JPH08129958A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents

画像表示装置およびその製造方法

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JPH08129958A
JPH08129958A JP26474694A JP26474694A JPH08129958A JP H08129958 A JPH08129958 A JP H08129958A JP 26474694 A JP26474694 A JP 26474694A JP 26474694 A JP26474694 A JP 26474694A JP H08129958 A JPH08129958 A JP H08129958A
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い製造効率および形状精度を維持し、且
つ、気密空間内への不純ガス放出を好適に抑制し得る画
像表示装置およびその製造方法を提供する。 【構成】 隔壁18は、比較的焼成残存率が高い低融点
ガラスペーストを印刷積層することにより形成された比
較的多孔質の本体部28の上端面32に、焼成後に比較
的緻密質となる低融点ガラスペースト34を載置し、そ
の上端面32と平行な方向へスキージ36を走査してそ
の低融点ガラスペースト34を掻き落とすと共に焼成す
ることにより、本体部28の表面を比較的緻密質の被覆
層30によって覆って形成される。これにより、本体部
28の微細な開口内に内包されている未燃焼成分中のガ
スや吸着ガス等の不純ガスが、放電ガス封入後に放電空
間16内へ放出されることが抑制される。しかも、隔壁
18の本体部28は比較的多孔質とされているため、従
来と同様に焼成残存率が高い材料を用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
や蛍光表示管等の画像表示装置およびその製造方法に関
し、特に、気密空間内に設けられるリブ状壁の構造およ
び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気密空間内の一部から選択的に発光させ
ることにより所望の文字・記号・図形等の画像を表示さ
せる形式の画像表示装置として、例えば、PDP(プラ
ズマディスプレイパネル:Plasma Display Panel)やV
FD(蛍光表示管:Vaccum Fluorescent Display)等が
知られている。
【0003】上記のPDPは、例えば、一対の平行平板
間に形成される気密空間を複数の放電空間に区分するた
めのリブ状壁と、それら複数の放電空間内で選択的に放
電を発生させるための複数本の放電電極とを備えたもの
であり、選択された所定の放電空間内で放電により発生
するプラズマを利用して発光させるものである。例え
ば、単色表示のPDPにおいてはプラズマの生成に伴う
ネオンオレンジ等の発光がそのまま表示に利用され、一
方、カラー表示のPDPにおいては放電空間内に蛍光体
が備えられて、プラズマによって生じた紫外線によって
励起された蛍光体の発光が表示に利用される。このよう
なPDPは、薄型大表示面とすることが比較的容易であ
ると共に、ブラウン管並の比較的広い視野角および早い
応答速度が得られるため、ブラウン管に代わる画像表示
装置として考えられている。
【0004】また、上記のVFDは、気密空間に面する
平板の一面上に複数個の陽極およびその陽極上に固着さ
れた蛍光体層とを備えると共に、気密空間内のその一面
から離隔した位置に陰極を備えたものであり、陰極から
発生する電子を蛍光体層に衝突させることにより、その
蛍光体層を選択的に発光させるものである。このような
VFDは、陰極から発生した電子が衝突させられる蛍光
体層の表面が表示側に位置するために動作電圧が低く鮮
明に表示されると共に、発光色の異なる蛍光体層を用意
することによりカラー表示が可能となる等の特徴がある
ため、音響機器や自動車の表示パネルの表示部品として
多用されている。
【0005】上記のようなVFDにおいては、陽極上の
蛍光体層の発光を制御するためのグリッド電極が蛍光体
層の制御単位毎に備えられる。所定のグリッド電極に正
電圧が印加された場合には、陰極から発生させられた電
子がグリッド電極によって加速され、そのグリッド電極
に対応する位置にある陽極上の蛍光体層に衝突させられ
てその蛍光体層が発光させられるが、所定のグリッド電
極に負電圧が印加された場合には、陰極から発生させら
れた電子が遮蔽されて、そのグリッド電極に対応する位
置にある陽極上の蛍光体層を発光させないようにする。
【0006】上記グリッド電極は様々な構造が考えられ
ており、例えば、特開昭62−290050号公報に記
載されているVFDに用いられているものは、その一例
である。このVFDにおいては、蛍光体層の周囲にリブ
状壁が設けられてグリッド電極はその頂部に形成され、
このグリッド電極の内側に位置する蛍光体層単位に発光
が制御される。この技術によれば、従来用いられていた
メッシュ状グリッド電極のように蛍光体層からの発光を
遮ることないため比較的高い輝度が得られると共に、グ
リッド電極が従来と同様比較的高い位置に設けられて陰
極と陽極との間に位置させられるため、十分な加速遮蔽
作用が得られるという特徴がある。
【0007】
【発明が解決すべき課題】上記従来のPDPおよびVF
Dは、何れも一面が気密空間に面する平板と、その平板
の一面上に立設されてその一面を区分するリブ状壁とを
備えたものである。このリブ状壁は、例えば、以下のよ
うな方法によって形成される。 所定のパターンの厚膜スクリーンを用いて、厚膜絶
縁ペーストを印刷積層するスクリーン印刷法。 全面ベタに印刷積層或いはブレード等によりコート
した厚膜絶縁ペースト上に、所定のパターンのマスクを
