JP2008256373A - 蒸着膜評価方法およびそれを用いる光学部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に蒸着膜を有する光学部材の該蒸着膜表面上で、原子間力顕微鏡の探針を振動させながら走査して位相変化を測定し、測定された位相変化に基づいて前記蒸着膜を評価する蒸着膜評価方法。
【選択図】なし
Description
この滑り感は、通常、実際に人の手で拭き取りを行い評価されている。しかし、この方法は感覚的評価であるため、評価する人によって評価結果に違いがでる可能性があり、また、細かな違いを評価することが難しい、等の問題があった。
表面性を客観的に評価できる指標の1つとしては、動摩擦係数がある。しかし、動摩擦係数と感覚的評価での滑り感の評価結果との間には明確な相関性が見られないことがあり、動摩擦係数が同程度であっても滑り感が大きく違う場合があった。
[1]基材上に蒸着膜を有する光学部材の該蒸着膜表面上で、原子間力顕微鏡の探針を振動させながら走査して位相変化を測定し、測定された位相変化に基づいて前記蒸着膜を評価する蒸着膜評価方法。
[2]蒸着膜表面の滑り感を評価する[1]に記載の蒸着膜評価方法。
[3]前記走査を、蒸着膜表面に探針を断続的に接触させて行う[1]または[2]に記載の蒸着膜評価方法。
[4]前記走査を、蒸着膜表面と探針を非接触状態にして行う[1]または[2]に記載の蒸着膜評価方法。
[5]評価される蒸着膜は、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含む蒸着材料を基材上に蒸着することによって形成された蒸着膜である[1]〜[4]のいずれかに記載の蒸着膜評価方法。
[6]評価される蒸着膜は、下記成分(A)〜(C)を含む蒸着材料を基材上に蒸着することにより形成された蒸着膜である[1]〜[5]のいずれかに記載の蒸着膜評価方法。
成分(A):一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
成分(B):下記一般式(II)で表されるシラン化合物
R'−Si(OR'')3および/またはSi(OR'')4 ・・・(II)
(一般式(II)式中、R'は有機基であり、R''はアルキル基である。)
成分(C):下記一般式(III)で表される変性シリコーンオイル
[7]評価される蒸着膜は、撥水性を有する[1]〜[6]のいずれかに記載の蒸着膜評価方法。
[8]複数の基材上に蒸着材料を蒸着することにより蒸着膜を有する光学部材を複数製造する工程と、
製造された複数の光学部材の少なくとも1つについて、該光学部材が有する蒸着膜を、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法により評価する工程と、
評価結果に基づき製品として出荷する光学部材を決定する工程と、
を含む光学部材の製造方法。
[9]前記蒸着材料は、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含む蒸着材料である[8]に記載の光学部材の製造方法。
[10]前記蒸着材料は、下記成分(A)〜(C)を含む蒸着材料である[8]または[9]に記載の光学部材の製造方法。
成分(A):一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
成分(B):下記一般式(II)で表されるシラン化合物
R'−Si(OR'')3および/またはSi(OR'')4 ・・・(II)
(一般式(II)式中、R'は有機基であり、R''はアルキル基である。)
成分(C):下記一般式(III)で表される変性シリコーンオイル
[11]前記蒸着膜は、撥水性を有する[8]〜[10]のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
以下、本発明の蒸着膜評価方法について詳細に説明する。
振幅一定で振動させながら評価対象の表面上を走査し、カンチレバー振動の位相変化を検出する。表面のある部分と他の部分との間に何らかの物性の違いがあると、その違いの程度に応じて位相が変化する。本発明者らは、この位相変化が蒸着膜の表面性と良好に相関することを新たに見出した。特に、上記位相変化と蒸着膜の滑り感との間には、きわめて良好な相関性が見られた。即ち、本発明の蒸着膜評価方法によれば、原子間力顕微鏡の探針を蒸着膜表面上で振動させながら走査して測定される位相変化に基づいて、蒸着膜の滑り感等の表面性を評価することができる。
図1は、原子間力顕微鏡による測定によって得られる位相差の度数分布を基に作成された度数分布曲線の説明図である。図1中、Pmは最頻値、Dmは最頻値における相対度数、Pmaxは位相差最大値、Pminは位相差最小値、WrはPmaxとPminとの差、Whは半値幅である。
前述のように、一般的な原子間力顕微鏡は先端に探針を有するカンチレバーを有し、このカンチレバーを振動させて測定対象の表面上を走査することにより位相変化を測定することができる。測定モードとしては、一般にタッピングモードと呼ばれるモードを用いることができる。また、測定モードは、表面との接触の有無により、探針を測定対象の表面と断続的に接触させるコンタクトモードと、非接触状態に維持するノンコンタクトモードに分けられる。いずれの場合もカンチレバーを軽く上下に振動させながら(タップしながら)、測定対象表面を走査することにより位相変化を測定することができる。どちらも評価した光学部材にダメージを与えないと言う点で好ましい。
