JP6298864B2 - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、絶縁電線およびその製造方法に関する。
近年、電子機器、電気機器の小型化に伴い、これらの機器に装着されるコイルの小型化が求められている。コイルの小型化は、断面が矩形状のエナメル線(平角エナメル線)により実現されている。平角エナメル線は、断面が円形状のエナメル線(丸形エナメル線)よりもコイル状に巻き付けたときのエナメル線同士の隙間が小さく、占積率が高いことから、コイルの小型化を図ることができる。
平角エナメル線の製造方法として、矩形状の断面を有する平角導体を製造した後、この平角導体の外周に絶縁層を設ける方法が挙げられる。このような方法については、平角導体の短辺上に設けられる絶縁層が平角導体の長辺上に設けられる絶縁層に比べて薄くなることから、平角導体の短辺側の絶縁性を確保しにくい。
他の製造方法として、円形状の断面を有する丸形導体の外周に絶縁層が設けられた被覆導体を製造した後、この被覆導体に対して長手方向に垂直な方向から荷重を印加することにより圧延して、平角導体の外周に絶縁層が設けられた平角エナメル線とする方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。このような方法によれば、平角導体の短辺上に設けられる絶縁層が厚くなることから、平角導体の短辺側の絶縁性も確保することができる。
しかしながら、このような方法に用いられる絶縁層には、密着性、可撓性に優れることが求められる。すなわち、絶縁層を形成してから圧延を行う場合、圧延時の荷重により絶縁層が剥離しやすく、絶縁層には密着性に優れることが求められる。また、圧延時の丸形導体から平角導体への変形、特に、平角導体の直角状となる角部に剥離やひび割れをしないで追従できるように、絶縁層には可撓性に優れることが求められる。
また、絶縁層は、通常、ポリイミドを含むワニスの塗布および焼き付けを繰り返すことにより形成されており、実質的に複数の層から構成されている。このような場合、絶縁層を構成する層どうしの間で剥離する虞があり、絶縁層にはこのような剥離も抑制されることが求められる。以下、絶縁層を構成する層どうしの間での剥離を層間剥離と記す。
また、コイルの小型化には、平角エナメル線を薄くすることが有効となる。平角エナメル線を薄くするには、圧延時の荷重を大きくする必要があり、このような場合、絶縁層には、特に、密着性、可撓性に優れることが求められる。また、平角エナメル線を薄くする場合、必然的に絶縁層も薄くなることから、絶縁層には絶縁性や耐熱性に優れることも求められる。
従来、絶縁層には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミドが用いられている。テトラカルボン酸二無水物として、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物からなり、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物に対してピロメリット酸二無水物が同量以下であるもの(例えば、特許文献2、3参照。)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、およびピロメリット酸二無水物からなり、ピロメリット酸二無水物が40モル%以下であるもの(例えば、特許文献4参照。)が挙げられる。
特開昭54−37287号公報 特開平9−077972号公報 特開平9−137118号公報 特開2015−135766号公報
本発明は、可撓性、耐熱性等に優れるとともに、層間剥離の発生が抑制された絶縁層を有し、圧延により好適に製造することのできる平角エナメル線を提供することを目的としている。また、本発明は、このような平角エナメル線を製造するための製造方法を提供することを目的としている。
実施形態の絶縁電線は、導体と、この導体の外周に設けられる絶縁層とを有する。導体は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する矩形状の断面を有する。絶縁層は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、ジアミン成分単位(b)とを含むポリイミドを含む。
実施形態の製造方法は、上記絶縁電線の製造方法に関する。実施形態の製造方法は、第1の工程および第2の工程を有する。第1の工程では、丸形の導体と、この丸形の導体の外周に設けられる絶縁層とを有する被覆導体を製造する。絶縁層は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、ジアミン成分単位(b)とを含むポリイミドを含む。第2の工程は、被覆導体に対して長手方向に垂直な方向から荷重を印加して圧延する。
本発明によれば、可撓性、耐熱性等に優れるとともに、層間剥離の発生が抑制された絶縁層を有し、圧延により好適に製造することのできる平角エナメル線を提供することができる。
第1の実施形態の絶縁電線を示す断面図である。 第2の実施形態の絶縁電線を示す断面図である。 実施形態の絶縁電線の製造に用いられる被覆導体を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
1.絶縁電線
図1は、第1の実施形態の絶縁電線を示す断面図である。
絶縁電線10は、導体11と、この外周を覆う絶縁層12と、を有する。絶縁電線10は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する矩形状の断面を有する。一対の短辺は、例えば、弧状となるように外側に凸状となっている。このような断面、特に、一対の短辺が外側に凸状となるような断面は、丸形の導体の外周に絶縁層が設けられた被覆導体を圧延することにより得ることができる。
絶縁電線10の断面における一対の短辺間の長さL1と一対の長辺間の長さL2との比L1/L2は、5以上であることが好ましい。比L1/L2が5以上である場合、圧延により製造したときに長辺部分に設けられている絶縁層12の厚みに比べて短辺部分に設けられている絶縁層12の厚みが厚くなりやすく、短辺側の絶縁性を確保しやすい。比L1/L2は、短辺側の絶縁性を確保する観点から、8以上がより好ましい。
