JP3152628B2 - 導体膜上への透明厚膜誘電体の形成方法 - Google Patents

導体膜上への透明厚膜誘電体の形成方法

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JP3152628B2
JP3152628B2 JP53397A JP53397A JP3152628B2 JP 3152628 B2 JP3152628 B2 JP 3152628B2 JP 53397 A JP53397 A JP 53397A JP 53397 A JP53397 A JP 53397A JP 3152628 B2 JP3152628 B2 JP 3152628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜或いは厚膜か
ら成る導体膜上に透明誘電体厚膜を形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、プラズマ・ディスプレイ・パネ
ル(Plasma Display Panel:以下、PDPという)にお
いては、所望の文字、記号、図形等の画像を表示するた
めに、一対の基板間に設けられた複数の放電空間内にお
いてそれぞれ放電させるための一対或いは複数対の表示
放電電極が備えられる。このようなPDPはAC型PD
PとDC型PDPとに大別されるが、AC型PDPにお
いては、表示放電を交流放電で行う目的で、上記表示放
電電極がガラス等から成る誘電体層に覆われて設けられ
る。一方、DC型PDPにおいては、表示放電は直流放
電で行われるが、表示電極に加えて表示放電を速やかに
開始させる目的でトリガ電極と称される補助電極が備え
られることが多く、そのトリガ電極は、その上側に電荷
を蓄える目的で交流放電電極と同様に誘電体層に覆われ
て設けられる。これらの誘電体層は、機能上は電極のみ
を覆っていれば十分ではあるが、通常は、位置合わせ等
を不要として工程を簡略にする等の目的で基板の全面に
設けられる。
【0003】上記の電極は、例えばAu、Ag、Al、Ni、Cr
-Cu-Cr、Cr-Al-Cr等の金属材料から構成され、上記誘電
体層は、例えば硼珪酸鉛ガラス等の低軟化点ガラスから
構成される。したがって、誘電体層は透明である。PD
P等の表示装置においては、可及的に高い輝度を得るた
めには基板を覆う誘電体層が透明であることが望ましい
と考えられているからである。例えば、誘電体層を通し
て光を射出して表示する場合には当然に高い光透過性が
要求され、誘電体層が設けられた基板とは反対側の基板
を通して光を射出する場合にも、反射率を高めて射出方
向に向かわせられる光を多くするために誘電体層の光吸
収率が低いことが要求されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の電極
および誘電体層は、例えば、何れも厚膜印刷法を利用し
て形成される。すなわち、先ず、基板上に上記金属材料
の粉体を含む厚膜導体ペーストを所定パターンで厚膜印
刷し、乾燥した後、所定温度で熱処理(焼成)する。こ
れにより、ペースト中の有機成分が分解除去されると共
に金属粉体が焼結させられて基板上に厚膜導体すなわち
電極が形成される。次いで、上記ガラスの粉末を含む厚
膜絶縁体ペーストを例えば基板の全面に厚膜印刷するこ
とによって、その厚膜絶縁体ペーストで厚膜導体を覆
う。これを乾燥し、所定温度で焼成することにより、ペ
ースト中の有機成分が分解除去されると共にガラス粉末
が焼結させられて厚膜誘電体すなわち誘電体層が形成さ
れる。
【0005】しかしながら、上記従来の電極および誘電
体層の形成工程においては、図1に示されるように誘電
体層10のうち電極12を覆う部分に多数の気泡14が
発生することがある。このような気泡14の存在は、誘
電体層10の耐電圧を低下させてPDPの耐久性を損な
うことから機能上の大きな問題となると共に、基板16
の外観を損なうことからPDPの商品価値を低下させ
る。そのため、上記のように誘電体層10を形成した
後、気泡を除去するための泡抜工程が施されるが、工程
が煩雑になると共に、これによっても必ずしも完全に気
泡を除去し得ないという問題があった。なお、この泡抜
工程は、例えば、誘電体層10を構成する低軟化点ガラ
スの軟化点よりも高い温度であって、誘電体層10の焼
成温度よりも低い温度で所定時間処理することにより行
われる。
【0006】なお、上記の気泡14は、電極12上のみ
に生じて他の部分には生じないことから、その発生原因
は以下のように考えられる。電極12は、前述のように
金属粉体を含む厚膜導体ペーストを印刷、熱処理するこ
とによって形成されるが、一般に、その熱処理温度およ
び時間は、金属粉体が粒界を残したまま拡散によって相
互に接合させられるように設定される。これは、粒界が
消滅する程度まで溶融し、或いは結晶成長するような条
件で熱処理を施すと、電極12を構成する金属が表面張
力に基づいて厚み方向に伸長する一方、面方向に収縮す
