JP2009175500A - 光学部材の製造方法 - Google Patents

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剛史 三石
Hisao Kawai
久雄 河合
Hitoshi Kamura
斉 嘉村
Yukihiro Takahashi
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Abstract

【課題】従来の撥水膜に対し、滑り性を向上させ、かつ耐久性、耐摩耗性の特性を向上させた薄膜を有する光学部材の製造方法を提供する。
【解決手段】特定のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、特定のシラン化合物との混合物を含有する蒸着材料を光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成し、その上に特定のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランと溶媒を含有する浸漬材料に浸漬して第2撥水層を形成することにより、2層からなる撥水膜を形成する光学部材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部材の製造方法に関し、詳しくは、撥水膜の滑り性を向上させ、付着した汚れを容易に拭き取ることができ、かつ、撥水膜の耐久性,耐摩耗性を向上させた光学部材の製造方法に関する。
レンズ等の光学部材上に施された反射防止膜は、一般にZrO2,SiO2などの無機酸化物により形成されている。そのため、汗、指紋などによる汚れが付着しやすく、かつこれらの汚れを除去することが困難であった。こうした問題を解決するために、例えば、特許文献1には、m−キシレンヘキサクロライド希釈溶液から真空蒸着法にて反射防止膜上に撥水性を有する薄膜を形成する方法が開示されている。また、この特許文献1には、銅などの熱伝導性の高い金属粉末を焼結してなる多孔性材料に、フッ素含有のシラザン系有機ケイ素化合物をキシリレンヘキサフロライド、トリクロロモノフルオロメタンなどのフッ素系溶媒で希釈して得た撥水処理液を含浸させ、真空下で加熱して光学部材上に蒸着し成膜する方法が開示されている。また、特許文献2〜5にはこれ以外のフッ素含有有機ケイ素化合物からなる撥水剤が開示されている。しかしながら、これらの撥水剤からなる撥水膜に対して更なる性能の向上が望まれていた。
特に、撥水膜は光学部材の最外層に形成されていることから、表面に付着した汚れの拭き取りや、外界の影響などにより、撥水性が時間とともに低下する。このため、撥水性が長期間維持できることが望まれている。また、指紋や皮脂などが付着した場合、拭き取るにはかなりの時間と繰り返しの作業が必要であり、さらに容易に拭き取れることが望まれていた。
この様な課題に対応するものとして、特許文献6〜10には、基材の表面を処理して、撥水性に加えて、滑り性、防汚性などの性能も付与することが記載されている。また、特許文献11には、撥水層を2層にして基材表面と強固に密着する層と撥水処理層を別々に構成することが記載されている。
このように撥水膜を設けても、プラスチック最外層の膜ということで、外界の様々な要因(皮脂、汗、拭き取り時の摩擦、薬品等)を受けやすく、撥水膜の経時劣化を早めてしまう。このような問題に対応するものとして、特許文献7あるいは特許文献12のように耐摩擦性を付与した膜を設けた基材もあるが、さらなる各性能の向上が要求されている。
特開平5−215905号公報 特開平9−157582号公報 特開平9−202648号公報 特開平9−263728号公報 特開2004−145283号公報 特開2006−133421号公報 特開2003−064348号公報 特開2000−327997号公報 特開平10−133001号公報 特開2005−003817号公報 特開平6−138305号公報 特開2003−238577号公報
本発明の目的は、前記の課題を解決するためになされたもので、従来の撥水膜に対し、滑り性を向上させ、かつ撥水膜の耐久性、耐摩耗性の特性を向上させた薄膜を有する光学部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物を含む材料を蒸着で形成した第1撥水層上に、一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランを含む材料を浸漬法で形成した第2撥水層を形成した2層構造の撥水膜を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物との混合物を含有する蒸着材料を光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成し、その上に下記一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランと溶媒を含有する浸漬材料に浸漬して第2撥水層を形成することにより、2層からなる撥水膜を形成する光学部材の製造方法を提供するものである。
一般式(I)
Figure 2009175500
(一般式(I)式中、Rfは、式:−(Ck2kO)−(kは1〜6の整数である)で表わされる単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基であり、Rは独立に炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Xは独立に加水分解性基又はハロゲン原子であり、n及びn’はそれぞれ0〜2の整数であり、m及びm’はそれぞれ1〜5の整数であり、a及びbはそれぞれ2又は3である)
一般式(II−1) R'−Si(OR’’)3
一般式(II−2) Si(OR’’)4
一般式(II−3) SiO(OR’’)3Si(OR’’)3
(R'は有機基であり、R’’はアルキル基である。)
一般式(III)
Figure 2009175500
(一般式(III)式中、Rgは、式:−(Cj2jO)−(jは1〜5の整数である)で表わされる繰り返し単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基であり、繰り返し単位数が30〜60であり、異なるjの繰り返し単位を同時に含んでいても良い。R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、wは30〜100、a,b及びcは、それぞれ独立に1〜5の整数、R2は炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、X1は加水分解性基、dは2又は3、yは1〜5の整数である。)
本発明の製造方法によると、撥水膜の動摩擦係数が低く滑り感に優れ、付着した汚れを容易に拭き取ることができ、しかも耐久性、耐摩耗性が高い撥水膜を有する光学部材を製造することができる。
