JP3879373B2 - ディスプレイの誘電体層形成用ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびディスプレイ - Google Patents
ディスプレイの誘電体層形成用ペーストならびにそれを用いたディスプレイ用部材およびディスプレイ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体ペーストおよびそれを用いたディスプレイ用部材およびディスプレイ並びにディスプレイ用部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大きく重いブラウン管に代わる画像形成装置として、軽く、薄型のフラットディスプレイが注目されている。フラットディスプレイとして液晶ディスプレイが盛んに開発されているが、画像が暗い、視野角が狭いといった課題が残っている。この液晶ディスプレイに代わるものとして自発光のディスプレイであるプラズマディスプレイパネルや電子放出素子を用いた画像形成装置は、液晶ディスプレイに比べて明るい画像が得られると共に、視野角が広い、さらに大画面化、高精細化の要求に応えうることから、そのニーズが高まりつつある。
【0003】
電子放出素子には、熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子がある。冷陰極電子放出素子には電界放出型(FE型)、金属/絶縁層/金属型(MIM型)や表面伝導型などがある。このような冷陰極電子源を用いた画像形成装置は、それぞれのタイプの電子放出素子から放出される電子ビームを蛍光体に照射して蛍光を発生させることで画像を表示するものである。この装置において、前面ガラス基板と背面ガラス基板にそれぞれの機能を付与して用いるが、背面ガラス基板には、複数の電子放出素子とそれらの素子の電極を接続するマトリックス状の配線が設けられる。これらの配線は、電子放出素子の電極部分で交差することになるので絶縁するための誘電体層が設けられる。さらに両基板の間で耐大気圧支持部材として隔壁が形成される。
【0004】
プラズマディスプレイパネルの場合、それぞれの機能を付与した前面板と背面板との間に設けられた放電空間内で対向する表示電極およびアドレス電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内の蛍光体にあてることにより表示を行うものである。前面板と背面板にはそれぞれ電極が形成されているが、これらを被覆する形で誘電体層が形成されている。さらに、背面ガラス基板には、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を規定のセル内で行わせると同時に、かつ均一な放電空間を確保するために隔壁が設けられている。
【0005】
背面板のガラス基板上に形成する誘電体層は、大きく分けて(1)電極の保護層、(2)放電に必要な表面電荷蓄積、(3)隔壁の支持、(4)反射層の4つの役割を果たしている。
【0006】
通常、この誘電体層はそれぞれの条件を満たすように設計されたガラスを主成分とする無機化合物で構成されている。しかしながら、プラズマディスプレイ製造プロセスの焼成工程において、電極材料に用いている銀の拡散により、誘電体層が黄色化することがあり、その結果として、蛍光体が発光した可視光の反射率を低下させ、プラズマディスプレイの発光効率を低下させてしまうという問題があった。また、誘電体層の反射率が波長により大きく異なることから、プラズマディスプレイの色純度が悪くなるといった問題があった。電極として銀を用いた際にガラスが黄色化するという問題は、実公平6−34341号公報に記載されている自動車のデフロスター機能付きリヤウインドガラスの着色で知られている。この対策としては、銀電極とガラス基板の間にセラミック層を形成して、銀がガラス基板に拡散するのを防止する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法を用いて銀電極と誘電体層の間にセラミック層を設ける場合、工程数が増加するばかりでなく、プラズマディスプレイのように高精度の平坦性が要求されるディスプレイに使用するガラス基板には適さないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の課題はディスプレイ作製プロセスにおける工程数を増やすことなく、ガラス基板の平坦性を保ったまま銀電極から拡散した銀による誘電体層の黄色化を防止することにより、ディスプレイの発光効率および色純度を向上させ、表示特性の優れたディスプレイを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。すなわち本発明の誘電体ペーストは、少なくとも低融点ガラスならびに過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、マンガン酸ナトリウム、硫酸マンガン、酢酸マンガン、ニクロム酸カリウム、ニクロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クロム酸ナトリウム、酸化クロム、四酢酸鉛、酸化水銀、酢酸水銀、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムおよび二酸化セレンから選ばれる酸化剤を含有するディスプレイの誘電体層形成用ペーストであって、低融点ガラス100重量部あたり酸化剤を0.01〜5重量部含有することを特徴とするディスプレイの誘電体層形成用ペーストである。