ることから、電極12の断面積が局所的に減少させられ
て導電率が低下させられ、或いは断線が生じ易くなるた
めである。しかしながら、このように熱処理条件が設定
された結果、電極12を構成する金属は、融点よりは十
分に低い溶融に至らない温度で熱処理されるため、熱処
理後において、電極12には金属粉体の粒界に由来する
多数の気孔が生じる。そのため、この上に低軟化点ガラ
ス粉末を含む厚膜絶縁体ペーストが塗布されて熱処理が
施されると、その熱処理条件は高い透明度を得るために
低軟化点ガラスが粒界のなくなる程度まで溶融するよう
に設定されるため、軟化・溶融させられた低軟化点ガラ
スは高い流動性を与えられて電極12の気孔内に流れ込
むこととなる。これにより、その気孔内に存在する空気
が電極12から低軟化点ガラス内に排出されて、誘電体
層10内に前記気泡14が形成されるのである。なお、
電極12が薄膜導体から成る場合には、電極12内に金
属粉体の粒界に由来する気孔は存在しないが、誘電体層
10を形成するために厚膜絶縁体ペーストを塗布する際
に電極12のパターンエッジに閉じ込められた空気が、
その熱処理時に低軟化点ガラス内に入り込むことによ
り、同様な気泡14が形成され得る。したがって、この
ような気泡の問題は、上述のPDPに限られず、厚膜導
体上に厚膜誘電体を形成する他の表示装置や、電極12
が薄膜形成される他の表示装置等においても同様に生じ
るのである。
【0007】本発明は、以上の事情に基づいて為された
ものであって、その目的は、導体膜上において気泡を生
じさせない透明厚膜誘電体の形成方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、薄膜或いは厚膜から
成る導体膜上に透明厚膜誘電体を形成する方法であっ
て、(a) 前記導体膜上に第1のガラス粉末を含む第1の
ガラスペーストを厚膜印刷する第1印刷工程と、(b) 前
記第1のガラスペーストを前記第1のガラス粉末が粒界
の残存した状態で相互に結合させられ且つその軟化点よ
りも高い第1温度で熱処理することによって、前記透明
厚膜誘電体の下層部を構成する第1ガラス層を前記導体
膜上に形成する第1熱処理工程と、(c) その第1ガラス
層上に前記第1のガラス粉末よりも低い軟化点を有する
第2のガラス粉末を含む第2のガラスペーストを厚膜印
刷する第2印刷工程と、(d) 前記第2のガラスペースト
を前記第2のガラス粉末が粒界の残存しない状態で相互
に結合させられる温度であって前記第1温度以下の温度
または前記第1ガラス層の粒界が残存する温度である第
2温度で熱処理することによって、前記透明厚膜誘電体
の上層部を構成する第2ガラス層をその第1ガラス層上
に形成する第2熱処理工程とを、含むことにある。
【0009】
【発明の効果】このようにすれば、第1印刷工程におい
て、導体膜上に第1のガラス粉末を含む第1のガラスペ
ーストが印刷され、第1熱処理工程において、その第1
のガラス粉末が粒界の残存した状態で相互に結合させら
且つその軟化点よりも高い第1温度で熱処理されるこ
とによって第1ガラス層が形成され、第2印刷工程にお
いて、第1ガラス層上に第1のガラス粉末よりも低い軟
化点を有する第2のガラス粉末を含む第2のガラスペー
ストが印刷され、第2熱処理工程において、第2のガラ
ス粉末が粒界の残存しない状態で相互に結合させられる
温度であって、前記第1温度以下の温度或いは第1ガラ
ス層の粒界が残存する温度である第2温度で熱処理する
ことによって第2ガラス層が形成される。そのため、順
次積層形成される第1ガラス層および第2ガラス層から
透明厚膜誘電体が構成される。
【0010】このとき、導体膜上に直接形成される第1
ガラス層は、十分な粒子相互の結合強度が得られる範囲
において第1のガラス粉末が粒界の残存したまま結合さ
せられる第1温度で熱処理されることから、厚膜導体の
気孔内に流れ込んでその気孔内の空気を第1ガラス層内
に排出させ、或いはパターンエッジに閉じ込められた空
気を第1ガラス層内に排出させる程高い流動性を与えら
れない。そのため、第1熱処理工程において第1ガラス
層内には気泡が生じない。一方、第1ガラス層上に形成
される第2ガラス層は、第2のガラス粉末が粒界の残存
しない状態で相互に結合させられる第2温度で熱処理さ
れるが、この第2温度は第1温度以下の温度或いは第1
ガラス層の粒界が残存する温度である。そのため、この
際にも第1ガラス層には高い流動性が与えられないこと
から、厚膜導体の気孔内やパターンエッジに閉じ込めら
れた空気がその第1ガラス層内に入り込まず、また、高
い流動性を有することとなる第2ガラス層と導体膜との
接触を阻止するため、第2熱処理工程においても気孔内
やパターンエッジに閉じ込められた空気に起因する気泡
が第1ガラス層内或いは第2ガラス層内に生じることは
ない。ところで、第1、第2熱処理工程においては、上
記のように第1ガラス層の粒界が残存する温度で熱処理
されるため、その表面の凹凸および内部の粒界に起因し
て透明度が低くなる。しかしながら、厚膜誘電体の上層