本発明の光学部材の製造方法は、下記一般式(I)で示されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物との混合物を含有する蒸着材料を光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成し、その上に下記一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランと溶媒を含有する浸漬材料に浸漬して第2撥水層を形成することにより、2層からなる撥水膜を形成する。
以下、まず、一般式(I)〜(III)の化合物について説明する。
一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
Figure 2009175500
一般式(I)において、Rf基は、式:−(Ck2kO)−(式中、kは1〜6、好ましくは1〜4の整数であり、該一般式中の(Ck2kO)の配列はランダムである。)で表わされる単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基である。なお、前記一般式(I)中のn及びn’がいずれも0である場合、前記一般式(I)中の酸素原子(O)に結合する前記Rf基の末端は、酸素原子ではない。
ここで、Rfは、二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基であり、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくは炭素数1〜6程度のパーフルオロポリエーテル基を繰返し単位とする二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルである。この二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルとしては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)rCF2CF2
−CF2(OC24s−(OCF2t
上記化学構造式中のr、s及びtはそれぞれ1以上の整数を示す。具体的には1〜50、より好ましくは10〜40の範囲が好ましい。なお、パーフルオロポリエーテルの分子構造は、これら例示したものに限定されるものではない。
一般式(I)において、Xは加水分解性基又はハロゲン原子である。上記Xが加水分解性基である場合としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アリロキシ基、イソプロペノキシ等のアルケニルオキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノキシム基、シクロヘキサノキシム基等のケトオキシム基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基;N,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基等のアミノオキシ基等を挙げることができる。
また、上記Xがハロゲン原子である場合としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基及び塩素原子が好適である。
一般式(I)において、Rは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Rが複数存在する場合には、Rは互いに同一でも異なってもよい。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも炭素原子数1〜3の一価炭化水素基が好ましく、特にメチル基が好適である。
一般式(I)において、n及びn’はそれぞれ0〜2の整数であり、好ましくは1である。nとn’は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、m及びm’はそれぞれ1〜5の整数であり、3であることが好ましい。mとm’は互いに同一であっても異なっていてもよい。
次に、a及びbは各々2又は3であり、加水分解及び縮合反応性、及び被膜の密着性の観点から、3であることが好ましい。
一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の分子量は、特に制限されないが、安定性、取扱い易さ等の点から、数平均分子量で500〜20,000、好ましくは1000〜10,000のものが適当である。
一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、下記構造式で示されるものが挙げられる。但し、下記例示に限定されるものではない。
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2CF2O(CF2CF2CF2O)lCF2CF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33
(CH3O)2CH3SiCH2CH2CH2OCH2CF2CF2O(CF2CF2CF2O)lCF2CF2CH2OCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33
(CH3O)2CH3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2OCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33
(C25O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OC253
一般式(I)の化合物は、1種単独でも2種以上を組合せても使用することができる。また、場合により、上記フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物とその部分加水分解縮合物とを組み合わせて使用することができる。
さらに、後述する一般式(III)で示されるようなパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランを組み合わせて使用することもできる。
一般式(I)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、溶媒で希釈されたものを用いるとよい。使用できる溶媒としては、例えば、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン等)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等)、のフッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等)、フッ素変性アルキルアミン系溶剤(パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミン等)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、ミネラルスピリッツ、トルエン、キシレン等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等)等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせてもよい。これらのなかでも、変性シランの溶解性、濡れ性等の点で、フッ素変性された溶剤が好ましく、特に、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、及びパーフルオロトリブチルアミンが好ましい。
