JPH11176336A - プラズマディスプレイ用基板、プラズマディスプレイおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用基板、プラズマディスプレイおよびその製造方法

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JPH11176336A
JPH11176336A JP9337291A JP33729197A JPH11176336A JP H11176336 A JPH11176336 A JP H11176336A JP 9337291 A JP9337291 A JP 9337291A JP 33729197 A JP33729197 A JP 33729197A JP H11176336 A JPH11176336 A JP H11176336A
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JP
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dielectric layer
paste
plasma display
glass
substrate
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Application number
JP9337291A
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English (en)
Inventor
Takeshi Moriya
豪 守屋
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体亀裂、剥がれとそれに伴う隔壁の振れ
や剥がれを防止し、高歩留まりでプラズマディスプレイ
を提供する。 【解決手段】 ガラス基板上に形成した電極の上に、少
なくとも2層の誘電体層および隔壁を設けたプラズマデ
ィスプレイパネル用基板であって、隔壁側から2層目の
誘電体層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜
1.5μmであることを特徴とするプラズマディスプレ
イパネル用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(プラズマディスプレイという、以下PDP
と略す)基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大
型化が容易であることから、OA機器および広報表示装
置などの分野に用いられている。また、高品位テレビジ
ョンの分野などへの応用が非常に期待されている。この
ような用途の拡大にともなって、微細で多数の表示セル
を有するカラーPDPが注目されている。
【0003】PDPは前面板と背面板をはり合わせて構
成されている。前面板では、ガラス基板の裏面にITO
や酸化錫からなる透明電極が形成されている。透明電極
は帯状に複数本形成されている。この隣り合う透明電極
間に通常10kHz〜数10kHzのパルス状AC電圧
を印加し、表示用の放電を得るが、透明電極のシート抵
抗は数10Ω/cm2 と高いために、電極抵抗が数10
kΩ程度になり、印加電圧パルスが十分に立ち上がらず
駆動が困難になる。そこで、透明電極上に通常金属のバ
ス電極を形成して抵抗値を下げる。
【0004】次に、前面板上に形成した電極を誘電体層
によって被覆する。この誘電体層は低融点ガラスを用い
る。その後、保護層として、MgOを電子ビーム蒸着法
によって形成する。前面板に形成される誘電体は、放電
のための電荷を蓄積するコンデンサーとしての役割を有
している。
【0005】一方背面板は、ガラス基板上に、表示デー
タを書き込む電極を感光性銀ペーストを用いて作製し、
この電極を誘電体層で被覆する。その上に放電空間の確
保と電極間距離の規定および誤放電防止の役割を果たす
隔壁を形成する。次に、隔壁側面と底部にスクリーン印
刷法により、赤、緑、青の各色に発光する蛍光体を塗布
後、乾燥、焼成を行って蛍光体層を形成する。上記の誘
電体層は発光輝度を向上させる以外に、隔壁の剥がれや
倒れを防止する役割がある。特に、感光性ペーストを用
いて印刷、マスク露光、現像および焼成工程により隔壁
を形成した場合、隔壁上部と下部の露光時の重合硬化の
差に起因する剥がれが生じやすく、隔壁層のアンダーガ
ラス層として誘電体層を形成することは、歩留まり向上
のために有効である。
【0006】背面板と前面板をシールガラスで封着した
後、排気し、He、Ne、Xe等の不活性気体の混合ガ
スを充填し、駆動回路を実装してPDPが作製される。
【0007】隣り合う透明電極の間にパルス状の交流電
圧を印加するとガス放電が生じプラズマが形成される。
ここで生じた紫外線が蛍光体を励起して可視光を発光し
前面板を通して表示発光を得る。放電を生じる透明電極
は走査電極と維持電極からなっている。実際のパネル駆
動において、放電電極である透明電極には維持放電パル
スが印加されており、放電を生じさせるときには、背面
板上の書き込み電極との間に電圧を印加して対向放電を
生じさせ、この放電が維持パルスによって放電電極間で
維持される。
【0008】上記の構造を有するPDPにおいて、大面
積化、高解像度化にともない、高アスペクト比、高精細
の隔壁の製造が技術的に困難となり、且つコスト的に不
利になってきている。
【0009】特開平8−50811号公報では、感光性
ペースト法を用いて、隔壁を1回の露光で形成する方法
が提案されている。しかしながら、この方法では線幅を
細くしたパターンを形成すると、焼成して隔壁を得る際
に、電極の凹凸部分に誘電体層の収縮応力が集中し、誘
電体層の亀裂や剥がれが生じる。これに伴い、隔壁も剥
がれや振れが発生し、赤(R)、緑(G)、青(B)の
蛍光体の塗り分けの際に、蛍光体の塗布を精度よく行え
ず、混色が起こったり,蛍光体の剥がれが生じてしまい
歩留まりが低下する。また隔壁振れから起こる隔壁ピッ
チのばらつきから、輝度ムラが起きる問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘電体亀
裂、剥がれとそれに伴う隔壁の振れや剥がれのない、歩
留まりのよいプラズマディスプレイを提供することを目
的とする。本発明は、特に電極、誘電体層、隔壁を設け
たPDP用背面板を用いてPDPを製造する場合に有効
であるが、前面板にも適用することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、基板上
に形成した電極の上に誘電体層を形成した基板であっ
て、誘電体層が、電極上に形成された誘電体層Aとその
上に形成された誘電体層Bの少なくとも2層からなり、
かつ、該誘電体層A表面の中心線平均粗さが0.1〜
1.5μmであることを特徴とするプラズマディスプレ
イ用基板によって達成される。
【0012】また、本発明の目的は、電極が形成された
基板上に、誘電体層A用ペーストを塗布後、焼成して中
心線平均粗さが0.1〜1.5μmである誘電体層Aを
形成した後、無機材料と有機成分からなる誘電体層B用
ペーストを塗布して塗布膜を形成し、次いで無機材料と
感光性有機成分からなる隔壁用ペーストを塗布して、フ
ォトリソグラフィ法により隔壁パターンを形成した後
に、前記誘電体B用塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成
することを特徴とするプラズマディスプレイ基板の製造
方法によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のPDPに用いるガラス基
板としては、ソーダガラス基板や高歪み点ガラス(例え
ば、旭硝子社製のPD−200)などのPDP用耐熱ガ
ラス基板を用いることができる。このガラス基板上に電
極を形成する場合、電極材質としては、銀を90重量%
以上、好ましくは95重量%以上含む電極を用いること
が低抵抗値・ガラス基板との密着強度を上げる点から好
ましい。また電極中に1〜5重量%のガラスフリット成
分を含有することにより、基板ガラスとの密着性に優れ
た電極層を得ることができる。この電極を形成する方法
としては、スクリーン印刷法や感光性導電ペースト法が
用いられる。感光性導電ペースト法では、平均粒子径1
〜4μmの銀粉末、平均粒子径0.5〜1.5μmのガ
ラスフリットおよび感光性有機成分とを混練して得られ
