JPH09213217A - プラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルム及び蛍光体層用フィルム形成方法及び蛍光体層形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルム及び蛍光体層用フィルム形成方法及び蛍光体層形成方法

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JPH09213217A
JPH09213217A JP8319811A JP31981196A JPH09213217A JP H09213217 A JPH09213217 A JP H09213217A JP 8319811 A JP8319811 A JP 8319811A JP 31981196 A JP31981196 A JP 31981196A JP H09213217 A JPH09213217 A JP H09213217A
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phosphor layer
phosphor
film
forming
plasma display
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JP8319811A
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English (en)
Inventor
Yasutomo Funakoshi
康友 船越
Koji Matsunaga
浩二 松永
Masaru Yoshida
勝 吉田
Takao Inoue
孝夫 井上
Kiyohito Miwa
清仁 三輪
Toshinobu Sekihara
敏伸 関原
Junji Ikeda
順治 池田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイの背面基板に形成され
た隔壁内部へ蛍光体を形成するとき、形成工程を簡単に
し、下地へのダメージがなく、点欠陥が生じにくく、安
定した蛍光特性を得ることができる蛍光体層の形成方
法、及びその方法に使用する蛍光体層用フィルム及びそ
の形成方法を提供することである。 【解決手段】 予め、蛍光体粉末が所定の位置に分散さ
せられた蛍光体層用フィルムをプラズマディスプレイの
背面基板上に形成された隔壁と位置合わせした後、均一
な加圧力によりフィルムの一部又は全部を隔壁間内に挿
入する。さらに、フォトマスクを通じて露光し、不要部
分を現像液にて除去する工程にて、蛍光体層を隔壁内に
RGB同時に形成する。前記フィルムは、少なくともガ
ラス粉末と有機高分子バインダと蛍光体粉末と反応開始
剤と反応促進剤とを含む蛍光体含有感光樹脂フィルム5
,50,50を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイの隔壁間に蛍光体層を形成する方法に関するもので
あり、さらには、蛍光体層を形成するために必要な蛍光
体層用フィルム及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA分野、AV分野において、大
型のフラットディスプレイのカラー化の要望が高まって
いる。このような要望に答える大型カラーフラットディ
スプレイとして、カラープラズマディスプレイパネル
(以下、カラーPDPという)がある。
【0003】図14及び図15にそれぞれDC型とAC
型のカラーPDPの断面図を示す。カラーPDPは、前
面側ガラス基板(フロントパネル)221,321と、
背面側ガラス基板(バックパネル)222,322と、
それらの間に多数のセルを形成するように配置された隔
壁223,323とを有している。それぞれの基板の対
向する面には各セルに対応する電極が互いに直交する方
向に配列形成されている。隔壁223,323は、AC
型とDC型の放電形式の如何に係わらず設けられてい
る。この隔壁223,323によって両ガラス基板の間
隔を規制することにより、適切な放電ギャップを確保で
きるとともに隣接セルへのクロストークを防止できる。
通常、図15に示すようにAC型のカラーPDPの隔壁
323はストライプ状に形成され、図14に示すように
DC型のカラーPDPの隔壁223はマトリックス状に
形成されている。隔壁内にはR(赤),G(緑),B
(青)の3色の蛍光体層324,324,32
,224,224,224が形成されている
とともに、不活性ガスが封入されている。このようなカ
ラーPDPでは、画像信号に応じて電極間に電圧を印加
することで所望のセル内でガス放電させて蛍光体層を発
光させることによりカラー画像を表示するようにしてい
る。
【0004】この種のカラーPDPの蛍光体層は、以下
のようにして形成される。DC型の場合、まず、ガラス
基板上に電極や隔壁などとなる各種の凸部を形成して前
面基板と背面基板とを製造し、両基板を対向させた後、
周囲をシールしてその内部に不活性ガスを封入する。そ
して、最後に制御回路やシャーシを組み立ててカラーP
DPを完成する。背面基板を製造する際には、DC型の
場合、まずガラス基板上に電極及びそれを接続する母線
をスクリーン印刷法により形成する。続いて、母線と電
極を接続する抵抗を形成する。電極が形成されると、そ
の上にガラスペーストをスクリーン印刷法により塗布し
て絶縁層を形成する。この絶縁層において陰極形成部分
には電極が露出するように孔を形成する。この孔に金属
ペーストがスクリーン印刷法により充填されて陰極が形
成される。陰極が形成されると、複数回の印刷とサンド
ブラスト法により陰極の周りに隔壁がマトリックス状に
形成される。最後に、ガラス基板の隔壁で四方を囲まれ
た領域に、スクリーン印刷法によりメタルスクリーンを
用いて、セルロース等の樹脂バインダー中に蛍光体が分
散された蛍光体インクを挿入する。前記工程を、赤、
青、緑の3色に付いて繰り返し行った後、樹脂バインダ
ー中に含まれる溶剤成分を100℃以上の温度で蒸発さ
せて乾燥する。乾燥後、ガラス粒等を含む無機粉末を吹
き付けるサンドブラスト法により陰極に付着した蛍光体
インクを除去し、陰極を露出させる。最後に、500℃
以上の温度で焼成して、蛍光体インク中のバインダー成
分を除去して蛍光体のみとし、隔壁内に蛍光体層を形成
する。一方、AC型の場合には、ガラス基板上にアドレ
