JP2019193434A - 絶縁電線およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁厚さが長さ方向で異なり、かつ絶縁厚さの寸法精度に優れる絶縁被覆を備えた絶縁電線を提供する。【解決手段】ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、導体と、導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、絶縁被覆は、ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、絶縁電線である。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線およびその製造方法に関する。
モータや変圧器などの電気機器にはコイルが組み込まれている。コイルは、導体の外周上に絶縁被覆が形成された絶縁電線を巻回されて形成されている。
近年、コイルにおける導体の占積率を高めることが求められている。しかし、絶縁電線を巻回してコイルを形成する方法では、占積率の向上に限界がある。
そのため、セグメントコイルを使用してコイルを形成する方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照)。この方法では、まず、絶縁電線をステータのスロットに装着可能な形態に加工し、セグメントコイルを得る。その後、複数のセグメントコイルをスロットに挿入し、各セグメントコイル間を電気的に接合することで、コイルを形成する。
セグメントコイルに使用される絶縁電線を得る方法としては、例えば、絶縁塗料を高粘度材噴霧装置によって導体の表面に噴霧し、噴霧した絶縁塗料を硬化することにより、所定の厚さの絶縁被覆を有する絶縁電線を形成する方法がある(例えば、特許文献2を参照)。なお、特許文献2では、絶縁塗料の噴霧量を導体の長さ方向で変化させることにより、絶縁被覆の厚さ(絶縁厚さ)を調整することが提案されている。
特開2017−123755号公報 特開2013−45624号公報
ところで、モータでは、ステータのコイルエンドに配置されるセグメントコイル同士の間で電位差が大きくなり、部分放電が生じやすい。
一方、絶縁電線では、コイルとなったときに高い電位差が生じない部位もある。例えば、セグメントコイルに使用される絶縁電線において、ステータのコア内に配置される部位は電位差が小さくなり、部分放電が生じにくい。
そして、このような絶縁電線では、ステータの各部位で生じる電位差の大きさに応じた寸法精度の良い絶縁厚さを有する絶縁被覆を備えることが望まれる。
そこで、本発明は、絶縁厚さが長さ方向で異なり、かつ絶縁厚さの寸法精度に優れる絶縁被覆を備えた絶縁電線を提供することを一つの目的とする。
本発明の一態様によれば、
ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
前記絶縁被覆は、
前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
絶縁電線が提供される。
本発明の他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
前記絶縁被覆は、
前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
絶縁電線が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルであって、
前記コイルは、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
前記絶縁被覆は、
前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
コイルが提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルであって、
前記コイルは、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
前記絶縁被覆は、
前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
コイルが提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
導体の外周に熱硬化性樹脂を含む第1の絶縁塗料を塗布し加熱することで第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁塗料を塗布して加熱することで第2の絶縁層を形成し、前記第1および第2の絶縁層を有する絶縁被覆を形成する工程と、を有し、
前記絶縁被覆は、前記第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
絶縁電線の製造方法が提供される。
本発明によれば、絶縁厚さが長さ方向で異なり、かつ絶縁厚さの寸法精度に優れる絶縁被覆を備えた絶縁電線が得られる。
本発明の一実施形態にかかる絶縁電線の斜視図である。 実施例1において絶縁厚さの測定位置を説明するための図であり、(a)は絶縁電線の側面図であり、(b)は絶縁電線の上面図である。 セグメントコイルの構成概略図である。 ステータのコイルエンドを示す部分拡大図である。
<絶縁電線>