る感光性銀ペーストをガラス基板上に塗布、乾燥後、露
光、現像、焼成の工程を経ることにより形成することが
できる。
【0014】本発明では電極を形成したガラス基板上
に、無機材料からなる誘電体層を形成する。電極の上に
誘電体層を形成することによって、隔壁を形成する場合
に、剥がれや倒れが生じにくくなる。特に、隔壁を感光
性ペースト法で形成した場合には、隔壁上部と下部の重
合硬化の差に起因する剥がれが生じやすく、隔壁層の下
に、誘電体層を形成することは、歩留まり向上のために
有効である。
【0015】誘電体層の層数としては2層以上、好まし
くは2〜3層の誘電体層を形成することが好ましい。3
層を越えると誘電体層が厚くなりすぎて放電特性が落ち
たり、焼成時に基板ガラスにかかる応力が大きくなり基
板が反ったりする。焼成後の誘電体層の厚みは、10〜
30μm、より好ましくは12〜20μmであることが
均一で緻密な誘電体層の形成のために好ましい。厚みが
30μmを越えると、焼成の際、脱バインダーが困難で
ありクラックが生じやすく、またガラス基板にかかる応
力が大きいために基板が反る等の問題が生じる。また、
10μm未満では平坦性があって、均一かつ緻密な誘電
体層を形成するのが困難である。
【0016】少なくとも1層の誘電体層Aを形成し、電
極の凹凸を解消する。電極厚みは2〜7μmの範囲にあ
るので、電極の凹凸を低減するためには、誘電体層Aの
厚みは、5〜20μmが好ましい。
【0017】形成した誘電体層A上に誘電体層Bおよび
隔壁を形成する。これには、以下の二つの方法がある。
すなわち、誘電体層B用ペーストを塗布、乾燥して設け
た塗布膜に隔壁パターンを形成し、塗布膜と隔壁パター
ンを同時に焼成する方法と、誘電体層Bをまず焼成し、
その上に、隔壁パターンを形成し、これを焼成して隔壁
を形成する方法の二つがある。前者の焼成方法は、隔壁
と誘電体層間の接着不足に起因する昇温の際の剥がれを
防止する効果があるため好適に用いられる。隔壁と同時
焼成して形成する誘電体層Bの厚みは5〜10μmであ
ることが好ましい。厚みが10μmを越えると、焼成の
際、脱媒が困難であるためクラックが生じやすく、ま
た、全誘電体層の厚みを30μm以下にすることが難し
くなる。また、5μm未満では厚みの均一性を保持する
のが困難である。
【0018】本発明は、誘電体層Aの表面の、中心線平
均粗さ(Ra)が0.1〜1.5μmである必要があ
る。好ましくは0.3〜0.9μmである。
【0019】Raが0.1μm未満では、表面が平滑す
ぎて焼成時に、有機バインダーが蒸発する際に誘電体層
Aと誘電体層Bの密着力が低下し、隔壁剥がれが生じた
り、ストライプ状の隔壁が蛇行(振れともいう)するよ
うになる。また1.5μmを超えると、表面凹凸が大き
くなりすぎて隔壁と誘電体層との密着力が低下し、隔壁
剥がれや誘電体亀裂が生じるようになる。また、焼成時
に発生する有機物が誘電体層の凹凸部に残留し、隔壁と
の密着力が低下するため好ましくない。
【0020】さらに本発明の誘電体層表面の粗さを、最
大高さ(Rt)によっても規定できる。すなわち、Rt
が1〜10μmであることが好ましい。より好ましくは
2〜8μmの範囲である。この範囲にすることによって
誘電体層の亀裂、剥がれおよび隔壁の振れ発生が解消で
きる。
【0021】ここでRaは、誘電体表面の粗さ曲線から
その中心線の方向に長さL(Lは測定長さ)の部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方
向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、
次の式によって求められる値をμmで表したものをい
う。
【0022】
【式1】 また、Rtは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部
分(以下、抜き取り部分という)の平行線に平行な2直
線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面
曲線の縦倍率の方向に測定して、この値をミクロン(μ
m)で表したものをいう。
【0023】Ra、Rtは、触針式の表面粗さ計(東京
精密製:サーフコム1500A)を用いて、Ra、Rt
とも縦倍率2000倍、横倍率10倍で測定した。
【0024】本発明の誘電体層は、50〜400℃の範
囲の熱膨張係数α50400の値が、72〜83×10-7
/°K、より好ましくは75〜82×10-7/°Kであ
るガラスを主成分とすることが、基板ガラスの熱膨張係
数と整合し、焼成の際にガラス基板にかかる応力を減ら
す点で好ましい。83×10-7/°Kを越えると、誘電
体層の形成面側に基板が反るような応力がかかり、72
×10-7/°K未満では誘電体層のない面側に基板が反
るような応力がかかる。このため、基板の加熱、冷却を
繰り返すと基板が割れる場合がある。また、前面基板と
の封着の際、基板の反りのために両基板が平行にならず
封着できない場合もある。
【0025】本発明の誘電体層に用いる無機材料は、ガ
ラスを主成分とするが、全成分中に60重量%以上、好
ましくは70重量%以上含まれる成分をいう。
【0026】本発明のPDP用基板の前記反り量はガラ
ス基板の曲率半径の逆数によって規定することができ
る。すなわち、反り量は曲率半径に反比例するので、1
/Rで定量化でき、ここで反り量の正負の値は基板の反
る方向を表す。ガラス基板の曲率半径は、種々の方法で
測定できるが、表面粗さ計を用い、ガラス基板面のうね
りを測定する方法がもっとも簡便である。前述の表面粗
さ計によって掃引し、うねりを測定できる。得られたう
ねり曲線の最大偏差H、測定長さLから次式を用いて反
り量1/Rを算出できる。
【0027】1/R〓8H/L2 基板に反りが生じている場合、前面板と背面板の封着の
際、隔壁頭部と前面板表面との間に隙間が生じること
で、各セル間で誤放電が生じたり、封着時に基板が破損
したりする。これらの問題が生じないためには、反り量
の絶対値を3×10-3-1以下にする必要がある。すな
わち、基板の反り量を次式の範囲内にする必要がある。
【0028】−3×10-3-1≦1/R≦3×10-3
-1(Rは基板の曲率半径を表す) 本発明では、誘電体層中にアルカリ金属を実質的に含有
しないことにより焼成時の基板の反りやパネル封着時の
割れを防止することができる。本発明で、実質的に含ま
ないとは、アルカリ金属の含有量がガラスあるいは無機
材料に対して0.5重量%以下、好ましくは、0.1重
量%以下である。
【0029】誘電体層の熱膨張係数が基板ガラスと整合
していても、誘電体中にアルカリ金属、例えばナトリウ
ム(Na)、リチウム(Li)、カリウム(K)等の合
計含有量が0.5重量%を超える場合は、焼成時にガラ
ス基板や電極中のガラス成分とのイオン交換が起こるた
め、基板ガラスの表面部分や誘電体ガラスの熱膨張係数
が変化し、基板ガラスの熱膨張係数と一致しなくなり、
基板ガラスに引っ張り応力が生じ、基板割れの原因とな
る。
【0030】このイオン交換による誘電体層と基板ガラ
スとの不一致は、特に誘電体中にリチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属を含有する場合に生じ
やすく、誘電体層に含まれるこれらの金属の含有量を
0.1重量%以下にすることが好ましい。
【0031】誘電体層は通常、電極を形成したガラス基
板に、ガラス粉末および有機成分からなる誘電体ペース
トをスクリーン印刷法で印刷・乾燥し、この印刷・乾燥
工程を1〜2回繰り返して所定の厚みにした後、焼成し
てガラスを溶融することで形成している。 誘電体層用
ペーストに用いるガラス粉末の量は、ガラス粉末と有機
成分の和に対して50〜90重量%であるのが好まし
い。50重量%未満では、誘電体層の緻密性、表面の平
坦性が欠如し、90重量%を越えるとペースト粘度が上
昇し、塗布時のムラが生じやすくなる。
【0032】誘電体層に用いるガラスとしては、酸化ビ
スマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうち少なくとも1種類を1
0〜80重量%含むものが軟化点、熱膨張係数のコント
ロールが容易になるため好ましい。特に、酸化ビスマス
を20〜70重量%含有するガラスを用いることは、ペ
ーストのゲル化の問題がなくなり、ポットライフが長い
ことの利点がある。酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛の