ス電極をスクリーン印刷法により形成し、アドレス電極
を覆うようにスクリーン印刷法によりストライプ状に隔
壁を形成する。最後に、隔壁間に蛍光体層をスクリーン
印刷法によりメタルスクリーンを用いてR、G、Bそれ
ぞれを順番に挿入して形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カラ
ーPDPの製造過程では、スクリーン印刷により形成さ
れている。しかも、DC型のカラーPDPの場合は、隔
壁が格子状になっており、その格子の中にR、G、B、
3色を塗り分けねばならない。また、前記従来の蛍光体
層形成工程では、AC型,DC型の放電形式の如何に係
わらず、スクリーン印刷法により隔壁により囲まれた領
域に蛍光体インクを挿入して蛍光体層を形成しているの
で、印刷用の蛍光体インクの経時変化によりインク内の
蛍光体等の成分が偏倚し、蛍光体層において部位により
蛍光特性が変動しやすい。このため、同じ放電ギャップ
を確保しても発光量が変動して、色調変動がある不鮮明
な画像になるおそれがある。さらに、近年要望されてい
る大型パネルへの対応については、AC型、DC型とも
メタルスクリーンの精度の悪さも影響して、位置合わせ
が大変困難になっている。しかも、DC型の場合には、
蛍光体インクを隔壁に挿入したのちに陰極を露出するた
めにサンドブラスト処理を行っているので、サンドブラ
ストにより陰極までも削って欠落させてしまい、不灯と
なる点欠陥が生じるおそれもある。
【0006】本発明の課題は、プラズマディスプレイの
背面基板に形成された隔壁内部へ蛍光体を形成すると
き、形成工程を簡単にし、下地へのダメージがなく、点
欠陥が生じにくく、安定した蛍光特性を得ることができ
る蛍光体層の形成方法、及びその方法に使用する蛍光体
層用フィルム及びその形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1に記載のプラズマディスプレイに用いられる蛍光体層
用フィルムであって、可撓性フィルムのプラズマディス
プレイの背面基板に形成された隔壁の蛍光体層を形成す
る想定位置に蛍光体粉末を有機高分子バインダ中に分散
させた蛍光体部を有することを特徴とする。請求項2に
記載のプラズマディスプレイに用いられる蛍光体層用フ
ィルムは、可撓性フィルムのプラズマディスプレイの背
面基板に形成された隔壁の3発光色の蛍光体層を形成す
る想定位置に3発光色の蛍光体粉末を有機高分子バイン
ダ中に分散させた蛍光体部を形成したことを特徴とす
る。請求項3に記載のフィルムは、請求項1又は2にお
いて、前記有機高分子バインダが紫外線架橋型である。
請求項4に記載のフィルムは、請求項1又は2におい
て、前記有機高分子バインダが有機溶剤溶解型又は水溶
解型である。
【0008】請求項5に記載の蛍光体層用フィルムの形
成方法は、蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の
混合比で混合した蛍光体液状物を作製する工程と、蛍光
体液状物を可撓性のフィルム上の隔壁間の蛍光体層を形
成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、有機高分子バ
インダのみからなるバインダ液状物を蛍光体液状物が塗
布されていない部分に塗布し乾燥する工程と、を備え
る。請求項6に記載の蛍光体層用フィルムの形成方法
は、蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混合比
で混合した蛍光体液状物を作製する工程と、蛍光体液状
物を可撓性のフィルム上の隔壁間の蛍光体層を形成する
想定位置に塗布し乾燥する工程と、を備える。請求項7
に記載の蛍光体層用フィルムの形成方法は、3種類の蛍
光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混合比で混合
した蛍光体液状物を3種類作製する工程と、3種類の蛍
光体液状物を可撓性のフィルム上の隔壁間の蛍光体層を
形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、有機高分子
バインダのみからなるバインダ液状物を蛍光体液状物が
塗布されていない部分に塗布し乾燥する工程と、を備え
る。請求項8に記載の蛍光体層用フィルムの形成方法
は、3種類の蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定
の混合比で混合した蛍光体液状物を3種類作製する工程
と、3種類の蛍光体液状物を可撓性のフィルム上の隔壁
間の蛍光体層を形成する想定位置に塗布し乾燥する工程
と、を備える。このように、前記した複数の請求項にお
いて、3種類のR、G、Bが塗り分けられた蛍光体層用
フィルム挿入して蛍光体層を形成する場合には、DC型
の場合は、フィルムのバインダに紫外線硬化型の樹脂を
用いることでサンドブラストを用いることなくフォトリ
ソ法で1回の挿入で3色同時にパターン形成をすること
ができ、AC型の場合も、1回の挿入で3色同時に形成
することができる。
【0009】請求項9に記載のプラズマディスプレイの
背面基板に蛍光体層を形成する方法は、請求項1〜3の
いずれかに記載の蛍光体層用フィルムを隔壁が形成され
た背面基板上に配置する配置工程と、蛍光体層用フィル
ム上面より均一な圧力を印加し隔壁間へ挿入する落とし
込み工程と、挿入されたフィルムに所定のマスクを通し
て紫外線を照射する工程と、紫外線を照射されなかった
部分を除去する工程と、蛍光体層用フィルム中の有機高
分子バインダを焼成する工程と、を備える。請求項10
に記載のAC型プラズマディスプレイの背面基板に蛍光
体層を形成する方法であって、請求項1、2、4のいず
れかに記載の蛍光体層用フィルムを隔壁が形成された背
面基板上に配置する配置工程と、蛍光体層用フィルム上
面より均一な圧力を印加し隔壁中へ挿入する工程と、蛍
光体層用フィルム中の有機高分子バインダを焼成する工
程と、を備える。
【0010】請求項11に係る蛍光体層形成方法は、プ
ラズマディスプレイに用いられる背面基板に形成された
隔壁で少なくとも二方を囲まれた領域に蛍光体層を形成
する方法であって、少なくとも有機高分子バインダと蛍
光体粉末と反応開始剤と反応促進剤とを含む蛍光体層用
フィルムを隔壁が形成された背面基板上に配置する配置
工程と、背面基板上に配置された蛍光体層用フィルムの
