JP2008248431A - 塗工板紙及び塗工板紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少なくても強度が維持された塗工層を有する塗工板紙を提供する。
【解決手段】塗工板紙原紙と、前記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、前記下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、前記下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、前記上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む塗工板紙。
【選択図】なし
【解決手段】塗工板紙原紙と、前記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、前記下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、前記下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、前記上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む塗工板紙。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗工板紙、及び塗工板紙の製造方法に関し、更に詳しくは、インキセット性とニス引き適性(特に、UVニス引き適性)とが共に良好であるとともに、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)の少なくても強度を維持した塗工層を有する塗工板紙、及び塗工板紙の製造方法に関する。
塗工板紙は、塗工層を有する板紙であり、例えば、紙器、ブリスターパック容器、本の表紙などに多く使用されている。この塗工板紙は、上記用途に用いられることが多いものであるため、ニス引き適性(特にUVニス)、ブリスターパック適性、糊付け適性等の後加工適性が要求される。このような要求を満たす必要があるという点において、塗工紙とは異なるものである。
また、上記塗工板紙は、塗工紙とは異なる点を有するものであるが、塗工紙と同様に、外観や印刷適性も当然に要求される。外観は、その判断基準として白紙光沢の評価が重視され、印刷適性は、その判断基準として、印刷光沢とインキセット性が重視される。後加工を施す場合には、ニス引き適性、特に、最近ではUVニス引き適性(特にニス引き後の白紙光沢が重視される)の評価が重視される。ここで、ニス引き適性を向上させるためには、ニス引き後の白紙光沢発現性を向上させることが必要であり、そのためには、可能な限りニスを紙の表面上に留める必要がある。そして、紙の表面上にニスを留めるには、塗工層中のバインダー量(バインダーの使用量)、特にラテックス量を多くしてニスの浸透を抑制することが行われている。
また、特定のラテックスを含有する塗工液により塗工層を形成する試みが報告されている。例えば、上記ニス引き適性を改良する塗工液として、乾燥皮膜の酢酸エチル膨潤度が3.0以上であり、かつ、ガラス転移温度が0℃を超えるラテックスを含有するものが報告されている(特許文献1参照)。
しかしながら、塗工層中のバインダー量を多くすると、インキセット性が低下するという問題があった。そして、インキセット性が低下すると、印刷後、裏移りして商品価値が低下するので、商品価値を得るためには印刷速度を低下せざるを得ないという問題があった。また、バインダー量を多くすることによって塗工板紙の製造コストが高くなるという問題もあった。また、特許文献1に記載の塗工液は、含有されるラテックスのガラス転移温度が0℃を超えるため、強度発現性が充分でない。従って、バインダー量を多く使用せざるを得ないという問題があった。
また、ラテックスの粒子径を非常に小さくすることによって、ニス引き適性は向上し、強度発現性も良好になる。しかし、インキセット性が低下し、また、白紙光沢も低下するという問題があった。
このように、インキセット性とニス引き適性とは逆相関的な挙動を示すため、良好なニス引き適性及びインキセット性を有するバランスの取れた塗工板紙が求められている。
更に、近年、塗工板紙の製造コストを低くするという観点から、特に単価の高いラテックスの使用量を可能な限り少なくすることが求められている。ここで、ラテックスの使用量を少なくすると、塗工板紙として必要な強度を維持することが困難になるため、必要な強度を維持しつつ、ラテックスの使用量を少なくする必要がある。
以上のように、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)の少ない塗工層を有する塗工板紙、及びその製造方法が切望されている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少ないが強度が維持された塗工層を有する塗工板紙、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスを含有する塗工液により下塗り層を形成し、形成した下塗り層上に、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスとを含有する塗工液により上塗り層を形成することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す塗工板紙、及び塗工板紙の製造方法が提供される。
[1] 塗工板紙原紙と、前記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、前記下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、前記下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、前記上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む塗工板紙。
[2] 前記下塗り用共重合体ラテックスが、(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものであり、前記上塗り用共重合体ラテックスが、(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものである前記[1]に記載の塗工板紙。
[3] 前記下塗り用共重合体が、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するもの、または、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものである前記[1]または[2]に記載の塗工板紙。
[4] 前記下塗り用塗工液が、更に、澱粉を含有し、前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が、前記顔料100質量部に対して、5〜10質量部であり、前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び前記澱粉の総量が、前記顔料100質量部に対して、12質量部以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の塗工板紙。