添加量は80重量%を越えるとガラスの耐熱温度が低く
なり過ぎてガラス基板上への焼き付けが難しくなる。具
体的なガラス組成の例としては酸化物換算表記で以下の
組成を含むものがあげられるが、本発明は、このガラス
組成に限定されるものではない。
【0033】 酸化ビスマス 20〜70重量% 酸化珪素 3〜30重量% 酸化ホウ素 10〜30重量% 酸化バリウム 8〜20重量% 酸化亜鉛 10〜40重量% 誘電体の焼成は、ガラス基板の変形を防ぐため500〜
600℃で行う必要がある。このため誘電体用ペースト
に用いるガラス粉末には、ガラス転移点(Tg)が40
0〜500℃、軟化点(Ts)が450〜550℃のも
のを60重量%以上含有することが好ましい。誘電体層
を形成する際、Tg点、Ts点がそれぞれ、500℃、
550℃より高い場合、540〜590℃の焼成では不
十分になり、誘電体層の剥離や欠落が生じやすくなる。
またTg点、Tg点がそれぞれ、400℃、450℃よ
り低い材料は、その後の工程中に、誘電体層のガラスが
溶融して、厚みの均一性や特性が保持されにくいため好
ましくない。
【0034】誘電体材料の誘電率は7〜13のものを用
いることができるが、7〜10が好ましい。誘電率7以
下の材料はガラス基板上への焼き付けが難しく、13以
上の材料はPDPの駆動の際に放電電圧が高くなるため
好ましくない。
【0035】本発明の隔壁各部の形状は、ピッチをP、
線幅をL、高さをHとすると、次のような関係にあるの
が、パネルの精細性、輝度、放電寿命の点で優れている
ことから好ましい。
【0036】・P=100〜140μmの時L=15〜
40μm、H=60〜140μm ・P=140〜160μmの時L=20〜50μm、H
=120〜170μm ・P=160〜220μmの時L=30〜60μm、H
=130〜170μm 線幅については、上記下限より小さいと、パターン形成
時の剥がれ、倒れもしくは焼成後に断線、剥がれ、振れ
が生じやすくなる。上記上限より大きいと開口率が小さ
くなり、輝度の低下が起こり、好ましくない。
【0037】高さについては、上記下限より小さいと、
放電空間が狭くなり、プラズマ領域が蛍光体に近くな
る。このため蛍光体がスパッタされ、寿命が短くなり、
好ましくない。上記上限より大きいと放電により発生し
た紫外線が、蛍光体に届くまでに吸収されてしまい、輝
度が低下し、好ましくない。
【0038】上記のような高精細の隔壁を得るには、感
光性ペースト法が適している。感光性ペースト法によっ
て得た隔壁パターンは、厚み方向に光硬化の不均一によ
る歪み応力が発生しやすいため、焼成の際に剥がれが生
じやすい。隔壁の剥がれが生じると剥がれた箇所で色の
混色が起こり、また剥がれた隔壁がパネル上部などに残
り画素を潰してしまい歩留まりが低下する。これを抑制
するために、隔壁パターンを未焼成の誘電体層B上で形
成し、該隔壁パターンと誘電体層を同時に焼成すること
により、隔壁の密着性が増大して剥がれが抑制されるた
め、感光性ペースト法による隔壁形成に特に好適に用い
られる。
【0039】上記の同時焼成法によって隔壁形成する際
は、隔壁パターン形成に用いる現像液によって、誘電体
層用ペースト塗布膜が浸食されるのを防ぐために、感光
性を付与した誘電体層用ペーストを塗布、乾燥、露光を
行い、光硬化することも有効な方法である。 誘電体層
用ペーストに感光性を付与する方法としては、ペースト
中に感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマ
ーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含
有し、さらに必要に応じて、光重合開始剤、紫外線吸収
剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤などの添加剤成分を
加えることも行われる。
【0040】また、誘電体層用ペースト中にラジカル重
合性モノマーおよびラジカル重合開始剤を添加し、熱重
合性ペーストを得ることができる。このペーストを塗布
後、加熱する方法により架橋構造を得ることができ、現
像液への溶解性を制御できる利点がある。ラジカル重合
性モノマーの具体的な例としては、エチレン、スチレ
ン、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル
酸、アクリル酸メチル、メチルビニルケトン、アクリル
アミド、アクリロニトリル等がある。ラジカル開始剤と
しては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸
カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾ
イル−ジメチルアニリン等があげられる。
【0041】誘電体層中の有機成分に直鎖状ポリマーを
用いることもできるが、架橋構造を有する場合に比べ、
現像液に非溶解性のポリマーを選択せねばならない、ま
た現像液による浸食によって、誘電体層に亀裂が生じや
すい。
【0042】感光性ペースト法によって隔壁形成するに
は、主としてガラス粉末からなる無機成分と感光性を持
つ有機成分からなる感光性ペーストを用いて、露光によ
りフォトマスクのパターンを焼き付け、現像により、隔
壁パターンを形成し、その後焼成を行う 隔壁用感光性ペーストに用いるガラス材料としては、ガ
ラス転移点、軟化点の低いガラス基板上にパターン形成
するため、ガラス転移温度が430〜500℃、軟化点
が470〜580℃のガラス材料を用いることが好まし
い。また、平均屈折率1.5〜1.70のガラスを用い
ることにより、ペースト中のガラス粉末の屈折率を有機
成分の屈折率と近づけ、ペースト中の光散乱を抑制し、
塗布・露光回数を減らして高精細の隔壁パターン形成す
ることが可能となる。ガラス基板上に焼き付け可能な軟
化点を有し、平均屈折率が1.5〜1.70のガラスを
得るためには、酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化カ
リウム等のアルカリ金属の酸化物のうち少なくとも1種
を2〜10重量%含有するガラスを用いるのが好まし
い。これにより、軟化点、熱膨張係数のコントロールが
容易になるだけでなく、ガラスの平均屈折率を低くする
ことができるため、有機物との屈折率差を小さくするこ
とが容易になる。2重量%未満では、軟化点の制御が難
しくなる。10重量%より大きい時は、放電時にアルカ
リ金属酸化物の蒸発によって輝度低下をもたらす。さら
にアルカリ金属の酸化物の添加量はペーストの安定性を
向上させるためにも、10重量%より小さいことが好ま
しく、より好ましくは6重量%以下である。しかし、隔
壁材料に酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化カリウム
等のアルカリ金属の酸化物を含有する場合、ガラス基板
/誘電体層/隔壁の3層間でイオン交換反応が生じ、基
板の反りや割れが生じる。
【0043】隔壁材質の組成としては、酸化珪素はガラ
ス中に、10〜30重量%の範囲で配合することが好ま
しく、10重量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度
や安定性が低下し、また熱膨張係数が所望の値から外
れ、ガラス基板とのミスマッチが起こりやすい。また3
0重量%以下にすることによって、軟化点が低くなり、
ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点があ
る。
【0044】さらに、酸化ホウ素はガラス中に、20〜
40重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁
性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機
械および熱的特性を向上することができる。40重量%
を越えるとガラスの安定性が低下する。
【0045】また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウ
ム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛もしくは酸化ジルコニウムなど、特に酸化
アルミニウム、酸化バリウムもしくは酸化亜鉛を添加す
ることにより、硬度や加工性を改良することができる
が、軟化点、熱膨張係数、屈折率の制御の点からは、そ
