつ一定の放電空間を確保
するためのバリアリブの形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は文献1(ナショナルテクニカルレ
ポート、第38巻、第3号、P366、1992年6月
発行)と文献2(NHK技研月報、昭和62年1月)に
記載されたものと同様な印刷法を用いてバリアリブを形
成した従来のプラズマディスプレイパネルの構造を示す
もので、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図であ
る。図において、1はガラス板もしくはこれに類するも
のからなる透明な前面平面板、2は前面平面板1の第1
の放電電極、3は微小な間隙をもって前面平面板1と相
対する背面平面板、4は背面平面板3の内面に第1の放
電電極2とマトリクスを形成するように配設した第2の
放電電極、5は表示放電が第2の放電電極4に沿って一
定領域外に広がることを防止し、かつ一定の放電空間を
確保するために、前面平面板1の内面の放電電極2と平
行に形成されたバリアリブ、6は放電発光の時間遅れを
解消うするために設けられた第3の電極、7は主放電セ
ルと第3の放電電極6を絶縁するために設けられた誘電
体層である。なお、Pは高電圧の印加により第1と第2
の放電電極2、4間に封止されている放電発光ガスによ
って発光するプラズマ放電を示す。
【0003】次に、プラズマディスプレイパネルの動作
について説明する。今、表示を行う放電セルに接続され
ている第1と第2の放電電極2、4が選択されて、高電
圧が印加されると、第1と第2の放電電極2、4間に封
止されている放電発光ガスが、図7(b)に示すよう
に、プラズマ放電Pとなって放電発光し、この放電によ
る直接の発光もしくは放電セル内に設けられた蛍光体層
の放電光により、励起発光の光が前面平面板1を通して
表示面に達することにより、文字や図形の表示が行われ
る。
【0004】この場合、上記放電発光ガスによる放電発
光は、選択された放電電極、特に、走査を行う第2の放
電電極4に沿って非表示部分にも広がって行こうとする
が、これをバリヤリブ5が阻止することにより、発光放
電を一定領域に制限し、隣接する放電セルへの誤放電や
クロスト−クがなく、良好な表示を行うことができるよ
うになる。このように、バリアリブ5は、その高さ、
幅、パタ−ンギャップによって均一な放電空間を得ると
いう機能を有すると共にパネル全体の機械的強度を高め
る機能を有している。
【0005】ここで、上記バリアリブ5の形成方法とし
て、図8(a)ないし(c)に示す如く厚膜印刷法が実
施されている。この厚膜印刷法は、まず、前面平面板1
上に第1の放電電極2を列設し、しかる後、図8(a)
に示すように、ペースト刷り込みのためのスキージ8お
よび印刷スクリ−ン9を用いて前面平面板1上の放電電
極間にガラスペ−ストを印刷、乾燥する。この印刷、乾
燥工程を、図8(b)及び(c)に示すように、5〜1
0回繰り返し行うことで所定の厚みを得ている。なお、
図8(d)はこの印刷法により形成されたバリアリブの
平面模式図、図8(e)はその断面図である。
【0006】さらに、感光性の材料を用いてバリアリブ
を形成する方法としては、例えば特開平2−16553
9号公報、特開平2−165540号公報等にて提案さ
れている。これらの提案においては、光溶解性の感光材
を用いて感光材料の溶解剥離を行うことにより感光性材
料の除去を行い、焼成することによりバリアリブを得て
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のバリアリブ形成
方法は以上のように行われているので、厚膜印刷法の場
合、あらかじめ前面平面板1上に形成された放電電極2
と印刷しようとするガラスペーストの印刷場所との位置
合せが難しく、また、一部分で位置合せができたとして
も、印刷スクリーン9の伸びん歪等によりパネル全面で
正確な位置を合せること、及び大面積に所望パターンを
精度良く形成すること、さらに、格子状のパターンを形
成し難いという問題がある。
【0008】また、ペースト状のガラスを基板上に印刷
することにより、図8(d)に示すような前面平面板1
へのバリアリブ5のペーストのニジミ、ダレが避けられ
ず、このため、図8(e)に示すように、バリアリブ5
の裾の乱れとなる。さらに、印刷用のスクリーンは細い
金属線を編んだメッシュに乳剤を塗り、所望パターン部
の乳剤を抜くことにより形成されているので、パターン
中の金属線部分にはペーストが塗布されないことにな
り、微細パターン上にメッシュの形状が転写されること
となる。
【0009】従って、5〜10回もの黒色ガラスペース
トの重ね合わせ印刷を行うことにより、図8(d)、
(e)に示すように、バリアリブ5の裾が乱れること、
形状の均一性が得られないこと、さらには、高さの精度
が得られないばかりか、作業性が悪いという問題があ
る。これらの問題により、表示セル形状がバリアリブ5
のニジミに大きく左右され、バリアリブ5の高さの不均
一により、クロストーク、誤放電が発生し、表示品位が
悪くなる。
【0010】さらに、上記感光性材料を用いたバリアリ
ブ形成においては、そのフィルム剥離工程において、光
溶解性の感光材料を用いる場合には、現在、光溶解の性
質を持つ材料は、液体の物しか得られないこと、及びそ
の塗布膜厚が通常2〜5μm程度しか得られなく、バリ
アリブ形成に必要な膜厚を得にくいこと、さらに、充填
される主にガラス成分を母体とした材料が乾燥状態では
剥離液に対して可溶性を持ち剥離工程が非常に困難であ
ることにより、歩留り良くバリアリブを形成することが
困難である。
【0011】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、バリアリブを大きな面積に高精
度に形成でき、作業性良くバリアリブを形成することが
できるプラズマディスプレイパネルの製造方法を得るこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、対向する
平面板上に整列配置した複数の電極とマトリクス状に交
差する複数の電極が整列配置された平面板上に感光性フ
ィルムの層を設け、パタ−ンマスクを介して上記感光性
フィルムを露光した後、現像して上記電極及びバリアリ
ブを形成しない部分にのみ感光性フィルムが残るように
パタ−ンを形成する工程と、パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程
と、上記ギャップ部へバリアリブ材を埋め込んだ後、上
