JP2008259329A - 回転電機のコイル部の絶縁構造 - Google Patents

回転電機のコイル部の絶縁構造 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、導体と絶縁樹脂との間に発生する応力を緩和し、エナメル被覆のダメージを軽減すると共に、長期に亘って高い固着強度および高い絶縁性を維持する回転電機のコイル部の絶縁構造を得ることを目的とする。
【解決手段】固定子コイル24が固定子鉄心11に巻装され、絶縁樹脂がスロット部22内に含浸、硬化されている。固定子コイル24は銅線の外周にポリアミドイミド樹脂層を塗布、硬化したエナメル線であり、絶縁樹脂は、脂肪酸により変性されたTHEIC変性ポリエステル樹脂を主成分としている。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機のコイル部の絶縁構造に関し、特に固定子コイルや界磁コイルの絶縁構造に関するものである。
従来の車両用交流発電機では、固定子鉄心や回転子鉄心にエナメル線を巻回してなるコイル部に、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を添加したポリエステル樹脂などの絶縁樹脂を含浸して、コイル部の絶縁性を高めていた。
また、ポリアミドイミド樹脂層を有するエナメル被覆とするエナメル線を用い、エポキシ変性ポリエステルイミド樹脂を絶縁樹脂として用いたコイル部の絶縁構造が例えば特許文献1に開示されている。
特開2005−328584号公報
この種の車両用交流発電機では、長期間にわたって高い温度や振動に曝されることから、コイル部の絶縁構造の絶縁樹脂には、初期固着強度のみならず、長期にわたって高い固着強度が要求される。特に、エナメル線を固定子鉄心や回転子鉄心に巻回してなるコイル部に塗布含浸される絶縁樹脂には、高い固着強度のみならず、高い絶縁性が要求される。そして、エナメル被覆と絶縁樹脂との相性が悪いと、エナメル被覆の寿命に影響を与え、早期に絶縁不良を起こすという問題がある。
また、車両用交流発電機は大量生産されるので、高い生産性が要求される。そして、エナメル線の巻回工程では、エナメル線が曲げ、変形されるので、エナメル線に大きな機械的負荷がかかり、エナメル被覆にダメージを与えることになる。このエナメル被覆のダメージに対して悪影響を及ぼさないように、後工程で塗布含浸される絶縁樹脂を選択する必要がある。
また、特許文献1で開示されているエポキシ変性ポリエステルイミド樹脂は非常に硬い性質を有していることから、エポキシ変性ポリエステルイミド樹脂を絶縁樹脂として用いた場合には、絶縁樹脂とエナメル被覆との間で大きなせん断応力が発生し、エナメル被覆にダメージを与え、エナメル被覆の寿命を低下させることになる。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、導体と絶縁樹脂との間に発生する応力を緩和し、エナメル被覆のダメージを軽減すると共に、長期に亘って高い固着強度および高い絶縁性を維持する回転電機のコイル部の絶縁構造を得ることを目的とする。
この発明による回転電機のコイル部の絶縁構造は、コイルを鉄心に巻回してなるコイル部に絶縁樹脂を含浸した回転電機のコイル部の絶縁構造であって、上記コイルは、最上層をポリアミドイミド樹脂層とするエナメル被覆で覆われたエナメル線であり、上記絶縁樹脂は、油成分により変性されたTHEIC変性ポリエステル樹脂である。
この発明によれば、エナメル線のエナメル被覆の最上層が高耐熱性を有する柔らかいポリアミドイミド樹脂層であり、絶縁樹脂の主成分である高耐熱性を有するTHEIC変性ポリエステル樹脂が油成分により変性され、絶縁樹脂の硬度が小さくなっている。そこで、エナメル線の導体と絶縁樹脂との間に発生する応力が緩和され、エナメル被覆のダメージが軽減される。
特に、車両用交流発電機などの車両に搭載される回転電機では、例えば15年、15万Kmなどの長期間、使用に耐える必要があり、そこに適用されるコイル部の絶縁構造には、高い初期の固着力ばかりではなく、長期に亘って高い固着力を維持することが要求される。本発明のコイル部の絶縁構造では、絶縁樹脂の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂が油成分により変性されているので、絶縁樹脂中での反応が鈍化され、新品時だけではなく、長期に亘って高い固着力および高い絶縁性を維持でき、車両に搭載される回転電機のコイル部の絶縁構造に最適である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造を適用した車両用交流発電機を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造を適用した固定子を示す斜視図、図3は図2に示される固定子の要部断面図、図4は図2に示される固定子の固定子巻線を構成する固定子コイルを示す断面図、図5は図2に示される固定子への絶縁樹脂の塗布工程を説明する図である。図6はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の熱劣化作用を説明する図であり、図6の(a)は絶縁樹脂の液状状態を示し、図6の(b)は絶縁樹脂の加熱硬化後の固体状態を示し、図6の(c)は絶縁樹脂の加熱硬化後の熱履歴による緩やかな架橋状態を示している。図7はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の固着力の変化を示す図、図8はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の固着力と油成分による変性量との関係を示す図、図9はこの発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の熱劣化状態を説明する図であり、図9の(a)は油成分による変性量を20〜40%とした絶縁樹脂の加熱硬化後の熱劣化状態を示し、図9の(b)は油成分による変性量を10%以下とした絶縁樹脂の加熱硬化後の熱劣化状態を示し、図9の(c)は油成分による変性量を40%以上とした絶縁樹脂の加熱硬化後の熱劣化状態を示している。