以下、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線の斜視図である。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本実施形態の絶縁電線は、絶縁厚さが長さ方向で異なる長尺の電線、もしくは、長尺の電線が切断により個片化された、所定のセグメントコイルに対応する長さを有する短尺の電線を示す。以下では、短尺の電線を例として説明する。
図1に示すように、絶縁電線1は、導体11と、絶縁被覆12とを備えて構成されている。
導体11としては、例えば、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線の他、アルミ、銀またはニッケル等の他の金属線などが用いられる。導体11の断面形状は、特に限定されず、矩形状や円形状とすることができるが、占積率の向上の観点からは図1に示すように矩形状であることが好ましい。なお、導体11の導体径は特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
導体11の外周には、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆12が設けられている。絶縁被覆12は、モータを構成するステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部12aと、第1の絶縁被覆部12aよりも厚い厚さで導体11の長さ方向の一部に局所的に設けられており、ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部12bと、を有する。絶縁被覆12は、第1の絶縁層13および第2の絶縁層14を有する。第1の絶縁層13は、導体11の外周に、導体11の全長にわたって設けられている。第2の絶縁層14は、第1の絶縁層13上に、絶縁電線1の長さ方向の一部に局所的に設けられている。絶縁被覆12は、第1の絶縁層13上に第2の絶縁層14が積層されて構成されることで、第1の絶縁層13からなる第1の絶縁被覆部12aと、第1の絶縁層13および第2の絶縁層14からなる第2の絶縁被覆部12bを有する。第2の絶縁被覆部12bは、第2の絶縁層14の厚さの分、第1の絶縁被覆部12aよりも厚くなっている。
第1の絶縁層13は、熱硬化性樹脂から形成される。熱硬化性樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリエステルイミド樹脂などを用いることができる。例えば、第1の絶縁層13は、樹脂成分(熱硬化性樹脂)および有機溶媒を含む第1の絶縁塗料を導体11の外周に塗布し焼付けことで形成される。なお、第1の絶縁層は、1層に限定されず、必要に応じて2層以上の層を備えて構成されてもよい。例えば、異なる種類の絶縁塗料を用いて種類の異なる樹脂層を積層させて構成されてもよい。
第2の絶縁層14は、熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁塗料を第1の絶縁層13上に塗布し、焼付けることで、第1の絶縁層13の表面上に熱硬化性樹脂を含む絶縁層として形成される。熱硬化性樹脂としては、第1の絶縁層13と同様に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリエステルイミド樹脂などを用いることができる。第1の絶縁層13および第2の絶縁層14を形成する熱硬化性樹脂の種類は同じでもよく、異なっていてもよい。例えば、第2の絶縁層14を第1の絶縁層13とは異なる種類の熱硬化性樹脂で形成することで、異なる特性を付与することができる。例えば、第2の絶縁層14の箇所で曲げ加工などがなされる場合において、第1の絶縁層13よりも可とう性に優れた熱硬化性樹脂を第2の絶縁層14(外層)に用いるなど、多様な設計が可能である。
また、第2の絶縁層14は、熱硬化性樹脂にシリカやアルミナなどの微粒子(例えば、平均粒子径がナノオーダーの大きさの微粒子)が分散された樹脂によって構成されていてもよい。このとき、熱硬化性樹脂としては、上述したポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリエステルイミド樹脂などを用いることができる。この場合、第2の絶縁層14は、熱硬化性樹脂を含む絶縁塗料にオルガノゾルを混合させた第2の絶縁塗料を第1の絶縁層13上に塗布し、焼付けることにより、第1の絶縁層13の表面上に形成することができる。このような樹脂によって第2の絶縁層14が構成されることにより、ステータのコイルエンドにおいて部分放電が生じた場合であっても、部分放電に対する耐性が優れているため、部分放電による絶縁破壊の発生を低減することができる。すなわち、部分放電に対する絶縁性能を効果的に確保することができる。