記感光性フィルムを剥離液に浸漬することにより剥離除
去する工程と、剥離除去後に焼成する工程とを順次行っ
てバリアリブを形成するプラズマディスプレイパネルの
製造方法において、上記バリアリブ材として、主成分の
無機材料に対して、熱的もしくは化学的に一定の条件下
で硬化する樹脂を重量比で20wt%〜50wt%の割
合にて混合したことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記樹脂として、450度以上
の焼成工程で燃焼し、かつ80度〜150度の温度が一
定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹脂を用いたこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、請求項3に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程に
おいて、2回以上の埋め込み作業を行う場合に、埋め込
む層に応じてバリアリブ材の素性を変化させて、平面板
に接する埋め込み層には密着性の高い樹脂成分を用い、
上層の埋め込み層には無機材料の粒子間結合を強める樹
脂成分を用いることを特徴とするものである。
【0015】また、請求項4に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程に
おいて、1回目に埋め込むバリアリブ材の粘度を低粘度
とし、2回目以降に埋め込むバリアリブ材の粘度を1回
目に埋め込むバリアリブ材よりも高粘度とすることを特
徴とするものである。
【0016】また、請求項5に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程に
おいて、1回目の埋め込み材料の色調を黒色系統のもの
とし、2回目以降の埋め込み材料の色調を白色系統のと
することを特徴とするものである。
【0017】また、請求項6に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程
と、上記感光性フィルムを剥離液に浸漬することにより
剥離除去する工程との間に、1回以上の乾燥工程と、樹
脂の硬化工程、および表面の研磨工程とをもつことを特
徴とするものである。
【0018】また、請求項7に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、第1のパターンによる上記感光
性フィルムのパターニング工程と、上記バリアリブ材の
埋め込み工程とを経て第1のパターンによるバリアリブ
形成工程の後、第2のパターンによる感光性フィルムの
パターニング工程と、バリアリブ材の埋め込み工程とを
経て第2のパターンによるバリアリブ形成工程を連続す
るようにして、これらバリアリブ形成工程を繰り返すこ
とにより、立体的な多層構造をもつバリアリブを形成す
ることを特徴とするものである。
【0019】さらに、請求項8に係るプラズマディスプ
レイパネルの製造方法は、上記多層構造のバリアリブ形
成工程において、上層の感光性フィルムのフィルム部パ
ターンが下層のフィルム部パターンを覆うことを特徴と
するものである。
【0020】
【作用】この発明の請求項1に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、対向する平面板上に整
列配置した複数の電極とマトリクス状に交差する複数の
電極が整列配置された平面板上に感光性フィルムの層を
設け、パタ−ンマスクを介して上記感光性フィルムを露
光した後、現像して上記電極及びバリアリブを形成しな
い部分にのみ感光性フィルムが残るようにパタ−ンを形
成する工程と、パターニングされた感光性フィルムのギ
ャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程と、上記ギャッ
プ部へバリアリブ材を埋め込んだ後、上記感光性フィル
ムを剥離液に浸漬することにより剥離除去する工程と、
剥離除去後に焼成する工程とを順次行ってバリアリブを
形成するプラズマディスプレイパネルの製造方法におい
て、上記バリアリブ材として、主成分の無機材料に対し
て、熱的もしくは化学的に一定の条件下で硬化する樹脂
を重量比で20wt%〜50wt%の割合にて混合する
ことにより、バリアリブ材の主成分としての無機材料の
粒子間を結合し、感光性フィルムの剥離時のバリアリブ
の破壊を防止し、大面積にバリアリブを均一にしかも歩
留り良く形成することを可能にする。
【0021】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記樹脂として、45
0度以上の焼成工程で燃焼し、かつ80度〜150度の
温度が一定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹脂を
用いることにより、バリアリブ材のバリアリブ材の添加
剤として、主成分としての無機材料の粒子間を結合し、
感光性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止す
る。
【0022】また、請求項3に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記パターニングされ
た感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込
む工程において、2回以上の埋め込み作業を行う場合
に、埋め込む層に応じてバリアリブ材の素性を変化させ
て、平面板に接する埋め込み層には密着性の高い樹脂成
分を用い、上層の埋め込み層には無機材料の粒子間結合
を強める樹脂成分を用いることにより、平面板に接する
埋め込み層の密着性を高め、かつバリアリブ材料焼成時
の目減り分を少なくし、さらに、バリアリブの頂部の滑
らかさを得る。
【0023】また、請求項4に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記パターニングされ
た感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込
む工程において、1回目に埋め込むバリアリブ材の粘度
を低粘度とし、2回目以降に埋め込むバリアリブ材の粘
度を1回目に埋め込むバリアリブ材よりも高粘度とする
ことにより、パターニングされた感光性フィルムのギャ
ップは微小であり、かつフィルム厚みの高さを持つので
バリアリブ材が入りにくいが、1回目の埋め込みの際に