形成して、ガラスビーズブラスト等によって不要な部分
の厚膜絶縁ペーストを除去するドライエッチング法。 リブ状壁の反転パターンに形成されたフォトレジス
ト膜間の凹部に厚膜絶縁ペーストを充填した後、フォト
レジスト膜を除去するリフトオフ法。 感光性材料(フォトレジスト)を添加した厚膜絶縁
ペーストを、全面ベタに印刷積層或いはブレード等によ
りコートし、パターン形成するフォトリソ法。
【0008】上記の厚膜絶縁ペーストとしては、例え
ば、低融点ガラスのような無機結合剤に、適当な充填材
(すなわちフィラー:例えばアルミナ,ジルコニア,チ
タン酸鉛,チタン酸バリウム等、或いは焼成温度に対し
て高い軟化点を持つガラス等)が添加されたものが用い
られる。この充填材は、以下の目的で添加されるもので
ある。 厚膜絶縁ペーストのレオロジーを制御して、膜形成
条件,乾燥条件,焼成条件等のばらつきを吸収する。 焼成時の無機結合剤の軟化による厚膜パターン収縮
を抑制し、焼成残存率(リブ状壁にあっては[焼成後の
体積/印刷乾燥後焼成前の体積])のばらつきを小さく
する。これにより、気密空間内で均一表示させるための
所定の寸法精度(例えばPDPにおいては放電ギャッ
プ、VFDにおいてはアノード・グリッド間ギャップ)
や、視野角度を均一とするための断面形状精度が確保で
きて、表示特性が得られる。 スクリーン印刷法においては、印刷パターンの保形
性を得ると共に積層回数を少なくする。 ドライエッチング法においては、ブラストによる除
去効率を高める。 リフトオフ法においては、ペーストの粘性或いは基
板との密着強度を調整して、均一なペースト充填を可能
とする。 フォトリソ法においては、解像性を制御する。
【0009】上記の厚膜絶縁ペーストは、充填材の添加
比率を高くするに従って、焼成残存率が高くなると共
に、材料効率が向上する。この効果は、特にスクリーン
印刷法による場合に顕著であるが、その他の製法におい
ても製造効率が向上する。しかし、その一方、焼成後の
リブ状壁には、充填材の添加比率に比例して多数の微細
な開口が形成され、その表面積が大きくなる。
【0010】前記PDPやVFD等のように気密空間内
で電子放出させ、直接或いは間接に発光させる画像表示
装置においては、その気密空間内に不純ガスがあると、
PDPでは放電のための不活性ガスの純度が低下し、V
FDでは真空度が低下する。また、何れにおいても電極
や蛍光体が劣化させられて、発光・表示品質が低下す
る。したがって、気密空間内の不純ガスは可及的に少な
くされることが必要である。ところが、上記のようにリ
ブ状壁が多孔質に形成されていると、微細な開口内に、
焼成過程で分解されなかった厚膜印刷ペースト中のバイ
ンダ成分(すなわち、未燃焼成分)が内包されたり、水
分や二酸化炭素等のガスが吸着され、不活性ガス封入或
いは真空処理の後に、未燃焼成分に含まれるガスや吸着
されたガス(すなわち、不純ガス)が、微細な開口を通
して徐々に気密空間内に放出されることとなるという問
題があった。そのため、これらを気密空間の形成過程に
おいて、例えば、加熱等することによって除去する必要
があるが、材料や工程上の制約から十分に脱ガスできる
温度まで加熱することができないのである。
【0011】これに対して、リブ状壁を緻密質に形成す
れば、リブ状壁にガスが吸着され難く、且つ内包される
未燃焼成分に含まれるガスが気密空間へ出難いため、気
密空間内に不純ガスが放出されるという問題は生じない
が、緻密質のリブ状壁を形成するためには、焼成残存率
が比較的低い厚膜絶縁ペーストを用いることが必要とな
る。そのため、印刷積層回数が多くなって製造効率が低
下すると共に、焼成時の変形が大きくなって高い形状精
度が得られなくなる。しかも、緻密質のリブ状壁では、
ドライエッチング法等による処理が困難となるという問
題が生じるのである。
【0012】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、高い製造効
率および形状精度を維持し、且つ、気密空間内への不純
ガス放出を好適に抑制し得るリブ状壁を備えた画像表示
装置およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、一面が気密
空間に面する平板と、その平板の一面上に立設されてそ
の一面を区分するリブ状壁とを備えて、その気密空間内
のリブ状壁に囲まれた一部から選択的に発光させること
により所望の画像を表示させる形式の画像表示装置であ
って、前記リブ状壁が、比較的多孔質の本体部と、その
本体部の表面に設けられた比較的緻密質の被覆層とを含
むことにある。
【0014】
【作用および第1発明の効果】このようにすれば、リブ
状壁は比較的多孔質の本体部とその本体部の表面に設け
られた比較的緻密質の被覆層とを含んで構成されるた
め、画像表示装置の気密空間内には表層部が比較的緻密
質とされたリブ状壁が備えられる。したがって、その表
層部にはガスが吸着されず、また、本体部の微細な開口
内に厚膜印刷ペースト中の未燃焼成分が内包され、或い
は水分や二酸化炭素等のガスが吸着されている場合に
も、気密空間内に不純ガスが放出されることが被覆層に
よって妨げられる。しかも、リブ状壁の本体部は多孔質
とされているため、従来と同様に焼成残存率が高い材料
を用いることができる。リブ状壁の表層部が緻密質とさ
れていれば、本体部の微細な開口内に内包された未燃焼
成分中のガスや吸着ガス等の不純ガスが、気密空間内へ
放出されることが抑制されるため、本体部を構成する材
料は特性面からは制限されないのである。したがって、
高い製造効率および形状精度を維持し、且つ、気密空間
内への不純ガス放出を好適に抑制し得るリブ状壁を備え
た画像表示装置が得られる。
【0015】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記の目的
を達成するための第2発明の要旨とするところは、一面
