JP2001220177A - 誘電体ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびその製造方法 - Google Patents

誘電体ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびその製造方法

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JP2001220177A
JP2001220177A JP2000024117A JP2000024117A JP2001220177A JP 2001220177 A JP2001220177 A JP 2001220177A JP 2000024117 A JP2000024117 A JP 2000024117A JP 2000024117 A JP2000024117 A JP 2000024117A JP 2001220177 A JP2001220177 A JP 2001220177A
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dielectric paste
dielectric
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明彦 田中
Tsugihiko Kai
二男子 甲斐
Osamu Watanabe
渡邊  修
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Toray Industries Inc
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/14Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
    • C03C8/20Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions containing titanium compounds; containing zirconium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロストークなどの表示欠陥がなく、表示品質
が良好なディスプレイを提供可能なディスプレイ用部材
を提供する。 【解決手段】無機粉末として少なくとも低融点ガラス粉
末とフィラーを含む誘電体ペーストであって、フィラー
の平均粒径が、低融点ガラス粉末の平均粒径よりも小さ
いことを特徴とする誘電体ペーストおよびそれを用いた
ディスプレイ用部材、並びに誘電体層に含まれるフィラ
ーの平均粒径が4μm以下であり、誘電体層にみられる
気泡の80%以上が直径5μm以下の閉気孔であること
を特徴とするディスプレイ用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体ペーストお
よびそれを用いたディスプレイ用部材およびディスプレ
イ並びにディスプレイ用部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大きく重いブラウン管に代わる画像形成
装置として、軽く、薄型のいわゆるフラットディスプレ
イが注目されている。フラットディスプレイとして液晶
ディスプレイが盛んに開発されているが、これは画像が
暗い、視野角が狭いといった課題が残っている。この液
晶ディスプレイに代わるものとして自発光型の放電型デ
ィスプレイであるプラズマディスプレイパネルや電子放
出素子を用いた画像形成装置は、液晶ディスプレイに比
べて明るい画像が得られると共に、視野角が広い、さら
に大画面化、高精細化の要求に応えうることから、その
ニーズが高まりつつある。
【0003】電子放出素子には、熱電子放出素子と冷陰
極電子放出素子がある。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(FE型)、金属/絶縁層/金属型(MIM型)や表
面伝導型などがある。このような冷陰極電子源を用いた
画像形成装置は、それぞれのタイプの電子放出素子から
放出される電子ビームを蛍光体に照射して蛍光を発生さ
せることで画像を表示するものである。この装置におい
て、前面ガラス基板と背面ガラス基板にそれぞれの機能
を付与して用いるが、背面ガラス基板には、複数の電子
放出素子とそれらの素子の電極を接続するマトリックス
状の配線が設けられる。これらの配線は、電子放出素子
の電極部分で交差することになるので絶縁するための誘
電体層が設けられる。さらに両基板の間で耐大気圧支持
部材として隔壁が形成される。
【0004】プラズマディスプレイパネルの場合、それ
ぞれの機能を付与した前面板と背面板との間に設けられ
た放電空間内で対向する表示電極およびアドレス電極間
にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入され
ているガスから発生した紫外線を、放電空間内の蛍光体
にあてることにより表示を行うものである。前面板と背
面板にはそれぞれ電極が形成されているが、これらを被
覆する形で誘電体層が形成されている。さらに、背面ガ