一部又は全部を領域内に挿入する落とし込み工程と、領
域内に一部又は全部が落とし込まれた蛍光体層用フィル
ムの不要部分を除去する第1除去工程と、不要部分が除
去された領域内の蛍光体層用フィルムを焼成して領域内
に前記蛍光体層を形成する層形成工程とを含んでいる。
ここでは、蛍光体層用フィルムを隔壁が形成された背面
基板上に配置し、それを領域内に落とし込んだ後、不要
部分を除去して蛍光体層を形成しているので、蛍光体層
用フィルムの内部での成分の偏倚が少なくなり、安定し
た蛍光特性が得られる。請求項12に係る蛍光体層形成
方法は、請求項11記載の方法において、蛍光体層用フ
ィルムを背面基板上に配置する前に、蛍光体層用フィル
ムの不要部分を除去する第2除去工程をさらに含んでい
る。ここでは、たとえばカラーPDPにおいて、3色の
蛍光体層を形成する場合、それぞれの色に対応した場所
にだけフィルムを配置できるので、フィルムに含まれる
蛍光体をより効率よく使用できる。
【0011】請求項13に係る蛍光体層形成方法は、請
求項11又は12記載の方法において、背面基板には、
マトリックス状に配置された電極と電極の周囲を囲むよ
うにマトリックス状に配置された隔壁とが予め形成され
ており、蛍光体層用フィルムには、電極に対応する位置
に微小孔が形成されている。ここでは、電極に露出する
孔がフィルムに予めあけられているので、サンドブラス
トすることなく電極を露出できる。また、フィルムに孔
をあけることで、隔壁で四方を囲まれた領域にフィルム
を落とし込む場合であっても、領域内部の空気が孔から
抜けて領域内にフィルムを確実に落とし込める。請求項
14に係る蛍光体層形成方法は、請求項11〜13のい
ずれかに記載の方法において、焼成工程で焼成されて形
成された蛍光体層は、隔壁に沿って倒立釣鐘状に湾曲し
て形成されている。この場合には、蛍光体層で発せられ
た光が効率よく前方に照射され、発光効率が向上する。
請求項15に係る蛍光体層形成工程は、請求項11〜1
4のいずれかに記載の方法において、第1除去工程は、
露光現像により不要部分を除去する工程である。この場
合には、露光現像というフォトプロセスで精度良くかつ
容易に所望の領域に蛍光体層を形成できる。
【0012】本発明にかかる蛍光体層形成方法では、蛍
光体層用フィルムを隔壁が形成された基板上に配置し、
それを領域内に落とし込んだ後、不要部分を除去して蛍
光体層を形成しているので、蛍光体層用フィルムの内部
での成分の偏倚が少なくなり、安定した蛍光特性が得ら
れる。すなわち、前記蛍光体層用フィルムを使用する蛍
光体層の形成方法によれば、プラズマディスプレイの背
面基板に形成された隔壁間の空間へ蛍光体層を形成する
とき、形成工程を簡単にし、下地へのダメージがなく、
点欠陥が生じにくく、安定した蛍光特性を得ることがで
きる。しかも、確実に位置精度よく蛍光体層を形成でき
る。また、本発明にかかるプラズマディスプレイの蛍光
体層形成方法では、あらかじめ、所定の位置に1色又は
3色の蛍光体R、G、Bが分散された蛍光体層用フィル
ムを隔壁と位置合わせした後、同時に挿入、パターン形
成できるため、簡単にしかも確実に蛍光体層を形成する
ことができる。1色の蛍光体を分散したフィルムの場合
には、各色の合計3枚のフィルムを使用する必要がある
が、3色の蛍光体を分散したフィルムの場合には1枚の
フィルムで3色の蛍光体を同時に形成することができ、
蛍光体層の形成が簡単なもとのなる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態にか
かる蛍光体層の形成方法により製造されたDC型のカラ
ーPDPを示す部分斜視図である。図1において、カラ
ーPDP1は、背面側パネル2と、背面側パネル2に所
望の間隔をあけて対向させた前面側パネル3とを有して
いる。背面側パネル2は、背面基板10と、背面基板1
0上に画素に対応して形成された隔壁11とを有してお
り、前面側パネル3は、この隔壁11により対向間隔の
制御がなされている。
【0014】背面基板10は透光ガラス製であり、背面
基板10上にはマトリックス状に配置された電極20
と、各電極20を接続する電極母線22と、電極母線2
2と電極20とを接続する抵抗21とが多数形成されて
いる。これらの電極20、抵抗21及び電極母線22等
はガラスに銀,酸化ルテニウム等の導電体を混ぜた導電
体組成物により形成される。電極母線22は左右に分割
されたはしご状部材であり、背面基板10の一方向(図
1の上下方向)に延びる左右1対のはしご状部材を図1
の左右方向に間隔を隔てて多数並べて構成されている。
各対の電極母線22の間には補助母線23が形成されて
いる。電極20は電極母線22のはしご状部材の横桟に
相当する部分22aの間に配置されている。抵抗21
は、電極20と電極母線22の横桟に相当する部分22
aとの間に掛け渡されており、この抵抗21により電極
20に印加される電圧が決定される。
【0015】背面基板10上には、補助母線23形成部
分を含んで電極20、抵抗21及び電極母線22を覆う
ように絶縁層15が形成されている。絶縁層15は例え
ばガラス等の誘電体製であり、その電極20に対向する
部分には貫通孔16が形成されている。この貫通孔16
には電極20に接続された陰極13が形成されている。
補助母線23にも貫通孔16と同一ピッチで貫通孔16
aが形成されており、そこには表示のレスポンスを速く
するための補助陰極24が形成されている。
【0016】隔壁11は絶縁層15上に形成されてお
り、陰極13を囲むようにマトリックス状に配置されて
いる。隔壁11内には赤,緑,青の3色の蛍光体層17
,17,17を各別に有する表示セル14,1
,14のいずれかが配置されている。なお、この
実施形態では、2つの緑の表示セル14 が斜めに配
置され、それと交差するように青の表示セル14と赤
の表示セル14とが斜めに配置されている。そして、
この4つの表示セル14,14,14,14
1つの画素が構成されている。
【0017】前面側パネル3は透光ガラス製の前面基板
12を有している。前面基板12の背面基板10と対向
する面には、電極母線22と直交する方向に延びる陽極
線25が陰極13に対向する位置に埋め込まれている。
この陽極線25は、たとえばAl等を含むペースト状の
導電性インクを前面基板12に形成された溝にスクリー
ン印刷法により充填されて形成されている。また、前面
基板12には、電荷を表示セル14,14,14
