JPWO2008035785A1 - 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法 - Google Patents

無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008035785A1
JPWO2008035785A1 JP2008535414A JP2008535414A JPWO2008035785A1 JP WO2008035785 A1 JPWO2008035785 A1 JP WO2008035785A1 JP 2008535414 A JP2008535414 A JP 2008535414A JP 2008535414 A JP2008535414 A JP 2008535414A JP WO2008035785 A1 JPWO2008035785 A1 JP WO2008035785A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
inorganic particle
containing resin
pattern
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008535414A
Other languages
English (en)
Inventor
内山 克博
克博 内山
寿実 平野
寿実 平野
板野 考史
考史 板野
岩本 聡
聡 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Publication of JPWO2008035785A1 publication Critical patent/JPWO2008035785A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/0047Photosensitive materials characterised by additives for obtaining a metallic or ceramic pattern, e.g. by firing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/0005Production of optical devices or components in so far as characterised by the lithographic processes or materials used therefor
    • G03F7/0007Filters, e.g. additive colour filters; Components for display devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps

Abstract

本発明は、優れたパターン形状および高アスペクト比の部材を形成することができるとともに、燃焼性に優れた有機成分と特定の酸化物微粒子を用いることで低温焼成を可能とし、さらには焼成時の収縮や歪の少ないパターンを形成することができ、信頼性の高いディスプレイパネルを製造することができる無機粒子含有樹脂組成物を提供する。また、本発明は、上記無機粒子含有樹脂組成物から形成される無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたディスプレイパネル用部材の製造方法を提供する。

Description

本発明は、ディスプレイパネル用部材の製造に好適な無機粒子含有樹脂組成物、該組成物から得られる転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたディスプレイパネル用部材の製造方法に関する。
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)、フィールドエミッションディスプレイ(以下「FED」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)が注目されている。PDPは、透明電極を形成し、近接した2枚のガラス板の間にアルゴンまたはネオンなどの不活性ガスを封入し、プラズマ放電を起こしてガスを光らせることにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。一方、FEDは、電界印可によって陰極から真空中に電子を放出させ、その電子を陽極上の蛍光体に照射することにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。
このようなFPDの誘電体、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックス等の形成方法としては、フォトリソグラフィー法が好適である。フォトリソグラフィー法とは、無機粒子とビヒクルとを含むペースト状の感光性組成物からなる層を基板等の表面に形成し、これを露光および現像することによりパターンを形成し、次いで該パターンを焼成して有機物質を除去し、無機粒子を焼結させる方法である。特に、前記感光性組成物から形成される層を有する転写フィルムを用いて、基板等の表面に転写することを特徴とするフォトリソグラフィー法は、厚みの均一性に優れた膜が得られるとともに、作業効率が改善されることから非常に好ましい。
上述した方法で、例えば隔壁を形成する場合、焼成工程で有機物質が除去されて膜厚が小さくなるので、転写層は形成すべき隔壁の膜厚の1.2〜2.0倍程度とすることが必要である。具体的には、隔壁の膜厚を10〜200μmとするためには、転写層の厚みを10〜300μm程度にする必要がある。
FPDを構成する隔壁は、良好な電気的特性を発現させる観点から、アスペクト比が高く、形状が均一であることが望ましい。しかしながら、転写層の厚みが大きいと、現像の際にパターンの側壁がえぐれた形状になりやすく、パターン形状が均一かつ良好な隔壁が得られにくい。また、現像の際にパターンの側壁がえぐられた状態で焼成処理を行うと、パターンが剥離したり、変形がひどくなったりする場合がある。
このような問題点を解決するため、例えばPDP用隔壁の製造方法において、隔壁形成用組成物の膜に、酸化チタンを含むことを特徴とする隔壁形成用組成物を用いることで、ひび割れが無く、高アスペクト比のパターンが形成可能であるPDP用隔壁の製造方法に関する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている方法は、サンドブラスト法を用いてパターンを形成する方法であり、感光性ペーストを用いてパターンを形成するフォトグラフィー法に比べ、工程数が多く環境への付加が懸念される他、作業効率が良く微細なパターニングを形成するという点で、フォトグラフィー法には及ばないという問題があった。
また、上記同様にPDP用隔壁の製造方法において、金属酸化物を用いること、低融点ガラス粉末を用いることで、強度的耐性が良く、高い光線反射率を示す隔壁の製造方法に関する発明が開示されている(例えば、特許文献2〜4参照)。しかし、形状安定性に関する効果は明白でない。
一方、環境への負荷低減の一環として、低温焼成可能な材料開発が進められている。
現在、フォトリソグラフィー法においては、パターン形成時の無機成分と有機成分との界面における光の散乱や回折を抑制するために、フィルム中の有機成分の屈折率と無機成分の屈折率とを整合する方法が検討されている。通常は無機成分の屈折率の方が高いため、この方法においては屈折率の高い有機成分が用いられることとなる。しかし、高屈折率を有する有機成分は熱分解性が悪いため、焼成後の隔壁等の部材に有機残渣が残り、部材が着色しやすいという問題点を有している。
特開2005−310568号公報 特開2002−356351号公報 特開2001−27802号公報 特開2002−82433号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、優れたパターン形状および高アスペクト比の部材を形成することができるとともに、燃焼性に優れた有機成分と特定の酸化物微粒子を用いることで低温焼成を可能とし、さらには焼成時の収縮や歪の少ないパターンを形成することができ、信頼性の高いディスプレイパネルを製造することができる無機粒子含有樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記無機粒子含有樹脂組成物から形成される無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたディスプレイパネル用部材の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、特定の酸化物微粒子を用い、無機成分と有機成分とを特定の割合で配合し、かつ易燃焼性の有機組成物を整合させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、平均粒子径が0.001〜5μmの範囲にある酸化物微粒子、ガラス粉末、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含み、酸化物微粒子がガラス粉末100重量部に対して30〜500重量部の範囲で含有されていることを特徴とする。
また、本発明の転写フィルムは、平均粒子径が0.001〜5μmの範囲にある酸化物微粒子、ガラス粉末、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含み、酸化物微粒子がガラス粉末100重量部に対して30〜500重量部の範囲で含有されていることを特徴とする無機粒子含有樹脂層と、支持フィルムとを有することを特徴とする。
また、本発明のディスプレイパネル用部材の製造方法は、本発明の転写フィルムを用いて、該転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写する工程、該無機粒子含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、該無機粒子含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および該パターンを焼成処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、酸化物微粒子が燃焼助剤として働くことで、高屈折率の有機成分を用いても燃焼性に優れ、本発明の組成物を用いて得られる部材に有機残渣が残らず、信頼性の高いディスプレイを製造することができる。また、酸化物微粒子が高軟化点フィラーと似た働きをするため、焼成後のパターン形状を保持することができ、優れたパターン形状および高アスペクト比の部材を形成することができる。さらに、焼成時の泡抜け性が良好であり、有機残渣のない部材を形成することができる。