ラス基板には、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を
規定のセル内で行わせると同時に、かつ均一な放電空間
を確保するために隔壁が設けられている。
【0005】背面板のガラス基板上に形成する誘電体層
は、隔壁の剥がれや倒れを防ぐ効果を有することが知ら
れている。特に、隔壁を感光性ガラスペースト法で形成
する場合には、隔壁上部と下部の重合硬化の差に起因す
る剥がれが生じ易く、隔壁層形成のアンダーガラス層と
して、誘電体層を形成することは歩留まり向上に有効で
ある。
【0006】通常この誘電体層はガラス成分のペースト
の塗布膜を形成して、焼成することにより形成される
が、この際、バインダーが分解したガスが完全に抜けな
いために気泡が発生するという問題があった。気泡は誘
電体層の強度の低下や気密性の低下を招く。また、誘電
体層には高反射率化による輝度向上のために、白色フィ
ラーを添加することが知られているが、フィラーを添加
すると、特にガラス成分との軟化挙動の違いにより、焼
成時にガスが抜けなくなるところができ気泡が発生する
という問題があった。
【0007】また、誘電体層の膜厚よりも小径の固形粒
子を含む誘電体ペーストを用いて、誘電体層を形成する
技術が、特開平11−167861号公報に開示されて
いる。この技術により、誘電体層の表面が平坦化でき、
良好な表示品質を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の誘電体
ペーストを用いて誘電体層を形成した場合には、焼成時
の脱バインダーが不十分になったり、誘電体層の特性を
制御するために添加されるフィラーの粗密差によって、
焼結する速度が異なり、表示品質が悪化するという問題
があった。
【0009】そこで本発明は、安定な放電に寄与し、良
好な表示品質が得られる誘電体ペーストならびにそれを
用いたディスプレイ用部材およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ディ
スプレイ用部材の製造に用いる誘電体ペーストであっ
て、フィラーの平均粒径が低融点ガラス粉末の平均粒径
よりも小さいことを特徴とする誘電体ペースト、および
上記の誘電体ペーストを用いたことを特徴とするディス
プレイ用部材並びにこのディスプレイ用部材を用いたこ
とを特徴とするプラズマディスプレイである。
【0011】また本発明は、誘電体層に含まれるフィラ
ーの平均粒径が4μm以下であり、誘電体層に見られる
気泡の80%以上が直径5μm以下の閉気孔であること
を特徴とするディスプレイ用部材である。
【0012】また本発明は、上記誘電体ペーストを基板
上に塗布・乾燥後、その上に隔壁パターンを形成した後
に乾燥状態の誘電体ペースト塗布膜と隔壁パターンとを
同時に焼成する工程を含むことを特徴とするディスプレ
イ用部材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をプラズマディスプ
レイの作製手順に従って説明する。但し本発明はプラズ
マアドレス液晶ディスプレイならびに電子放出素子また
は有機電界発光素子を用いたディスプレイにおいても、
好ましく適用される。
【0014】プラズマディスプレイの背面板の基板に
は、通常、ソーダガラスや旭硝子社製のPD−200な
どの高歪み点ガラス基板を用いて製造されるものであ
る。ガラス基板上には、導電性金属により電極を形成す
る。導電性金属としては、銀、銅、クロム、アルミニウ
ム、ニッケル、金などを用いることができる。電極は通
常、幅20〜200μmのストライプ状に形成される。
【0015】次に誘電体層の形成のために、基板上に誘
電体ペーストを塗布する。誘電体層は基板上に形成され
た電極を被覆して保護し絶縁する作用を有すると共に、
その上に形成される隔壁の形成性を改良する効果を有す
るものである。
【0016】本発明の誘電体ペーストは、フィラーの平
均粒径が低融点ガラス粉末の平均粒径よりも小さいこと
を特徴とする。つまり、このような誘電体ペーストをデ
ィスプレイ用部材の誘電体層の形成に用いることによ
り、フィラーの粗密差に起因する局所的な気泡を抑制で
きることを本発明者等は見出した。
【0017】このような特徴を有する誘電体ペースト
は、例えば、誘電体ペースト中に無機成分として、低融
点ガラス粉末とフィラーとを含み、低融点ガラス粉末の
平均粒径よりもフィラーの平均粒径を小さくすることに
よって、好ましく達成される。
【0018】本発明中に記載する低融点ガラスとは、ガ
ラス転移点400〜550℃かつ軟化点450〜600
℃のガラスのことを示している。一方、フィラーは誘電
体ペースト中の無機成分のうち、低融点ガラス以外の成
分を示している。
【0019】無機粉末の組成としては、ガラス転移点4
00〜550℃、軟化点450〜600℃である低融点
ガラスを無機成分の50〜95重量%と、フィラーを無
機成分の5〜50重量%含有することが好ましい。
【0020】誘電体層を形成する低融点ガラスのガラス
転移点を500℃以下、軟化点を600℃以下とするこ
とで、高温焼成を必要とせず、焼成の際にガラス基板に
歪みを生じない。また、ガラス転移点を400℃以上、
