JP4525672B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特に前面板の誘電体層の製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記す)は、対向配置した前面板と背面板との周縁部を封着部材によって封着した構造であって、前面板と背面板との間に形成された放電空間には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが封入されている。
前面板は、ガラス基板の片面にストライプ状に形成された走査電極と維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層および保護層とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極と、その透明電極上に形成した金属材料からなる金属電極とによって構成されている。
背面板は、ガラス基板の片面に表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と、放電空間をアドレス電極毎に区画するストライプ状の隔壁と、隔壁間の溝に順次塗布された赤色、緑色および青色の蛍光体層とを備えている。
表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色および青色の蛍光体層を有する3個の放電セルが、カラー表示のための画素になる。PDPは順次、走査電極とアドレス電極間、および走査電極と維持電極間に所定の電圧を印加してガス放電を発生させ、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層を励起し、発光させることによりカラー画像を表示している。
ここでPDPの放電効率を向上させるためには、前面板の誘電体層の低誘電率化を図る必要がある。従来の前面板の誘電体層は、ガラス粉末、有機バインダなどからなる低融点ガラスペーストを塗布し、焼成することにより形成され、その比誘電率は10前後であった。そこで、このような不純物を多く含む低融点ガラスペーストを用いるのではなくスパッタ法、CVD法などにより酸化ケイ素(SiO)の誘電体層を形成する試みがなされてきた。しかし、スパッタ法およびCVD法では、真空系の設備が必要になるためコストが高く、また生産性も低いという問題があった。
そこで、真空系の設備も必要なく生産性も高いゾルゲル法と呼ばれる、金属アルコキシドを含む溶液から加水分解、縮重合反応を経て金属酸化物からなる誘電体層を形成する方法が検討されている。このような方法で形成された誘電体層の比誘電率は、4前後になると言われている。そして、特にアルキル群を含む溶液であると、誘電体層を得るための加熱中、誘電体層とガラス基板との間の熱膨張の差を減少させて、熱膨張差に基づくクラックの発生を抑える効果があり、10μm以上の成膜を可能とする膜例も示されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−518318号公報
ところが、特許文献1の方法で15μm以上の誘電体層を形成しようとすると、誘電体層に膜形成過程での縮重合反応に伴う収縮による引張り応力が残存する。そのため、PDPを大面積化しようとすると、誘電体層の剥れや引張り応力に基づくクラックが発生しやすくなる。そして、そのような誘電体層の剥れやクラックにより表示電極対を損傷したり、乱反射を起こしてPDPの光学特性に悪影響を及ぼす。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、剥れやクラックの発生のない低誘電率の誘電体層を所定の厚みに形成することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、第1のガラス基板上に第1の導電膜のパターンおよび第1の導電膜を覆う誘電体層を形成した第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の導電膜、隔壁および蛍光体層を形成した第2の基板とを対向配置し、封着したPDPの製造方法であって、誘電体層は、アルコキシドを含む溶液を塗布した後、加水分解し縮重合反応させて作製した誘電体前駆膜にさらに加速された微粒子を叩きつけて作製した誘電体膜を積層して形成する方法である。
このようなPDPの製造方法とすると、加速された微粒子により誘電体膜表面が緻密になり、誘電体膜表面に圧縮応力が働くようになる。その結果、誘電体膜は剥がれにくく、クラックの発生しにくい膜となる。そのため、このような誘電体膜を積層して形成した誘電体層は所定の厚みに形成できるとともに、低誘電率で剥れやクラックの発生をなくすことができる。
また本発明のPDPの製造方法の微粒子のモース硬度を1.0以上6.5以下としてもよい。