交流型プラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。 一般的なフィールドエミッションディスプレイの断面形状を示す模式図である。
符号の説明
101 ガラス基板
102 ガラス基板
103 背面隔壁
104 透明電極
105 バス電極
106 アドレス電極
107 蛍光物質
108 誘電体層
109 誘電体層
110 保護層
111 前面隔壁
201 ガラス基板
202 ガラス基板
203 絶縁層
204 透明電極
205 エミッタ
206 カソード電極
207 蛍光体
208 ゲート
209 スペーサ
以下、本発明に係る無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法について詳細に説明する。
〔無機粒子含有樹脂組成物〕
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、平均粒子径が0.001〜5μmの範囲にある酸化物微粒子、ガラス粉末、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有する。
また、本発明の組成物において、組成物中の酸化物微粒子がガラス粉末100重量部に対して30〜500重量部の範囲で含有されていること、好ましくは50〜200重量部、さらに好ましくは50〜150重量部の範囲で含有されていることにより、優れたパターン形状および高アスペクト比のパターンを得ることができる傾向がある。
<酸化物微粒子>
本発明の組成物に用いられる酸化物微粒子は、平均粒子径が、通常0.001〜5μmであり、好ましくは0.005〜1μmであり、さらに好ましくは0.02〜0.3μmである。
この平均粒子径は、ディスプレイパネル用部材の製造工程中、露光工程で用いられる紫外線の波長(例えば、g線:436nm、h線:405nm、i線:365nm)より十分小さい値である。
この範囲の平均粒子径を有する酸化物微粒子を用いることにより、酸化物微粒子と有機成分との界面における露光光の散乱および反射が無視できる程小さくなり、組成物が光学的に均質な溶液と見なすことができるという利点がある。
本発明で用いることができる酸化物微粒子は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴としている。中でも、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化スズおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記酸化物微粒子は、表面に導電性コーティングが施されたものでも良い。例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)や酸化アンチモンドープ−酸化スズ(ATO)、酸化アンチモンドープ/酸化スズコート−酸化チタン(ATOコート酸化チタン)、さらには酸化亜鉛にAl3+をドーピングしたものなどでも良い。
さらには、これらがケトン系(例えばメチルエチルケトン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,シクロヘキサノン等)・アルコール系(例えばイソプロピルアルコール,メタノール等)・水系に分散された分散液として提供されるものであっても良い。
上記酸化物微粒子は比較的安定であり、表面での反応などが起きにくい。また、上記酸化物微粒子は市販されているため、低コストであり、かつ供給が安定している。酸化物微粒子が有する機能や、用いる有機成分との反応性などから最適な酸化物微粒子を選択することができる。また、複数の酸化物微粒子を混合して、有機成分と整合させてもよい。
ここで、本発明の無機粒子含有樹脂組成物において、前記酸化物微粒子は、ガラス粉末100重量部に対して30〜500重量部、好ましくは50〜200重量部さらに好ましくは50〜150部の範囲で用いられる。前記酸化物微粒子を前記範囲内の量で用いることにより、熱膨張係数の調整に有効であり、焼付け温度の基板の耐熱性への適用、形成される隔壁の安定性や緻密性の点で好ましい。また、焼成後に得られるフラットディスプレイパネル部材の強度が良好なものとなる傾向がある。
フォトリソグラフィー法により形成されるパターンから、低温で焼成して所望の部材を製造するためには、そのパターンを構成する有機成分の燃焼性が高いこと、さらに焼成工程でのパターン自体の形状の崩れが起こりにくいことが重要である。
しかし、一般に、有機成分の燃焼性を高めてしまうと、パターン中の無機成分のバインダーとなっている有機成分が、焼成工程の早い段階で焼失するため、パターン形状の崩れが起こりやすくなる。特に、低温での焼成を達成するためには、一般に、パターン中の無機成分、例えばガラスの軟化点を低くする必要があり、パターン形状の崩れがさらに起こりやすくなる傾向にある。
本発明のフォトグラフィー法に好適に用いる樹脂組成物は、上記酸化物微粒子が含まれる点に特徴がある。このような酸化物微粒子が含まれることで、パターンを構成する有機成分の燃焼性の向上と、焼成工程でのパターン自体の形状の崩れの抑制を両立することができる。
その詳細なメカニズムは明らかではないが、樹脂組成物中に含まれる上記酸化物粒子には、パターン中に含まれる有機成分の助燃作用があるため有機成分の燃焼性を向上し、しかもパターン中ではフィラーの役割を有するため、パターン形状の崩れを抑制するものと推定される。
<ガラス粉末>
本発明の組成物に用いられるガラス粉末としては、熱軟化点が通常400〜550℃であり、好ましくは400〜500℃であり、さらに好ましくは450〜500℃である低融点ガラス粉末を挙げることができる。ガラス粉末の熱軟化点が上記範囲よりも低いと、上記組成物から形成された無機粒子含有樹脂層の焼成工程において、樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしまう。そのため、形成される部材中に有機物質の一部が残留し、その結果、誘電体層や隔壁などの部材が着色されて、その光透過率が低下するおそれがある。一方、ガラス粉末の熱軟化点が上記範囲を超えると、高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが発生しやすい。また、上記ガラス粉末のガラス転移温度は350〜550℃であることが好ましい。
上記ガラス粉末の平均粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれる。したがって、前記平均粒子径は0.001〜5μmの範囲であることが、パターン形成上好ましい。また、ガラス粉末の比表面積は1〜300m2/gの範囲であることが、パターン形成上好ましい。
上記ガラス粉末は、酸化珪素を1〜50重量%の範囲で含有することが好ましく、1〜30重量%の範囲で含有することがさらに好ましい。酸化珪素は、ガラスの緻密性、強度および安定性を向上させる働きを有するとともに、ガラスの低屈折率化にも効果がある。また、熱膨張係数をコントロールしてガラス基板とのミスマッチによる剥離等を防ぐこともできる。酸化珪素の含有量が3重量%以上であることにより、熱膨張係数を小さく抑え、ガラス基板に焼き付けた時に起こるクラックの発生を低減することができるとともに、屈折率を低く抑えることができる傾向がある。また、酸化珪素の含有量が50重量%以下であることにより、ガラス転移点および荷重軟化点を低く抑え、ガラス基板への焼き付け温度を低くすることができる傾向がある。
上記ガラス粉末は、酸化ホウ素を1〜50重量%の範囲で含有することが好ましく、1〜30重量%の範囲で含有することがさらに好ましい。酸化ホウ素の含有量が5重量%以上であることにより、ガラス転移点および荷重軟化点を低く抑え、ガラス基板への焼き付けを容易にすることができる傾向がある。また、酸化ホウ素の含有量が50重量%以下であることにより、ガラスの化学的安定性を維持することができる傾向がある。なお、酸化ホウ素は低屈折率化にも有効である。
上記ガラス粉末は、酸化アルミニウムを0.1〜40重量%の範囲で含有することが好ましい。酸化アルミニウムは、ガラス化範囲を広げてガラスを安定化する効果があり、組成物のポットライフ延長にも有効である。酸化アルミニウムの含有量が前記範囲内であることにより、ガラス転移点および荷重軟化点を低く保ち、基板への密着性を向上することができる傾向がある。
上記ガラス粉末は、上記成分に加えて、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等を含有してもよい。
<その他の無機成分>
本発明の組成物には、上記酸化物微粒子以外の種々の金属酸化物を添加することによって、焼成後のパターンを着色することができる。例えば、組成物中に黒色の金属酸化物を1〜10重量%の範囲で含むことによって、黒色のパターンを形成することができる。
この際に用いる黒色の金属酸化物として、Cr、Fe、Co、Mnの酸化物の内、少なくとも1種、好ましくは3種以上を含むことによって、黒色化が可能になる。特に、FeおよびMnの酸化物をそれぞれ0.5重量%以上含有することによって、より黒色のパターンを形成できる。
さらに、黒色以外に、赤、青、緑等に発色する無機顔料を添加した組成物を用いることによって、各色のパターンを形成できる。これらの着色パターンは、FPDのカラーフィルターなどに好適に用いることができる。
<アルカリ可溶性樹脂>
アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性であれば特に限定されず、種々の樹脂を用いることができる。ここで、「アルカリ可溶性」とは、目的とする現像処理が可能な程度に、上記アルカリ現像液に溶解する性質をいう。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、下記モノマー(i)から選ばれるモノマーと、下記モノマー(ii)および/または下記モノマー(iii)から選ばれるモノマーとの共重合体が好ましい。モノマー(i)を共重合させることにより、樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。なお、モノマー(i)由来の構成単位の含有量は、全構成単位中、通常、5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜70重量%である。
