JP2001229821A - カラーpdpの製造方法 - Google Patents

カラーpdpの製造方法

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JP2001229821A
JP2001229821A JP2000045103A JP2000045103A JP2001229821A JP 2001229821 A JP2001229821 A JP 2001229821A JP 2000045103 A JP2000045103 A JP 2000045103A JP 2000045103 A JP2000045103 A JP 2000045103A JP 2001229821 A JP2001229821 A JP 2001229821A
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binder
sealing
phosphor
pdp
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JP2000045103A
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Masato Hayashi
正人 林
Kenji Sasaki
健司 佐々木
Takashi Ishikawa
孝 石川
Shoichi Hata
昇一 畑
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Original Assignee
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成、封着等の加熱工程による蛍光体の劣化
を防止したカラーPDPの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のカラーPDPの製造方法は、バ
インダを含む蛍光体ペーストを基板に塗布する工程9
と、低融点ガラスペーストを基板に塗布する工程10
と、塗布された前記基板を焼成してバインダを熱分解す
る工程11と、焼成後の基板を含む一対の基板を所定間
隔で対向させて貼り合せ、酸素雰囲気中で封着する工程
13とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体放電により放
射される真空紫外線によって蛍光体を励起し発光させる
ことにより文字、画像などを表示するカラーPDP(プ
ラズマディスプレイパネル)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展にともなって高性能デ
ィスプレイが要望され、近年、薄型、大画面のカラーP
DPの開発、実用化が進展している。その中でもAC面
放電型PDPは、表示容量や表示画質の優位性、応答速
度、階調表示などに優れ、カラーPDPの主流となって
いる。以下、AC面放電型PDPの構造と概略の製造方
法について図を用いて説明する。図6はAC面放電型P
DP31の封着前の組立構造を示す斜視図である。一方
のガラスからなる前面基板32には、ITOなどの透明
導電薄膜をパターン形成したストライプ状のペアの表示
電極33、33が形成されている。表示電極33、33
の一部にはAgペーストを塗布したバス電極34,34
が形成されている。表示電極33、33の上にコンデン
サとして機能するガラスからなる透明な誘電体層35が
形成され、さらにその上に保護層としてMgO層36が
形成されている。他方のガラスからなる背面基板37に
は、透明導電薄膜、Ag等からなるアドレス電極38が
表示電極33と直交するようにストライプ状に形成され
ている。アドレス電極38の上には誘電体層39が形成
されている。隣り合うアドレス電極38、38の間の誘
電体層39の上には、ガラス等無機材料の厚膜印刷等に
よってストライプ状の隔壁40が設けられ、各アドレス
電極38を分離独立させている。各アドレス電極38に
沿う誘電体層39の上と隔壁40の側面に、R,G,B
の3色の蛍光体からなる蛍光体層41が形成されてい
る。赤色発光蛍光体(R)として(Y、Gd)BO3
Euが、緑色発光蛍光体(G)としてZn2SiO4:M
n、BaAl1219:Mnなどが、青色発光蛍光体