微粒子のモース硬度が、1.0未満であると、微粒子を叩きつける前の誘電体膜表面に働く引張応力を、微粒子を叩きつけることで圧縮応力に変えることができない。また、モース硬度が6.5を超えると、誘電体膜表面を傷つけてしまう。
また本発明のPDPの製造方法の微粒子は誘電体前駆膜表面に圧力0.1MPa以上0.5MPa以下で叩きつけるようにしてもよい。
微粒子を叩きつける圧力を0.1MPa未満とすると、誘電体前駆膜表面に働く引張応力を圧縮応力に変えることができず、0.5MPaを超えると誘電体膜の表面にキズがついてしまう。
また本発明のPDPの製造方法の誘電体膜は10μm以下の厚みに形成するとともに誘電体層は15μm以上40μm以下の厚みに形成してもよい。
誘電体膜の厚みを、10μmを超えて形成すると、縮重合反応時にクラックが発生しやすくなる。また誘電体層の厚みが15μm未満であると必要な絶縁耐圧を得られず、40μmを超えると誘電体層の誘電率が大きくなりすぎる。
また本発明のPDPの製造方法の誘電体膜の表面の算術平均粗さRaを0.1μm以上1.0μm以下にしてもよい。
誘電体膜のRaが0.1μm未満であると、積層する誘電体膜同士の密着性が向上せず、1.0μmを超えると、光透過率が低下し表示特性が悪化する。
本発明のPDPの製造方法によれば、ゾルゲル法で形成した誘電体前駆膜に加速された微粒子を叩きつけることで、表面に引張応力が働いていた誘導体前駆膜を圧縮応力が働く誘電体膜に変える。そのため、そのような誘電体膜を積層して形成した誘電体層は、低誘電率で所定の厚みに形成でき、剥れやクラックの発生をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態のPDPの製造方法について図面を用いて説明する。
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態のPDPの製造方法により製造されるPDPの構造を、図1および図2を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態のPDPの構造を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態のPDPの前面板の断面図である。
図1に示すように、PDP100は、第1の基板である前面板12と、第2の基板である背面板20とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着部材によって気密封着されている。封着されたPDP100内部の放電空間26には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが、53200Pa〜79800Paの圧力で封入されている。
前面板12の第1のガラス基板である前面ガラス基板13上には、第1の導電膜である走査電極14および維持電極15よりなる一対の帯状の表示電極対16と、ブラックストライプ(遮光層)17とが互いに平行に、それぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板13上には、表示電極対16と、ブラックストライプ17とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層18が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる電極保護のための保護層19が形成されている。
背面板20の第2のガラス基板である背面ガラス基板21上には、前面板12の走査電極14および維持電極15と直交する方向に、第2の導電膜である複数の帯状のアドレス電極22が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層23が被覆している。
さらに、アドレス電極22間の下地誘電体層23上には、放電空間26を区切る所定の高さの隔壁24が形成されている。隔壁24間の溝にアドレス電極22毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層25が、順次塗布して形成されている。走査電極14および維持電極15と、アドレス電極22とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極対16方向に並んだ赤色、青色、緑色の蛍光体層25を有する放電セルが、カラー表示のための画素になる。
また図1の前面板12を上下反転させた図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板13に、走査電極14および維持電極15よりなる表示電極対16と、ブラックストライプ17とがパターン形成されている。