一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物
一般式(II−1) R'−Si(OR’’)3
一般式(II−2) Si(OR’’)4
一般式(II−3) SiO(OR’’)3Si(OR’’)3
前記R'は有機基であり、炭素数1〜50(好ましくは1〜10)のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、エポキシエチル基、グリシジル基、アミノ基等が挙げられ、これらは置換されていても良い。
前記R’’は炭素数1〜48のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(II−1)〜(II−3)で表されるシラン化合物の具体例としては、例えば、構造式、(C25O)3SiC36NH2、(CH3O)3SiC36NH2、(C25O)4Si、(C25O)3Si-O-Si(OC253等が挙げられる。但し、上記例示に限定されるものではない。
一般式(II−1)〜(II−3)のシラン化合物は、1種単独でも2種以上を組合せても使用することができる。
前記シラン化合物は、一般式(II−1)の化合物を単独あるいは他の成分より多く用いることがより好ましい。
一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シラン
Figure 2009175500
一般式(III)において、Rg基は、式:−(Cj2jO)−(jは1〜5の整数であり、好ましくは(1〜3)の整数であり、該一般式中の(Cj2jO)の配列はランダムである。)で表わされる繰り返し単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基であり、繰り返し単位数が30〜60(好ましくは30〜50)であり、異なるjの繰り返し単位を同時に含んでいても良い。
ここで、Rgは、二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基であり、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくは炭素数1〜5程度のパーフルオロポリエーテル基を繰返し単位とする二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルである。この二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルとしては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)kCF2CF2
−CF2(OC24p−(OCF2q
上記化学構造式中のk、p及びqはそれぞれ1以上の整数を示す。k及びp+qは30〜60の範囲が好ましい。なお、パーフルオロポリエーテルの分子構造は、これら例示したものに限定されるものではない。
一般式(III)において、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)又はフェニル基である。
一般式(III)において、wは30〜100であり、30〜60であると好ましい。a,b及びcは、それぞれ独立に1〜5の整数であり、1〜3であると好ましい。
一般式(III)において、R2は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)又はフェニル基である。
一般式(III)において、X1は加水分解性基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アリロキシ基、イソプロペノキシ等のアルケニルオキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノキシム基、シクロヘキサノキシム基等のケトオキシム基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基;N,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基等のアミノオキシ基等を挙げることができる。
これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基が好適である。
一般式(III)において、dは2又は3で、加水分解および縮合反応性、および被膜の密着性の観点から考えると3であることが好ましく、yは1〜5の整数であり、1〜3であると好ましい。
一般式(III)の化合物は、1種単独でも2種以上を組合せても使用することができる。
一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を単独で蒸着材料として用いて蒸着した場合は、撥水性及び撥油性が得られる撥水撥油層となるが、このフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物内の結合や基材との結合が弱く耐久性や耐摩耗性が低いが、一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物を混合して用いることにより薄膜の耐久性、耐摩耗性が向上する。
本発明の光学部材においては、このような第1撥水層を設けることにより、ハンドリング性の向上(ゴミがつきにくく洗浄の手間が軽減できる)、第2撥水層が経時劣化して剥げてきても、第1撥水層の撥水撥油性能が最外部としての機能を示し、結果的に従来よりも撥水性能を長期間維持できる。さらには、ヘーズ値の上昇も抑えられる。
また、一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランを浸漬材料として用いて、第2撥水層を設けることにより、レンズ最外層として撥水撥油性を付与し、滑り感を著しく向上させる。
以下、第1撥水層について説明する。
第1撥水層を形成する工程においては、蒸着材料を加熱して固める工程と、前記固めた蒸着材料を加熱手段により加熱して光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成する工程とを有すると好ましい。