に導くためのプライミング用空間(図示せず)も形成さ
れている。
【0018】次に、本発明の一実施形態にかかる蛍光体
層形成方法を採用したDC型のカラーPDPの背面側パ
ネル2の製造手順について図2〜図7を用いて説明す
る。本発明の一実施形態にかかる蛍光体層形成方法で
は、まず、背面基板10に電極母線22や抵抗21等の
導電体回路を形成し、その上に絶縁層15、隔壁11を
順次積層し、最後に蛍光体層17,17,17
隔壁11内に形成して背面側パネル2が製造される。
【0019】この製造手順においては、まず、背面基板
10と、電極20、電極母線22及び補助母線23とな
る導電性感光樹脂フィルム30と、絶縁層15となる絶
縁性感光樹脂フィルム40と、抵抗21となる導電性樹
脂ペースト38と、隔壁11となる絶縁性樹脂ペースト
48とを用意する。また、蛍光体層17,17,1
となる蛍光体含有感光樹脂フィルム50,5
,50も用意する。
【0020】電極母線22及び補助母線23となる導電
性感光樹脂フィルム30としては、たとえば、ガラス粉
末と銀等からなる導電金属粉末及び充填剤を含む粉末
と、架橋型等の有機高分子バインダー、光反応開始剤及
び光反応促進剤を含有した樹脂組成物とを混合してセパ
レートフィルム上にシート状に展開した厚みが5〜10
μmの間で均一なものが好ましい。絶縁層15となる絶
縁性感光樹脂フィルム40としては、たとえば、鉛系あ
るいは亜鉛系等のガラス粉末及び酸化ホウ素、二酸化ケ
イ素等の充填剤を含む粉末と、架橋型等の有機高分子バ
インダー、光反応開始剤及び光反応促進剤を含有した樹
脂組成物とを混合してセパレートフィルム上にシート状
に展開した厚みが50〜100μmの間で均一なものが
好ましい。抵抗21となる導電性樹脂ペースト38とし
ては、ガラス粉末、酸化ルテニウム等の導電性を付与す
る金属酸化物粉末及び充填剤を含む粉末と、架橋型等の
有機高分子バインダーとを混合したペースト状のものが
好ましい。隔壁11となる絶縁性樹脂ペースト48とし
ては、鉛系あるいは亜鉛系等のガラス粉末及び酸化ホウ
素、二酸化ケイ素等の充填剤を含む粉末と、架橋型等の
有機高分子バインダーとを混合したペースト状のものが
好ましい。蛍光体層17,17,17となる蛍光
体含有感光樹脂フィルム50,50,50として
は、紫外線発光型の蛍光体粉と、架橋型等の有機高分子
バインダー、光反応開始剤及び光反応促進剤を含有した
樹脂組成物とを混合してセパレートフィルム上にシート
状に展開した厚みが20〜100μmの間で均一なもの
が好ましい。この蛍光体含有感光樹脂フィルムには陰極
13に対応する位置に予め微小孔52をあけておくのが
望ましい。
【0021】これらのものが用意されると、まず電極母
線22、補助母線23及び電極20を背面基板10上に
形成する。図2(A)に示すように、最初に背面基板1
0に導電性感光樹脂フィルム30を貼り付ける。この貼
り付けの際には、セパレートフィルムを上にしてロール
等で背面基板10に展開して貼り付ける。続いて、図2
(B)に示すように、形成する電極母線22、補助母線
23及び電極20の形状及び位置に応じた場所に光透過
部31aを設けたマスク31を背面基板10の上方に位
置決めして配置し、導電性感光樹脂フィルム30を露光
する。そして、図2(C)に示すように、所望の現像剤
により現像処理すると、たとえば露光部分30aが硬化
して電極母線22、補助母線23及び電極20となる導
電性樹脂が形成される。これを乾燥後620〜650℃
の温度を0.5時間程度保持して焼成することで未硬化
の樹脂フィルムや硬化した導電性樹脂に含まれる有機分
や余分な成分が除去され、背面基板10上に、図3に示
すように、はしご状部材からなる電極母線22、直線状
の補助母線23及びマトリックス状に配置された電極2
0が厚み4.8〜5.2μmで均一な厚みで得られる。
このように、厚みが均一な導電性感光樹脂フィルム30
を電極母線22等の導電体回路の形成に用いることで、
スクリーン印刷で形成する場合に比べてインク溶剤の蒸
発等による経時劣化による電気抵抗値の変動やインク内
部の混合物の成分粒子の偏りによる電気抵抗値の変動等
を抑えることができ、安定した電気回路が得られる。
【0022】続いて、抵抗21を電極母線22と電極2
0とを結ぶように形成する。抵抗21を形成する際に
は、図4(A)に示すように、フォトレジスト35を背
面基板10に均一に塗布する。つづいて、図4(B)に
示すように、抵抗21の形状及び位置に応じた場所に光
遮蔽部36aを設けたマスク36を背面基板10の上方
に位置決めして配置し、フォトレジスト35を露光す
る。そして、図4(C)に示すように、所望の現像剤に
より現像処理すると、たとえば未露光部分35aに抵抗
21の型となる矩形の凹部37が電極母線22と電極2
0との間にそれらの一部を露出するように形成される。
【0023】凹部37が形成されると、図4(D)に示
すように、凹部37に導電性樹脂ペースト38を充填し
乾燥させる。この導電性樹脂ペースト38の充填乾燥を
乾燥時の収縮を考慮して複数回行ってもよい。充填乾燥
が完了すると、図4(E)に示すように、ラッピング装
置400により表面を平滑に研磨しかつ充填された導電
性樹脂ペースト38の厚み(表面高さ)を所定の値(た
とえば10〜15μm)に調整する。そして、600〜
620℃の温度を0.5時間程度保持して焼成すると未
露光部分のフォトレジスト35や導電性樹脂ペースト3
8に含まれる有機分等が除去され、図4(F)及び図3
に示すように、抵抗21が得られる。このようにして得
られた抵抗21は、高さ調整されて厚みが均一になるの
で、抵抗値の変動が少なくなり、放電電圧が変動しにく
くなる。このため、画素毎の明度変動が少ない良好なカ
ラーPDPが得られる。
【0024】抵抗21が形成されると、続いて抵抗2
1、電極20、電極母線22及び補助母線23を覆いか
つ補助母線23の補助陰極24形成部分及び電極20の
陰極13形成部分を露出するように絶縁層15を形成
し、スクリーン印刷法により陰極13及び補助陰極24
を形成する。この絶縁層15の形成の際には、図5
(A)に示すように、絶縁性感光樹脂フィルム40を、
後に剥がされるセパレートフィルムを上にして、ロール
等で背面基板10に展開して貼り付ける。つぎに、図5
(B)に示すように、電極20の陰極13形成部分及び
補助母線23の補助陰極24形成部分を露出するような