の含有量は40重量%以下が好ましく、より好ましくは
25重量%以下である。
【0046】酸化リチウムを含むガラス組成としては、
酸化物換算表記で 酸化リチウム 2〜10重量% 酸化珪素 10〜30重量% 酸化ホウ素 20〜40重量% 酸化バリウム 2〜15重量% 酸化アルミニウム 10〜25重量% の組成を含むものが好ましい。
【0047】また、上記組成で、酸化リチウムの代わり
に、酸化ナトリウム、酸化カリウムを用いても良いが、
ペーストの安定性の点で、酸化リチウムが好ましい。
【0048】感光性ペースト法に用いるガラス粉末の量
は、ガラス粉末と有機成分の和に対して65〜90重量
%であるのが好ましい。65重量%より小さいと、焼成
時の収縮率が大きくなり、隔壁の断線、剥がれの原因と
なるため、好ましくない。またパターン太り、現像時の
残膜の発生が起こりやすい。90重量%より大きいと、
感光性成分が少ないことにより、パターンの形成性が悪
くなる。
【0049】隔壁材料に軟化点が650〜850℃であ
るフィラーを10〜50重量%含ませてもよい。これに
より、感光性ペースト法において、パターン形成後の焼
成時の収縮率が小さくなり、パターン形成が容易にな
る。フィラーとしては、軟化点が600℃以上の高融点
ガラスやセラミックスなどを用いることができる。
【0050】高融点ガラス粉末としては、酸化珪素、酸
化アルミニウムを15重量%以上含有するガラス粉末が
好ましく、これらの含有量合計がガラス粉末中50重量
%以上であることが、必要な熱特性を持たせるためには
有効である。一例としては、以下の組成を含有する高融
点ガラス粉末を用いることが好ましい。
【0051】 酸化珪素 :25〜50重量% 酸化ホウ素 : 5〜20重量% 酸化アルミニウム:25〜50重量% 酸化バリウム : 2〜10重量% 誘電体層用ペーストおよび隔壁用ペーストに用いる有機
成分には、公知の有機バインダー、可塑剤、溶媒および
必要に応じ分散剤やレベリング剤などを添加できる。有
機バインダーの具体的な例としては、ポリビニルアルコ
ール、セルロース系ポリマー、シリコンポリマー、ポリ
エチレン、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリ
アミド、高分子量ポリエーテル、ポリビニルブチラー
ル、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル
重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共
重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレ
ート樹脂などがあげられる。バインダーは隔壁の現像液
に溶解しないものを選択する必要がある。また、ペース
トの粘度を調整する際は、バインダー成分の溶媒を用い
るのが好ましい。溶媒としては、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケト
ン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシ
ド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベン
ゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安
息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上
を含有する有機溶媒混合物が用いられる。また、ペース
ト中に可塑剤を含むこともできる。可塑剤の具体的な例
としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげら
れる。
【0052】誘電体層用ペーストおよび隔壁用ペースト
に感光性を付与する場合に用いる感光性成分としては、
光不溶化型のものと光可溶化型のものがあり、光不溶化
型のものとして、 (A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの (B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの (C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
【0053】また、光可溶型のものとしては、 (D)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類を含有するもの (E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結
合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフト
キノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル
等がある。
【0054】本発明において用いる感光性成分は、上記
のすべてのものを用いることができる。感光性ペースト
として、無機微粒子と混合して簡便に用いることができ
る感光性成分は、(A)のものが好ましい。
【0055】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−
ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジル
アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシ
トリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシ
クロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアク
リレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシル
アクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルア
クリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキ
シエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレ
ングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリル
アクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル
化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、
グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシ
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェ
ニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−
ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレー
ト、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジ
アクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイ
ド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレー
ト、ベンジルメルカプタンアクリレート等のアクリレー
ト、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個
を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、
スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレ
ン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、
臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒ
ドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバ
ゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを
一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビ
ニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこ
れらを1種または2種以上使用することができる。
【0056】これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽
和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上する
ことができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれ
らの酸無水物などがあげられる。
【0057】これらモノマーの含有率は、ガラス粉末と
感光性成分の和に対して、5〜30重量%が好ましい。
これ以外の範囲では、パターンの形成性の悪化、硬化後
の硬度不足が発生するため好ましくない。
【0058】また、前述の炭素−炭素二重結合を有する
化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリ
ゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際
に、これら光反応性モノマーの含有率が、10重量%以
上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他
の感光性のモノマーと共重合することができる。
【0059】共重合するモノマーとしては、不飽和カル
ボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後
の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の
具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル
酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0060】こうして得られた側鎖にカルボキシル基等
の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価
(AV)は30〜150、さらには50〜120の範囲
が好ましい。酸価が30未満であると、現像許容幅が狭
くなる。また、酸価が150を越えると未露光部の現像
液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度
を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパタ
ーンが得られにくい。
【0061】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性
オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応
性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチ
レン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリ
ル基、メタクリル基などがあげられる。
【0062】このような側鎖をオリゴマーやポリマーに
付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0063】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。
【0064】イソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等があ
る。
【0065】また、グリシジル基やイソシアネート基を
有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させる
ことが好ましい。
【0066】感光性ペースト中の感光性ポリマー、感光
性オリゴマーおよびバインダーからなるポリマー成分の
量としては、パターン形成性、焼成後の収縮率の点で優
れていることから、ガラス粉末と感光性成分の和に対し
て、5〜30重量%であることが好ましい。この範囲外
では、パターン形成が不可能もしくは、パターンの太り
がでるため好ましくない。
【0067】光重合開始剤としての具体的な例として、
イルガキュア369、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル
安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベン
ゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾ
イル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケト
ン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニル
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チ
オキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロ
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジ
エチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、
ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ア
ントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−ア
ミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アン
トロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレ
ンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサ
ノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−
メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタ
ジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1
−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカル
ボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリ
オン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−
フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o
−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、
キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアク
リドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェ
ニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、ト
リフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭
素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインお
よびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素と
アスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の
組み合わせなどがあげられる。本発明ではこれらを1種
または2種以上使用することができる。
【0068】光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.