[5] 塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成し、形成した前記下塗り塗工層上に、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成する塗工板紙の製造方法。
[6] 前記下塗り用共重合体ラテックスが、(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものであり、前記上塗り用共重合体ラテックスが、(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものである前記[5]に記載の塗工板紙の製造方法。
[7] 前記下塗り用共重合体が、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するもの、または、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものである前記[5]または[6]に記載の塗工板紙の製造方法。
[8] 前記下塗り用塗工液が、更に、澱粉を含有し、前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が、前記顔料100質量部に対して、5〜10質量部であり、前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び前記澱粉の総量が、前記顔料100質量部に対して、12質量部以下である前記[5]〜[7]のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
本発明の塗工板紙は、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少なくても強度が維持された塗工層を有するという効果を奏するものである。
本発明の塗工板紙の製造方法によれば、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少なくても強度が維持された塗工層を有する塗工板紙を製造することが可能であるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]塗工板紙:
本発明の塗工板紙は、塗工板紙原紙と、塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含むものである。
本発明の塗工板紙は、塗工板紙原紙と、塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含むものである。
下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスを含み、上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスを含むことにより、これらの塗工液により形成した塗工層は、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少なくても強度が維持されるという利点がある。
[1−1]塗工板紙原紙:
本発明の塗工板紙を構成する塗工板紙原紙は、特に限定されず、上記下塗り塗工層及び上記上塗り塗工層を形成した後、塗工板紙として使用可能であればよい。塗工板紙原紙の原料パルプの種類は特に限定されず、例えば、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ(DIP)等が挙げられる。
本発明の塗工板紙を構成する塗工板紙原紙は、特に限定されず、上記下塗り塗工層及び上記上塗り塗工層を形成した後、塗工板紙として使用可能であればよい。塗工板紙原紙の原料パルプの種類は特に限定されず、例えば、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ(DIP)等が挙げられる。
塗工板紙原紙は、その坪量にも特に限定はないが、一般的に、坪量225g/m2以上の紙を板紙と分類するが、本発明の塗工板紙を構成する塗工板紙原紙は、上記坪量はもちろん、これより小さな坪量である160g/m2や190g/m2(例えば、包装材料用の紙の坪量)のものも含むものである。
また、塗工板紙原紙は、必要に応じて、内添剤として炭酸カルシウム、クレー及びタルク等の顔料、アルキルケテンダイマー、ロジン酸石鹸及び硫酸バンド等のサイズ剤、カチオン澱粉及びポリアクリルアミド等の紙力増強剤、並びに嵩高剤等を使用することもできる。更に、上記塗工板紙原紙の表面には、サイズプレス、ゲートロールコーター、メータードサイズプレス等を使用して、アクリルアミド、またはアクリル−スチレンポリマー等の表面サイズ剤、表面サイズ剤として澱粉を塗布することもできる。
[1−2]下塗り塗工層:
本発明の塗工板紙を構成する下塗り塗工層は、上記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に形成されるものであり、下塗り用塗工液を塗工することによって形成される。下塗り用塗工液の塗工方法としては、塗工板紙の製造方法において用いられている公知の方法を採用することができる。例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を使用して塗工することができる。
本発明の塗工板紙を構成する下塗り塗工層は、上記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に形成されるものであり、下塗り用塗工液を塗工することによって形成される。下塗り用塗工液の塗工方法としては、塗工板紙の製造方法において用いられている公知の方法を採用することができる。例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を使用して塗工することができる。
下塗り塗工液の塗工量は、特に制限されないが、固形分換算で、2〜12g/m2であることが好ましく、3〜11g/m2であることが更に好ましく、4〜10g/m2であることが特に好ましい。上記塗工量が2g/m2未満であると、充分な平滑性が得られず白紙光沢や印刷光沢が低下するおそれがある。一方、12g/m2超であると、コストが高くなり過ぎるおそれがある。
上記下塗り用塗工液は、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含むものである。下塗り用共重合体ラテックスは、バインダーとして機能するものである。
下塗り用共重合体ラテックスに含有される下塗り用共重合体のゲル含量は、90%以上であり、91〜98%であることが好ましく、92〜97%であることが更に好ましい。上記ゲル含量が90%未満であると、強度が充分に発現しなくなるおそれがある。ここで、本明細書において「ゲル含量」とは、下塗り用共重合体ラテックス(または、上塗り用共重合体ラテックス)を常温でpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させ、得られた凝固物を洗浄、乾燥した後、0.03gの試料を100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させたときの、トルエン中に残存する固形物(120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分)の、浸漬前の全固形分に対する質量比率をいう。