(B)としてBaMgAl1017:Euが実用化されて
いる。
【0003】蛍光体層41は次のようにして形成する。
先ず、蛍光体とバインダとを溶媒に分散した蛍光体ペー
ストを用いて、スクリーン印刷法により背面基板37に
各色の蛍光体塗布層を順次形成する。また、背面基板3
7の周縁部にバインダを含む封着用の低融点ガラスペー
スト(図示しない)を塗布する。塗布された背面基板3
7を大気中で約500℃で焼成し、発光に有害なバイン
ダを熱分解して除去する。低融点ガラスペーストのバイ
ンダも同時に熱分解して除去する。バインダは所定場所
に蛍光体を高密度で保持する作用をする。バインダとし
てはエチルセルロースが一般的である。次いで、バイン
ダを除去した背面基板37と前面基板32とを表示電極
33、33とアドレス電極38が直交するようにして貼
り合せ、加熱することにより、両基板の周縁部を低融点
ガラスで封着したPDP容器が得られる。次いで、PD
P容器を真空排気しながら加熱脱ガス後放電用希ガス
(キセノン(Xe)を含む混合ガス)を封入してPDP
31を完成する。かかるPDP31では、隔壁40とガ
ラス基板32、37とで囲まれ区画された多数の放電セ
ルが形成されている。
【0004】表示するセルの選択は、表示内容に応じて
選択されたアドレス電極38と表示電極33との間に電
圧を印加して交点のセルを短時間放電させ、交点のセル
に壁電荷を形成することにより行う。表示は、ペアにな
っている表示電極間にAC電圧を印加することによっ
て、壁電荷を有する選択されたセルに面放電を維持させ
て行う。その際、Xeのグロー放電により放射される真
空紫外線の中で、主に波長147nmの励起光により蛍
光体を発光させ、表示に用いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エチルセル
ロースからなるバインダを熱分解して除去するために、
蛍光体塗布層を形成した背面基板を大気中で焼成する
と、特に、BAM系の青色発光蛍光体(BaMgAl10
17:Eu等)が劣化し、色純度や輝度が低下するとい
う問題があった。また、前面基板と焼成後の背面基板と
を貼り合せ、大気中で加熱して封着すると、さらに色純
度や輝度が低下するという問題があった。色純度や輝度
の低下は、PDPを長時間動作させるとさらに進行し
た。
【0006】本発明は上記の問題に鑑みて提案されたも
ので、その目的は、焼成、封着等の加熱工程による色純
度低下、輝度低下等の蛍光体の劣化を改善できるカラー
PDPの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーPDPの
製造方法は、バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗
布する工程と、塗布された前記基板を焼成してバインダ
を熱分解する工程と、焼成後の基板を含む一対の基板を
所定間隔で対向させて貼り合せ、酸素雰囲気中で封着す
る工程とを具備することを特徴とする。この構成によ
り、封着工程での蛍光体の劣化を防止できると共に、焼
成工程で生じた蛍光体の劣化を封着工程でかなりの程度
修復できる。
【0008】また、本発明のカラーPDPの製造方法
は、バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗布する工
程と、塗布された前記基板を酸素雰囲気中で焼成してバ
インダを熱分解する工程と、焼成後の基板を含む一対の
基板を所定間隔で対向させて貼り合せ、酸素雰囲気中で
封着する工程とを具備することを特徴とする。この構成
により、塗布層のバインダを熱分解する工程で生じる蛍
光体の劣化と、前面基板と背面基板とを加熱封着する工
程で生じる蛍光体の劣化を抑制できる。
【0009】また、本発明のカラーPDPの製造方法
は、バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗布する工
程と、塗布後の基板を含む一対の基板を所定間隔で対向
させ貼り合せる工程と、貼り合せた基板を酸素雰囲気中
で加熱することにより、バインダの熱分解と基板の封着
とを同一工程で行なうことを特徴とする。この構成によ
り、蛍光体の劣化を抑制すると共に、加熱工程の簡略化