は低粘度の材料を用いムラ無く塗り込み、2回目以降は
高粘度の材料を用いて塗り込み回数を減少させる。
【0024】また、請求項5に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記パターニングされ
た感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込
む工程において、1回目の埋め込み材料の色調を黒色系
統のものとすることにより、表示面におけるコントラス
トの確保及び輝度の向上が図られ、2回目以降の埋め込
み材料の色調を白色系統のとすることにより、放電セル
内での光吸収を避けられる。
【0025】また、請求項6に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記パターニングされ
た感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込
む工程と、上記感光性フィルムを剥離液に浸漬すること
により剥離除去する工程との間に、1回以上の乾燥工程
と、樹脂の硬化工程、および表面の研磨工程とをもつこ
とにより、バリアリブ材の各層の充填を行う時点で、バ
リアリブ材の乾燥・硬化を行いバリアリブ材の形状が崩
れないようにし、その後、表面洗浄・研磨を行いバリア
リブの機械的な均一性を出す。
【0026】また、請求項7に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、第1のパターンによる
上記感光性フィルムのパターニング工程と、上記バリア
リブ材の埋め込み工程とを経て第1のパターンによるバ
リアリブ形成工程の後、第2のパターンによる感光性フ
ィルムのパターニング工程と、バリアリブ材の埋め込み
工程とを経て第2のパターンによるバリアリブ形成工程
を連続するようにして、これらバリアリブ形成工程を繰
り返すことにより、立体的な多層構造をもつバリアリブ
を形成する。
【0027】さらに、請求項8に係るプラズマディスプ
レイパネルの製造方法においては、上記多層構造のバリ
アリブ形成工程において、上層の感光性フィルムのフィ
ルム部パターンが下層のフィルム部パターンを覆うよう
にして上層の感光性フィルムと下層の感光性フィルムを
密着させることにより、剥離時に上層の感光性フィルム
と下層の感光性フィルムを同時に剥離させて下層の感光
性フィルムを効率良く剥離する。
【0028】
【実施例】
実施例1.以下、この発明を図示実施例に従って説明す
る。図1は実施例1に係る単一構造のバリアリブパター
ンの形成フローチャートを示し、また、図2はその工程
を説明する断面図である。図2において、1は前面平面
板、10は前面平面板1上に設けた有機性の感光性フィ
ルム、11はバリアリブ5を形成する位置にて紫外光を
遮光するようにパターン形成したマスク、12はバリア
リブ5を形成するためのペーストである。
【0029】まず、透明な前面平面板1上に一定の間隔
毎に放電電極2(図2に図示せず)を列設し、この上に
一様な厚みを有する感光性フィルム10を2回ラミネ−
トし(図1のステップS11)、この感光性フィルム1
0上に所望のバリアリブ5のパタ−ンを形成したマスク
11を重ね合わせる(図2(a)参照)。この時に使用
する感光性フィルム10は、例えば特開平4−2755
52号公報にて開示されているような、厚膜にラミネー
トした場合においてパターン形成が容易であり、かつパ
ターンギャップに他の物質を充填しても剥離しやすいフ
ィルムでなければならない。
【0030】次いで、露光量60〜70mJにて露光
し、さらに、Na2CO3の0.8〜1.0%溶液による
現像処理を順次施すと(図1のステップS12)、バリ
アリブ材料としてのペースト12が付着しては困る部分
に感光性フィルム10が残る(図1(b)参照)。さら
に、バリアリブ5形成用のペースト12を感光性フィル
ム10のパタ−ン凹部に印刷または充填する(図1のス
テップS13、図2(c)参照)。この実施例1におけ
る充填工程では、ペースト充填時の空気の巻き込み等に
よる欠陥を防ぐために、第1回目のペーストは樹脂分が
多く、かつ粘度が低く(300〜500CPS)、フィ
ルムのギャップに入り込みやすいペーストを使用し、前
面平面板1とペースト12の初期密着力を得、第2回目
以降の充填はガラス分を多くし、粘度の比較的高い(5
00〜1000CPS)のペーストを充填する。
【0031】この実施例1では、図3に示すように、バ
リアリブ5のペースト12として、熱印加もしくは化学
的に一定の条件を加えることにより硬化し、ガラスを主
成分とするバリアリブ材の無機粒子間を結合し、感光性
フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止する樹脂分
を一定量混合する。例えば、80〜150℃にて熱硬化
するアクリル系の熱硬化性樹脂13を、ガラス(または
アルミナ、顔料等)を主成分とする無機材14に対して
重量比にて20wt%〜50wt%混合したものを数種
類ペースト化し充填材とした。樹脂の添加はその量が多
いほどバリアリブ5の形状を保護し易いが、焼成時の残
渣が多くなる可能性があり、出来上がり時のバリアリブ
5の品質を考えた場合、20wt%から最大50wt%
の添加が妥当である。また、粘度は上記成分に対してB
CA等の希釈材を添加することにより調整した。
【0032】また、バリアリブ5の材料とパネルを形成
するガラス板等の前面平面板1との密着力を得、かつバ
リアリブ材料焼成時の目減り分を少なくし、さらに、バ
リアリブ5の頂部の滑らかさを得るために、塗り込みの
層毎にペースト材料を変化させ、例えば第1層目には、
低軟化点ガラス分と硬化樹脂分を多く含んだ材料を用
い、第2層目以降は、ガラス、アルミナ等の分量が多い
材料を用いる。
【0033】また、パターニングされた感光性フィルム
10のギャップは微小であり、かつフィルム厚み(10
0〜150μm)の高さを持つので、バリアリブ5の材
料が入りにくいため、第1回目の埋め込みの際には、粘
度が300〜500CPS程度の低粘度の材料を用いム
ラ無く塗り込み、第2層以降は、500〜1000CP
S程度の材料を用いて塗り込み回数を減少させる。
【0034】この充填工程により、フィルムギャップに
十分にペーストを充填してフィルム膜厚以上の高さに塗
り込む。乾燥工程は、ペースト充填毎に行い、ペースト
充填毎に行い、ペースト埋め込みと乾燥工程を3〜5回
繰り返した後、最終充填時の乾燥工程での目減りが最小
となるようにする(図1のステップS14)。充填乾燥