【0010】
また、本発明のディスプレイ用部材は上記ディスプレイの誘電体層形成用ペーストを用いて製造したことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明のディスプレイは上記ディスプレイ用部材を用いたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について好ましい実施の形態をプラズマディスプレイを例として説明する。但し本発明はこれに限定されず、プラズマアドレス液晶ディスプレイならびに電子放出素子または有機電界発光素子を用いたディスプレイにおいても、好ましく適用される。
【0013】
プラズマディスプレイの背面板の基板には、通常、ソーダガラスや旭硝子社製の“PD−200”などの高歪み点ガラス基板を用いて製造されるものである。ガラス基板上には、銀、銅、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などの金属により電極を形成する。ここで、600℃以下の温度でガラス基板上に焼き付けでき、低抵抗の金属という観点から、銀を用いることが好ましい。電極は通常、幅20〜200μmのストライプ状に形成されるが、その形成方法としては、銀粉末と有機バインダーを主成分とする銀ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性銀ペーストを塗布し、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに400〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることもできる。
【0014】
誘電体層は、電極を形成した基板上に顔料、ガラス粉末、有機バインダーなどを混練してからなるガラスペーストを塗布した後に通常400〜600℃で焼成することにより形成される。誘電体層の厚みは4〜20μmが好ましい。
【0015】
このような誘電体層を形成するため、本発明の誘電体ペーストは、少なくとも低融点ガラスと酸化剤を含有することが必要である。つまり、このような誘電体ペーストをディスプレイ用部材の誘電体層形成に用いることにより、焼成工程でガラス基板上に形成した電極を構成する銀がイオン化して誘電体層中に拡散し、還元反応、さらには凝集が進んで銀コロイドを形成するために生じる誘電体層の黄色化を防止することができる。
【0016】
本発明で用いられる低融点ガラスとは、ガラス転移点400〜550℃かつ軟化点450〜600℃のガラスのことをいう。低融点ガラスのガラス転移点が550℃以下、軟化点を600℃以下であることで、高温焼成を必要とせず、焼成の際にガラス基板に歪みを生じない。また、ガラス転移点が400℃以上、軟化点を450℃以上であることにより、後工程の蛍光体層の形成や封着の際に誘電体層に歪みを生じることがなく、膜厚精度を保つこともできる。
【0017】
ここで、低融点ガラスは、酸化物換算表記で、
酸化ビスマス 10〜85重量部
酸化珪素 3〜50重量部
酸化ホウ素 5〜40重量部
酸化亜鉛 4〜40重量部
からなる組成を有するものが好ましい。この組成範囲であると520〜590℃の焼成温度で誘電体層をガラス基板上に焼き付けることができる。
【0018】
低融点ガラス粉末中の酸化ビスマスは、10〜85重量部の範囲で配合されることが好ましい。10重量部以上とすることで、焼き付け温度や軟化点を制御する効果が現れる。85重量部以下にすることによって、ガラスの耐熱温度が低くなりすぎることが防止されるので、ガラス基板上への焼き付けが適正に行われる。
【0019】
酸化珪素は、3〜50重量部の範囲で配合することが好ましい。3重量部以上とすることにより、ガラス層の緻密性、強度や安定性を向上させ、また熱膨張係数がガラス基板の値と近いものとなり、従ってガラス基板とのミスマッチを防止することができる。50重量部以下とすることによって、軟化点やガラス転移点が低くなり、580℃以下でガラス基板上に緻密に焼き付けることができる。
【0020】
酸化ホウ素は5〜40重量部の範囲で配合することが好ましい。5重量部以上とすることによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。40重量部以下とすることによってガラスの安定性を保つことができる。