軟化点を450℃以上とすることで、後工程の蛍光体層
の形成や封着の際に誘電体層に歪みを生じることがな
く、膜厚精度を保つこともできる。
【0021】誘電体ペーストに配合される無機粉末中の
低融点ガラスは、酸化物換算表記で、 酸化ビスマス 10〜85重量% 酸化珪素 3〜50重量% 酸化ホウ素 5〜40重量% 酸化亜鉛 4〜40重量% からなる組成を有するものが好ましい。この組成範囲で
あると520〜580℃でガラス基板上に焼き付けるこ
とができる誘電体ペーストが得られる。
【0022】低融点ガラス粉末中の酸化ビスマスは、1
0〜85重量%の範囲で配合される。10重量%以上と
することで、焼き付け温度や軟化点を制御する効果が現
れる。85重量%以下にすることによって、ガラスの耐
熱温度が低くなりすぎることが防止されるので、ガラス
基板上への焼き付けが適正に行われる。また、酸化ビス
マスの代わりに酸化鉛10〜85重量%の組成のガラス
を用いても、同様に安定性に優れた誘電体層を形成でき
る。
【0023】酸化珪素は、3〜50重量%の範囲で配合
できるが、3重量%以上とすることにより、ガラス層の
緻密性、強度や安定性を向上させ、また熱膨張係数がガ
ラス基板の値と近いものとなり、従ってガラス基板との
ミスマッチを防止することができる。50重量%以下と
することによって、軟化点やガラス転移点が低くなり、
580℃以下でガラス基板上に緻密に焼き付けることが
できる。
【0024】酸化ホウ素は5〜40重量%の範囲で配合
することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、緻
密性などの電気、機械および熱的特性を向上することが
できる。40重量%以下とすることによってガラスの安
定性を保つことができる。
【0025】酸化亜鉛は4〜40重量%の範囲で添加さ
れるのが好ましい。4重量%以上にすることによって緻
密性向上の効果が現れ、40重量%以下にすることによ
って焼き付け温度が低くなり過ぎて制御できなくなるこ
とを防ぎ、また絶縁抵抗を保持することができる。
【0026】上記ガラス成分は、実質的にアルカリ金属
を含まないことが好ましい。というのは、誘電体層は多
くの場合、銀電極やガラス基板に接触して形成されるた
め、銀電極の銀イオンやガラス基板の成分とのイオン交
換反応に帰因する黄色化などの問題を防ぐためである。
実質的に含まないとは、具体的にはガラス成分中に、ア
ルカリ金属の合計含有量が0.5重量%以下であるこ
と、好ましくは、0.1重量%以下であることを意味す
る。
【0027】本発明で使用する低融点ガラス粉末は平均
粒径が1〜4μmであることが好ましい。ここで平均粒
径は50%体積粒径である。
【0028】フィラーは、焼成時の収縮率を小さくし、
基板にかかる応力を低下させるなどの効果がある。フィ
ラー添加量を5重量%以上とすることで、焼成収縮率を
低くしたり、熱膨張係数を制御する効果が得られる。ま
た、フィラー添加量を50重量%以下とすることで、焼
成後の誘電体層の緻密性や強度を保つことが可能とな
り、同時に、クラック発生などの欠陥を防止することが
できる。
【0029】フィラーとして、軟化点650〜850℃
の高融点ガラス粉末、チタニア、アルミナ、シリカ、コ
ーディエライト、ムライト、スピネル、チタン酸バリウ
ムおよびジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも
一種が好ましく用いられる。特に、アルミナ、チタニ
ア、シリカが好ましく用いられる。
【0030】これらフィラーを適正に選択したり、組み
合わせて用いることにより、誘電体層の誘電率や反射率
などの誘電体特性を制御することが可能となり、アドレ
ス電極の幅や、蛍光体層の厚みの違う背面板にも適正化
することができる。
【0031】誘電体ペーストは、有機成分に無機粉末を
混合・分散した様態を有するものであり、無機粉末を有
機成分の中に均一に混合・分散することが良好な塗布性
のために好ましい。また、焼成時の脱バインダー性を考
慮すると、誘電体塗布膜全体が均一な速度で焼結が進む
ことが好ましい。このようなペーストを得るため、無機
粉末の平均粒径、最大粒径およびタップ密度、特に低融
点ガラス粉末の平均粒径とフィラーの平均粒径の関係が
適正な範囲にあることが好ましい。
【0032】無機粉末の平均粒径は0.05〜4μm、
最大粒径は10μm以下であり、タップ密度が0.6g
/cm3であることが好ましい。このような範囲の粒度
およびその分布、そして単位容積当たりの粉末質量を有
するものが、ペーストへの充填性および分散性が良好で
あり、従って塗布性の優れたペーストが調製できるの
で、緻密で均一な塗布膜を得ることが可能になる。
【0033】粒径は、レーザ散乱・回折法で測定した値
であり、平均粒径は50%体積粒径、最大粒径は粒径の
最大値である。粒子の凝集力は表面積に依存するため、
平均粒径を0.05μm以上とすることで凝集性を抑
え、ペースト中での分散性がよくなり、緻密かつ均一な
塗布膜が得られる。また、4.0μm以下とすることで
形成された誘電体ペースト塗布膜の緻密性がよくなり、
内部に気泡などが発生しにくくなる。また、塗布膜表面
に不要な凹凸も生じない。最大粒径を10μm以下にす
ることも、内部での気泡発生や表面の不要な凹凸の発生
