JP2008226517A - ディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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隆亮 東田
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Abstract

【課題】サンドブラスト法で切削しても細い隔壁が倒れず、格子形状の細い隔壁を精度よく安定して形成でき、高い開口率を有した高輝度高精細のディスプレイパネルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】格子状隔壁を備えたディスプレイパネルの製造方法であって、格子状隔壁22を形成するステップが、背面ガラス基板18上に焼成前下層部201bを形成するステップと、焼成前下層部201bに最上層部22aとなるSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの透明膜の最上層部膜200aを形成するステップと、最上層部膜200aの表面を所定の格子状パターンを有するマスキング部材となる耐切削性マスキングパターン34によってマスキングするステップと、耐切削性マスキングパターン34を介して最上層部膜200aと乾燥下層部201aとを切削するステップと、焼成前下層部201bを焼成するステップとを含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、セルの開口率を向上させるとともに、形状精度に優れた細い幅の隔壁を有するディスプレイパネルとその製造方法に関する。
近年、コンピュータやテレビなどの画像表示に用いられカラー表示デバイスとして、液晶表示パネル(LCD)、フィールドエミッションディスプレイパネル(FED)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)、エレクトロルミネッセンスパネル(EL)などのフラットディスプレイパネルが、大型薄型を実現可能にする表示デバイスとして注目されている。その中で、特にPDPは高速応答性や高視野角などの優れた特徴を備え、高精細、高画質化に向けた開発が活発に行われている。
PDPは、基本的には前面板と背面板とで構成されている。前面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極およびバス電極よりなる走査電極および維持電極が対となった表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとして働き放電による壁電荷を形成する誘電体層と、この誘電体層上に形成された保護膜とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に表示電極と交差する方向に形成されたストライプ状のアドレス電極と、このアドレス電極を覆う誘電体層と、その上に形成された、例えば格子形状の隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色をそれぞれ発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって囲まれた多数の放電セルの放電空間には、ネオン(Ne)−キセノン(Xe)などの放電ガスが50kPa〜60kPaの圧力で封入されている。表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電ガスを放電させ、それによって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
従来、背面板の隔壁を形成する方法として、例えばガラス基板の誘電体層上に隔壁形成材料を塗布して隔壁材料層を形成し、隔壁材料層を切削して所要の幅を有する隔壁を形成するサンドブラスト法などが一般的に用いられている。
一方、PDPを含むディスプレイパネルはフルハイビジョンなどによる大画面高精細化への要求がさらに高まっている。高精細化に対応して、微細放電セルにおいて輝度を上げるためには、微細化された放電セルの開口率をさらに向上させる必要があり、隔壁の幅をさらに小さくすることが必要となる。また、隣接する放電セル間での放電クロストークなどを抑制するためには、隔壁をストライプ形状から井桁形状あるいは格子形状とすることも要求されている。