が気密空間に面する平板と、その平板の一面上に立設さ
れてその一面を区分するリブ状壁とを備えて、その気密
空間内のリブ状壁に囲まれた一部から選択的に発光させ
ることにより所望の画像を表示させる形式の画像表示装
置の製造方法であって、前記リブ状壁が、(a) 所定の高
さの比較的多孔質の本体部を形成する本体部形成工程
と、(b) その形成された本体部の上端面に、焼成後に比
較的緻密質となる厚膜絶縁ペーストを所定の厚みで載置
する載置工程と、(c) その本体部の上端面に平行な方向
へスキージを走査して、その上端面に載置された厚膜絶
縁ペーストを掻き落とすことにより、その本体部の側壁
面をその厚膜絶縁ペーストで被覆する被覆工程と、(d)
その厚膜絶縁ペーストから比較的緻密質の被覆層を加熱
生成する加熱工程とを、含む工程により形成されること
にある。
【0016】
【作用】このようにすれば、画像表示装置のリブ状壁
は、本体部形成工程において比較的多孔質の本体部を形
成し、載置工程においてその本体部の上端面に所定の厚
みの厚膜ペーストを載置し、被覆工程においてその本体
部の上端面に平行な方向へスキージを走査して厚膜絶縁
ペーストを掻き落とすことによりその本体部の側壁面を
厚膜絶縁ペーストで被覆し、更に、加熱工程において加
熱して厚膜絶縁ペーストから比較的緻密質の被覆層を生
成することで形成される。この場合において、適切な粘
性に調整された厚膜絶縁ペーストは、スキージで掻き落
とすことにより、本体部の側壁面に沿って下方に向かっ
て流動させられるが、その側壁面が多孔質とされてその
表面における流動抵抗が高いため、その側壁面に一部が
固着されながら流下させられる。
【0017】
【第2発明の効果】上記により、前記第1発明に示した
比較的多孔質の本体部と比較的緻密質の被覆層とを含む
リブ状壁、すなわち、高い形状精度および高い製造効率
を維持し、且つ、気密空間内への不純ガス放出を好適に
抑制し得るリブ状壁を備えた画像表示装置が得られる。
なお、上記の本体部形成工程は、例えば前述のスクリー
ン印刷法やドライエッチング法等の従来から一般的に行
われている種々の手法が用いられ得る。
【0018】ここで、好適には、前記第1発明および第
2発明において、前記リブ状壁の被覆層は鉛(Pb)お
よびアルカリ成分(Na等)を含まない低融点ガラスか
ら形成される。鉛やアルカリ成分は、一般に、融点の調
節や製造コストの低減の目的で低融点ガラスに添加され
て、PbO或いはNaO等として存在するものである
が、これらの元素は単元素化或いはイオン化することに
より、画像表示装置の構造,電気的駆動条件や信頼性面
で障害を与える可能性があることから、電子部品として
好ましくないものである。上記のようにすれば、被覆層
にそのような元素が含まれていないため、画像表示装置
が用いられるに際して、鉛元素が存在することによる放
電特性や絶縁性の低下、アルカリ成分が存在することに
よるマイグレーション加速から生じる絶縁信頼性の低下
等を好適に抑制できる。
【0019】また、好適には、前記リブ状壁には、前記
被覆層の表面の所定の部分に、その被覆層よりも多孔質
とされた厚み制御層が設けられる。このようにすれば、
前記のリブ状壁の製造方法における被覆工程と同様な手
法で、リブ状壁の表面にペーストを用いて何らかの層を
形成する際に、厚み制御層の表面においてはペーストの
流動抵抗が高くされるため、リブ状壁の壁面においてそ
の厚みを大きく制御することが可能である。例えば、リ
ブ状壁の表面および平板の一面に蛍光体層を設ける場合
には、リブ状壁の側壁面の上部のみに厚み制御層を設け
ることにより、蛍光体ペーストの厚みを略均一とするこ
とが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。なお、以下の説明において、図面の各部の寸法
の比率等は必ずしも正確に描かれたものではない。
【0021】図1は、本発明の画像表示装置の一実施例
であるDC型PDP10の構造を示す図である。DC型
PDP10は、例えばガラス平板から成り、透光性を有
する前面板12と、同様にガラス平板から成る背面板1
4と、それら前面板12と背面板14との間に互いに平
行な複数本の放電空間16を形成する複数本の長手状の
隔壁18とを備えて構成されている。隔壁18の間隔す
なわち放電空間16の幅は0.3〜2.0mm程度とさ
れ、また、隔壁の高さは100〜500μm程度とされ
ている。本実施例においては、上記の背面板14が平板
に、放電空間16が気密空間に、隔壁18がリブ状壁に
それぞれ相当する。
【0022】上記の前面板12の背面板14側に位置す
る内面には、前記隔壁18と直交する方向が長手方向と
された複数本のトリガー電極20が誘電体層22によっ
てそれぞれ覆われた状態で設けられており、その誘電体
層22の表面にはトリガー電極20に沿ってその幅方向
にややずれた状態で複数本のカソード電極24が設けら
れている。上記トリガー電極20およびカソード電極2
4は、何れもそれぞれ略等間隔に配列形成されていると
共に、誘電体層22によって絶縁させられており、これ
によりトリガー電極20とカソード電極24との間の交
流放電(トリガー放電)が可能とされている。
【0023】上記のトリガー電極20は、例えばAg,
Au,Al等の導電体を厚膜印刷することにより、例え
ば 0.5〜15μm 程度の厚さに形成されたものであり、誘
電体層22は、例えば低軟化点ガラス等を同様に厚膜印
刷することにより、例えばトリガー電極20上の厚みが
20〜60μm 程度に形成されたものである。また、上記カ
ソード電極24は、例えば幅 0.1〜0.5mm 程度、厚さ 5
〜50μm 程度の寸法に、Ni(ニッケル),Al(アル
ミニウム)等の導電体を厚膜印刷して形成されたもので
あり、複数本のカソード電極24相互の間隔すなわち隣
接するカソード電極24の中心間距離は例えば 0.3〜2.