本発明で用いる蒸着材料を多孔性材料に含浸させる際に、多孔性材料に蒸着材料がしみこみにくい場合があることや、蒸着材料を多孔性材料に含浸させる場合に限らず、均一な蒸着膜を得るには、液体の蒸着材料を固める(多孔性物質や容器から垂れることが無く、さわっても付着しない程度に固まった状態にする)ことが好ましいが、上記蒸着材料は加熱しても固まりにくい。これは、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の希釈に用いている溶媒が加熱しても揮発しにくいことが影響していると思われる。
このため、前記蒸着材料においては、動粘度が低く揮発性の高く、他の成分と実質的反応しないフッ素系溶媒を用いて希釈することが好ましい。このようにすると、蒸着材料の粘度を下げることができるので、多孔性材料への注入性の改善ができ、また蒸着材料の固化も容易になる。前記フッ素系溶媒は、揮発する際に、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物に加えられた溶媒も減少させる働きもしているのではないかと思われる。このフッ素系溶媒としては、下記一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルが好ましい。
一般式(IV)
CF3−(CF2)d−OR’’’
一般式(IV)式中、dは1〜50の整数であり、R’’’はメチル基又はエチル基である。dは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10である。
一般式(IV) で表されるハイドロフルオロエーテルの具体例としては、例えば、下記化学式C49OCH3、C49OC25、C613OCH3、C613OC25等が挙げられる。但し、これらの例示に限定されるものではない。
一般式(IV)の化合物は、1種単独でも2種以上を組合せても使用することができる。
特に、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルは、他の成分とは反応せず、揮発性も高いので加熱することにより蒸発して、上記一般式(I)並びに(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物からなる成分が固まることから好ましい。
また、前記蒸着材料には、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテル以外に、他の溶媒やケイ素非含有のパーフルオロポリエ−テル、そしてジテトラエトキシシラン(Si2O(OC256、例えば、商品名KBE3026(信越化学工業(株)社製))に代表されるジテトラアルコキシシラン、ポリテトラエトキシシラン(Sinn-1(OC252n+2,nは2〜10、例えば、商品名S40(コルコート(株)社製))に代表されるポリテトラアルコキシシラン、更に一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シラン等を添加しても良い。
本発明で用いる蒸着材料における各成分の配合比としては、通常、濃度20質量%の一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物90〜1質量%(好ましくは70〜5質量%)、(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物95〜1質量%(好ましくは90〜10質量%)、フッ素系溶媒0〜90質量%(好ましくは10〜80質量%)である
本発明で用いる蒸着材料は、溶液状態で又は必要に応じて添加されるフッ素系溶媒、例えば一般式(IV)のハイドロフルオロエーテル、他の溶媒やケイ素非含有のパーフルオロポリエ−テルを混合した溶液の形態で用いられ、基材上に蒸着される。これらの溶液はそのまま容器に入れて加熱しても良いが、均一した蒸着膜を多く得られるとの観点から、多孔性材料に含浸させることがより好ましく、多孔性材料としては、銅やステンレスなどの熱伝導性の高い金属粉末を焼結した焼結フィルターを用いることが好ましい。又、多孔性材料は、適度な蒸着速度を得るという観点からそのメッシュを40〜200ミクロン、好ましくは、80〜120ミクロンとすることが適当である。
なお、溶液を容器に入れる場合や多孔性材料に含浸させる場合のいずれであっても、好ましくはフッ素系溶媒を加えた後に加熱して固めた形態で用いることが好ましい。固める際の温度は、蒸着材料が分解しない温度内に設定し、好ましくは、50〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。加熱時間は60分以上が好ましく、より好ましくは60〜180分である。加熱手段は、ドライオーブンなどが利用できる。
本発明の光学部材の製造方法は、前記蒸着材料を、減圧下、加熱蒸着、(ハロゲンヒーター、抵抗過熱、電子銃等を使用)によって光学部材上に蒸着され、電子銃を用いて加熱して蒸着すると、精度の良い薄膜を成製することができる。その場合の真空蒸着装置内の真空度としては、特に限定はないが、均質の撥水膜を得るとの観点から、好ましくは、1.33×10-1Pa〜1.33×10-6Pa(10-3〜10-8Torr)、特に好ましくは、6.66×10-1Pa〜8.00×10-4Pa(5.0×10-3〜6.0×10-6Torr)である。
本発明において、蒸着材料を加熱する際の具体的温度は、蒸着材料の種類、複数の蒸着材料の混合比、蒸着する真空条件により異なるが、所望の真空度における蒸着材料の蒸着開始温度以上から分解温度を超えない範囲で行うことが好ましい。蒸着開始温度は200℃〜550℃、分解温度は250℃〜600℃の範囲内にくるのが通常であるがこの限りではない。ここで蒸着開始温度とは前記蒸着材料を含む溶液の蒸気圧が真空度と等しくなったときの温度をいい、また、前記蒸着材料の分解温度とは1分間に前記蒸着材料の50質量%が分解する温度(窒素雰囲気下、該化合物と反応性のある物質が存在しない条件で)をいう。
蒸着速度は、加熱方法により異なるが、電子銃使用の場合、上記温度範囲に保つことを条件に、前記有機ケイ素化合物加熱開始から蒸着を完結させるまでの時間を120秒以内とすることが好ましく、さらには50秒以内、40秒以内、30秒以内とすることが好ましい。上記加熱温度範囲で、且つ短時間で蒸着を完結させること、即ち、前記有機ケイ素化合物に短時間で高エネルギ−を与えることにより、耐久性に優れた撥水膜を有する光学部材を提供することができる。また、蒸着開始温度が多少異なる2成分の撥水剤を用いても、蒸発開始温度の高い原料の蒸発開始温度から分解温度の低い原料の分解温度の範囲で蒸着温度を選択することにより、ほぼ同時に蒸着でき、均一な膜を得ることができる。
なお、第1撥水層の製造工程と第2撥水層の製造工程の間に、エッジング工程を設けても良い。
