JP2023150105A - ステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分の冷却油による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部に設けられたセグメント導体同士の接合部を覆うように絶縁樹脂部材を設けることが可能なステータを提供する。【解決手段】このステータ100では、絶縁樹脂部材30における軸方向(Z方向)の外側の第1壁面30aと絶縁樹脂部材30における径方向の第2壁面30bとの間の角部である樹脂角部31は、樹脂角部31と、樹脂角部31と対向する平角導線22の角部である導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第1壁面30aと対向する第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第2壁面30bと対向する第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している。【選択図】図4
Description
本発明は、ステータに関する。
従来、セグメント導体同士の接合部を覆う絶縁樹脂部材を備えるステータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ステータコアと、平角導線から構成される複数のセグメント導体を含み、セグメント導体同士の接合部がコイルエンド部に複数設けられたコイルと、接合部を覆う絶縁樹脂部材と、を備えるステータが開示されている。上記特許文献1に記載されているステータでは、絶縁樹脂部材は、接合部を覆うように、コイルエンド部を、比較的大きな厚さで覆っている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のステータでは、絶縁樹脂部材がコイルエンド部を比較的大きな厚さで覆っているので、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分には、車両のAT(Automatic Transmission)で使用されるATF(Automatic Transmission Fluid)等のコイルを冷却するための冷却油が直接供給されない。すなわち、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分は、絶縁樹脂部材で覆われていない部分と比較して、冷却油による冷却性が低下している。このため、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分の冷却油による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部に設けられたセグメント導体同士の接合部を覆うように絶縁樹脂部材を設けることが可能なステータが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分の冷却油による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部に設けられたセグメント導体同士の接合部を覆うように絶縁樹脂部材を設けることが可能なステータを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるステータは、ステータコアと、平角導線から構成される複数のセグメント導体を含み、セグメント導体同士の接合部が、ステータコアの軸方向の端面よりも軸方向の外側のコイルエンド部に複数設けられたコイルと、接合部を覆う絶縁樹脂部材と、を備え、絶縁樹脂部材における軸方向の外側の第1壁面と絶縁樹脂部材におけるステータコアの径方向の第2壁面との間の角部である樹脂角部は、樹脂角部と、樹脂角部と対向する平角導線の角部である導線角部との最短距離が、第1壁面と、平角導線において導線角部に隣接するとともに第1壁面と対向する第1平坦部との距離、および、第2壁面と、平角導線において導線角部に隣接するとともに第2壁面と対向する第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している。
この発明の一の局面におけるステータでは、上記のように、絶縁樹脂部材における軸方向の外側の第1壁面と絶縁樹脂部材におけるステータコアの径方向の第2壁面との間の角部である樹脂角部は、樹脂角部と、樹脂角部と対向する平角導線の角部である導線角部との最短距離が、第1壁面と、平角導線において導線角部に隣接するとともに第1壁面と対向する第1平坦部との距離、および、第2壁面と、平角導線において導線角部に隣接するとともに第2壁面と対向する第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している。これにより、樹脂角部と導線角部との最短距離が、第1壁面と第1平坦部との距離および第2壁面と第2平坦部との距離のうちの一方のみよりも大きくなるように、樹脂角部が丸みを帯びた形状を有する場合と比較して、樹脂角部と導線角部との最短距離を小さくすることができる。すなわち、樹脂角部の近傍において絶縁樹脂部材の厚さ(冷却時の冷却油とコイルエンド部との距離)を小さくすることができる。そして、樹脂角部の近傍において絶縁樹脂部材の厚さが小さくなる分、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材に覆われた部分の冷却油による冷却性を向上させることができる。また、樹脂角部と導線角部との最短距離が、第1壁面と第1平坦部との距離および第2壁面と第2平坦部との距離のうちの一方のみよりも大きくなるように、樹脂角部が丸みを帯びた形状を有する場合と比較して、樹脂角部の丸みを帯びた範囲を大きくすることができる。