0mm 程度とされている。
【0024】また、前記背面板14上には、前記複数の
隔壁18に沿ってその間の位置に、複数本のアノード電
極26がそれぞれ等間隔に配列形成されている。すなわ
ち、カソード電極24とアノード電極26とは互いに直
交してマトリックス状に配列されており、このカソード
電極24とアノード電極26との交点がPDP10の1
ドットに相当する。上記アノード電極26は例えば幅
0.1〜0.5mm 程度、厚さ0.05〜0.5 μm 程度の寸法に、
カソード電極24と同様にNi,Al等を厚膜印刷して
形成されたものであり、複数本のアノード電極26相互
の間隔は例えば 0.3〜2.0mm 程度とされている。
【0025】また、前記隔壁18は、低軟化点ガラスか
ら形成されてものであり、図2に断面を拡大して示すよ
うに、例えば気孔率15〜70%程度の微細な開口を多数有
する比較的多孔質の本体部28と、その本体部28を覆
う例えば厚み 2〜10μm 程度、気孔率 0〜30%程度の比
較的緻密質の被覆層30とから構成されている。
【0026】本体部28は、例えば、従来から隔壁18
の材料として一般的に用いられている鉛ガラスに、所定
量(例えば50wt%程度)のアルミナ等の充填材(フィラ
ー)と、粘性を得るための有機成分(樹脂と溶剤)とを
添加することによって調整されたガラスペーストから形
成される。所定の版を用いた厚膜スクリーン印刷によっ
て印刷・乾燥を繰り返して、背面板14上に上記のガラ
スペーストを所定の高さまで積層した後に、所定の温度
で焼成することにより本体部28が形成される。上記充
填材は、ガラスペーストの粘性調整、厚膜印刷パターン
の保形性確保、本体部28の焼成残存率を高くすること
によって、形状精度を得ると共に印刷積層回数を減じて
製造効率を高める等の目的で添加されているものであ
り、これにより、上述のように本体部28は気孔率15〜
70%程度の多孔質とされているのである。本実施例にお
いては、上記印刷積層する工程および焼成工程が本体部
形成工程に相当する。
【0027】一方、被覆層30は、例えば以下のように
して形成される。先ず、例えば特開平3−196441
号公報に記載されている(例えば、第3頁上左欄第13
行乃至同頁下左欄第12行参照)高アスペクト比のスペ
ーサ(リブ状壁)の製造方法を利用して、図3(a) に示
すように、上記の本体部28の上端面32に、焼成後に
比較的緻密質となる低融点ガラスペースト34を例えば
5〜20μm 程度の厚みで載置する。上記公報に記載され
ている技術は、予め形成されたスペーサ基体(本実施例
においては本体部30に相当する)上に、スペーサ基体
の幅よりも広いスペーサのパターン或いは全面ベタの印
刷面を持つ版を用いてペーストを印刷するものである。
スキージの移動に従って版がスペーサ基体の上端面に接
触させられると、スクリーン印刷の特性により、その接
触した上端面にのみペーストが塗布されるのである。
【0028】なお、上記低融点ガラスペースト34は、
例えば、鉛(Pb)やアルカリ分(Na等)を含まない
Bi2O3−ZnO −B2O3−SiO2系ガラス等に、粘性を得るた
めの有機成分(樹脂と溶剤)が添加されたものであり、
上記の本体部28のような多量の充填材は添加されてい
ないものが用いられる。充填材の添加は、主として着色
および粘性調整のために必要な最小限の量とされる。ま
た、上記載置される低融点ガラスペースト34の厚み
は、本体部28の寸法や形成する被覆層30の厚みに応
じて適宜設定されるものである。本実施例においては、
上記の図3(a) に示される上端面32に低融点ガラスペ
ースト34を載置する工程が載置工程に対応する。
【0029】そして、図3(b) に示すように、スキージ
36を図の矢印方向すなわち本体部28の長手方向と直
交し、且つ、その上端面32に平行な方向(水平方向)
へ移動させる。このとき、スキージ36の先端は、その
弾性や低融点ガラスペースト34の粘性等によって、上
端面32と所定の僅かな間隔dを保った状態とされる。
これにより、低融点ガラスペースト34は、本体部28
の上端面32から掻き落とされ、図に示されるように、
重力とその粘性に従って本体部28の側壁面38に沿っ
て流下し、スキージ36の進行方向前方側の側壁面38
を覆う。更に、図3(b) に示される方向とは反対方向に
スキージ36を移動させることにより、反対側の側壁面
38に低融点ガラスペースト34が掻き落とされ、本体
部28の側壁面38全体が低融点ガラスペースト34に
よって覆われる。なお、上記の反対方向へのスキージ3
6の移動に先立って、必要に応じて再度前記の手法によ
って上端面32に低融点ガラスペースト34が載置され
る。
【0030】この後、所定の温度で焼成することによ
り、低融点ガラスペースト34から被覆層30が生成さ
れる。本実施例においては、上記の図3(b) に示される
工程が被覆工程に、所定の温度で焼成する工程が加熱工
程にそれぞれ相当する。
【0031】DC型PDP46は、上述のように前面板
12上にトリガー電極20,カソード電極24等を、背
面板14上にアノード電極26,隔壁18等を印刷・焼
成して形成した後に、それら前面板12と背面板14と
を図示しない周縁部において接合して製造されるもので
あり、放電空間16内には、例えばHe,Ne,Xe等
の放電ガスが200〜500torrの圧力で封入される。
【0032】以上のように構成されたDC型PDP46