前記蒸着速度を達成する方法としては、前記有機ケイ素化合物に電子ビ−ムを照射する方法が好ましく用いられ、電子ビ−ムを発生する方法は、従来、蒸着装置で用いられている電子銃を用いることができる。電子銃を用いれば、前記有機ケイ素化合物全体に、均一のエネルギ−を照射することができ均一な撥水膜を施しやすくなる。電子銃のパワーについては、使用物質、蒸着装置、真空度、照射面積によって異なるが、好ましい条件は、加速電圧が6kV前後で、印加電流5〜40mA程度である。
また、本発明で形成される第1撥水層は、屈折率が1.25 〜1.65(好ましくは1.35〜1.55)、膜厚は0.1〜50nm(好ましくは1〜20nm)が好ましい。膜厚が0.1nm以上であれば十分な耐久性や耐摩耗性が得られ、50nm以下であれば曇りがでる等で透過率が下がるおそれがない。
以下、第2撥水層について説明する。
第2撥水層を形成する工程においては、一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランと溶媒からなる浸漬材料を用い第1撥水層を有する光学部材を浸漬して第2撥水層を形成する。
その際、第1撥水層を形成した光学部材を、前記浸漬材料に、引き上げ速度50〜1000mm/分(好ましくは、100〜500mm/分)で、5〜60秒間浸漬すると好ましく、その後、加熱(例えば45〜60℃で2時間)すると好ましい。
本発明で用いる浸漬材料に光学部材を浸漬させる際に、膜の均一性、付着性、乾燥性を良好にするという理由から一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランを希釈する溶媒としてフッ素系溶媒を用いると好ましい。このフッ素系溶媒としては、前記一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルが好ましい。
本発明で用いる浸漬材料における各成分の配合比としては、固形分としての一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シラン0.01〜5質量%(好ましくは0.05〜1.5質量%)、溶媒95〜99.9質量%(好ましくは98.5〜99.5質量%)である。
一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランは、液体(揮発するものは除く)でも固体であっても良い。また、構造内に反応性官能基を含んでいても問題ないが、官能基を含んでいる場合は耐久性向上効果にすぐれ、含まない場合は滑り感の向上に寄与する。
また、前記浸漬材料には、溶媒以外に、必要に応じ、例えば、Krytox(商品名,デュポン(株)社製),Fomblin Z(商品名,ソルベイソレクシス(株)社製)、デムナム S−20(商品名,ダイキン工業(株)社製)
Figure 2009175500
等のパーフルオロポリエーテル(商品名KY8001,KY857,共に信越化学(株)製)等のジメチルシリコーンオイル(両末端メトキシ基、側鎖アミノ基を有する構造)等を添加しても良い。
また、本発明で形成される第2撥水層は、屈折率が1.25〜1.65(好ましくは1.35〜1.55)、膜厚は0.1〜50nm(好ましくは1〜20nm)が好ましい。膜厚が0.1nm以上であれば十分な耐久性や耐摩耗性が得られ、50nm以下であれば曇りがでる等で透過率が下がるおそれがない。
本発明の製造方法によって得られる光学部材としては、例えば、眼鏡レンズ、カメラレンズ、ワードプロセッサーのディスプレー等に付設する光学フィルター、自動車の窓ガラス等が挙げられ、特にプラスチックレンズ、中でも眼鏡用プラスチックレンズに適している。
光学部材の材質としては、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどのプラスチック製光学基板、あるいは無機ガラス製光学基板などが挙げられる。尚、上記基板は基板上にハードコート層を有するものであってもよい。ハードコート層としては、有機ケイ素化合物、アクリル化合物等を含んだ硬化膜を例示できる。
また、反射防止膜(蒸着膜)とは、例えばレンズ等の光学基板表面の反射を減少させるために設けられた ZrO2、SiO2、TiO2、Ta25、Y23、MgF2、Al23などから形成される単層または多層膜(但し、最外層にSiO2膜を有することが好ましい)またはCrO2などの着色膜(但し、最外層にSiO2膜を有することが好ましい)を言う。本発明においては、反射防止膜の最外層に二酸化ケイ素を主成分とする層が用いられることが好ましい。ここで二酸化ケイ素を主成分とするとは、実質的に二酸化ケイ素からなる層、あるいは二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び有機化合物からなるハイブリッド層をいう。なお、反射防止膜は真空蒸着法によって作成されることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.反射防止膜付プラスチックレンズの作製
プラスチックレンズとして、ジエチレングリコ−ルビスアリルカーボネート重合体系レンズ(商品名Hi−Lux、屈折率1.499、度数0.00、HOYA(株)製)を用い、かかるプラスチックレンズ基材上に、特開昭63−10640号公報に開示されている硬化膜を施した。具体的には、SiO2濃度40%のコロイダルシリカ(商品名スノーテックス40、水分散シリカ、日産化学(株)製)240質量部に、0.5N塩酸2.0質量部、酢酸20質量部を加えた溶液を、35℃にして攪拌しながら、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3官能有機ケイ素化合物)95質量部を滴下し、室温にて8時間攪拌し、室温にて16時間放置した。この加水分解溶液に、メチルセロソルブ80質量部、イソプロピルアルコール120質量部、ブチルアルコール40質量部、アルミニウムアセチルアセトン16質量部、シリコーン系界面活性剤(FZ−7006(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製)0.2質量部を加えて、8時間攪拌後、室温にて24時間熟成させコーティング組成物を得た。該組成物を、引き上げ速度15cm/minで浸漬法により塗布、室温にて15分放置後、120℃で2時間加熱硬化して硬化膜を施した。
次に、前記硬化膜上に真空蒸着法(真空度2.67×10‐3Pa(2×10-5Torr))により、二酸化ケイ素からなる下地層〔屈折率1.46、膜厚0.5λ(λは550nmである)〕を形成し、該下地層の上に、プラスチックレンズに酸素イオンビームを照射するイオンビームアシスト法で得られる二酸化チタンからなる層(膜厚0.06λ)、真空蒸着法で得られる二酸化ケイ素からなる層(膜厚0.12λ)、さらにイオンビームアシスト法で得られる二酸化チタンからなる層(膜厚0.06λ)よりなる3層等価膜である第1層〔屈折率1.70、膜厚0.24λ〕を形成した。この第1層の上に、イオンビームアシスト法により二酸化チタンからなる第2層(屈折率2.40、膜厚0.5λ)を形成し、該第2層の上に、真空蒸着法(真空度2.67×10‐3Pa(2×10-5Torr))により二酸化ケイ素からなる第3層〔屈折率1.46、膜厚0.25λ〕を形成して、反射防止膜付きプラスチックレンズを得た。このレンズの視感反射率は0.4%であった。