また、第2の絶縁層14は、イミド基濃度が小さい(例えば、36%以下)熱硬化性樹脂によって構成されていてもよい。このとき、熱硬化性樹脂としては、上述したポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリエステルイミド樹脂などを用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂がポリイミド樹脂の場合では、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを含むポリアミック酸塗料で構成される第2の絶縁塗料を第1の絶縁層13上に塗布し、焼付けることにより、第1の絶縁層13の表面上に第2の絶縁層14を形成することができる。芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(M−BAPB)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)などを用いることができる。また、芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物(PMDA)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)などを用いることができる。このような樹脂によって第2の絶縁層14が構成されることにより、ステータのコイルエンドにおいて部分放電が発生しにくくすることができるため、部分放電による絶縁破壊の発生を低減することができる。すなわち、部分放電に対する絶縁性能を効果的に確保することができる。
第2の絶縁層14の形成位置は、図1では、第1の絶縁層13の一方の面側の中央部であるが、この位置に限定されない。第2の絶縁層14の形成位置は、絶縁電線1をセグメントコイルに加工したときに、ステータのコイルエンドにおいて、隣接するセグメントコイルまたは対向するコアと近接もしくは接触するような電位差が特に大きくなる部分の形状に応じて適宜変更することができる。また、第2の絶縁層14は、第1の絶縁層13の一方の面側だけでなく、両面に形成してもよく、第1の絶縁層13の一部の周囲を覆うように形成してもよい。また、第2の絶縁層14は、1か所だけではなく、複数個所に形成してもよい。
絶縁被覆12における第2の絶縁被覆部12bの厚さ、つまり第1の絶縁層13および第2の絶縁層14の合計厚さは、隣り合うセグメントコイル間などでの特に大きな電位差に対応できるような厚さであればよい。
各絶縁層13、14の厚さは特に限定されず、適宜変更することができる。第2の絶縁層14の厚さは、第1の絶縁層13の熱劣化を抑制する観点からは、第1の絶縁層13より薄いことが好ましい。第2の絶縁層14は、第1の絶縁層13上に第2の絶縁塗料を塗布し焼付けることで形成される。第2の絶縁層14を厚く形成する場合、塗布・焼付けの回数を増やす必要があり、その分、第1の絶縁層13が熱に曝され、劣化しやすくなる。そのため、塗布・焼付けの回数は少ないことが好ましく、3回以下、より好ましくは1回である。この場合、第2の絶縁層14の厚さは、20μm〜80μmとすることができる。また、第2の絶縁層14を第1の絶縁層13よりも薄く形成することにより、第2の絶縁層14がステータのコイルエンドに配置されたときに、コイルエンドに配置されたセグメントコイル間のスペース(距離)を小さくすることができ、ステータのコイルエンド部分が大型化になるのを防止することができる。一方、第1の絶縁層13の厚さは、塗布・焼付けの回数を増やして厚く形成できるので、絶縁電線1に要求される絶縁特性と第2の絶縁層14の厚さに応じて適宜変更可能である。
第2の絶縁層14は、第1の絶縁層13とは別体で形成されており、第1の絶縁層13との間で所定の剥離強度Aを有する。剥離強度Aは、各絶縁層13,14を形成する樹脂の組み合わせ、または、後述する第2の絶縁層14の焼付け方法によって適宜変更することができる。剥離強度Aは、導体11から第1の絶縁層13を剥離するときの剥離強度Bとは同一でもよいが、異ならせてもよい。異ならせる場合であれば、セグメントコイルの種類に応じて、剥離強度Aを剥離強度Bよりも大きくしたり、剥離強度Aを剥離強度Bよりも小さくしたり適宜変更するとよい。剥離強度A、Bは、例えば0.8N/mm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0N/mm以上であることが、密着性の観点から好ましい。
なお、図1〜2では、第2の絶縁層14の表面が平坦な面で示されているが、第2の絶縁層14の表面(第2の絶縁被覆部12bの表面)が第1の絶縁層13の表面(第1の絶縁被覆部12aの表面)に対して導体11の長手方向(図2(a)における左右方向)に沿って傾斜した面、あるいは凸状に湾曲した面で構成されていてもよい。また、図1〜2では、第2の絶縁層14の表面が平坦な面で示されているが、第2の絶縁層14の表面(第2の絶縁被覆部12bの表面)が導体11の幅方向(図2(b)における上下方向)に沿って傾斜、あるいは凸状に湾曲した面で構成されていてもよい。第2の絶縁層14の表面がこのような形状からなる面で構成されていることにより、ステータのコイルエンドにおいて、部分放電が生じやすい箇所に応じた絶縁性能を効果的に確保することができる。なお、第2の絶縁層14の表面が第1の絶縁層13の表面に対して傾斜するとは、第2の絶縁層14の厚さが、導体11の長手方向に沿って増加または減少、もしくは、増加した後に減少することを示す。また、増加および現象は、連続的でもよく段階的でもよい。
<コイル>
本実施形態のコイルは、絶縁電線1がステータのスロットに装着可能なように加工されたセグメントコイルから構成される。例えば、複数のセグメントコイル10の導体11同士を接続することで構成される。セグメントコイル10は、例えば図3に示すように、絶縁電線1をU字型に曲げ加工して形成される。セグメントコイル10における第2の絶縁被覆部12bは、モータのステータにおいて、電位差が特に大きくて部分放電が生じやすい箇所(例えば、ステータのコイルエンドに配置される部分)に配置される。一方、第1の絶縁被覆部12aは、電位差があまりなく部分放電が生じにくい箇所(例えば、ステータのコアの内部)に配置される。具体的には、図4に示すように、ステータ20におけるコア21のスロット(図示略)にセグメントコイル10を挿入し、隣接するセグメントコイル10同士の導体11を接続することで、モータのコイルを構成することができる。
