JP2007220652A - 感光性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】露光時の感度低下が小さくすることができ、かつ緻密なパターンを形成し得る感光性ペーストを提供する。
【解決手段】軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する軟化温度が600℃未満のガラス粒子(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)および有機溶剤(E)を含有する感光性ペーストであって、アルカリ金属酸化物の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で2質量%以下であるか、または前記のガラス粒子(B)に対して質量分率で3質量%以下であることを特徴とする感光性ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性ペーストに関する。
近年、ディスプレイにおいて小型・高精細化が進んでおり、それに伴ってパターン加工技術の向上が望まれている。このような状況下、プラズマディスプレイの背面板の隔壁を形成する方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサン樹脂、無機粉末、電子線の照射または加熱により酸を発生する化合物および有機溶剤を含有してなる感光性ペーストを基板上に塗布し、露光、現像して隔壁パターンを形成し、焼成せしめて隔壁を形成する方法パターン加工技術として注目されている(特許文献1)。
特開2005−300633号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、従来の感光性ペーストでは、当該感光性ペーストを用いて得られる隔壁の緻密化を求めて、隔壁中のガラス粒子の充填量を増加させる、即ちガラス粒子の含有量を増加させた感光性ペーストを用いると、露光時の感度が著しく低下する場合があり、かかる露光時の感度には、なお改善の余地が残っていた。
本発明の目的は、かかる露光時の感度が改善された感光性ペーストを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決し得る感光性ペーストを見出すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[1]軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する軟化温度が600℃未満のガラス粒子(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)および有機溶剤(E)を含有する感光性ペーストであって、アルカリ金属酸化物の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で2質量%以下であるか、または前記のガラス粒子(B)に対して質量分率で3質量%以下である感光性ペースト、を提供するものである。
さらに本発明は、前記[1]に係る好適な実施態様として、下記の[2]〜[6]を提供する。
[2]軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)が、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、および軟化温度が600℃以上であるガラス粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子である[1]の感光性ペースト
[3]前記アルカリ金属酸化物が、酸化リチウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]または[2]のいずれかに記載の感光性ペースト
[4]電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で0.1〜2質量%である[1]〜[3]のいずれかの感光性ペースト
[5]前記アルカリ可溶性樹脂(C)が、ポリオルガノシロキサン樹脂およびノボラック樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である[1]〜[4]のいずれかの感光性ペースト
また本発明は、前記いずれかの感光性ペーストを用いて製造されるプラズマディスプレイ用隔壁、前記のプラズマディスプレイ用隔壁を備えるプラズマディスプレイ用背面板およびプラズマディスプレイ用背面板を備えるプラズマディスプレイパネルを提供する。
本発明の感光性ペーストによれば、ガラス粒子の含有量を増加させても、実用的な感度で、基板上にパターンを形成することができる。該パターンは焼成等によってプラズマディスプレイ背面板として好適である緻密な隔壁を形成することができるため、工業的に有用である。
本発明の感光性ペーストは、軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する軟化温度が600℃以下のガラス粒子(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)および有機溶剤(E)を含有する感光性ペーストであって、アルカリ金属酸化物の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で2質量%以下、またはガラス粒子(B)の含有量に対して質量分率で3質量%以下である感光性ペーストである。
本発明の感光性ペーストに含まれる軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)は、軟化温度が600℃未満のガラス粒子を除く無機粒子であり、該無機粒子(A)としては、例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、軟化温度が600℃以上であるガラス粒子などが挙げられる。これらの無機粒子は、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。このような無機粒子(A)としては、市場から容易に入手可能な市販品を用いることができる。
シリカ粒子の市販品としては、例えばアドマファイン((株)アドマテックス製)などが挙げられる。
チタニア粒子の市販品としては、高純度酸化チタンCR−EL(石原産業(株)製)などが挙げられる。
アルミナ粒子の市販品としては、球状アルミナCBシリーズ(昭和電工(株)製)などが挙げられる。
軟化温度が600℃以上であるガラス粒子の市販品としては、BS3(日本山村硝子(株)製)などが挙げられる。
前記の無機粒子(A)の屈折率は、好ましくは1.40〜2.70であり、より好ましくは1.43〜2.20であり、とりわけ好ましくは1.43〜1.80である。無機粒子の屈折率が前記の範囲にあると、露光時に光の散乱が小さいため良好なパターンを形成することができる傾向があり、好ましい。
本発明では、屈折率は、プリズム屈折率測定装置(例えば、GP1−P;OPTEC社製)を用いて、25℃で測定される。市販の無機粒子は、その屈折率を測定し、当該範囲にある無機粒子を選択して使用してもよい。
前記の無機粒子(A)の平均粒径は、好ましくは0.01〜40μmであり、より好ましくは0.1〜10μmであり、とりわけ好ましくは1〜8μmである。無機粒子(A)の平均粒径が、前記の範囲にあると、感光性ペーストを用いて形成される隔壁中における無機粒子の充填量をより増加させることができることから、焼成時の収縮が少なく、より緻密な隔壁を得ることができるため好ましく、また露光時の光の散乱が小さいため良好なパターンを形成できる傾向があるため好ましい。
本発明では、平均粒径は、粒径測定装置(例えば、DLS−7000;大塚電子(株)製、レーザー回折/散乱式粒子系測定装置LA−950;(株)堀場製作所製)を用いて、25℃で測定される体積平均粒径である。市販の無機粒子を使用する場合は、その平均粒径を測定し、当該範囲にある無機粒子を選択して使用してもよいし、公知の分級手段により、前記の好ましい粒径範囲にすることもできる。
なお、本発明の感光性ペーストにおいては、平均粒径の異なる無機粒子を任意の割合で混合して、無機粒子(A)として用いてもよい。
また、前記の無機粒子(A)の形状は、好ましくは球状である。
本発明の感光性ペーストにおける軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)の含有量は、感光性ペースト総量に対する質量分率で、好ましくは0〜70質量%であり、より好ましくは10〜60質量%であり、とりわけ好ましくは10〜50質量%である。
無機粒子の含有量が前記の範囲にあると、焼成時の膜収縮が小さくなり基板から剥離しにくくなる傾向が見られ、また露光時の光の散乱が小さくなり良好なパターンを形成できる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性ペーストは、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する軟化温度が600℃以下のガラス粒子(B)を含有する。
前記のガラス粒子(B)としては、ケイ素酸化物を主成分とする軟化温度が600℃未満のガラス粒子などが挙げられる。前記のケイ素酸化物を主成分とする軟化温度が600℃未満のガラス粒子としては、硼ケイ酸酸化亜鉛系ガラス粒子などが挙げられる。
感光性ペースト中におけるアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する軟化温度が600℃未満のガラス粒子(B)の含有量は、感光性ペーストに対して質量分率で、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%である。ガラス粒子(B)の含有量が前記の範囲にあると、感光性ペーストを用いて形成した隔壁の強度が高い傾向があるため好ましい。
アルカリ金属酸化物は、ガラス粒子の製造において、ガラスの軟化温度を下げるための成分または不純物としてガラス粒子中に含まれる。
本発明においては、アルカリ金属酸化物の含有量を、感光性ペーストに対して質量分率で2質量%以下、またはガラス粒子(B)に対して質量分率で3質量%以下にすることにより、露光時の感度低下を小さくすることができる。
また、アルカリ金属酸化物の含有量は感光性ペーストに対して質量分率で、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.5質量%以下である。また、ガラス粒子(B)に対して質量分率では、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、とりわけ好ましくは1.5質量%以下である。本発明の感光性ペーストは、感光性ペースト総量に対するアルカリ金属酸化物の含有量またはガラス粒子(B)に対する含有量のどちらかが前記の範囲を満足するものであり、感光性ペースト総量またはガラス粒子(B)に対するアルカリ金属酸化物含有量はより低いほど好ましいが、その下限としては、該アルカリ金属酸化物含有量の分析手段の分析下限によるものである。該アルカリ金属酸化物含有量の分析手段として、感光性ペーストまたはガラス粒子をフッ酸等で処理して、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析する分析手段によれば、アルカリ金属酸化物1種に対して0.01質量%を分析下限とすることができる。