しかしながら、細幅の隔壁をサンドブラスト法で形成しようとした場合には、切削後に残された隔壁材料層はその幅が細く、かつ、焼成前のために強度が不足していて倒れやすくなる。さらに、放電セル内の放電空間容積を確保するためにサンドブラストを過多に行うと、隔壁の断面が逆テーパー形状となって誘電体層との付着面積が小さくなり、隔壁が倒れやすくなる。したがって、高精細対応の微細放電セルに対して、開口率を大きくし、放電空間容積を大きくすることが要求される。
このような要求に対して、サンドブラスト法による加工工程を繰り返して多層の隔壁を積み上げ、所定の隔壁を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−282730号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法によれば、隔壁材料層の塗布乾燥、サンドブラスト切削、隔壁材料層の焼成の各工程を多数回繰り返して行うため、製造コストが高くなるという大きな課題がある。また、細い幅の隔壁を複数層積み上げる方法では、特に大画面のディスプレイパネルでは位置合わせを高精度に行う必要があり、開口率を安定して確保することが難しいといった課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、サンドブラスト法を用いて格子形状の細い幅を有する隔壁を精度よく安定して形成できるとともに、高い開口率を有した高輝度高精細のディスプレイパネルとその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のディスプレイパネルは、基板上に多層構造の格子状隔壁を備え、格子状隔壁の最上層部がSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの透明膜である。
このような構成により、隔壁の最上層部を強度の大きい透明膜とすることができるため、放電空間容積を増加させて最上層部の幅を増加させても、光透過の開口率が大きいディスプレイパネルを実現することができる。また、最上層部の格子状隔壁により、強度の大きな連続体を形成するため、隔壁の幅を細くしても隔壁の倒れなどがない高精度の隔壁を実現することができる。
さらに、格子状隔壁の最上層部より下層の下層部がガラス焼成体層であることが望ましく、隔壁を形成する際に焼成前の下層部を切削することによって放電セルの放電空間容積を大きくし輝度を向上させることができる。
さらに、最上層部の隔壁の幅が、下層部の隔壁の最下部の幅よりも大きいことが望ましく、放電空間をさらに大きくして輝度を上げるとともに、開口率を損なわないディスプレイパネルを実現することができる。
また、本発明のディスプレイパネルの製造方法は、基板上に多層構造の格子状隔壁を備えたディスプレイパネルの製造方法であって、格子状隔壁を形成するステップが、基板上にガラス粉体材料ペーストを塗布乾燥させて焼成前下層部を形成するステップと、焼成前下層部に最上層部となるSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの透明膜を形成するステップと、最上層部の表面を所定の格子状パターンを有するマスキング部材によってマスキングするステップと、マスキング部材を介して最上層部と焼成前下層部とを切削するステップと、焼成前下層部を焼成するステップとを含んでいる。
このような製造方法によれば、サンドブラスト法を用いて隔壁を形成する際に、焼成前下層部に最上層部となる強度の大きい透明膜を形成しているので、最上層部の格子状隔壁により、強度の大きな連続体を形成するため、隔壁の幅を細くしても隔壁の倒れなどがない高精度の隔壁を実現することができる。隔壁の最上層部を強度の大きい透明膜とすることができるため、放電空間容積を増加させ光透過の開口率が大きいディスプレイパネルを実現することができる。
さらに、透明膜を形成するステップが、ゾルゲル法を用いたステップであることが望ましく、焼成前下層部に面内引張強度が大きく、膜厚の薄い透明膜を大面積で簡便に形成することができる。そのため、サンドブラスト法を用いて最上層部を切削することが可能となり、焼成前下層部を放電空間容積を大きくして切削することができる。
本発明のディスプレイパネルおよび製造方法によれば、形状精度に優れた細い幅の隔壁を有し、光透過の開口率が高く、高輝度、高精細のディスプレイパネルを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、ディスプレイパネルとしてPDPを対象として説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルであるPDPの構成を示す斜視図である。なお、以下の実施の形態において、同一部分には同じ符号を付与した。