<絶縁電線およびコイルの製造方法>
続いて、上述した絶縁電線1およびそれを用いたコイルの製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、第1の絶縁層13と第2の絶縁層14とを異なるタイミングで形成する。具体的には、第1の絶縁層13を形成した後に第2の絶縁層14を形成する。これにより、第1の絶縁被覆部12aと、第1の絶縁被覆部12aよりも厚い厚さで導体11の長さ方向の一部に局所的に設けた第2の絶縁被覆部12bとを形成する。
まず、導体11として断面が矩形状であって長尺の平角導体を準備する。
続いて、導体11の全長にわたって、導体11の外周に第1の絶縁塗料を塗布し焼き付けることを繰り返すことで、第1の絶縁層13を所定の厚さで形成し、長尺の線材を得る。第1の絶縁層13の厚さは、例えば50μm以上とするとよい。なお、第1の絶縁塗料の粘度は、塗布したときに流れないように高くするとよい。また、第1の絶縁塗料の焼付け温度は、絶縁樹脂の種類により異なるが、例えば350℃以上が好ましい。
続いて、得られた長尺の線材を切断し、所定のセグメントコイルに対応する長さを有する短尺の線材を得る。
続いて、短尺の線材の表面(第1の絶縁層13)に対して長さ方向の一部に局所的に第2の絶縁塗料を塗布し焼き付けることで、第2の絶縁層14を形成する。これにより、第1の絶縁層13および第2の絶縁層14を有する絶縁被覆12を形成する。
上述したように、第2の絶縁層14の形成においては、第1の絶縁層13を熱劣化させるおそれがあるので、第2の絶縁層14は塗布・焼付けを3回以下とすることが好ましく、1回とすることがより好ましい。第2の絶縁層14の厚さは20μm〜80μmとするとよい。
第1の絶縁層13及び第2の絶縁層14の形成では、第1の絶縁塗料及び第2の絶縁塗料に含まれる有機溶媒を近赤外線照射により乾燥させた後に熱硬化性樹脂を加熱により硬化させることが好ましい。なお、第2の絶縁塗料の焼付け温度は、近赤外線照射で乾燥させた後であれば、特性が損なわれない範囲で300℃以下での焼付けも可能である。本発明者の検討によると、有機溶媒を乾燥させずに加熱硬化させると、第2の絶縁層14にボイドが発生しやすくなり、第2の絶縁層14の強度や電気特性が低くなるおそれがある。また、第1の絶縁層13との密着性が低くなり、剥離強度Aが低くなるおそれがある。この点、有機溶媒を乾燥させた上で樹脂成分を加熱硬化させることで、第2の絶縁層14でのボイドを抑制し、強度や電気特性を高く維持することができる。また、第2の絶縁層14を第1の絶縁層13に対して密着性よく形成し、剥離強度Aを高くして、剥離強度Bよりも剥離強度Aを大きくすることができる。なお、近赤外線は、第2の絶縁塗料に含まれる有機溶媒が吸収できる波長に対応して適宜変更するとよい。
以上により、絶縁電線1を得る。この絶縁電線1を所定の形状に曲げ加工することによりセグメントコイルを得る。
<本実施形態にかかる効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態の絶縁電線1においては、第1の絶縁層13上の一部に局所的に第2の絶縁層14が積層させることで絶縁被覆12が形成されている。絶縁被覆12では、第2の絶縁被覆部12bが、第2の絶縁層14の厚さの分だけ、第1の絶縁被覆部12aよりも厚く形成されている。そのため、絶縁電線1をセグメントコイルに加工したときに、絶縁電線1の第2の絶縁被覆部12bがモータの特に電位差の大きな箇所に位置することで、部分放電を抑制することができる。一方、第1の絶縁被覆部12aは、第2の絶縁被覆部12bよりも薄く形成されており、絶縁電線1の占積率を向上させることができる。すなわち、絶縁電線1によれば、モータでの高い電位差に対応できるような絶縁厚さを有しながらも、第2の絶縁被覆部12bと同じで一様な厚さを有する絶縁電線と比べて占積率を高めることができる。なお、本実施形態の絶縁電線1は、小型化のために絶縁電線1を配置するスペースが狭いモータ、高出力化や使用電圧の上昇のために絶縁電線1の絶縁厚さを高出力化や使用電圧の上昇に適した絶縁性能を確保する厚さにしたモータ等に、例えば導体11のサイズを小さくすることなく適用が可能である。
また、本実施形態では、第1の絶縁層13を形成した後、その上の所定の領域に第2の絶縁層14を積層させて形成しているので、第2の絶縁層14の厚さを精度よく調整することができる。つまり、絶縁電線1において、電位差に応じて絶縁厚さを精度よく調整することができる。
また、絶縁被覆12は、熱硬化性樹脂から形成されるため、例えば熱可塑性樹脂などから形成される場合と比べて高い耐熱性を有する。このような絶縁被覆12を備える絶縁電線1によれば、コイルとしてモータに組み込まれて、高温環境下に曝された場合であっても、絶縁被覆12が溶融変形しにくいので、部分放電を抑制することができる。