部を構成する第2ガラス層は、粒界が残存しない第2温
度で熱処理されることから高い透明度に形成されると共
に、第1ガラス層の表面の凹凸を埋めてその透明度も向
上させる。そのため、第1ガラス層および第2ガラス層
から構成される厚膜誘電体全体の透明度は、それらの厚
さの比に応じて、第2ガラス層の厚さ割合が大きくなる
程高くされることから、その比を適宜設定することによ
り十分に高い透明度を得ることができる。したがって、
導体膜上において気泡を生じさせることなく、十分に高
い透明度を有する透明厚膜誘電体を形成し得る。
【0011】因みに、厚膜誘電体内に気泡を生じさせな
いためには、厚膜誘電体を構成するガラスに高い流動性
が与えられて、導体膜の気孔内やパターンエッジに閉じ
込められた空気がそのガラス内に入り込むことを防止す
ればよいことから、例えば、厚膜誘電体を前記第1ガラ
ス層のみから構成することによっても気泡の発生を抑制
し得る。しかしながら、厚膜誘電体の厚さは、導体膜に
電圧が印加された際に破損しないだけの耐電圧を有する
ように十分に厚く設定される。そのため、流動性を低く
保つ必要があることに起因して透明度が低い第1ガラス
層のみから厚膜誘電体を構成すると、必要な透明度が得
られなくなるという問題が生じる。これに対して、上記
のように第1ガラス層および第2ガラス層から厚膜誘電
体を構成すれば、導体膜の気孔内に流れ込み、或いはパ
ターンエッジの空気が入り込むおそれのない第2ガラス
層を、流動性が十分に高くなる第2温度で熱処理するこ
とにより高い透明度に形成し得ることから、透明度の低
くなる部分が厚膜誘電体の厚さ方向の一部に止められて
全体としては十分に高い透明度を得ることができるので
ある。しかも、このようにすることによって、第1ガラ
ス層表面に形成された凹凸が第2ガラス層で埋められ、
その第2ガラス層表面すなわち厚膜誘電体表面は滑らか
に形成されるため、表面の凹凸に起因する耐電圧低下が
生じず、厚さに応じた高い耐電圧を有する厚膜誘電体が
得られる。
【0012】なお、本実施例において、「粒界」とは、
ガラス粉末の輪郭線或いは複数のガラス粉末が結合させ
られて成るガラス粉末塊の輪郭線によってガラス層内に
形成されるガラス粉末相互或いはガラス粉末塊相互の境
界線をいうものである。また、前記第1熱処理工程にお
ける「第1のガラス粉末が粒界の残存した状態で相互に
結合」とは、ガラス粉末が熱処理工程により軟化した後
にガラス粉末が結合した状態でガラス粉末相互の位置関
係が変化しない場合をいう。また、前記第2熱処理工程
における「第2のガラス粉末が粒界の残存しない状態で
相互に結合」とは、ガラス粉末が熱処理工程により軟化
した後にガラス粉末が結合した状態でガラス粉末相互の
位置関係が変化する場合をいう。また、その第2熱処理
工程における「第1ガラス層の粒界が残存する」とは、
第1熱処理工程により得られたガラス粉末相互の結合状
態が第2熱処理工程により変化しない場合をいう。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第1のガラ
ス粉末は、前記第2のガラス粉末よりも軟化点が100
(℃) 程度以上高いものである。このようにすれば、両
ガラス粉末の軟化点の差が十分に大きいことから、厚膜
導体の気孔内に流れ込む程度に高い流動性が第1ガラス
層に与えられない範囲で、第2ガラス層の高い透明度が
得られるように第2温度をその軟化点よりも十分に高い
温度に設定できるため、その第2温度の設定が容易とな
って一層確実に気泡の発生を抑制し得る。
【0014】
【0015】また、好適には、前記第2温度は、前記第
2のガラス粉末の軟化点よりも100(℃) 程度高く設定さ
れる。このようにすれば、第2のガラス粉末は軟化点よ
りも十分に高い温度で熱処理されることから、十分な流
動性を与えられて高い透明度が得られる。なお、第2温
度の上限は、第1温度と等しい温度、或いは、導体膜や
透明厚膜誘電体が設けられる被形成体の熱処理温度の上
限、および第1ガラス粉末の粒界が残存し得る温度の上
限のうち低い方の温度に設定されることが好ましい。
【0016】また、好適には、前記第1のガラス粉末は
鉛ガラスであり、前記第2のガラス粉末は硼珪酸鉛ガラ
スである。このようにすれば、鉛ガラスは、硼珪酸鉛ガ
ラスよりも例えば100 〜150(℃) 程度と十分に高い軟化
点を有するものであるため、前記第1温度および第2温
度の設定が容易となって、一層確実に気泡の発生を抑制
できる。なお、鉛ガラスとしては、例えば、PbO-SiO2-B
2O3 、PbO-SiO2-B2O3-Al2O3 等が用いられ得、硼珪酸鉛
ガラスとしては、例えば、PbO-RO-SiO2-B2O3、PbO-RO-S
iO2-B2O3-Al2O3等(但し、R はアルカリ土類金属)が用
いられ得る。
【0017】また、好適には、前記第1のガラス粉末
は、軟化点が550 〜600(℃) 程度のものが用いられ、前
記第2のガラス粉末は、軟化点が450 〜500(℃) 程度の