モノマー(i)としては、たとえば、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、2−メタクリロイルキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(α-ヒドロキシメチル)アクリレート等の水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有モノマー類;
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン基含有モノマー類
などに代表されるアルカリ可溶性官能基含有モノマー類が挙げられる。
特に好ましいモノマー(i)としては、2−メタクリロイルキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレートが挙げられる。
モノマー(ii)としては、たとえば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の上記モノマー(i)以外のエステル(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルクロロスチレン、α−メチルブロモスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどの芳香族ビニル系モノマー類;
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類
などに代表される、モノマー(i)と共重合可能なモノマー類が挙げられる。
モノマー(iii)としては、たとえば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のポリマー鎖の一方の末端に、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーなどに代表されるマクロモノマー類などが挙げられる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、側鎖に重合性不飽和二重結合を有する重合体であってもよい。
当該重合体としては、水酸基を有する重合体に、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物を反応させて得られる重合体が好ましく用いられる。具体的には、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する単量体と、分子中に少なくとも1個の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体とを重合して得られる共重合体(以下、「共重合体a」ともいう)に、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物を反応させた共重合体(以下、「特定共重合体」ともいう)が、好ましいものとして挙げられる。
共重合体aの共重合成分として用いられるカルボキシル基を有する単量体の具体例としては、上記モノマー(i)のうち、カルボキシル基含有モノマー類が挙げられる。これらは単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、共重合体aの共重合成分として用いられる水酸基を有する単量体の具体例としては、上記モノマー(i)のうち、水酸基含有モノマー類が挙げられる。これらは単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、共重合体aは、上記単量体と共重合可能な共重合性単量体を共重合成分として用いてもよい。当該共重合性単量体の具体例としては、上記モノマー(ii)や上記モノマー(iii)が挙げられる。これらは、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物の具体例としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(例えば、昭和電工カレンズMOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(例えば、昭和電工カレンズAOI)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(例えば、昭和電工カレンズBEI)を反応させて得られたものが挙げられる。
上記アルカリ可溶性樹脂の重合は、例えばラジカル重合によって行うことができる。
ラジカル重合の開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどを用いることができる。ラジカル重合の溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを用いることができる。
重合温度は通常50〜100℃で行うことができ、重合時間は通常30〜600分である。
上記アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜100,000であり、好ましくは10,000〜50,000である。Mwが前記範囲にあることにより、パターン形状に優れたFPD部材を形成することができる傾向がある。なお、アルカリ可溶性樹脂のMwは、たとえば、モノマーと重合開始剤との比で制御することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜75℃である。ガラス転移温度が前記範囲よりも低いと、塗膜にタックを生じやすく、ハンドリングがしにくい傾向にある。また、ガラス転移温度が前記範囲を超えると、支持体であるガラス基板との密着性が悪くなり、転写できないことがある。なお、前記ガラス転移温度は、上記モノマー(i)、(ii)、(iii)の量を変更することによって適宜調節することができる。
カルボキシル基等の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価は、通常50〜200のであり、好ましくは60〜180の範囲である。酸価が前記範囲よりも低いと、現像許容幅が狭くなる傾向にある。また、酸価が前記範囲を超えると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため、現像液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい傾向にある。
本発明の組成物において、上記アルカリ可溶性樹脂は、上記酸化物微粒子と上記ガラス粉末との合計(以下「無機粒子」ともいう)100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは15〜50重量部の範囲で用いられる。アルカリ可溶性樹脂を前記範囲内で含有することにより、形状が良好なFPD部材パターンを形成することができる傾向にある。
<感放射線性成分>
本発明の組成物において、感放射線性成分は、光に対する感度の点から、有機成分中の10重量%以上、好ましくは20〜60重量%となる量で用いられる。
本発明の組成物において、上記感放射線性成分は、上記酸化物微粒子と上記ガラス粉末との合計(以下「無機粒子」ともいう)100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは15〜50重量部の範囲で用いられる。
感放射線性成分を前記範囲内で含有することにより、形状が良好な隔壁等のFPD部材パターンを形成することができる傾向にある。
ここで、感放射線性成分としては、光不溶化型のものと光可溶化型のものがある。
光不溶化型のものとして、(1)分子内に不飽和基などを1つ以上有する(D1)感光性モノマーもしくはオリゴマーを含有するもの、(2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの、(3)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物など、いわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
光可溶型のものとして、(4)ジアゾ化合物の無機酸や有機酸との錯体、キノンジアゾ類を含有するもの、(5)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させたもの、例えばフェノール樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
本発明における感放射線性成分としては、上記のすべてのものを用いることができるが、無機成分と混合して簡便に用いることができる点で、上記(A)のものが好ましい。
(D1)感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物が挙げられ、具体的には、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2-ヒドロキシプロピルフタレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、チオフェノール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、α-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物等のジ(メタ)タクリレート類;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ベンジルメルカプタン(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
上記化合物中の芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素もしくは臭素原子に置換したモノマー;および、
スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシキメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。上記感光性モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、感放射線性成分として、(D2)光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノンー1、2−ヒドロキシー2−メチルー1−フェニループロパンー1−オン、2,2‘−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルーペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、および、エオシンやメチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンなどの還元剤との組合せなどが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記光重合性開始剤は、上記無機粒子100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは0.3〜20重量部の範囲で用いられる。特に、感放射線性成分として感光性モノマーと光重合開始剤との組み合わせを用いる場合、感光性モノマーの含有量は、ガラス粉末100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であり、光重合開始剤の含有量は、感光性モノマー100重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部である。感放射線成分の含有量が前記範囲を超えると、焼成後のディスプレイパネル用部材の形状が劣化することがある。
上記感光性モノマーの含有量に対する上記アルカリ可溶性樹脂の含有量の比(以下「P/A比」ともいう。)は、通常1〜4であり、好ましくは1〜3である。P/A比が前記範囲内にあるとパターン形成性に優れ、また焼成後に得られるフラットディスプレイパネル部材の強度が良好なものとなる傾向がある。
<紫外線吸収剤>
本発明では、組成物中に紫外線吸収剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる傾向がある。紫外線吸収剤としては、有機系染料または無機系顔料を用いることができる。中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料または無機顔料が好ましく用いられる。
具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などの有機系染料や無機顔料を用いることができる。これらにおいて、有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないため、絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。
紫外線吸収剤は、無機粒子100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲となる量で添加することができる。前記紫外線吸収剤の量が、0.001重量部以下では紫外線吸光剤の添加効果が減少することがあり、5重量部を超えると焼成後の絶縁膜特性が低下することや、成膜強度が保てないことがあるため、好ましくない。
<増感剤>
本発明の組成物には、感度を向上させるために、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、たとえば、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
上記増感剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。上記増感剤は、無機粒子100重量部に対して、通常0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%の範囲となる量で添加することができる。前記増感剤の量が少なすぎると、光感度を向上させる効果が発揮されないことがあり、増感剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなりすぎることがある。
<重合禁止剤>
本発明の組成物には、保存時の熱安定性を向上させるために、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤は、組成物中に、通常0.001〜1重量%の範囲となる量で添加することができる。
<酸化防止剤>
本発明の組成物には、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために、酸化防止剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。
酸化防止剤は、組成物中に、通常0.001〜1重量%の範囲となる量で添加することができる。
<有機溶媒>
本発明の組成物には、溶液の粘度を調整するために、有機溶媒を加えてもよい。
有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロピルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、αーテルピネオール、β−テルピネオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテート、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸シクロヘキシル、3-ペンタノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、キシレン、テトラメチルベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
上記有機溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
<(E)有機シラン化合物>
本発明の組成物は、上記無機粉体の分散性の向上および形成する転写フィルムの可塑化の向上を目的として、有機シラン化合物を含有してもよい。このような有機シラン化合物としては、下記一般式(1)で表される飽和アルキルアルコキシシラン化合物および一般式(2)で表わされるシランカップリング剤が挙げられる。
Figure 2008035785
(式(1)中、pは3〜20、好ましくは4〜16の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数である。)
Figure 2008035785
(式(2)中、Rはメチレン基または炭素数2〜100のアルキレン基を表し、Yはビニル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基またはアミノ基を表し、Xは加水分解性基を表し、rは0から3の整数、nは1〜3の整数である。)
上記一般式(1)において、pの値が3未満の飽和アルキルアルコキシシランを用いる場合は、得られる無機粉体含有樹脂層において十分な可撓性が発現されない場合がある。一方、上記pの値が20を超える飽和アルキルアルコキシシランは分解温度が高いため、無機粉体含有樹脂層の焼成工程において、有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉体が溶融してしまい、形成されるFPD部材中に有機物質の一部が残留していまう場合がある。
上記一般式(2)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基含有シラン化合物;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有シラン化合物;
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基含有シラン化合物;
3−グリシドキシプロピルトリメエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン化合物等が挙げられる。
上記有機シラン化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記シラン類の中では、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが特に好ましい。
上記有機シラン化合物は、無機粒子100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは0.001〜5質量部の量で用いられる。有機シラン化合物の量が過大である場合には、無機粉体含有樹脂組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したりする場合がある。
<無機粒子含有樹脂組成物の調製>
本発明の組成物は、通常、酸化物微粒子、ガラス粉末、アルカリ可溶性樹脂、感放射線性成分および溶媒等の各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散して調製する。
組成物の粘度は、無機粒子、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加量によって適宜調整することができるが、その範囲は通常2,000〜200,000cps(センチ・ポイズ)である。
例えば、支持フィルム上に塗布し転写フィルムを製造する場合、その範囲は2,000〜200,000cps(センチ・ポイズ)、好ましくは2,000〜50,000cps(センチ・ポイズ)である。
また、印刷ペーストとして基板上に塗布する場合、その範囲は2,000〜200,000cps(センチ・ポイズ)、好ましくは、30,000〜200,000cps(センチ・ポイズ)である。
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、平均粒子径が0.001〜5μmの範囲にある酸化物微粒子、ガラス粉末、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含み、前記酸化物微粒子が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記ガラス粉末の熱軟化点が400〜500℃の範囲にあり、かつ前記酸化物微粒子が、前記ガラス粉末100重量部に対して、30〜500重量部の範囲で含有されていることを特徴とする無機粒子含有樹脂層と、支持フィルムとを有する。
上記無機粒子含有樹脂層の厚みは、通常10〜300μmであり、好ましくは10〜200μmである。