が終了した後、感光性フィルム10のパタ−ン間に埋め
込んだバリアリブ5形成用のペースト12を低温乾燥す
ることで感光性フィルム10の収縮によるペ−スト12
の形状変化を防止した後、バリアリブ材料を硬化させ
る。この工程は、今回使用したペーストにおいては、1
50℃の熱印加を10〜30分行うことにより硬化を行
った(図1のステップS15)。なお、図3は樹脂硬化
工程後のバリアリブ断面図を示す。
【0035】しかる後、表面洗浄処理を施し、600〜
1000番のヤスリを用いてフィルム上に付着している
バリアリブ材料を除去するようにして表面洗浄・研磨を
行いバリアリブの機械的な均一性を出した後、感光性有
機フィルムをアルカリ溶液中、例えばNaOH水溶液3
〜5%に10〜20分浸漬することにより感光性フィル
ム10を剥離する。その後、十分に水洗し、乾燥焼成を
行う(図1のステップS16ないしS18、図2(d)
参照)。
【0036】以上の工程により、図4の斜視図に示すよ
うに、最小ピッチ100μm、幅〜45μm、高さ〜7
5μmの格子状のバリアリブ5を形成することができ
る。このバリアリブ5はバリアリブ形成用のペーストへ
の樹脂添加量が20wt%においても同様に形成可能で
あった。
【0037】さらに、出来上がったバリアリブ5の高さ
は、ほぼフィルム10の膜厚分布に従っており、非常に
均一であり、形状もほぼ矩形に出来上がっている。他に
20インチサイズのプラズマディスプレイパネルでの2
25μmピッチのストライプタイプのバリアリブ5の試
作を行ったが、高さは80μm±5μmであり、パネル
全体に渡って緩やかな変化をしており、印刷時に見られ
たような短ピッチの高さのバラツキは見られなかった。
また、バリアリブ5の幅は75μm±3μmであり、以
上に均一なパターンが得られた。
【0038】したがって、上記実施例1によれば、バリ
アリブ5の材料として、主成分の無機材料に対して、熱
的もしくは化学的に一定の条件下で硬化する樹脂を重量
比で20wt%〜50wt%の割合にて混合することに
より、バリアリブ材の主成分としての無機材料の粒子間
を結合し、感光性フィルム10の剥離時のバリアリブ5
の破壊を防止し、大面積にバリアリブを均一にしかも歩
留り良く形成することができる。
【0039】また、熱硬化樹脂13として、450度以
上の焼成工程で燃焼し、かつ80度〜150度の温度が
一定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹脂を用いる
ことにより、バリアリブ5材の添加剤として、主成分と
しての無機材14の粒子間を結合し、感光性フィルム1
0の剥離時のバリアリブ5の破壊を防止することができ
る。
【0040】また、パターニングされた感光性フィルム
10のギャップ部へバリアリブ5材を埋め込む工程にお
いて、2回以上の埋め込み作業を行う場合に、埋め込む
層に応じてバリアリブ5材の素性を変化させて、前面平
面板1に接する埋め込み層には密着性の高い樹脂成分を
用い、上層の埋め込み層には無機材料の粒子間結合を強
める樹脂成分を用いることにより、前面平面板1に接す
る埋め込み層の密着性を高め、かつバリアリブ5の材料
焼成時の目減り分を少なくし、さらに、バリアリブ5の
頂部の滑らかさを得ることができる。
【0041】また、パターニングされた感光性フィルム
10のギャップ部へバリアリブ5材を埋め込む工程にお
いて、1回目に埋め込むバリアリブ5材の粘度を低粘度
とし、2回目以降に埋め込むバリアリブ5材の粘度を1
回目に埋め込むバリアリブ5材よりも高粘度とすること
により、パターニングされた感光性フィルム10のギャ
ップは微小であり、かつフィルム厚みの高さを持つので
バリアリブ5材が入りにくいが、1回目の埋め込みの際
には低粘度の材料を用いムラ無く塗り込み、2回目以降
は高粘度の材料を用いて塗り込み回数を減少させること
ができる。
【0042】また、パターニングされた感光性フィルム
10のギャップ部へバリアリブ5材を埋め込む工程と、
上記感光性フィルム10を剥離液に浸漬することにより
剥離除去する工程との間に、1回以上の乾燥工程と、樹
脂の硬化工程、および表面の研磨工程とをもつことによ
り、バリアリブ5材の各層の充填を行う時点で、バリア
リブ5材の乾燥・硬化を行いバリアリブ5材の形状が崩
れないようにし、その後、表面洗浄・研磨を行いバリア
リブ5の機械的な均一性を出すことができる。
【0043】実施例2.上記実施例1では、バリアリブ
5を単一形状としたが、図5及び図6に示すように工程
を繰り返すことにより、高さ方向に立体的な構造を持つ
バリアリブ5の形成が可能である。すなわち、実施例2
では、バリアリブ5を単一の形状ではなく構造を持たせ
る場合を考えた場合、バリアリブ5に要求される高さは
通常100〜150μmであり、この高さを単一の感光
性フィルム10の膜厚で形成することは困難であるた
め、20〜75μmの感光性フィルム10を数回連続ラ
ミネートし所望膜厚を得ることを利用し、メモリ型と呼
ばれる気体放電表示パネルにおける特殊な形状のバリア
リブ5への要求に対して、何回か行われるラミネート工
程の途中で感光性フィルム10のパターン形成及びバリ
アリブ5材の埋め込みを行う工程を追加することによ
り、立体的な構造を持つバリアリブ5を得る。
【0044】バリアリブ5の所望高さを得るため、2層
以上の感光性フィルム10を重ねてラミネートし、バリ
アリブ5の牝型をパターニンングするバリアリブ5の製
造工程において、第1のパターンにて所望高さに感光性
フィルム10を積層、パターニングし、バリアリブ5材
の埋め込み、乾燥、硬化、研磨を行った後、さらに、感
光性フィルム10をラミネートし所望パターンを形成し
上記バリアリブ5材の埋め込み工程を行う。この工程を
繰り返すことにより、立体的な構造をもつバリアリブ5
を形成するものである。また、この方法を利用すること
により、プライミングパスを必要とする構造のパルスメ
モリ型プラズマディスプレイパネルへの適用が可能とな
る。なお、このような層構成をもつバリアリブ5の形成
方法においては、下層のフィルムを効率良く剥離するこ
とが必要であり、剥離効率を上げるためには、下層のフ
ィルムパターンを上層のフィルムパターンが必ず覆うよ
うに形成する必要がある。
【0045】すなわち、図5は実施例2に係る多層構造
のバリアリブパターンの形成フローチャートを示し、ま
た、図6はその工程を説明する断面図である。まず、実
施例1と同様に、透明な前面平面板1上に一定の間隔毎
に放電電極2(図6に図示せず)を列設し、この上に一