を防止するために必要である。
【0034】無機粉末のタップ密度を0.6g/cm3
以上、好ましくは0.7g/cm3以上とすると、粉末
の充填性・分散性がよくなり、気泡や凝集物を生じにく
くなる。
【0035】低融点ガラス粉末の平均粒径とフィラーの
平均粒径の関係に注目すると、フィラーの平均粒径を低
融点ガラス粉末の平均粒径よりも小さくすることによ
り、フィラーが誘電体塗布膜全体に均一に分布し、誘電
体塗布膜の焼結が均一に進み、内部での気泡発生を抑制
することが可能となる。低融点ガラス粉末の平均粒径を
dgμm、フィラーの平均粒径をdfμmとすると、d
g>df、好ましくはdg>df/2の時に、気泡大き
さが小さく、気泡の個数が少ない誘電体層が形成でき
る。
【0036】焼成後の誘電体層の気泡の数や粒径につい
ては、SEMにより断面を観察することによって、評価
することができる。
【0037】誘電体層の厚みは、焼成後で4〜30μ
m、より好ましくは5〜20μmであることが、均一で
緻密な誘電体層を形成するために好ましい。厚さを30
μm以下とすることで、焼成の際の脱バインダー性が良
好となり、バインダーの残存に起因するクラックが生じ
ない。またガラス基板にかかる応力も小さくなるので基
板が反るなどの問題も生じない。また、4μm以上とす
ることで平坦性で均一かつ緻密な誘電体層を形成するこ
とができ、電極部分の凹凸によって誘電体層にクラック
が入るなどの問題が生じない。
【0038】さらに、本発明の誘電体ペーストは、導電
性粉末を無機成分の0.5〜10重量%含有することが
好ましい。AC型プラズマディスプレイパネルにおい
て、表示電極とアドレス電極間でプラズマ放電させると
空間電荷が発生し、その大部分が表示電極上に形成され
ている誘電体層上に蓄積される。この蓄積された電荷に
よる電圧で偶発的に放電が生じて画質を悪くするという
問題が起こる。このような画質の劣化の原因となる電荷
の蓄積を解消するために、誘電体層に導電性粉末を配合
し、蓄積電荷をリークさせることが有効である。導電性
粉末は、具体的には、クロムまたはニッケルから選んだ
金属粉末や酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタンなど
の金属酸化物に不純物を混入した半導体を使用すること
ができる。導電性粉末の添加量は0.5〜10重量%で
あることが好ましい。0.5重量%以上とすることで、
有効に電荷をリークすることができ、偶発放電を防ぐこ
とができる。10重量%以下とすることで、誘電体層の
緻密性を保持することができる。
【0039】かくして塗布した本発明の誘電体ペースト
を焼成することにより、特にフィラーの平均粒径が4μ
m以下である誘電体ペーストを焼成することにより、誘
電体層に含まれるフィラーの平均粒径が4μm以下であ
り、誘電体層にみられる気泡の80%以上が直径5μm
以下の閉気孔である誘電体を得ることができる。ここで
5μm以下の閉気孔とは気泡がつながらずに単独で存在
しておりその直径が5μmであることを意味する。
【0040】基板上に誘電体ペーストを塗布・乾燥後、
焼成して、誘電体層を形成、その上に隔壁パターンを形
成し、再度焼成して隔壁を形成することができる。また
は、基板上に誘電体ペーストを塗布・乾燥した塗布膜上
に隔壁パターンを形成し、誘電体ペースト塗布膜と隔壁
パターンを同時に焼成することも可能であり、この同時
焼成を行う方が、大幅な行程短縮が可能となり好まし
い。
【0041】同時焼成を行う際に、基板上に誘電体ペー
ストを塗布した後に、塗布膜を熱により硬化することが
好ましい。誘電体ペースト塗布膜の熱による硬化は、サ
ンドブラスト法や感光性ペースト法などを用いて、隔壁
を形成するための工程において、サンドブラスの研磨剤
による浸食、感光性ペースト法における現像時の溶剤に
よる溶解および隔壁形成用ペーストの塗布膜もしくは隔
壁パターンの収縮による応力に耐え、誘電体層と隔壁の
同時焼成を歩留まり良く実現するうえで必要である。
【0042】このような特徴を有する誘電体ペースト
は、例えば、誘電体ペースト中に、熱重合開始剤と不飽
和結合を有する有機成分とを含有させることにより好ま
しく達成することができる。これにより、不飽和結合の
開裂反応の連鎖によって重合または架橋反応を進行さ
せ、誘電体ペースト塗布膜の分子構造を3次元網目構造
を有するものに変化させることができる。
【0043】熱重合開始剤は、例えば熱により活性ラジ
カルとなり、炭素−炭素二重結合のような不飽和結合の
開裂反応を開始することができる。本発明で用いる熱重
合開始剤は、半減期10時間の温度が40〜130℃で
あるものが好ましく、60〜110℃がより好ましい。
半減期とは、一定温度における熱重合開始剤の分解速度
をあらわす指標で、元の熱重合開始剤が分解して、その
濃度が1/2になるまでに要する時間によって示され
る。その時間が10時間となる温度を半減期10時間の
温度とする。熱重合開始剤として適当な安定性と活性と
を有することが、ペーストの安定性を保持すると共に本
発明の目的に適した熱重合活性を示すために好ましい。
半減期10時間の温度を40℃以上とすることで、誘電
体ペーストの安定性を保持することができ、130℃以