また、下塗り用共重合体ラテックスの数平均粒子径は、60〜90nmであり、70〜90nmであることが好ましく、75〜85nmであることが更に好ましい。上記数平均粒子径が60nm未満であると、工業的に生産し難くなるおそれがある。一方、90nm超であると、塗工層の強度が充分に発現しないおそれがある。ここで、本明細書において「数平均粒子径」とは、動的光散乱法を利用して測定した数平均粒子径をいう。この測定は、例えば、レーザーパーティクルアナライザー(商品名「レーザー粒径解析システム、LP−510モデルPAR−III」、大塚電子社製)を用いて行うことができる。
上記下塗り用共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共役ジエン単量体(以下、「(a)単量体」と記す場合がある)、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体(以下、「(b)単量体」と記す場合がある)、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下、「(c)単量体」と記す場合がある)を所定量含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分(以下、「第一の単量体成分」と記す場合がある)を乳化重合して得られるものであることが好ましい。
上記下塗り用共重合体ラテックスは、第一の単量体成分を乳化重合して得るものであると、強度発現性や塗工適性が良好であるという利点がある。
[1−2−1](a)脂肪族共役ジエン単量体:
(a)単量体は、直鎖状または分岐状であり、置換され、または置換されていない脂肪族共役ジエン単量体を意味するものである。この(a)単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。なお、これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
(a)単量体は、直鎖状または分岐状であり、置換され、または置換されていない脂肪族共役ジエン単量体を意味するものである。この(a)単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。なお、これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
なお、(a)単量体は、入手のし易さ、コストの観点から、炭素数が4〜5であることが好ましい。即ち、(a)単量体としては、具体的には、1、3−ブタジエン、イソプレンなどを挙げることができる。
(a)単量体の含有量は、第一の単量体成分全体に対して、35〜55質量%であり、37〜50質量%であることが好ましく、40〜47質量%であることが更に好ましい。(a)単量体の含有量が、35質量%未満であると、塗工層の強度が充分に発現しないおそれがある。一方、(a)単量体の含有量が、55質量%超であると、粘着し易く、塗工板紙原紙に塗工する際の操業性が低下するおそれがある。
[1−2−2](b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体:
(b)単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができる。なお、これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
(b)単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができる。なお、これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
(b)単量体の含有量は、第一の単量体成分全体に対して、0.5〜5質量%であり、1〜4質量%であることが好ましく、2〜4質量%であることが更に好ましい。(b)単量体の含有量が、0.5質量%未満であると、ラテックスの安定性が充分に得られなくなるおそれがある。一方、(b)単量体の含有量が、5質量%超であると、塗工液の粘度が高くなり過ぎて塗工する際の操業性が低下するおそれがある。
[1−2−3](c)他の単量体:
(c)単量体としては、(a)単量体と(b)単量体以外の単量体であって、これらの単量体と共重合可能なものであれば特に制限はなく、例えば、スチレン等の不飽和芳香族系単量体、メタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル系単量体、アクリロニトリル等の不飽和シアノ基含有単量体を挙げることができる。
(c)単量体としては、(a)単量体と(b)単量体以外の単量体であって、これらの単量体と共重合可能なものであれば特に制限はなく、例えば、スチレン等の不飽和芳香族系単量体、メタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル系単量体、アクリロニトリル等の不飽和シアノ基含有単量体を挙げることができる。
(c)単量体の含有量は、第一の単量体成分全体に対して、40〜64.5質量%であり、43〜63質量%であることが好ましく、45〜60質量%であることが更に好ましい。(c)単量体の含有量が、40質量%未満であると、粘着し易くなって塗工性が低下するおそれがある。また、塗工層の強度が充分に発現しなくなるおそれがある。一方、(c)単量体の含有量が、64.5質量%超であると、塗工層の強度が充分に発現しなくなるおそれがある。なお、第一の単量体成分は、(a)単量体、(b)単量体、及び(c)単量体の含有量の合計は100質量%である。
第一の単量体成分の乳化重合は、従来公知の方法により行うことができる。具体的には、水性媒体中で、乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを用いて行うことができる。ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。なお、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどを挙げることができる。ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などを挙げることができる。両性界面活性剤としては、アニオン部分として、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を含有し、カチオン部分として、アミン塩、第4級アンモニウム塩を含有するものなどを挙げることができる。具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸タイプの両性界面活性剤などを挙げることができる。
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレンなど通常の乳化重合で使用可能なものを使用することができる。なお、これらの中では、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等が好ましい。
