JP2007059309A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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浩範 安川
Toshiya Otani
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Abstract

【課題】隔壁からの不純物ガスが放電空間に放出されるのを防ぎ、放電特性の安定したプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルは、間に放電空間を形成するように対向して設けられた前面基板1および背面基板6と、この背面基板6上に設けられた隔壁9と、この隔壁9上に設けられ隔壁9からの不純物ガスが放電空間に放出されるのを防止するための不純物ガス放出防止層13と、隔壁9の側面を覆うように設けられた蛍光体層10とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いられるプラズマディスプレイパネルに関するものである。
近年、高品質表示や薄型・大画面などの更なる高性能化が表示デバイスに要求されるようになってきている。代表的な表示デバイスとしては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などが挙げられる。中でも、PDPは自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易などの理由により、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されている。
一般に、PDPは前面基板と背面基板の2枚のガラス基板を貼りあわせた構造になっている。前面基板には表示電極と誘電体層、保護層などが形成され、背面基板にはアドレス電極、隔壁、蛍光体層などが形成されている。これらのガラス基板を対向配置させて間に放電空間を形成し、放電空間にネオン(Ne)、キセノン(Xe)などの希ガスを主体とする放電ガスを封入した構造になっている。
以下では従来のPDPについて図面を参照しながら説明する。
図5はAC(交流)型カラーPDPの一例を示す断面図であり、それぞれ図5(a)、図5(b)は互いに直交する方向の断面を示している。前面基板1上には透明電極2とバス電極3からなる表示電極が設けられ、さらに表示電極を覆うように誘電体層4が形成され、その誘電体層4上に酸化マグネシウム(MgO)よりなる保護層5が形成されている。表示電極は2本で1対をなしている。また、背面基板6上にはストライプ状のアドレス電極7、それを覆う誘電体層8、ストライプ状の隔壁9、さらに隣接する隔壁9間の誘電体層8上に赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する蛍光体層10が形成されている。そして、前面基板1上に形成された表示電極と背面基板6上に形成されたアドレス電極7とが直交するように対向して配置され、表示を行う最小単位である放電セルは、対をなす2本の表示電極と1本のアドレス電極7との立体交差部に形成される。この放電セル内の2本の表示電極間に交流電圧を印加し放電によって生じる真空紫外線により、蛍光体層10を励起発光させて前面基板1を透過する光でカラー画像表示を行うものである。
PDPの製造方法のうち、バス電極3やアドレス電極7などの形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、スクリーン印刷法、コーティング法、フィルムラミネート法などによってガラス基板上に電極材料の膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法によってパターニングする方法と、スクリーン印刷法あるいはオフセット印刷法によりパターン形成する方法とがある。
また、隔壁9の形成方法としては、コーティング法やスクリーン印刷法などによりガラス基板上に厚膜を形成し、この厚膜上にサンドブラストに耐性があるフォトレジストを隔壁パターンに対応して形成し、前記フォトレジストをマスクとして前記厚膜の不要部分を削り取るサンドブラスト法、あるいはガラス基板上に感光性ペーストをコーティング法により成膜した後にフォトリソグラフィーにより前記感光性ペーストをパターニングする方法、あるいは隔壁パターンを有するマスクを用いてスクリーン印刷を複数回繰り返すスクリーン印刷法などがある。隔壁パターンには、ストレートリブ構造、ワッフルリブ構造、段違い井桁構造、デルタリブ構造などがある。
蛍光体層10の形成方法としてはディスペンサーによる塗布法や、スクリーン印刷法により隔壁9の間に蛍光体ペーストを選択的に充填する方法などがあり、通常蛍光体ペーストを塗布した後に乾燥工程、焼成工程を行うことで形成される。