【0021】
酸化亜鉛は4〜40重量部の範囲で添加されるのが好ましい。4重量部以上にすることによって緻密性向上の効果が現れ、40重量部以下にすることによって焼き付け温度が低くなり過ぎて制御できなくなることを防ぎ、また絶縁抵抗を保持することができる。
【0022】
また、酸化鉛10〜80重量部のガラスを用いても、酸化ビスマスを用いたときと同様に安定性に優れた誘電体層を形成できる。例えば、下記組成のものを用いることが好ましい。
酸化鉛 10〜85重量部
酸化珪素 3〜50重量部
酸化ホウ素 5〜40重量部
酸化亜鉛 4〜40重量部
上記ガラス成分は、一般的には、アルカリ金属を多量に含まないことが好ましい。というのは、アルカリ金属を含有すると、ガラス中に非架橋酸素が多く存在し、その非架橋酸素を介して、銀電極から拡散してきた銀イオンの還元に起因する誘電体層の黄色化が発生するためである。具体的にはガラス成分中に、アルカリ金属の合計含有量が5.0重量部以下であること、好ましくは、3.0重量部以下であることを意味する。しかしながら、本発明の酸化剤を含有することを特徴とする誘電体ペーストを用いることにより、アルカリ金属を少量含むガラス粉末を用いても誘電体層の黄色化の程度を抑制することができる。このため、本発明の誘電体ペーストを用いることにより、誘電体層に用いることのできるガラス粉末の制限が少なくなる。
【0023】
なお、本発明で使用する低融点ガラス粉末は、平均粒径が1〜4μmであることが好ましい。ここで平均粒径とは50%体積粒径である。
【0024】
本発明における酸化剤は、無機酸化剤を含有するものであることが好ましい。無機酸化剤は、誘電体層を焼成する際にも焼失しにくい傾向があるためである。無機酸化剤としては、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、マンガン酸ナトリウム、二酸化マンガン、酸化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン、などのマンガン化合物、ニクロム酸カリウム、ニクロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クロム酸ナトリウム、酸化クロムなどのクロム酸化合物、酸化鉛、四酢酸鉛などの鉛化合物、酸化水銀、酢酸水銀などの水銀化合物、その他、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムおよび二酸化セレンなどが挙げられる。この中で環境面等を考慮するとマンガン化合物およびクロム酸化合物を用いることが好ましい。
【0025】
これらに代表される酸化剤により、誘電体層の焼成工程において、価数を変動することによって誘電体層中に拡散した銀イオンの還元を抑制し、誘電体層の黄色化を防止することができる。この点から上述したマンガン化合物の中でも、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガンなどを好ましく用いることができる。クロム酸化合物としては、ニクロム酸カリウム、酸化クロムなどを好ましく用いることができる。
【0026】
本発明ではこれらの酸化剤は単独で用いるだけでなく、複数を混合して誘電体ペースト中、または誘電体層中に含ませることができるが、その場合は上述の黄色化防止の点から特にマンガン化合物、クロム酸化合物の両者を含むことも好ましい。
【0027】
また、本発明の誘電体ペースト中における酸化剤の含有量は、低融点ガラス100重量部に対し0.01〜5重量部であることが好ましい。0.01重量部よりも多くすることで、誘電体層中へ拡散した銀イオンの還元を防止し、黄色化をより有効に防止することができる。また、酸化剤の反応残留物として、酸化マンガンや酸化クロムなどが誘電体中に残存するが、5重量部よりも少なくすることで、そのような酸化剤の反応残留物による誘電体層の着色をより防止することができる。さらに、酸化剤の誘電体層中の含有量は0.05〜3重量部にすることがより一層好ましく、有効に誘電体層の銀に起因する黄色化および酸化剤の反応残留物による着色を防止することができ、プラズマディスプレイの発光効率を向上することができる傾向がある。より好ましくは0.1〜1重量部である。
【0028】
誘電体層の黄色度を評価するために、L*a*b*表色系の黄色度を表すb*値(JIS−Z−8729)を測定することができる。誘電体層としては、この黄色度を表すb*値が−5〜15の範囲にあることが好ましい。−5〜15の範囲を満たすことにより、蛍光体から発生する可視光の吸収を抑制できるため、プラズマディスプレイの発光効率を低下させることがない。また、波長により吸収強度のバラツキを防止でき、プラズマディスプレイの色純度低下についても抑制することが可能となる。より好ましくは−2〜10である。