下とすることで加熱に対する活性を十分に発揮すること
ができる。
【0044】不飽和結合を有する有機成分を導入するに
は例えば炭素−炭素二重結合を有するモノマー類を加え
ることが好ましく、また、重合体に炭素−炭素二重結合
を有する側鎖を導入するなどの方法を用いることも好ま
しい。また後述する隔壁の形成には感光性ペースト法が
好ましく採用されるが、それに用いる感光性ペーストの
有機成分としては、二重結合を有する感光性モノマー
や、側鎖に二重結合を有する置換基を導入した感光性ポ
リマーもしくは感光性オリゴマーを配合して用いること
が多く、これらと同じ有機成分を誘電体ペーストに用い
ることが、焼成の際の脱バインダー性(分解によってバ
インダーが除去される際の特性)の点で最も好ましいと
考えられる。
【0045】後述する通り、これに限定されるものでは
ないが、隔壁形成用感光性ペーストの有機成分として
は、側鎖にカルボン酸基や不飽和置換基を有するアクリ
ル系共重合体を用いることがパターン形成性や現像性の
点で好ましく、誘電体ペーストにも、この共重合体を適
用することが最も好ましい。また誘電体ペーストの有機
成分としてアクリル系樹脂を用いると、無機粉末の分散
のための媒体(バインダー)となり、ペーストを塗布す
る際に適度の粘度を示すなどペースト特性を調整する役
割も果たし、焼成の際には速やかに熱分解し揮散すると
いう利点もある。
【0046】アクリル系樹脂としては、アクリル酸また
はアクリル酸アルキル類およびメタクリル酸またはメタ
クリル酸アルキル類の単独または共重合体を用いること
が好ましく、ペーストに好ましい特性を与えるようにそ
の特性を選択することができるが、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル
酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸
ブチル、ポリメタクリル酸ヘキシルなどの単独重合体や
これらの重合体を構成するモノマーの組合せで得られる
共重合体などが好ましい。
【0047】また、バインダーポリマーには不飽和置換
基を有するアクリル系のポリマー以外にエチルセルロー
ス、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合
物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系
化合物等を用いて、塗布膜の硬化は上記モノマーのみで
行うことも可能である。
【0048】また、誘電体ペースト塗布膜の硬化には、
有機金属化合物、有機シランなどを添加し、熱により架
橋させることも有効である。
【0049】有機金属化合物や有機シランとしては、テ
トライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタ
ネート、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタネー
ト、ジヒドロキシ−ビス(ラクテート)チタン、チタン
オクチルグリコレート、チタニウムエチルアセトアセテ
ート、ジプロポキシチタン−ビス(ラクテート)、ブチ
ルチタネートダイマー、テトライソプロピルビス(ジオ
クチルホスファイト)チタネート、アルミニウム−イソ
プロピレート、アルミニウム−secブチレート、アルミ
ニウムアセチルアセトナート、アルミニウムトリス(ア
セチルアセトナート)、オクチル酸ジルコニル、ステア
リン酸ジルコニル、ジルコニウム−n−プロピレート、
ジルコニウム−n−ブチレート、テトラ−n−ブトキシ
ジルコニウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、テトラエ
トキシシランなどが好ましい。
【0050】次いで隔壁のパターンを形成する。隔壁の
パターン形成には、ペーストのスクリーン印刷を繰り返
すスクリーン印刷法やペーストの塗布膜上にレジストを
形成し、研磨剤により不要な部分を取り除き、最後にレ
ジストを剥離するサンドブラスト法、感光性ペーストを
塗布し、乾燥後に露光・現像する感光性ペースト法、ペ
ースト塗布膜を金型で加圧した後、金型を取り除いて隔
壁パターンを形成するプレス成型法等が用いられるが、
パターンの高精細化や工程の簡略化が可能である点か
ら、感光性ペースト法が特に好ましい。以下、感光性ペ
ースト法の手順に従って説明する。
【0051】隔壁用感光性ペーストは、次のような態様
のものが好ましい。
【0052】感光性有機成分は、露光に用いるエネルギ
ーを吸収して生起する光反応による変化を利用してパタ
ーンを形成するものである。これには、光の作用した部
分が溶剤に対して溶解するようになる光溶解型(ポジ
型)と光の作用した部分が溶媒に対して不溶になる光不
溶化型(ネガ型)が知られている。感光性の隔壁形成用
感光性ペーストに用いるのはいずれであってもよいが、
無機成分と混合して確固としたパターンを形成するに
は、重合および架橋反応などによって光硬化して溶剤に
不溶になる型の感光性成分を用いることが好ましい。
【0053】隔壁ペーストの感光性有機成分は、感光性
モノマと感光性または非感光性オリゴマもしくはポリマ
を主成分とし、光重合開始剤を含有するものである。感