第1の絶縁層13および第2の絶縁層14は、別体で形成されており、第1の絶縁層13から第2の絶縁層14を剥離するときの剥離強度Aと、導体11から第1の絶縁層13を剥離するときの剥離強度Bとは、異なる。例えば、剥離強度Aを剥離強度Bよりも大きくなるようにすることで、第2の絶縁層14の箇所で曲げ加工などがなされる場合において、密着性が担保されており、より厳しい曲げ加工に耐えうることが可能な絶縁電線を提供できる。第1の絶縁層13よりも可とう性に優れた樹脂を第2の絶縁層14(外層)に用いるなど、多様な設計が可能である。また例えば、剥離強度Bを剥離強度Aよりも大きくなるようにすることで、高温に曝された場合の導体11と第1の絶縁層13との密着性を担保することができる。
第1の絶縁層13および第2の絶縁層14は別体で形成されているので、各絶縁層13,14を異なる熱硬化性樹脂で構成することができる。異なる樹脂成分を用いることで、絶縁電線1に異なる特性を付与することができる。例えば、第2の絶縁層14の箇所で曲げ加工などがなされる場合において、第1の絶縁層13よりも可とう性に優れた樹脂を第2の絶縁層14(外層)に用いるなど、多様な設計が可能である。
また、第2の絶縁層14を形成する際、第2の絶縁塗料を塗布し、近赤外線照射により有機溶媒を乾燥させたうえで、熱硬化性樹脂を加熱硬化させている。これにより、第2の絶縁層14でのボイドを低減することができる。この結果、第2の絶縁層14の強度や絶縁特性を高く維持することができる。また、ボイドの低減により、第1の絶縁層13との密着性を高めて、第1の絶縁層13から第2の絶縁層14を剥離する剥離強度Aを向上させることができる。具体的には、剥離強度Aおよび剥離強度Bをそれぞれ1.0N/mm以上にすることができる。なお、剥離強度Aおよび剥離強度Bは、後述の実施例で示す方法により測定される。また、剥離強度Aは、剥離強度Bとの強度差が小さい方がよい。例えば、剥離強度Aと剥離強度Bとの強度差は、0.3N/mm以下が好ましく、0.1N/mm以下がより好ましい。絶縁電線1では、このような剥離強度A、Bを有することにより、絶縁電線1を図3に示すようなセグメントコイル10に加工する場合やセグメントコイル10をステータに装着する場合などにおいて、第2の絶縁層14が第1の絶縁層13から剥離してしまうことを防止することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述の実施形態では、絶縁厚さが長さ方向で異なる短尺の絶縁電線1に曲げ加工を施すことで、セグメントコイルを作製する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の絶縁層14の形成を曲げ加工後に行うようにしてもよい。具体的には、導体11の外周に第1の絶縁層13が設けられた長尺の線材を切断により短尺の線材を形成し、その線材を曲げ加工によりセグメントコイルの形状に加工した後、所定の部位に第2の絶縁層14を積層させて形成することができる。この場合、曲げ加工を施した後に第2の絶縁層14を形成するため、第2の絶縁層14に曲げ加工による加工歪を生じさせることがない。
また、上述の実施形態では、長尺の線材を切断により個片化した後に第2の絶縁層14を形成しているが、長尺の線材に第2の絶縁層14を積層させて形成した後に切断により個片化するようにしてもよい。具体的には、長尺の線材に対して、長さ方向の所定の領域に第2の絶縁層14を局所的に形成し、長尺の絶縁電線1を作製した後、この絶縁電線1を所定の長さで切断し個片化することにより、セグメントコイル用の短尺な絶縁電線1を得ることができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す構造を有する絶縁電線を作製し、その絶縁厚さの寸法精度と各絶縁層の剥離強度を測定した。
具体的には、導体として幅2.0mm、厚さ3.5mmの平角導体を準備した。この平角導体の外周にポリイミド塗料を塗布し、加熱炉で400℃以上で焼付けることを繰り返すことで、厚さが100μmの第1の絶縁層を形成し、長尺の線材を作製した。続いて、この長尺の線材を長さ250mmで切断し、短尺の線材を得た。この短尺の線材の一方の面側に局所的にポリイミド塗料を塗布し、当該ポリイミド塗料に近赤外線を1分程度照射することで、有機溶媒を乾燥させた。その後、当該ポリイミド塗料の樹脂成分を加熱炉で100℃、200℃で各10minの条件で焼付ける(硬化させる)ことで、厚さが50μmの第2の絶縁層を形成し、セグメントコイル用の絶縁電線を作製した。なお、第2の絶縁層は、絶縁電線の両端部から100mm(中央部の50mm)の範囲に形成した。
作製した絶縁電線について、絶縁厚さの寸法を測定した。具体的には、図2に示すように、A〜Dの各断面での絶縁厚さを測定した。第1の絶縁層の厚さは、Aでは96μm、Bでは95μm、Cでは95μm、Dでは95μmであった。第2の絶縁層の厚さは、Aでは45μm、Bでは47μm、Cでは53μm、Dでは52μmであった。この結果から、絶縁電線の絶縁被覆は、寸法精度に優れた絶縁厚さを有していることが確認された。
また、作製した絶縁電線について、第2の絶縁層を第1の絶縁層から剥離するときの剥離強度Aと、第1の絶縁層を平角導体から剥離するときの剥離強度Bを測定した。具体的には、絶縁電線のフラット面(幅方向)の第2の絶縁層及び第1の絶縁層に対してそれぞれ、幅1.0mmの切込みを入れ、切込みを入れた部分の端末をつまみ、引っ張り試験機で各絶縁層を180℃方向に引っ張り、その際の剥離強度を測定した。その結果、剥離強度Aが1.4N/mm、剥離強度Bが1.5N/mmであり、各絶縁層が所望の密着性を有することが確認された。