は、以下のように駆動させられる。先ず、全トリガー電
極20に比較的高い負電圧を、全アノード電極26に所
定の正電圧を同時に短時間印加することにより、そのト
リガー電極20とアノード電極26との間で補助放電
(所謂トリガーセッティング)が発生し、トリガー電極
20を覆う誘電体層22の表面に電荷が蓄積される。そ
して、一旦両電極20,26への電圧の印加が停止され
た後に、カソード電極24に所定の負電圧を順次印加し
て走査すると共に、その走査に同期して所定のアノード
電極26に所定の正電圧を印加することにより、それら
電圧が印加されたカソード電極24およびアノード電極
26との間で主放電が発生させられ、それらの交点にお
いて順次発光が生じて所望の文字,図形,記号等の画像
が表示される。この場合において、カソード電極24に
負電圧が印加されることによってトリガー電極20との
間で誘電体層22を介してトリガー放電が発生させら
れ、これにより、カソード電極24とアノード電極26
との間の主放電電圧が低くされている。
【0033】ここで、本実施例においては、隔壁18
は、比較的多孔質の本体部28と、その本体部28の表
面(すなわち上端面32および側壁面38)を覆う比較
的緻密質の被覆層30とによって構成されていることか
ら、DC型PDP10の放電空間16内には、表層部が
比較的緻密質とされた隔壁18が備えられる。したがっ
て、その表層部にはガスが吸着されず、また、本体部2
8の微細な開口内にガラスペースト中の樹脂の未燃焼成
分が内包され、或いは水分や二酸化炭素等のガスが吸着
されている場合にも、放電ガス封入後に不純ガスが放電
空間16内へ放出されることが被覆層30に妨げられ
る。
【0034】しかも、隔壁18の本体部28は比較的多
孔質とされているため、従来と同様に焼成残存率が高い
材料を用いることができる。隔壁18は、表層部が緻密
質とされていれば、本体部28の微細な開口内に内包さ
れた未燃焼成分中のガスや吸着ガス等の不純ガスが、放
電空間16内へ放出されることが抑制されるため、本体
部28を構成する材料は特性面からは制限されないので
ある。したがって、高い製造効率および形状精度を維持
し、且つ、放電空間16内への不純ガス放出を好適に抑
制し得る隔壁18を備えたDC型PDP10が得られ
る。なお、被覆層にも樹脂等の未燃焼成分が残留し得る
が、その膜厚が前述のように 2〜10μm 程度と極めて薄
いことから樹脂が燃焼し易く、未燃焼成分が極めて微量
となって特に問題とならないのである。
【0035】また、本実施例によれば、比較的焼成残存
率が高い低融点ガラスペーストを印刷積層することによ
り本体部28を形成した後に、その本体部28の上端面
32に焼成後に比較的緻密質となる低融点ガラスペース
ト34を載置し、その上端面32と平行な方向へスキー
ジ36を走査して、その低融点ガラスペースト34を掻
き落とすと共に焼成することにより、本体部28の上端
面32および側壁面38が比較的緻密質の被覆層30で
覆われる。この場合において、適切な粘性に調整された
低融点ガラスペースト34は、スキージ36で掻き落と
すことにより、本体部28の側壁面38に沿って下方に
向かって流動させられるが、その側壁面38が多孔質と
されてその表面における流動抵抗が高いため、その側壁
面38に一部が固着されながら流下させられる。したが
って、焼成残存率が低い低融点ガラスを用いることに起
因する形状精度の低下や製造効率の低下を伴うことな
く、放電空間16内への不純ガスの放出を好適に抑制し
得る隔壁18を備えたDC型PDP10が得られる。
【0036】また、被覆層30を構成する低融点ガラス
は、鉛およびアルカリ成分を含まないものであるため、
隔壁18の表面に鉛が存在することによる放電特性や絶
縁性の低下、アルカリ成分が存在することによるマイグ
レーション加速から生じる絶縁信頼性の低下等が好適に
抑制される。
【0037】また、被覆層30は、上端面32に載置さ
れた低融点ガラスペースト34をスキージ36で掻き落
とすことによって側壁面38表面に設けられることか
ら、印刷用スクリーンやメッシュを用いて、その側壁面
38表面に直接スクリーン印刷した場合に問題となる被
覆層30表面のピンホールの発生が好適に抑制されて、
放電空間16内への不純ガスの放出が一層確実に防止さ
れる。
【0038】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】図4は、DC型カラーPDP40の構造を
示す図である。このDC型カラーPDP40は、前面板
12と背面板14との間にマトリックス状に配列された
放電空間16を形成する格子状隔壁42を備えて構成さ
れている。本実施例においては、この放電空間16が1
ドットを構成する。すなわち、請求の範囲でいう『選択
的に発光させる』部分は、前述の実施例のように隔壁
(リブ状壁)18に囲まれた放電空間(気密空間)16
内の一部でも良く、本実施例のように気密空間内で格子
状隔壁42に囲まれた放電空間16が設けられて、その
放電空間16の単位毎(すなわち、気密空間の一部)で
あっても良いのである。
【0040】背面板14の前面板12側の内面には、そ
の全面を覆う例えば厚さ1〜10μm 程度のトリガー電
極44、およびそのトリガー電極44全面を覆う例えば
厚さ30〜60μm 程度の誘電体層46が設けられてい
る。本実施例においては、アノード電極26および前記