形状及び位置に応じた場所に光遮蔽部41aを設けたマ
スク41を背面基板10の上方に位置決めして配置し、
絶縁性樹脂フィルム40を露光する。そして所望の現像
剤で現像すると、たとえば未露光部分40aに、図5
(C)に示すように、陰極13形成用の貫通孔16と補
助陰極24形成用の貫通孔16aとがあけられる。そし
て550〜600℃の温度を0.5時間程度保持して焼
成すると絶縁層15が得られる。絶縁層15が得られる
と、貫通孔16,16aにスクリーン印刷法により導電
性樹脂ペーストを充填し、これを乾燥焼成することで、
図5(D)に示すように、陰極13及び補助陰極24が
得られる。このように、厚みが均一な絶縁性感光樹脂フ
ィルム40を絶縁層15の形成に用いることで、スクリ
ーン印刷で形成する場合に比べて絶縁層15を平滑で均
一な厚みに形成できる。このため、陰極13と陽極間の
距離の変動が少なくなり、放電ギャップの変動が少なく
なる。
【0025】陰極13が形成されると、陰極13を囲む
ように隔壁11を形成する。隔壁11を形成する際に
は、図6(A)に示すように、フォトレジスト45を背
面基板10の絶縁膜15上に均一に塗布する。つづい
て、図6(B)に示すように、隔壁11の形状及び位置
に応じた場所に光遮蔽部46aを設けたマスク46を背
面基板10の上方に位置決めして配置し、フォトレジス
ト45を露光する。そして、図6(C)に示すように、
所望の現像剤により現像処理すると、たとえば未露光部
分45aが除去されてそこに隔壁11の型となるマトリ
ックス状の凹部47が陰極13を囲むように形成され
る。
【0026】凹部47が形成されると、図6(D)に示
すように、凹部47に絶縁性樹脂ペースト48を充填し
乾燥させる。この充填の際には乾燥時の収縮を考慮して
絶縁性樹脂ペースト48を複数回充填乾燥してもよい。
充填が完了すると、図6(E)に示すように、ラッピン
グ装置400により表面を平滑に研磨しかつ充填された
ペーストの厚み(表面高さ)を所定の値(たとえば17
0〜200μm)に調整する。そして、520〜550
℃の温度を0.5時間程度保持して焼成すると露光部分
の絶縁性樹脂ペーストが除去され、図6(F)に示すよ
うに、隔壁11が得られる。このようにして得られた隔
壁11は、高さ調整されて厚みが均一になるので、放電
空間が精度良く形成でき、適切な放電ギャップが得られ
る。このため、画素毎の明度変動が少ない良好なカラー
PDPが得られる。
【0027】隔壁11が形成されると、蛍光体層1
,17,17を隔壁11内に形成する。蛍光体
層17,17,17を形成する際には、図7
(A)に示すように、たとえば赤の蛍光体含有感光樹脂
フィルム50をセパレートフィルムを上にしてロール
等で隔壁11の上に陰極13に透孔52が対向するよう
に配置する。つぎに、図7(B)に示すように、赤の蛍
光体含有樹脂フィルム50を50〜120℃程度の温
度で加熱して軟化させ、軟化後に隔壁11内でU字状に
なるように落とし込む。このとき、陰極13に透孔52
が対向するようにフィルム50を配置しているので、
陰極13は、透孔52から露出するようになる。次に、
図7(C)に示すように、赤の画素に対応した場所に光
透過部51aを設けたマスク51を背面基板10の上方
に位置決めして配置し、赤の蛍光体含有感光樹脂フィル
ム50を露光する。そして、所望の現像剤で現像する
と、図7(D)に示すように、たとえば露光部分50a
だけに蛍光体含有感光樹脂フィルム50が残留する。
そして450〜520℃の温度を0.5時間程度保持し
て焼成すると蛍光体含有感光樹脂フィルム50に含ま
れる有機分等が蒸発して赤の蛍光体層17が得られ
る。そして、同様な手順で緑の蛍光体含有感光樹脂フィ
ルム50及び青の蛍光体含有感光樹脂フィルム50
を用いて前述した手順を繰り返すことにより、緑及び青
の蛍光体層17,17が順次得られる。
【0028】このようにして得られた蛍光体層17
17,17は、隔壁11に沿って倒立釣鐘状にU字
に湾曲した形状に形成されるので、蛍光体層17,1
,17から発せられる光が効率よく前方向に照射
される。このため、発光効率が向上し、輝度が高くコン
トラストに優れたカラーPDPが得られる。また、除去
された蛍光体含有感光樹脂フィルム50,50,5
に含まれる蛍光体は硬化前に除去されるため、再利
用が可能になる。このため、従来方法に比べて高価な蛍
光体を無駄に消費しない。さらに、フィルム50,5
,50に透孔52を予めあけてあるので、DC型
のように隔壁11で四方を囲まれた領域にフィルム50
,50,50を落とし込む場合であっても、領域
内部の空気が透孔52から抜けて領域内にフィルム50
,50,50を確実に落とし込める。
【0029】このようにして背面側パネル2が製造され
ると別工程で製造された前面側パネル3と貼り合わさ
れ、内部の空気を不活性ガスに置換して表示部分が完成
する。最後に電子回路やシャーシを組み立ててPDP1
が完成する。
【0030】〔他の実施形態〕 (a) DC型のカラーPDPの蛍光体層に代えて、A
C型の蛍光体層の形成にも本発明を適用できる。この場
合には、隔壁で二方を囲まれた領域にアドレス電極を覆
うようにフィルムを配置すればよい。この場合には蛍光
体層の形成領域が密閉されないのでフィルムに孔をあけ
なくてもよい。 (b) フィルムの不要部分の除去を露光現像に代えて
機械的な切断加工によって行ってもよい。 (c) フィルムを隔壁上に配置する前に、フィルムの
他の色の画素や補助電極部分等に対応する部分を予め除
去しておいてもよい。この場合には、蛍光体の無駄な消
費をより抑えられる。
【0031】次に、図8に、本発明の別の実施形態に関
わるプラズマディスプレイ用の蛍光体層用フィルムの構
造を表す斜視図を示す。図9は、蛍光体層用フィルムの
形成方法を示す。図10は、蛍光体層の形成方法につい
て記載している。先の実施形態では3色の蛍光体層を形
成するとき、1色ずつ蛍光体層を形成するものであった
が、この別の実施形態では3色の蛍光体層を一度に形成
することができるものである。
【0032】図8において、1枚の蛍光体層用フィルム
111は、3色のRGB(赤、緑、青)の蛍光体粉末
を、有機高分子バインダからなる樹脂フィルム113中
に分散させた構造(蛍光体粉末が分散された蛍光体部は
112,112,112で示す。)になってお
り、その位置は、隔壁117の位置に対応するようにな
っている。これらの蛍光体部112,112,11