乳化重合の重合温度は、通常20〜85℃、好ましくは25〜80℃である。重合時間は、通常5〜30時間、好ましくは8〜25時間である。
下塗り用共重合体は、そのゲル含量が90%以上である限り特に制限はないが、以下に示す、第一〜第三の態様のものであることが好ましい。
まず、第一の態様として、そのガラス転移温度が、−30〜0℃の範囲に存在するものであることが好ましく、−25〜−5℃であることが更に好ましく、−20〜−10℃であることが特に好ましい。上記ガラス転移温度が−30℃未満であると、粘着し易くなって塗工時に支障をきたすおそれがある。一方、0℃超であると、充分な塗工層の強度が得られなくなるおそれがある。
ここで、本明細書において、「ガラス転移温度」とは、下塗り用共重合体(または上塗り用共重合体)を基材上に塗工した後、100℃で20時間真空乾燥を行ってフィルムを作製し、この乾燥フィルムのガラス転移温度(Tg)を、示差走査熱量計(「DSC6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ASTM法に準じて測定した値をいう。
また、第二の態様として、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが好ましく、−55〜−15℃の範囲、及び3〜15℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが更に好ましく、−50〜−20℃の範囲、及び5〜12℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが特に好ましい。−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在することにより、強度発現性が良好で、かつ、塗工時の操業性も良好であるという利点がある。
更に、第三の態様として、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものであることが好ましく、前記差が、−70〜40℃であることが更に好ましく、−60〜30℃であることが特に好ましい。前記差が10℃未満であると、強度発現性と塗工操業性を共に良好にできないおそれがある。
ここで、本明細書において、「示差熱量曲線」とは、共重合体(A)を含有する共重合体(A)ラテックスをサンプルとして示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製の「DSC6100」)でガラス転移温度を測定したときに得られる曲線であり、「示差熱量曲線における転移領域」とは、示差熱量曲線におけるガラス転移領域であって、その範囲は、上記示差熱量曲線([温度]−[電力/時間]曲線)において、[電力/時間]の値が変化し始める温度から、[電力/時間]の値の一連の変化が終わる温度までを示す。
別言すると、転移領域は、一定の温度領域にわたって幅広く広がった状態となるときの温度領域を意味する。この転移領域は、示差熱量曲線の微分曲線([温度]−[電力/時間]曲線)の上記温度領域において、転移領域のピーク部分(先端部分)の形状が、三角形の頂点部分のような形状ではなく、台形の上底のような幅広いピーク形状となったものである。
このように、転移領域が幅広く広がった状態になる場合には、一つまたは複数のガラス転移温度というものを観測できず、示差熱量曲線におけるガラス転移を示す領域全体が、ガラス転移領域(転移領域)としてとらえられる。
上記示差熱量曲線が得られる下塗り用共重合体ラテックスは、含有する下塗り用共重合体が、ガラス転移温度の異なる複数のポリマーから構成され、それぞれのガラス転移温度が連続的に並ぶように構成されていると考えられる。
[1−3]顔料:
下塗り用塗工液に含有される顔料としては、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト等を使用することができる。これらの中でも、重質炭酸カルシウムが好ましく、カオリンと重質炭酸カルシウムとを使用することも好ましい。これらは、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を併用することもできる。上記顔料を含有させることにより、白紙光沢や白色度等の外観、印刷適性を良好に得られるという利点がある。
下塗り用塗工液に含有される顔料としては、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト等を使用することができる。これらの中でも、重質炭酸カルシウムが好ましく、カオリンと重質炭酸カルシウムとを使用することも好ましい。これらは、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を併用することもできる。上記顔料を含有させることにより、白紙光沢や白色度等の外観、印刷適性を良好に得られるという利点がある。
下塗り用塗工液は、下塗り用共重合体ラテックスと顔料以外に、更に、澱粉を含有することが好ましい。澱粉を含有させることにより、塗工適性が向上するという利点がある。
澱粉としては、例えば、燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉等の加工澱粉を使用することができる。これらは、1種単独で又は2種以上を併用することができる。
下塗り用塗工液は、上記澱粉を含有することが好ましいが、この澱粉に代えて、カゼイン、大豆蛋白等を含有するものであってもよい。なお、これらを併用することもできる。また、下塗り用共重合体ラテックス、及び澱粉、カゼイン、大豆蛋白等、並びにこれらの混合物は、バインダーとして機能するものである。
下塗り用塗工液は、顔料100質量部に対して、下塗り用共重合体ラテックス(固形分)を5〜10質量部含むことが好ましく、6〜9質量部含むことが更に好ましく、7〜9質量部含むことが特に好ましい。下塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が5質量部未満であると、塗工層の強度が不足するおそれがある。一方、10質量部超であると、インキセットが遅くなるおそれがある。また、コストが高くなるおそれがある。
下塗り用塗工液には、下塗り用共重合体ラテックス、顔料、澱粉、カゼイン、及び大豆蛋白に加えて、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料及びpH調節剤等一般に使用されている種々の添加剤を任意に配合することができる。なお、下塗り用塗工液の固形分濃度は、30〜70質量%であることが好ましい。
また、下塗り用塗工液は、顔料100質量部に対して、下塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び澱粉の総量が12質量部以下であることが好ましく、7〜11質量部であることが更に好ましく、8〜10質量部であることが特に好ましい。上記総量が12質量部超であると、インキセットが遅くなるおそれがある。また、コストが高くなるおそれがある。