ところで、放電ガスを封入した後に、放電空間内で水、炭酸ガス、炭化水素ガスなどの不純物ガスが生じることがあった。そこで、例えば特許文献1には、有機物で形成された隔壁において、隔壁の表面を無機誘電体材料で被覆することにより、有機物の劣化を防ぎ、放電空間内へ不純物ガスの混入を防ぐことが記載されている。隔壁の被覆方法としては、隔壁を被覆する材料が低融点ガラスの場合、低融点ガラス粉末を有機溶媒に分散させたペーストを所望する部分に塗布し、有機溶媒を除去した後、焼成する方法が用いられ、また隔壁を被覆する材料がSiO2、SiN等の場合、隔壁の被覆方法としてスパッタ法が用いられる。
特開2000−208062号公報
しかしながら、上記の方法では、ペーストの塗布ムラや十分な膜厚が得られないこと、アライメントのズレなどの問題が考えられる。また、特に、段違い井桁構造の隔壁(平面視で格子状であって縦隔壁と横隔壁とからなり、横隔壁よりも縦隔壁の方が高い隔壁)の場合、隔壁表面の被覆は困難であることから、有効に隔壁からの不純物ガス放出を抑制することができない可能性がある。また、隔壁全体を被覆するとなると、隔壁側面や放電セルの底部も被覆することになり、蛍光体層の塗布面積が減少することや、放電空間が狭くなることになり、輝度低下など放電特性に影響する可能性も考えられる。さらに、隔壁形成後に隔壁表面を無機誘電体材料で被覆することから通常の背面板製造の工程よりも工程数が増えることになり、コスト増加や生産時間も長くなることから生産効率の面での課題も発生する。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、隔壁からの不純物ガスが放電空間に放出されるのを防ぎ、放電特性の安定したプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、間に放電空間を形成するように対向して設けられた前面基板および背面基板と、この背面基板上に設けられた隔壁と、この隔壁上に設けられ前記隔壁からの不純物ガスが前記放電空間に放出されるのを防止するための不純物ガス放出防止層と、前記隔壁の側面を覆うように設けられた蛍光体層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
また、本発明は、間に放電空間を形成するように対向して設けられた前面基板および背面基板と、この背面基板上に設けられ、第1隔壁およびこの第1隔壁間に設けられた第2隔壁からなる格子状の隔壁と、前記第1隔壁上に設けられ前記第1隔壁からの不純物ガスが前記放電空間に放出されるのを防止するための不純物ガス放出防止層と、前記第1隔壁の側面と前記第2隔壁の上面および側面とを覆うように設けられた蛍光体層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
本発明によると、隔壁からの不純物ガス放出による保護層の汚染や不活性ガスの純度低下を有効に防ぐことができ、放電特性の安定したプラズマディスプレイパネルを実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態1によるAC型カラーPDPの主要構成を示す部分的な断面図である。図1に示すように、PDPは前面板11と背面板12とが対向配置されて構成されている。前面板11の基板となるガラス製の前面基板1上には、透明電極2とバス電極3とからなる表示電極(維持電極および走査電極)がストライプ状に設けられ、さらに表示電極を覆うように誘電体層4が設けられ、誘電体層4上にMgOよりなる保護層5が形成されている。
背面板12の基板となるガラス製の背面基板6上には、表示電極と直交する方向にアドレス電極7をストライプ状に形成し、そのアドレス電極7を覆うように誘電体層8を形成している。そして、誘電体層8上にはストライプ状の隔壁9が、隣接するアドレス電極7間に位置するように形成されており、その隔壁9上には不純物ガス放出を抑制可能な材料からなる不純物ガス放出防止層13が形成されている。また、隔壁9の側面を覆うように誘電体層8上に赤色、緑色、青色に発光する蛍光体層10が形成されており、蛍光体層10は、隔壁9と不純物ガス放出防止層13との境界面よりも上の位置まで形成されている。すなわち、蛍光体層10は不純物ガス放出防止層13の一部を被覆するように形成されている。また、蛍光体層10は、隔壁9と不純物ガス放出防止層13との境界面の位置まで形成されていてもよい。また、不純物ガス放出防止層13の材料は、例えば酸化物材料であるMgOを用いることができる。
このような構成を有する前面板11と背面板12は、アドレス電極7と表示電極が互いに直交するように対向配置され、前面基板1と背面基板6の外周縁部がガラスフリットにより封着されている。このように対向して設けられた前面基板1と背面基板6との間に形成される放電空間にはNe、Xeなどの希ガスからなる放電ガスが所定の圧力(500〜600Torr、すなわち66.7〜80kPa)で封入されている。そして、表示電極とアドレス電極7との立体交差部には表示を行う最小単位である放電セルが形成される。