は、可撓性フィルム114上に形成された構造にな
っている。
【0033】図9を用いて、DC型のプラズマディスプ
レイの場合について説明する。蛍光体層用フィルムを形
成する方法は、3種類の蛍光体粉末と有機高分子バイン
ダとを所定の混合比で混合した蛍光体液状物を作製する
工程と、蛍光体液状物を可撓性のフィルム114上の隔
壁117間の蛍光体層112,112,112
形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、有機高分子
バインダのみからなるバインダ液状物を蛍光体液状物が
塗布されていない部分に塗布し乾燥する工程と、を備え
るようにしている。このフィルムの一例としては、紫外
線硬化型のアクリル樹脂50wt%、有機溶剤50wt
%(例えば、ブチルセロソルブ)からなる有機高分子バ
インダに、アクリル樹脂の体積と同じ体積の蛍光体粉末
を混合撹拌し、蛍光体液状物を作製する。有機高分子バ
インダを入れるのは、パターニング性を良くするためで
ある。粘度は約5Pa・Sである。一方、有機高分子バ
インダの分子量を大きくし、粘度が蛍光体液状物と同程
度になるように調整したものをバインダ液状物とする。
蛍光体液状物を厚さ30μmの可撓性のあるPETフィ
ルム114上に、凹版オフセット印刷法を用いて、蛍光
体の発色光別に印刷、乾燥を繰り返して蛍光体パターン
115を形成する(図9(A)参照)。パターンは、D
C型のPDP用にドット状とし、その大きさは600μ
m×400μmとする。その後、蛍光体パターン115
の隙間を同様に印刷にて、バインダ液状物を印刷、乾燥
し、蛍光体パターン同士を樹脂フィルム113でつなぎ
合わせた形とする(図9(B)参照)。このようにし
て、蛍光体層用フィルム111を作製する。
【0034】前記フィルムの形成方法において、バイン
ダ液状物を塗布し乾燥する工程は省略するようにしても
よい。また、3色の蛍光体を含むフィルムの形成方法に
ついて述べたが、最初の実施形態のように1色のみの蛍
光体を含むフィルムを形成する場合には、蛍光体液状物
作製工程及び蛍光体の塗布乾燥工程において、3色の蛍
光体に代えて1色の蛍光体のみからフィルムを形成する
ようにしてもよい。
【0035】図10を用いて、蛍光体層の形成方法につ
いて説明する。まず、図10(A)に示すように、電極
116、隔壁117など(以下の図では、理解しやすく
するため、絶縁層は省略する)が形成された背面基板1
18と、蛍光体層用フィルム111の位置合わせを行
う。この位置合わせのとき、例えば、加熱してフィルム
111の下面を隔壁117の上面に仮接着し、可撓性P
ETフィルムを剥がす。図10(B)に示すように、加
熱された熱風、又は加熱されたゴムなどの弾性のある材
質からなるローラ又はピンなどの加圧治具を用いて隔壁
117間の空間内へ蛍光体部112,112,11
を好ましくは均一な圧力を印加して挿入する。その
後、図10(C)に示すように、フォトマスク150を
通して紫外線を照射し、紫外線がフォトマスク150の
開口部150aを介して照射された硬化部119と紫外
線がフォトマスク150により遮られて照射されなかっ
た未硬化部120を作る。次いで、図10(D)に示す
ように、現像液として、炭酸ナトリウムの0.2wt%
の水溶液を用いて、未硬化部120を溶解除去する。こ
のようにして、パターンを形成した後、空気中、約50
0℃で焼成しバインダ成分を除去する。このようにし
て、背面側パネル118を作製する。このようにして製
造した背面側パネル118と別工程で製造された前面側
パネルとを張り合わせ、内部の空気を不活性ガスに置換
して表示部分が完成され、最後に電子回路とシャーシを
組み立ててカラーPDPを完成する。
【0036】隔壁117間へ蛍光体層用フィルムを挿入
する方法として、ローラやピン状の部材により押し込む
方法の他に、加熱、加圧された空気流を用いてもよい。
加熱温度は、吹き出し口の温度で100℃、加圧力は、
2kg/cmとし、蛍光体層用フィルムからの距離は
10mmで良好な挿入結果が得られる。前記フィルムを
硬化させる媒体として紫外線に限定されるものではな
く、電子線でもよい。可撓性のPETフィルム114上
に形成される蛍光体部の厚さとしては、最大60μmで
あるのが好ましい。また、隔壁は例えばアルミナ、シリ
カ、低融点ガラスなどの無機材料から構成されるのが好
ましい。
【0037】また、可撓性PETフィルム114の上
に、予め隔壁間に形成される蛍光体層の形状に近いU字
型形状の蛍光体部を形成し、該蛍光体部を隔壁間の所定
位置に配置して、紫外線により必要な部分のみ硬化さ
せ、不要な部分を未硬化として除去するようにしてもよ
い。この場合、さらに、蛍光体部の形状を図10(D)
の蛍光体層17,17,17のような形状として
おいて紫外線露光工程を省略可能としてもよい。
【0038】[他の実施形態]図11(A),(B)に
示すように、前記蛍光体層用フィルム111には、蛍光
体部112,112,112には陰極13に対応
する位置にフィルム厚み方向に貫通する透孔160を予
め形成し手、現像を不要とし、かつ、バインダー成分も
紫外線硬化型の樹脂を使用する必要がなくなるようにし
てもよい。AC型のプラズマディスプレイの場合につい
て説明する。図12に本発明のもう一つの実施形態にか
かる蛍光体層用フィルムの形成方法を示す。図13は、
蛍光体層の形成方法について記載している。蛍光体層用
フィルムを形成する方法は、3種類の蛍光体粉末と有機
高分子バインダとを所定の混合比で混合した蛍光体液状
物を作製する工程と、蛍光体液状物を可撓性のフィルム
114上の隔壁117間の蛍光体層112,11
,112を形成する想定位置に塗布し乾燥する工
程と、を備えるようにしている。このフィルムの一例と
しては、アクリル樹脂50wt%、有機溶剤50wt%
(例えば、ブチルセロソルブ)からなる有機高分子バイ
ンダに、アクリル樹脂の体積と同じ体積の蛍光体粉末を
混合撹拌し、蛍光体液状物を作製する。粘度は約5Pa
・Sであった。蛍光体液状物を厚さ30μmの可撓性の
あるPETフィルム124上に、凹版オフセット印刷法
を用いて、蛍光体の発色光別に印刷、乾燥を繰り返して
蛍光体パターン125を形成する。パターンは、AC型
のPDP用にストライプ状とし、幅200μm、長さ4
00mmとする。このようにして、蛍光体層用フィルム
121を作製する。
【0039】図13を用いて、前記図12のフィルムに