図2は本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルであるPDPの構成を示す図であり、図2(a)は本発明の実施の形態に係るディスプレイパネルのPDPの隔壁部分の構成を拡大して示す平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。図2においては、説明を簡略にするため各電極や誘電体層、蛍光体層などを省略して示している。
図1に示すように、PDPは、前面板10と背面板11とを対向して有する面放電型のAC型PDPの構造をなす。前面板10は、前面ガラス基板12上に、対をなす複数の走査電極13と維持電極14とが互いに平行に配置されて表示電極15を形成している。表示電極15を覆い、放電による壁電荷を形成するための誘電体層16を形成し、さらに誘電体層16を2次電子放出性薄膜となる酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜17で被覆している。図示しないが、走査電極13、維持電極14はそれぞれ透明電極とその上に形成された金属電極からなるバス電極とで構成されている。
一方、背面板11は、基板となる背面ガラス基板18上に表示電極15と交差する方向に複数のアドレス電極19を配置し、その上に下地誘電体層20が形成されている。さらに下地誘電体層20上には、放電セル21を形成するための、20μm〜30μmの幅で80μm〜120μmの高さの格子状隔壁22が形成されている。格子状隔壁22の側面と、放電セル21内の下地誘電体層20の面には、さらに赤色、緑色、青色の各色蛍光体層23が順に形成されている。また、格子状隔壁22は最上層部22aと、最上層部22aより下層の下層部22bの少なくとも2層構成としている。
前面板10と背面板11とを格子状隔壁22を介し、それぞれの電極形成面側を対向させて貼りあわせてその周縁部を封着接合している。格子状隔壁22により形成された複数の放電セル21内の放電空間には、ネオン(Ne)やキセノン(Xe)などの放電ガスを53kPa〜80kPaの圧力で封入している。このようにして、放電空間として複数の放電セル21が形成されたPDPが完成する。
このように構成したPDPにおいて、走査電極13、維持電極14、アドレス電極19間に電圧を印加してプラズマ放電を生じさせる。放電により発生した紫外線によって蛍光体層23の蛍光体を励起させて赤色、緑色、青色の各色を発光させ、カラー画像を表示することができる。本発明の実施の形態では、隔壁を格子状隔壁22とし、特に高精細な微細放電セルとなったときの隣接する放電セル間の放電のクロストークを防ぎ、画像表示品質を向上させるようにしている。
図1、図2に示すように、格子状隔壁22は、最上層部22aおよび下層部22bの少なくとも2層を積層して設けている。また、下層部22bは通常のガラス粉体材料ペーストを塗布乾燥して焼成前下層部を形成し、その後、焼成によって固化されたガラス焼成体層により形成されている。一方、最上層部22aは、SiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつよりなる、緻密で透明な薄膜で形成されている。その膜厚は数μm程度である。
次に、本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法を図1、図2、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法によるPDPの隔壁形成ステップを示す断面図である。図1、図2と同一部品および同一部分には同じ符号を付与している。
図1に示す前面板10として、まず、前面ガラス基板12の主面上に走査電極13および維持電極14を複数対でストライプ状に形成する。具体的には、前面ガラス基板12上に、例えば酸化錫(ITO)などにより透明導電性膜を蒸着法やスパッタリング法などを利用した成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法などを用いてパターニングして幅広の透明電極(図示省略)を形成する。さらにその上に、例えば銀(Ag)などによる膜を厚膜成膜法や薄膜成膜法などを利用した成膜プロセスにより形成し、フォトリソ法などを用いてパターニングすることで幅狭の金属バス電極を形成する。このようにして、走査電極13および維持電極14からなる表示電極15を形成する。