を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のPDPの製造方法の第一
の実施の形態の特徴は、封着工程を窒素を含まない気体
中で、特に酸素雰囲気中で行なう点にある。発明者の検
討によると、窒素が存在する雰囲気で加熱すると、窒素
が蛍光体に吸着されて蛍光体が劣化し、輝度低下、色度
変化が生じる。封着工程では、前面基板と背面基板とが
微小間隔で貼り合わされているため、両基板の内側から
の脱ガスが容易でない。このため、両基板間の不純ガス
濃度が高くなる傾向がある。したがって、酸素の純度は
できるだけ高いものが望ましい。蛍光体への悪影響を防
止するうえで酸素雰囲気の純度を低下させる窒素の含有
は許容できない。そこで、封着工程の酸素濃度は少なく
とも98%程度が望ましい。第一の実施の形態では、先
行する焼成工程の雰囲気は特に限定しない。従来と同一
の大気でもよいし、窒素、希ガス等の不活性気体でもよ
いし、これらの混合気体でもよい。この構成により、従
来の大気中焼成等で窒素により蛍光体の劣化が生じて
も、封着工程では窒素が存在しないので劣化が進行する
ことはなく、酸素雰囲気中で加熱することによって吸着
された窒素を脱離させ、窒素の悪影響をある程度修復で
きるのである。また、焼成工程でバインダの分解不良が
生じたとしても、封着工程の豊富な酸素で完全に分解で
きる利点がある。バインダは、エチルセルロース系樹脂
が好適するが、アクリル系樹脂でもよい。
【0011】第一の実施の形態の製造方法について、以
下、図を参照して説明する。図1はカラーPDPの製造
フロー図、図2は背面基板に関する工程を示す要部拡大
断面図、図3は前面基板と背面基板とを貼り合せたカラ
ーPDPの要部拡大断面図である。図1において、工程
1〜5は前面基板に関する製造工程であるが、従来のカ
ラーPDPの製造方法と同一であり、本発明と直接関連
しないので、重複する説明を省略する。工程6〜11は
背面基板に関する製造工程であり本発明に関連する。工
程12〜15はパネル組立以降パネル完成までの工程で
ある。特に、本発明の特徴部分である封着工程13を含
む。以下、これらの製造工程を順次説明する。
【0012】先ず、工程6では、ソーダライム系ガラス
からなる背面基板37をアニールする。この工程は、後
工程の焼成で基板が変形することを緩和するために行な
う。
【0013】工程7では、背面基板37上に、Agペー
ストを用いてスクリーン印刷によりアドレス電極38を
表示電極33と直交するようにストライプ状に形成す
る。スクリーン印刷法は、圧倒的にプロセス数が少な
く、コスト面で有利である。高解像度、パターン精度等
を重視して、蒸着、スパッタ、CVD等で形成した透明
導電薄膜を、ウエットエッチング法、リフトオフ法など
によりパターン形成してもよい。
【0014】工程8では、アドレス電極38の上に誘電
体層39を形成し、アドレス電極38と隣りのアドレス
電極38の間の誘電体層39の上に、ガラス等無機材料
からなるストライプ状の隔壁40を形成する。隔壁40
の形成方法は、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、
アディティブ法などを利用できる。各アドレス電極38
は隔壁40で仕切られ独立している。
【0015】工程9では、蛍光体層41をスクリーン印
刷法により形成する。先ず、一本のアドレス電極38に
沿う誘電体層39の上と両側の隔壁40の各側面に、例
えば、(Y、Gd)BO3:Euからなる赤色発光蛍光
体(R)とシアノエチルセルロース系樹脂バインダを含
む蛍光体ペーストを塗布する。次いで、隣のアドレス電
極38に沿う誘電体層39の上と両側の隔壁40の各側
面に、Zn2SiO4:Mnからなる緑色発光蛍光体
(G)とバインダを含む蛍光体ペーストを塗布する。同
様に、BaMgAl1017:Euからなる青色発光蛍光
体(B)を含む蛍光体ペーストを塗布し、蛍光体層41
を形成する。
【0016】工程10では、背面基板37の周縁部にシ
アノエチルセルロース系樹脂バインダを含む封着用の低
融点ガラスペースト43がスクリーン印刷法等で塗布さ
れている。
【0017】工程11は焼成工程であって、工程10ま
で終了した背面基板37を電気炉44に入れ、大気中
(フロー)で約500℃、30分焼成し、蛍光体ペース