2.物性評価
本実施例及び比較例で得られたプラスチックレンズは以下に示す評価方法により諸物性を評価した。
(1)外観
目視にて干渉色の色ムラ及び、曇りがあるかどうかを暗室内、蛍光灯下で評価し眼鏡レンズとして使用できる外観かどうか確認した。
(2)耐摩耗性(ヘーズ値変化)
新東科学(株)製往復摩擦磨耗試験機にて、撥水膜を有するプラスチックレンズ表面に、荷重4kg、砂消しゴム(ライオン(株)製、ギャザ半砂)50往復摩耗テストを実施し、村上色彩技術研究所製ヘーズメーターMH−150にてヘーズ値を測定、ヘーズ値の変化を測定した。
(3)耐久性(湿式耐久性)
図1に示す装置を用い、レンズクリーニング紙(OZU社製)に水を含ませ、50gの荷重をかけて、表面処理済みプラスチックレンズ表面を500回こすり(25℃、相対湿度50〜60%)、その後(4)に記載した方法で水に対する静止接触角、下記(5)に記載の方法で動摩擦係数、(6)に記載された方法で滑り性能(7)に記す方法により滑り感を評価した。この評価を、500回毎に8000回まで実施し、耐久性評価とした。
また、プラスチックレンズ表面をこする前の初期性能も評価した。
(4)水に対する静止接触角
接触角計(協和界面科学(株)製品、CA−D型)を使用し、25℃において直径2mmの水滴を針先に作り、これをレンズの凸面の最上部に触れさせて、液滴を作った。この時に生ずる液滴と面との角度を測定し静止接触角とした。静止接触角θは水滴の半径(水滴がレンズ表面に接触している部分の半径)をrとし、水滴の高さをhとしたときに、以下の式で求められる。
θ=2×tan-1(h/r)
なお、静止接触角の測定は水の蒸発による測定誤差を最小限にするために水滴をレンズに触れさせた後10秒以内に行った。
(5)動摩擦係数
新東科学(株)製の連続加重式表面性測定機TYPE:22Hを使用し、φ10スチールボール、垂直荷重62.4gf、移動距離20mmでのレンズ表面平均動摩擦係数を各々3回測定し、平均値を出した。
(6)滑り性能評価
滑り性能の評価として、レンズのスロープ滑り時間を測定した。スロープ傾斜7°、スロープ長300mmの移動時間を測定した。スロープのレンズ摩擦面にはレンズクリーニング紙(OZU社製)を敷き、毎回交換することで、滑り抵抗を均一にした。
(7)滑り感評価(感応的能評)
滑り感の感応評価として、レンズ表面を、レンズクリーニング紙(OZU社製)で擦り、比較標準レンズとの滑り感の優位差を評価した。評価基準は下記表に記載の6ランクとした。なお、滑り感評価基準レンズはHOYA株式会社製SFTコート製品とし(評価B+)、評価基準はHOYA株式会社内検査担当7人によるアナログテストを行い決定した。
Figure 2009175500
製造例1(表面処理剤−1(蒸着材料)の製造)
1層目蒸着材料として、以下のようにして表面処理剤−1を製造した。
容器は、アズワン社、ガラススクリュー瓶30ccを使用。スターラーの攪拌速度は500rpmに設定。
Figure 2009175500
(工程1)シラン化合物とフッ素基置換アルキル基含有ケイ素化合物の混合過程
一般式(II−1)のシラン化合物としてKBE903(商品名:信越化学工業(株)製、(C25O)3SiC36NH2、分子量221.4,屈折率(25℃)1.420)2gと、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物として、以下の構造を有する化合物(1)2.5gを投入し、5分間攪拌して、工程1生成物を得た。
化合物(1)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33
(式中、p=22、q=22、繰り返し単位(OC24)及び(OCF2)の配列はラン
ダムである。)
(工程2)注入性改善及び乾燥性改善のためのハイドロフルオロエーテルの混合過程
工程1で調製した生成物全量に、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルとしてHFE7200(商品名:住友スリーエム(株)製、C49OC25、粘度5.7×10-4Pa・s、動粘度0.40mm2/s、屈折率(25℃)1.28)6g投入し、1時間攪拌を行い、表面処理剤−1を得た。
製造例2(表面処理剤−2(蒸着材料)の製造)
1層目蒸着材料として、以下のようにして表面処理剤−2を製造した。
容器は、アズワン社、ガラススクリュー瓶30ccを使用。スターラーの攪拌速度は500rpmに設定。
Figure 2009175500
(工程1)シラン化合物とフッ素基置換アルキル基含有ケイ素化合物の混合過程
一般式(II−1)のシラン化合物としてKBE903 2gと、一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物として、前記構造を持つ化合物(1) 1.5gと、一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランとして、下記化合物(2)1.0gを投入し、5分間攪拌して、工程1生成物を得た。
(工程2)注入性改善及び乾燥性改善のためのハイドロフルオロエーテルの混合過程
工程1で調製した生成物全量に、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルとしてHFE7200 6g投入し、1時間攪拌を行い、表面処理剤−2を得た。
化合物(2)
A−O−CH2CH2CH2−Rg−CH2−O−CH2CH2CH2−Si(CH32−O−(Si(CH32−O)50−Si(CH32−CH2CH2CH2−O−CH2−Rg−CH2CH2CH2−O−A

Rg: −CF2(OC24p(OCF2qOCF2
A : −CH2CH2CH2−Si(CH32−O−Si(CH32−CH2CH2CH2−Si−CH3(OCH32
(式中、p=15、q=15、繰り返し単位(OC24)及び(OCF2)の配列はラン
ダムである。)
製造例3(表面処理剤−3(浸漬(DIP)材料)の製造)
DIP材料として、以下のようにして表面処理剤−3を製造した。
容器は、アズワン社、PP製1000mlボトルを使用。スターラーの攪拌速度は500rpmに設定。
Figure 2009175500
(工程1)表面処理剤−3の調合工程
一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランとして、前記化合物(2)10gに、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルとしてHFE7200 990g投入し、24時間攪拌を行い、表面処理剤−3を得た。
比較製造例1(表面処理剤−4(蒸着材料)の製造)
一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である化合物(1)を表面処理剤−4とした。