よる蛍光体層の形成方法について説明する。まず、図1
3(A)に示すように、電極126、隔壁127など
(AC型では絶縁層が配置されていないタイプと配置さ
れているタイプがあるが、ここでは簡略化のため絶縁層
の図示は省略する)が形成された背面基板128と、蛍
光体層用フィルム121の位置合わせを行う。この位置
合わせのとき、例えば、加熱してフィルム121の下面
を隔壁127の上面に仮接着し、可撓性PETフィルム
を剥がす。続いて、図13(B)に示すように、加熱さ
れた熱風、又は加熱されたゴムなどの弾性のある材質か
らなるローラ又はピンなどの加圧治具を用いて隔壁12
7間の空間内へ蛍光体部122,122,122
を挿入する。このようにして、パターンを形成した後、
空気中、約500℃で焼成しバインダ成分を除去する。
このようにして、図13(C)に示すように、背面側パ
ネル128を作製する。このようにして製造した背面側
パネル128と別工程で製造された前面側パネルとを張
り合わせ、内部の空気を不活性ガスに置換して表示部分
が完成され、最後に電子回路とシャーシを組み立ててカ
ラーPDPを完成する。また、可撓性PETフィルム1
24の上に、予め隔壁間に形成される蛍光体層の形状に
近いU字型形状の蛍光体部を形成し、該蛍光体部を隔壁
間の所定位置に配置して、紫外線により必要な部分のみ
硬化させ、不要な部分を未硬化として除去するようにし
てもよい。この場合、さらに、蛍光体部の形状を図13
(C)の蛍光体層417,417,417のよう
な形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる蛍光体層形成方
法で得られたPDPの斜視部分図である。
【図2】 前記実施形態において、電極回路の製造手順
を説明する断面模式図である。
【図3】 前記実施形態において、抵抗及び電極回路の
平面部分図である。
【図4】 前記実施形態において、抵抗の製造手順を説
明する断面模式図である。
【図5】 前記実施形態において、絶縁層の製造手順を
説明する断面模式図である。
【図6】 前記実施形態において、隔壁の製造手順を説
明する断面模式図である。
【図7】 前記実施形態において、蛍光体層の形成手順
を説明する断面模式図である。
【図8】 本発明の別の実施形態にかかる蛍光体層用フ
ィルムの概念を示す断面構造図である。
【図9】 図8の実施形態にかかる蛍光体層用フィルム
形成方法を説明する図である。
【図10】 図8の実施形態で得られた蛍光体層の形成
方法を説明する図である。
【図11】 本発明のさらに別の実施形態の蛍光体層用
フィルムの形成方法を説明する図である。
【図12】 本発明のさらに別の実施形態の蛍光体層用
フィルムの形成方法を説明する図である。
【図13】 図12の実施形態の蛍光体層用フィルムを
用いた蛍光体層の形成方法を説明する図である。
【図14】 従来の技術で作成されたAC型カラーPD
Pの断面構造図である。
【図15】 従来の技術で作成されたDC型カラーPD
Pの断面構造図である。
【符号の説明】
1 PDP 2 背面側パネル 10 背面基板 11 隔壁 13 陰極 17、17、17 蛍光体層 46 マスク 50、50、50 蛍光体含有感光樹脂フィルム 52 透孔 111、121 蛍光体層用フィルム 112、112、112、122、122
122 RGBの蛍光体部 113 紫外線硬化型バインダからなる樹脂フィルム 114、124 PETフィルム 115、125 蛍光体パターン 116、126 電極 117、127 隔壁 118、128 背面基板 119 硬化部 120 未硬化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 孝夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三輪 清仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 関原 敏伸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 順治 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマディスプレイに用いられる蛍光
    体層用フィルムであって、 可撓性フィルム(114,124)のプラズマディスプ
    レイの背面基板に形成された隔壁(117,127)の
    蛍光体層を形成する想定位置に蛍光体粉末を有機高分子
    バインダ中に分散させた蛍光体部(112,11
    ,112,122,122,122)を有
    することを特徴とするプラズマディスプレイ用蛍光体層
    用フィルム。
  2. 【請求項2】 プラズマディスプレイに用いられる蛍光
    体層用フィルムであって、 可撓性フィルム(114,124)のプラズマディスプ
    レイの背面基板に形成された隔壁(117,127)の
    3発光色の蛍光体層を形成する想定位置に3発光色の蛍
    光体粉末を有機高分子バインダ中に分散させた蛍光体部
    (112,112,112,122,12
    ,122)を形成したことを特徴とするプラズマ
    ディスプレイ用蛍光体層用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記有機高分子バインダが紫外線架橋型
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズ
    マディスプレイ用蛍光体層用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記有機高分子バインダが有機溶剤溶解
    型又は水溶解型であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のプラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルム。
  5. 【請求項5】 蛍光体層用フィルムの形成方法であっ
    て、 蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混合比で混
    合した蛍光体液状物を作製する工程と、 蛍光体液状物を可撓性のフィルム(114,124)上
    の隔壁(117,127)間の蛍光体層(112,1