本発明では、感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含有量、またはガラス粒子(B)のアルカリ金属酸化物含有量を前記の範囲にすることにより、無機粒子含有量を増加させた感光性ペーストの感度低下を抑制し、緻密な隔壁を製造することを可能とする。感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含有量を前記の範囲とするには、使用する無機粒子およびその他の構成成分のアルカリ金属含有量を求め、その総和が感光性ペーストに対する質量分率で2質量%以下となるようにするか、アルカリ金属酸化物の含有量が低い低融点ガラスを用い、該低融点ガラスの合計に対するアルカリ金属酸化物含有量が3質量%以下になるように、感光性ペーストを製造する。
前記のアルカリ金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、などが挙げられる。
アルカリ土類金属酸化物としては、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ラジウムなどが挙げられる。
本発明の感光性ペーストは、アルカリ可溶性樹脂(C)を含有する。前記のアルカリ可溶性樹脂(C)としては、例えば、ポリオルガノシロキサン樹脂やノボラック樹脂などが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン樹脂としては、下記(a)および/または(b)で表される官能基を含有する樹脂であることが好ましい。
(a)式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基
(b)水酸基
Figure 2007220652
[式(1)および式(2)中、Aは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表す。
aおよびRbは、それぞれ独立に、二価の有機基を表す。
1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の一価の有機基を表す。
1、l2、m1およびm2は、それぞれ独立に、0〜20の整数を表す。]
また、前記ポリオルガノシロキサン樹脂としては、前記(a)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂と前記(b)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂を各々製造して、それらを混合して用いることもできる。
ここで、前記式(1)または式(2)で表される官能基について説明する。
aおよびRbは、互いに独立に二価の有機基を表し、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
前記の二価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基などの炭素数1〜6のアルキレン基;シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基;炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基;炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいナフチレン基;炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいビフェニレン基;炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいフルオレニル基などのアリーレン基などが挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基などの炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。
1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の一価の有機基を表す。炭素数1〜20の一価の有機基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基などで置換されていてもよい。
これらの中で、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜6の分岐状炭化水素基、炭素数3〜6の環状炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましい。
前記の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
前記の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基などが挙げられる。
前記の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
前記の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、アリル基、エチニル基などのアルケニル基、アリルオキシ基などのアルケニルオキシ基、エテニル基などのアルキニル基、エテニルオキシ基などのアルキニルオキシ基などが挙げられる。
前記の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基、ビニルナフチル基、メチルアンスリル基、エチルアンスリル基などが挙げられる。
1、l2、m1およびm2は、それぞれ独立に、0〜20の整数を表し、好ましくは0〜15の整数を表し、より好ましくは0〜10の整数を表す。
式(1)で表される官能基および(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基としては、例えば、オキシラニル基、グリシジル基、オキシラニルエチル基、グリシジルオキシエチル基、グリシジルオキシプロピル基、グリシジルオキシフェニル基、オキセタニル基、(3’−メチル−3’−オキセタニル)メチル基、2−(3’−メチル−3’−オキセタニル)エチル基、(3’−メチル−3’−オキセタニル)メチルオキシエチル基、(3’−メチル−3’−オキセタニル)メチルオキシプロピル基、(3’−エチル−3’−オキセタニル)メチル基、2−(3’−エチル−3’−オキセタニル)エチル基、(3’−エチル−3’−オキセタニル)メチルオキシエチル基、(3’−エチル−3’−オキセタニル)メチルオキシプロピル基などが挙げられる。
(a)式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂は、前記のそれぞれの官能基を有していれば、そのシロキサン樹脂の主鎖構造に制限はなく、直鎖状、ラダー状、籠状のものを用いることができる。
直鎖状の主鎖構造としては式(5)で表される構造が、ラダー状の主鎖構造としては式(6)で表される構造が、籠状の主鎖構造としては式(7)で表される構造が、それぞれ挙げられる。
Figure 2007220652
[Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の一価の有機基を表し、式(5)にある複数のRxは同一でも異なっていてもよく、式(6)にある複数のRyは同一でも異なっていてもよく、式(7)にある複数のRzは同一でも異なっていてもよい。]
なお、炭素数1〜20の一価の有機基は、前記と同じ基が挙げられる。
(a)式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含むポリオルガノシロキサン樹脂は、(a)式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランまたはクロロシランを、酸触媒またはアルカリ触媒を用いて、水の存在下で、縮合することにより得ることができる。縮合の際には、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシオルガノシラン、ジアルコキシジオルガノシラン、アルコキシトリオルガノシランなどのアルコキシシランあるいは該アルコキシシランのアルコキシ基を一部または全部を塩素原子に置き換えてなるクロロシランを共存させて共縮合せしめてもよい。
前記の式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するアルコキシシランとしては、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、オキセタニルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
前記の酸触媒としては、例えば、塩酸、酢酸などが挙げられる。また、アルカリ触媒としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記のテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
前記のトリアルコキシオルガノシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
前記のジアルコキシジオルガノシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、エチルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
前記のアルコキシトリオルガノシランとしては、例えば、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、エチルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
また、前記に例示したアルコキシシランにあるアルコキシ基の一部または全部を塩素原子に置き換えたクロロシランが挙げられる。
また、式(1)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂は、分子内に不飽和結合を有するオルガノアルコキシシランまたはオルガノクロロシランを上記と同様にして縮合し、過酸化物またはオゾンなどで酸化することによっても得ることができる。縮合の際には、前記の、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシオルガノシラン、ジアルコキシジオルガノシラン、アルコキシトリオルガノシランなどを共存させて共縮合せしめてもよい。
前記の分子内に不飽和結合を有するオルガノアルコキシシランまたはオルガノクロロシランとしては、ジメチルビニルエトキシシラン、ジメチルビニルクロロシラン、アリルジメチルエトキシシラン、アリルジメチルクロロシランなどが挙げられる。