05〜20重量%の範囲で添加され、より好ましくは、
0.1〜15重量%である。重合開始剤の量が少なすぎ
ると、光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎ
れば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがあ
る。
【0069】紫外線吸収剤を添加することも有効であ
る。紫外線吸収効果の高い化合物を添加することによっ
て高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外
線吸収剤としては有機系染料からなるもの、中でも35
0〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有
機系染料や紫外線吸収剤が好ましく用いられる。具体的
には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系
染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラ
キノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリ
レート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料、
ベーシックブルー、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3、3−ジフェニルアクリレートなどが使用できる。有
機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶
縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を
少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およ
びベンゾフェノン系染料、ベーシックブルー、2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3および3−ジフェニルアク
リレートが好ましい。
【0070】有機染料の添加量はガラス粉末に対して
0.05〜1重量部が好ましい。0.05重量%以下で
は紫外線吸光剤の添加効果が減少し、1重量%を越える
と焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。よ
り好ましくは0.1〜0.15重量%である。 有機染
料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を上げると、
有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、それ
をペースト作製時に混練する方法以外に、該有機溶媒中
にガラス微粒子を混合後、乾燥する方法があげられる。
この方法によってガラス微粒子の個々の粒子表面に有機
の膜をコートしたいわゆるカプセル状の微粒子が作製で
きる。
【0071】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシ
ンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリ
デンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−
ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニ
ル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N
−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノール
アミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソア
ミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾー
ル、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラ
ゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種また
は2種以上使用することができる。なお、増感剤の中に
は光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤
を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量
は感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より
好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少
なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感
剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎる
おそれがある。
【0072】重合禁止剤は、隔壁パターン形成性向上、
保存時の熱安定性を向上させるために添加される。重合
禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノンモノメチル
エーテル、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル
化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジ
ン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチル
アミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノー
ル、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重
合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性ペース
ト中に、通常、0.5〜10重量%である。
【0073】上記の各成分を混合した後、3本ローラや
プラネタリーミキサー等の混練機で均質に混合分散し誘
電体および隔壁用ペーストを作製することができる。
【0074】次に、本発明のPDP用基板の作製工程の
一例について説明するが、本発明はこれに限定されな
い。
【0075】本発明のPDP用基板に用いるペースト
は、上記の無機および有機の各種成分を所定の組成とな
るように調合した後、3本ローラやプラネタリーミキサ
ー等の混練機で均質に混合分散して調製する。
【0076】ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有
機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によっ
て適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cp
s(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基板への塗
布をスクリーン印刷法以外にスピンコート法で行う場合
は、200〜5000cpsが好ましい。スクリーン印
刷法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、4
000〜20万cpsが好ましい。
【0077】電極を形成したガラス基板の上に、誘電体
層A用ペーストを8〜25μmの厚みで塗布する。ここ
でペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との
密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができ
る。表面処理液としてはシランカップリング剤、例えば
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエ
トキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリ
メトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどあるい
は有機金属例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機
ジルコニウムなどである。シランカップリング剤あるい
は有機金属を有機溶媒、例えばエチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、ブチルアルコールなどで0.1〜5%の濃度
に希釈したものを用いる。次にこの表面処理液をスピナ
ーなどで基板上に均一に塗布した後に80〜140℃で
10〜60分間乾燥することによって表面処理ができ
る。
【0078】誘電体層A用ペーストの塗布した後、ペー
スト中の溶媒を除去するため、乾燥を行う。次に焼成炉
にて焼成を行う。温度はペーストや基板の種類によって
異なるが、空気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ
式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることがで
きる。この際、540〜590℃の温度で10〜60分
間保持して焼成を行う。塗布、焼成を1回または数回行
い、表面のRaが0.1〜1.5μmの誘電体層を得
る。
【0079】次に、上記の誘電体層A上に最表層の誘電
体層B用ペーストを塗布し乾燥を行う。ペースト中に、
光もしくは熱重合性の成分が含まれる際は、光または熱
架橋により硬化し、隔壁パターン形成の際の現像液によ
る浸食を防ぐ。
【0080】形成した誘電体層B上に隔壁パターンを形
成する際、直接感光性ペーストを全面塗布、もしくは部
分的に塗布した後パターニングする方法と、塗布方法と
しては、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコータ
ー、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を用いる
ことができる。塗布厚みは、塗布回数、ペーストの粘度
を選ぶことによって調整できる。
【0081】塗布した後、露光装置を用いて露光を行
う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるよう
に、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的
である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によっ
て、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。ま
た、フォトマスクを用いずに、赤色や青色のレーザー光
などで直接描画する方法を用いても良い。
【0082】露光装置としては、ステッパー露光機、プ
ロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大
面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感
光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行う
ことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積
を露光することができる。
【0083】この際使用される活性光源は、たとえば、
可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー
光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好まし
く、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は塗布厚みによって異なるが、5〜50mW/
cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜20分間
露光を行う。
【0084】露光後、感光部分と非感光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法で行う。
【0085】用いる現像液は、感光性ペースト中の有機
成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有
機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加しても
よい。感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を
持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像でき
る。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや炭酸ナト
リウム、水酸化カルシウム水溶液などのような金属アル
カリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用い
た方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好まし
い。
【0086】有機アルカリとしては、アミン化合物を用
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重
量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去さ
れず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離さ
せ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好ましくな
い。また、現像時の現像温度は、20〜40℃で行うこ
とが工程管理上好ましい。
【0087】次に、焼成炉にて誘電体層B塗布膜と隔壁
パターンの焼成を行い、最上層の誘電体層、隔壁を形成
する。焼成雰囲気や、焼成温度は誘電体層Aの形成時と
同じか、温度を20〜30°C低くすることが形成済み
の誘電体層の形状保持をする上で好ましい。また、以上
の塗布や露光、現像、焼成の各工程中に、乾燥、予備反
応の目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良
い。
【0088】次に、赤、青、緑の各色に発光する蛍光体
ペーストをスクリーン印刷法でパターン印刷することに
より、フルカラー表示可能なPDP用の背面板を作製す
ることができる。
【0089】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は特に断らない限り
重量%である。
【0090】実施例1 <有機成分の調製>下記のポリマおよび溶媒をそれぞれ
40%溶液となるように混合し、攪拌しながら60℃ま
で加熱し、すべてのポリマを均質に溶解させ、ポリマ溶
液を得た。
【0091】(1)ポリマ溶液A:40%のメタアクリ
ル酸(MAA)、30%のメチルメタアクリレート(M
MA)および30%のスチレン(St)からなる共重合
体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメ
タアクリレート(GMA)を付加反応させた重量平均分
子量31000、酸価95の感光性ポリマ。溶媒:ガン
マブチロラクトン(γ−BL) (2)ポリマ溶液B:エチルセルロース(置換度1.