ものが用いられる。このようにすれば、例えばPDP等
においてガラス等から成る基板上に導体膜および透明厚
膜誘電体を形成する場合等において、その基板の材質等
に基づいて例えば600(℃) 程度に定められる熱処理温度
の上限よりも低い温度に前記第1温度および第2温度を
設定し得ることから、第1熱処理工程および第2熱処理
工程における基板の反りや歪み等の変形が抑制される。
このとき、例えば、第1温度は550 〜580(℃) 程度の範
囲に設定され、第2温度は500 〜550(℃)程度の範囲に
設定されることとなる。
【0018】また、好適には、前記導体膜は厚膜印刷お
よび熱処理によって形成された厚膜導体であり、前記第
1温度および第2温度は、その厚膜導体の形成時の熱処
理温度以下の温度に設定される。このようにすれば、透
明厚膜誘電体を形成するための第1熱処理工程および第
2熱処理工程において、厚膜導体が形成時以上の温度に
加熱されないため、厚膜導体の過焼結に起因する電気的
特性の低下が抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0020】図2は、本発明の一実施例の透明電極の形
成方法が適用されるAC型カラーPDP(以下、単にP
DPという)20を、一部を切り欠いて示す斜視図であ
る。図において、PDP20は、例えばソーダライムガ
ラス製の平板から成り、透光性を有する前面板22と、
同様にソーダライムガラス製の平板から成る背面板24
と、それら前面板22および背面板24との間に一方向
に沿って配列された複数の放電空間26を形成する長手
状の隔壁28とを備えて構成されている。
【0021】上記の前面板22の背面板24側に位置す
る内面には、一方向に沿って伸びる複数対の表示電極3
0a、30b(以下、特に区別しない場合は単に表示電
極30という)が、各対毎に例えば660(μm)程度の所定
の中心間隔を以て透明な誘電体層32および保護層34
に覆われた状態で設けられている。上記表示電極30
は、何れも、例えばITO(インジウム系)やATO
(アンチモン系)等の透明電極材料から薄膜法や厚膜印
刷法等によって形成された幅が200(μm)程度、厚さが0.
1(μm)程度で各対の相互間隔が40 (μm)程度の透明電極
36と、表示電極30a、30bの各対毎にその透明電
極36の幅方向の外側端部位置に例えば厚膜印刷法によ
って固着された、Ag、Au、Al、Cr-Cu-Cr、Cr-Al-Cr等の
金属材料から成る例えば幅が 80(μm)程度、厚さが10
(μm)程度の厚膜導体(バス電極)38とから構成され
ている。本実施例においては、この厚膜導体38が導体
膜に相当する。
【0022】また、上記誘電体層32は、例えば厚膜導
体38上の厚さtが30 (μm)程度のガラスから成るもの
であり、厚膜印刷法によって形成された透明厚膜誘電体
である。図3に要部を拡大して示すように、誘電体層3
2は、前面板22および表示電極30上に直接形成され
た第1層32a、およびその第1層32a上に形成され
た第2層32bの二層から構成されている。第1層32
aは、例えば、軟化点が550 〜600(℃) 程度の鉛ガラス
(例えば、PbO-SiO2-B2O3 、PbO-SiO2-B2O3-Al 2O3 等)
等の高軟化点ガラスから成るものであり、例えば30
(%) 程度の低い光透過率を有するものである。一方、
第2層32bは、例えば、その高軟化点ガラスよりも10
0(℃) 程度低い450 〜500(℃) 程度の軟化点の硼珪酸鉛
ガラス(例えば、PbO-RO-SiO2-B2O3、PbO-RO-SiO2-B2O3
-Al2O3等、但し、R はアルカリ土類金属)等の低軟化点
ガラスから成るものであり、例えば、80 (%) 程度の高
い光透過率を有している。これら第1層32aおよび第
2層32bは、それぞれ厚膜導体38上における厚さが
1 =5(μm)程度、t2 =25 (μm)程度とされている。
したがって、第1層32aが十分に薄くされていること
から、全体としては十分に高い透明度が確保されてい
る。
【0023】また、上記保護層34は、例えばMgO 等の
スパッタリングに強い誘電体材料から成るものであり、
蒸着等によって例えば0.1(μm)程度の厚さに形成されて
いる。この保護層34は、誘電体層32がスパッタリン
グによって劣化させられることを防止する目的で設けら
れている。
【0024】一方、背面板24上には、上記の表示電極
30と直交する他方向に沿って、前記隔壁28の間を通
る複数本の選択電極40が所定の間隔で設けられてい
る。この選択電極40は、例えば50〜300(μm)程度の幅
寸法で、厚膜導体38と同様にAgペースト等の導電体ペ
ーストから厚膜印刷法等によって形成されたものであ
り、複数本の選択電極40相互の中心間隔は例えば200
〜500(μm)程度とされている。したがって、前記隔壁2
8は200 〜500(μm)程度の中心間隔で設けられている
が、その幅寸法は80〜150(μm)程度に、高さ寸法は100
〜200(μm)程度とされている。なお、隔壁28は、例え