前記の過酸化物としては、m−クロロ過安息香酸などが挙げられる。
(a)式(1)で表される官能基および(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂としては、例えば、ポリ[グリシジルオキシプロピルシルセスキオキサン]、ポリ[(3’−エチル−3’−オキセタニル)メチルオキシプロピルシルセスキオキサン]などが挙げられる。
(a)式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含むポリオルガノシロキサン樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは350〜30,000であり、より好ましくは350〜10,000である。重量平均分子量が、前記の範囲にあると、露光部の硬化性が高い傾向があり、また未露光部の溶解性が高く、パターン形成特性が良好になる傾向があり、好ましい。
前記(b)水酸基としては、好ましくは、式(3)で表されるフェノール性水酸基を有する官能基および式(4)で表されるアルコール性水酸基を有する官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基であり、これらを有するポリオルガノシロキサン樹脂が挙げられる。
Figure 2007220652
[式(3)および式(4)中、Aは酸素原子または硫黄原子を表す。
aおよびRbは、それぞれ独立に、二価の有機基を表す。
9〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基または炭素数1〜20の一価の有機基を表す。
3、m3、p、qおよびrは、それぞれ独立に、0〜20の整数を表す。]
ここで、二価の有機基としては、前記と同じ基が挙げられる。
炭素数1〜20の一価の有機基としては、前記と同じ基が挙げられる。
3、m3、p、qおよびrは、それぞれ独立に、0〜20の整数を表し、好ましくは0〜15の整数を表し、より好ましくは0〜10の整数を表す。
式(3)で表されるフェノール性水酸基としては、例えば、ヒドロキシフェニル基、(ヒドロキシフェニル)メチル基、2−(ヒドロキシフェニル)エチル基、1−(ヒドロキシフェニル)エチル基、3−(ヒドロキシフェニル)プロピル基、2−(ヒドロキシフェニル)プロピル基、1−(ヒドロキシフェニル)プロピル基などが挙げられる。
式(4)で表されるアルコール性水酸基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシエチルオキシエチル基などが挙げられる。
式(3)で表されるフェノール性水酸基および式(4)で表されるアルコール性水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種の水酸基を有するポリオルガノシロキサン樹脂は、前記のそれぞれの官能基を有していれば、そのシロキサン樹脂の主鎖構造に制限はなく、直鎖状、ラダー状、籠状のものなど、前記式(5)〜式(7)と同じものを用いることができ、式(5)の構造が連結してなるポリシロキサン樹脂の一部または全部のRxが、式(6)の構造が連結してなるポリシロキサン樹脂の一部または全部のRyが、式(7)の構造が連結してなるポリシロキサン樹脂の一部または全部のRzが、式(3)または式(4)で表される基に置き換わった樹脂が例示される。また、前記式(5)〜式(7)の構造から選ばれる主鎖構造を有し、主鎖の末端部に、式(3)または式(4)で表される基を有するポリシロキサン樹脂を挙げることができる。
具体的に式(3)で表されるフェノール性水酸基を有するポリオルガノシロキサン樹脂を例示すると、ジメチル[2−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]シリル基を有するポリシルセスキオキサンなどが挙げられる。
また、具体的に式(4)で表されるアルコール性水酸基を有するポリオルガノシロキサン樹脂を例示すると、ジメチルヒドロキシエチルオキシエチルシリル基を有するポリシルセスキオキサンなどが挙げられる。
前記(b)水酸基を有するポリオルガノシロキサン樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000であり、より好ましくは1,000〜30,000である。重量平均分子量が前記の範囲にあると、塗布性が良好であり、また、パターンが良好に形成される傾向があり、好ましい。
前記(b)水酸基を有するポリオルガノシロキサン樹脂は、オルガノアルコキシシランを前記の方法で縮合した後、末端のシラノール基を、保護された水酸基を有するクロロシラン化合物と反応させて封止し、水酸基の保護基を脱保護することにより得ることができる。
また、保護された水酸基を有するオルガノアルコキシシランを前記と同様に縮合した後、水酸基の保護基を脱保護することによっても得ることができる。
ここで、オルガノアルコキシシランとしては、オルガノメトキシシラン、オルガノエトキシシランが挙げられ、具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシランなどが挙げられる。
保護された水酸基を有するクロロシラン化合物は、分子内に保護された水酸基とビニル基やアリル基などの不飽和結合とを有する化合物と、ジアルキルクロロヒドロシラン化合物とを、遷移金属触媒の存在下、ヒドロシリル化することにより製造することができる。
また、保護された水酸基を有するクロロシラン化合物は、分子内に保護された水酸基を有する有機金属化合物とジアルキルジクロロシラン化合物との縮合反応によっても製造することができる。
水酸基の保護基としては、例えば、アルキル基、シリル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。
水酸基の保護基として、具体的には、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、テトラハイドロピラニル基、3−ブロモテトラハイドロピラニル基、テトラハイドロチオピラニル基、4−メトキシテトラハイドロピラニル基、テトラハイドロフラニル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド基、ジフェニルメチル基、5−ジベンゾスベリル基、トリフェニルメチル基、9−アンスリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、(トリフェニルメチル)ジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジtert−ブチルシリル基、トリベンジルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、ホルミル基、アセチル基、3−フェニルプロピオネート基、3−ベンゾイルプロピオネート基、イソブチレート基、4−オキソペンタノエート基、ピバロエート基、アダマントエート基、ベンゾエート基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
式(3)で表されるフェノール性水酸基の、活性水素原子が保護されたクロロシラン化合物としては、例えば、2−(4’−トリメチルシリルオキシフェニル)エチルジメチルクロロシラン、[2−(4’−tert−ブトキシフェニル)エチル]ジメチルクロロシランなどが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン樹脂として、前記(a)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂(ポリオルガノシロキサン樹脂(a’))ならびに前記(b)を有するポリオルガノシロキサン樹脂(ポリオルガノシロキサン樹脂(b’))を混合して用いる場合、その混合比率は、ポリオルガノシロキサン樹脂の合計質量に対して、好ましくは前記(a’)が5〜85質量%、前記(b’)が15〜95質量%であり、より好ましくは、前記(a’)が10〜70質量%、前記(b’)が30〜90質量%である。混合比率が前記の範囲にあると、50μmを超える厚膜であってもパターンが形成できる傾向にあるため好ましい。
ポリオルガノシロキサン樹脂組成物は、前記ポリオルガノシロキサン樹脂(a’)およびポリオルガノシロキサン樹脂(b’)に加えて、(c1)〜(c8)で表されるポリオルガノシロキサン樹脂を含有してもよい。
(c1)式(1)で表される官能基および式(3)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c2)式(1)で表される官能基および式(4)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c3)式(2)で表される官能基および式(3)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c4)式(2)で表される官能基および式(4)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c5)式(3)で表される官能基および式(4)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c6)式(1)で表される官能基、式(2)で表される官能基および式(3)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c7)式(1)で表される官能基、式(2)で表される官能基および式(4)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
(c8)式(1)で表される官能基、式(2)で表される官能基、および式(3)で表される官能基および式(4)で表される官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂
Figure 2007220652
[式(1)〜式(4)中、Aは、酸素原子または硫黄原子を表す。
aおよびRbは、二価の有機基を表す。
1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基または炭素数1〜20の一価の有機基を表す。
1〜l4およびm1〜m4は、それぞれ独立に、0〜20の整数を表す。]
ここで、二価の有機基としては、前記と同じ基が挙げられる。
4、m4は、それぞれ独立に、0〜20の整数を表し、好ましくは0〜10の整数を表し、より好ましくは0〜5の整数を表す。
ポリオルガノシロキサン樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000であり、より好ましくは1,000〜30,000である。
ポリオルガノシロキサン樹脂は、前記の方法で製造した式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリオルガノシロキサン樹脂の末端のシラノール基と、式(3)で表されるフェノール性水酸基および式(4)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基の活性水素原子が保護されたクロロシラン化合物とを反応させてシラノール基の水酸基を封止し、保護基を脱保護することにより得ることができる。