顔料と下塗り用共重合体ラテックスに含まれる固形分との合計量は、下塗り用塗工液に含まれる固形分全体に対して、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。上記合計量が90質量%未満であると、白紙光沢や印刷光沢、あるいは充分な強度が発現しなくなるおそれがある。
[1−4]上塗り塗工層:
上塗り塗工層は、上記下塗り塗工層上に、上塗り用塗工液を塗工して形成されるものである。上塗り用塗工液の塗工方法は、上述した下塗り用塗工液の塗工方法と同様の方法を用いることができる。上記上塗り用塗工液は、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含むものである。
上塗り塗工層は、上記下塗り塗工層上に、上塗り用塗工液を塗工して形成されるものである。上塗り用塗工液の塗工方法は、上述した下塗り用塗工液の塗工方法と同様の方法を用いることができる。上記上塗り用塗工液は、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含むものである。
上記乳化重合によって得られる上塗り用共重合体ラテックス中の上塗り用共重合体は、ゲル含量が80%以上であり、85〜98%であることが好ましく、90〜97%であることが更に好ましい。上記ゲル含量が80%未満であると、塗工層の充分な強度が得られなくなるおそれがある。
また、上記上塗り用共重合体ラテックスは、その数平均粒子径が90nmを超えるものであり、95〜170nmであることが好ましく、100〜150nmであることが更に好ましい。上記数平均粒子径が90nm以下であると、充分な白紙光沢やインキセット性が得られないおそれがある。
上塗り用共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共役ジエン単量体(以下、「(a)単量体」と記す場合がある)、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体(以下、「(b)単量体」と記す場合がある)、及び(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下、「(c)単量体」と記す場合がある)を所定量含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分(以下、「第二の単量体成分」と記す場合がある)を乳化重合して得られるものであることが好ましい。
上塗り塗工液の塗工量は、特に制限されないが、固形分換算で、4〜14g/m2であることが好ましく、5〜13g/m2であることが更に好ましく、6〜12g/m2であることが特に好ましい。上記厚さが4g/m2未満であると、充分な白紙光沢、印刷光沢、ニス引き白紙光沢等が得られなくなるおそれがある。一方、14g/m2超であると、コストが高くなり過ぎるおそれがある。
上記第二の単量体成分は、上記第一の単量体成分と同様の単量体((a)単量体、(b)単量体、及び(c)単量体)を好適に用いることができる。また、その使用量の範囲も同様の範囲とすることができる。なお、第一の単量体成分と第二の単量体成分とに含有される各単量体の使用量は、それぞれ異なるものとすることは勿論である。
上塗り用共重合体ラテックスは、例えば、上述した下塗り用共重合体ラテックスの製造方法と同様の条件で、第二の単量体成分を乳化重合することによって製造することができる。
上塗り用共重合体は、そのゲル含量が80%以上である限り特に制限はないが、以下に示す、第一〜第三の態様のものであることが好ましい。
まず、第一の態様として、そのガラス転移温度が、−25〜15℃の範囲に存在するものであることが好ましく、−20〜8℃であることが更に好ましく、−15〜5℃であることが特に好ましい。上記ガラス転移温度が−25℃未満であると、塗工面が粘着し易く塗工時に支障をきたすおそれがある。一方、15℃超であると、充分な塗工層の強度が得られないおそれがある。
また、第二の態様として、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが好ましく、−55〜−15℃の範囲、及び3〜18℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが更に好ましく、−50〜−20℃の範囲、及び5〜15℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するものであることが特に好ましい。−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在することにより、塗工層の強度発現性が良好で、かつ、塗工時の操業性も良好という利点がある。
更に、第三の態様として、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものであることが好ましく、前記差が、−60〜40℃であることが更に好ましく、−50〜30℃であることが特に好ましい。前記差が10℃未満であると、塗工層の強度発現性と塗工時の操業性を共には良好にできないおそれがある。
上塗り用塗工液に含有される顔料は、上述した下塗り用塗工液に含有される顔料と同様のものを好適に使用することができる。
上塗り用塗工液は、上述した上塗り用共重合体ラテックス及び顔料以外に、澱粉、カゼイン、大豆蛋白等、並びにこれらの混合物を更に含有することができる。また、上述した、種々の添加剤を任意に配合することもできる。
上塗り用塗工液は、顔料100質量部に対して、上塗り用共重合体ラテックス(固形分)を5〜13質量部含むことが好ましく、6〜12質量部含むことが更に好ましく、7〜11質量部含むことが特に好ましい。上塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が5質量部未満であると、塗工層の充分な強度が得られないおそれがある。一方、13質量部超であると、コストが高くなり過ぎるおそれがある。
上塗り用塗工液には、上塗り用共重合体ラテックス及び顔料に加えて、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料及びpH調節剤等一般に使用されている種々の添加剤を任意に配合することができる。なお、上塗り用塗工液の固形分濃度は、45〜67質量%であることが好ましい。
また、上塗り用塗工液は、顔料100質量部に対して、上塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び澱粉の総量が、15質量部以下であることが好ましく、7〜14質量部であることが更に好ましく、8〜13量部であることが特に好ましい。上記総量が15質量部超であると、インキセットが遅くなり、また、コストが高くなるおそれがある。
顔料と上塗り用共重合体ラテックスに含まれる固形分との合計量は、上塗り用塗工液に含まれる固形分全体に対して、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましい。上記合計量が95質量%未満であると、塗工層の充分な強度が得られないおそれがある。または、充分な白紙光沢や印刷光沢が得られないおそれがある。
[2]塗工板紙の製造方法:
本発明の塗工板紙の製造方法は、塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成し、形成した下塗り塗工層上に、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成するものである。