光性モノマとしては、活性な炭素−炭素二重結合を有す
る化合物が好ましく、官能基として、ビニル基、アリル
基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミ
ド基を有する単官能および多官能化合物が応用される。
特に多官能アクリレート化合物および/または多官能メ
タクリレート化合物を有機成分中に10〜80重量%含
有させたものが好ましい。多官能アクリレート化合物お
よび/または多官能メタクリレート化合物には多様な種
類の化合物が開発されているので、それらから反応性、
屈折率などを考慮して選択することが可能である。
【0054】感光性有機成分として、光反応で形成され
る硬化物物性の向上やペーストの粘度の調整などの役割
を果たすと共に、未露光部の現像性をコントロールする
機能を果たす成分としてオリゴマもしくはポリマが加え
られる。これらのオリゴマもしくはポリマとしては、炭
素−炭素二重結合を有する化合物から選ばれた成分の重
合または共重合により得られた炭素連鎖の骨格を有する
ものが好ましい。特に、分子側鎖にカルボキシル基と不
飽和二重結合を有する重量平均分子量2000〜6万、
より好ましくは3000〜4万のオリゴマもしくはポリ
マが用いられるが、不飽和二重結合を導入するには、カ
ルボキシル基を側鎖に有するオリゴマましくはポリマ
に、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン
性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸
クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させると
よい。エチレン性不飽和基数は、反応条件により適宜選
択することができる。前記のオリゴマもしくはポリマの
酸価は、現像許容幅や未露光部の現像液に対する溶解性
の点から50〜160が、特に70〜140の範囲が好
ましい。
【0055】露光により光反応を開始するために、さら
に、光重合開始剤が好ましく添加される。本発明におい
て好ましい感光性モノマ、感光性オリゴマ、感光性ポリ
マの官能基は多くの場合ラジカル重合性であるため、そ
の場合、光重合開始剤もラジカル種を発生するものから
選んで用いられる。また、場合によっては光重合開始剤
の効果を補助するために増感剤を加えることもある。
【0056】隔壁形成用感光性ペーストの含有する無機
粉末の熱特性は、誘電体ペーストの無機粉末の熱特性と
近似していることが好ましい。基板となるガラス板に悪
影響を与えることなく誘電体層形成と隔壁層形成との同
時焼成を実現するためである。また下記するように10
0μm以上の厚さの隔壁ペースト塗布膜に高精細なパタ
ーンを露光し、高アスペクト比のパターンを解像度高く
形成するためには、露光用の活性光線を塗布膜の最下部
まで出来るだけ直進的に透過させることが好ましい。こ
のため、隔壁形成用感光性ペーストに配合する無機粉末
は光透過性の高いものを選び、さらに、平均屈折率が感
光性有機成分のそれに近いことが好ましい。
【0057】隔壁形成用感光性ペーストの無機粉末の組
成としては、これに限定されるものでないが、下記組成
のガラス粉末から構成されていることが好ましい。すな
わち、酸化物換算表記で、 酸化リチウム 3〜15重量% 酸化珪素 10〜30重量% 酸化ホウ素 20〜40重量% 酸化バリウム 2〜15重量% 酸化アルミニウム 10〜25重量% の組成を有するものである。
【0058】隔壁パターンの形状保持性や精度の向上、
隔壁形成時の焼成収縮率を低下させるためにフィラーを
無機粉末に対し10〜50重量%添加することが好まし
い。ガラス粉末とフィラーからなる無機粉末中で、フィ
ラーを10重量%以上添加することにより、焼成収縮率
を低くしたり、熱膨張係数を制御することができ、隔壁
の形状保持性や精度が向上する。さらに、フィラーの添
加は、得られた隔壁の強度を維持する上で好ましい。一
方、フィラーの含有量を50重量%以下とすることで、
焼成後の隔壁の緻密性を維持し、隔壁の強度を保ち、剥
がれたり脱落するなどの欠陥を防ぐことができる。ま
た、隔壁中への微量水分の吸着や有機成分の残留を防
ぎ、従って放電特性の低下を防ぐことができる。フィラ
ーは、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、コーディエライト、ムライト、スピネルおよび高融
点ガラスの群から選ばれたすくなくとも一種を好ましく
用いることができる。
【0059】誘電体ペーストと同様に、隔壁形成用感光
性ペーストを構成する無機粉末にも、良好な塗布性を得
るための平均粒径、最大粒径およびタップ密度の好まし
い適正範囲が存在する。無機粉末の平均粒径は1.5〜
6μm、最大粒径は30μm以下が好ましい。平均粒径
を1.5μm以上とすることで粉末の凝集を抑え、ペー
スト中での分散性を良好なものとし、緻密な塗布膜が形
成でき、高精細なパターンを得ることができる。一方、
6μm以下とすることで、形成された隔壁の緻密性がよ
くなり、内部にボイドなどが発生することなく機械的強
度を向上させることができ、また内部の真空度を低下さ