5、重量平均分子量50000)のターピネオール溶
液。
【0092】(3)有機ビヒクル作製 室温まで冷却した上記のポリマ溶液Aを400gに対
し、各有機成分を以下に示す割合で加えて溶解した後、
この溶液を400メッシュのフィルターを用いて濾過
し、有機ビヒクルを作製した。
【0093】 有機染料:スダンIV:アゾ系有機染料(化学式C24204 O) 0.5g モノマ:TMPTA :トリメチロールプロパントリアクリレート 150g 開始剤:チバガイギー社製 イルガキュア369 25g 増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン 25g 増感助剤:p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 10g 可塑剤:ジブチルフタレート(DBP) 20g 溶媒:γ−BL 80g またポリマ溶液Bを30gに対して、可塑剤:ジブチル
フタレート(DBP)2gを加え、上記フィルターで濾
過した後、有機ビヒクルBを作製した。
【0094】次に、有機ビヒクルとガラス粉末を下記の
割合で調合した後、3本ローラーで均一に分散すること
により誘電体層用ペースト(非感光性)、表層誘電体層
B用ペースト(感光性)および隔壁用ペースト(感光
性)を得た。
【0095】 誘電体層A用ペースト :有機ビヒクルB30g、ガラス粉末(1)70g 、粘度60000cps 表層誘電体層B用ペースト:有機ビヒクルA35g、ガラス粉末(1)65g 、粘度40000cps 隔壁用ペースト :有機ビヒクルA40g、ガラス粉末(2)60g 、粘度35000cps ガラス粉末はそれぞれ、あらかじめアトラクターにて微
粉末にしたものを用いた。
【0096】ガラス粉末(1):組成 Bi23 38
%、SiO2 7%、B2 3 19%、BaO12%、A
2 3 3%、ZnO 21%、平均粒径3.4μmの
非球状粉末、Tg 476℃、Ts 525℃、熱膨張
係数 77×10-7/°K、g線(436nm)での屈
折率 1.75。
【0097】ガラス粉末(2):組成 Li2O 9
%、Na2 O 2%、SiO2 19%、B2 3 31
%、BaO 4%、Al2 3 23%、ZnO 2%、
MgO6%、CaO 4%。平均粒径2.6μmの非球
状粉末、Tg(ガラス転移点)480℃、Ts(軟化
点)520℃、熱膨張係数 79×10-7/°K、g線
(436nm)での屈折率1.58。
【0098】次に背面板用ガラス基板として、サイズ2
40×300mmのガラス基板(旭硝子社製PD−20
0)を使用した。このガラス基板に、書き込み電極とし
て感光性銀ペーストを用いてフォトリソ法により、ピッ
チ150μm、線幅40μm、焼成厚み5μmのストラ
イプ状電極を形成した。
【0099】得られた誘電体層用ペーストを電極形成し
た背面板上に、325メッシュのスクリーンを用いてス
クリーン印刷による塗布、乾燥を行い、乾燥後厚み22
μmの均一な膜を得た。塗布厚みはスキージ角度と速度
によって調整した。
【0100】このようにして誘電体ペーストを塗布した
ガラス基板を、空気中で570℃で30分間焼成を行
い、誘電体層を形成した。この誘電体層の厚みおよびR
aは、表面粗さ計(サーフコム1500A:東京精密
(株)製)によって測定した。結果を表1に示す。この
誘電体層上に、最上層誘電体層用ペーストを塗布、乾燥
し厚み15μmの均一な膜を得た。この膜に上面から5
0mW/cm2 出力の超高圧水銀灯で全面紫外線露光
し、光硬化を行った。露光量は1J/cm2 であった。
【0101】次に塗布膜上に隔壁用ペーストを上記と同
じ方法で塗布、乾燥を繰り返し塗布厚みを180μmに
調整した。その後、80℃で1時間保持して乾燥した。
【0102】続いて、フォトマスクを介して上面から5
0mW/cm2 出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。
露光量は2J/cm2 であった。フォトマスクはピッチ
150μm、線幅20μmのネガ型のクロムマスクを用
いた。
【0103】次に、35℃に保持したモノエタノールア
ミンの0.3重量%の水溶液を120秒間シャワーする
ことにより現像し、その後シャワースプレーを用いて水
洗浄し、光硬化していないスペース部分を除去してスト
ライプ状の隔壁パターンを形成した。
【0104】このようにして誘電体ペースト塗布膜およ
び隔壁パターンを形成したガラス基板を、空気中で57
0℃で30分間焼成を行い、誘電体層および隔壁を形成
した。
【0105】隔壁を形成した背面板の隔壁内の所定の溝
にスクリーン印刷法を用いて、蛍光体層を形成した。す
なわち、赤(R)を形成する場合、Rの感光性蛍光体ペ
ーストを用いて、位置あわせを行い印刷する。緑
(G)、青(B)に関しても同様の操作を行った後、焼
成(500℃、30分)を行い、3色の蛍光体を所定の
位置に形成した。
【0106】作製したPDP用背面板の評価結果を表1
に示す。最上層の誘電体層亀裂、隔壁振れ、蛍光体の混
色の欠陥のない場合は○とし、ある場合は×で示した。
【0107】実施例2 誘電体層用ペースト100gに対し、テルピネオール5
gを添加し、ペースト粘度を20000cpsとして、
塗布厚みを18μmとした以外は、実施例1と同様にし
て、ガラス基板上に表1に示す条件で背面板を作製し
た。作製したPDP用背面板の評価結果を表1に示す。
【0108】実施例3 誘電体層用ペーストの塗布、乾燥、焼成を2回繰り返
し、誘電体層を3層とした以外は、実施例1と同様にし
て、ガラス基板上に表1に示す条件で背面板を作製し
た。作製したPDP用背面板の評価結果を表1に示す。
【0109】実施例4 電極をピッチ220μm、線幅70μmとし、隔壁をピ