走査電極14と維持電極15は、それぞれ酸化インジウム(ITO)や、酸化スズ(SnO)などからなる透明導電膜である透明電極14a、15aと、透明電極14a、15a上に形成された金属電極14b、15bとにより構成されている。金属電極14b、15bは透明電極14a、15aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層18は、前面ガラス基板13上に形成されたこれらの透明電極14a、15aと金属電極14b、15bとブラックストライプ17を覆って設け、さらに誘電体層18上に保護層19を形成している。
次に、PDP100の製造方法について説明する。
まず、前面ガラス基板13上に、走査電極14および維持電極15を構成する透明電極14a、15aが、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。そして、ブラックストライプ17および透明電極14a、15a上に金属電極14b、15bとなるそれぞれのペースト層を、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成する。ここで金属電極14b、15bの材料は、導電性黒色粒子、あるいは銀(Ag)材料を含む電極ガラスペーストであり、ブラックストライプ17の材料も、黒色顔料を含むペーストである。
次に、走査電極14、維持電極15およびブラックストライプ17を覆うように、前面ガラス基板13上に、ゾルゲル法で誘電体層18を形成する。さらに、誘電体層18上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層19を、真空蒸着法により0.3μm〜1μmの厚みに形成する。以上の工程により、前面ガラス基板13上に所定の構成部材が形成されて前面板12が完成する。
背面板20は、次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板21上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などにより、アドレス電極22用の構成物となる材料層を形成する。そして、その材料層を所望の温度で焼成してアドレス電極22を形成する。
次に、アドレス電極22が形成された背面ガラス基板21上に、ダイコート法などによりアドレス電極22を覆うように誘電体ガラスペーストを塗布して、誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより、下地誘電体層23を形成する。なお、誘電体ガラスペーストは、粉末の誘電体ガラスフリット、バインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層23上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布し、所定の形状にパターニングして隔壁材料層を形成し、その後、焼成することにより、隔壁24を形成する。ここで、下地誘電体層23上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法や、サンドブラスト法を用いることができる。
次に、隣接する隔壁24間の下地誘電体層23上および隔壁24の側面に、蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより、蛍光体層25が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板21上に所定の構成部材が形成されて、背面板20が完成する。
このようにして、所定の構成部材を備えた前面板12と背面板20とを、表示電極対16とアドレス電極22とが直交するように対向配置して、その周囲を封着部材で封着し、放電空間26にネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを含む放電ガスを封入することでPDP100が完成する。
ここで、誘電体層18の形成方法についてさらに詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態のPDPの誘電体膜の作製過程を示す工程断面図である。図3(a)は溶液を塗布した状態を示す断面図、図3(b)は熱処理して誘電体前駆膜を作製した状態を示す断面図、図3(c)は誘電体前駆膜に微粒子を叩きつけている状態を示す断面図、図3(d)は誘電体膜が形成された状態を示す断面図である。
図3(a)に示すように、アルコキシドを含む溶液層30をダイコート法または印刷法などにより金属電極14b、15bを形成した透明電極14a、15a、およびブラックストライプ17が作製された前面ガラス基板13上に形成する。このとき、前面ガラス基板13表面をプラズマ処理、あるいは加速された微粒子を叩きつけるサンドブラスト法などで荒らしておくのがよい。このようにすることで、成膜する誘電体膜と前面ガラス基板13との密着性を上げられる。
そして、塗布した溶液層30に触媒を添加して加水分解し、縮重合反応させた後、400℃〜600℃の温度で熱処理して、図3(b)に示すように10μm以下の厚みの誘電体前駆膜31を形成する。ここで、誘電体前駆膜31の厚みは、溶液層30から溶媒分が蒸発すること、および熱収縮により溶液層30の厚みより減少する。そして、硬化収縮により誘電体前駆膜31表面には図3(b)に示す矢印の向きに、0MPa〜500MPa程度の引張応力が発生し、誘電体前駆膜31は凹形状に反る。