次に、走査電極13および維持電極14からなる表示電極15を覆って誘電体層16を形成する。誘電体層16は、例えばスクリーン印刷法やダイコート法により鉛系あるいは非鉛系のガラス材料を含むペーストを塗布して加熱焼成することによって形成する。例えば、鉛系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO(70wt%)−B(15wt%)−SiO(10wt%)−Al(5wt%)と、α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを融解した有機バインダとの混合物が使用される。
次に、誘電体層16を覆って、例えば酸化マグネシウム(MgO)よりなる保護膜17を真空蒸着法によって形成することで前面板10が完成する。
一方、図1に示す背面板11として、まず、基板となる背面ガラス基板18の主面上に複数のストライプ状のアドレス電極19を形成する。具体的には、背面ガラス基板18の一方の面上に、例えば銀(Ag)などの導電性材料などによる厚膜成膜法などを利用した成膜プロセスにより形成し、フォトリソ法などを用いてパターニングして形成する。このアドレス電極19を下地誘電体層20により被覆し、さらに、下地誘電体層20上にアドレス電極19と平行および直交する格子状に配置した少なくとも2層からなる格子状隔壁22を形成する。そして、赤色、緑色、青色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを格子状隔壁22間の放電セル21に塗布し、これを焼成して有機バインダを焼失させることによって各蛍光体粒子が結着して各色の蛍光体層23が形成されて背面板11が完成する。なお、格子状隔壁22の形成方法については、詳細に後述する。
上述した方法で作製した前面板10と背面板11とを、前面板10の表示電極15と背面板11のアドレス電極19とが直交するように重ね合わせるとともに、周縁に低融点ガラスが含まれる封着部材(図示省略)を介挿し、これを焼成して気密シール層(図示せず)化することで封着する。そして、一旦、放電空間内を高真空に排気した後、放電ガスを所定の圧力で封入することによってPDPが完成する。
次に、背面板11の格子状隔壁22の形成工程について、図3を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、背面ガラス基板18上に形成したアドレス電極(図示省略)を覆って形成した誘電体層(図示省略)の面上に、下層部22bとなるガラス粉体材料ペースト(図示省略)を所望の厚さに塗布乾燥し、格子状隔壁22用の乾燥下層部201aを形成する。すなわち、焼成前下層部201bを形成するステップである。具体的には、ペーストとしてガラス粉末(中心粒径2μm)95%を溶媒、可塑剤、樹脂の混合溶液中に分散したものを使用して、このペーストをダイコート方式で背面ガラス基板18の下地誘電体層(図示せず)に、例えば、約200μmの膜厚で塗布し、乾燥後約150μmの厚さになるようにする。
次に、図3(b)に示すように、未焼成である焼成前下層部201b上にSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの含む薄膜の最上層部膜200aを形成する。すなわち、透明膜を形成するステップである。具体的には、SiO、Si、Al、TaOの膜は、ゾルゲル法を用いて形成する。例えば、SiOのアルコキシドに水、アルコールを加え、ゾルにし、その後、加水分解させてゲルにしたものを乾燥、加熱処理して薄膜を形成する。
例えば、ゾルゲル法に使用した液はJSR製HPC7003であって、固形分濃度20%のものである。この溶液に図3(a)で示した最上層部22aを形成するための乾燥下層部201aが形成された背面ガラス基板18を浸漬し、引き上げ速度4mm/sで引き上げることで乾燥後の膜厚約1μmのSiOを含むガラス膜の最上層部膜200aを形成することができる。本発明の実施の形態では乾燥後の膜厚が約1μmのガラス膜を形成しているが、引き上げ条件を変更することでガラス膜の厚みを変更できるので、必要に応じて膜厚を変更することは容易である。膜厚を大きくしたい場合は引き上げ速度を遅くし、逆に引き上げ速度を早くすると膜厚を薄くすることが可能である。膜形成時の温度は、ゾルの過剰な加水分解を抑制するため室温で実施するのが望ましく、液温が50℃を超えると膜厚が薄くなって形成した膜に亀裂が発生することがあるので、この温度以下で膜形成することが望ましい。