本発明の評価方法は、撥水性、防汚性等の性質を基材表面に付与するために基材上に形成される蒸着膜へ適用することができる。評価対象となる蒸着膜は、一般に撥水性膜と呼ばれる、高い撥水性を有する薄膜であることが好ましい。具体的には、本発明の評価方法は、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含む蒸着材料を基材上に蒸着することによって形成された蒸着膜への適用が好適である。前記蒸着材料としては、下記成分(A)〜(C)を含む蒸着材料が好ましい。
成分(A):一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
成分(B):下記一般式(II)で表されるシラン化合物
R'−Si(OR'')3および/またはSi(OR'')4 ・・・(II)
(一般式(II)式中、R'は有機基であり、R''はアルキル基である。)
成分(C):下記一般式(III)で表される変性シリコーンオイル
以下に、成分(A)〜(C)の詳細を説明する。
成分(A)は、下記一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である。
(式中、lは1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の範囲の整数である。)
−CF2(OC2F4)p−(OCF2)q−
(式中、pおよびqは、それぞれ、1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の範囲の整数であり、かつp+qの和は、10〜100、好ましくは20〜90、より好ましくは40〜80の範囲の整数であり、該式中の繰り返し単位(OC2F4)および(OCF2)の配列はランダムである。)
また、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基および塩素原子が好適である。
(CH3O)2CH3SiCH2CH2CH2OCH2CF2CF2O(CF2CF2CF2O)lCF2CF2CH2OCH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3O)2CH3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CH2OCH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CH2CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CH2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
成分(B)は、下記一般式(II)で表されるシラン化合物である。
のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、エポキシエチル基、グリシジル基、アミノ基等が挙げられる。これらは置換されていてもよい。
一般式(II)の化合物は、R'−Si(OR'')3を単独またはSi(OR'')4より多く用いることが好ましい。この場合、成分(C)との反応物がより複雑な立体構造になり、耐久性や耐摩耗性を向上できる。
一般式(II)のシラン化合物および一般式(III)の変性シリコーンオイルが反応した骨格物質の構造としては、2級アミン体および3級アミン体の混合物が挙げられ、具体的としては、以下のような構造が挙げられる。
一般式(IV)
CF3−(CF2)d−OR'''
一般式 (IV)式中、dは1〜50の範囲の整数であり、R'''はメチル基またはエチル基である。dは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の範囲の整数である。
一般式(IV) で表されるハイドロフルオロエーテルの具体例としては、例えば、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C6F13OCH3、C6F13OC2H5等が挙げられる。但し、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
一般式(IV)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく2種以上を組合せて使用することもできる。
また、前記蒸着材料には、一般式(IV)で表されるハイドロフルオロエーテル以外に、他の溶媒やケイ素非含有のパーフルオロポリエ−テル等を添加してもよい。
特に、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルは、他の成分とは反応せず、揮発性も高いので加熱することにより蒸発して、成分(A)〜(C)が固まることから好ましい。
なお、溶液を容器に入れる場合や多孔性材料に含浸させる場合のいずれであっても、フッ素系溶媒を加えた後に加熱して固めた形態で用いることが好ましい。固める際の温度は、蒸着材料が分解しない温度内に設定すればよく、好ましくは、50〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。加熱時間は60分以上が好ましく、より好ましくは60〜180分である。加熱手段は、ドライオーブンなどが利用できる。
基材としては、プラスチックレンズ、反射防止膜を有するプラスチックレンズを用いることができる。その詳細は後述する。