図1において、回転電機としての車両用交流発電機は、それぞれ略椀形状のアルミ製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケース1と、このケース1の軸心位置に回転自在に支持されたシャフト4と、ケース1のフロント側に延出するシャフト4の端部に固着されたプーリ5と、シャフト4に固定されてケース1内に収容された回転子6と、この回転子6の軸方向の両端面に固定されたファン9と、回転子6の外周を囲繞するようにケース1の内壁面に固定された固定子10と、シャフト4のリヤ側に固定され、回転子6に電流を供給するスリップリング13と、このスリップリング13に摺動するようにケース1内に配設された一対のブラシ14と、このブラシ14を収納するブラシホルダ15と、固定子10に電気的に接続され、固定子10で生じた交流を直流に整流する整流器16と、固定子10で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ17と、を備えている。
回転子6は、電流を流して磁束を発生する界磁コイル7と、この界磁コイル7を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される回転子鉄心であるポールコア8と、から構成されている。また、固定子10は、円筒状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装され、回転子6の回転に伴い、界磁コイル7からの磁束の変化で交流が生じる固定子巻線12と、を備えている。
つぎに、固定子10の具体的構造について図2および図3を参照しつつ説明する。
固定子鉄心11は、円環状のコアバック部20と、コアバック部20の内周から径方向内方に延設された複数のティース部21と、コアバック部20とティース部21とで画成された複数のスロット部22と、を備えている。ティース部21は、周方向幅の太いティース部21aと狭いティース部21bとからなる。そして、隣り合うスロット部22のスロット開口部22aの中心線(周方向中心と軸心値を結ぶ線)間の電気角がα°と(60−α)°とを交互にとるように、ティース部21a,21bが交互に配設されている。なお、α≠30。スロット部22は毎極毎相当たり2の割合で、不等ピッチに作製されている。そして、絶縁被膜23がスロット部22の内周面を覆うように固着されている。この絶縁被膜23は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂をスロット部22の内周面に塗布硬化して形成される。
固定子巻線12は、6スロット毎のスロット部22に巻装された6つの相巻線を備え、電気角120°の位相差で巻装された3つの相巻線を交流結線してなる第1交流巻線と、電気角120°の位相差で巻装された残る3つの相巻線を交流結線してなる第2交流巻線と、から構成される。ここで、第1交流巻線と第2交流巻線とは、電気角α°の位相差を有する。各相巻線は、2列並列接続の5ターンの振り分け巻線である。各スロット部22には、10本の固定子コイル24のスロット収納部が収納されている。ウエッジ25がスロット開口部22aを閉塞するように装着され、絶縁樹脂26がスロット部22内に含浸、硬化されている。固定子コイル24のスロット収納部同士を連結するコイルエンドが固定子鉄心11の軸方向両端に延出し、固定子巻線12のコイルエンド群12aを構成する。絶縁樹脂26が両コイルエンド群12aに塗布、含浸、硬化されている。
固定子コイル24は、図4に示されるように、導体としての直径1.1mmの銅線24aと、銅線24aの外周に約30μmの厚さに塗布、硬化されたエナメル被覆としてのポリアミドイミド樹脂層24bとからなるエナメル線である。ポリアミドイミド樹脂層24bは、一般的に、220℃以上の温度に耐えることができるとともに、高い機械的強度と優れた伸び性を有しており、巻回工程時に固定子コイル24に作用する成形負荷に耐え、ポリアミドイミド樹脂層24bの損傷発生が抑制される。
絶縁樹脂26は、油成分として二重結合を含む直物油の脂肪酸により、THEIC(Tris-hydroxyethyl Isocyanurate)変性ポリエステル樹脂を35%変性したベース樹脂に、ベース樹脂固形分が40〜50重量%となるように反応性希釈剤としてのアクリル系モノマーであるHEMA(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)を加えて溶解したものに、重合禁止剤(ハイドロキノン)を0.04重量%、乾燥剤(ナフテン酸コバルト)を0.1重量%、過酸化物(1,1-ジ・ターシャリーブチル・ペルオキシン・シクロヘキサン)を1.3重量%添加混合したものである。
そして、図5に示されるように、固定子鉄心11を保持治具18に保持させ、軸心回りに回転させながら、ノズル19から絶縁樹脂26を、固定子10の径方向外方から固定子巻線12のコイルエンド群12aに塗布、含浸させた後、150℃、30分加熱し、硬化させている。これにより、絶縁樹脂26がコイルエンド群12aに含浸硬化され、コイルエンド群12aを構成する多数のコイルエンドが絶縁樹脂26の硬化体26aにより一体に固着される。同様に、コイルエンド群12aに塗布された絶縁樹脂26がコイルエンドを伝わってスロット部22内に含浸し、硬化され、固定子コイル24のスロット収納部が絶縁樹脂26の硬化体26aによりスロット部22に固着される。これにより、固定子10の剛性が高められ、電磁騒音の発生が抑制されるとともに、固定子巻線12の耐振性が高められ、固定子コイル24の擦れに起因する絶縁性の劣化が抑制される。