【0029】
また、本発明の誘電体ペーストは、さらにフィラーを含有することも好ましい。
フィラーは、焼成時の誘電体層の収縮率を小さくし、基板にかかる応力を低下させるなどの効果があるが、このようなフィラーとして好ましいのは、軟化点650〜850℃の高融点ガラス粉末、チタニア、アルミナ、シリカ、コーディエライト、ムライト、スピネル、チタン酸バリウムおよびジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一種である。この中でも特に、アルミナ、チタニア、シリカが好ましく用いられる。プラズマディスプレイの背面板の場合、誘電体層には蛍光体から発生する可視光を反射させ、輝度を向上するために高い反射率が要求される。その点から白色顔料である酸化チタンをフィラーの1種として用いることが特に好ましい。
【0030】
これらフィラーを適正に選択したり、組み合わせて用いることにより、誘電体層の誘電率や反射率などの誘電体特性を制御することが可能となり、アドレス電極の幅や、蛍光体層の厚みの違う背面板にも適正化しやすくなる。
【0031】
ここで、フィラー添加量は5重量部以上であることが好ましい。5重量%とすることで、焼成収縮率を低くしたり、熱膨張係数を制御する効果がより高くなる。また、フィラー添加量を50重量部以下とすることで、焼成後の誘電体層の緻密性や強度を保つことが可能となり、同時に、クラック発生などの欠陥をより防止することができる。
【0032】
誘電体ペーストは、低融点ガラス粉末およびフィラーで構成される有機成分に無機粉末を混合・分散した様態を有するものであり、無機粉末を有機成分の中に均一に混合・分散することが良好な塗布性のために好ましい。また、焼成時の脱バインダー性を考慮すると、誘電体塗布膜全体が均一な速度で焼結が進むことが好ましい。このようなペーストを得るため、無機粉末の平均粒径、最大粒径およびタップ密度、特に低融点ガラス粉末の平均粒径とフィラーの平均粒径の関係が適正な範囲にあることが好ましい。
【0033】
無機粉末の平均粒径は0.05〜4μm、最大粒径は10μm以下であり、タップ密度が0.6g/cm3であることが好ましい。このような範囲の粒度およびその分布、そして単位容積当たりの粉末質量を有するものが、ペーストへの充填性および分散性が良好であり、従って塗布性の優れたペーストが調製できるので、緻密で均一な塗布膜を得ることが可能になる。粒子の凝集力は表面積に依存するため、平均粒径を0.05μm以上とすることで凝集性を抑え、ペースト中での分散性がよくなり、緻密かつ均一な塗布膜が得られる。また、4.0μm以下とすることで形成された誘電体ペースト塗布膜の緻密性がよくなり、内部に気泡などが発生しにくくなる。また、塗布膜表面に不要な凹凸も生じない。最大粒径を10μm以下にすることも、内部での気泡発生や表面の不要な凹凸の発生を防止するために必要である。
【0034】
また、無機粉末のタップ密度を0.6g/cm3以上、好ましくは0.7g/cm3以上とすると、粉末の充填性・分散性がよくなり、気泡や凝集物を生じにくくなる。 誘電体層の厚みは、焼成後で4〜30μm、より好ましくは5〜20μmであることが、均一で緻密な誘電体層を形成するために好ましい。厚さを30μm以下とすることで、焼成の際の脱バインダー性が良好となり、バインダーの残存に起因するクラックが生じない。またガラス基板にかかる応力も小さくなるので基板が反るなどの問題も生じない。また、4μm以上とすることで平坦性で均一かつ緻密な誘電体層を形成することができ、電極部分の凹凸によって誘電体層にクラックが入るなどの問題が生じない。
【0035】
さらに、本発明の誘電体ペーストは、導電性粉末を無機成分の0.5〜10重量部含有することも好ましい。AC型プラズマディスプレイパネルにおいて、表示電極とアドレス電極間でプラズマ放電させると空間電荷が発生し、その大部分が表示電極上に形成されている誘電体層上に蓄積される。この蓄積された電荷による電圧で偶発的に放電が生じて画質を悪くするという問題が起こる。このような画質の劣化の原因となる電荷の蓄積を解消するために、誘電体層に導電性粉末を配合し、蓄積電荷をリークさせることが有効である。導電性粉末は、具体的には、クロムまたはニッケルから選んだ金属粉末や酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタンなどの金属酸化物に不純物を混入した半導体を使用することができる。導電性粉末の添加量は0.5〜10重量部であることが好ましい。0.5重量部以上とすることで、有効に電荷をリークすることができ、偶発放電を防ぐことができる。10重量部以下とすることで、誘電体層の緻密性を保持することができる。
【0036】