これにより、たとえば、ステータの軸方向が水平方向に沿った方向となるようにステータが配置された状態で、ATF等の冷却油が、第1壁面に沿って樹脂角部側に向かって流れた場合に、冷却油は、冷却油の表面張力によって、樹脂角部において絶縁樹脂部材から直ぐに離間せずに、比較的大きな範囲に渡って丸みを帯びた樹脂角部を介して第2壁面側に回り込むように流れる。すなわち、絶縁樹脂部材の表面において冷却油が流れる範囲(冷却面積)を増加させることができる。そして、絶縁樹脂部材の表面において冷却油が流れる範囲(冷却面積)が増加する分、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材に覆われた部分の冷却油による冷却性を向上させることができる。これらの結果、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分の冷却油による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部に設けられたセグメント導体同士の接合部を覆うように絶縁樹脂部材を設けることができる。
本発明によれば、上記のように、コイルエンド部のうちの絶縁樹脂部材で覆われた部分の冷却油による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部に設けられたセグメント導体同士の接合部を覆うように絶縁樹脂部材を設けることが可能なステータを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図5を参照して、本発明の一実施形態によるステータ100の構成について説明する。
以下の説明では、ステータ100が備えるステータコア10の軸方向、径方向および周方向を、それぞれ、Z方向、R方向およびC方向とする。また、軸方向(Z方向)における一方側および他方側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、径方向(R方向)における内側(内径側)および外側(外径側)を、それぞれ、R1側およびR2側とする。
(ステータの全体構成)
図1に示すように、ステータ100は、ステータ100に対向するようにステータ100のR1側に配置されるロータ101と共に、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータである。
図1に示すように、ステータ100は、ステータ100に対向するようにステータ100のR1側に配置されるロータ101と共に、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータである。
ステータ100は、ステータコア10と、コイル20と、絶縁樹脂部材30と、を備える。
ステータコア10は、Z方向に沿った中心軸線(図示しない)を中心軸とした円筒形状を有する。ステータコア10は、複数の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)がZ方向に積層されることにより形成されている。
図2に示すように、ステータコア10は、円環状のバックヨーク11と、バックヨーク11からR1側に突出する複数のティース12と、を含む。そして、C方向に隣接するティース12同士の間には、各々、スロット13が形成されている。
コイル20は、複数のセグメント導体21を含む。コイル20は、複数のセグメント導体21が接合されることにより構成されている。複数のセグメント導体21の各々は、銅線から構成されている。複数のセグメント導体21の各々は、平角導線22(図4参照)から構成されている。コイル20は、電源部(図示せず)から3相交流の電力が供給されることにより、磁束を発生させるように構成されている。
複数のセグメント導体21の各々は、複数のスロット13の各々に収容される複数のスロット収容部21aと、互いに異なるスロット13に収容されるスロット収容部21a同士を接続する複数のコイルエンド部21bと、を含む。コイルエンド部21bは、ステータコア10の軸方向(Z方向)の端面10aよりも軸方向(Z方向)の外側に配置されている。
セグメント導体21同士の接合部23は、コイルエンド部21bに複数設けられている。具体的には、R方向に沿って1組の接合部23が並ぶように設けられている。さらに、R方向に沿って並ぶ1組の接合部23が、コイルエンド部21bの全周に渡って、C方向に並ぶように複数設けられている。なお、複数の接合部23は、Z1側のコイルエンド部21bに配置されているとともに、Z2側のコイルエンド部21bには配置されていない。
図1に示すように、絶縁樹脂部材30は、接合部23を覆っている。具体的には、絶縁樹脂部材30は、コイルエンド部21bにおいて、R方向およびC方向に沿って並ぶ全ての接合部23を覆う形状を有する。すなわち、絶縁樹脂部材30は、ステータコア10の周方向(C方向)に並ぶ複数の接合部23を一体的に覆うように円環状に形成されている。
絶縁樹脂部材30は、複数の接合部23の全てを覆うように、コイルエンド部21bのうちの複数の接合部23が配置されたZ1側の部分(ステータコア10とは反対側の部分)を覆っているものの、コイルエンド部21bのうちのステータコア10側の部分は覆っていない。なお、絶縁樹脂部材30は、Z1側のコイルエンド部21bを覆うようにステータコア10よりもZ1側に配置されている。絶縁樹脂部材30は、たとえば、熱硬化性を有するエポキシ系の樹脂材料と、紫外線硬化性を有するアクリル系の樹脂材料と、を含む。
図3に示すように、ステータ100は、軸方向(Z方向)が水平方向に沿った方向となるように配置された状態で、上方からコイル20を冷却するための冷却油40が供給されるように構成されている(構成A)。具体的には、ステータ100は、Z方向が水平方向に沿った方向となるように配置された状態で、コイル20および絶縁樹脂部材30に対して、上方からATF等の冷却油40が供給されながら使用される。すなわち、ステータ100は、AT(Automatic Transmission Fluid)等に用いられる。なお、ステータ100は、下側の部分が冷却油40に浸かった状態で使用される。