この絶縁樹脂26の硬化体26aは、THEIC変性ポリエステル樹脂を主成分としているので、高い耐熱性を有するが、一般的に硬く、高い熱負荷のもとでは、エナメル被覆に大きなダメージを与える。この実施の形態1では、油成分によりTHEIC変性ポリエステル樹脂を変性して、絶縁樹脂26の硬化体26aの硬度を小さくしている。さらに、エナメル被覆として柔らかいポリアミドイミド樹脂層24bを用いている。そこで、固定子コイル24の銅線24aと絶縁樹脂26の硬化体26aとの間に発生する応力が緩和され、エナメル被覆であるポリアミドイミド樹脂層24bのダメージが少なくなる。油成分により絶縁樹脂26の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂を変性しているので、後述するように、新品時だけでなく、長期的に高い固着力および良好な絶縁性を維持することができる。
つぎに、絶縁樹脂26の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂を油成分により変性する効果について図6を参照しつつ説明する。
絶縁樹脂26の通常の硬化過程では、図6の(a)に示されるように、不飽和ポリエステル樹脂の二重結合と反応性希釈剤の二重結合のラジカル重合による架橋のみが起こり、硬化する。
この時、脂肪酸中の二重結合の架橋は起こらず、硬化体26a中には、図6の(b)に示されるように、高分子鎖からペンダント状に結合した脂肪酸が存在する。この脂肪酸の存在が、硬化体26aに柔軟性を付与し、絶縁樹脂26の硬化体26aとポリアミドイミド樹脂層24bとの線膨張差による応力が緩和される。
さらに、図6の(c)に示されるように、車両用交流発電機の使用時に受ける熱履歴により、脂肪酸中の二重結合の酸化重合による緩やかな架橋が起こり、絶縁樹脂26の硬化体26aの強度が緩やかに高くなる。この緩やかな架橋が完了するまで、強度は上がり続けており、この間、熱劣化を防いでいる状態となっている。架橋が進行するにつれ、絶縁樹脂26の硬化体26aの強度は高くなるが、架橋の進行が緩やかであるので、ポリアミドイミド樹脂層24bで発生する応力が僅かであり、絶縁樹脂26の硬化体26aとポリアミドイミド樹脂層24bとの相性は良好のままであり、ポリアミドイミド樹脂層24bのダメージが少なく、良好な絶縁性が維持される。
つぎに、絶縁樹脂26の硬化体26aの固定子コイル24に対する固着力と油成分(脂肪酸)による変性量との関係について説明する。ここで、上述の固着力は、ヘリカル固着力試験を用いて測定した。このヘリカル固着力試験は、JIS C3003に規定された条件で固定子コイル24(エナメル線)をヘリカル状に巻き、絶縁樹脂26を塗布硬化した後、試験片の両端を支持し、ヘリカルコイル中央部での破断荷重を測定する。この破断荷重を固着力とした。この絶縁樹脂26の硬化後(初期)、さらに試験片を260℃の雰囲気下に所定時間放置後の破断荷重を測定し、その結果を図7および図8に示す。
図7および図8から、油成分による変性量が多くなるほど、初期の固着力が小さくなることがわかる。また、到達する最大固着力は、油成分による変性量が多くなるにつれ徐々に大きくなり、変性量が15%近傍で急激に大きくなり、変性量が20%を超えると徐々に大きくなり、変性量が25%近傍で最大となり、変性量が25%近傍を超えると徐々に小さくなり、変性量が40%を超えると急激に小さくなることが分かる。
さらに、固着力は最大値に到達した後、徐々に小さくなることが分かる。これは、熱負荷により、分子鎖の切断が起こり、時間経過と共にその切断点が増え、主鎖のダメージが増え、固着力が低下した、即ち熱劣化したものと推考される。なお、熱劣化のし難さを耐熱劣化性とする。
ここで、油成分による変性量が15%以下の場合、図9の(b)に示されるように、油成分の架橋点が少ないので、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合の変化率が大きくなる。従って、熱劣化が進むにつれ、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合が大きくなり、固着力が大きく低下したもの、即ち耐熱劣化性が低下したものと推考される。
油成分による変性量が40%以上の場合、図9の(c)に示されるように、主鎖が短く、架橋点が少ないので、初期の固着力が小さくなると共に、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合の変化率が大きくなる。従って、熱劣化が進むにつれ、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合が大きくなり、固着力が大きく低下したもの、即ち耐熱劣化性が低下したものと推考される。
一方、油成分による変性量が20%以上、40%未満の場合、図9の(a)に示されるように、油成分の架橋点が多いので、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合の変化率が小さくなる。従って、熱劣化が進んでも、全架橋数に対する分子鎖の切断点数の割合が小さく、固着力の低下が少なく、固着力が維持されたもの、即ち優れた耐熱劣化性が得られたものと推考される。
従って、大きな固着力を長期に亘って維持するには、即ち長期に亘って優れた耐熱劣化性を得るには、油成分によるTHEIC変性ポリエステル樹脂の変性量を20%以上、40%未満の範囲にすることが望ましい。
この実施の形態1では、油成分による絶縁樹脂26の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂の変性量を35%としているので、絶縁樹脂26の粘度が低くなり、絶縁樹脂26のコイルエンド群12aおよびスロット部22内への含浸性が高められる。そこで、絶縁樹脂26がコイルエンド群12a内に隙間なく含浸すると共に、10本の固定子コイル24のスロット収納部が非整列状態に収納されているスロット部22内にも隙間なく含浸する。これにより、コイルエンド群12aのコイルエンド同士が強固に固着され、かつスロット収納部が固定子鉄心11に強固に固着されるので、固定子10の剛性が高められ、かつ優れた耐振性が得られる。