このPDPではアドレス電極7、表示電極(走査電極および維持電極)に電圧を印加して表示を行う放電セルで放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層10に照射して可視光に変換することで画像表示が行われる。
ところで、PDPの放電特性は、保護層5の形成条件、膜質などに大きく影響される。保護層5の膜質に影響を与えるものとして、保護層5表面の汚染源としての隔壁9が考えられる。図5に示す従来のPDPのように隔壁9の一部が放電空間に露出している場合、その露出部分は、PDPの動作中における荷電粒子の衝突や高エネルギーの光照射(紫外線の照射)により、不純物ガスの放出源となる可能性がある。隔壁9の側面には蛍光体層10が形成されているため、放電空間に露出する隔壁9の部分は、隔壁9の上部分、すなわち保護層5に近接した部分であり面積的には少ないが、より荷電粒子の影響を受けやすく、放電特性を左右する保護層5に距離的に近い位置で露出しているので、微量の不純物ガス放出が問題になると考えられる。
ところが、この実施の形態1によるPDPの構成では、隔壁9の上に不純物ガス放出防止層13が設けられており、隔壁9は放電空間に露出していない。不純物ガス放出防止層13は、隔壁9から放出される不純物ガスが放電空間に放出されることを防止するので、放電空間の希ガス純度が低下するのを抑制できる。また、保護層5であるMgO表面が不純物ガスによって汚染されるのを防ぐことができるので、従来のPDPに比べて放電特性を安定させることができる。
図2は、本発明の実施の形態2によるPDPの主要構成を示す部分的な断面図である。また、図3は図2における背面板14を示す部分的な斜視図であり、蛍光体層10は省略している。図2に示すように、このPDPは前面板11と背面板14とから構成されており、前面板11は実施の形態1のPDPと同じ構成である。また、実施の形態1と同じ構成部分は同じ符号を用いて示している。
図2および図3に示すように、本実施の形態2のPDPでは、背面基板6上にストライプ状のアドレス電極7を形成し、そのアドレス電極7を覆うように誘電体層8を形成している。そして、誘電体層8上に格子状の隔壁15を形成し、その隔壁15上にストライプ状の不純物ガス放出防止層13を形成している。格子状の隔壁15のうち、アドレス電極7に平行な部分を縦隔壁(第1隔壁)15aとし、隣り合う縦隔壁15a間に設けられ且つアドレス電極7に垂直な部分を横隔壁(第2隔壁)15bとすると、不純物ガス放出防止層13は縦隔壁15a上に形成されている。このように縦隔壁15aおよび横隔壁15bからなる隔壁15と不純物ガス放出防止層13とにより段違い井桁構造となっている。また、不純物ガス放出防止層13の材料は、例えば酸化物材料であるMgOを用いることができる。
また、蛍光体層10は縦隔壁15a間の誘電体層8上に設けられている。蛍光体層10は、縦隔壁15aの側面と横隔壁15bの上面および側面とを覆うように設けられており、蛍光体層10は縦隔壁15aと不純物ガス放出防止層13との境界面よりも上の位置まで形成されている。すなわち、蛍光体層10は不純物ガス放出防止層13の一部を被覆するように形成されている。なお、蛍光体層10は、隔壁15と不純物ガス放出防止層13との境界面の位置まで形成されていてもよい。
この実施の形態2によるPDPの構成では、縦隔壁15aの上に不純物ガス放出防止層13が設けられ、横隔壁15bは蛍光体層10で覆われているので、隔壁15は放電空間に露出していない。不純物ガス放出防止層13は、縦隔壁15aから放出される不純物ガスが放電空間に放出されることを防止するので、放電空間の希ガス純度が低下するのを抑制できる。また、保護層5であるMgO表面の汚染を防ぐことができるので、従来のPDPに比べて放電特性を安定させることができる。
次に、本発明の実施の形態によるPDPの製造方法について、図2および図3で示したPDPを例にして背面板14を製造する方法を説明する。
背面基板6上にアドレス電極7を形成し、そのアドレス電極7を覆うように誘電体層8を形成する。その後、コーティング法を用いて感光性材料を含む隔壁材料ペーストを誘電体層8上の全面に均一に塗布し、塗布膜を形成する。この塗布膜は隔壁15となるものである。この塗布膜の膜厚は100〜300μmが好ましい。その後、露光装置によって、フォトマスクを介して横隔壁15bとなる部分の露光を行い、横隔壁15bとなる部分を硬化させる。
次に露光を行った一層目の塗布膜上に、不純物ガス放出防止層13となる二層目の塗布膜を、コーティング法を用いて基板全面に均一に塗布する。ここでは不純物ガス放出防止層13としての材料は酸化物材料であるMgOを使用した。酸化物材料であるMgOペーストと感光性材料とを混合することで感光性ペーストを作製し、コーティング法を用いて基板全面に均一に塗布した。このとき、上記の感光性ペーストを塗布後の二層目の膜厚は20〜50μmが好ましい。