様な厚みを有する感光性フィルム10を2回ラミネ−ト
し(図5のステップS21)、この感光性フィルム10
上に所望のバリアリブ5の第1のパタ−ンを形成したマ
スク11を重ね合わせるこの時に使用する感光性フィル
ム10は、厚膜にラミネートした場合においてパターン
形成が容易であり、かつパターンギャップに他の物質を
充填しても剥離しやすいフィルムでなければならない。
【0046】次いで、露光量60〜70mJにて露光
し、さらに、Na2CO3の0.8〜1.0%溶液による
現像処理を順次施すと(図5のステップS22)、バリ
アリブ材料としてのペースト12が付着しては困る部分
に感光性フィルム10が残る(図6(a)参照)。さら
に、第1のバリアリブ形成用のペースト12を感光性フ
ィルム10のパタ−ン凹部に印刷または充填する(図5
のステップS23、図6(b)参照)。この充填工程
は、ペースト充填時の空気の巻き込み等による欠陥を防
ぐために、第1回目のペーストは樹脂分が多く、かつ粘
度が低く(300〜500CPS)、フィルムのギャッ
プに入り込みやすいペーストを使用し、前面平面板1と
ペースト12の初期密着力を得、第2回目以降の充填は
ガラス分を多くし、粘度の比較的高い(500〜100
0CPS)のペーストを充填する。
【0047】バリアリブ5のペースト12としては、実
施例1と同様に、アクリル系の熱硬化性樹脂13をガラ
ス(またはアルミナ、顔料等)を主成分とする無機材1
4に対して重量比にて20wt%〜50wt%混合した
ものを数種類ペースト化し充填材とした。樹脂の添加は
その量が多いほどバリアリブ5の形状を保護し易いが、
焼成時の残渣が多くなる可能性があり、出来上がり時の
バリアリブ5の品質を考えた場合、20wt%から最大
50wt%の添加が妥当である。また、粘度は上記成分
に対してBCA等の希釈材を添加することにより調整し
た。
【0048】この充填工程により、フィルムギャップに
十分にペーストを充填してフィルム膜厚以上の高さに塗
り込む。乾燥工程は、ペースト充填毎に行い、ペースト
埋め込みと乾燥工程を3〜5回繰り返した後、最終充填
時の乾燥工程での目減りが最小となるようにする(図5
のステップS24)。充填乾燥が終了した後、感光性フ
ィルム10のパタ−ン間に埋め込んだバリアリブ5形成
用のペースト12を低温乾燥することで感光性フィルム
10の収縮によるペ−スト12の形状変化を防止した
後、バリアリブ材料を硬化させる。この工程は、今回使
用したペーストにおいては、150℃の熱印加を10〜
30分行うことにより硬化を行った(図5のステップS
25)。
【0049】しかる後、表面洗浄処理を施し、600〜
1000番のヤスリを用いてフィルム上に付着している
バリアリブ材料を除去した後、再び前述したステップS
21ないしステップS26と同様な工程、すなわちステ
ップS27ないしS32を経て、第2のパターンにて第
2のバリアリブを形成し、実施例1と同様に、NaOH
水溶液3〜5%に10〜20分浸漬することにより上層
と下層の感光性フィルム10を同時に剥離する。その
後、十分に水洗し、乾燥焼成を行うことにより、高さ方
向に立体的な構造を持つバリアリブ5を形成する(図5
のステップS33、S34、図6(c)ないし(e)参
照)。
【0050】ここで、このような層構造をもつバリアリ
ブ5の形成方法においては、下層の感光性フィルム10
を効率良く剥離することが必要であり、剥離効率を上げ
るためには、下層の感光性フィルム10のフィルム部パ
ターンを上層の感光性フィルム10のフィルム部パター
ンが必ず覆うように形成して上層の感光性フィルム10
に下層の感光性フィルム10を密着させ、剥離時に上層
の感光性フィルム10と下層の感光性フィルム10とを
同時に剥離させるようにして剥離効率を上げることがで
き、感光性フィルム10の除去が容易となる。
【0051】実施例3.また、バリアリブ5は放電セル
内における放電光の反射や吸収が起こりやすい位置にあ
るため、その色合いは発光輝度に大きな影響を与える。
従って、バリアリブ5の色調は白色系統が良いとされて
いる。しかし、例えば透過型の気体放電パネルの場合、
表示面に白い色のバリアリブ5が見えると、表示面から
の外光が反射してコントラストが得られなくなる。この
問題を解決するために、数回充填するバリアリブ形成用
のペースト12を表示面に面する側を充填する際に、黒
色のペーストを充填し、他の層には白色系統のペースト
を充填することにより、コントラストの確保および輝度
の向上を図ることが可能となる。
【0052】実施例4.また、以上の方法においては、
ガラスを主成分とするバリアリブ5の形成方法について
実施例を示したが、20μm以上の膜厚のパターンを形
成する場合、一定条件にて硬化する樹脂を添加したペー
スト中のガラス材料をAg等の金属とし電極パターンの
形成を行っても同様な形状的な特徴を持つパターン形成
が可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、対向する平面板上に整列配置した複数の電極とマ
トリクス状に交差する複数の電極が整列配置された平面
板上に感光性フィルムの層を設け、パタ−ンマスクを介
して上記感光性フィルムを露光した後、現像して上記電
極及びバリアリブを形成しない部分にのみ感光性フィル
ムが残るようにパタ−ンを形成する工程と、パターニン
グされた感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を
埋め込む工程と、上記ギャップ部へバリアリブ材を埋め
込んだ後、上記感光性フィルムを剥離液に浸漬すること
により剥離除去する工程と、剥離除去後に焼成する工程
とを順次行ってバリアリブを形成するプラズマディスプ
レイパネルの製造方法において、上記バリアリブ材とし
て、主成分の無機材料に対して、熱的もしくは化学的に
一定の条件下で硬化する樹脂を重量比で20wt%〜5
0wt%の割合にて混合するようにしたので、バリアリ
ブ材の主成分としての無機材料の粒子間を結合し、感光
性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止し、大面
積にバリアリブを均一にしかも歩留り良く形成すること
ができ、装置が安価にでき、精度の高いバリアリブが形
成する面積に関係なく形成されて、表示品質のよいもの
が安定的に得られるという効果がある。
【0054】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記樹脂として、450
度以上の焼成工程で燃焼し、かつ80度〜150度の温