本発明の塗工板紙の製造方法は、塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成し、形成した下塗り塗工層上に、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成するものである。
このように、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスを含む下塗り用塗工液、及び、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスを含む上塗り用塗工液を用いることにより、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少なくても強度が維持された塗工層を有する塗工板紙を製造することができる。
[2−1]下塗り塗工層の形成:
本発明の塗工板紙の製造方法は、上述した塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、上述した下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成する工程(第一の工程)を含むものである。
本発明の塗工板紙の製造方法は、上述した塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、上述した下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成する工程(第一の工程)を含むものである。
下塗り用塗工液を塗工板紙原紙に塗工する方法としては、既に上述した公知の方法を挙げることができる。
[2−2]上塗り塗工層の形成:
本発明の塗工板紙の製造方法は、形成した下塗り塗工層上に、上述した上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成する工程(第二の工程)を含むものである。
本発明の塗工板紙の製造方法は、形成した下塗り塗工層上に、上述した上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成する工程(第二の工程)を含むものである。
上塗り用塗工液を塗工板紙原紙に塗工する方法としては、上述した、下塗り用塗工液と同様に公知の塗工方法を挙げることができる。
本発明の塗工板紙の製造方法は、上記第一の工程及び上記第二の工程以外に、第一の工程によって未乾燥下塗り塗工層を作製した後に、その未乾燥下塗り塗工層を乾燥させる第一の乾燥工程を有することができる。また、第二の工程によって未乾燥上塗り塗工層を作製した後に、その未乾燥上塗り塗工層を乾燥させる第二の乾燥工程を有することができる。更に、上記第二の乾燥工程の後に、カレンダー工程を設けてもよい。このカレンダー工程においてカレンダー処理を行うことにより、得られる塗工板紙の白紙光沢及び印刷光沢を充分に引き出すことができる。
なお、上塗り用塗工液は、下塗り用塗工液を乾燥させて下塗り塗工層を形成した後、その表面に塗工することが好ましいが、未乾燥状態または半乾燥状態の下塗り用塗工液に塗工しても良い。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(合成例1)上塗り用共重合体ラテックスL1の合成:
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム0.5部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、1,3−ブタジエン(表1,2中「ブタジエン」と示す)8部、スチレン7.6部、及びアクリロニトリル2部、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)2部、アクリル酸0.2部、イタコン酸0.2部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、70℃で4時間反応させた。なお、重合転化率が70%以上であることを確認した。
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム0.5部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、1,3−ブタジエン(表1,2中「ブタジエン」と示す)8部、スチレン7.6部、及びアクリロニトリル2部、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)2部、アクリル酸0.2部、イタコン酸0.2部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、70℃で4時間反応させた。なお、重合転化率が70%以上であることを確認した。
続いて、1,3−ブタジエン32部、スチレン30.4部、アクリロニトリル8部、メチルメタクリレート8部、アクリル酸0.8部、イタコン酸0.8部(以上を、表1,2中、「2段目」と示す)を70℃で10時間、連続的に添加し、重合を行った。連続添加終了後、更に、70℃で6時間反応させて、上塗り用共重合体ラテックスL1(以下、「ラテックスL1」と記す場合がある)を得た。最終的な重合添加率は99%であった。
得られたラテックスL1について、数平均粒子径、ゲル含量(%)、ガラス転移温度(Tg)を、以下に示す方法により測定した。
[数平均粒子径]:
ラテックスL1の数平均粒子径は、粒径測定装置(レーザー粒径解析システムLP−510、モデルPAR−III:大塚電子社製)を用いて動的光散乱法により測定した。
ラテックスL1の数平均粒子径は、粒径測定装置(レーザー粒径解析システムLP−510、モデルPAR−III:大塚電子社製)を用いて動的光散乱法により測定した。
[ゲル含量(%)]:
ラテックスL1をpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させて凝固物を得た。この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬した。その後、120メッシュの金網でろ過し、金網に残存した凝固物(残存凝固物)の量を測定した。その後、共重合体(A)ラテックスの全固形分に対する、上記残存凝固物(残存固形分)の量(質量%)を算出してゲル含量(%)(トルエン不溶分)とした。
ラテックスL1をpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させて凝固物を得た。この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬した。その後、120メッシュの金網でろ過し、金網に残存した凝固物(残存凝固物)の量を測定した。その後、共重合体(A)ラテックスの全固形分に対する、上記残存凝固物(残存固形分)の量(質量%)を算出してゲル含量(%)(トルエン不溶分)とした。
[ガラス転移温度(Tg)]:
ラテックスL1を100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥させたフィルムについて、示差走査熱量計(「DSC6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用いてASTM法に準じてガラス転移温度(Tg)を測定した。この測定値を上塗り用共重合体のガラス転移温度(Tg)とした。
ラテックスL1を100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥させたフィルムについて、示差走査熱量計(「DSC6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用いてASTM法に準じてガラス転移温度(Tg)を測定した。この測定値を上塗り用共重合体のガラス転移温度(Tg)とした。
表1に示すように、本合成例のラテックスL1は、数平均粒子径が120nmであった。また、ラテックスL1に含有される上塗り用共重合体は、ゲル含量(%)が91%、ガラス転移温度が−4℃であった。
(合成例2)上塗り用共重合体ラテックスL2の合成:
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、1,3−ブタジエン5部、スチレン3部、及びアクリロニトリル2部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、60℃で1時間反応させた。
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、1,3−ブタジエン5部、スチレン3部、及びアクリロニトリル2部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、60℃で1時間反応させた。
続いて、α−メチルスチレンダイマー0.4部、t−ドデシルメルカプタン0.4部、1,3−ブタジエン30部、スチレン8部、アクリロニトリル9部、メチルメタクリレート5部、アクリル酸1部、及びイタコン酸1部(以上を、表1,2中、「2段目」と示す)の混合物を10部/時間(hr)の速度で連続的に添加し重合を行った。
更に続けて、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、1,3−ブタジエン10部、スチレン12部、アクリロニトリル9部、及びメチルメタクリレート5部(以上を、表1,2中、「3段目」と示す)の混合物を10部/時間の速度で連続的に添加し重合を行った。その後、更に70℃で6時間反応させて、上塗り用共重合体ラテックスL2(以下、「ラテックスL2」と記す場合がある)を得た。最終的な重合添加率は99%であった。
上述した方法により、得られたラテックスL2の数平均粒子径、及びラテックスL2に含有される上塗り用共重合体のゲル含量(%)を測定した。また、上塗り用共重合体の転移領域の最低・最高温度については以下に示す方法により測定した。
[転移領域の最低・最高温度]:
ラテックスL2について、示差走査熱量計(「DSC6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、ASTM法に準じてラテックスL2に含有される上塗り用共重合体の示差熱量曲線を得た。この示差熱量曲線により、ラテックスL2に含有される上塗り用共重合体の転移領域を決定し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差(℃)を算出した(表1,2中、「ΔT」と示す)。
ラテックスL2について、示差走査熱量計(「DSC6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、ASTM法に準じてラテックスL2に含有される上塗り用共重合体の示差熱量曲線を得た。この示差熱量曲線により、ラテックスL2に含有される上塗り用共重合体の転移領域を決定し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差(℃)を算出した(表1,2中、「ΔT」と示す)。
表1に示すように、本合成例のラテックスL2は、数平均粒子径が110nmであった。また、ラテックスL2に含有される上塗り用共重合体は、ゲル含量(%)が89%、示差熱量曲線における転移領域が−25〜20℃であり、この転移領域中の最低/最高温度の差(ΔT)が45℃であった。
(合成例3)上塗り用共重合体ラテックスL3の合成:
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム0.5部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、1,3−ブタジエン28部、スチレン10部、及びアクリロニトリル10部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、60℃で4時間反応させた。
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム0.5部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、1,3−ブタジエン28部、スチレン10部、及びアクリロニトリル10部(以上を、表1,2中、「1段目」と示す)を一括して仕込み、60℃で4時間反応させた。
続いて、1,3−ブタジエン17部、スチレン13部、アクリロニトリル10部、メチルメタクリレート10部、アクリル酸1部、イタコン酸1部(以上を、表1,2中、「2段目」と示す)を60℃で10時間連続的に添加して重合を行った。連続添加終了後、更に、70℃で6時間反応させて、上塗り用共重合体ラテックスL3(以下、「ラテックスL3」と記す場合がある)を得た。最終的な重合添加率は99%であった。
合成例1と同様にして、得られたラテックスL3の数平均粒子径を測定し、また、ラテックスL3に含有される上塗り用共重合体のゲル含量(%)、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
表1に示すように、本合成例のラテックスL3は、数平均粒子径が100nmであり、ラテックスL3に含有される上塗り用共重合体は、ゲル含量(%)が92%、ガラス転移温度が−31℃及び9℃であった。
(合成例4〜6)下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3の合成:
表2に示す配合処方とした以外は、合成例1と同様にして、下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3を合成した。これらの下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3について数平均粒子径を測定し、また、下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3に含有される下塗り用共重合体について、ゲル含量(%)、ガラス転移温度(または示差熱量曲線における転移領域、及びこの転移領域中の最低/最高温度の差)、重量平均分子量を測定した。測定結果を表2に示す。なお、下塗り用共重合体の数平均粒子径は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を変量することにより調整した。