トのバインダと、低融点ガラスペーストのバインダを一
括して熱分解し、除去する。
【0018】工程12はPDP容器の組立工程であり、
工程1〜5で各層を形成した前面基板32と、工程6〜
11で各層を形成しバインダを一括除去した背面基板3
7とを図3に示すように対向して貼り合せると共に、背
面基板37の一部にあらかじめ形成されている透孔45
に排気管46の一端を挿入し、結晶化ガラスからなるガ
ラス半田(例えば、リング状成型体)47を配設してP
DP構体48を得ることを特徴としている。次工程(封
着)でのガラス半田47の流動を考慮して、前面基板3
2を下側にし、背面基板37を上側にして配置する。な
お、ガラス半田47には封着中の加熱によって不純ガス
が発生しないように樹脂系バインダは含まれていない。
【0019】工程13はPDP容器の封着工程であっ
て、本発明に特有の酸素雰囲気中で封着するものであ
る。図3に示すPDP構体48を電気炉(図示しない)
に入れ、酸素雰囲気中で約450℃、30分加熱して前
面基板32と背面基板37を、また、背面基板37と排
気管46とを同時に封着する。酸素雰囲気中で封着する
ので、従来の大気中封着における窒素による蛍光体の劣
化が防止される。また、酸素濃度が高いので、低融点ガ
ラスの酸化物が還元されて組成が変化することが無く、
前面基板32と背面基板37とを、また、背面基板37
と排気管46とを低融点ガラスで良好に封着することが
できる。また、焼成工程でバインダの分解不良が生じた
場合、封着工程の豊富な酸素で完全に分解できる。
【0020】工程14は排気・ガス封入工程であり、約
380℃で加熱しながら排気して脱ガスし、室温でXe
−He−Ne等のXeを主体とする希ガスを所定圧封入
し、排気管46を溶融封止する。工程15はエージング
・検査工程である。
【0021】次に、本発明のPDPの製造方法の第二の
実施の形態について説明する。第二の実施の形態の特徴
は、焼成工程と封着工程とをそれぞれ窒素を含まない気
体中で、特に酸素雰囲気中で行なう点にある。封着構体
の酸素濃度は第一の実施の形態と同様に100%が望ま
しく、略98%以上は必要である。しかしながら、焼成
工程では、前面基板だけであるから脱ガスが容易であ
り、酸素濃度は略95%以上であれば使用でき、微量の
含有窒素は許容できる。この構成により、従来の焼成工
程での窒素成分による蛍光体の劣化を防止できる効果が
加算されるので、第一の実施の形態よりもさらに蛍光体
の劣化を防止できる。すなわち、図4に示すように、工
程11′は本発明に特有の焼成工程であって、工程10
まで終了した背面基板37を電気炉44に入れ、十分に
置換された酸素雰囲気中で約500℃、30分焼成し、
蛍光体ペーストのバインダと、低融点ガラスペーストの
バインダを一括して熱分解し、除去することを特徴とし
ている。工程13は、第一の実施の形態と同様の酸素中
での封着工程である。
【0022】次に、本発明のPDPの製造方法の第三の
実施の形態について図5に示す製造フローを参照して説
明する。第三の実施の形態は、バインダを含む蛍光体ペ
ーストを基板に塗布し(工程9)、次いで、バインダを
含む低融点ガラスペーストを基板に塗布した(工程1
0)背面基板と、MgO層を形成した(工程5)前面基
板とを所定間隔で貼り合せてパネルを組立て(工程1
2′)、このパネル構体を酸素雰囲気中で加熱すること
により、焼成(バインダの熱分解、除去)と封着とを同
一工程(工程13′)で行なうことを特徴とする。背面
基板を単独で焼成する工程11、11′は削除してい
る。その他の工程は図1に示す第一の実施の形態と同一
である。第三の実施の形態では、パネルを組み立てた状
態で焼成するので、加熱工程が一回減り加熱工程の簡略
化が図れると共に、蛍光体の劣化を抑制できる。
【0023】
【実施例】(実施例1) 第一の実施の形態の製造方法
に関する実施例である。所定寸法のソーダライム基板上
に、アドレス電極、隔壁を形成し、さらに青色発光蛍光
体(BaMgAl1017:Eu)と、シアノエチルセル
ロース系樹脂バインダと、ターピネオールからなる溶剤
とを所定割合で均一に混合した蛍光体ペーストを用い
て、スクリーン印刷法により青色発光蛍光体塗布層のみ
を形成し、基板周縁部にシアノエチルセルロース系樹脂
バインダを含む封着用低融点ガラスを形成した背面基板