反応希釈剤には、アクリル系モノマーであるHEMAを用いている。HEMAは、スチレンなどの揮発性の希釈剤と異なり、無臭で、揮発も少なく、安定しているため、環境に優しい。また、HEMAは、絶縁樹脂26の油成分を良く溶かし、ポリアミドイミド樹脂層24bとの濡れ性を向上させる。さらに、HEMAは、不飽和ポリエステル樹脂の不飽和酸由来の二重結合との反応性が従来のスチレンモノマーなどと比べて低いので、硬化反応がより鈍化され、柔軟な特性が得られるとともに、熱劣化しにくくなる。
そこで、反応希釈剤にアクリル系モノマーであるHEMAを用いることで、両環境性が得られると共に、固定子コイル24のエナメル被覆と絶縁樹脂26との相性が保たれ、優れた絶縁性および耐熱劣化性が得られる。
つぎに、本絶縁構造を適用した固定子10を組み込んだ車両用交流発電機の熱的耐久試験を実施し、その結果を表1に示す。なお、比較例は、絶縁樹脂としてエポキシ樹脂混合ポリエステル樹脂を用いて作製した固定子を組み込んだ車両用交流発電機である。
この熱的耐久試験では、車両用交流発電機を下記の条件下で長時間稼働運転させ、発電不良に至る時間を測定した。
・発電機の回転速度:3000rpm(一定)
・雰囲気温度:120℃
・電気負荷と時間:バッテリ負荷(発電出力約5A)×30minと最大負荷(発電出力約70A)×30minとの繰り返し
Figure 2008259329
発電不良は、エナメル被覆の劣化に起因する固定子コイル間ショートによる発電電流低下によるものであり、固定子コイル(エナメル線)の絶縁性の比較ができる。
表1から、本絶縁樹脂26を用いることで、優れた絶縁構造が実現でき、比較例に対し、2.4倍〜3.2倍の寿命が得られることが確認された。
車両用交流発電機では、例えば15年、15万Kmなどの長期間、使用に耐える必要があり、そこに適用される固定子のコイル部の絶縁構造には、高い初期の固着力ばかりではなく、長期に亘って高い固着力を維持することが要求される。この実施の形態1によるコイル部の絶縁構造は、このように高い固着力および優れた絶縁性を長期に亘って維持でき、車両用交流発電機の固定子のコイル部の絶縁構造に最適である。
なお、上記実施の形態1では、油成分として二重結合を有する脂肪酸を用いるものとしているが、油成分は脂肪酸に限定されるものではなく、二重結合を有していれば良く、例えば二重結合を持つ炭素鎖をもった無水ドデセニルコハク酸などの有機酸を用いることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、本発明のコイル部の絶縁構造を車両用交流発電機の固定子に適用するものとしているが、この実施の形態2では、本発明のコイル部の絶縁構造を車両用交流発電機の回転子に適用するものである。
図10はこの発明の実施の形態2に係る絶縁構造を適用した回転子の界磁コイルの巻回部の構成を説明する図であり、図10の(a)はその断面図であり、図10の(b)はその要部断面図である。図11はこの発明の実施の形態2に係る絶縁構造を適用した回転子の界磁コイルを示す断面図、図12はこの発明の実施の形態2における絶縁樹脂の塗布工程を説明する図、図13はこの発明の実施の形態2に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の熱劣化作用を説明する図であり、図13の(a)は絶縁樹脂の液状状態を示し、図13の(b)は絶縁樹脂の加熱硬化後の固体状態を示し、図13の(c)は絶縁樹脂の加熱硬化後の熱履歴による緩やかな架橋状態を示している。
車両用交流発電機の回転子においては、図10に示されるように、直径9mmの界磁コイル28が、ナイロン製のボビン29に、1層当たり20ターンで14層、総計280ターン巻回されている。そして、絶縁樹脂30が界磁コイル28の巻回部に含浸、硬化されている。そこで、界磁コイル28が絶縁樹脂30の硬化体30aにより、互いに、かつボビン29に強固に固着される。回転子は、界磁コイル28が巻回されたボビン29をポールコアに巻装して構成される。
界磁コイル28は、図11に示されるように、導体としての直径9mmの銅線28aと、銅線28aの外周に約14μmの厚さに塗布、硬化されたポリエステルイミド樹脂層28bと、ポリエステルイミド樹脂層28bの外周に約6μmの厚さに塗布、硬化されたポリアミドイミド樹脂層28cとからなるエナメル線である。エナメル被覆は、ポリエステルイミド樹脂層28bを下層とし、ポリアミドイミド樹脂層28cを上層とする二層構造に構成されている。
車両用交流発電機の長期に亘る熱負荷と回転子の回転による遠心力とを考慮し、絶縁樹脂30には、高耐熱性を有するTHEIC変性ポリエステル樹脂(ベース樹脂)に油成分を含有させたものを用い、高い耐熱劣化性および高い固着力を狙った設計とした。特に、油成分による変性量を減らして、絶縁樹脂30の硬化体30aの固着力を高めている。
絶縁樹脂30は、油成分として二重結合を一つ含むオレイン酸を用い、オレイン酸によりTHEIC変性ポリエステル樹脂を20%変性したベース樹脂に、ベース樹脂固形分が40〜50重量%となるように反応性希釈剤としてのHEMAを加えて溶解したものに、重合禁止剤(ハイドロキノン)を0.04重量%、乾燥剤(ナフテン酸コバルト)を0.1重量%、過酸化物(1,1-ジ・ターシャリーブチル・ペルオキシン・シクロヘキサン)を1.3重量%添加混合したものである。
そして、図12に示されるように、先端をボビン29の係止部29aに巻き付けられた界磁コイル28が、巻線ノズル31から繰り出されつつ、所定のテンションをもって回転するボビン29の巻胴部29bに巻回される。この時、絶縁樹脂30が、巻線ノズル31の先端部に設けられたホッパー32から、巻胴部29bの接線方向に延びる界磁コイル28に塗布される。これにより、絶縁樹脂30が、巻胴部29bの軸方向に隣接する界磁コイル28間および径方向に隣接する界磁コイル28間に隙間なく、均一に充填される。ついで、界磁コイル28がボビン29に所定ターン巻回された後、150°、30分加熱し、絶縁樹脂30を硬化させる。