基板上に誘電体ペーストを塗布・乾燥後、焼成して、誘電体層を形成、その上に隔壁パターンを形成し、再度焼成して隔壁を形成することができる。または、基板上に誘電体ペーストを塗布・乾燥した塗布膜上に隔壁パターンを形成し、誘電体ペースト塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成することも可能であり、この同時焼成を行う方が、大幅な行程短縮が可能となり好ましい。
【0037】
誘電体層と隔壁を別々に逐次焼成する場合、有機成分としてはエチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物を用いることができる。また、ガラスペースト中に溶媒、可塑剤等の添加剤を加えてもよい。溶媒としては、テルピネオール、ブチルラクトン、トルエン、メチルセルソルブ、ブチルカルビトールアセテート等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。 また、同時焼成を行う場合には、基板上に誘電体ペーストを塗布した後に、塗布膜を熱により硬化することが好ましい。誘電体ペースト塗布膜の熱による硬化は、サンドブラスト法や感光性ペースト法などを用いて、隔壁を形成するための工程において、サンドブラスの研磨剤による浸食、感光性ペースト法における現像時の溶剤による溶解および隔壁形成用ペーストの塗布膜もしくは隔壁パターンの収縮による応力に耐え、誘電体層と隔壁の同時焼成を歩留まり良く実現するうえで必要である。
【0038】
このような特徴を有する誘電体ペーストは、例えば、誘電体ペースト中に、熱重合開始剤と不飽和結合を有する有機成分とを含有させることにより好ましく達成することができる。これにより、不飽和結合の開裂反応の連鎖によって重合または架橋反応を進行させ、誘電体ペースト塗布膜の分子構造を3次元網目構造を有するものに変化させることができる。
【0039】
熱重合開始剤は、例えば熱により活性ラジカルとなり、炭素−炭素二重結合のような不飽和結合の開裂反応を開始することができる。不飽和結合を有する有機成分を導入するには例えば炭素−炭素二重結合を有するモノマー類を加えることが好ましく、また、重合体に炭素−炭素二重結合を有する側鎖を導入するなどの方法を用いることも好ましい。例えば、アクリル系樹脂を用いる場合、アクリル酸またはアクリル酸アルキル類およびメタクリル酸またはメタクリル酸アルキル類の単独または共重合体を用いることが好ましく、ペーストに好ましい特性を与えるようにその特性を選択することができるが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸ヘキシルなどの単独重合体やこれらの重合体を構成するモノマーの組合せで得られる共重合体などが好ましい。
【0040】
また、バインダーポリマーには不飽和置換基を有するアクリル系のポリマー以外にエチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いて、塗布膜の硬化は上記モノマーのみで行うことも可能である。
【0041】
また、誘電体ペースト塗布膜の硬化には、有機金属化合物、有機シランなどを添加し、熱により架橋させることも有効である。
【0042】
本発明の隔壁のパターン形成には、ペーストのスクリーン印刷を繰り返すスクリーン印刷法やペーストの塗布膜上にレジストを形成し、研磨剤により不要な部分を取り除き、最後にレジストを剥離するサンドブラスト法、感光性ペーストを塗布し、乾燥後に露光・現像する感光性ペースト法、ペースト塗布膜を金型で加圧した後、金型を取り除いて隔壁パターンを形成するプレス成型法等が用いられるが、パターンの高精細化や工程の簡略化が可能である点から、感光性ペースト法が特に好ましい。以下、感光性ペースト法の手順に従って説明する。
【0043】
隔壁用感光性ペーストは、次のような態様のものが好ましい。
感光性有機成分は、露光に用いるエネルギーを吸収して生起する光反応による変化を利用してパターンを形成するものである。これには、光の作用した部分が溶剤に対して溶解するようになる光溶解型(ポジ型)と光の作用した部分が溶媒に対して不溶になる光不溶化型(ネガ型)が知られている。感光性の隔壁形成用感光性ペーストに用いるのはいずれであってもよいが、無機成分と混合して確固としたパターンを形成するには、重合および架橋反応などによって光硬化して溶剤に不溶になる型の感光性成分を用いることが好ましい。
【0044】
隔壁ペーストの感光性有機成分は、感光性モノマと感光性または非感光性オリゴマもしくはポリマを主成分とし、光重合開始剤を含有するものである。感光性モノマとしては、活性な炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、官能基として、ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および多官能化合物が応用される。特に多官能アクリレート化合物および/または多官能メタクリレート化合物を有機成分中に10〜80重量部含有させたものが好ましい。多官能アクリレート化合物および/または多官能メタクリレート化合物には多様な種類の化合物が開発されているので、それらから反応性、屈折率などを考慮して選択することが可能である。