ッチ220μm、線幅40μmのフォトマスクを用いて
形成した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上
に表1に示す条件で背面板を作製した。作製したPDP
用背面板の評価結果を表1に示す。
【0110】比較例1 誘電体層用ペースト100gに対して、テルピネオール
10gを添加し、ペースト粘度を5000cpsとし、
塗布厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様にし
て、ガラス基板上に表1に示す条件で背面板を作製し
た。作製したPDP用背面板の評価結果を表1に示す。
【0111】比較例2 1層目の誘電体層を580℃×30分で焼成した以外
は、実施例1と同様にして、表1に示す条件で背面板を
作製した。作製した背面板の評価結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】本発明のプラズマディスプレイパネル
は、誘電体亀裂、剥がれとそれに伴う隔壁の振れや剥が
れがないため、高歩留まりのプラズマディスプレイを提
供することができる。これによって高精細のプラズマデ
ィスプレイを提供することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成した電極の上に誘電体層を形
    成した基板であって、誘電体層が、電極上に形成された
    誘電体層Aとその上に形成された誘電体層Bの少なくと
    も2層からなり、かつ、該誘電体層A表面の中心線平均
    粗さが0.1〜1.5μmであることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイ用基板。
  2. 【請求項2】前記誘電体層の合計厚みが、10〜30μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマデ
    ィスプレイ用基板。
  3. 【請求項3】誘電体層Aおよび誘電体層Bが実質的にア
    ルカリ金属を含まない無機材料からなることを特徴とす
    る請求項2に記載のプラズマディスプレイ用基板。
  4. 【請求項4】前記誘電体層が、ガラス転移点450〜5
    50℃、軟化点500〜600℃である無機材料からな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプ
    ラズマディスプレイ用基板。
  5. 【請求項5】前記誘電体層Aの無機材料が、ガラス転移
    点450〜550℃、軟化点500〜600℃であるガ
    ラスを50〜90重量%、フィラーを10〜50重量%
    含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のプラズマディスプレイ用基板。
  6. 【請求項6】フィラーが、チタニア、アルミナ、チタン
    酸バリウム、ジルコニアからなる群から選ばれた少なく
    とも一種であることを特徴とする請求項5に記載のプラ
    ズマディスプレイ用基板。
  7. 【請求項7】前記誘電体層に用いる無機材料が酸化ビス
    マスを20〜70重量%含むガラスからなることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディス
    プレイ用基板。
  8. 【請求項8】前記誘電体層に用いるガラスが下記組成を
    含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマディス
    プレイ用基板。 酸化ビスマス 20〜70重量% 酸化珪素 3〜30重量% 酸化ホウ素 10〜30重量% 酸化亜鉛 10〜40重量%
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマ
    ディスプレイ用基板を用いることを特徴とするプラズマ
    ディスプレイ。
  10. 【請求項10】電極が形成された基板上に、誘電体層A
    用ペーストを塗布後、焼成して中心線平均粗さが0.1
    〜1.5μmである誘電体層Aを形成した後、無機材料
    と有機成分からなる誘電体層B用ペーストを塗布して塗
    布膜を形成し、次いで無機材料と感光性有機成分からな
    る隔壁用ペーストを塗布して、フォトリソグラフィ法に
    より隔壁パターンを形成した後に、前記誘電体B用塗布
    膜と隔壁パターンを同時に焼成することを特徴とするプ
    ラズマディスプレイ基板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記誘電体層A用ペーストおよび前記誘
    電体層B用ペーストがアルカリ金属を実質的に含まない
    無機材料と有機成分からなる誘電体ペーストであること
    を特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ
    基板の製造方法。
  12. 【請求項12】前記誘電体層B用ペーストが感光性誘電
    体ペーストであることを特徴とする請求項10に記載の
    プラズマディスプレイ基板の製造方法。
  13. 【請求項13】前記隔壁用ペーストが、無機材料として
    屈折率1.5〜1.7のガラス微粒子を含むことを特徴
    とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ基板の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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