以上のように、第1の絶縁層と第2の絶縁層を別体で形成することで、絶縁厚さが長さ方向で異なり、かつ寸法精度に優れる絶縁被覆を備えた絶縁電線を提供することができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
前記絶縁被覆は、
前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
絶縁電線が提供される。
[付記2]
本発明の他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
前記絶縁被覆は、
前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
絶縁電線が提供される。
[付記3]
付記2の絶縁電線において、好ましくは、
前記導体から前記第1の絶縁層を剥離するときの剥離強度と、前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層を剥離するときの剥離強度とが異なる。
[付記4]
付記2又は3の絶縁電線において、好ましくは、
前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層を剥離するときの剥離強度が、前記導体から前記第1の絶縁層を剥離するときの剥離強度よりも大きい。
[付記5]
付記2〜4のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層を剥離するときの剥離強度が、前記導体から前記第1の絶縁層を剥離するときの剥離強度よりも小さい。
[付記6]
付記2〜5のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記第1の絶縁層を構成する熱硬化性樹脂と、前記第2の絶縁層を構成する熱硬化性樹脂とが異なる。
[付記7]
付記2〜6のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記第2の絶縁層の表面は、前記第1の絶縁層の表面に対して、前記導体の長手方向に沿って傾斜している。
[付記8]
付記2〜6のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記第2の絶縁層の表面は、前記第1の絶縁層の表面に対して、前記導体の長手方向に沿って凸状に湾曲している。
[付記9]
付記2〜8のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記第2の絶縁層の厚さは、前記第1の絶縁層の厚さよりも小さい。
[付記10]
本発明のさらに他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルであって、
前記コイルは、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
前記絶縁被覆は、
前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
コイルが提供される。
[付記11]
本発明のさらに他の態様によれば、
ステータに装着可能なコイルであって、
前記コイルは、
導体と、
前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
前記絶縁被覆は、
前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
コイルが提供される。
[付記12]
本発明のさらに他の態様によれば、
導体の外周に熱硬化性樹脂を含む第1の絶縁塗料を塗布し加熱することで第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁塗料を塗布して加熱することで第2の絶縁層を形成し、前記第1および第2の絶縁層を有する絶縁被覆を形成する工程と、を有し、
前記絶縁被覆は、前記第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
絶縁電線の製造方法が提供される。
[付記13]
付記12の絶縁電線の製造方法において、好ましくは、
前記第2の絶縁塗料は樹脂成分および有機溶媒を含み、
前記第2の絶縁層を形成する工程では、前記有機溶媒を赤外線照射により乾燥させた後に前記樹脂成分を加熱により硬化させる。
1 絶縁電線
10 セグメントコイル
11 導体
12 絶縁被覆
12a 第1の絶縁被覆部
12b 第2の絶縁被覆部
13 第1の絶縁層
14 第2の絶縁層
20 ステータ
21 コア

Claims (11)

  1. ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
    導体と、
    前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
    前記絶縁被覆は、
    前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
    前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
    絶縁電線。
  2. ステータに装着可能なコイルに使用されるための絶縁電線であって、
    導体と、