格子状隔壁42は、これらトリガー電極44および誘電
体層46を介して背面板14上に設けられている。な
お、本実施例においては、背面板14側に誘電体層46
およびトリガー電極44が設けられていることから、前
面板12の背面板14側の内面には、アノード電極26
と直交する方向に配列されたカソード電極24のみが設
けられている。
【0041】また、誘電体層46およびアノード電極2
6の上面と、格子状隔壁42の側壁面には、例えば厚さ
10〜60μm 程度の蛍光体層48が設けられている。
この蛍光体層48は、カソード電極24とアノード電極
26との間の放電によって発生する紫外線すなわち励起
光により発光させられるものであり、R(赤),G
(緑),B(青)等の発光色に対応する蛍光体が各放電
空間16毎に設けられている。なお、蛍光体層48は、
各放電空間16内における底面中央の矩形部49(すな
わち、カソード電極24の直下)には設けられておら
ず、アノード電極26が部分的に露出させられている。
【0042】前記格子状隔壁42は、図5に断面を示す
ように、前述の隔壁18と同様な本体部28と被覆層3
0とを備えたものであるが、その高さ方向中間部よりも
上方側の部分には、その被覆層30の上部を更に覆う第
2被覆層50が設けられている。この第2被覆層50
は、前記の被覆層30よりも多孔質に形成されたもので
あり、これにより、格子状隔壁42の側壁面は上部側が
比較的多孔質に、下部側が比較的緻密質にされている。
【0043】この第2被覆層50は、前述の実施例の図
3に示される方法で形成されたものであるが、比較的ペ
ースト粘度が高くされると共に上端面32に載置する量
が比較的少なくされている。そのため、図3(b) に示さ
れるようにスキージ36で掻き落とされた際に、最下部
すなわち背面板14の内面に形成された誘電体層46表
面にまで到達せず、被覆層30の高さ方向中間部までの
流動に留められて、上端面から高さ方向の中間部までの
位置に形成されている。
【0044】また、前記蛍光体層48は、R,G,B等
の発光色に対応する蛍光体材料に樹脂分や溶剤等を混合
して調整した蛍光体ペーストを用いて、被覆層30等と
同様な方法で形成されたものである。なお、蛍光体層4
8を形成するに際して、アノード電極26の前記矩形部
49により露出させられる部分には、蛍光体ペーストを
はじく層(例えば蛍光体ペーストが油性の場合は親水性
皮膜、蛍光体ペーストが水性の場合は親油性皮膜)を設
けることにより、前述の矩形部49が形成されている。
但し、蛍光体ペーストをはじく層を設けて矩形部49を
形成する代わりに、アノード電極26に凸部を設け、蛍
光体ペーストが流れ込んだ際にもその凸部のみが露出し
ているように構成しても差し支えない。この蛍光体ペー
ストは、一般に比較的低粘度のものが用いられるが、第
2被覆層50表面を流れる際に、その第2被覆層50が
比較的多孔質に形成されてその流動抵抗が高くされてい
るため、その表面において固着される厚みが大きくされ
る。このため、蛍光体ペーストは、比較的低粘度とされ
て高い流動性を与えられているにも拘らず、格子状隔壁
42の側壁面の比較的上方部の厚みが比較的大きくされ
て、蛍光体層48全体の厚みが略均一とされている。
【0045】すなわち、従来は蛍光体層48は隔壁42
の側面には設けられず、背面板14の内面或いは誘電体
層46表面にのみ設けられていたが、カラーPDP40
においては、その輝度が放電空間16内に設けられてい
る蛍光体の量に依存し、通常の蛍光体層48の厚さ(例
えば40μm 以下)の範囲では略比例関係が得られること
が知られている。そのため、背面板14の内面或いは誘
電体層46表面のみならず、隔壁42の側壁面にも蛍光
体層48が設けられることが望ましい。このような側壁
面にスクリーン印刷によって蛍光体ペーストを印刷する
ことは困難であり、被覆層30等と同様に隔壁42の上
端面32から蛍光体ペーストを掻き落とす方法(図3に
示される方法)を採ることが考えられる。ところが、蛍
光体ペーストは比較的低粘度であるため、隔壁42の側
壁面における流動抵抗が均一とされているとその側壁面
に留まる蛍光体ペーストの量が比較的少なく、最下部ま
で流れ落ちる蛍光体ペーストの量が比較的多くされて、
その厚さが隔壁42の上部側程薄く下部側程厚くされ
る。そのため、側壁面の蛍光体は輝度の向上に寄与せ
ず、結局高い輝度は得られないこととなる。
【0046】これに対して、本実施例によれば、被覆層
30の表面の上部側のみに比較的多孔質の第2被覆層5
0が設けられて、蛍光体ペーストの流動抵抗が高くされ
ることから、前述のように蛍光体層48の厚さが略均一
とされて上部側においても十分な厚さが確保される。し
たがって、比較的高い輝度のカラーPDP40が得られ
るのである。なお、以上の説明から明らかなように、本
実施例においては、第2被覆層50が厚み制御層に相当
する。
【0047】図6は、更に他の実施例を示す図である。
本実施例においては、被覆層30に用いられる低融点ガ
ラスペーストの粘度が比較的低くされると共に、本体部
28の上端面32に載置される量が比較的多くされる等
によって、背面板14の内面等に設けられたAg(銀)
電極(例えばアドレス電極)52が低融点ガラスによっ
て覆われた状態とされている。この低融点ガラスは、N
a等のアルカリ分を含まないものが用いられており、こ
れにより、Ag電極のマイグレーションが好適に抑制さ