度が一定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹脂を用
いることにより、バリアリブ材のバリアリブ材の添加剤
として、主成分としての無機材料の粒子間を結合し、感
光性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止するこ
とができるという効果を奏する。
【0055】また、請求項3に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記パターニングされた
感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む
工程において、2回以上の埋め込み作業を行う場合に、
埋め込む層に応じてバリアリブ材の素性を変化させて、
平面板に接する埋め込み層には密着性の高い樹脂成分を
用い、上層の埋め込み層には無機材料の粒子間結合を強
める樹脂成分を用いることにより、平面板に接する埋め
込み層の密着性を高め、かつバリアリブ材料焼成時の目
減り分を少なくし、さらに、バリアリブの頂部の滑らか
さを得ることができるという効果を奏する。
【0056】また、請求項4に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記パターニングされた
感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む
工程において、1回目に埋め込むバリアリブ材の粘度を
低粘度とし、2回目以降に埋め込むバリアリブ材の粘度
を1回目に埋め込むバリアリブ材よりも高粘度とするこ
とにより、パターニングされた感光性フィルムのギャッ
プは微小であり、かつフィルム厚みの高さを持つのでバ
リアリブ材が入りにくいが、1回目の埋め込みの際には
低粘度の材料を用いムラ無く塗り込み、2回目以降は高
粘度の材料を用いて塗り込み回数を減少させることがで
きるという効果を奏する。
【0057】また、請求項5に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記パターニングされた
感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む
工程において、1回目の埋め込み材料の色調を黒色系統
のものとすることにより、表示面におけるコントラスト
の確保及び輝度の向上が図られ、2回目以降の埋め込み
材料の色調を白色系統のとすることにより、放電セル内
での光吸収を避けられるという効果を奏する。
【0058】また、請求項6に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記パターニングされた
感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む
工程と、上記感光性フィルムを剥離液に浸漬することに
より剥離除去する工程との間に、1回以上の乾燥工程
と、樹脂の硬化工程、および表面の研磨工程とをもつこ
とにより、バリアリブ材の各層の充填を行う時点で、バ
リアリブ材の乾燥・硬化を行いバリアリブ材の形状が崩
れないようにし、その後、表面洗浄・研磨を行いバリア
リブの機械的な均一性を出すことができるという効果を
奏する。
【0059】また、請求項7に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、第1のパターンによる上
記感光性フィルムのパターニング工程と、上記バリアリ
ブ材の埋め込み工程とを経て第1のパターンによるバリ
アリブ形成工程の後、第2のパターンによる感光性フィ
ルムのパターニング工程と、バリアリブ材の埋め込み工
程とを経て第2のパターンによるバリアリブ形成工程を
連続するようにして、これらバリアリブ形成工程を繰り
返すことにより、立体的な多層構造をもつバリアリブを
形成することができるという効果を奏する。
【0060】さらに、請求項8に係るプラズマディスプ
レイパネルの製造方法によれば、上記多層構造のバリア
リブ形成工程において、上層の感光性フィルムのフィル
ム部パターンが下層のフィルム部パターンを覆うように
して上層の感光性フィルムと下層の感光性フィルムを密
着させることにより、剥離時に上層の感光性フィルムと
下層の感光性フィルムを同時に剥離させて下層の感光性
フィルムを効率良く剥離することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係る単一構造のバリアリ
ブパターン形成方法を示すフローチャートである。
【図2】この発明の実施例1に係る単一構造のバリアリ
ブパターン形成方法を説明する工程図である。
【図3】この発明の実施例1に係る樹脂硬化工程後のバ
リアリブの断面図である。
【図4】この発明の実施例1により形成されたバリアリ
ブの形状を示す説明図である。
【図5】この発明の実施例2に係る層構造のバリアリブ
パターン形成方法を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施例2に係る層構造のバリアリブ
パターン形成方法を説明する工程図である。
【図7】プラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視
図と断面図である。
【図8】従来例による印刷法でバリアリブを形成する工
程及び問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 前面平面板 2 第1の電極群 3 背面平面板 4 第2の電極群 5 バリアリブ 6 第3の電極 7 誘電体 8 印刷用スキージ 9 印刷用のスクリーン 10 感光性フィルム 11 露光用マスク 12 バリアリブ用ペースト 13 熱硬化樹脂 14 バリアリブ無機固形分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】次に、プラズマディスプレイパネルの動作
について説明する。今、表示を行う放電セルに接続され
ている第1と第2の放電電極2、4が選択されて、高電
圧が印加されると、第1と第2の放電電極2、4間に封
止されている放電発光ガスが、図7(b)に示すよう
に、プラズマ放電Pとなって放電発光し、この放電によ
る直接の発光もしくは放電セル内に設けられた蛍光体層
の励起発光の光が前面平面板1を通して表示面に達する
ことにより、文字や図形の表示が行われる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のバリアリブ形成