樹脂層の厚みが300μmよりも厚いと、露光および現像時の時間が長くなり、スループットを上げられないことや、所望の厚みとするために、厚み方向の焼成収縮率を大きくする必要が生じるため、焼成時の欠点が出やすくなることから、好ましくない。
<支持フィルム>
本発明の転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。
支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコータによってペースト状組成物を塗布することができ、無機粒子含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存および供給することができる傾向にある。
なお、支持フィルムの厚さとしては、使用に適した範囲であればよく、例えば20〜100μmである。
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどが挙げられる。
上記支持フィルムにおける部材形成材料層が形成される面には、離型処理が施されていることが好ましい。これにより、ディスプレイパネル用部材を形成する際に、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
さらに、無機粒子含有樹脂層の表面に設けられることのある保護フィルム層としては、上記支持フィルムと同様の可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができ、その表面(無機粒子含有樹脂層と接する面)には離型処理が施されていてもよい。
<転写フィルムの製造方法>
本発明の転写フィルムは、上記支持フィルム上に、本発明の無機粒子含有樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて無機粒子含有樹脂層を形成することにより得られる。乾燥後は、ロール状に巻くか、保護フィルムをラミネートする。また、本発明の転写フィルムは、支持フィルムおよび保護フィルムのそれぞれに組成物を塗布して樹脂層を形成し、互いの樹脂層面を重ね合わせて圧着する方法によっても、好適に形成することができる。
上記組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚が大きく(例えば10μm以上)、かつ、均一性に優れた塗膜を効率よく形成することができる方法であれば特に限定されない。例えば、ナイフコーターによる塗布方法、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法などが挙げられる。
塗膜の乾燥条件は、乾燥後における溶剤の残存割合が2重量%以内となるように適宜調整すればよく、例えば、50〜150℃の乾燥温度で、0.5〜30分間程度である。
〔ディスプレイパネル用部材の製造方法〕
本発明のディスプレイパネル用部材の製造方法は、前記転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写する工程、該無機粒子含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、該無機粒子含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および該パターンを焼成処理する工程を含むことを特徴とする。また、印刷工程を含んでいてもよい。
<転写工程>
本発明の転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を、ラミネートによって基板に転写する。前記転写フィルムを用いることにより、膜厚均一性に優れた樹脂層を容易に形成することができ、形成されるパターンの膜厚均一化を図ることができる傾向がある。
また、上記転写フィルムを用いてn回転写を繰り返すことで、n層(nは2以上の整数を示す)の樹脂層を有する積層体を形成してもよい。あるいは、n層の樹脂層からなる積層体が支持フィルム上に形成された転写フィルムを用いて基板上に一括転写することにより、上記積層体を形成してもよい。
転写フィルムを用いた転写工程の一例を示せば以下のとおりである。
必要に応じて用いられる転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に樹脂層の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、樹脂層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面に樹脂層が転写されて密着した状態となる。
転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が40〜140℃であり、加熱ローラによるロール圧が0.1〜10kg/cm2であり、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分である。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度は、例えば40〜140℃である。
上記転写工程において、基板と樹脂層との密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができる。
表面処理に用いられる表面処理液としては、シランカップリング剤、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどを、有機溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで、0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いることができる。
次いで、この表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後、80〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表面処理することができる。
本発明で用いられる基板材料としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面には、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理などの前処理が施されていてもよい。
なお、本発明においては、基板として、耐熱性を有するガラス基板を用いることが好ましい。このようなガラス基板としては、例えば、旭硝子(株)製「PD200」などが挙げられる。
<印刷工程>
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は上記のように、フィルム化して使用もできるが、無機粒子含有樹脂組成物をペーストとしてそのまま基板に印刷して使用することも可能である。無機粒子含有樹脂組成物をペーストとしてそのまま使用する場合には、スクリーン印刷法、カーテンコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法当の適宜の方法により、ガラス板、セラミック等の各種基板に塗布する。塗布後、熱風式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉当で例えば、温度80〜150℃で、5〜40分間程度乾燥させてタックフリー塗膜を得ることができる。
<露光工程>
転写工程後、露光装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。
前記フォトマスクとしては、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。
露光用マスクの露光パターンは、目的によって異なるが、たとえば、10〜500μm幅のストライプもしくは格子である。
また、フォトマスクを用いずに、赤色や青色の可視光レーザー光、Arイオンレーザーなどで直接描画する方法を用いてもよい。
無機粒子含有樹脂層の表面に、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、樹脂層にパターンの潜像を形成する。
なお、樹脂層上に被覆されている支持フィルムを剥離しない状態で露光を行うのが好ましい。
露光装置としては、平行光露光機、散乱光露光機、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。
また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に無機粒子含有樹脂組成物を塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
露光の際に使用される活性光源は、たとえば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられ、紫外線が特に好ましい。前記光源としては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.05〜1分間露光を行なう。この場合、波長フィルターを用いて露光光の波長領域を狭くすることによって、光の散乱を抑制し、パターン形成性を向上することができる傾向がある。具体的には、i線(365nm)の光をカットするフィルター、あるいは、i線およびh線(405nm)の光をカットするフィルターを用いて、パターン形成性を向上することができる傾向がある。
<現像工程>
露光後、感光部分と非感光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、樹脂層を現像して樹脂層のパターンを形成する。現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法、ブラシ法など)および現像処理条件(例えば、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度など)などは、無機粒子含有樹脂層の種類に応じて適宜選択、設定すればよい。
現像工程で用いられる現像液としては、無機粒子含有樹脂層中の有機成分を溶解可能な有機溶媒を使用できる。また、該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。無機粒子含有樹脂層中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。
上記無機粒子含有樹脂層に含まれる無機粒子は、アルカリ可溶性樹脂により均一に分散されているため、該樹脂を現像液で溶解させて洗浄することにより、無機粒子も同時に除去される。