これにより、上方から供給された冷却油40を、絶縁樹脂部材30における軸方向(Z方向)の外側(Z1側)の第1壁面30a(図4参照)に流すことができる。ここで、後述する構成Bでは、冷却油40(図5参照)が、絶縁樹脂部材30における軸方向(Z方向)の外側の第1壁面30aを樹脂角部31(図4参照)側に向かって流れた場合に、冷却油40を、冷却油40の表面張力によって、樹脂角部31において絶縁樹脂部材30から直ぐに離間せずに、比較的大きな範囲に渡って丸みを帯びた樹脂角部31を介して、絶縁樹脂部材30における径方向(R方向)の第2壁面30b(図4参照)側に回り込むように流れる。したがって、上記構成Aは、後述する構成Bにおいて特に効果的である。
(絶縁樹脂部材の詳細な構成)
図4に示すように、絶縁樹脂部材30における軸方向(Z方向)の外側(Z1側)の第1壁面30aと絶縁樹脂部材30における径方向(R方向)の第2壁面30bとの間の角部である樹脂角部31は、樹脂角部31と、樹脂角部31と対向する平角導線22の角部である導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第1壁面30aと対向する第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第2壁面30bと対向する第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している(構成B)。
図4に示すように、絶縁樹脂部材30における軸方向(Z方向)の外側(Z1側)の第1壁面30aと絶縁樹脂部材30における径方向(R方向)の第2壁面30bとの間の角部である樹脂角部31は、樹脂角部31と、樹脂角部31と対向する平角導線22の角部である導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第1壁面30aと対向する第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと、平角導線22において導線角部22aに隣接するとともに第2壁面30bと対向する第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している(構成B)。
これにより、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2および第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3のうちの一方のみよりも大きくなるように、樹脂角部31が丸みを帯びた形状を有する場合と比較して、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1を小さくすることができる。すなわち、樹脂角部31の近傍において絶縁樹脂部材30の厚さ(冷却時の冷却油40(図5参照)とコイルエンド部21bとの距離)を小さくすることができる。そして、樹脂角部31の近傍において絶縁樹脂部材30の厚さが小さくなる分、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30に覆われた部分の冷却油40による冷却性を向上させることができる。また、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2および第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3のうちの一方のみよりも大きくなるように、樹脂角部31が丸みを帯びた形状を有する場合と比較して、樹脂角部31の丸みを帯びた範囲を大きくすることができる。これにより、図5に示すように、ステータ100の軸方向(Z方向)が水平方向に沿った方向となるように配置された状態で、ATF等の冷却油40が、第1壁面30aに沿って樹脂角部31側に向かって流れた場合に、冷却油40は、冷却油40の表面張力によって、樹脂角部31において絶縁樹脂部材30から直ぐに離間せずに、比較的大きな範囲に渡って丸みを帯びた樹脂角部31を介して、第2壁面30b側に回り込むように流れる。すなわち、絶縁樹脂部材30の表面において冷却油40が流れる範囲(冷却面積)を増加させることができる。そして、絶縁樹脂部材30の表面において冷却油40が流れる範囲(冷却面積)が増加する分、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30に覆われた部分の冷却油40による冷却性を向上させることができる。これらの結果、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30で覆われた部分の冷却油40による冷却性が低下するのを抑制しながら、コイルエンド部21bに設けられたセグメント導体21同士の接合部23を覆うように絶縁樹脂部材30を設けることができる。
図1および図4に示すように、樹脂角部31は、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、円環状の絶縁樹脂部材30の周方向(C方向)における全体に渡って、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している。これにより、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、円環状の絶縁樹脂部材30の周方向(C方向)の一部のみにおいて、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、樹脂角部31が丸みを帯びた形状を有する場合と比較して、周方向において、より広範囲で、樹脂角部31の近傍において絶縁樹脂部材30の厚さ(冷却時の冷却油40(図5参照)とコイルエンド部21bとの距離)を小さくすることができる。その結果、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30に覆われた部分の冷却油40による冷却性をより向上させることができる。