次に図3(c)に示すように、硬化させた誘電体前駆膜31表面にサンドブラスト法により直径10μm〜500μmの銅(Cu)の微粒子32を空気と混合させて、圧力0.1MPa〜0.5MPaで叩きつける。
その結果、図3(d)に示す矢印の向きの膜表面応力が0MPa〜700MPa程度の圧縮応力がかかった誘電体膜33に変化させ、誘電体膜33は凸形状になる。
このとき、微粒子32の径および叩きつける圧力が小さすぎると、誘電体前駆膜31表面に働く引張応力を圧縮応力に変化させる応力変化の十分な効果が得られず、大きすぎると誘電体膜33表面のキズや膜剥れの原因となる。また、微粒子32はモース硬度で2.5程度の銅(Cu)を用いたが、酸化ケイ素(SiO)の硬度であるモース硬度6.5以下の微粒子32であれば叩きつける圧力とのバランスで、誘電体膜33表面のキズや膜剥れもなく応力変化の効果を得ることができる。ただし硬度が低いと、より高い圧力が必要となるため、モース硬度で1以上が望ましく、好適にはモース硬度が2〜5の微粒子32である。そうして応力変化を付与した誘電体膜33表面には、叩きつけた微粒子32が付着しているため、エアを吹き付けて洗浄する。
なお、誘電体前駆膜31表面に働く引張応力を圧縮応力に変化させる応力変化にサンドブラスト法を用いたが、微粒子32を液体に混合させて噴射するウエットブラスト法を用いてもよい。
また引張応力、圧縮応力の応力測定は、例えば膜内に生じた応力によるその膜が形成された基板の曲率を測定して、応力を算出する方法がある。この方法では、微粒子を叩きつける処理前後で基板の反りを測定し、次の(数1)、(数2)から計算できる。
Figure 0004525672
Figure 0004525672
ここでσ:応力、h:基板厚さ、h:膜厚、M:2軸弾性率、k:基板の曲率、E:基板のヤング率、γ:ポワソン比である。また、その他の応力の測定方法としては、X線回折法がある。
次に、誘電体前駆膜31に微粒子32を叩きつけることで、誘電体前駆膜31に働く引張応力が圧縮応力に変化する理由を説明する。図4は、本発明の実施の形態のPDPの誘電体膜の作製状態を分子レベルで説明する図で、図4(a)は誘電体前駆膜の表面付近の断面図、図4(b)は誘電体膜の表面付近の断面図である。
図4(a)は、図3(b)の誘電体前駆膜31の表面付近を分子レベルで微視的に見たもので、それぞれの誘電体膜分子34は、隙間を有して並んでいると考えられる。しかし、熱処理により硬化収縮しているため、誘電体前駆膜31の形状は破線に示すような凹形状となっている。
このような誘電体前駆膜31に微粒子を叩きつけることにより、図3(d)の誘電体膜33の表面付近を分子レベルで微視的に見た図4(b)のように、それぞれの誘電体膜分子34は隙間を狭めて、緻密な誘電体膜33になると考えられる。その結果、誘電体膜分子34同士が押し合うことにより、図4(b)の誘電体膜33の形状は破線に示すような凸形状となる。
次に、このような誘電体膜33を積層して誘電体層18を形成する方法を説明する。図5は、本発明の実施の形態のPDPの誘電体層の形成過程を示すフロー図である。ステップS1では、アルコキシドを含む溶液を前面ガラス基板上に塗布し、触媒を添加して加水分解し、縮重合反応させた後、熱処理して第1誘電体前駆膜を作製する。ステップS2では、第1誘電体前駆膜表面に微粒子を叩きつけるサンドブラスト処理で、第1誘導体前駆膜表面に働いていた引張応力に応力変化を与え、圧縮応力が働く第1誘電体膜を作製する。
ステップS3では、アルコキシドを含む溶液を第1誘電体膜上に塗布し、触媒を添加して加水分解し、縮重合反応させた後、熱処理して第2誘電体前駆膜を作製する。ステップS4では、第2誘電体前駆膜表面に微粒子を叩きつけるサンドブラスト処理で、第2誘導体前駆膜表面に働いていた引張応力に応力変化を与え、圧縮応力が働く第2誘電体膜を作製する。
ステップS5では、アルコキシドを含む溶液を第2誘電体膜上に塗布し、触媒を添加して加水分解し、縮重合反応させた後、熱処理して第1誘電体膜、第2誘電体膜より薄い厚みの第3誘電体膜を作製する。この結果、ステップS6の第1誘電体膜、第2誘電体膜、第3誘電体膜を積層した誘電体層が形成される。
図6は、図5のフロー図の工程を説明する図で、本発明の実施の形態のPDPの誘電体層の形成過程を示す工程断面図である。図6(a)は第1誘電体膜を作製した状態を示す断面図、図6(b)は第2誘電体膜を作製した状態を示す断面図、図6(c)は第3誘電体膜を作製した状態を示す断面図である。