上記アルカリ水溶液としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア水溶液などの無機アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は、通常0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがあることから好ましくない。
また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
上記アルカリ水溶液には、ノニオン系界面活性剤や有機溶剤などの添加剤が含有されていてもよい。
なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
<焼成工程>
現像後の樹脂層残留部における有機物質を焼失させるために、焼成炉にて、形成された樹脂層のパターンを焼成処理する。
焼成雰囲気は、組成物や基板の種類によって異なるが、空気、オゾン、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
焼成処理条件は、無機粒子含有樹脂層(残留部)中の有機物質が焼失されることが必要であり、通常、焼成温度が400〜1000℃、焼成時間が10〜90分間である。ガラス基板上にパターン加工する場合は、450〜600℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。本発明の組成物はさらに低温で焼成することが可能であり、450〜550℃、好ましくは480〜520℃の温度で焼成を行う。
なお、上記転写、露光、現像、焼成の各工程中に、乾燥または予備反応の目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
例えば,ガラス基板上に上記の方法にて無機粒子含有パターンを形成した後、さらにペーストをスクリーン印刷で積層し、パターニングするようなプロセスを経る場合、一度、上記の無機粒子含有樹脂パターンを190℃〜220℃のオーブン等でポストベークさせることで積層するペースト中に含有される溶剤によって無機粒子含有樹脂パターンが崩れることなく積層させることができる。これによって同時に2層を焼成させることができるため、焼成工程の短縮が可能になる。
上記工程を含む本発明の製造方法により、隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等のディスプレイパネル用部材を形成することができる。なお、本発明の製造方法は、これらの中でも隔壁または誘電体を形成する方法として好ましい。
上記工程を含む本発明の方法によって得られた隔壁層を有するガラス基板は、FPDの前面側もしくは背面側に用いることができる。
以下に、本発明の方法を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
温度計、攪拌機、滴下ロートおよび、還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180部、ベンジルメタクリレート30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート10部、メタクリル酸20部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート40部、アゾビスイソブチロニトリル1部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン3部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、冷却して45℃に制御した。そこへ滴下ロートから2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート6.5部を10分間かけて滴下した。その後、45℃で3時間保持した後、冷却し、側鎖に不飽和二重結合を持つポリマー溶液(アルカリ可溶性樹脂4)を得た。この結着樹脂のMwは35,000であった。
[実施例1]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmの酸化チタン(TiO)27部、(B)ガラス粉末として、Bi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点449℃)63部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてn−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート=40/15/10/35(質量%)共重合体(Mw=35000)18部、(D)感放射性成分の内、光重合性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート7部、光重合開始剤としてビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 1.8部、2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部、(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、その他任意成分として下記式(3)で表される染料(3−メチル−1−フェニル−4−(p−トルイルジアゼニル)−1H−ピラゾール−5−オール)0.02部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル125部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粒子含有樹脂組成物(1)を調整した。
Figure 2008035785
(ii)転写フィルムの作製:
上記(i)で調製した無機粒子含有樹脂組成物(1)を、予め離型処理した膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム上にブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ20μmの無機粒子含有樹脂層を支持フィルム上に形成した、本発明の転写フィルム(1)を作製した。
(iii)転写フィルムの転写工程:
上記(ii)で作製した転写フィルム(1)を用い、ガラス基板の表面に、無機粒子含有樹脂層の表面が当接されるよう当該転写フィルムを重ね合わせ加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を80℃、ロール圧を0.25MPa、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。
(iv)無機粒子含有樹脂層の露光工程・現像工程:
ガラス基板上に形成された無機粒子含有樹脂層に対して、露光用マスク(5cm×5cm, L/S=100/100)を介して、支持フィルム上より超高圧水銀灯により、ghi線(混合)を照射し、無機粒子含有樹脂層にパターンの潜像を形成した。照射量は500mJ/cmとした。露光後、支持フィルムを剥離除去し、次いで、液温30℃の0.3質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液とするシャワー法により現像処理を30秒間行い、続いて、超純水を用いて水洗を行った。
これにより、紫外線が照射されていない部分の無機粒子含有樹脂を除去し、無機粒子含有樹脂パターン(1)を形成した。
(v)パターン幅・膜厚の測定:
上記工程で、ガラス基板上に形成された無機粒子含有パターン(1)の幅および高さを計測した。計測した幅および高さの値を、それぞれL(1)−1、H(1)−1とする。
(vi)焼成工程:
無機粒子含有樹脂パターン(1)が形成されたガラス基板を500℃の温度雰囲気下で90分間焼成処理し、隔壁パターンを得た。
(vii)パターン幅・膜厚の測定:
上記焼成工程で、焼成したガラス基板上に形成された隔壁パターンの幅および高さを計測した。計測した幅および高さの値を、それぞれL(1)−2、H(1)−2とする。また、焼成後のパターンにおける剥れおよび歪みについて以下の基準によって評価した。
<剥れ>
○:焼成後のパターンに剥れが確認されず、指先で3回こすっても剥れが確認されなかった。
△:焼成後のパターンには剥れが確認されないが、指先でこすると3回以内でパターンが剥れた。
×:焼成後のパターンが基板から剥離し、パターン形成ができなかった。
<歪み>
○:焼成後のパターン断面を電子顕微鏡で観察した際に歪みが確認されなかった。
×:焼成後のパターン断面を電子顕微鏡で観察した際に歪みが確認された。
(viii)残膜率および収縮率の評価:
上記(v)および(vii)の膜厚の測定結果を下記式(I)および(II)にあてはめて、残膜率および収縮率を算出した。さらに、以下の基準aおよびbによって焼成前後のパターン形状について評価した。表3に評価結果を示す。
<基準a>
A:残膜率が70%以上
B:残膜率が50%以上70%未満
C:残膜率が50%未満
<基準b>
A:収縮率が70%以上
B:収縮率が50%以上70%未満
C:収縮率が50%未満
Figure 2008035785
Figure 2008035785
L(n)−1:焼成前の無機粒子含有パターン(n)の幅(μm)
L(n)−2:焼成後の無機粒子含有パターン(n)の幅(μm)
H(n)−1:焼成前の無機粒子含有パターン(n)の高さ(μm)
H(n)−2:焼成後の無機粒子含有パターン(n)の高さ(μm)
(ix)強度の測定:
上記焼成工程で焼成したガラス基板上に形成された隔壁パターンについて、押し込み試験を行った。試験条件は、微小硬度計で100umΦ円柱圧子で負荷速度5mN/s、最大荷重1000mNとした。以下の基準によって強度について評価した結果を表3に示す。
◎パターン形状に全く変化がなかった。
○わずかに変形した。
△大きく変形した。
×形状が維持できなかった。