を得る。次いで、この基板を、大気中で、約500℃、
30分間焼成して略20μm厚の青色発光蛍光体層を形
成した背面基板を得る。次いで、焼成後の背面基板と、
あらかじめ表示電極、MgO層等を形成した前面基板と
を所定間隔で対向して貼り合せ、酸素雰囲気中で、約4
50℃、30分間加熱して封着し、次いで、真空排気後
Xeを主体とする希ガスを所定圧封入して、試験用PD
Pパネルとした。
【0024】(実施例2) 第二の実施の形態の製造方
法に関する実施例である。実施例1と同様にして青色発
光蛍光体塗布層のみをを形成した背面基板を得る。次い
で、この基板を、酸素雰囲気中で、約500℃、30分
間焼成して略20μm厚の青色発光蛍光体層を形成した
背面基板を得る。次いで、この背面基板と、実施例1と
同様の前面基板とを所定間隔で対向して貼り合せ、酸素
雰囲気中で、約450℃、30分間加熱して封着し、次
いで、真空排気後希ガスを封入して、試験用PDPパネ
ルとした。
【0025】(比較例1) 実施例1、2に対する比較
例で、従来例である。実施例1と同様にして青色発光蛍
光体塗布層のみを形成した背面基板を得る。次いで、こ
の基板を、大気中で、約500℃、30分間焼成して略
20μm厚の青色発光蛍光体層を形成した背面基板を得
る。次いで、この背面基板と、実施例1と同様の前面基
板とを所定間隔で対向して貼り合せ、大気中で、約45
0℃、30分間加熱して封着し、次いで、真空排気後希
ガスを封入して、試験用PDPパネルとした。
【0026】(比較例2) 実施例1、2に対する比較
例である。実施例1と同様にして青色発光蛍光体塗布層
のみを形成した背面基板を得る。次いで、この基板を、
窒素中で、約500℃、30分間焼成して略20μm厚
の青色発光蛍光体層を形成した背面基板を得る。次い
で、この背面基板と、実施例1と同様の前面基板とを所
定間隔で対向して貼り合せ、窒素中で、約450℃、3
0分間加熱して封着し、次いで、真空排気後希ガスを封
入して、試験用PDPパネルとした。
【0027】(実施例3) 第三の実施の形態の製造方
法に関する実施例である。実施例1と同様にして青色発
光蛍光体塗布層のみを形成した背面基板を得る。次い
で、この基板の周縁部に封着用の低融点ガラスを形成す
る。次いで、この背面基板と、実施例1と同様の前面基
板とを所定間隔で対向して貼り合せ、貼り合せた基板を
酸素雰囲気中で、約450℃、30分間加熱し、焼成と
封着を同時に行なう。焼成にはやや温度不足であるが、
封着での熱損傷を考慮して約450℃にしている。次い
で、真空排気後希ガスを封入して、試験用PDPパネル
とした。
【0028】(比較例3) 実施例3に対する比較例で
ある。実施例3と同様に貼り合せた基板を大気中で、約
450℃、30分間加熱し、焼成と封着を同時に行な
う。次いで、真空排気後希ガスを封入して、試験用PD
Pパネルとした。
【0029】(輝度、色度の測定方法と結果)上記の各
実施例、各比較例の試験用PDPパネルに一定波高値の
矩形波パルス(125KHz、パルスのデューティは1
/16)を印加して青色発光させる。発光スペクトル
は、約450nmに発光強度のピークを有し、それより
も短波長側及び長波長側に向かって強度が減衰し、約4
00nm、約550nmで発光強度ゼロとなる。試験用
PDPパネルの前面基板側に一定距離に配置した輝度計
(例えば、BM−5A、トプコン(株)製)を用いて、
輝度と色度(CIE-x、y)を同時に測定する。また、こ
れらの試験用PDPパネルを2000時間にわたり連続
点灯した後、同様に矩形波パルスを印加して輝度、色度
を測定し、経時変化を評価する。結果を表1に示す。輝
度は比較例1の初輝度を100として相対値で表示し
た。色度は、CIE-xは約0.143であり、ほとんど変
化しないので、CIE-yのみ表示した。さらに、輝度/CI
E-yを算出し、比較例1の初期値を100として相対値
で表示した。輝度/CIE-yは、青色純度と輝度とを総合
的に表す指標であり、数値が大きいほど望ましい。
【0030】
【表1】
【0031】表1から、従来製法に対する本発明の優位
性は明らかである。すなわち、比較例1と実施例1との
比較から、焼成雰囲気が大気の場合、封着雰囲気を大気
から酸素にすることにより、初輝度は若干低下するもの
の寿命中の輝度劣化は改善される。また、色度(CIE-