一方、比L1/L2は、20以下であることが好ましい。比L1/L2が20以下である場合、圧延により製造したときに長辺部分に設けられている絶縁層12の厚みが確保されてひび割れの発生が抑制されることから、長辺側の絶縁性を確保しやすい。比L1/L2は、長辺側の絶縁性を確保する観点から、15以下がより好ましい。
なお、長さL1は、長辺と平行な方向における長さのうち最も長い部分における長さである。また、長さL2は、長辺に対して垂直な方向における長さのうち最も長い部分における長さである。
長さL1は、機械的強度等を確保する観点から、0.10mm以上が好ましく、0.20mm以上がより好ましい。また、コイルを小型化する観点から、2.00mm以下が好ましく、1.70mm以下がより好ましい。
長さL2は、機械的強度等を確保する観点から、0.015mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましい。また、コイルを小型化する観点から、0.50mm以下が好ましく、0.40mm以下がより好ましい。
(導体11)
導体11は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する矩形状の断面を有する。一対の短辺は、例えば、弧状となるように外側に凸状となっている。このような断面、特に、一対の短辺が外側に凸状となるような断面は、丸形の導体を圧延することにより得ることができる。
導体11は、銅、アルミニウム、鉄、銀、これらの合金等からなる。機械的強度、導電率等の観点から、銅または銅合金が好ましい。
導体11の断面における一対の短辺間の長さL3は、0.10mm以上が好ましく、0.20mm以上がより好ましい。また、2.00mm以下が好ましく、1.70mm以下がより好ましい。
一方、導体11の断面における一対の長辺間の長さL4は、0.015mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましい。また、0.50mm以下が好ましく、0.40mm以下がより好ましい。
導体11の断面における一対の短辺間の長さL3と一対の長辺間の長さL4との比L3/L4は、5以上であることが好ましい。比L3/L4が5以上である場合、圧延により製造したときに長辺上に設けられる絶縁層12の厚みに比べて短辺上に設けられる絶縁層12の厚みが厚くなりやすく、短辺側の絶縁性を確保しやすい。比L3/L4は、短辺側の絶縁性を確保する観点から、8以上がより好ましい。
一方、比L3/L4は、20以下であることが好ましい。比L3/L4が20以下である場合、圧延により製造したときに長辺部分に設けられている絶縁層12の厚みが確保されてひび割れの発生が抑制されることから、長辺側の絶縁性を確保しやすい。比L3/L4は、長辺側の絶縁性を確保する観点から、15以下がより好ましい。
なお、長さL3は、長辺と平行な方向における長さのうち最も長い部分における長さである。また、長さL4は、長辺に対して垂直な方向における長さのうち最も長い部分における長さである。
(絶縁層12)
絶縁層12は、絶縁電線10に絶縁性および耐熱性を付与するものであり、例えば、導体11に接触して設けられている。絶縁層12は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する枠状の断面を有する。このような断面、特に、一対の短辺が外側に凸状となるような断面は、丸形の導体の外周に設けられる絶縁層を圧延することにより得ることができる。
絶縁電線10は、例えば、長辺どうしが接触するように積層されてコイル状に巻き付けられ、短辺側が露出した状態で用いられる。このような場合、露出する短辺側の絶縁性および耐熱性を確保する観点から、絶縁層12の短辺部分の厚みL5が絶縁層12の長辺部分の厚みL6よりも厚いことが好ましい。
短辺部分の厚みL5は、短辺側の絶縁性および耐熱性を確保する観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。短辺部分の厚みL5は、コイルを小型化する観点から、25μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
長辺部分の厚みL6は、長辺側の絶縁性および耐熱性を確保する観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。長辺部分の厚みL6は、コイルを小型化する観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
短辺部分の厚みL5と長辺部分の厚みL6との比L5/L6は、短辺側および長辺側のそれぞれに必要とされる絶縁性および耐熱性の確保等の観点から、1.2以上が好ましく、2以上がより好ましい。通常、12以下が好ましく、8以下がより好ましい。
なお、厚みL5は、長辺と平行な方向における厚みのうち最も厚い部分における厚みである。また、厚みL6は、長辺に対して垂直な方向における厚みのうち最も厚い部分における厚みである。
絶縁層12は、ポリイミドを含む。このポリイミドは、テトラカルボン酸成分単位(a)とジアミン成分単位(b)とを含む。また、このテトラカルボン酸成分単位(a)は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物(BTDA)単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物(PMDA)単位55〜85モル%とを含む。
テトラカルボン酸成分単位(a)がベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%とピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むことにより、可撓性、耐熱性等を向上させることができるとともに、層間剥離の発生も抑制することができる。
具体的には、ピロメリット酸無水物単位が55モル%以上の場合、可撓性、耐熱性等に優れたものとなる。また、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位が15モル%以上の場合、絶縁層12を構成する層どうしの間の密着力(相関密着力)が高くなるために層間剥離が抑制される。一方、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位が45モル%を超える場合、導体11と絶縁層12との密着力が高くなるために、絶縁層12に発生したひび割れに伴って導体11にひび割れが発生するいわゆる共割れが発生する虞がある。