[実施例2]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmのATOコート酸化チタン(ATO−TiO)36部、(B)ガラス粉末として、Bi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点477℃)54部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート=40/15/15/30(質量%)共重合体(Mw=35000)13部、(D)感放射性成分の内、光重合性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート6部、トリプロピレングリコールジアクリレート6部、光重合開始剤として ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 1.8部 2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、その他任意成分として上記の染料0.15部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル125部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粒子含有樹脂組成物(2)を調製した。
(ii)各評価
上記(i)で調製した無機粒子含有樹脂組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、隔壁パターンの形成および各評価を行った。表3に評価結果を示す。
[実施例3]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmの酸化スズ(SnO)36部、(B)ガラス粉末としてBi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点477℃)54部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート=40/15/15/30(質量%)共重合体(Mw=35000)18部、(D)感放射線性成分の内、光重合性モノマーとしてα-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(例えば、日本化薬社製 KAYARD R−712)7部、光重合開始剤として ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 1.8部 2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、その他任意成分として上記の染料0.1部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル125部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粒子含有樹脂組成物(3)を調製した。
(ii)各評価
上記(i)で調製した無機粒子含有樹脂組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、隔壁パターンの形成および各評価を行った。表3に評価結果を示す。
[実施例4]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmの酸化スズ(SnO)45部、(B)ガラス粉末としてBi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点477℃)45部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル=60/15/15/10(質量%)共重合体(Mw=35000)18部、(D)感放射線性成分の内、光重合性モノマーとしてα-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(例えば、日本化薬社製 KAYARD R−712)7部、光重合開始剤として ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 1.8部 2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘプタジエン-3,5-ジオン0.5部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル125部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粒子含有樹脂組成物(4)を調製した。
(ii)各評価
上記(i)で調製した無機粒子含有樹脂組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、隔壁パターンの形成および各評価を行った。表3に評価結果を示す。
[実施例5]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmの酸化スズ(SnO)45部、(B)ガラス粉末としてBi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点477℃)45部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性樹脂4を12部、(D)感放射線性成分の内、光重合性モノマーとしてα-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(例えば、日本化薬社製 KAYARD R−712)6部、トリメチロールプロパントリアクリレート6部、光重合開始剤として ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 2.7部 2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、その他任意成分として1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘプタジエン-3,5-ジオン0.5部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル125部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粒子含有樹脂組成物(5)を調製した。
(ii)各評価
上記(i)で調製した無機粒子含有樹脂組成物(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、隔壁パターンの形成および各評価を行った。表3に評価結果を示す。
[実施例6]〜[実施例21]および[比較例1]〜[比較例4]
表3〜5に示した各組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして隔壁パターンの形成および各評価を行った。表3〜5に評価結果を示す。
[実施例22]
(i)無機粒子含有樹脂組成物の調製
(A)酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmのATOコート酸化チタン(ATO−TiO)36部、(B)ガラス粉末として、Bi23−ZnO−B23−BaO−Al23−SiO2系ガラスフリット(不定形、軟化点477℃)54部、(C)アルカリ可溶性樹脂としてベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート=40/15/15/30(質量%)共重合体(Mw=35000)13部、(D)感放射性成分の内、光重合性モノマーとしてα-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(例えば、日本化薬社製 KAYARD R−712)12部、光重合開始剤として ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド 1.8部 2,4-ジエチルチオキサントン 0.9部(E)有機シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.4部、その他任意成分として上記の染料0.15部、および溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート21部を3本ロールで混練りし、無機粒子含有樹脂組成物(A)を調整した。
(ii)スクリーン印刷工程:
調製した無機粒子含有樹脂組成物(A)を、ガラス基板上に、200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、熱風式乾燥炉にて100℃で10分乾燥した。これにより、ガラス基板上にタックフリーの皮膜(A)を得た。
以降は実施例1中(iv)以降と同様の工程を経て隔壁パターンの形成および各評価を行った。表5に評価結果を示す。
Figure 2008035785
Figure 2008035785
Figure 2008035785
Figure 2008035785
Figure 2008035785
(表3〜5中の略称の説明)
TMBPPO:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
DETX:2,4-ジエチルチオキサントン
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
R-712:α-フェニル-ω-アクリロイルオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物
MAPTMS:3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
DEGMEA:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
MPDP:3-メチル-1-フェニル-4-(p-トルイルジアゼニル)-1H-ピラゾール-5-オール
HPHD:1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘプタジエン-3,5-ジオン

Claims (6)

  1. 酸化物微粒子(A)、ガラス粉末(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)および感放射線性成分(D)を含む無機粒子含有樹脂組成物であって、
    前記酸化物微粒子(A)の平均粒子径が0.001〜5μmの範囲にあり、
    かつ前記酸化物微粒子(A)が酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    前記ガラス粉末(B)の熱軟化点が、400〜500℃の範囲にあり、