比較製造例2(表面処理剤−5(蒸着材料)の製造)
一般式(III)のパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランである化合物(2)を表面処理剤−5とした。
比較製造例3(表面処理剤−6(DIP材料)の製造)
一般式(I)のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物として化合物(1)10gと、一般式(IV)のハイドロフルオロエーテルとしてHFE7200 990g投入し、1時間攪拌を行い、表面処理剤−6を得た。
実施例1
(i)第1撥水層の形成(蒸着層の成膜)
表面処理剤−1を0.2mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を80℃で2時間ドライオーブン加熱し、その後、真空蒸着装置内にセットした。成膜はハロゲンヒーターを用いて行った。
成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに第1撥水層を成膜した。
加熱条件:ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターにて、750℃まで4分で上昇させ、さらに800℃まで4分で上昇させる加熱パターンプログラムを用い、表面処理剤−1を真空蒸着した。
(ii)第2撥水層の形成(DIP層の成膜)
第1撥水層を形成した反射防止膜付プラスチックレンズを、表面処理剤−3に浸漬することで第2撥水層を成膜した。
成膜条件は以下に記す数値とした。
浸漬速度 640mm/min
浸漬静止時間 15秒
引き上げ速度 300mm/min
引き上げ後、乾燥工程として、ドライオーブンで50℃、2時間加熱を行い、第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
実施例2
実施例1の(i)において、ハロゲンヒーターを用いる代わりにEB照射で加熱したこと以外は実施例1と同様にして第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。
第1撥水層の成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに処理膜を形成した。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
加熱条件:EB照射
真空度:3.1×10-4〜8.0×10-4Pa(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
電子銃の条件:加速電圧:6kV、印加電流:11mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:120秒の条件により、表面処理剤−1を真空蒸着した。
実施例3
(i)第1撥水層の形成(蒸着層の成膜)
実施例1の(i)において、表面処理剤−1の代わりに表面処理剤−2を用いた以外は実施例1と同様にして1.の反射防止膜付プラスチックレンズに第1撥水層を成膜した。
(ii)第2撥水層の形成(DIP層の成膜)
第1撥水層を形成した反射防止膜付プラスチックレンズを、表面処理剤−3に浸漬することで第2撥水層を成膜した。
成膜条件は以下に記す数値とした。
浸漬速度 640mm/min
浸漬静止時間 15秒
引き上げ速度 300mm/min
引き上げ後、乾燥工程として、ドライオーブンで50℃、2時間加熱を行い、第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
実施例4
実施例3の(i)において、ハロゲンヒーターを用いる代わりにEB照射で加熱したこと以外は実施例3と同様にして第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。
第1撥水層の成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに処理膜を形成した。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
加熱条件:EB照射
真空度:3.1×10-4〜8.0×10-4Pa(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
電子銃の条件:加速電圧:6kV、印加電流:11mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:120秒の条件により、表面処理剤−2を真空蒸着した。
比較例1
(i)第1撥水層の形成(蒸着層の成膜)
表面処理剤−4を0.2mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を80℃で2時間ドライオーブン加熱し、その後、真空蒸着装置内にセットした。成膜はハロゲンヒーターを用いて行った。
成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに第1撥水層を成膜した。
加熱条件:ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターにて、750℃まで4分で上昇させ、さらに850℃まで4分で上昇させる加熱パターンプログラムを用い、表面処理剤−4を真空蒸着した。
(ii)第2撥水層の形成(DIP層の成膜)
実施例1の(ii)と同様の条件で表面処理剤−3に浸漬することで第2撥水層を成膜し、第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
比較例2
(i)第1撥水層の形成(蒸着層の成膜)
表面処理剤−5を0.2mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を80℃で2時間ドライオーブン加熱し、その後、真空蒸着装置内にセットした。成膜はハロゲンヒーターを用いて行った。
成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに第1撥水層を成膜した。
加熱条件:ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターにて、750℃まで4分で上昇させ、さらに850℃まで4分で上昇させる加熱パターンプログラムを用い、表面処理剤−5を真空蒸着した。
(ii)第2撥水層の形成(DIP層の成膜)
実施例1の(ii)と同様の条件で表面処理剤−3に浸漬することで第2撥水層を成膜し、第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
比較例3
(1)第1撥水層の形成(蒸着層の成膜)
表面処理剤−1を0.2mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を80℃で2時間ドライオーブン加熱し、その後、真空蒸着装置内にセットした。成膜はハロゲンヒーターを用いて行った。