ば、アルミナ等の充填材を含む低軟化点ガラスから厚膜
印刷法等によって形成されたものである。
【0025】また、背面板24の前面板22側の一面お
よび隔壁28の側面には、例えば厚さ10〜30 (μm)程度
の範囲内で色毎に厚さを制御された蛍光体層42が設け
られている。蛍光体層42は、一対の表示電極30間の
面放電で発生する紫外線励起により発光させられるR
(赤),G(緑),B(青)等の発光色に対応する蛍光
体が、各放電空間28毎に厚膜印刷法やスプレー塗布法
等によって設けられたものである。
【0026】以上のように構成されるPDP20は、例
えば、図4に示される工程図に従って製造される。すな
わち、前面板22については、先ず、工程1において、
薄膜プロセスや厚膜スクリーン印刷法等によって前面板
22上に透明電極36を形成し、工程2の厚膜導体形成
工程において、例えば厚膜導体ペーストをその透明電極
36上に塗布、乾燥し、例えば600(℃) 程度の温度で焼
成することによって厚膜導体38を形成する。この焼成
温度は、厚膜導体ペースト中の金属粒子(例えばAg等)
の過焼結を避けるべく、その金属粒子が粒界を残したま
ま、換言すれば多孔質に形成されるように定められてい
る。したがって、厚膜導体38は表面に開口する図示し
ない多数の気孔を有している。
【0027】次いで、工程3の第1ガラスペースト印刷
工程において、その上に、誘電体層32の第1層32a
を形成するための第1のガラスペーストを、例えば厚膜
スクリーン印刷法によって塗布する。この第1のガラス
ペーストは、例えば、前記高軟化点ガラスの粉末、エチ
ルセルロース等の樹脂、およびタ−ピネオール等の溶剤
から成るものである。なお、高軟化点ガラス粉末は、例
えば2(μm)以下の粒径のものが好適に用いられる。この
ように塗布形成されたペースト膜を乾燥した後、工程4
の第1熱処理工程においては、例えば580(℃) 程度の第
1温度で10分程度保持する条件で熱処理(焼成)する。
この温度は、厚膜導体ペーストの焼成温度以下の温度で
あって、高軟化点ガラスの軟化点よりも例えば30 (℃)
程度高い温度に設定されている。これにより、高軟化点
ガラス粉末が粒界の残存する状態で相互に結合(すなわ
ち部分的に焼結)させられ、前記第1層32aが形成さ
れる。そのため、高軟化点ガラスはその粘度が例えば4.
0 ×109 (mPa・s)程度以上に保たれて厚膜導体38の気
孔内には流れ込む程高い流動性が与えられず、その気孔
内の空気を排出させないことから、第1層32a内には
その空気に起因する気泡は生じていない。また、第1の
ガラスペーストの塗布時に厚膜導体38のパターンエッ
ジに閉じ込められた空気に起因する気泡も同様な理由か
ら生じていない。第1層32aは、このように粒界が残
存するように部分的に溶融した状態で形成されているこ
とから、前述のように光透過率が30 (%) 程度と低いの
であり、その表面には、残存する粒界によって微細な凹
凸が生じている。したがって、本実施例においては、こ
の高軟化点ガラス粉末が第1のガラス粉末に、第1層3
2aが第1ガラス層にそれぞれ相当し、工程3の第1ガ
ラスペースト印刷工程が第1印刷工程に対応する。
【0028】工程5の第2ガラスペースト印刷工程にお
いては、上記の第1ガラス層32a上に、第2層32b
を形成するための第2のガラスペーストを、例えば厚膜
スクリーン印刷法によって塗布する。この第2のガラス
ペーストは、例えば、前記低軟化点ガラスの粉末、エチ
ルセルロース等の樹脂、およびタ−ピネオール等の溶剤
から成るものである。このように塗布形成されたペース
ト膜を乾燥した後、工程6の第2熱処理工程において
は、例えば、550(℃) 程度の第2温度で10分程度保持す
る条件で熱処理(焼成)する。この温度は、低軟化点ガ
ラスの軟化点よりも例えば100(℃) 程度高い値に設定さ
れているが、第1層32aの熱処理温度(580[℃] )以
下の温度であることから、第1層32aには第1熱処理
工程時以上の流動性は与えられない。これにより、低軟
化点ガラス粉末が粒界が残存しない程度の高い流動性を
与えられた、すなわち完全に溶融させられた状態で相互
に結合させられて前記第2層32bが形成され、第1層
32aおよび第2層32bから成る透明な誘電体層32
が形成される。このとき、第1層32aを構成する高軟
化点ガラスが厚膜導体38の気孔内に流れ込むことはな
く、低軟化点ガラスが厚膜導体38と接触し、その気孔
内に流れ込むこともその第1層32aによって阻止され
るため、これら第1層32aおよび第2層32b内に
は、気泡は生じていない。第2層32bは、このように
完全に溶解させられることから、前述のように光透過率
が80 (%) 程度と高いのであり、このように溶解させら
れることによって、第1層32a表面の微細な凹凸も埋
められて、その第1層32a自体の光透過率が高められ
ていると共に、誘電体層32全体の光透過率が高められ
ている。なお、第1層32a内には、高軟化点ガラス粉