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位としては、2,2’,3,3’−ベンソフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ベンソフェノンテトラカルボン酸無水物が挙げられ、3,3’,4,4’−ベンソフェノンテトラカルボン酸無水物が好ましい。
テトラカルボン酸成分単位(a)におけるベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物の割合(P[モル%])とピロメリット酸無水物単位の割合(P[モル%])との比(P/P)は、1.20以上が好ましい。1.20以上の場合、可撓性、耐熱性等に優れたものとなりやすい。可撓性、耐熱性等の観点から、1.5以上がより好ましい。また、層間剥離を抑制する観点から、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下がさらに好ましい。
テトラカルボン酸成分単位(a)は、必要に応じて、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位およびピロメリット酸無水物単位以外のテトラカルボン酸単位を含むことができる。
テトラカルボン酸成分単位(a)中、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位およびピロメリット酸無水物単位以外のテトラカルボン酸単位は、5モル%以下であり、3モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましい。
特に、コストの面から、テトラカルボン酸成分単位(a)は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位およびピロメリット酸無水物単位以外のテトラカルボン酸単位を含まないことが好ましい。
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位、ピロメリット酸無水物単位以外の他のテトラカルボン酸単位としては、芳香族テトラカルボン酸単位、脂肪族テトラカルボン酸単位が挙げられる。
他の芳香族テトラカルボン酸として、オキシジフタル酸、3−フルオロピロメリット酸無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸無水物、3,6−ビス(トリフルオロ)ピロメリット酸無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、3−オキシ−4,4’−ジフタル酸無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸として、エタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸無水物、3、3’、4、4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
ジアミン成分単位(b)は、芳香族ジアミン単位または脂肪族ジアミン単位を含む。
芳香族ジアミン単位は、炭素原子数が6〜30であることが好ましい。芳香族ジアミン単位としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等が挙げられる。
脂肪族ジアミン単位は、炭素原子数が4〜20であることが好ましい。脂肪族ジアミン単位としては、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性に優れるポリイミドが得られることから芳香族ジアミン単位が好ましく、適度な柔軟性を有することから4,4−ジアミノジフェニルエーテル単位が好ましい。
ジアミン成分単位(b)は、4,4−ジアミノジフェニルエーテル単位を80モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。
ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分単位を含むジアミン成分単位(b)とを含むことが好ましい。
上記組成範囲の中でも、相関剥離を抑制する観点から、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位25〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜75モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分単位を含むジアミン成分単位(b)とを含むことが好ましい。
また、相関剥離を抑制しつつ、可撓性、耐熱性に優れたものとする観点から、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位30〜40モル%と、ピロメリット酸無水物単位60〜70モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分単位を含むジアミン成分単位(b)とを含むことが好ましい。
ポリイミドの極限粘度は、1〜20dl/gであることが好ましい。ポリイミドの極限粘度が20dl/g以下であると、ポリイミドワニスの粘度が適度となることから、導体11の外周に均一な厚みに塗布しやすい。
ポリイミドの極限粘度は、以下の手順で測定することができる。ポリイミドを濃硫酸に溶解させて試料溶液を調製する。25℃±0.05℃の条件下、ウベローデ粘度計を用いて試料溶液の流下秒数を測定する。この測定値を下記式にあてはめて、極限粘度[η]を算出する。
[η]=ηSP/[C(1+kηSP)]
ηSP=(t−t0)/t0

[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:溶媒の流下秒数(秒)
k:定数(溶液濃度の異なるサンプル(3点以上)の比粘度を測定し、
横軸に溶液粘度、縦軸にηSP/Cをプロットして求めた傾き)
絶縁層12は、必要に応じて、ポリイミド以外の成分を含むことができる。ポリイミド以外の成分として、密着性向上剤等が挙げられる。ポリイミド以外の成分は、耐熱性、絶縁性の観点から、絶縁層12中、10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
図2は、第2の実施形態の絶縁電線を示す断面図である。