    かつ前記酸化物微粒子(A)が、前記ガラス粉末(B)100重量部に対して、30〜500重量部の範囲で含有されていることを特徴とする無機粒子含有樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂(C)および前記感放射線性成分(D)が、前記酸化物微粒子(A)と前記ガラス粉末(B)との合計100重量部に対して、10〜100重量部の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の無機粒子含有樹脂組成物からなる層と、支持フィルムとを有することを特徴とする転写フィルム。
  4. 請求項3に記載の転写フィルムを用いて、下記(I)〜(IV)の工程を含むことを特徴とするディスプレイパネル用部材の製造方法。
    (I)該転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写する工程
    (II)該無機粒子含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程
    (III)該無機粒子含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程
    (IV)該パターンを焼成処理する工程
  5. 前記工程(IV)において、焼成温度が450〜600℃であることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイパネル用部材の製造方法。
  6. 前記ディスプレイパネル用部材が、電極、隔壁および誘電体からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材であることを特徴とする請求項4または5に記載のディスプレイパネル用部材の製造方法。
JP2008535414A 2006-09-22 2007-09-21 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法 Pending JPWO2008035785A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006258048 2006-09-22
JP2006258048 2006-09-22
PCT/JP2007/068456 WO2008035785A1 (fr) 2006-09-22 2007-09-21 Composition de résine contenant des particules inorganiques, film de transfert et procédé de production d'un membre pour panneau d'affichage

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008035785A1 true JPWO2008035785A1 (ja) 2010-01-28

Family

ID=39200607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008535414A Pending JPWO2008035785A1 (ja) 2006-09-22 2007-09-21 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2008035785A1 (ja)
KR (1) KR20090071607A (ja)
WO (1) WO2008035785A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5382514B2 (ja) * 2009-06-16 2014-01-08 株式会社村田製作所 感光性ペースト、及び電子部品
JP6061440B2 (ja) * 2010-02-25 2017-01-18 太陽ホールディングス株式会社 ポリエステル基材用樹脂組成物、それを用いたドライフィルム及びプリント配線板
US8550647B2 (en) 2010-06-15 2013-10-08 Micron Technology, Inc. Solid state lighting device with different illumination parameters at different regions of an emitter array
JP5876862B2 (ja) * 2013-12-03 2016-03-02 太陽ホールディングス株式会社 ポリエステル基材用樹脂組成物、それを用いたドライフィルム及びプリント配線板
WO2020079992A1 (ja) * 2018-10-18 2020-04-23 富士フイルム株式会社 転写フィルム、硬化膜の製造方法、積層体の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法
WO2024034685A1 (ja) * 2022-08-10 2024-02-15 興和株式会社 アフィボディミセル薬物複合体

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3578669B2 (ja) * 1998-07-28 2004-10-20 太陽インキ製造株式会社 光硬化性ガラスペースト組成物及びそれを用いた焼成物パターン形成方法
JP4453161B2 (ja) * 1999-05-12 2010-04-21 東レ株式会社 感光性ペースト、ディスプレイおよびプラズマディスプレイ用部材
JP4631153B2 (ja) * 1999-12-02 2011-02-16 パナソニック株式会社 ディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP2001220177A (ja) * 2000-02-01 2001-08-14 Toray Ind Inc 誘電体ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびその製造方法
JP4075277B2 (ja) * 2000-03-22 2008-04-16 Jsr株式会社 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム
JP2003288849A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Toray Ind Inc 隔壁用ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP4419635B2 (ja) * 2003-03-28 2010-02-24 東レ株式会社 感光性ペースト、プラズマディスプレイ用隔壁およびプラズマディスプレイ用透明誘電体パターンの製造方法ならびにプラズマディスプレイの製造方法
JP2005219984A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Jsr Corp プラズマディスプレイパネル用無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2007220652A (ja) * 2005-11-30 2007-08-30 Sumitomo Chemical Co Ltd 感光性ペースト

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008035785A1 (fr) 2008-03-27
KR20090071607A (ko) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5056757B2 (ja) 感光性樹脂組成物、感光性フィルムおよびパターン形成方法
WO2007063816A1 (ja) ガラスペーストおよびそれを用いたディスプレイの製造方法、ならびにディスプレイ
JP4273549B2 (ja) 低融点ガラス微粉末および感光性ペースト
JPWO2008035785A1 (ja) 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
JP3567591B2 (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JPWO2008096782A1 (ja) 感光性樹脂組成物、転写フィルムおよびパターン形成方法
JP3239759B2 (ja) 感光性ペースト
JPH09110466A (ja) 感光性絶縁ガラスペースト
JP5050784B2 (ja) 無機粒子含有感光性樹脂組成物、感光性フィルム、パターン形成方法、およびフラットパネルディスプレイの製造方法
JP3767096B2 (ja) プラズマディスプレイおよびその製造方法
JPH10188825A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2007246568A (ja) 無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
JP3402070B2 (ja) プラズマディスプレイ
JPH11144623A (ja) プラズマディスプレイ用基板およびその製造方法
JP3806768B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3873338B2 (ja) 感光性ペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイの製造方法
JP3956889B2 (ja) プラズマディスプレイ
JP3690001B2 (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JP4193878B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH10283941A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4159002B2 (ja) プラズマディスプレイ用基板およびプラズマディスプレイの製造方法
JP4035902B2 (ja) プラズマディスプレイおよびその製造方法
JP2004327456A (ja) プラズマディスプレイ用基板およびその製造方法
JPH11176336A (ja) プラズマディスプレイ用基板、プラズマディスプレイおよびその製造方法
JP4578489B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法