また、前記蒸着膜は、例えば、屈折率1.30〜1.47(好ましくは1.40〜1.45)、膜厚は1〜20nm(好ましくは3〜15nm)である。膜厚が3nm以上であれば十分な耐久性や耐摩耗性が得られ、15nm以下であれば曇りがでる等で透過率が下がるおそれがない。
複数の基材上に蒸着材料を蒸着することにより蒸着膜を有する光学部材を複数製造する工程(以下、「工程I」という)と、
製造された複数の光学部材の少なくとも1つについて、該光学部材が有する蒸着膜を、本発明の蒸着膜評価方法により評価する工程(以下、「工程II」という)と、
評価結果に基づき製品として出荷する光学部材を決定する工程(以下、「工程III」という)と、
を含む光学部材の製造方法に関する。
(1)工程IIにおいて評価した試料の評価結果が、良否判定基準を満たすものであった場合は該試料と同一ロット内の光学部材は良否判定基準を満たすものと判断し、同一ロット内の光学部材を製品として出荷する。この場合、前述のノンコンタクトモードで評価を行った場合は評価による試料表面性への影響は殆どないため、評価した試料も製品として出荷することができる。また、コンタクトモードでも試料と探針との接触はごくわずかであるため、評価による試料表面性への影響は無視できるほど小さい。よって、この場合も評価した試料を製品として出荷してもかまわない。
(2)製造した光学部材それぞれを工程IIに付し、工程IIにおける評価結果が良否判定基準を満たす場合は、その光学部材を製品として出荷する。出荷前の製品すべてに対して評価を行うことにより、高品質な製品をより高い信頼性をもって提供することが可能となる。
以下の方法により、蒸着材料(撥水処理剤)を調製した。容器は、アズワン社ガラススクリュー瓶30ccを使用し、スターラーの攪拌速度は500rpmに設定した。
一般式(II)のシラン化合物としてKBE903(商品名:信越化学工業(株)製、
(C2H5O)3SiC3H6NH2、分子量221.4,屈折率(25℃)1.420)10gと一般式(III)のシリコーンオイルとして上記オイル(a)の構造を有するKF105(商品名:信越化学工業(株)製、動粘度15mm2/s(25℃)、屈折率(25℃)
1.442、官能基当量490g/mol)10gを24時間、混合攪拌した。
前記シラン化合物はアミノ基を有しており、前記シリコーンオイルはエポキシエチル基を有している。これにより、アミノ基とグリシジル基が反応し、2および3級アミンを有したジメチルシロキサン含有混合物が生成された。この反応には約24時間程度が必要で、H,C、NMRの分析では、分子量約200〜1000の化合物の生成が確認された。
(工程2)フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物(撥水剤)と、シラン化合物とシリコーンオイル化合物の反応溶液との混合
次に、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物として、以下の構造:(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3(式中、p=22、q=22、繰り返し単位(OC2F4)及び(OCF2)の配列はランダムである。)を有する有機ケイ素化合物15gに、工程1で製造した溶液3.5gを投入し24時間攪拌した。
(工程3)注入性改善および乾燥性改善のためのハイドロフルオロエーテルの混合過程
工程2で調製した混合溶液18.5gに、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルとしてHFE7200(商品名:住友スリーエム(株)製、C4F9OC2H5、粘度5.7×10-4Pa・s、動粘度0.40mm2/s、屈折率(25℃)1.28)3g投入し、24時間、攪拌を行った。
得られた蒸着材料(撥水処理剤)より得られる蒸着膜は、一般式(I)におけるXの加水分解および縮合反応によって生じる3次元構造の硬化物と、一般式(II)および(III)の化合物の混合物の加水分解および縮合反応によって生じる3次元構造の硬化物から構成される。
試料1
上記撥水処理剤を0.35mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔経80〜100μm、直径18mmΦ、厚さ3mm)を80℃で2時間ドライオーブン加熱し、その後、真空蒸着装置内にセットした。以下の条件で電子銃(EB)を用いて焼結フィルター全体を加熱して、反射防止膜付プラスチックレンズに撥水膜を形成した。この撥水膜を蒸着したプラスッチックレンズを原子間力顕微鏡にて表面形態の位相観察を行った。このレンズの視感反射率は0.4%であった。
(1)真空度:3.1×10-4〜 8.0×10-4Pa(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
(2)電子銃の条件
加速電圧:6kV、印加電圧:11mA、照射面積:3.5×3.5cm2、照射時間:120秒
撥水処理剤の量を表2に示すように変更した以外は試料1と同様の方法により反射防止膜付プラスチックレンズに撥水膜を形成した。この撥水膜を蒸着したプラスッチックレンズを原子間力顕微鏡にて表面形態の位相観察を行った。このレンズの視感反射率は0.4%であった。
試料1〜3および撥水膜形成前の反射防止膜付プラスチックレンズ(試料4)について、以下の評価を行った。
(1)水に対する静止接触角
接触角計(協和界面科学(株)製品、CA−D型)を使用し、25℃において直径2mmの水滴を針先に作り、これをレンズの凸面の最上部に触れさせて、液滴を作った。この時に生ずる液滴と面との角度を測定し静止接触角とした。静止接触角θは水滴の半径(水滴がレンズ表面に接触している部分の半径)をrとし、水滴の高さをhとしたときに、以下の式で求められる。