図4に示すように、樹脂角部31は、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、径方向(R方向)の内側(R1側)および径方向(R方向)の外側(R2側)の両方において、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している。これにより、冷却油40(図5参照)が、第1壁面30aに沿って径方向(R方向)の内側(R1側)の樹脂角部31側および径方向(R方向)の外側(R2側)の樹脂角部31のいずれに向かって流れた場合であっても、冷却油40は、冷却油40の表面張力によって、樹脂角部31において絶縁樹脂部材30から直ぐに離間せずに、比較的大きな範囲に渡って丸みを帯びた樹脂角部31を介して、第2壁面30b側に回り込むように流れる。
絶縁樹脂部材30は、第1壁面30aにおいて、周方向(C方向)に延びるように形成された溝状の凹部33を含む。具体的には、凹部33は、第1壁面30aにおいて、R方向の中央部に形成されている。図1に示すように、凹部33は、絶縁樹脂部材30の周方向(C方向)における全体に渡って形成されている。
これにより、図5に示すように、冷却油40が、第1壁面30aに沿って樹脂角部31側に向かって流れる場合に、冷却油40が凹部33を経由することによって、冷却油40が流れる経路が長くなる。すなわち、冷却油40が流れる経路が長くなる分だけ、絶縁樹脂部材30の表面において冷却油40が流れる範囲(冷却面積)を増加させることができる。また、絶縁樹脂部材30が凹部33を含まない場合と比較して、絶縁樹脂部材30の表面積(冷却面積)を大きくすることができるとともに、絶縁樹脂部材30の厚さが小さくなる部分を増加させることができる。すなわち、絶縁樹脂部材30の表面積が大きくなる分、および、絶縁樹脂部材30の厚さ(冷却時の冷却油40とコイルエンド部21bとの距離)が小さくなる部分が増加する分、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30に覆われた部分の冷却油40による冷却性を向上させることができる。これらの結果、コイルエンド部21bのうちの絶縁樹脂部材30に覆われた部分の冷却油40による冷却性をより向上させることができる。
(絶縁樹脂部材の製造方法)
ステータコア10にコイル20が配置された状態で、コイルエンド部21bを、液槽に貯留された液状の樹脂材料に浸漬する。そして、液状の樹脂材料を硬化させる前に、コイルエンド部21bを液槽から取り出す。そして、樹脂材料を硬化させることにより、絶縁樹脂部材30を形成する。これにより、樹脂材料の粘度や温度を適宜調整して、樹脂角部31が、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有するように、絶縁樹脂部材30を形成することができる。
ステータコア10にコイル20が配置された状態で、コイルエンド部21bを、液槽に貯留された液状の樹脂材料に浸漬する。そして、液状の樹脂材料を硬化させる前に、コイルエンド部21bを液槽から取り出す。そして、樹脂材料を硬化させることにより、絶縁樹脂部材30を形成する。これにより、樹脂材料の粘度や温度を適宜調整して、樹脂角部31が、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有するように、絶縁樹脂部材30を形成することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、樹脂角部31は、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、径方向(R方向)の内側(R1側)および径方向(R方向)の外側(R2側)の両方において、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂角部は、樹脂角部と導線角部との最短距離が、径方向の内側および径方向の外側の一方のみにおいて、第1壁面と第1平坦部との距離、および、第2壁面と第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有していてもよい。
また、上記実施形態では、ステータ100は、下側の部分が冷却油40に浸かった状態で使用される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ステータ100は、下側の部分が冷却油に浸かっていない状態で使用されてもよい。
また、上記実施形態では、ステータ100は、軸方向(Z方向)が水平方向に沿った方向となるように配置された状態で、上方からコイル20を冷却するための冷却油40が供給されるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ステータは、軸方向が上下方向に沿った方向となるように配置された状態で、上方からコイルを冷却するための冷却油が供給されるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、絶縁樹脂部材30は、第1壁面30aにおいて、周方向(C方向)に延びるように形成された溝状の凹部33を含むように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絶縁樹脂部材は、第1壁面において、周方向に延びるように形成された溝状の凹部を含まないように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、樹脂角部31は、樹脂角部31と導線角部22aとの最短距離L1が、円環状の絶縁樹脂部材30の周方向(C方向)における全体に渡って、第1壁面30aと第1平坦部22bとの距離L2、および、第2壁面30bと第2平坦部22cとの距離L3よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂角部は、樹脂角部と導線角部との最短距離が、円環状の絶縁樹脂部材の周方向の一部のみにおいて、第1壁面と第1平坦部との距離、および、第2壁面と第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有していてもよい。