【0045】
感光性有機成分として、光反応で形成される硬化物物性の向上やペーストの粘度の調整などの役割を果たすと共に、未露光部の現像性をコントロールする機能を果たす成分としてオリゴマもしくはポリマが加えられる。これらのオリゴマもしくはポリマとしては、炭素−炭素二重結合を有する化合物から選ばれた成分の重合または共重合により得られた炭素連鎖の骨格を有するものが好ましい。特に、分子側鎖にカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重量平均分子量2000〜6万、より好ましくは3000〜4万のオリゴマもしくはポリマが用いられるが、不飽和二重結合を導入するには、カルボキシル基を側鎖に有するオリゴマましくはポリマに、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させるとよい。エチレン性不飽和基数は、反応条件により適宜選択することができる。前記のオリゴマもしくはポリマの酸価は、現像許容幅や未露光部の現像液に対する溶解性の点から50〜160が、特に70〜140の範囲が好ましい。
【0046】
露光により光反応を開始するために、さらに、光重合開始剤が好ましく添加される。本発明において好ましい感光性モノマ、感光性オリゴマ、感光性ポリマの官能基は多くの場合ラジカル重合性であるため、その場合、光重合開始剤もラジカル種を発生するものから選んで用いられる。また、場合によっては光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を加えることもある。
【0047】
隔壁形成用感光性ペーストの含有する無機粉末の熱特性は、誘電体ペーストの無機粉末の熱特性と近似していることが好ましい。基板となるガラス板に悪影響を与えることなく誘電体層形成と隔壁層形成との同時焼成を実現するためである。また下記するように100μm以上の厚さの隔壁ペースト塗布膜に高精細なパターンを露光し、高アスペクト比のパターンを解像度高く形成するためには、露光用の活性光線を塗布膜の最下部まで出来るだけ直進的に透過させることが好ましい。このため、隔壁形成用感光性ペーストに配合する無機粉末は光透過性の高いものを選び、さらに、平均屈折率が感光性有機成分のそれに近いことが好ましい。
【0048】
隔壁形成用感光性ペーストの無機粉末の組成としては、これに限定されるものでないが、下記組成のガラス粉末から構成されていることが好ましい。すなわち、酸化物換算表記で、
酸化リチウム 3〜15重量部
酸化珪素 10〜30重量部
酸化ホウ素 20〜40重量部
酸化バリウム 2〜15重量部
酸化アルミニウム 10〜25重量部
の組成を有するものである。
【0049】
隔壁パターンの形状保持性や精度の向上、隔壁形成時の焼成収縮率を低下させるためにフィラーを無機粉末に対し10〜50重量部添加することが好ましい。ガラス粉末とフィラーからなる無機粉末中で、フィラーを10重量部以上添加することにより、焼成収縮率を低くしたり、熱膨張係数を制御することができ、隔壁の形状保持性や精度が向上する。さらに、フィラーの添加は、得られた隔壁の強度を維持する上で好ましい。一方、フィラーの含有量を50重量部以下とすることで、焼成後の隔壁の緻密性を維持し、隔壁の強度を保ち、剥がれたり脱落するなどの欠陥を防ぐことができる。また、隔壁中への微量水分の吸着や有機成分の残留を防ぎ、従って放電特性の低下を防ぐことができる。フィラーは、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、コーディエライト、ムライト、スピネルおよび高融点ガラスの群から選ばれたすくなくとも一種を好ましく用いることができる。
【0050】
誘電体ペーストと同様に、隔壁形成用感光性ペーストを構成する無機粉末にも、良好な塗布性を得るための平均粒径、最大粒径およびタップ密度の好ましい適正範囲が存在する。無機粉末の平均粒径は1.5〜6μm、最大粒径は30μm以下が好ましい。平均粒径を1.5μm以上とすることで粉末の凝集を抑え、ペースト中での分散性を良好なものとし、緻密な塗布膜が形成でき、高精細なパターンを得ることができる。一方、6μm以下とすることで、形成された隔壁の緻密性がよくなり、内部にボイドなどが発生することなく機械的強度を向上させることができ、また内部の真空度を低下させたりすることもない。さらに隔壁の表面に不要な凹凸がなく、封着時に支障を生じることもなくなる。最大粒径を30μm以下にすることも機械的強度や表面の不要な凹凸を防止する上で有利である。タップ密度は0.6g/cm3以上、より好ましくは0.7g/cm3以上とすることで、粉末の充填性・分散性をよくし、気泡や凝集物を生じにくくし、光透過性が高く、優れたパターン特性を示す隔壁形成用感光性ペーストを得ることができる。