なお、最上層部膜200aの膜厚は、本発明の実施の形態では約1μmの膜厚としているが、0.1μmよりも薄くなると膜が島状になり、膜形成ができていないところが発生する。また、膜厚を10μm以上にすると膜にクラックが入り、次の最上層部膜200aをサンドブラスト加工するときに不均質な膜加工が発生し所望の格子状隔壁の精度を得ることが難しくなる。安定的に膜を形成することができる下限の膜厚は焼成前下層部201bの表面粗さ程度の0.3μm程度が目安であり、上限の膜厚としては焼成前下層部201bの加工後に下地誘電体層20にダメージを与えない程度の5μm以下が望ましい。
次に、図3(c)に示すように、最上層部膜200a上にドライフィルムレジストを貼り、フォトリソ法でパターン化し、耐切削性マスキングパターン34を形成する。すなわち、マスキングするステップである。具体的には、耐切削性マスキングパターン34は厚さ30μm〜50μmのドライフィルムを用いて形成する。ドライフィルムをフォトリソ法によって縦横格子状のパターンを形成し、格子状隔壁の隔壁に相当する部分を残し、放電セルの放電空間を形成する領域に相当する部分のドライフィルムを剥離除去する。
次に、図3(d)に示すように、マスキング部材となる耐切削性マスキングパターン34を介してサンドブラスト法により研磨材35を吹き付け、非マスキング部分の最上層部膜200aと乾燥下層部201aを切削する切削ステップに入る。具体的には、研磨材35となる10μm〜20μm程度のアルミナ粒子を用い、噴射圧力1.50kgf/cm〜3.0kgf/cmで約20分程度サンドブラスト処理をする。本発明の実施の形態では、研磨材35としてアルミナ粒子を使用しているが、ジルコニアやシリカなどの研磨材を使用してもよい。
サンドブラスト工程においては、最上層部膜200aが1μm程度と極めて薄いため、研磨材35が最上層部膜200aに衝突した際に、乾燥下層部201aが変形するとともに最上層部膜200aに亀裂が発生し加工が進展する。乾燥下層部201aはいわゆるダイコート法にて形成しているので、乾燥後の表面には凹凸が激しく、亀裂の開始点が多数存在するため、サンドブラスト法でも十分加工が可能である。最上層部膜200aが破壊された後は、乾燥下層部201aが表面に露出するが、この乾燥下層部201aは有機物バインダにて結着しているので容易に切削除去が可能である。乾燥下層部201aが有機物で結着しており、下地誘電体層は既に焼成固化されているため下地誘電体層との間に硬度の差が生じ、下地誘電体層がサンドブラスト加工のストッパとなる。その結果、研磨材35が、ガラス膜である最上層部膜200aと未焼成のペースト硬化物である乾燥下層部201aとを切削除去し、図3(e)で示すような細い焼成前下層部201bによって囲まれた焼成前隔壁37を形成することができる。
一方、未焼成のペースト硬化物である乾燥下層部201aの引張強度に対し、ゾルゲル法などの成膜プロセスにより形成された最上層部膜200aの引張強度はかなり大きく、さらに硬度も大きい。そのため、サンドブラストによる切削のステップでは、乾燥下層部201aがよく切削されるが、最上層部膜200aは切削されにくい。そのために、最上層部膜200aがオーバーハング部38を形成する。
上記では最上層部膜200aを構成する材料としてSiOを例にとり説明したが、Si、Al、TaOなどが適用可能であり、同様にゾルゲル法を用いて薄膜に成膜することができ、SiOの薄膜と同様に緻密で引張強度が大きく、硬度の高い薄膜を形成することができる。また、これらのSiO、Si、Al、TaOの薄膜は光透過性を有した透明膜となる。
次に、図3(e)に示すように、耐切削性マスキングパターン34をアルカリ溶液に40℃、5分間程度浸漬して膨潤除去し、最上層部22aと未焼成である焼成前下層部201bの2層を有する格子状の焼成前隔壁37を形成する。これによって、井桁形状の焼成前隔壁37によって囲まれた空間が広い焼成前の放電空間36を形成する。
次に、図3(f)に示すように、未焼成である焼成前下層部201bを焼成し、下層部22bに最上層部22aが積層された所定の形状の格子状隔壁22を形成する。焼成のステップにおいては、乾燥下層部201aに含まれる有機物を除去するとともに、ガラス粉体材料をガラス溶融させて焼結させ下層部22bを形成する。これによって、格子状隔壁22によって囲まれた、空間容積の大きな放電セル21が形成される。
本発明の実施の形態では、隔壁を格子状隔壁22とし、さらに、その最上層部膜200aをゾルゲル法で形成した硬度および引張強度が大きい透明膜で形成している。