末の粒界に由来する気孔が生じているが、その粒径は2
(μm)程度以下と十分に小さいことから、たとえ第2熱
処理工程において低軟化点ガラスが第1層32aの気孔
内に流れ込んでも、その気孔から排出される空気に起因
する気泡は問題となる気泡の大きさ(例えば4[μm]程度
以上)よりも十分に小さくなる。すなわち、第1層32
aは実質的に無気孔に形成され、第2層32b内には、
実質的に第1層32aの気孔に起因する気泡は生じない
ため、その気孔は特に問題とならない。高軟化点ガラス
粉末の粒径はこのように問題となる気泡の大きさよりも
十分に小さい大きさに設定されているのである。したが
って、本実施例においては、この低軟化点ガラス粉末が
第2のガラス粉末に、第2層32bが第2ガラス層にそ
れぞれ相当し、工程5の第2ガラスペースト印刷工程が
第2印刷工程に対応する。このように誘電体層32を形
成した後、工程7の保護層形成工程において、その上に
保護層34を形成することにより、前面板22が完成す
る。
【0029】一方、背面板24については、先ず、工程
8の選択電極形成工程において、例えば、厚膜スクリー
ン印刷法等によって背面板24上にAgペースト等の導電
体ペーストを所定パターンで塗布し、乾燥した後、所定
温度で焼成することにより、前記選択電極40を形成す
る。次いで、工程9の隔壁形成工程において、低軟化点
ガラスとアルミナ等の充填材を含む厚膜絶縁ペーストを
繰り返し印刷・乾燥して積層し、所定温度で焼成するこ
とによって前記隔壁28を形成する。更に、工程10の
蛍光体層形成工程においては、前記の蛍光体層42を構
成する所定の蛍光体を、樹脂成分が有機溶剤中に溶解さ
せられたビヒクル中に分散させた蛍光体ペーストを隔壁
28表面および背面板24上に塗布し、所定温度で焼成
することによって前記蛍光体層42を形成する。これに
より、背面板24が完成する。
【0030】そして、工程11の接合工程においては、
上記それぞれ作製された前面板22および背面板24
を、保護層34等および隔壁28等が内側となるように
突き合わせ、それら前面板22および背面板24を図示
しない周縁部においてフリットガラス等によって内部が
気密となるように相互に接合する。その後、工程12の
放電ガス封入工程において、例えば、放電空間26内を
一旦真空状態にし、更に、例えばHe,Ne,Xe等の放電ガ
スを 200〜500 (Torr)程度の圧力で封入することによっ
て、前記PDP20が製造される。なお、前面板22上
の保護層34と隔壁28とは互いに接合されておらず、
それらの間には放電空間26内を真空にし、或いは放電
ガスを封入するための僅かな隙間が生じている。
【0031】なお、PDP20は、例えば、以下のよう
に駆動される。すなわち、先ず、一対の表示電極30
a、30bの一方を順次走査して所定の負電圧を印加す
ると同時に、その走査に同期して所定の選択電極40に
所定の正電圧を印加することにより、正電圧が印加され
た選択電極40と表示電極30との間で順次放電させ
て、誘電体層32上に壁電荷を形成して発光区画を選択
する。その後、全ての表示電極30に所定の放電維持パ
ルスを印加して表示放電を発生させ且つ所定時間維持し
て、選択された発光区画内の蛍光体層42を励起して発
光させ、その光を前面板22を通して射出することによ
り、一画像を表示する。この発光区画の選択および発光
は、例えば60(Hz)程度の周波数で繰り返され、これによ
り所望の画像が連続的に表示される。駆動方法の詳細は
本実施例の理解には必要ないので説明を省略する。
【0032】以上説明したように、本実施例において
は、工程3の第1ガラスペースト印刷工程において、厚
膜導体38上に高軟化点ガラス粉末を含む第1のガラス
ペーストが印刷され、工程4の第1熱処理工程におい
て、その高軟化点ガラス粉末が粒界の残存した状態で相
互に結合させられる例えば580(℃) 程度の第1温度で熱
処理されることによって第1層32aが形成され、工程
5の第2ガラスペースト印刷工程において、第1層32
a上に低軟化点ガラス粉末を含む第2のガラスペースト
が印刷され、工程6の第2熱処理工程において、低軟化
点ガラス粉末が粒界の残存しない状態で相互に結合させ
られる温度であって、前記第1温度以下の例えば550
(℃) 程度の第2温度で熱処理することによって第2層
32bが形成され、これら順次積層形成される第1層3
2aおよび第2層32bから誘電体層32が構成され
る。
【0033】このとき、高軟化点ガラス粉末は十分な粒
子相互の結合強度が得られる範囲において軟化点に近い
温度で熱処理され、厚膜導体38上に直接形成される第
1層32aを構成する高軟化点ガラスの流動性が十分に
低く保たれるように第1熱処理工程および第2熱処理工
程の条件が設定されていることから、第1層32aおよ
び第2層32bの何れの形成時においても、それらを構
成する高軟化点ガラスあるいは低軟化点ガラスが厚膜導
体38の気孔内に流れ込まないため、その気孔内から空
気を排出させることに起因する気泡は、誘電体層32中