また、ポリオルガノシロキサン樹脂は、式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランと、式(3)で表されるフェノール性水酸基および式(4)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランとを、前記の方法で共縮合することによっても得ることができる。
式(3)で表されるフェノール性水酸基の活性水素原子が保護されたクロロシラン化合物としては、例えば、2−(4’−トリメチルシリルオキシフェニル)エチルジメチルクロロシラン、[2−(4’−tert−ブトキシフェニル)エチル]ジメチルクロロシランなどが挙げられる。
式(4)で表される官能基の活性水素原子が保護されたクロロシラン化合物としては、例えば、トリメチルシリルオキシカルボニルプロピルジメチルクロロシランなどが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン樹脂としては、例えば、(3’−エチル−3’−オキセタニル)メチルオキシプロピル基とカルボキシプロピル基を有するポリシルセスキオキサンなどが挙げられる。
本発明に適用するアルカリ可溶性樹脂(C)としては、ノボラック樹脂を用いてもよく、該ノボラック樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、前記のフェノールノボラック樹脂のフェニル環上に一価の有機基を有する置換フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。
置換フェノールノボラック樹脂としては、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。
前記のフェノールノボラック樹脂としては、例えば、式(8)で表されるフェノール化合物と式(9)で表されるアルデヒド化合物とを重縮合させたノボラック樹脂や、前記ノボラック樹脂のフェノール性水酸基の水素原子の一部を一価の有機基で置換した樹脂が挙げられる。
Figure 2007220652
[式(8)中、Q1は炭素数1〜20の一価の有機基を表し、nが2である場合、2つのQ1は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。
式(9)中、Q2は、水素原子または炭素数1〜20の一価の有機基を表す。]
炭素数1〜20の一価の有機基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭素数6〜20の芳香族炭化水素基はアルキル基、アルケニル基などで置換されていてもよい。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、芳香環を有する基または芳香環に炭化水素基が置換された基を表し、基を構成している炭素数の総和が6〜20のものである。ここで、芳香環の置換基を例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、アリル基、ビニル基などのアルケニル基、アリルオキシ基などのアルケニルオキシ基、エチニル基などのアルキニル基、エチニルオキシ基などのアルキニルオキシ基などが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を具体的に例示すると、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基、ビニルナフチル基、メチルアンスリル基、エチルアンスリル基などが挙げられ、特に、フェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
式(8)におけるQ1の置換位は、フェノール水酸基から2位、4位、6位の中で少なくとも2箇所が置換されていないものが好ましい。式(8)で表される化合物としては、具体的には、フェノールo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−プロピルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、o−tert−ブチルフェノール、m−tert−ブチルフェノール、o−ヘキシルフェノール、m−ヘキシルフェノール、o−デシルフェノール、m−デシルフェノール、o−ドデシルフェノール、m−ドデシルフェノール、o−ヘキサデシルフェノール、m−ヘキサデシルフェノール、o−イコシルフェノール、m−イコシルフェノール、o−シクロへプチルフェノール、m−シクロへプチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、o−トルイルフェノール、m−トルイルフェノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、3,5−キシレノール、2−エチル−5−メチルフェノール、2−エチル−3−メチルフェノール、3−エチル−5−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−イソプロピル−3−メチルフェノール、3−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2−tert−ブチル−3−メチルフェノール、3−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2−ヘキシル−5−メチルフェノール、2−ヘキシル−3−メチルフェノール、3−ヘキシル−5−メチルフェノール、2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、2−シクロヘキシル−3−メチルフェノール、3−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、2−フェニル−5−メチルフェノール、2−フェニル−3−メチルフェノール、3−フェニル−5−メチルフェノール、2−ナフチル−5−メチルフェノール、2−ナフチル−3−メチルフェノール、3−ナフチル−5−メチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、2,5−ジプロピルフェノール、2,3−ジプロピルフェノール、3,5−ジプロピルフェノール、2,5−ビスシクロヘキシルフェノール、2,3−ビスシクロヘキシルフェノール、3,5−ビスシクロヘキシルフェノール、2,5−ジフェニルフェノール、2,3−ジフェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノールなどが挙げられる。
中でも、好ましくはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3−キシレノール、2−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−フェニルフェノールが挙げられ、より好ましくはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールが挙げられる。
式(9)におけるQ2における炭素数1〜20の一価の有機基は、前記と同じ意味を表す。
式(9)で表されるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、ドデカナール、ヘキサデカナール、イコサナール、2−メチルプロパナール、2−メチルブタナール、2−エチルブタナール、2,2−ジメチルプロパナール、アクロレイン、2−ブテナール、2−ヘキセナール、2−オクテナール、アセチレンアルデヒド、2−ブチナール、2−ヘキシナール、2−オクチナール、シクロヘプチルカルバルアルデヒド、シクロヘキシルカルバルアルデヒド、ベンズアルデヒド、1−ナフチルアルデヒド、2−ナフチルアルデヒド、スチリルアルデヒドなどが挙げられ、好ましくはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが挙げられる。また、アルデヒド化合物は、解重合可能な高分子前駆体を使用することもできるし、アルデヒド基をアセタール基またはヘミアセタール基で保護してもよい。
ホルムアルデヒドは、解重合可能な高分子前駆体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液であるホルマリンを使用することもできる。
式(8)で表されるフェノール化合物と、式(9)で表されるアルデヒド化合物の縮合方法は、特に限定されないが、例えば、反応溶媒の存在下または不在下、酸触媒を用いることで達成できる。
反応温度としては、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃であり、反応時間としては、好ましくは0.1〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。
前記の酸触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、トルエンスルホン酸が挙げられる。
縮合に用いる反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルヘプチルケトン、シクロヘキシルケトンなどのケトン類;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、乳酸エチル、酢酸プロピレングリコールなどのエステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、デカン、石油エーテルなどの炭化水素類を用いることができ、これらは1種または2種以上を混合して使用することができる。また、反応系に水を共存させてもよく、水と互いに相溶しない溶媒の場合は2層に分離した反応溶媒を用いてもよい。蒸留脱水などで水を除去してもよい。
前記の縮合方法の例示において、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類を反応溶媒として用い、酢酸、シュウ酸、マロン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸を触媒とするのが好ましい。
また、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基の一部を、OQ3基(ただし、Q3は炭素数1〜20の一価の有機基を表す)に置換した樹脂をアルカリ可溶性樹脂(C)として用いることもできる。ここで、Q3は前記のQ1と同じ基が例示される。このような、フェノール性水酸基の一部がOQ3基に置換された樹脂も、本発明では「ノボラック樹脂」と呼ぶ。
フェノール性水酸基の一部をOQ3基に置換する反応としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属ナトリウム、金属リチウム、金属カリウム、n−ブチルリチウム、ナトリウムナフタレート、ナトリウムメトキシドなどの強アルカリを使用し、前記フェノール性水酸基を金属フェノラート基に変換し、次いで、式(10)で表される化合物を反応せしめて得ることができる。