不純物ガス放出防止層13としての二層目となる感光性ペーストを塗布して塗布膜を形成した後、露光装置を用いて、フォトマスクを介して不純物ガス放出防止層13およびその下の縦隔壁15aとなる部分の露光を行い、必要部分を硬化させる。次に露光を行った一層目および二層目の塗布膜を、現像装置を用いて現像することにより、縦隔壁15a、横隔壁15bおよび縦隔壁15aの上に位置する不純物ガス放出防止層13のパターンを形成する。その後、焼成炉によりパターン化された塗布膜の焼成を行うことにより隔壁15および不純物ガス放出防止層13が形成される。ここで、例えば、焼成後の隔壁15(縦隔壁15aおよび横隔壁15b)の高さは100μmであり、不純物ガス放出防止層13の高さは20μmである。
有機溶剤を含むMgOペーストと感光性材料とを混合した感光性ペーストを用いて形成された不純物ガス放出防止層13は、上記のように焼成を行うことで、有機溶剤などの不純物ガス放出要因となる材料を燃焼させ除去することができ、純度の高いMgOによる不純物ガス放出防止層13を形成できる。
上記の製造方法において隔壁15および不純物ガス放出防止層13はコーティング法とフォトリソグラフィー法を用いて形成したが、この方法に限定されるものではなく、その他の方法としてスクリーン印刷法やサンドブラスト法を用いて形成してもよい。
上記のように隔壁15および不純物ガス放出防止層13を形成した後、例えば蛍光体ペーストを、隔壁15が放電空間に露出することがないように塗布し、焼成を行うことにより、蛍光体層10を形成する。焼成後の蛍光体層10の厚みは例えば20μmであり、蛍光体層10は、隔壁15と不純物ガス放出防止層13との境界面の位置、またはその境界面よりも上の位置まで形成されるようにする。また、横隔壁15bの上面に形成される蛍光体層10の厚みは例えば5〜10μmであり、この部分の蛍光体層10表面と保護層5表面との間には隙間が形成されることで、以降の工程である排気、放電ガス封入を行いやすい。
以上のようにして、酸化物材料であるMgOを使用して不純物ガス放出防止層13を形成した背面板14と、別途製造した前面板11とを対向させて周囲を封着し、放電空間を排気した後、不活性ガスを封入することでPDPが製造される。
このようにして得られたPDPでは、隔壁15から放出される不純物ガスを抑制する効果があるために、放電空間の不活性ガス純度を低下させることがなく、また保護層5としてのMgO表面の汚染も防ぐことができるために、従来のPDPに比べ放電特性を安定させることができる。
上記実施の形態1、2では、不純物ガス放出防止層13の材料としてMgOを使用したが、Mgと同属元素の酸化物材料である酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)の各種アルカリ土類金属酸化物、あるいはその他の酸化物材料を用いてもよい。図4には、MgO、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化ハフニウム(HfO2)のそれぞれの酸化物材料を不純物ガス放出防止層13として用いた場合の不純物ガス放出の抑制量を、MgOを用いた場合を1として相対値で示している。図4から言えるように、Ta25、HfO2は他の材料に比べて有効に不純物ガス放出を抑制することができ、不純物ガス放出防止層13を構成する材料として有用であるといえる。これは、他の材料よりも密度が高く空隙の少ない層を形成できるためと考えられる。また、MgO、Al23、TiO2、ZrO2はTa25、HfO2に比べ抑制量は小さいが比較的入手が容易であり、加工性の面でも優れているので、不純物ガス放出防止層13として用いることに好適である。
上記実施の形態1、2では、不純物ガス放出防止層13は酸化物材料を用いて形成したが、窒化物材料を用いて形成することもできる。以下、実施の形態3として、実施の形態2によるPDPの不純物ガス放出防止層13を、窒化物材料を用いて形成する場合について説明する。
窒化物材料を用いて不純物ガス放出防止層13を形成する方法は、背面基板6上に隔壁15となる一層目の塗布膜を形成し、その塗布膜を露光するまでは実施の形態2で説明した方法と同じである。一層目の塗布膜を露光した後、その塗布膜上に不純物ガス放出防止層13となる二層目を、コーティング法を用いて基板全面に均一に塗布する。ここで不純物ガス放出防止層13としての材料は窒化物材料である窒化珪素(SiN)を使用した。すなわち、窒化物材料であるSiNペーストと感光性材料とを混合することで感光性ペーストを作製し、コーティング法を用いて感光性ペーストを基板全面に均一に塗布した。感光性ペーストを塗布後の二層目の膜厚を30μmとした。
不純物ガス放出防止層13としての二層目となる感光性ペーストを塗布して塗布膜を形成した後、露光装置を用いて、フォトマスクを介して不純物ガス放出防止層13およびその下の縦隔壁15aとなる部分の露光を行い、必要部分を硬化させる。次に露光を行った一層目および二層目の塗布膜を現像することにより、縦隔壁15a、横隔壁15bおよび縦隔壁15aの上に位置する不純物ガス放出防止層13のパターンを形成する。その後、パターン化された塗布膜の焼成を行うことにより、隔壁15および不純物ガス放出防止層13が形成される。ここで、例えば、焼成後の隔壁15(縦隔壁15aおよび横隔壁15b)の高さは100μmであり、不純物ガス放出防止層13の高さは20μmである。