には生じない。一方、第1層32aには粒界が残存して
いることからその透明度(光透過率)が低下させられる
が、誘電体層32は、この第1層32aおよび透明度が
高い第2層32bとから構成されることから、第1層3
2a表面の凹凸が第2層32bで埋められてその透明度
が向上させられることと相俟って、全体として十分に高
い透明度を有して構成される。したがって、厚膜導体3
8上において気泡を生じさせることなく、誘電体層32
すなわち透明厚膜誘電体が形成されるのである。これに
より、耐電圧を確保しつつ誘電体層32の透明度が高め
られて、PDP20の輝度やコントラストが高められ
る。
【0034】しかも、本実施例においては、前記高軟化
点ガラス粉末は、低軟化点ガラス粉末よりも軟化点が10
0(℃) 程度以上高いものである。そのため、両ガラス粉
末の軟化点の差が十分に大きいことから、厚膜導体38
の気孔内に流れ込み、或いはパターンエッジに閉じ込め
られた空気が第1層32a内に入り込む程度に高い流動
性がその第1層32aに与えられない範囲で、第2層3
2bの高い透明度が得られるように第2温度をその軟化
点よりも十分に高い温度に設定できるため、その第2温
度の設定が容易となって一層確実に気泡の発生を抑制し
得る。
【0035】
【0036】また、本実施例においては、前記第2温度
は、低軟化点ガラス粉末の軟化点よりも100(℃) 程度高
く設定されている。そのため、低軟化点ガラス粉末は軟
化点よりも十分に高い温度で熱処理されることから、十
分な流動性を与えられて高い透明度が得られる。
【0037】また、本実施例においては、高軟化点ガラ
ス粉末は、軟化点が550 〜600(℃)程度であり、低軟化
点ガラス粉末は、軟化点が450 〜500(℃) 程度である。
そのため、ソーダライムガラスから成る前面板22上に
厚膜導体38および誘電体層32を形成する際に、その
ソーダライムガラスの歪みを生じ易くなる600(℃) 程度
の温度よりも低い温度に第1温度および第2温度が設定
されていることから、第1熱処理工程および第2熱処理
工程における前面板22の反りや歪み等の変形が抑制さ
れる。
【0038】また、本実施例においては、前記第1温度
および第2温度は、厚膜導体38の形成時の焼成温度以
下の温度に設定されている。そのため、誘電体層32を
形成するための第1熱処理工程および第2熱処理工程に
おいて、厚膜導体38が形成時以上の温度に加熱されな
いことから、過焼結に起因する電気的特性の低下が抑制
される。
【0039】ここで、下記の表1は、本実施例の誘電体
層32の光透過率を測定した結果を、何れも30 (μm)程
度と同様の厚みとして構成を異なるものとした比較例と
併せて示すものである。なお、比較例1は、従来と同様
に第2層32bを構成する低軟化点ガラスのみから誘電
体層を構成しており、比較例2は、第1層32aを構成
する高軟化点ガラスのみから構成している。また、光透
過率は、分光光度計により可視光域の光吸収を測定して
求めた。下記表から明らかなように、本実施例によれ
ば、厚膜導体38上に気泡を生じさせることなく、従来
と同程度の高い光透過率が得られる。これに対して、比
較例2のように高軟化点ガラスのみから誘電体層32を
構成すると、全体が粒界の残存した透明度の低いガラス
層から構成されることに起因して、光透過率が大きく低
下させられる。
【0040】
【表1】
【0041】因みに、誘電体層32には、厚膜導体38
に電圧が印加された際にも破損しないだけの耐電圧が要
求されることから、前述のようにその厚さが30 (μm)程
度と十分に厚くされている。したがって、全体の厚さに
占める第1層(高軟化点ガラス)32aの厚さの割合を
大きくすると透明度が著しく低下させられ、特に、上記
比較例2に示されるように全体を高軟化点ガラスから構
成すると、透明度が極めて低くなる。しかしながら、第
1層32aは第2熱処理工程において高い流動性を与え
られる第2層32bが厚膜導体38の気孔内に入り込む
ことを阻止する機能を有すればよいため、その機能を果
たす範囲で可及的に薄く、例えば前述のように5(μm)程
度に薄く形成し得る。そのため、誘電体層32の上層部
を構成する透明な第2層32bの厚み割合を、例えば本
実施例のように83(=t2 /t)(%) 程度と大きく設
定すれば、耐電圧から要求される厚さt(=30 [μm]程
度)を確保しながら、誘電体層32全体として従来と同
程度の74 (%) 程度の高い透明度を得られるのである。
【0042】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0043】例えば、前述の実施例においては、本発明
がAC型カラーPDP20の製造工程に適用された場合
について説明したが、透明厚膜誘電体に覆われた電極を
有する表示装置であれば、例えば、トリガ電極を備えた
DC型PDPや、AC−DCハイブリッド型PDP等に
も本発明は同様に適用される。
【0044】また、実施例においては、厚膜導体38お