この実施の形態2では、界磁コイル28のエナメル被覆は下層のポリエステルイミド樹脂層28bと、上層のポリアミドイミド樹脂層29cとの二層構造に構成されている。下層のポリエステルイミド樹脂層28bは、一般的に、200℃以上の温度に耐えることができるとともに、高い機械的強度と銅線28aに対する優れた密着性を有している。また、上層のポリアミドイミド樹脂層29cは、一般的に、220℃以上の温度に耐えることができるとともに、高い機械的強度と優れた伸び性を有している。そこで、界磁コイル28の巻回工程では、界磁コイル28に所定のテンションを掛けながらボビン29の巻胴部29bに高速で巻回されるが、エナメル被覆は界磁コイル28に作用する成形負荷に耐え、被覆自身の損傷発生が抑制されるとともに、下層のポリエステルイミド樹脂層28bの高い密着力により、エナメル被覆の銅線28aからの剥離発生が抑制される。
また、油成分として、油由来の脂肪酸で不飽和結合を有する酸の中でも、二重結合を一つしか持たないオレイン酸を用いている。そこで、車両用交流発電機の使用時に受ける熱履歴による架橋が進行し強度上がるが、二重結合を二つ持つ亜麻仁油脂肪酸などと比べ、架橋点が少ないので、柔軟性を維持しながら強度が上がっていくため、より強靱な性状を維持できる。
つぎに、絶縁樹脂30の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂をオレイン酸により変性する効果、即ち劣化特性の改善効果について図13を参照しつつ説明する。
絶縁樹脂30の通常の硬化過程では、図13の(a)に示されるように、不飽和ポリエステル樹脂の二重結合と反応性希釈剤の二重結合のラジカル重合による架橋のみが起こり、硬化する。
この時、脂肪酸中の二重結合の架橋(硬化反応)は起こらず、硬化体30a中には、図13の(b)に示されるように、高分子鎖からペンダント状に結合したオレイン酸が存在する。このオレイン酸の存在が、硬化体30aに柔軟性を付与し、絶縁樹脂30の硬化体30aと上層のポリアミドイミド樹脂層28cとの線膨張差による応力が緩和される。
さらに、図13の(c)に示されるように、車両用交流発電機の使用時に受ける熱履歴により、オレイン酸中の二重結合の酸化重合による緩やかに架橋が起こり、絶縁樹脂30の硬化体30aの強度が徐々に高くなる。この時、二重結合を二つ持つ亜麻仁油脂肪酸などと比べ、架橋点が少なく、ペンダント状の部分が残存することで、より柔軟性を維持しながら強度が上がっていく。この緩やかな架橋が完了するまで、強度は上がり続け、この間、熱劣化を防いでいる状態であり、より強靱な性状を維持できる。
エナメル被覆の下層には、銅線28aとの密着性が高いポリエステルイミド樹脂層28bが用いられているので、界磁コイル28をボビン29に巻回する際に界磁コイル28に作用する機械的な負荷に耐え、エナメル被覆の銅線28aからの剥離の発生が抑制される。また、エナメル被覆の上層には、高い伸び性を有するポリアミドイミド樹脂層28cが用いられているので、界磁コイル28をボビン29に巻回する際に界磁コイル28に作用する機械的な負荷に耐え、エナメル被覆での損傷の発生が抑制されるとともに、優れた耐熱劣化性が得られる。
絶縁樹脂30の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂がオレイン酸により変性され、より緩やかに架橋するようになっているので、絶縁樹脂30の硬化体30aとエナメル被覆との間に発生する応力がより少なくなる。これにより、絶縁樹脂30とエナメル被覆との間の相性が一層良好となり、高い絶縁性が確保される。
ここで、エナメル被覆の総厚に対するポリアミドイミド樹脂層の膜厚の割合を10%、20%、30%、100%としたエナメル線を作製し、ASTM D2307の試験方法を用いて耐熱寿命を試験し、その結果を図14に示す。なお、エナメル被覆は、ポリエステルイミド樹脂層を下層とし、ポリアミドイミド樹脂層を上層とする二層構造である。エナメル被覆の総厚に対するポリアミドイミド樹脂層の膜厚の割合が100%のエナメル被覆は、ポリアミドイミド樹脂層の単層構造である。なお、図14中、線A〜Dがそれぞれエナメル被覆の総厚に対するポリアミドイミド樹脂層の膜厚の割合を10%、20%、30%、100%とした界磁コイルの耐熱寿命を示す。
図14から、ポリアミドイミド樹脂層の膜厚が総厚の30%以上であれば、十分な耐熱性を有することが分かる。また、ポリアミドイミド樹脂層の膜厚が総厚の30%より厚くしても、耐熱寿命(耐熱劣化性)が顕著に向上することが無いことが分かる。このことは、ポリアミドイミド樹脂層の膜厚を厚くすると、上層のポリアミドイミド樹脂層の寿命が向上されるが、銅線と密着している下層のポリエステルイミド樹脂層が薄くなり、銅線とポリエステルイミド樹脂層との密着性が低下するため、ポリアミドイミド樹脂層の寿命向上効果が相殺されるためと推考される。さらに、ポリアミドイミド樹脂は非常に高価であることから、ポリアミドイミド樹脂層の膜厚の総厚に対する割合を30%とすることが、コスト上好ましい。
ここで、ポリアミドイミド樹脂層28cの膜厚をエナメル被覆の総厚の30%以上とすることで、十分な耐熱性、機械的強度および耐熱劣化性が得られるため、この界磁コイル28では、ポリアミドイミド樹脂層28cの膜厚をエナメル被覆の総厚の30%以上とすることが好ましい。さらに、コスト上、ポリアミドイミド樹脂層28cの膜厚をエナメル被覆の総厚の30%とすることが、より好ましい。この界磁コイル28と絶縁樹脂30とを組み合わせることにより、巻線工程に耐える高い被膜強度と高い初期固着力が得られると共に、長期に亘り高い固着力および絶縁性を維持することができる。
また、THEIC変性ポリエステル樹脂がオレイン酸により20%変性されているので、図7および図8に示されるように、オレイン酸による変性量が25%や35%のものに比べて最大強度が低くなる。しかし、この実施の形態2では、本発明の絶縁構造を回転子に適用することを考慮し、初期の固着力を高めるために、この構成とした。つまり、絶縁樹脂30の硬化体30aの固着力が初期的に低い場合には、回転子に作用する高い遠心力により硬化体30aが破壊し、界磁コイル28が損傷するという不具合が発生する恐れがある。この構成とすることにより、絶縁樹脂30の硬化体30aの固着力が初期的に高くなり、回転子に作用する遠心力に起因する界磁コイル28の損傷発生を防止することができる。