y)と指標(輝度/CIE-y)は、初期、寿命中共に改善
される。比較例1と実施例2との比較から、焼成雰囲
気、封着雰囲気共に大気から酸素にすることにより、上
記の各特性はさらに改善される。参考までに、比較例2
のように焼成雰囲気、封着雰囲気共に窒素にすると、y
値は大気の場合と同程度であるが、輝度、指標(輝度/
CIE-y)は極端に低下する。これらの結果は、窒素が悪
影響を及ぼす可能性を示唆している。
【0032】また、比較例3と実施例3との比較から、
大気中で同時に焼成、封着を行なうよりも酸素中で同時
に焼成、封着を行なうことにより特性を改善できること
がわかる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のカラー
PDPの製造方法は、前面基板と背面基板とを酸素中で
封着するので、従来の大気中封着に比べ背面基板に塗布
されたBAM系の青色発光蛍光体(BaMgAl
1017:Eu等)の劣化を改善できる。特に、蛍光体の
焼成と両基板の封着とを共に酸素中で行なうことによ
り、さらに蛍光体の劣化を改善できる。また、蛍光体の
焼成と両基板の封着とを共に酸素中で同一工程で行なう
ことにより、蛍光体の劣化を改善すると共に、加熱工程
の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すカラーPD
Pの製造フロー全体図
【図2】 背面基板の各工程を説明するための要部拡大
断面図
【図3】 本発明の第1の実施の形態のカラーPDPの
組立工程を説明するための要部拡大断面図
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示すカラーPD
Pの製造フロー全体図
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示すカラーPD
Pの製造フロー部分図
【図6】 従来のAC面放電型PDPの斜視図
【符号の説明】
11′ 酸素中での塗布層焼成工程 13 酸素中での封着工程 13′ 酸素中での焼成・封着工程 32 前面基板 37 背面基板 41 蛍光体層 43 低融点ガラス 44 焼成用電気炉 48 PDP構体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 昇一 滋賀県大津市晴嵐2丁目9番1号 関西日 本電気株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA09 BC03 5C028 FF16 5C040 FA01 GG09 HA01 JA21 MA02 MA03 MA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗
    布する工程と、塗布された前記基板を焼成してバインダ
    を熱分解する工程と、焼成後の基板を含む一対の基板を
    所定間隔で対向させて貼り合せ、酸素雰囲気中で封着す
    る工程とを具備するカラーPDPの製造方法。
  2. 【請求項2】バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗
    布する工程と、塗布された前記基板を酸素雰囲気中で焼
    成してバインダを熱分解する工程と、焼成後の基板を含
    む一対の基板を所定間隔で対向させて貼り合せ、酸素雰
    囲気中で封着する工程とを具備するカラーPDPの製造
    方法。
  3. 【請求項3】バインダを含む蛍光体ペーストを基板に塗
    布する工程と、塗布後の基板を含む一対の基板を所定間
    隔で対向させ貼り合せる工程と、貼り合せた基板を酸素
    雰囲気中で加熱することにより、バインダの熱分解と基
    板の封着とを同一工程で行なうカラーPDPの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007265768A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Ulvac Japan Ltd プラズマディスプレイパネルの製造方法及びその製造装置

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