また、上記実施形態では、絶縁樹脂部材30は、周方向(C方向)に並ぶ複数の接合部23を一体的に覆うように円環状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絶縁樹脂部材は、周方向に並ぶ複数の接合部を一体的に覆うように円孤状に形成されていてもよい。その場合、樹脂角部は、樹脂角部と導線角部との最短距離が、円孤状の絶縁樹脂部材の周方向における全体に渡って、第1壁面と第1平坦部との距離、および、第2壁面と第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有していてもよいし、樹脂角部と導線角部との最短距離が、円孤状の絶縁樹脂部材の周方向における一部のみにおいて、第1壁面と第1平坦部との距離、および、第2壁面と第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有していてもよい。
また、上記実施形態では、絶縁樹脂部材30は、コイルエンド部21bにおいて、R方向(径方向)およびC方向(周方向)に沿って並ぶ全ての接合部23を覆う形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絶縁樹脂部材は、コイルエンド部において、径方向および周方向に沿って並ぶ全ての接合部のうちの一部の接合部のみを覆う形状を有していてもよい。その場合、絶縁樹脂部材は、1つの接合部のみを覆う形状を有していてもよい。
10…ステータコア、10a…(ステータコアの軸方向の)端面、20…コイル、21…セグメント導体、21b…コイルエンド部、22…平角導線、22a…導線角部、22b…第1平坦部、22c…第2平坦部、22…接合部、30…絶縁樹脂部材、30a…第1壁面、30b…第2壁面、31…樹脂角部、33…凹部、40…冷却油、100…ステータ、102…回転電機、L1…(樹脂角部と導線角部との)最短距離、L2…(第1壁面と第1平坦部との)距離、L3…(第2壁面と第2平坦部との)距離
Claims (5)
- ステータコアと、
平角導線から構成される複数のセグメント導体を含み、前記セグメント導体同士の接合部が、前記ステータコアの軸方向の端面よりも前記軸方向の外側のコイルエンド部に複数設けられたコイルと、
前記接合部を覆う絶縁樹脂部材と、を備え、
前記絶縁樹脂部材における前記軸方向の外側の第1壁面と前記絶縁樹脂部材における前記ステータコアの径方向の第2壁面との間の角部である樹脂角部は、前記樹脂角部と、前記樹脂角部と対向する前記平角導線の角部である導線角部との最短距離が、前記第1壁面と、前記平角導線において前記導線角部に隣接するとともに前記第1壁面と対向する第1平坦部との距離、および、前記第2壁面と、前記平角導線において前記導線角部に隣接するとともに前記第2壁面と対向する第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している、ステータ。 - 前記絶縁樹脂部材は、前記ステータコアの周方向に並ぶ複数の前記接合部を一体的に覆うように円環状または円弧状に形成されており、
前記樹脂角部は、前記樹脂角部と前記導線角部との前記最短距離が、円環状または円弧状の前記絶縁樹脂部材の前記周方向における全体に渡って、前記第1壁面と前記第1平坦部との距離、および、前記第2壁面と前記第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している、請求項1に記載のステータ。 - 円環状または円弧状の前記絶縁樹脂部材は、前記第1壁面において、前記周方向に延びるように形成された溝状の凹部を含む、請求項2に記載のステータ。
- 前記樹脂角部は、前記樹脂角部と前記導線角部との前記最短距離が、前記絶縁樹脂部材における前記径方向の内側および前記径方向の外側の両方において、前記第1壁面と前記第1平坦部との距離、および、前記第2壁面と前記第2平坦部との距離よりも小さくなるように、丸みを帯びた形状を有している、請求項1~3のいずれか1項に記載のステータ。
- 前記軸方向が水平方向に沿った方向となるように配置された状態で、上方から前記コイルを冷却するための冷却油が供給されるように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のステータを備える、回転電機。
Priority Applications (1)
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JP2022059023A JP2023150105A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | ステータ |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=88326705
Family Applications (1)
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JP2022059023A Pending JP2023150105A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | ステータ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023150105A (ja) |
-
2022
- 2022-03-31 JP JP2022059023A patent/JP2023150105A/ja active Pending
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