せたりすることもない。さらに隔壁の表面に不要な凹凸
がなく、封着時に支障を生じることもなくなる。最大粒
径を30μm以下にすることも機械的強度や表面の不要
な凹凸を防止する上で有利である。タップ密度は0.6
g/cm3以上、より好ましくは0.7g/cm3以上と
することで、粉末の充填性・分散性をよくし、気泡や凝
集物を生じにくくし、光透過性が高く、優れたパターン
特性を示す隔壁形成用感光性ペーストを得ることができ
る。
【0060】感光性の隔壁形成用ペーストの無機粉末と
感光性有機成分との配合比率としては、60/40〜9
0/10(重量部)が好ましい。さらに、65/35〜
85/15(重量部)であることが焼成による収縮率の
点からも好ましい。
【0061】以上の感光性有機成分や無機粉末に加え、
必要に応じて感光性ペーストに紫外線吸収剤、重合禁止
剤、分散剤、安定剤などの添加剤を加えることもでき
る。
【0062】感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷
法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレー
ド法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さ
は、所望の隔壁の高さとペーストの焼成による収縮率を
考慮して決めることができるが、通常好ましい隔壁の焼
成後の高さは60〜170μmであり、焼成収縮を考慮
すると塗布する隔壁ペースト塗布膜の厚さは100〜2
20μmあることが好ましい。
【0063】隔壁用感光性ペーストを塗布後に乾燥して
露光を行う。露光に使用される活性光線は、紫外線が最
も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用さ
れる。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光
機が一般的である。
【0064】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像
液には、感光性の隔壁ペースト中の有機成分、特にオリ
ゴマもしくはポリマが溶解可能な溶液を用いるとよい。
本発明で好ましく使用されるカルボキシル基を側鎖に有
する感光性または非感光性オリゴマもしくはポリマは、
アルカリ水溶液で現像することができる。隔壁のパター
ニングは、焼成による収縮を考慮して行うとよいが、焼
成後の隔壁のサイズとしてはピッチ100〜250μ
m、高さ60〜170μm、幅15〜60μmを有する
ものが好ましく、主としてストライプ状に形成される
が、格子状を有する場合もある。
【0065】隔壁パターンを形成した後に、予め熱によ
り硬化した誘電体ペーストの塗布膜と隔壁パターンを同
時に焼成して、誘電体層と隔壁層を形成する。焼成雰囲
気や温度は、ペーストや基板の特性によって異なるが、
通常は空気中で焼成される。焼成炉としては、バッチ式
の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができ
る。バッチ式の焼成炉の場合、誘電体ペースト塗布膜の
上に隔壁パターンが形成されたガラス基板を室温から5
00℃程度まで数時間掛けてほぼ等速で昇温した後、さ
らに焼成温度として設定された500〜580℃に30
〜40分間で上昇させて、15〜30分間保持して焼成
を行う。
【0066】焼成温度は用いるガラス基板のガラス転移
点より低いことが好ましい。通常、焼成温度を580℃
以下、焼成時間を15〜30分に設定することで、ダレ
などの欠陥がない良好な隔壁を得ることができる。
【0067】このようにして得られた隔壁に挟まれたセ
ル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーストを塗布し
てプラズマディスプレイ用パネルの背面板、すなわちデ
ィスプレイ用部材が製造できる。
【0068】この背面板と前面板とを張り合わせた後、
封着、ガス封入し、駆動用ドライバーICを実装してプラ
ズマディスプレイが作製される。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例中の濃度は断りのない場合は重量%で
ある。 実施例1〜8、比較例1〜2 125mm角のガラス基板(旭硝子社製PD200)上
に、感光性銀ペーストを用いてストライプ状の線幅11
0μm、ピッチ55μm、厚さ3μmの電極を形成し
た。
【0070】次に以下の組成の誘電体ペーストを3本ロ
ーラー混練機で混練して作製した。 誘電体ペーストの組成:平均粒径2μmの低融点ガラス
粉末A(注1)45重量部、表1に示す各種フィラー3
4重量部、導電体粉末(ニッケル)1重量部、アクリル
系ポリマー(ダイセル化学製、”サイクロマーP”・A
CA250)9重量部、モノマー(TPA330)9重
量部、熱重合開始剤(過酸化ベンゾイル)1重量部、分
散剤(”ノプコスーパー”092)0.5重量部、レベ
リング剤0.5重量部。 低融点ガラス粉末A(注1)の組成と特性:酸化鉛38
%、酸化ケイ素6%、酸化ホウ素20%、酸化亜鉛20
%、酸化アルミニウム4%。ガラス転移点445℃、軟
化点485℃、熱膨張係数75×10-7/℃、密度4.