Figure 2007220652
[式(10)中、Q3は前記と同義である。Tは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシル基またはトシル基を表す。]
式(10)で表される化合物としては、フッ化メチル、フッ化エチル、フッ化デシル、フッ化ヘキシル、フッ化オクチル、フッ化ドデシル、フッ化ヘキサデシル、フッ化イコシル、塩化メチル、塩化エチル、塩化デシル、塩化ヘキシル、塩化オクチル、塩化ドデシル、塩化ヘキサデシル、塩化イコシル、臭化メチル、臭化エチル、臭化デシル、臭化ヘキシル、臭化オクチル、臭化ドデシル、臭化ヘキサデシル、臭化イコシル、臭化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化デシル、ヨウ化ヘキシル、ヨウ化オクチル、ヨウ化ドデシル、ヨウ化ヘキサデシル、ヨウ化イコシル、ヨウ化ベンジル、エチルスルホン酸メチル、ブチルスルホン酸メチル、オクチルスルホン酸メチル、デシルスルホン酸メチル、エチルスルホン酸トルイル、ブチルスルホン酸トルイル、オクチルスルホン酸トルイル、デシルスルホン酸トルイルなどが挙げられ、好ましくは臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルが挙げられる。
式(10)で表される化合物は、使用するノボラック樹脂のフェノール性水酸基1モル当量に対して、0.001以上0.99モル当量以下、好ましくは0.001以上0.8モル当量以下、より好ましくは0.001以上0.5モル当量以下を使用する。
ここで、使用するノボラック樹脂中のフェノール性水酸基のモル当量は、通常行われるアルカリ滴定法を用いて求めることができる。
ノボラック樹脂と式(10)で表される化合物との反応における溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルヘプチルケトン、シクロヘキシルケトンなどのケトン類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、デカン、石油エーテルなどの炭化水素類を用いることができ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。とりわけ、エーテル類、芳香族炭化水素類またはハロゲン化炭化水素類が好ましい。また、反応には、使用する反応剤や触媒が失活しない限りにおいて、水を共存させてもよいが、水分100ppm以下の脱水された溶媒が好ましい。
反応時間は、好ましくは0.1〜20時間、より好ましくは1〜10時間であり、反応温度は、−60〜100℃、好ましくは−20〜50℃である。
特に、アルカリ可溶性樹脂(C)としては、式(8)におけるQ1が水素原子であるフェノール化合物とホルムアルデヒドとを重合させたフェノールノボラック樹脂や、式(8)におけるQ1がメチル基であるフェノール化合物とホルムアルデヒドとを重合させたクレゾールノボラック樹脂が特に好ましい。これらのフェノールノボラック樹脂およびクレゾールノボラック樹脂は、現像時の溶解コントラストが高いために好ましく用いることができる。
前記のようにして得られたノボラック樹脂は、縮合反応や置換反応に使用した触媒や触媒残渣、未反応のフェノール化合物、未反応のアルデヒド化合物あるいは未反応の式(10)で表される化合物を除去することが好ましい。また、上記の縮合反応や置換反応に使用した溶媒も除去することが好ましい。ただし、後述の有機溶剤(E)と同じものを使用した場合は、除去せず、アルカリ可溶性樹脂(C)を溶解させた溶液として、感光性ペーストの調整に使用してもよい。
かくして、本発明に適用する好適なアルカリ可溶性樹脂(C)が得られるが、とりわけ好適なアルカリ可溶性樹脂(C)としては、フェノール性水酸基を有する樹脂であり、前記式(3)で表されるフェノール性水酸基を有するポリシロキサン樹脂あるいは前記ノボラック樹脂を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂(C)の含有量は、感光性ペーストに対する質量分率で、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは4〜20質量%、とりわけ好ましくは5〜15質量%である。
本発明の感光性ペーストは、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)を含有する。
電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)としては、例えば、光酸発生剤、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤などが挙げられる。
前記の電磁線を照射するときの照射量としては、電磁線の照射により酸を発生する化合物が、酸を発生する量以上であれば、本発明の効果を阻害しない範囲内で、差し支えない。また、加熱の温度や時間としては、加熱により酸を発生する化合物が酸を発生する温度、時間以下であれば、本発明の効果を阻害しない範囲内で、適宜決定しうる。
光酸発生剤としては、例えば、[シクロヘキシル−(2−シクロヘキサノニル)−メチル]スルホニウム トリフルオロメタンスルフォネート、ビス(p−トリルスルフォニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタン、tert−ブチルカルボニルメチル−テトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルフォネートなどが挙げられる。光酸発生剤としては、前記の他に、特開平11―202495号公報記載の化合物などを使用することもできる。
光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスフェート塩、アンチモネート塩などを挙げることができる。具体的には、ロードシルフォトイニシエーター2074(ローデル社製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172、アデカオプトンCPシリーズ(いずれも旭電化工業(株)製)などが挙げられる。また、前記の他に、特開平9−118663号公報に記載された化合物も使用することができる。
前記の電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物の含有量は、感光性ペースト総量に対して、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%である。
前記の電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物の含有量が、前記の範囲にあると、生産性よくパターンを形成できる傾向があり、好ましい。
また、本発明の感光性ペーストには、電磁線の照射により式(11)で表される酸を発生する化合物が含有されていてもよい。
Figure 2007220652
[式(11)中、Rfは、フッ素原子で置換された炭素数1〜20の一価の有機基を表す。]
フッ素原子で置換された炭素数1〜20の一価の有機基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ブチル基などが挙げられる。
電磁線の照射により式(11)で表される酸を発生する化合物としては、例えば、式(11)で表される酸のヨードニウム塩、スルホニウム塩、エステル化合物などが挙げられる。
前記の式(11)で表される酸のヨードニウム塩としては、例えば、DPI−105、DPI−109、BI−105、MPI−105、MPI−109、BBI−105、BBI−109、BBI−110(いずれも、みどり化学(株)製)などが挙げられる。
Figure 2007220652
前記の式(11)で表される酸のスルホニウム塩としては、例えば、TPS−105、TPS−109、MDS−105、MDS−109、MDS−205、BDS−109、DTS−105、NDS−105、NDS−155、NDS−159、NDS−165(いずれも、みどり化学(株)製)などが挙げられる。
Figure 2007220652
前記の式(11)で表される酸のエステル化合物としては、例えば、NAI−105、NAI−109、NDI−105、NDI−109、SI−105、SI−109、PI−105、PI−109(いずれも、みどり化学(株)製)などが挙げられる。
Figure 2007220652
本発明の感光性ペーストに含有される有機溶剤(E)の屈折率は、好ましくは1.4〜1.8、より好ましくは1.43〜1.70であり、とりわけ好ましくは1.44〜1.60である。有機溶剤(E)の屈折率が前記の範囲にあると、感光性ペーストを用いて形成した膜の透過率が高くなる傾向があり、好ましい。
本発明では、有機溶剤(E)の屈折率は、屈折率計(例えば、RA−520N;京都電子工業(株)製)を用いて、25℃で測定される。また、屈折率は、例えば、改訂4版 化学便覧 基礎編II 514−520頁(日本化学会編 丸善(株) 平成5年9月30日 発行)など文献にも記載されている。
屈折率が1.4〜1.8である有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1.42)、ポリプロピレングリコールジベンゾエート(1.52)、2−ヘプタノン(1.41)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(1.40)、ガンマ−ブチロラクトン(1.44)、1,2−プロパンジオールジベンゾエート(1.54)、ポリエチレングリコールジベンゾエート(1.53)などが挙げられ、好ましくは屈折率が1.43〜1.70であるポリプロピレングリコールジベンゾエート、γ−ブチロラクトン、1,2−プロパンジオールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエートが挙げられ、より好ましくは屈折率が1.44〜1.60であるポリプロピレングリコールジベンゾエート、1,2−プロパンジオールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエートが挙げられる。
本発明の感光性ペーストにおける有機溶剤(E)の含有量としては、感光性ペーストに対して質量分率で、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、とりわけ好ましくは5〜15質量%である。
また、本発明の感光性ペーストには、カチオン開環重合性の官能基を有する化合物を添加してもよい。
前記カチオン開環重合性の官能基としては、例えば、環状エーテル基、環状アセタール基、環状エステル基などが挙げられる。
環状エーテル基としては、例えば、オキセタニル基、オキソラニル基、オキセパニル基などが挙げられる。
環状アセタール基としては、例えば、1,3−ジオキソラニル基、1,3,5−トリオキサニル基、1,3−ジオキセパニル基、1,3,6−トリオキサシクロオクタニル基などが挙げられる。