    前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備え、
    前記絶縁被覆は、
    前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
    前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
    前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
    前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
    前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
    絶縁電線。
  3. 前記導体から前記第1の絶縁層を剥離するときの剥離強度と、前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層を剥離するときの剥離強度とが異なる、
    請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 前記第1の絶縁層を構成する熱硬化性樹脂と、前記第2の絶縁層を構成する熱硬化性樹脂とが異なる、
    請求項2又は3に記載の絶縁電線。
  5. 前記第2の絶縁層の表面は、前記第1の絶縁層の表面に対して、前記導体の長手方向に沿って傾斜している
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 前記第2の絶縁層の表面は、前記第1の絶縁層の表面に対して、前記導体の長手方向に沿って凸状に湾曲している
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  7. 前記第2の絶縁層の厚さは、前記第1の絶縁層の厚さよりも小さい
    請求項2〜6のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  8. ステータに装着可能なコイルであって、
    前記コイルは、
    導体と、
    前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
    前記絶縁被覆は、
    前記ステータのコアの内部に配置される部分である第1の絶縁被覆部と、
    前記第1の絶縁被覆部よりも厚い厚さで前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられており、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である第2の絶縁被覆部と、を有する、
    コイル。
  9. ステータに装着可能なコイルであって、
    前記コイルは、
    導体と、
    前記導体の外周に設けられ、熱硬化性樹脂を含む絶縁層で構成される絶縁被覆と、を備える絶縁電線からなり、
    前記絶縁被覆は、
    前記導体の外周に設けられる第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、
    前記第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に設けられる第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
    前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
    前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
    前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
    コイル。
  10. 導体の外周に熱硬化性樹脂を含む第1の絶縁塗料を塗布し加熱することで第1の絶縁層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層上に前記導体の長さ方向の一部に局所的に熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁塗料を塗布して加熱することで第2の絶縁層を形成し、前記第1および第2の絶縁層を有する絶縁被覆を形成する工程と、を有し、
    前記絶縁被覆は、前記第1の絶縁層から構成される第1の絶縁被覆部と、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から構成される第2の絶縁被覆部と、を有し、
    前記第2の絶縁被覆部の厚さが前記第1の絶縁被覆部の厚さよりも厚く、
    前記第1の絶縁被覆部は、前記ステータのコアの内部に配置される部分であり、
    前記第2の絶縁被覆部は、前記ステータのコイルエンドに配置される部分である、
    絶縁電線の製造方法。
  11. 前記第2の絶縁塗料は樹脂成分および有機溶媒を含み、
    前記第2の絶縁層を形成する工程では、前記有機溶媒を赤外線照射により乾燥させた後に前記樹脂成分を加熱により硬化させる、
    請求項10に記載の絶縁電線の製造方法。
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