    12,112,122,122,122)を
    形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、 有機高分子バインダのみからなるバインダ液状物を蛍光
    体液状物が塗布されていない部分に塗布し乾燥する工程
    と、 を備えるプラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルムの
    形成方法。
  6. 【請求項6】 蛍光体層用フィルムの形成方法であっ
    て、 蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混合比で混
    合した蛍光体液状物を作製する工程と、 蛍光体液状物を可撓性のフィルム(114,124)上
    の隔壁(117,127)間の蛍光体層(112,1
    12,112,122,122,122)を
    形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、 を備えるプラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルムの
    形成方法。
  7. 【請求項7】 蛍光体層用フィルムの形成方法であっ
    て、 3種類の蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混
    合比で混合した蛍光体液状物を3種類作製する工程と、 3種類の蛍光体液状物を可撓性のフィルム(114,1
    24)上の隔壁(117,127)間の蛍光体層(11
    ,112,112,122,122,12
    )を形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、 有機高分子バインダのみからなるバインダ液状物を蛍光
    体液状物が塗布されていない部分に塗布し乾燥する工程
    と、 を備えるプラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルムの
    形成方法。
  8. 【請求項8】 蛍光体層用フィルムの形成方法であっ
    て、 3種類の蛍光体粉末と有機高分子バインダとを所定の混
    合比で混合した蛍光体液状物を3種類作製する工程と、 3種類の蛍光体液状物を可撓性のフィルム(114,1
    24)上の隔壁(117,127)間の蛍光体層(11
    ,112,112,122,122,12
    )を形成する想定位置に塗布し乾燥する工程と、 を備えるプラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルムの
    形成方法。
  9. 【請求項9】 プラズマディスプレイの背面基板に蛍光
    体層を形成する方法であって、 請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体層用フィルムを
    隔壁(117,127)が形成された背面基板上に配置
    する配置工程と、 蛍光体層用フィルム上面より均一な圧力を印加し隔壁間
    へ挿入する落とし込み工程と、 挿入されたフィルムに所定のマスクを通して紫外線を照
    射する工程と、 紫外線を照射されなかった部分を除去する工程と、 蛍光体層用フィルム中の有機高分子バインダを焼成する
    工程と、 を備えることを特徴とするプラズマディスプレイの蛍光
    体層形成方法。
  10. 【請求項10】 プラズマディスプレイの背面基板に蛍
    光体層を形成する方法であって、 請求項1、2、又は4に記載の蛍光体層用フィルムを隔
    壁(117,127)が形成された背面基板上に配置す
    る配置工程と、 蛍光体層用フィルム上面より均一な圧力を印加し隔壁中
    へ挿入する工程と、 蛍光体層用フィルム中の有機高分子バインダを焼成する
    工程と、 を備えることを特徴とする交流型プラズマディスプレイ
    の蛍光体層形成方法。
  11. 【請求項11】 プラズマディスプレイに用いられる背
    面基板に形成された隔壁で少なくとも二方を囲まれた領
    域に蛍光体層を形成する方法であって、 少なくとも有機高分子バインダと蛍光体粉末と反応開始
    剤と反応促進剤とを含む蛍光体層用フィルムを前記隔壁
    が形成された背面基板上に配置する配置工程と、 前記背面基板上に配置された蛍光体層用フィルムの一部
    又は全部を前記領域内に挿入する落とし込み工程と、 前記領域内に一部又は全部が落とし込まれた蛍光体層用
    フィルムの不要部分を除去する第1除去工程と、 前記不要部分が除去された領域内の蛍光体層用フィルム
    を焼成して前記領域内に蛍光体層を形成する層形成工程
    と、を含む蛍光体層形成方法。
  12. 【請求項12】 前記蛍光体層用フィルムを前記背面基
    板上に配置する前に、前記蛍光体層用フィルムの不要部
    分を除去する第2除去工程をさらに含む、請求項11記
    載の蛍光体層形成方法。
  13. 【請求項13】 前記背面基板には、マトリックス状に
    配置された電極と前記電極の周囲を囲むようにマトリッ
    クス状に配置された隔壁とが予め形成されており、前記
    蛍光体層用フィルムには、前記電極に対応する位置に微
    小孔が形成されている、請求項11又は12記載の蛍光
    体層形成方法。
  14. 【請求項14】 前記焼成工程で焼成されて形成された
    蛍光体層は、前記隔壁に沿って倒立釣鐘状に湾曲して形
    成されている、請求項11〜13のいずれかに記載の蛍
    光体層形成方法。
  15. 【請求項15】 前記第1除去工程は、露光現像により
    前記不要部分を除去する工程である、請求項11〜14
    のいずれかに記載の蛍光体層形成方法。
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JP8319811A Pending JPH09213217A (ja) 1995-11-30 1996-11-29 プラズマディスプレイ用蛍光体層用フィルム及び蛍光体層用フィルム形成方法及び蛍光体層形成方法

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