この実施の形態2においても、アクリル系モノマーであるHEMAを反応希釈剤として用いているので、良好な環境性が得られると共に、界磁コイル28と絶縁樹脂30との間に良好な相性が保たれ、高い絶縁性が維持され、高い耐熱劣化性および高い初期固着力が確保される。
車両用交流発電機では、例えば15年、15万Kmなどの長期間、使用に耐える必要があり、そこに適用される回転子のコイル部の絶縁構造には、高い初期の固着力ばかりではなく、長期に亘って高い固着力を維持することが要求される。実施の形態2によるコイル部の絶縁構造は、高い初期固着力が得られ、高い固着力と優れた耐熱劣化性を長期に亘って維持でき、車両用交流発電機の回転子のコイル部の絶縁構造に最適である。
なお、上記実施の形態2では、脂肪酸として一つの二重結合を含むオレイン酸を用いるものとしているが、脂肪酸に含まれる二重結合の数は一つに限定されるものではなく。つまり、複数の二重結合を含む脂肪酸でも、二重結合が完全に架橋するまでは柔軟性を維持するので、本発明の油成分として用いることができる。そして、二重結合の数が一つの場合、柔軟性を維持しつつ強度が上がるので、油成分としては、一つの二重結合を含むものを用いることが望ましい。
また、脂肪酸はオレイン酸に限定されるものではない。例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸などの一つの二重結合を有する脂肪酸、ルノール酸などの二つの二重結合を含む脂肪酸、α−リノレン酸などの三つの二重結合を含む脂肪酸などを用いることができる。
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3に係る絶縁構造を適用した固定子を示す斜視図、図16は図15に示される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す平面図、図7は図15に示される固定子の製造方法を説明する図である。
図15乃至図17において、固定子40は、固定子鉄心41と、固定子鉄心41に巻装された固定子巻線46と、を備えている。
固定子鉄心41は、円環状のコアバック部42と、コアバック部42の内周から径方向内方に延設された複数のティース部43と、コアバック部42とティース部43とで画成された複数のスロット部44と、を備えている。ティース部43は、周方向幅の太いティース部43aと狭いティース部43bとからなる。そして、隣り合うスロット部44のスロット開口部44aの中心線(周方向中心と軸心値を結ぶ線)間の電気角がα°と(60−α)°とを交互にとるように、ティース部43a,43bが交互に配設されている。スロット部44は毎極毎相当たり2の割合で、不等ピッチに作製されている。そして、絶縁紙45がスロット部44の内周面を覆うように装着されている。
固定子巻線46は、6スロット毎のスロット部44に巻装された6つの相巻線を備え、電気角120°の位相差で巻装された3つの相巻線を交流結線してなる第1交流巻線と、電気角120°の位相差で巻装された残る3つの相巻線を交流結線してなる第2交流巻線と、から構成される。ここで、第1交流巻線と第2交流巻線とは、電気角α°の位相差を有する。各相巻線は、2列並列接続の3ターンの巻線である。
固定子コイル47は、図示していないが、導体としての直径1.5mmの銅線と、銅線の外周に約20μmの厚さに塗布、硬化されたポリエステルイミド樹脂層と、ポリエステルイミド樹脂層の外周に約15μmの厚さに塗布、硬化されたポリアミドイミド樹脂層とからなるエナメル線である。エナメル被覆は、ポリエステルイミド樹脂層を下層とし、ポリアミドイミド樹脂層を上層とする二層構造に構成されている。そして、固定子コイル47のスロット収納部47aは、固定子鉄心41に装着される前に、ほぼ断面矩形に変形される。
各スロット部44には、6本の固定子コイル47の断面矩形のスロット収納部47aが互いに密着し、かつ径方向に1列に並んで収納されている。これにより、固定子コイル47をスロット部44内に高い占積率で収納することができる。また、固定子コイル47のスロット収納部47a同士を連結するターン部47b(コイルエンドに相当)が固定子鉄心41の軸方向両端に延出し、固定子巻線46のコイルエンド群46aを構成する。そして、後述する絶縁樹脂がスロット部44内に含浸、硬化され、さらに両コイルエンド群46aに塗布、含浸、硬化されている。
ここでは、固定子コイル47には断面矩形に変形する応力や、後述するように、固定子鉄心41の作製工程における曲げ応力が作用する。そこで、エナメル被覆と銅線との高い密着力を確保し、かつ最外層に、より高い機械的強度と伸び性が必要となるので、最下層に銅線との密着力が高いポリエステルイミド樹脂層を形成し、最外層により高い機械的強度と伸び性を有するポリアミドイミド樹脂層を形成し、さらにポリアミドイミド樹脂層の厚みをエナメル被覆の総厚の約43%と厚くしている。
絶縁樹脂は、オレイン酸によりTHEIC変性ポリエステル樹脂を25%変性したベース樹脂に、ベース樹脂固形分が40〜50重量%となるように反応性希釈剤としてのHEMAを加えて溶解したものに、重合禁止剤(ハイドロキノン)を0.04重量%、乾燥剤(ナフテン酸コバルト)を0.1重量%、過酸化物(1,1-ジ・ターシャリーブチル・ペルオキシン・シクロヘキサン)を1.3重量%添加混合したものである。
つぎに、固定子40の製造方法について説明する。
まず、圧延鋼板から打ち抜かれた所定枚数の帯状磁性薄板を積層し、直方体の積層鉄心50を作製する。この積層鉄心50には、コアバック部50aと、幅の太いティース部50bおよび幅の狭いティース部50cと、コアバック部50aとティース部50b、50cとで画成されたスロット部50dが形成されている。