方法は以上のように行われているので、厚膜印刷法の場
合、あらかじめ前面平面板1上に形成された放電電極2
と印刷しようとするガラスペーストの印刷場所との位置
合せが難しく、また、一部分で位置合せができたとして
も、印刷スクリーン9の伸び、歪等によりパネル全面で
正確な位置を合せること、及び大面積に所望パターンを
精度良く形成すること、さらに、格子状等のパターンを
形成し難いという問題がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、複数の電
極が整列配置された平面板上に感光性フィルムの層を設
け、パタ−ンマスクを介して上記感光性フィルムを露光
した後、現像して上記電極及びバリアリブを形成しない
部分にのみ感光性フィルムが残るようにパタ−ンを形成
する工程と、パターニングされた感光性フィルムのギャ
ップ部へバリアリブ材を埋め込む工程と、上記ギャップ
部へバリアリブ材を埋め込んだ後、上記感光性フィルム
を剥離液に浸漬することにより剥離除去する工程と、剥
離除去後に焼成する工程とを順次行ってバリアリブを形
成するプラズマディスプレイパネルの製造方法におい
て、上記バリアリブ材として、主成分の無機材料に対し
て、熱的もしくは化学的に一定の条件下で硬化する樹脂
を重量比で20wt%〜50wt%の割合にて混合した
ことを特徴とするものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法は、上記樹脂として、450度以上
の焼成工程で燃焼除去され、かつ80度〜150度の温
度が一定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹脂を用
いたことを特徴とするものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【作用】この発明の請求項1に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、複数の電極が整列配置
された平面板上に感光性フィルムの層を設け、パタ−ン
マスクを介して上記感光性フィルムを露光した後、現像
して上記電極及びバリアリブを形成しない部分にのみ感
光性フィルムが残るようにパタ−ンを形成する工程と、
パターニングされた感光性フィルムのギャップ部へバリ
アリブ材を埋め込む工程と、上記ギャップ部へバリアリ
ブ材を埋め込んだ後、上記感光性フィルムを剥離液に浸
漬することにより剥離除去する工程と、剥離除去後に焼
成する工程とを順次行ってバリアリブを形成するプラズ
マディスプレイパネルの製造方法において、上記バリア
リブ材として、主成分の無機材料に対して、熱的もしく
は化学的に一定の条件下で硬化する樹脂を重量比で20
wt%〜50wt%の割合にて混合することにより、バ
リアリブ材の主成分としての無機材料の粒子間を結合
し、感光性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止
し、大面積にバリアリブを均一にしかも歩留り良く形成
することを可能にする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記樹脂として、45
0度以上の焼成工程で燃焼除去され、かつ80度〜15
0度の温度が一定時間加えられて熱硬化するアクリル系
樹脂を用いることにより、バリアリブ材のバリアリブ材
の添加剤として、主成分としての無機材料の粒子間を結
合し、感光性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防
止する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、請求項3に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法においては、上記パターニングされ
た感光性フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込
む工程において、2回以上の埋め込み作業を行う場合
に、埋め込む層に応じてバリアリブ材の素性を変化させ
て、平面板に接する埋め込み層には密着性の高い樹脂成
分を用い、上層の埋め込み層には無機材料の粒子間結合
を強める樹脂成分を用いることにより、平面板に接する
埋め込み層の密着性を高め、かつバリアリブ材料焼成時
の目減り分を少なくし、さらに、バリアリブの頂部の滑
らかさを得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】この充填工程により、フィルムギャップに
十分にペーストを充填してフィルム膜厚以上の高さに塗
り込む。乾燥工程は、ペースト充填毎に行い、ペースト
埋め込みと乾燥工程を3〜5回繰り返した後、最終充填
時の乾燥工程での目減りが最小となるようにする(図1
のステップS14)。充填乾燥が終了した後、感光性フ
ィルム10のパタ−ン間に埋め込んだバリアリブ5形成
用のペースト12を低温乾燥することで感光性フィルム
10の収縮によるペ−スト12の形状変化を防止した
後、バリアリブ材料を硬化させる。この工程は、今回使
用したペーストにおいては、150℃の熱印加を10〜
30分行うことにより硬化を行った(図1のステップS
15)。なお、図3は樹脂硬化工程後のバリアリブ断面
図を示す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】さらに、出来上がったバリアリブ5の高さ
は、ほぼフィルム10の膜厚分布に従っており、非常に
均一であり、形状もほぼ矩形に出来上がっている。他に
20インチサイズのプラズマディスプレイパネルでの2
25μmピッチのストライプタイプのバリアリブ5の試
作を行ったが、高さは80μm±5μmであり、パネル
全体に渡って緩やかな変化をしており、印刷時に見られ
たような短ピッチの高さのバラツキは見られなかった。
また、バリアリブ5の幅は75μm±3μmであり、
常に均一なパターンが得られた。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
ば、複数の電極が整列配置された平面板上に感光性フ
ィルムの層を設け、パタ−ンマスクを介して上記感光性
フィルムを露光した後、現像して上記電極及びバリアリ
ブを形成しない部分にのみ感光性フィルムが残るように
パタ−ンを形成する工程と、パターニングされた感光性
フィルムのギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程
と、上記ギャップ部へバリアリブ材を埋め込んだ後、上
記感光性フィルムを剥離液に浸漬することにより剥離除
去する工程と、剥離除去後に焼成する工程とを順次行っ
てバリアリブを形成するプラズマディスプレイパネルの
製造方法において、上記バリアリブ材として、主成分の
無機材料に対して、熱的もしくは化学的に一定の条件下
で硬化する樹脂を重量比で20wt%〜50wt%の割
合にて混合するようにしたので、バリアリブ材の主成分
としての無機材料の粒子間を結合し、感光性フィルムの
剥離時のバリアリブの破壊を防止し、大面積にバリアリ
ブを均一にしかも歩留り良く形成することができ、装置
が安価にでき、精度の高いバリアリブが形成する面積に
関係なく形成されて、表示品質のよいものが安定的に得
られるという効果がある。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】また、請求項2に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造方法によれば、上記樹脂として、450
度以上の焼成工程で燃焼除去され、かつ80度〜150
度の温度が一定時間加えられて熱硬化するアクリル系樹
脂を用いることにより、バリアリブ材のバリアリブ材の
添加剤として、主成分としての無機材料の粒子間を結合
し、感光性フィルムの剥離時のバリアリブの破壊を防止
することができるという効果を奏する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する平面板上に整列配置した複数の
    電極とマトリクス状に交差する複数の電極が整列配置さ
    れた平面板上に感光性フィルムの層を設け、パタ−ンマ
    スクを介して上記感光性フィルムを露光した後、現像し
    て上記電極及びバリアリブを形成しない部分にのみ感光
    性フィルムが残るようにパタ−ンを形成する工程と、パ
    ターニングされた感光性フィルムのギャップ部へバリア
    リブ材を埋め込む工程と、上記ギャップ部へバリアリブ
    材を埋め込んだ後、上記感光性フィルムを剥離液に浸漬
    することにより剥離除去する工程と、剥離除去後に焼成
    する工程とを順次行ってバリアリブを形成するプラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法において、上記バリアリ
    ブ材として、主成分の無機材料に対して、熱的もしくは
    化学的に一定の条件下で硬化する樹脂を重量比で20w
    t%〜50wt%の割合にて混合したことを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記樹脂として、450度以上の焼成工
    程で燃焼し、かつ80度〜150度の温度が一定時間加
    えられて熱硬化するアクリル系樹脂を用いたことを特徴
    とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 上記パターニングされた感光性フィルム
    のギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程において、
    2回以上の埋め込み作業を行う場合に、埋め込む層に応
    じてバリアリブ材の素性を変化させて、平面板に接する
    埋め込み層には密着性の高い樹脂成分を用い、上層の埋
    め込み層には無機材料の粒子間結合を強める樹脂成分を
    用いることを特徴とする請求項1記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記パターニングされた感光性フィルム
    のギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程において、
    1回目に埋め込むバリアリブ材の粘度を低粘度とし、2
    回目以降に埋め込むバリアリブ材の粘度を1回目に埋め
    込むバリアリブ材よりも高粘度とすることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記パターニングされた感光性フィルム
    のギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程において、
    1回目の埋め込み材料の色調を黒色系統のものとし、2
    回目以降の埋め込み材料の色調を白色系統のとすること
    を特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記パターニングされた感光性フィルム
    のギャップ部へバリアリブ材を埋め込む工程と、上記感
    光性フィルムを剥離液に浸漬することにより剥離除去す
    る工程との間に、1回以上の乾燥工程と、樹脂の硬化工
    程、および表面の研磨工程とをもつことを特徴とする請
    求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 第1のパターンによる上記感光性フィル
    ムのパターニング工程と、上記バリアリブ材の埋め込み
    工程とを経て第1のパターンによるバリアリブ形成工程
    の後、第2のパターンによる感光性フィルムのパターニ
    ング工程と、バリアリブ材の埋め込み工程とを経て第2
    のパターンによるバリアリブ形成工程を連続するように
    して、これらバリアリブ形成工程を繰り返すことによ
    り、立体的な多層構造をもつバリアリブを形成すること
    を特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記多層構造のバリアリブ形成工程にお
    いて、上層の感光性フィルムのフィルム部パターンが下
    層のフィルム部パターンを覆うことを特徴とする請求項
    7記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7744714B2 (en) 2006-11-20 2010-06-29 E.I. Du Pont De Nemours And Company Paste patterns formation method and transfer film used therein

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