また、図3(d)、図3(e)に示すように、サンドブラストによる切削ステップにおいて、耐切削性マスキングパターン34の幅を狭くして格子状隔壁22の隔壁幅を小さくすると、その下層にある乾燥下層部201aは、耐切削性マスキングパターン34の幅W1よりも細い幅W2まで切削される。
通常、フルハイビジョンの高精細度に対応するような隔壁の幅は約20μm〜25μmであり、この幅の隔壁をガラス粉体材料ペーストを焼成することに安定的に形成しようとすると、隔壁と背面ガラス基板18との接着面積を大きくして、隔壁が背面ガラス基板18上で倒れないように隔壁形状を台形状にする必要があった。そのため、隔壁間の放電空間容積が小さくなり、蛍光体層の塗布面積が小さくなるため輝度が低下する。
一方、本発明の実施の形態では、上述のように、焼成前下層部201bを焼成する前の最上層部膜200aの幅W1を20μm〜25μmとし、さらにその下層の焼成前下層部201bの幅W2をW1よりも小さくしている。しかしながら、最上層部膜200aによって格子状隔壁22が補強されているため、サンドブラストによって加工する際に焼成前下層部201bが背面ガラス基板18から剥離したり、倒れることなくその形状を保持することができる。また、図3(e)では、サンドブラスト後の焼成前下層部201bの形状がほぼ矩形となるようにしているが、この形状はサンドブラスト処理の条件によって変えることが可能であり、放電セル21内の形状が太鼓状となるようにしてさらにその空間容積を大きくすることも可能である。
すなわち、焼成前下層部201bをより引張強度が大きく緻密な最上層部膜200aの薄膜によって補強することにより、隔壁形成時にサンドブラスト法で切削しても焼成前の強度が小さい焼成前下層部201bの倒れや剥離を抑制することができる。
なお、上記においては、最上層部22aとなるSiO、Si、Al、TaOの薄膜の厚さを約1μmとして説明したが、サンドブラストの加工条件、必要な隔壁の幅などによって変えてもよい。すなわち、最上層部22aがサンドブラストされた後に、格子状としてその形状が保持されて自立する強度を有していることと、サンドブラストによって開口部が形成されることが必要である。
次に、図3(e)に示すように、焼成前隔壁37に付着している耐切削性マスキングパターン34をアルカリ溶液に40℃、5分間程度浸漬して膨潤除去し、最上層部200bおよび未焼成である焼成前下層部201bの2層を有する格子形状の焼成前隔壁37を形成する。これによって、格子形状の焼成前隔壁37によって囲まれた放電空間36を形成する。
次に、図3(f)に示すように、未焼成である焼成前下層部201bを焼成し、下層部22bと最上層部22aの2層が積層された所定の格子状隔壁22を形成する。焼成工程においては、焼成前下層部201bに含まれる有機物を除去するとともに、ガラス粉体材料を部分的にガラス溶融させ焼結させることにより、焼成された強度の高いガラス焼成体層の下層部22bを得る。これによって、格子状隔壁22によって囲まれた放電セル21を形成する。
したがって、図3(f)に示すように、サンドブラストによって形成された未焼成の焼成前下層部201bを焼成するステップの後では、最上層部22aと下層部22bとよりなり、最上層部22aの幅W1が20μm〜25μmで、下層部22bの幅W3がW1よりも小さい格子状隔壁22を精度よく安定して形成することができる。ここで、W3はW2よりも焼成による収縮分だけ小さくなっている。
さらに、以上の製造方法で作製された本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルは、図2に示すように、格子状隔壁22を構成する最上層部22aの幅Wが、下層部22bの幅Wより、例えば、オーバーハング部38の結果として、1μm〜5μm大きくはみ出して形成されている。しかしながら、最上層部22aは透明膜であるので、最上層部22aの幅が下層部22bの幅より大きくても、可視光線が下層の幅よりはみ出した最上層部22aを透過するため、開口率の低下を防ぐことができる。また、下層部22bの幅がさらに小さく形成され、隔壁形状を放電セル21内部の放電空間容積を確保するようにほぼ矩形形状の放電空間を形成する。これにより、広い放電空間を有する放電セルを実現し、蛍光体層を多く塗布できるので輝度がさらに向上できる。
また、隔壁の高さは放電方式、状況によって若干異なるが通常80μm〜120μmであり、最上層部22aの厚さが下層部22bの厚さの1/10を超えると、ゾルゲル法では均一な膜形成が困難となり、最上層部22aに亀裂が発生し不良を発生させる。