【0051】
感光性の隔壁形成用ペーストの無機粉末と感光性有機成分との配合比率としては、60/40〜90/10(重量部)が好ましい。さらに、65/35〜85/15(重量部)であることが焼成による収縮率の点からも好ましい。
【0052】
以上の感光性有機成分や無機粉末に加え、必要に応じて感光性ペーストに紫外線吸収剤、重合禁止剤、分散剤、安定剤などの添加剤を加えることもできる。
【0053】
感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレード法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができるが、通常好ましい隔壁の焼成後の高さは60〜170μmであり、焼成収縮を考慮すると塗布する隔壁ペースト塗布膜の厚さは100〜220μmあることが好ましい。
【0054】
隔壁用感光性ペーストを塗布後に乾燥して露光を行う。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。
【0055】
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性の隔壁ペースト中の有機成分、特にオリゴマもしくはポリマが溶解可能な溶液を用いるとよい。本発明で好ましく使用されるカルボキシル基を側鎖に有する感光性または非感光性オリゴマもしくはポリマは、アルカリ水溶液で現像することができる。隔壁のパターニングは、焼成による収縮を考慮して行うとよいが、焼成後の隔壁のサイズとしてはピッチ100〜250μm、高さ60〜170μm、幅15〜60μmを有するものが好ましく、主としてストライプ状に形成されるが、格子状を有する場合もある。
【0056】
通常、隔壁パターンを形成した後に、予め熱により硬化した誘電体ペーストの塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成して、誘電体層と隔壁層を形成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性によって異なるが、通常は空気中で焼成される。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。バッチ式の焼成炉の場合、誘電体ペースト塗布膜の上に隔壁パターンが形成されたガラス基板を室温から500℃程度まで数時間掛けてほぼ等速で昇温した後、さらに焼成温度として設定された500〜580℃に30〜40分間で上昇させて、15〜30分間保持して焼成を行う。
【0057】
焼成温度は用いるガラス基板のガラス転移点より低いことが好ましい。通常、焼成温度を590℃以下、焼成時間を15〜30分に設定することで、ダレなどの欠陥がない良好な隔壁を得ることができる。
【0058】
このようにして得られた隔壁に挟まれたセル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーストを塗布してプラズマディスプレイ用パネルの背面板、すなわちディスプレイ用部材が製造できる。
【0059】
この背面板と前面板とを張り合わせた後、封着、ガス封入し、駆動用ドライバーICを実装してプラズマディスプレイが作製される。
【0060】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。実施例の説明に先立ちまず、各種の測定方法について述べる。
(粒径測定方法)
粉末の粒径は、レーザ回折散乱法を利用した粒度分布計(マイクロトラックHRA粒度分析計 MODEL No.9320−X100)を用いて測定した値であり、測定は試料1gをとり、精製水中で1〜1.5分間超音波で分散させて行う。平均粒径は50%体積粒径、最大粒径は粒径の最大値である。
(タップ密度測定方法)
タップ密度は、JIS Z2500に記載の通り、振動させた容器内の粉末の単位体積当たりの質量である。本発明においては、TSUTSUI SCIENTIFIC INSTRUMENTS Co.A.B.D POWER TESTERを用い、ガラス粉末を入れた100cc容器を5分間振動させた後、ガラス粉末を摺り切り100cc当たりの質量を測定して得た。
(b*測定方法)
本発明においては、誘電体層のb*は電極パターン、誘電体層および隔壁パターンを形成した後、ミノルタ製分光測色計CM−2002を用いて測定した。
(輝度評価方法)
本発明においては、パネル作製後、実際にパネル点灯を行い、ミノルタ製輝度計LS−100を用いて、測定角1度、測定光束円形31mmの条件で測定した。
【0061】
実施例1〜5、比較例1
まず、プラズマディスプレイの背面板を製造した。対角42インチのガラス基板(旭硝子社製PD200)を洗浄し、その表面にアドレス電極を形成した。電極の形成は感光性ペースト法で行った。感光性銀ペーストを基板全面に塗布・乾燥した後、所望のパターンを紫外光露光し、不要部分を現像液で除去し、焼成した。本実施例は、厚み3μm、線幅100μm、ピッチ360μmのストライプパターンの銀電極を形成した。