れる。また、Ag電極52の被覆層が薄く且つピンホー
ルもなく形成されているため、好適なアドレスの信号条
件を得ることができる。
【0048】また、図7に示す実施例においては、隔壁
18の高さ方向の中間部に電極54が備えられている。
この電極54は、本体部28を形成する過程においてガ
ラスペーストを所定の高さになるまで印刷積層した後
に、ガラスペーストに代えて電極用導電材料ペーストを
用いて所定の厚さになるまで印刷積層し、更にその上に
ガラスペーストを印刷積層することにより形成されたも
のである。この本体部28の上端面32および側壁面3
8には、図1乃至図3に示す実施例と同様に被覆層30
が設けられており、これにより、電極54は誘電体材料
で覆われた状態とされている。AC型PDPにおいて
は、放電電極が誘電体材料によって覆われた状態とされ
る必要があるが、このようにすれば、隔壁18を形成す
ると同時にAC型PDPでのサステイン電極或いはアド
レス電極、DC型PDPでのトリガー電極等の補助電極
が形成されることになる。
【0049】図8および図9は、本発明の他の実施例で
あるVFD58を示す断面図および斜視図である。VF
D58は、一対のガラス基板60,62が周縁部におい
て所定の間隔をもって枠状のスペーサガラス64を介し
て互いに接合されることにより形成された気密空間65
を備えたものである。一方のガラス基板60は、その内
面に順次積層形成された陽極配線66、グリッド配線6
7、絶縁層68、グラファイト等の導電物質から成るア
ノード電極70、そのアノード電極70上において所定
の表示パターン(図9においては3つの「8」字パター
ン)とされた蛍光体層72を備えると共に、その蛍光体
層72の周縁部において他方のガラス基板62に向かっ
て絶縁層68から立設されてその上端面にグリッド電極
74が設けられたリブ状壁76を備えている。このリブ
状壁76の上端面と他方のガラス基板62の内面との間
には、ガラス基板60の内面に形成された陰極配線78
に接続された複数本のカソード電極80が設けられてい
る。
【0050】上記のVFD58は、アノード電極70お
よびカソード電極80間に、リードピン82および配線
66,78を介して所定の電圧が印加されると共に、グ
リッド電極74に所定の制御電圧が印加されることによ
り、カソード電極80から発生させられた電子が蛍光体
層72に衝突させられて、その蛍光体層72を発光させ
るものである。なお、図8,9において84は水銀ゲッ
タであり、図9において86は気密空間65内を真空に
するための排気管である。
【0051】図10は、上記リブ状壁76の断面を拡大
して示す図である。リブ状壁76は、比較的多孔質の本
体部88と、その本体部88を覆う比較的緻密質の被覆
層90とから構成されており、上記グリッド電極74は
この被覆層90上に設けられている。このリブ状壁76
も、前述の隔壁18と同様にして形成されたものであ
り、その表層部が比較的緻密質とされている。なお、図
8から明らかなように、リブ状壁76は気密空間65内
を区分するものとはなっていないが、VFD58におい
ては、このリブ状壁76により囲まれた蛍光体層72
が、その囲まれた単位毎に選択的に発光させられる。す
なわち、請求の範囲でいう『リブ状壁』は、『平板の一
面上に立設されてその一面を区分する』ものであれば、
必ずしも図1乃至図7に示される実施例のように気密空
間を区分するものでなくとも良いのである。
【0052】上記のようなVFD58においても、リブ
状壁76には、形状精度および製造効率を高くするため
に、従来、比較的多孔質となる材料が用いられていた
が、その内部が真空にされることから、リブ状壁76に
吸着されたガスや未燃焼成分に含まれるガス等の不純ガ
スが、真空処理後に気密空間65内に放出させられるこ
とは、真空度が低下することとなるため好ましくない。
本実施例によれば、DC型PDP10等の場合と同様
に、形状精度や製造効率を維持し、且つ、ガス放出に起
因する真空度の低下を好適に抑制し得るリブ状壁76を
備えたVFD58が得られる。
【0053】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0054】例えば、前述の実施例は、本発明がDC型
PDP10,VFD58等に適用された場合について説
明したが、本発明はこれらに限らず、気密空間内にリブ
状壁を備える形式のものであれば、種々の画像表示装置
に適用できる。例えば、隔壁18やリブ状壁76等の形
状は、放電空間16やアノード電極70等の形状に応じ
て適宜変更され、或いは、DC型PDP10等に適用さ
れる場合に、トリガー電極20,44等は必ずしも設け
られなくとも良い。
【0055】また、実施例においては、被覆層30等を
形成するために、鉛およびアルカリ成分を含まない低融
点ガラス( Bi2O3−ZnO −B2O3−SiO2系ガラス等)を用
いたが、被覆層30等は緻密質に形成されるものであれ
ば、特にその材料組成は限定されない。但し、実施例で
示したDC型PDP10等においては、安定した放電特
性や絶縁性を得るためには鉛が含有されていないことが
望ましく、また、マイグレーション加速による絶縁信頼
性の低下を生じ難くするためにはアルカリ成分が含有さ
れてないことが望ましい。
【0056】また、本体部28,88を形成するための
材料は、多孔質材料であれば特性上からは特に限定され
ず、種々の絶縁材料が用いられ得る。但し、低融点ガラ