環状エステル基としては、例えば、β―プロピオラクトニル基、δ−バレロラクトニル基、ε−カプロラクトニル基、グリコリド基、ラクチド基、2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基、トリメチレンカーボネート基などが挙げられる。
特に、アルカリ可溶性樹脂が好適なフェノール性水酸基を有する樹脂である場合、前記カチオン開環重合性の官能基を有する化合物はカチオン開環重合とともに、フェノール性水酸基を有する樹脂のフェノール環と結合し、架橋剤としても機能する。特に好ましくは、環状エーテル基を有する化合物が好ましく、具体的には、前記式(2)で表される官能基および前記式(3)で表される官能基から選ばれる官能基を分子内に複数有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、本発明の感光性ペーストには、必要に応じて、分子量1000以下のケイ素化合物を添加してもよい。
該ケイ素化合物として、前記カチオン開環重合性を有する化合物を用いる場合、式(1)で表される官能基および式(2)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するケイ素化合物が好適である。かかるケイ素化合物は、前記と同様にして、架橋剤として機能するものであり、例えば、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、オキセタニルオキシプロピルトリメトキシシラン、オキセタニルオキシプロピルトリエトキシシラン、1,3−ビス(グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチル−ジシロキサン、1,3−ジオキシラニル−1,1,3,3,−テトラメチル−ジシロキサン、1,3−ビス(オキセタニルオキシプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチル−ジシロキサンなどが挙げられる。
また、前記ケイ素化合物として、例えば、1,3−ジ(カルボキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどカルボキシル基を有するものを用いると、後述する現像において、感光性ペーストからなる塗膜に露光した後、現像液に溶解する溶解部において、その溶解速度をより向上させることができる。
このようなケイ素化合物を添加する場合、その添加量は、感光性ペースト総量に対して、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%であり、とりわけ好ましくは3〜6質量%である。
さらに、本発明の感光性ペーストには、必要に応じて、光吸収剤、光増感剤、可塑剤、分散剤、沈殿防止剤、レベリング剤などの添加剤を添加されていてもよい。
本発明の感光性ペーストは、軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する軟化温度が600℃未満のガラス粒子(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)および有機溶剤(E)を、3本ローラや混練機などで均質に混合分散することにより製造することができる。
次に、本発明の感光性ペーストを用いてパターン加工を行なう方法について、一例を挙げて説明するが、本発明は該方法に限定されるものではない。
まず、基板上に、感光性ペーストを全面または部分的に塗布する。塗布方法としては、例えば、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷などの方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、ペーストの粘度を選ぶことにより調整することができ、好ましくは5〜500μm程度、より好ましくは50〜200μmである。
感光性ペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板表面を表面処理液で処理することが好ましい。
前記の表面処理液としては、例えば、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシシラン、オキセタニルオキシプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどの有機溶媒で0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いることが好ましい。
表面処理の方法は、例えば、表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後、80〜140℃で5〜60分間乾燥するなどを挙げることができる。
乾燥後、露光装置を用いて露光を行なう。露光装置としては、例えば、プロキシミティ露光機などが挙げられる。
大面積の露光を行なう場合には、基板上に感光性ペーストを塗布した後に、移動させながら露光を行なうことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。露光には、例えば、紫外線、電子線、X線、可視光、近赤外光などを使用することができる。
露光後、現像を行なう。現像は、通常、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などで行われる。
現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニイウムハイドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ水溶液などが挙げられる。
水溶液中のアルカリ濃度は、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。アルカリ濃度が前記の範囲にあると、現像除去するべき部分の除去性が良好であり、また残存すべきパターンが剥離したり侵食されたりする傾向が小さく、好ましい。
現像時の温度は、その工程管理上、好ましくは15〜50℃である。
上記のようにしてパターンを形成後、焼成炉にて焼成を行なうことにより隔壁を形成することができる。焼成雰囲気や焼成温度は、感光性ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素などの雰囲気中で、好ましくは400〜600℃で焼成する。焼成炉は、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
特に、ガラス基板上にパターン加工する場合は、好ましくは400〜600℃の温度で10〜60分間焼成が行なわれる。
得られる隔壁の表面にはコート層を形成してもよい。コート層は、低融点ガラス粒子とバインダー樹脂からなるペースト剤やセラミックコーティング剤などのコート剤を塗布・乾燥し、焼成して隔壁の表面に形成するか、または前記のパターン形成後、該コート剤を塗布した後、焼成を行なうことにより、隔壁の形成と同時に隔壁の表面に形成してもよい。
前記の低融点ガラス粒子としては、例えば、酸化錫リン酸系ガラス、酸化ビスマス系ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
前記のバインダー樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリα-メチルスチレンなどが挙げられる。
前記のセラミックコート剤としては、水性金属塩系コート剤、アルコキシ金属塩系コート剤などを用いることができ、具体的には、水性金属塩系コート剤としてはMS−1700、アルコキシ金属塩系コート剤としてはG−301、G−401(いずれも、(株)日本セラミック製)などを挙げることができる。
コート層の焼成温度は、低融点ガラス粒子とバインダー樹脂よりなるペースト剤を用いる場合、好ましくは250〜600℃程度であり、セラミックコート剤を用いる場合、好ましくは10〜500℃である。
上記のパターン加工を行なう方法により得られる隔壁において、焼成前後での該隔壁のトップ幅寸法、ボトム幅寸法および高さ寸法のそれぞれの変化量は、好ましくは±30%以内であり、より好ましくは±10%以内である。
パターンサイズの変化が前記の範囲にあると、プラズマディスプレイの背面板の隔壁として好適に使用することができる。
本発明によれば、露光時の感度低下を小さくすることができ、またパターンを形成することができるので、例えば、プラズマディスプレイの背面板の隔壁を製造するのに好適である。
以下、本発明を実施例に基いてより詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではないことは言うまでもない。
合成例1
<樹脂1:フェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂>
テトラエトキシシラン187g、2−(4’−tert−ブトキシフェニル)エチル−ジメチルクロロシラン(α付加体、β付加体の混合物)119g、エタノール100mLの混合物に水65gを滴下した後、65℃で1時間反応を行なった。次に反応混合物中に窒素をバブリングしてエタノールを留去しながら11時間反応を継続した。さらにメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと省略する。)200mLを加えてエタノールおよびMIBKを留去しながら4.5時間反応させた。
反応終了液にMIBKを300mL加え、水層のpHが4以上になるまで、300mLの水を用いる水洗を、3回繰り返して行なった。
水層を分離した後、有機層を濃縮することにより、粘稠なシロキサン樹脂溶液を得た。
シロキサン樹脂溶液中の固形分を加熱減量法により測定し、固形分100gに対して1,2−プロパンジオールジベンゾエート100g、γ―ブチロラクトン(以下、GBLと省略する。)20gを加え、70℃、40mmHgの条件で濃縮してシロキサン樹脂の1,2−プロパンジオールジベンゾエート/GBL混合溶液を得た。シロキサン樹脂混合溶液の組成を測定した結果、シロキサン樹脂分44.74%、1,2−プロパンジオールジベンゾエート分45.44%、GBL分9.43%、MIBK分0.39%であった。
GPC測定の結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は12,000であった。
樹脂溶液組成測定には、2−オクタノンを内部標準物質としたGC−IS法を用いた。ガスクロマトグラフィー装置は、HP−5890シリーズII(HP社製)を使用した。検出器は、FIDを使用した。カラムは、DB−5(0.25mmφ×30m)を使用した。
GPC測定には、東ソー製高温高速GPC−8020を使用した。検出器はIR検出器を用いた。カラムは、TSKGEL G2000HxLおよびTSKGEL G4000HxLを、各1本を使用した。分析条件は、カラム温度40℃、溶離液テトラヒドロフラン、流量1mL/分で行った。

フェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂の構造式:
Figure 2007220652
実施例1