有機溶剤を含むSiNペーストと感光性材料とを混合した感光性ペーストを用いて形成された不純物ガス放出防止層13は、上記のように焼成を行うことで、有機溶剤などの不純物ガス放出要因となる材料を燃焼させ除去することができ、純度の高いSiNによる不純物ガス放出防止層13を形成できる。
上記のように隔壁15および不純物ガス放出防止層13を形成した後、例えば蛍光体ペーストを、隔壁15が放電空間に露出することがないように塗布し、焼成を行うことにより、蛍光体層10を形成する。焼成後の蛍光体層10の厚みは例えば20μmであり、蛍光体層10は、隔壁15と不純物ガス放出防止層13との境界面の位置、またはその境界面よりも上の位置まで形成されるようにする。
以上のようにして、窒化物材料であるSiNを使用して不純物ガス放出防止層13を形成した背面板14と、別途製造した前面板11とを対向させて周囲を封着し、不活性ガスを封入することでPDPが製造される。
このようにして得られたPDPでは、隔壁15から放出される不純物ガスが放電空間に放出されるのを抑制する効果があるために、放電空間の不活性ガス純度を低下させることがなく、また保護層5としてのMgO表面の汚染も防ぐことができるために、従来のPDPに比べ放電特性を安定させることができる。
ここでは不純物ガス放出防止層13の材料として窒化物材料であるSiNを用いたが、これに限定されるものではなく、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、窒化チタン(TiN)、窒化ホウ素(BN)などの窒化物材料を用いて形成してもよい。ただし、放電特性に影響することのないように絶縁性に優れた材料を選択する必要がある。窒化物材料によるコーティングは硬度を持っているほか、耐食性などにも優れているために前面板11と背面板14との封着時やその後の外部からの圧力による隔壁破損を抑制する効果も得られ、画素欠陥の低減の効果が得られる。
また、本実施の形態のように、縦隔壁15a上に段違い井桁構造の一部として不純物ガス放出防止層13を形成する方法では、隔壁形成後にスパッタ法を用いて隔壁を被覆するような方法をとらないために新たな工程を追加する必要はなく、生産性を低下させることはない。さらに本発明の実施形態の方法によれば、不純物ガス放出防止層13を縦隔壁15a上に確実に形成できるために選択性に優れている。
以上のように、不純物ガス放出防止層により、隔壁からの不純物ガス放出による保護層の汚染や不活性ガスの純度低下を有効に防ぐことができ、放電特性の安定したプラズマディスプレイパネルを実現するのに有用である。
本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイパネルを示す部分的な断面図 本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイパネルを示す部分的な断面図 同プラズマディスプレイパネルの背面板の一部を示す斜視図 不純物ガス放出防止層の材料の違いによる不純物ガス放出抑制量を示す特性図 (a)、(b)は従来のプラズマディスプレイパネルを示す部分的な断面図
符号の説明
1 前面基板
2 透明電極
3 バス電極
4 誘電体層
5 保護層
6 背面基板
7 アドレス電極
8 誘電体層
9、15 隔壁
10 蛍光体層
11 前面板
12、14 背面板
13 不純物ガス放出防止層

Claims (4)

  1. 間に放電空間を形成するように対向して設けられた前面基板および背面基板と、この背面基板上に設けられた隔壁と、この隔壁上に設けられ前記隔壁からの不純物ガスが前記放電空間に放出されるのを防止するための不純物ガス放出防止層と、前記隔壁の側面を覆うように設けられた蛍光体層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 間に放電空間を形成するように対向して設けられた前面基板および背面基板と、この背面基板上に設けられ、第1隔壁およびこの第1隔壁間に設けられた第2隔壁からなる格子状の隔壁と、前記第1隔壁上に設けられ前記第1隔壁からの不純物ガスが前記放電空間に放出されるのを防止するための不純物ガス放出防止層と、前記第1隔壁の側面と前記第2隔壁の上面および側面とを覆うように設けられた蛍光体層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 不純物ガス放出防止層はMgO、CaO、SrO、BaO、Al23、TiO2、Ta25、HfO2、ZrO2の中から選ばれる酸化物材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 不純物ガス放出防止層はSiN、AlN、Si34、TiN、BNの中から選ばれる窒化物材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
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