成膜は以下の条件により焼結フィルター全体を加熱して、1.の反射防止膜付プラスチックレンズに第1撥水層を成膜した。
加熱条件:ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターにて、750℃まで4分で上昇させ、さらに850℃まで4分で上昇させる加熱パターンプログラムを用い、表面処理剤−1を真空蒸着した。
(ii)第2撥水層の形成(DIP層の成膜)
実施例1の(ii)と同様の条件で表面処理剤−3の代わりに表面処理剤−6に浸漬することで第2撥水層を成膜し、第1及び第2撥水層を有する反射防止レンズを得た。このレンズについて、上記(1)〜(7)を評価した結果を第4表に示す。
Figure 2009175500
本発明の製造方法によると、撥水膜の動摩擦係数が低く、滑り感に優れ付着した汚れを容易に拭き取ることができ、耐久性、耐摩耗性が高い光学部材の製造方法を提供することができ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、ワードプロセッサーのディスプレー等に付設する光学フィルター、自動車の窓ガラス等の光学部材の製造方法に適用することができ、特に眼鏡用プラスチックレンズに適している。
本発明における耐久性試験を行う装置を示す概略図である。
符号の説明
1:レンズ
2:レンズクリーニング布、又は、レンズクリーニング紙
3:六面体板

Claims (14)

  1. 下記一般式(I)で示されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)の中から選ばれた少なくとも一種のシラン化合物との混合物を含有する蒸着材料を光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成し、その上に下記一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランと溶媒を含有する浸漬材料に浸漬して第2撥水層を形成することにより、2層からなる撥水膜を形成する光学部材の製造方法。
    一般式(I)
    Figure 2009175500
    (一般式(I)式中、Rfは、式:−(Ck2kO)−(kは1〜6の整数である)で表わされる単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基であり、Rは独立に炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Xは独立に加水分解性基又はハロゲン原子であり、n及びn’はそれぞれ0〜2の整数であり、m及びm’はそれぞれ1〜5の整数であり、a及びbはそれぞれ2又は3である)
    一般式(II−1) R'−Si(OR’’)3
    一般式(II−2) Si(OR’’)4
    一般式(II−3) SiO(OR’’)3Si(OR’’)3
    (式中、R'は有機基であり、R’’はアルキル基である。)
    一般式(III)
    Figure 2009175500
    (一般式(III)式中、Rgは、式:−(Cj2jO)−(jは1〜5の整数である)で表わされる繰り返し単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する二価の基であり、繰り返し単位数が30〜60であり、異なるjの繰り返し単位を同時に含んでいても良い。R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、wは30〜100、a,b及びcは、それぞれ独立に1〜5の整数、R2は炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、X1は加水分解性基、dは2又は3、yは1〜5の整数である。)
  2. 前記蒸着材料をフッ素系溶媒で希釈する請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  3. 前記浸漬材料に含まれる溶媒がフッ素系溶媒である請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  4. 前記フッ素系溶媒が下記一般式(IV)で示されるハイドロフルオロエーテルである請求項2又は3に記載の光学部材の製造方法。
    一般式(IV)
    CF3−(CF2)d−OR’’’
    (一般式(IV)式中、dは1〜50の整数であり、R’’’はメチル基又はエチル基である。)
  5. 前記蒸着材料に、パーフルオロポリエ−テル、ジテトラアルコキシシラン、ポリテトラアルコキシシラン及び一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル−ポリシロキサン共重合体変性シランから選ばれる少なくとも1種を添加する請求項1又は2に記載の光学部材の製造方法。
  6. 前記蒸着材料を加熱して固める工程と、前記固めた蒸着材料を加熱手段により加熱して光学部材上に蒸着して第1撥水層を形成する工程とを有する請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  7. 前記蒸着材料を多孔性材料に含浸させた後、加熱して固める請求項6に記載の光学部材の製造方法。
  8. 前記蒸着材料の加熱手段が、抵抗加熱、ハロゲンヒーター又は電子銃である請求項6に記載の光学部材の製造方法。
  9. 前記蒸着材料の加熱手段が電子銃であり、加熱温度が、前記蒸着材料の蒸発開始温度から分解温度までの温度範囲内であり、蒸発開始から蒸着完了まで前記蒸着材料の分解温度を超えることがなく、かつ、加熱開始から120秒以内に前記蒸着材料の加熱蒸発を完結させる請求項7に記載の光学部材の製造方法。
  10. 第1撥水層を形成した光学部材を、前記浸漬材料に、引き上げ速度100〜500mm/分で、5〜60秒間浸漬した後、加熱する請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  11. 前記光学部材上に反射防止膜が形成されており、その反射防止膜上に請求項1に記載の方法により撥水膜を形成する光学部材の製造方法。
  12. 前記反射防止膜の最外層が二酸化ケイ素を主成分とする層である請求項11に記載の光学部材の製造方法。
  13. 前記第1撥水層が屈折率1.25〜1.65、かつ膜厚0.1〜50nmであり、前記第2撥水層が屈折率1.25〜1.65、かつ膜厚0.1〜50nmである請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  14. 前記撥水膜が、撥油性を有する請求項1〜13のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
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