ついで、12本の固定子コイル47を同時に同一平面上で雷状に折り曲げ形成し、さらに、直角方向に治具にて折り畳んで、図16に示される巻線アッセンブリ51を作製する。なお、各固定子コイル47は、ターン部47bで連結されたスロット収納部47aが6スロットピッチ(6P)で配列された平面状パターンに折り曲げ形成されている。そして、隣り合うスロット収納部47aが、ターン部47bにより、固定子コイル47の幅分ずらされている。巻線アッセンブリ51は、このようなパターンに形成された2本の固定子コイル47を6スロットピッチずらしてスロット収納部47aを重ねて配列されたコイル対が1スロットピッチずつずらして6対配列されて構成されている。そして、固定子コイル47の端部が巻線アッセンブリ51の両端の両側に6本ずつ延出されている。また、ターン部47bが巻線アッセンブリ51の両側部に整列されて配列されている。
このように構成された巻線アッセンブリ51は、スロット収納部47aをプレス成形して断面矩形に変形される。
ついで、図17の(a)に示されるように、巻線アッセンブリ51を3層に重ねて、絶縁紙45がスロット部50d内に装着された積層鉄心50に装着する。この時、各スロット部50dには、6本のスロット収納部47aが1列に並んで収納されている。
そして、積層鉄心50の両端部のみを、固定子鉄心41の曲率半径と同等の曲率に曲げ、その後、積層鉄心50の全体をスロット部50dの開口を内周側に向けて円筒状に曲げる。
そして、円筒状に曲げられた積層鉄心50の両端面を突き合わせ、例えばレーザ溶接により溶接一体化し、図17の(b)に示される円筒状の固定子鉄心41を得る。
ついで、固定子コイル47の端部同士を結線し、6つの相巻線を作製する。
そして、図5に示されるように、固定子鉄心41を保持治具18に保持させ、軸心回りに回転させながら、ノズル19から絶縁樹脂を、固定子40の径方向外方から固定子巻線46のコイルエンド群46aに塗布、含浸させた後、150℃、30分加熱し、硬化させる。これにより、絶縁樹脂がコイルエンド群46aに含浸硬化され、コイルエンド群46aを構成する多数のコイルエンド(ターン部47b)が絶縁樹脂の硬化体48により一体に固着される。同様に、コイルエンド群46aに塗布された絶縁樹脂がコイルエンドを伝わってスロット部44内に含浸し、硬化され、固定子コイル47のスロット収納部47aが絶縁樹脂の硬化体48によりスロット部44に固着される。これにより、固定子40の剛性が高められ、電磁騒音の発生が抑制されるとともに、固定子巻線46の耐振性が高められ、固定子コイル47の擦れに起因する絶縁性の劣化が抑制される。
この実施の形態3では、固定子コイル47のスロット収納部47aが長さ方向の全域に渡って、互いに密接するように径方向に1列に整列されてスロット部44内に収納されているので、隣り合うスロット収納部47a同士、スロット収納部47aと絶縁紙45とは近接している。そこで、これらの近接部の毛細管現象により、絶縁樹脂が浸透しやすくなり、絶縁樹脂の主成分であるTHEIC変性ポリエステル樹脂の油成分による変性量を減らしても、絶縁樹脂はスロット部44内に隙間なく充填される。そこで、オレイン酸によるTHEIC変性ポリエステル樹脂の変性量を25%まで減らし、絶縁樹脂の硬化体48の初期固着力を高めることができる。
また、本巻線構造では、固定子コイル47のスロット収納部47a同士が線接触或いは面接触することになり、大きな応力が発生する。さらに、固定子コイル47のスロット収納部47aを断面矩形に変形し、巻線アッセンブリ51を装着した積層鉄心50を円筒状に曲げているので、固定子コイル47の最外層には高い機械的強度と伸び性が要求される。この実施の形態3では、最外層のポリアミドイミド樹脂層の厚みをエナメル被覆の総厚の約43%と厚くした固定子コイル47とこの絶縁樹脂とを組み合わせることにより、巻線アッセンブリ51の製造工程や積層鉄心50の曲げ工程に耐える高い強度と高い初期固着力が得られると共に、長期に亘り高い固着力および高い絶縁性を維持することができた。
なお、上記実施の形態1では、ポリアミドイミド樹脂層の一層コートのエナメル線を用い、実施の形態2,3では、ポリエステルイミド樹脂層とポリアミドイミド樹脂層との二層コートのエナメル線を用いるものとしているが、この発明に適用されるエナメル線は、ポリアミドイミド樹脂層を最外層とすれば、これらに限定されるものではない。
また、エナメル被覆の最外層のポリアミドイミド樹脂層は、ポリアミドイミドが主たる組成であれば良く、例えば、巻回し易さが要求される場合、ポリエチレンなどの滑性を有する添加剤を若干含んでいても良い。また、要求される特性や品質によって、ポリアミドイミドを主成分とし、本絶縁樹脂との親和性を考慮しながら、エナメル被覆の設計をすることが好ましい。
また、エナメル線は大きな巻回部材に巻いた状態で出荷されるが、その際エナメル被覆の傷の発生を防止し、巻回部材へのエナメル線収納効率を向上させるために、パラフィンなどを塗る場合がある。この場合、パラフィンは、エナメル被覆の一層ではなく、本願のエナメル被覆の最外層には該当しない。
また、上記各実施の形態では、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成されている場合について説明しているが、スロット数はこれに限定されるものではない。また、スロット部が不等ピッチに配列されている場合について説明しているが、スロット部の配列はこれに限定されるものではなく、例えば等角ピッチに配列されても良い。
また、上記各実施の形態では、車両用交流発電機の回転子や固定子に適用した場合について説明しているが、車両用電動機や車両用電動発電機に適用してもよい。例えば、車両用始動電動機の回転子に適用する場合には、稼働は車両の始動時のみで通常時は稼働していないので、高い固着力が得られるように設定した絶縁樹脂を用いることが望ましい。この場合、絶縁樹脂中の油成分は20重量%程度に抑えることが望ましい。