合成例1で得た樹脂1溶液(樹脂分44.74質量%の1,2−プロパンジオールジベンソエート/GBL溶液)220g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)15g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)3g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TSL−9960;ジーイー東芝シリコーン(株)製)50g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート20g、GBL100gを1000mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、408gの粘稠なアルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物を得た。
上記アルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物((C)成分に相当)100.00g、細密充填組成の球状シリカ(SO−C6+微粉+エポキシ表面処理;屈折率;1.46(カタログ値)(株)アドマテックス製)((A)成分に相当、軟化温度1713℃(融点))276.96g、軟化温度が600℃未満のガラスA(NLPF023−F5;平均粒径5μm(カタログ値);旭硝子(株)製)((C)成分に相当、軟化温度550℃〜570℃)69.85g、酸化チタン(CR−EL;屈折率;2.72(カタログ値);石原産業(株)製)((A)成分に相当、軟化温度1858℃(融点))1.23gを混合し、セラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
ペースト中のアルカリ金属酸化物の含有量は、アルカリ金属の含有量として、フレーム原子吸光法により測定した。ただし、リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.52質量%、酸化カリウムの含量は、0.74質量%、酸化リチウムの含量は、0.23質量%であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、誘電体付きガラス基板上に1回塗布した。塗布後115℃のオーブンで40分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、35μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、200mJ/cm2であった。露光後、130℃で20分間ベークした後、0.7質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅33μm、パターン下部幅79μm、高さ104μmのパターンが得られた。
実施例2
製造例1で得た樹脂1溶液(樹脂分44.74質量%の1,2−プロパンジオールジベンソエート/GBL溶液)220g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)5g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)1g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TSL−9960;ジーイー東芝シリコーン(株)製)50g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート20g、GBL90gを1000mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、386gの粘稠なアルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物を得た。
上記アルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物100.00g、細密充填組成の球状シリカ(SO−C6+微粉+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))292.75g、低融点ガラスB(YEP4−4901;最大粒径7μm;ヤマト電子(株)製)73.83g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))1.30gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、誘電体付きガラス基板上に1回塗布した。塗布後80℃のオーブンで30分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、35μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、100mJ/cm2であった。露光後、100℃で10分間ベークした後、0.8質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅33μm、パターン下部幅88μm、高さ122μmのパターンが得られた。
実施例3
製造例1で得た樹脂1溶液(樹脂分44.74質量%の1,2−プロパンジオールジベンソエート/GBL溶液)220g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)5g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)1g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TSL−9960;ジーイー東芝シリコーン(株)製)50g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート20g、GBL80gを1000mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、408gの粘稠なアルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物を得た。
上記アルカリ可溶シロキサン樹脂感光性組成物100.00g、細密充填組成の球状シリカ(SO−C6+微粉+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))265.96g、低融点ガラスB(YEP4−4901;最大粒径7μm;ヤマト電子(株)製)(軟化温度470℃〜490℃)111.70g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))1.33gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、誘電体付きガラス基板上に1回塗布した。塗布後80℃のオーブンで30分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、35μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、200mJ/cm2であった。露光後、80℃で20分間ベークした後、1質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック製)を用いて測定したところ、パターン上部幅28μm、パターン下部幅128μm、高さ110μmのパターンが得られた。
実施例4
フェノールノボラック樹脂1(PSM−4326;群栄化学工業(株)製)150g、フェノールノボラック樹脂2(PSM−4261;群栄化学工業(株)製)30g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)24g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)6g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TSL−9960;ジーイー東芝シリコーン(株)製)90g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート16g、1,2−プロパンジオールジベンゾエート80g、GBL180gを1000mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、546gの粘稠なフェノールノボラック樹脂感光性組成物を得た。
上記フェノールノボラック樹脂感光性組成物100.00g、細密充填組成の球状シリカ(SO−C6+微粉+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))155.49g、低融点ガラスC(YEB2−5701;最大粒径7μm;ヤマト電子(株)製)(軟化温度530℃)103.66g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))1.23gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、ガラス基板(PD200;旭硝子(株)製)上に1回塗布した。塗布後110℃のオーブンで20分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、35μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、600mJ/cm2であった。露光後、130℃で15分間ベークした後、0.7質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅64μm、パターン下部幅97μm、高さ97μmのパターンが得られた。
実施例5
フェノールノボラック樹脂1(PSM−4326;群栄化学工業(株)製)10.24g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)0.98g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)0.21g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(PC−606PEX;ローデル社製)3.84g、1,2−プロパンジオールジベンゾエート2.13g、エチレングリコールジアセテート(東京化成製)12.38gを100mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、29.78gの粘稠なフェノールノボラック樹脂感光性組成物を得た。