【0062】
次にこの電極の上に誘電体層を形成した。
実施例1〜5、比較例1の誘電体ペーストは、有機成分(エチルセルロース)2重量部、モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)13重量部、重合開始剤(1−1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.1重量部、テルピネオール20重量部からなり、各実施例の無機成分は低融点ガラス、フィラーおよび酸化剤からなり、その種類と添加量については表1に示す。各組成の誘電体ペーストをスクリーン印刷法で塗布した後、150℃で10分間の熱重合を行った。
なお、実施例中の濃度は断りのない場合は重量部である。
低融点ガラス粉末A(注1)の組成と特性:酸化鉛38部、酸化ケイ素6部、酸化ホウ素20部、酸化亜鉛20部、酸化アルミニウム4部。ガラス転移点445℃、軟化点485℃、熱膨張係数75×10−7/℃、密度4.81g/cm3。
【0063】
これらの誘電体ペーストを電極付きガラス基板上の全面にスクリーン印刷法により塗布した。誘電体ペーストを塗布した後、150℃で10分間熱重合を行った。
【0064】
次に隔壁形成用感光性ペーストを誘電体ペースト膜を熱重合した塗布膜上にダイコート法で塗布した。隔壁形成用感光性ペースト塗布膜を乾燥した後、ストライプ状パターンのフォトマスクを介して、200mJ/cm2の露光量を与えた後、0.2部の2−アミノエタノール水溶液で現像し、ピッチ220μm、線幅30μm、高さ160μmの隔壁パターンを形成した。その後、ローラーハース式焼成炉を用いた焼成温度570℃で15分間焼成した。表1に示す各種誘電体ペーストを用いて形成した誘電体層のb*値を測定することにより、黄色度を評価し、表1にまとめた。
【0065】
この隔壁を形成した基板に赤、緑、青3色の蛍光体層を形成し、前面板と合わせて封着し、ガス注入を行ってパネルを作製した。
輝度評価については、酸化剤を添加していないプラズマディスプレイを白色点灯させたときの輝度を100として、本発明の実施例の輝度を相対評価した。
【0066】
【表1】
【0067】
酸化剤を含有した誘電体ペーストを用いた実施例1〜5においては、誘電体の黄色度b*値を−5〜15の範囲に抑えることができたため、輝度の満足いくプラズマディスプレイが得られた。
【0068】
また、比較例1は酸化剤を含有しておらず、誘電体層のb*値が15以上となり、黄色化しているため輝度が低かった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、誘電体層の黄色化を抑制し、黄色化による輝度低下を抑制する誘電体ペースト、ディスプレイ用部材、およびディスプレイを提供することができる。
Claims (6)
- 少なくとも低融点ガラスならびに過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、マンガン酸ナトリウム、硫酸マンガン、酢酸マンガン、ニクロム酸カリウム、ニクロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クロム酸ナトリウム、酸化クロム、四酢酸鉛、酸化水銀、酢酸水銀、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムおよび二酸化セレンから選ばれる酸化剤を含有するディスプレイの誘電体層形成用ペーストであって、低融点ガラス100重量部あたり酸化剤を0.01〜5重量部含有することを特徴とするディスプレイの誘電体層形成用ペースト。
- 低融点ガラスのガラス転移点が400〜550℃かつ軟化点が450〜600℃であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイの誘電体層形成用ペースト。
- アルミナ、チタニア、シリカおよび高融点ガラスの群から選ばれた少なくとも一種類のフィラーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイの誘電体層形成用ペースト。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイの誘電体層形成用ペーストを用いてなることを特徴とするディスプレイ用部材。
- L*a*b*表色系のb*値が−5〜15の範囲である誘電体層を有することを特徴とする請求項4記載のディスプレイ用部材。
- 請求項4または5のいずれかに記載のディスプレイ用部材を用いたことを特徴とするディスプレイ。
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