図6(a)は、金属電極14b、15bを形成した透明電極14a、15aおよびブラックストライプ17が作製された前面ガラス基板13上に、図3(a)〜図3(d)の工程により第1誘電体膜35を10μm以下の厚みで作製した状態である。そして、第1誘電体膜35を作製する際に、その表面を故意に荒らして、アンカー効果で誘電体膜間の密着性を向上させてもよい。この場合、第1誘電体膜35表面の算術平均粗さRaは0.1μm以上、1μm以下が望ましい。Raが0.1μm未満だと十分な密着性向上効果が得られず、1μm以上だと可視光の散乱が著しくなり表示特性が悪化する。また誘電体膜間の密着性を向上させるには、第1誘電体膜35表面をプラズマ処理してもよい。
図6(b)は、第1誘電体膜35上に、同じく図3(a)〜図3(d)の工程により形成した10μm以下の厚みの第2誘電体膜36を積層した状態を示す。しかしながら、第2誘電体膜36の表面は、微粒子を叩きつけるサンドブラスト処理により凹凸が残っている。
そのため図6(c)に示すように、アルコキシドを含む溶液を第2誘電体膜36上に塗布し、触媒を添加して加水分解し、縮重合反応させた後、熱処理してRaが0.1μm以下で膜厚が1μm以下の第3誘電体膜37を作製する。この程度の膜厚の誘電体膜であればその表面には、ほとんど引張応力は発生しない。このようにして第1誘電体膜35、第2誘電体膜36および第3誘電体膜37からなる誘電体層18が形成される。
この結果、誘電体層18は緻密になるとともに、誘電体層18表面に圧縮応力が働くようになる。誘電体層18内にクラックが生じる原因は、誘電体層18内の引張応力であるので、この引張応力に対抗する圧縮応力を働かせることでクラックが発生しにくくなる。また、誘電体層18はゾルゲル法で作製した誘電体膜を積層して形成しているので、低誘電率にできるとともに、従来の30μm〜40μm程度の所定の厚みに容易に形成できる。
以上述べてきたように本発明のPDPの製造方法は、低誘電率で所定の厚みに誘電体層を形成でき、剥れやクラックの発生をなくすことができるので、表示品質に優れたPDPを提供できる。
本発明の実施の形態のPDPの構造を示す斜視図 同PDPの前面板の断面図 (a)同PDPの溶液を塗布した状態を示す断面図(b)同PDPの熱処理して誘電体前駆膜を作製した状態を示す断面図(c)同PDPの誘電体前駆膜に微粒子を叩きつけている状態を示す断面図(d)同PDPの誘電体膜が形成された状態を示す断面図 (a)同PDPの誘電体前駆膜の表面付近の断面図(b)同PDPの誘電体膜の表面付近の断面図 同PDPの誘電体層の形成過程を示すフロー図 (a)同PDPの第1誘電体膜を作製した状態を示す断面図(b)同PDPの第2誘電体膜を作製した状態を示す断面図(c)同PDPの第3誘電体膜を作製した状態を示す断面図
符号の説明
12 前面板
13 前面ガラス基板
14 走査電極
14a,15a 透明電極
14b,15b 金属電極
15 維持電極
16 表示電極対
17 ブラックストライプ(遮光層)
18 誘電体層
19 保護層
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
23 下地誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
26 放電空間
30 溶液層
31 誘電体前駆膜
32 微粒子
33 誘電体膜
34 誘電体膜分子
35 第1誘電体膜
36 第2誘電体膜
37 第3誘電体膜
100 PDP

Claims (5)

  1. 第1のガラス基板上に第1の導電膜のパターンおよび前記第1の導電膜を覆う誘電体層を形成した第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の導電膜、隔壁および蛍光体層を形成した第2の基板とを対向配置し、封着したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記誘電体層は、アルコキシドを含む溶液を塗布した後、加水分解し縮重合反応させて作製した誘電体前駆膜にさらに加速された微粒子を叩きつけて作製した誘電体膜を積層して形成したことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記微粒子のモース硬度を1.0以上6.5以下とすることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記微粒子は前記誘電体前駆膜表面に圧力0.1MPa以上0.5MPa以下で叩きつけることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記誘電体膜は10μm以下の厚みに形成するとともに前記誘電体層は15μm以上40μm以下の厚みに形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記誘電体膜の表面の算術平均粗さRaを0.1μm以上1.0μm以下にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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