上記フェノールノボラック樹脂感光性組成物29.78g、球状シリカ(SO−C6+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))27.32g、低融点ガラスD(YEB2−6701;最大粒径15μm;ヤマト電子(株)製)(軟化温度530℃)40.97g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))0.21g、ポリアクリル酸(Mw=1800、アルドリッチ製)の50重量%GBL溶液1.70gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、ガラス基板(PD200;旭硝子(株)製)上に1回塗布した。塗布後90℃のオーブンで40分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、45μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、450mJ/cm2であった。露光後、140℃で10分間ベークした後、0.4質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅57μm、パターン下部幅94μm、高さ88μmのパターンが得られた。
実施例6
フェノールノボラック樹脂1(PSM−4326;群栄化学工業(株)製)10.79g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)1.66g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)0.21g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(PC−606PEX;ローデル社製)3.73g、1,2−プロパンジオールジベンゾエート2.07g、エチレングリコールジアセテート(東京化成製)12.86gを100mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、31.32gの粘稠なフェノールノボラック樹脂感光性組成物を得た。
上記フェノールノボラック樹脂感光性組成物31.32g、球状シリカ(SO−C6+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))13.28g、低融点ガラスD(YEB2−6701;最大粒径15μm;ヤマト電子(株)製)(軟化温度530℃)53.11g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))0.21g、ポリアクリル酸(Mw=1800、アルドリッチ製)の50重量%GBL溶液1.66gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、ガラス基板(PD200;旭硝子(株)製)上に1回塗布した。塗布後90℃のオーブンで40分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、45μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、1200mJ/cm2であった。露光後、145℃で10分間ベークした後、0.4質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅51μm、パターン下部幅101μm、高さ85μmのパターンが得られた。
実施例7
フェノールノボラック樹脂1(PSM−4326;群栄化学工業(株)製)9.54g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)1.08g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)0.13g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(PC−606PEX;ローデル社製)3.90g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート1.30g、1,2−プロパンジオールジベンゾエート3.03g、エチレングリコールジアセテート(東京化成製)9.93gを100mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、28.91gの粘稠なフェノールノボラック樹脂感光性組成物を得た。
上記フェノールノボラック樹脂感光性組成物28.91g、低融点ガラスD(YEB2−6701;最大粒径15μm;ヤマト電子(株)製)(軟化温度530℃)69.35g、ポリアクリル酸(Mw=1800、アルドリッチ製)の50重量%GBL溶液1.74gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化カリウムの含量は、0.01質量%以下、酸化リチウムの含量は、0.01質量%以下であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、ガラス基板(PD200;旭硝子(株)製)上に1回塗布した。塗布後105℃のオーブンで40分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、30μmライン、横160μmピッチ縦480μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、700mJ/cm2であった。露光後、140℃で10分間ベークした後、0.4質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。得られたパターンをレーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製)を用いて測定したところ、パターン上部幅24μm、パターン下部幅88μm、高さ142μmのパターンが得られた。
比較例1
フェノールノボラック樹脂3(PSM−4324;群栄化学工業(株)製)100g、ロードシルフォトイニシエーター(PI−2074;ローデル社製)15g、増感剤(DBA;川崎化成工業(株)製)3g、1,3−ビス(3’−グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TSL−9960;ジーイー東芝シリコーン(株)製)50g、ポリプロピレングリコールジベンゾエート20g、1,2−プロパンジオールジベンゾエート100g、GBL143gを1000mLのナスフラスコに入れ、均一な溶液を調製し、431gの粘稠なフェノールノボラック樹脂感光性組成物を得た。
上記フェノールノボラック樹脂感光性組成物100.00g、細密充填組成の球状シリカ(SO−C6+微粉+エポキシ表面処理;(株)アドマテックス製)(軟化温度1713℃(融点))131.32g、低融点ガラスA(NLPF023−F5;平均粒径5μm;旭硝子(株)製)(軟化温度550℃〜570℃)196.98g、酸化チタン(CR−EL;石原産業(株)製)(軟化温度1858℃(融点))1.16gをセラミックス製3本ロールミル((株)井上製作所製)を用いて混練することによって、感光性ペーストを調製した。
感光性ペースト中のアルカリ金属酸化物の含量は、感光性ペースト中のアルカリ金属の含量から換算して求めた。ナトリウムおよびカリウムの含量は、フレーム原子吸光法により測定した。リチウムの含量は、ICP発光分析法により測定した。その結果、感光性ペースト中の酸化ナトリウムの含量は、2.76質量%、酸化カリウムの含量は、3.93質量%、酸化リチウムの含量は、1.22質量%であった。
調製した感光性ペーストを200μmギャップのアプリケーターを用いて、ガラス基板(PD200;旭硝子(株)製)上に1回塗布した。塗布後110℃のオーブンで20分乾燥して塗膜を調製した。
乾燥後の塗膜は、35μmライン、横240μmピッチ縦580μmピッチのマスクを用いて、プロキシミティ露光機(MAP−1300;大日本スクリーン製造(株)製)で露光された。照射露光量は、1200mJ/cm2であった。露光後、130℃で15分間ベークした後、0.7質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像した。しかしながら、現像時にパターンがすべて剥離してパターンが得られなかった。
Figure 2007220652
本発明の感光性ペーストは、プラズマディスプレイの部材である背面板の隔壁形成などに用いることができるほか、平面バックライトのスペーサー形成、マイクロリアクターなどの形成に用いることが期待できる。

Claims (8)

  1. 軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する軟化温度が600℃未満のガラス粒子(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)、電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)および有機溶剤(E)を含有する感光性ペーストであって、アルカリ金属酸化物の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で2質量%以下、または前記のガラス粒子(B)に対して質量分率で3質量%以下である感光性ペースト。
  2. 軟化温度が600℃以上の無機粒子(A)が、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および軟化温度が600℃以上であるガラス粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子である請求項1記載の感光性ペースト。
  3. 前記アルカリ金属酸化物が、酸化リチウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2のいずれかに記載の感光性ペースト。
  4. 電磁線の照射または加熱により酸を発生する化合物(D)の含有量が、感光性ペーストに対して質量分率で0.1〜2質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の感光性ペースト。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂(C)が、ポリオルガノシロキサン樹脂およびノボラック樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性ペーストを用いて製造されるプラズマディスプレイ用隔壁。
  7. 請求項6に記載のプラズマディスプレイ用隔壁を備えるプラズマディスプレイ用背面板。
  8. 請求項7に記載のプラズマディスプレイ用背面板を備えるプラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008035785A1 (fr) * 2006-09-22 2008-03-27 Jsr Corporation Composition de résine contenant des particules inorganiques, film de transfert et procédé de production d'un membre pour panneau d'affichage
WO2016015398A1 (zh) * 2014-07-31 2016-02-04 太阳油墨(苏州)有限公司 光固化性热固化性树脂组合物、干膜、固化物、及印刷电路板

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