よび透明な誘電体層32が形成された前面板22側から
光が射出されるPDP20に本発明が適用された場合に
ついて説明したが、反対に背面板24側から光が射出さ
れる形式のPDP等にも本発明は同様に適用される。
【0045】また、実施例においては、第1層32aを
構成する高軟化点ガラスと第2層32bを構成する低軟
化点ガラスとの軟化点の差が100(℃) 程度とされていた
が、その軟化点の差は50〜150(℃) 程度の範囲で適宜設
定される。
【0046】また、実施例においては、高軟化点ガラス
としてPbO-SiO2-B2O3 、PbO-SiO2-B 2O3-Al2O3 等の鉛ガ
ラスが、低軟化点ガラスとしてPbO-RO-SiO2-B2O3、PbO-
RO-SiO2-B2O3-Al2O3等の硼珪酸鉛ガラスが用いられてい
たが、高軟化点ガラスとしては硼珪酸鉛ガラスや硼珪酸
ガラス等が、低軟化点ガラスとしては、鉛ガラスや硼珪
酸ガラス等が、それぞれ用いられてもよい。
【0047】また、実施例においては、第2温度が第1
温度以下の温度に設定されていたが、第2温度は、第1
層32aを構成する高軟化点ガラスの流動性が厚膜導体
38の気孔内に流れ込まない程度に止められる範囲で、
第1温度よりも高い温度に設定されてもよい。
【0048】また、実施例においては、第1層32aの
厚さがt1 =5(μm)程度に、第2層32bの厚さがt2
=25 (μm)程度に、すなわち、第2層32bの全膜厚に
対する割合(t2 /t)が83 (%) 程度に設定されてい
たが、この割合は、必要とする誘電体層32の透明度等
に応じて適宜変更し得る。
【0049】また、実施例においては、誘電体層32
は、前面板22の一面全体を覆うように形成されること
によって厚膜導体38を覆って設けられていたが、本発
明は厚膜導体上に透明誘電体層を形成するものであれ
ば、例えば、厚膜導体が設けられた部分を含む一面の一
部に誘電体層が設けられる場合や、厚膜導体の表面の一
部を覆って誘電体層が設けられる場合にも、同様に適用
し得る。
【0050】また、実施例においては、厚膜導体38か
ら成る導体膜上に透明厚膜誘電体を形成する場合につい
て説明したが、厚膜導体38に代えて薄膜導体が設けら
れ、その上に透明厚膜誘電体を形成する場合にも本発明
は同様に適用される。薄膜導体の場合には、金属粉体の
粒界に起因する気孔が生じ得ないが、パターンエッジに
閉じ込められた空気に由来する気泡は生じ得ることか
ら、本発明によれば、このような気泡の発生を抑制でき
る。
【0051】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電体層に生じた気泡を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例の透明厚膜誘電体の形成方法
が利用されるPDPの構造を一部を切り欠いて示す斜視
図である。
【図3】図2の誘電体層の構成を説明する要部拡大図で
ある。
【図4】図2のPDPの製造工程を説明する工程図であ
る。
【符号の説明】
32:誘電体層(透明厚膜誘電体) 32a:第1層(第1ガラス層) 32b:第2層(第2ガラス層) 38:厚膜導体(導体膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−105855(JP,A) 特開 平5−41167(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜或いは厚膜から成る導体膜上に透明
    厚膜誘電体を形成する方法であって、 前記導体膜上に第1のガラス粉末を含む第1のガラスペ
    ーストを厚膜印刷する第1印刷工程と、 前記第1のガラスペーストを前記第1のガラス粉末が粒
    界の残存した状態で相互に結合させられ且つその軟化点
    よりも高い第1温度で熱処理することによって、前記透
    明厚膜誘電体の下層部を構成する第1ガラス層を前記導
    体膜上に形成する第1熱処理工程と、 該第1ガラス層上に前記第1のガラス粉末よりも低い軟
    化点を有する第2のガラス粉末を含む第2のガラスペー
    ストを厚膜印刷する第2印刷工程と、 前記第2のガラスペーストを前記第2のガラス粉末が粒
    界の残存しない状態で相互に結合させられる温度であっ
    て前記第1温度以下の温度または前記第1ガラス層の粒
    界が残存する温度である第2温度で熱処理することによ
    って、前記透明厚膜誘電体の上層部を構成する第2ガラ
    ス層を該第1ガラス層上に形成する第2熱処理工程と
    を、含むことを特徴とする導体膜上への透明厚膜誘電体
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のガラス粉末は鉛ガラスであ
    り、前記第2のガラス粉末は硼珪酸鉛ガラスである請求
    項1の導体膜上への透明厚膜誘電体の形成方法。
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