81g/cm3。この誘電体ペーストを電極付きガラス
基板上の全面にスクリーン印刷法により塗布した。誘電
体ペーストを塗布した後、150℃で10分間熱重合を
行った。
【0071】次に以下の組成の隔壁形成用感光性ペース
トを3本ローラー混練機で混練して作製した。 隔壁形成用感光性ペーストの組成:低融点ガラス粉末B
(注2)60重量部、バインダー(X4007)(注
3)10重量部、感光性モノマー(MGP400)(注
4)10重量部、光重合開始剤(チバガイギー社製、イ
ルガキュア369)、γ−ブチロラクトン17重量部。
低融点ガラス粉末B(注2)の組成と特性: 酸化リチウム7%、酸化ケイ素23%、酸化ホウ素32
%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム20%、酸化
カルシウム5%、酸化マグネシウム6%、酸化亜鉛3
%。ガラス転移点495℃、軟化点530℃、熱膨張係
数75×10-7/℃、密度2.54g/cm3。 X4007(注3):40%メタクリル酸、30%メチ
ルメタクリレート、30%スチレンからなる共重合体の
カルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタク
リレートを不可反応させた重量平均分子量43,00
0、酸価95のポリマー。 MGP400(注4):X2N-CH(CH3)-CH2-(OCH2CH(C
H3))n-NX2 X:-CH2CH(OH)-CH2-CO-C(CH3)=CH2 n:2〜10。 この隔壁形成用感光性ペーストを誘電体ペースト膜を熱
重合した塗布膜上にダイコート法で塗布した。 隔壁形
成用感光性ペースト塗布膜は乾燥した後、ストライプ状
パターンのフォトマスクを介して、200mJ/cm2
の露光量を与えた後、0.2%の2−アミノエタノール
水溶液で現像し、ピッチ220μm、線幅30μm、高
さ160μmの隔壁パターンを形成した。誘電体ペース
ト塗布膜は、十分に硬化されており、現像液に溶解しな
かった。その後、ローラーハース式焼成炉を用いた焼成
温度570℃で15分間焼成した。表1に示す各種フィ
ラーを添加した誘電体ペーストを用いて形成した誘電体
断面をSEMで観察し、気泡の大きさと数を評価し、表
1にまとめた。
【0072】この隔壁形成した基板に赤、緑、青3色の
蛍光体層を形成し、前面板と合わせて封着し、ガス注入
を行ってパネルを作製した。表1において、誘電体断面
の気泡の大きさが5μm以下のものが全体の80%以上
であるものは、表示欠陥のない良好なディスプレイを得
ることができた。一方、誘電体層に5μm以下の気泡が
80%未満のものはクロストーク等の表示欠陥が見られ
た。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、クロストークなどの表
示欠陥がなく、表示品質が良好なディスプレイを提供可
能なディスプレイ用部材が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AA14 AB20 AC01 AD01 CC08 CC20 FA29 4G062 AA09 BB01 BB05 DA03 DA04 DA05 DB03 DB04 DC03 DC04 DC05 DD01 DE03 DE04 DE05 DF01 DF05 EA03 EA04 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA04 GA05 GA06 GA07 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM04 MM08 NN32 PP02 PP03 PP04 PP11 PP12 PP15 5C027 AA05 5C040 FA01 FA04 GD07 GD09 GF18 GF19 JA02 JA15 KA07 KA16 KB19 MA09 MA23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粉末として少なくとも低融点ガラス粉
    末とフィラーを含む誘電体ペーストであって、フィラー
    の平均粒径が、低融点ガラス粉末の平均粒径よりも小さ
    いことを特徴とする誘電体ペースト。
  2. 【請求項2】無機粉末中に低融点ガラス粉末50〜95
    重量%、フィラー5〜50重量%の組成を有することを
    特徴とする請求項1記載の誘電体ペースト。
  3. 【請求項3】フィラーが、アルミナ、チタニア、シリカ
    および高融点ガラス粉末の群から選ばれた少なくとも一
    種を含むことを特徴とする請求項1または2記載の誘電
    体ペースト。
  4. 【請求項4】低融点ガラス粉末のガラス転移点が400
    〜550℃、荷重軟化点が450〜600℃であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の誘電体ペー
    スト。
  5. 【請求項5】低融点ガラス粉末の平均粒径が1〜4μm
    であることを特徴とする請求項1、2および4のいずれ
    か記載の誘電体ペースト。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の誘電体ペー
    ストを用いたことを特徴とするディスプレイ用部材。
  7. 【請求項7】誘電体層に含まれるフィラーの平均粒径が
    4μm以下であり、誘電体層に見られる気泡の80%以
    上が直径5μm以下の閉気孔であることを特徴とするデ
    ィスプレイ用部材。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載のディスプレイ用部
    材を用いたことを特徴とするディスプレイ。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか記載の誘電体ペー
    ストを基板上に塗布・乾燥後、その上に隔壁パターンを
    形成した後に、誘電体ペースト塗布膜と隔壁パターンと
    を同時に焼成する工程を含むことを特徴とするディスプ
    レイ用部材の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の製造方法により製造した
    ディスプレイ用部材を用いたことを特徴とするディスプ
    レイ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331999A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Nippon Electric Glass Co Ltd プラズマディスプレーパネル用誘電体材料
WO2008035785A1 (fr) * 2006-09-22 2008-03-27 Jsr Corporation Composition de résine contenant des particules inorganiques, film de transfert et procédé de production d'un membre pour panneau d'affichage
WO2012017631A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル
WO2013085961A1 (en) * 2011-12-06 2013-06-13 E. I. Du Pont De Nemours And Company Conductive silver paste for a metal-wrap-through silicon solar cell

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