スペースト等を用いる場合においては、印刷パターンの
保形性が高い方が好ましく、また、焼成残存率が高い方
が形状精度を高くし且つ印刷積層回数を少なくためには
好ましい等の理由から、アルミナ等の充填材が比較的多
く(例えば、実施例で示したように50%程度)含まれて
いることが好ましい。
【0057】また、実施例においては、本体部28,8
8を厚膜絶縁ペーストを印刷積層することによって形成
したが、本体部28等は、種々の方法で形成され得る。
例えば、背面板14等の一面に全面ベタに本体部28等
の高さに等しい厚さの絶縁層を形成し、ガラスビーズブ
ラスト等のドライエッチング法によって形成しても良
く、或いは背面板14等上に本体部28等の反転パター
ンで形成したフォトレジスト膜間の凹部に厚膜絶縁ペー
ストを充填した後、そのフォトレジスト膜を除去するリ
フトオフ法、フォトレジストを添加した厚膜絶縁ペース
トを全面ベタに形成し、パターン形成するフォトリソ法
等によって形成しても良い。
【0058】また、前述の実施例においては、図3に示
される被覆工程において、スキージ36を本体部28の
長手方向と直交し、且つ、その上端面32に平行な水平
方向に移動させたが、被覆層30の厚みが比較的薄い
(例えば10μm 程度以下)の場合、被覆層30の膜厚の
ばらつきが比較的大きく(例えば 5μm 程度以上)とも
良い場合、或いは隔壁18間に被覆層30用の低融点ガ
ラスペースト34が流れ込んでも品質上支障のない場合
には、スキージ36を上記方向とは直交する方向すなわ
ち本体部28の長手方向と平行な方向に移動させても差
し支えない。
【0059】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のDC型PDPの構造を示す
斜視図である。
【図2】図1のPDPの隔壁の断面構造を説明する図で
ある。
【図3】図2の隔壁の製造方法を説明するための図であ
り、(a) は本体部の上端面にペーストが乗せられた状態
を、(b) はスキージを走査している状態を示す。
【図4】本発明の他の実施例のカラーPDPの構造を示
す斜視図である。
【図5】図4のカラーPDPの隔壁の断面を示す図であ
る。
【図6】本発明の更に他の実施例について隔壁の断面を
示す図である。
【図7】本発明の更に他の実施例のAC型PDPに用い
られる隔壁の断面構造を説明する図である。
【図8】本発明の更に他の実施例のVFDの断面構造を
示す図である。
【図9】図8のVFDの全体を示す斜視図である。
【図10】図8のVFDのリブ状壁の近傍を拡大して示
す図である。
【符号の説明】
10:DC型PDP(画像表示装置) {12:前面板,14:背面板}(一対の平行平板) 18:隔壁(リブ状壁) 28:本体部 30:被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 進 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面が気密空間に面する平板と、該平板
    の一面上に立設されて該一面を区分するリブ状壁とを備
    えて、該気密空間内のリブ状壁に囲まれた一部から選択
    的に発光させることにより所望の画像を表示させる形式
    の画像表示装置であって、 前記リブ状壁が、比較的多孔質の本体部と、該本体部の
    表面に設けられた比較的緻密質の被覆層とを含むことを
    特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 一面が気密空間に面する平板と、該平板
    の一面上に立設されて該一面を区分するリブ状壁とを備
    えて、該気密空間内のリブ状壁に囲まれた一部から選択
    的に発光させることにより所望の画像を表示させる形式
    の画像表示装置の製造方法であって、 前記リブ状壁が、 所定の高さの比較的多孔質の本体部を形成する本体部形
    成工程と、 該形成された本体部の上端面に、焼成後に比較的緻密質
    となる厚膜絶縁ペーストを所定厚みで載置する載置工程
    と、 該本体部の上端面に平行な方向へスキージを走査して、
    該上端面に載置された厚膜絶縁ペーストを掻き落とすこ
    とにより、該本体部の側壁面を該厚膜絶縁ペーストで被
    覆する被覆工程と、 該厚膜絶縁ペーストから比較的緻密質の被覆層を加熱生
    成する加熱工程とを、含む工程により形成されることを
    特徴とする画像表示装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002298743A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Toray Ind Inc プラズマディスプレイ用基板の製造方法
KR100673459B1 (ko) * 2005-05-11 2007-01-24 엘지전자 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널
JP2008262931A (ja) * 2008-08-05 2008-10-30 Toray Ind Inc プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト

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