第2の実施形態の絶縁電線10は、絶縁層12の外周を覆う自己融着層13をさらに有する。なお、第2の実施形態の絶縁電線10は、自己融着層13を有することを除いて第1の実施形態の絶縁電線10と同様の構成を有する。
(自己融着層13)
自己融着層13は、絶縁電線10どうしを熱融着させる機能を有する。自己融着層13は、軟化温度が280℃以下の樹脂を含むことが好ましく、200℃以下の樹脂を含むことがより好ましい。樹脂の軟化温度は、JIS C32166−6に準拠して測定できる。
樹脂としては、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニル斑ラール等)、ポリウレタン、フェノキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂等)、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリスルホン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性を損なうことなく低温で融着できることから、ポリアミドが好ましく、脂肪族ポリアミドがより好ましい。
自己融着層13は、必要に応じて他の成分を含むことができる。他の成分として、酸化防止剤、潤滑剤等が挙げられる。
酸化防止剤は、自己融着層13に含まれる熱可塑性樹脂の熱劣化を防止する。酸化防止剤として、フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系の酸化防止剤が挙げられる。
潤滑剤として、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の合成系潤滑剤、蜜蝋、カルナウバ蝋、キャンデリラワックス等の天然系潤滑剤が挙げられる。
自己融着層13の厚みは、1.0〜10.0μmであることが好ましい。1.0μm以上であると、絶縁電線10どうしを融着させることが容易になる。融着の観点からは、10.0μmもあれば十分である。また、これ以下であると、自己融着層13の形成が容易になる。
第1、第2の実施形態の絶縁電線10は、産業用、自動車用のモータ、発電機等の耐熱性が要求されるコイルの巻線として好ましく用いることができる。
2.製造方法
次に、実施形態の製造方法について説明する。
実施形態の製造方法は、第1の工程および第2の工程を有する。
第1の工程では、丸形の導体と、この丸形の導体の外周に設けられる絶縁層とを有する被覆導体を製造する。絶縁層は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、ジアミン成分単位(b)とを含むポリイミドを含む。
第2の工程では、被覆導体に対して長手方向に垂直な方向から荷重を印加して圧延する。
以下、第1の実施形態の絶縁電線10を製造する場合について具体的に説明する。
なお、以下では、第1の実施形態の絶縁電線10における部分と同様の部分については同一の符号を付している。
(第1の工程)
第1の工程では、図3に示すように丸形の導体11の外周に絶縁層12が形成された被覆導体20を製造する。丸形の導体11は、円形状の断面を有するものであり、第1の実施形態の絶縁電線10における導体11となるものである。また、絶縁層12は、第1の実施形態の絶縁電線10における絶縁層12となるものである。
絶縁層12は、丸形の導体11の外周にポリイミド前駆体ワニスまたはポリイミドワニスを付与した後、焼き付けることにより形成することができる。ポリイミド前駆体ワニスまたはポリイミドワニスの付与は、塗布法、浸漬法、電着法等により行うことができる。
ポリイミド前駆体ワニスまたはポリイミドワニスの付与および焼き付けは、1回のみ行ってもよいし、2回以上繰り返して行ってもよい。絶縁層12の厚みを確保する観点等から、3回以上繰り返して行うことが好ましく、5回以上繰り返して行うことがより好ましい。繰り返しの回数の上限は、必ずしも制限されないが、20回程度もあれば十分に厚みを確保することができ、これ以下とすることで生産性等が良好になる。
なお、付与および焼き付けを2回以上行う場合、絶縁層12は実質的に付与および焼き付けの回数に応じた複数の層を有することとなる。このように絶縁層12が複数の層からなる場合、層間剥離が発生する虞があるが、テトラカルボン酸成分単位(a)がベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%とピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むことにより、層間剥離の発生を抑制することができる。
焼き付け温度は、ワニス中の溶媒を除去できる温度(ポリイミド前駆体ワニスを用いる場合には、ポリイミド前駆体を硬化できる温度)であればよく、例えば、200〜600℃が好ましく、350〜500℃がより好ましい。
ポリイミド前駆体ワニスまたはポリイミドワニスは、ポリイミド前駆体ワニスまたはポリイミドワニスが溶媒中に溶解したものである。これらのワニスは、溶媒中で前述のテトラカルボン酸成分(a)とジアミン成分(b)とを反応させて得ることができる。溶媒としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
(第2の工程)
第2の工程では、被覆導体20に対して長手方向に垂直な方向から荷重を印加して圧延する。これにより、例えば、図1に示されるような矩形状の断面を有する絶縁電線10を製造することができる。第2の工程では、特に、被覆導体20に対して長手方向に垂直な方向となる一方向から荷重を印加して圧延することが好ましい。
実施形態の製造方法では、絶縁層12に所定のポリイミドを用いる。これにより、可撓性に優れたものとなり、圧延時の絶縁層12の剥離やひび割れ、特に、導体11の直角状となる角部に設けられる絶縁層12の剥離やひび割れの発生、絶縁層12における層間剥離の発生等を抑制することができる。
なお、第2の実施形態の絶縁電線10ように自己融着層13を形成する場合、第1の工程と第2の工程との間で自己融着層13を形成してもよいし、第2の工程後に自己融着層13を形成してもよい。自己融着層13の形成は、自己融着層用組成物の付与および焼き付けにより行うことができる。
自己融着層用組成物は、例えば、熱可塑性樹脂と溶媒とを含む。溶媒としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。
なお、本発明は、これらの実施例により限定されない。