また、電動パワーステアリング用電動機の回転子に適用する場合には、発電機と異なり、常時稼働はしていないものの、ユーザがステアリング操舵の際に稼働するため、固着力のみ成らず、熱劣化し難くする必要がある。そこで、絶縁樹脂中の油成分は25重量%程度に抑えることが望ましい。
また、車両用電動発電機の回転子や固定子に適用する場合には、発電機としての耐熱劣化性を維持しながら、固着力を高めるように絶縁樹脂を設計することになる。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動系に適用される車両用電動発電機は、車両の走行に直接関わるため、より高い信頼性が要求される。
この発明の実施の形態1に係る絶縁構造を適用した車両用交流発電機を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁構造を適用した固定子を示す斜視図である。 図2に示される固定子の要部断面図である。 図2に示される固定子の固定子巻線を構成する固定子コイルを示す断面図である。 図2に示される固定子への絶縁樹脂の塗布工程を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の熱劣化作用を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の固着力の変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の固着力と油成分による変性量との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の加熱硬化後の熱劣化状態を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁構造を適用した回転子の界磁コイルの巻回部の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁構造を適用した回転子の界磁コイルを示す断面図である。 この発明の実施の形態2における絶縁樹脂の塗布工程を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁構造に適用される絶縁樹脂の熱劣化作用を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁構造を適用した回転子の界磁コイルにおけるエナメル被覆の耐熱寿命試験結果を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る絶縁構造を適用した固定子を示す斜視図である。 図15に示される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す平面図である。 図15に示される固定子の製造方法を説明する図である。
符号の説明
6 回転子、7 ポールコア、8 界磁コイル、10 固定子、11 固定子鉄心、12 固定子巻線、24 固定子コイル(エナメル線)、24a 銅線(導体)、24b ポリアミドイミド樹脂層、26 絶縁樹脂、26a 硬化体、28 界磁コイル(エナメル線)、28a 銅線(導体)、28b ポリエステルイミド樹脂層、28c ポリアミドイミド樹脂層、30絶縁樹脂、30a 硬化体、40 固定子、41 固定子鉄心、46 固定子巻線、47 固定子コイル(エナメル線)、48 硬化体。

Claims (11)

  1. コイルを鉄心に巻回してなるコイル部に絶縁樹脂を含浸した回転電機のコイル部の絶縁構造であって、
    上記コイルは、最上層をポリアミドイミド樹脂層とするエナメル被覆で覆われたエナメル線であり、上記絶縁樹脂は、油成分により変性されたTHEIC変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする回転電機のコイル部の絶縁構造。
  2. 上記油成分が不飽和結合を有する脂肪酸であることを特徴とする請求項1記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  3. 上記油成分がオレイン酸であることを特徴とする請求項1記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  4. 上記油成分によるTHEIC変性ポリエステル樹脂の変性量が20%以上、40%未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  5. 上記絶縁樹脂には、アクリル系モノマーが添加されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  6. 上記エナメル被覆は、下層にポリエステルイミド樹脂層を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  7. 上記エナメル被覆は、上記ポリアミドイミド樹脂層と上記ポリエステルイミド樹脂層との二層構造に構成されていることを特徴とする請求項6記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  8. 上記ポリアミドイミド樹脂層が上記エナメル被覆の総厚の30%以上厚さに形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  9. 上記コイルが固定子コイルであり、上記鉄心が固定子鉄心であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  10. 上記コイルが界磁コイルであり、上記鉄心が回転子鉄心であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
  11. 上記回転電機が車両用交流発電機であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の回転電機のコイル部の絶縁構造。
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