なお、上記の説明では、隔壁の形状が格子状隔壁であり、なおかつ格子を形成するアドレス電極19と平行な隔壁と、アドレス電極19と直交する隔壁との高さを同一にした場合について説明したが、これらの隔壁に段差がある場合でも本発明を適用することができる。すなわち、段差によって最上層部が破壊しない程度の膜厚、強度を有する構成とすることで可能である。
以上のように、本発明によれば、サンドブラスト法を用いて、隔壁の微細化が可能であり、放電空間容積も大きく、開口率が向上した高輝度高精細のディスプレイパネルを高品質、高歩留まりに実現することができる。
なお、上記においては、最上層部の薄膜をゾルゲル法にて形成しているが、膜厚の均一性の観点ではスパッタリング法、CVD法、蒸着法や水ガラスを用いる方法なども適用可能である。
また、上記においては、放電セルの形状を、矩形形状あるいは太鼓状として説明したが、サンドブラストの条件や焼成前下層部の膜質によっては、下層部の頂部の幅よりもその底部の幅の方が小さい、いわゆる逆テーパー形状の隔壁で囲まれた放電セルとすることも可能である。このような形状とすると、さらに多くの蛍光体層を塗布できて輝度を向上させることができる。
なお、本発明の実施の形態では、ディスプレイパネルをPDPとして説明したが、隔壁を有するエレクトロルミネッセンスパネル(EL)やフィールドエミッションディスプレイパネル(FED、SED)などにも適用することができる。
本発明によるディスプレイパネルは、格子形状の細い隔壁を精度よく安定して形成でき、高い開口率を有した高輝度高精細のディスプレイパネルに有用であり、特にフルハイディフィニッション対応の高開口率の高輝度高精細のPDPやEL、FEDなどの映像機器分野に利用可能である。
本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルであるPDPの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルであるPDPの背面板の構成を示す図 本発明の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法によるPDPの隔壁形成ステップを示す断面図
符号の説明
10 前面板
11 背面板
12 前面ガラス基板
13 走査電極
14 維持電極
15 表示電極
16 誘電体層
17 保護膜
18 背面ガラス基板
19 アドレス電極
20 下地誘電体層
21 放電セル
22 格子状隔壁
22a,200b 最上層部
22b 下層部
23 蛍光体層
34 耐切削性マスキングパターン
35 研磨材
36 放電空間
37 焼成前隔壁
38 オーバーハング部
200a 最上層部膜
201a 乾燥下層部
201b 焼成前下層部

Claims (5)

  1. 基板上に多層構造の格子状隔壁を備え、前記格子状隔壁の最上層部がSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの透明膜であることを特徴とするディスプレイパネル。
  2. 前記格子状隔壁の前記最上層部より下層の下層部がガラス焼成体層であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
  3. 前記最上層部の隔壁の幅が、前記下層部の隔壁の最下部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイパネル。
  4. 基板上に多層構造の格子状隔壁を備えたディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記格子状隔壁を形成するステップが、
    前記基板上にガラス粉体材料ペーストを塗布乾燥させて焼成前下層部を形成するステップと、前記焼成前下層部に最上層部となるSiO、Si、Al、TaOのうちの少なくともひとつの透明膜を形成するステップと、前記最上層部の表面を所定の格子状パターンを有するマスキング部材によってマスキングするステップと、前記マスキング部材を介して前記最上層部と前記焼成前下層部とを切削するステップと、前記焼成前下層部を焼成するステップとを含むことを特徴とするディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記透明膜を形成するステップが、ゾルゲル法を用いたステップであることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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