1.ポリイミドワニスの調整
(ポリイミドワニスC−1)
攪拌機、窒素流入管、および加熱冷却装置を備えたフラスコ内に、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸無水物(PMDA)、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を投入し、窒素雰囲気下で攪拌しながら2時間反応させてポリイミドワニスC−1を得た。
ここで、テトラカルボン酸成分、ジアミン成分の投入量は、それぞれ、1.00モルとした。また、テトラカルボン酸成分は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を45モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を55モル%含むものとした。また、溶媒の投入量は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分との合計100質量部に対して400質量部とした。
(ポリイミドワニスC−2)
テトラカルボン酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を35モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を65モル%としたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−2を得た。
(ポリイミドワニスC−3)
テトラカルボン酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を30モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を70モル%としたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−3を得た。
(ポリイミドワニスC−4)
テトラカルボン酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を20モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を80モル%としたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−4を得た。
(ポリイミドワニスC−5)
テトラカルボン酸成分としてピロメリット酸無水物(PMDA)のみを用いたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−5を得た。
(ポリイミドワニスC−6)
テトラカルボン酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を60モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を40モル%としたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−6を得た。
(ポリイミドワニスC−7)
テトラカルボン酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を90モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)を10モル%としたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−7を得た。
(ポリイミドワニスC−8)
テトラカルボン酸成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)15モル%、ピロメリット酸無水物(PMDA)35モル%、および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50モル%を用いたことを除いて、ポリイミドワニスC−1と同様にしてポリイミドワニスC−8を得た。
2.絶縁電線の作製および評価
(実施例1)
丸型の導体の外周にポリイミドワニスC−1の塗布および焼き付けを15回繰り返して行って、丸型の導体の外周に4.5μmの厚みを有する絶縁層が形成された被覆導体を製造した。なお、丸型の導体は、銅からなるものであり、直径は0.25mmである。
その後、被覆導体に対して長手方向に垂直な方向となる一方向のみから荷重を印加することにより圧延を行って、図1に示されるような矩形状の断面を有する絶縁電線を製造した。
ここで、絶縁電線の断面における一対の短辺間の長さL1は0.22mm、一対の長辺間の長さL2は0.025mm、比L1/L2は8.8である。導線の断面における一対の短辺間の長さL3は0.22mm、一対の長辺間の長さL4は0.025mm、比L3/L4は8.8である。絶縁層12の短辺部分の厚みL5は8μm、長辺部分の厚みL6は3.5μm、比L5/L6は2.28である。
(実施例2)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−2を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(実施例3)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−3を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(実施例4)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−4を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(比較例1)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−5を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(比較例2)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−6を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(比較例3)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−7を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