θ=2×tan-1(h/r)
なお、静止接触角の測定は水の蒸発による測定誤差を最小限にするために水滴をレンズに触れさせた後10秒以内に行った。
(2)滑り感の官能評価
撥水処理膜の蒸着したプラスッチクレンズをシルボン紙で蒸着表面を擦った感覚を以下の4段階で評価した。
◎:○よりも良い
○:△よりも良い
△:×より良い
×:滑り感がない
(3)原子間力顕微鏡による位相差の度数分布に基づく評価
原子間力顕微鏡(DI社製D3000)を使用し、次の条件で位相差を測定した。
測定条件
前処理:なし
カンチレバー:Si単結晶
測定モード:タッピングモード
観察領域:10μm2
データ数:256×256
得られた位相差の度数分布曲線の位相差最大値Pmaxと位相差最小値Pminとの差(Pmax−Pmin)を求めた。
(4)動摩擦係数の測定
新東科学(株)製の連続加重式表面性測定機TYPE:22Hを使用し、移動距離20mmの平均動摩擦係数を各々3回測定し、平均値を算出した。
(5)耐久性の評価
図2に示す装置を用い、レンズクリーニング布(商品名:HOYA Clearcloth)で500gの荷重をかけて撥水膜を有するプラスチックレンズ表面を3600回、前後に擦り(25℃、相対湿度50〜60%)、その後(1)に記載した方法で水に対する静止接触角を測定した。
(6)外観
目視にて干渉色の色ムラおよび干渉色変化があるかどうかを調べ、眼鏡レンズとして使用できる外観かどうか評価した。
以上の評価結果を表2に示す。
上記のような評価結果を基に評価基準を作成することができる。上記の例では、例えば試料1の(Pmax-Pmin)の値と試料2の(Pmax-Pmin)の値との間に基準値を設定してもよく、試料2の(Pmax-Pmin)の値と試料3の(Pmax-Pmin)の値との間に基準値を設定してもよい。具体的には、例えば(Pmax-Pmin)の値を、試料1の(Pmax-Pmin)の値と試料2の(Pmax-Pmin)の値との間の0.5と設定(即ち0.5以下であれば滑り感良好と判定)することにより、試料1だけを良品と判定させることができ、これまで困難だった滑り感の機械的評価が可能になる。
2:レンズクリーニング布
3:六面体板
Claims (11)
- 基材上に蒸着膜を有する光学部材の該蒸着膜表面上で、原子間力顕微鏡の探針を振動させながら走査して位相変化を測定し、測定された位相変化に基づいて前記蒸着膜を評価する蒸着膜評価方法。
- 蒸着膜表面の滑り感を評価する請求項1に記載の蒸着膜評価方法。
- 前記走査を、蒸着膜表面に探針を断続的に接触させて行う請求項1または2に記載の蒸着膜評価方法。
- 前記走査を、蒸着膜表面と探針を非接触状態にして行う請求項1または2に記載の蒸着膜評価方法。
- 評価される蒸着膜は、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含む蒸着材料を基材上に蒸着することによって形成された蒸着膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸着膜評価方法。
- 評価される蒸着膜は、下記成分(A)〜(C)を含む蒸着材料を基材上に蒸着することにより形成された蒸着膜である請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸着膜評価方法。
成分(A):一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
成分(B):下記一般式(II)で表されるシラン化合物
R'−Si(OR'')3および/またはSi(OR'')4 ・・・(II)
(一般式(II)式中、R'は有機基であり、R''はアルキル基である。)
成分(C):下記一般式(III)で表される変性シリコーンオイル
- 評価される蒸着膜は、撥水性を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸着膜評価方法。
- 複数の基材上に蒸着材料を蒸着することにより蒸着膜を有する光学部材を複数製造する工程と、
製造された複数の光学部材の少なくとも1つについて、該光学部材が有する蒸着膜を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により評価する工程と、
評価結果に基づき製品として出荷する光学部材を決定する工程と、
を含む光学部材の製造方法。 - 前記蒸着材料は、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含む蒸着材料である請求項8に記載の光学部材の製造方法。
- 前記蒸着材料は、下記成分(A)〜(C)を含む蒸着材料である請求項8または9に記載の光学部材の製造方法。
成分(A):一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
成分(B):下記一般式(II)で表されるシラン化合物
R'−Si(OR'')3および/またはSi(OR'')4 ・・・(II)
(一般式(II)式中、R'は有機基であり、R''はアルキル基である。)
成分(C):下記一般式(III)で表される変性シリコーンオイル
- 前記蒸着膜は、撥水性を有する請求項8〜10のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
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