(参考例1)
ポリイミドワニスC−1の代わりにポリイミドワニスC−8を用いたことを除いて、実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
次に、実施例1〜3、比較例1〜3、参考例1の絶縁電線について、以下に示すようにして、ガラス転移点(Tg)、耐熱性、可撓性、層間剥離の評価を行った。また、これらの評価に基づいて総合評価を行った。結果を表1に示す。
(ガラス転移点(Tg))
DSC法により、絶縁層のガラス転移点(Tg)を測定した。
(耐熱性)
ガラス転移点(Tg)の測定結果に基づいて耐熱性を評価した。表中、「◎」は、ガラス転移点(Tg)が320℃以上であり、「○」は、250℃以上320℃未満であり、「×」は、250℃未満であることを示す。
(可撓性)
JIS C 3216−3に記載の方法に基づいて可撓性を評価した。まず、試験片として、400mmの長さの直線状の絶縁電線を用意した。その後、絶縁電線を長手方向に30%伸長し、直径1mmの丸棒に沿って試験片をらせん状に100ターン巻き付け、ルーペを使用して絶縁層における亀裂の有無を観察した。
表中、「◎」は、亀裂の発生が10箇所未満の時、「○」は、亀裂の発生が10箇所以上30箇所未満の時、「×」は、亀裂が30箇所以上発生したことを示す。
(層間剥離)
刃間隔が1mm程度の二枚刃を用いて、絶縁層の表面に5μm程度の深さの2本の切り込みを入れた。また、2本の切り込みの長手方向における一方の端部側を繋げるようにさらにこれらに対して垂直な方向に切り込みを入れた。その後、これらの切り込みにより囲まれた部分を引き剥がして引張試験機に装着し、引張速度約2mm/minの引張試験を行って引張強度を測定した。
表中、「◎」は、引張強度が0.3N以上であり、「○」は、0.01N以上0.3N未満であり、「×」は、0.01N未満であることを示す。なお、引張強度が高いほど層間剥離が発生しにくいことを示す。
(総合評価)
耐熱性、可撓性、層間剥離の評価に基づいて総合評価を行った。
表中、「A」は、全ての評価が「◎」であり、「B」は、全ての評価が「◎」または「○」のいずれかであり、「C」は、1以上の評価に「×」があることを示す。
Figure 0006298864
表1から明らかなように、テトラカルボン酸成分単位がベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%とピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含んでいる場合、可撓性、耐熱性が良好となり、相関剥離の発生も抑制される。特に、テトラカルボン酸成分単位がベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位30〜40モル%とピロメリット酸無水物単位60〜70モル%とを含んでいる場合、相関剥離の発生が抑制される。
10…絶縁電線、11…導体、12…絶縁層、13…自己融着層、20…被覆導体

Claims (8)

  1. 丸形の導体と、前記丸形の導体の外周に設けられる絶縁層とを有する被覆導体を製造する第1の工程と、
    前記被覆導体に対して長手方向に垂直な方向から荷重を印加して圧延し絶縁電線を得る第2の工程と、
    を有し、
    記絶縁層は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、ジアミン成分単位(b)とを含むポリイミドを含み、
    前記第2の工程を経た前記導体は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する矩形状の断面を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  2. 前記絶縁電線は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する矩形状の断面を有し、前記絶縁電線における一対の短辺間の長さL1と前記絶縁電線における一対の長辺間の長さL2との比L1/L2が5〜20であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。
  3. 前記絶縁層は、前記導体に接触していることを特徴とする請求項1または2記載の絶縁電線の製造方法。
  4. 前記第2の工程を経た前記絶縁層は、互いに対向する一対の長辺と、互いに対向してかつ外側に凸状となる一対の短辺とを有する枠状の断面を有し、前記絶縁層における前記短辺部分の厚さが前記絶縁層における前記長辺部分の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の絶縁電線の製造方法。
  5. 前記第2の工程を経た前記絶縁層の前記短辺部分の厚みが3〜25μmであることを特徴とする請求項4項記載の絶縁電線の製造方法。
  6. 前記絶縁層の外周に軟化温度280℃以下の樹脂を含む自己融着層を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の絶縁電線の製造方法。
  7. 前記ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位15〜45モル%と、ピロメリット酸無水物単位55〜85モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分単位を含むジアミン成分単位(b)と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の絶縁電線の製造方法。
  8. 前記ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物単位30〜40モル%と、ピロメリット酸無水物単位60〜70モル%とを含むテトラカルボン酸成分単位(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分単位を含むジアミン成分単位(b)と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の絶縁電線の製造方法。
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