表2に示す配合処方とした以外は、合成例1と同様にして、下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3を合成した。これらの下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3について数平均粒子径を測定し、また、下塗り用共重合体ラテックスS1〜S3に含有される下塗り用共重合体について、ゲル含量(%)、ガラス転移温度(または示差熱量曲線における転移領域、及びこの転移領域中の最低/最高温度の差)、重量平均分子量を測定した。測定結果を表2に示す。なお、下塗り用共重合体の数平均粒子径は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を変量することにより調整した。
(実施例1):
(上塗り用塗工液の調製)
合成例1で得られたラテックスL1を10部、1級カオリン(ウルトラホワイトー90、エンゲルハード社製)35部、微量カオリン(ミラグロス、エンゲルハード社製)35部、重質炭酸カルシウム(カービタルー90、イメリス社製、表3中、「重質炭酸カルシウム2」と示す)20部、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP221GS、奥多摩工業社製)10部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−40、東亜合成工業社製)0.1部、潤滑剤(ノップコートC104、サンノプコ社製)0.5部、水酸化ナトリウム0.15部、及びスターチ(澱粉)(MS4600、日本食品工業社製)2部を混合して上塗り用塗工液を調製した。調製に際しては、上塗り用塗工液の全固形分が66%となるように上記原料に水を加え、コーレス分散機を用いて均一に分散混合させた。
(上塗り用塗工液の調製)
合成例1で得られたラテックスL1を10部、1級カオリン(ウルトラホワイトー90、エンゲルハード社製)35部、微量カオリン(ミラグロス、エンゲルハード社製)35部、重質炭酸カルシウム(カービタルー90、イメリス社製、表3中、「重質炭酸カルシウム2」と示す)20部、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP221GS、奥多摩工業社製)10部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−40、東亜合成工業社製)0.1部、潤滑剤(ノップコートC104、サンノプコ社製)0.5部、水酸化ナトリウム0.15部、及びスターチ(澱粉)(MS4600、日本食品工業社製)2部を混合して上塗り用塗工液を調製した。調製に際しては、上塗り用塗工液の全固形分が66%となるように上記原料に水を加え、コーレス分散機を用いて均一に分散混合させた。
(下塗り用塗工液の調製)
合成例4で得られた下塗り用共重合体ラテックスS1を8部、2級カオリン(ハイドラスパーズ、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(カービタルー60、イメリス社製、表3中、「重質炭酸カルシウム1」と示す)50部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−40、東亜合成工業社製)0.1部、水酸化ナトリウム0.15部、及びスターチ(MS4600、日本食品工業社製)2部を混合して下塗り用塗工液を調製した。調製に際しては、下塗り用塗工液の全固形分が66%となるように上記原料に水を加え、コーレス分散機を用いて均一に分散混合させた。
合成例4で得られた下塗り用共重合体ラテックスS1を8部、2級カオリン(ハイドラスパーズ、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(カービタルー60、イメリス社製、表3中、「重質炭酸カルシウム1」と示す)50部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−40、東亜合成工業社製)0.1部、水酸化ナトリウム0.15部、及びスターチ(MS4600、日本食品工業社製)2部を混合して下塗り用塗工液を調製した。調製に際しては、下塗り用塗工液の全固形分が66%となるように上記原料に水を加え、コーレス分散機を用いて均一に分散混合させた。
(塗工板紙の製造)
まず、得られた下塗り用塗工液を塗工板紙原紙に、塗工量が片面7.0±0.5g/m2となるように、ラボブレードコーター(SMT社製)で塗工した。塗工後、150℃で4秒間乾燥させて、下塗り塗工層が形成された塗工板紙原紙(以下、「一層塗工板紙」と記す場合がある)を得た。得られた一層塗工板紙に、塗工量が片面9.0±0.5g/m2となるように上塗り用塗工液をラボブレードコーター(SMT社製)で塗工した。塗工後、150℃で4秒間乾燥させて、下塗り塗工層上に上塗り塗工層が形成された塗工板紙を得た。得られた塗工板紙を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置した。その後、線圧105kg/cm、ロール温度100℃の条件でグロスカレンダー処理を1回行い、塗工板紙を製造した。製造した塗工板紙について、以下に示す方法で、各種性能評価を行った。
まず、得られた下塗り用塗工液を塗工板紙原紙に、塗工量が片面7.0±0.5g/m2となるように、ラボブレードコーター(SMT社製)で塗工した。塗工後、150℃で4秒間乾燥させて、下塗り塗工層が形成された塗工板紙原紙(以下、「一層塗工板紙」と記す場合がある)を得た。得られた一層塗工板紙に、塗工量が片面9.0±0.5g/m2となるように上塗り用塗工液をラボブレードコーター(SMT社製)で塗工した。塗工後、150℃で4秒間乾燥させて、下塗り塗工層上に上塗り塗工層が形成された塗工板紙を得た。得られた塗工板紙を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置した。その後、線圧105kg/cm、ロール温度100℃の条件でグロスカレンダー処理を1回行い、塗工板紙を製造した。製造した塗工板紙について、以下に示す方法で、各種性能評価を行った。
[ドライピック強度]:
RI印刷機(明製作所社製)で印刷したときのピッキングを目視で判定し、1.0〜5.0の得点範囲で評価した。評価基準は、ピッキング現象の少ないものほど高得点(5点)とした。具体的には、ピッキングがない場合を5点、少しピッキングがある場合を4点、部分的にピッキングがある場合を3点、全体的にピッキングがある場合を2点、全体的に激しくピッキングがある場合を1点とした。なお、数値は測定回数(6回)の平均値で示した。表4中、「Dry Pick」と示す。なお、表4中の「1−5」は、1.0〜5.0の得点範囲で評価したことを示す。
RI印刷機(明製作所社製)で印刷したときのピッキングを目視で判定し、1.0〜5.0の得点範囲で評価した。評価基準は、ピッキング現象の少ないものほど高得点(5点)とした。具体的には、ピッキングがない場合を5点、少しピッキングがある場合を4点、部分的にピッキングがある場合を3点、全体的にピッキングがある場合を2点、全体的に激しくピッキングがある場合を1点とした。なお、数値は測定回数(6回)の平均値で示した。表4中、「Dry Pick」と示す。なお、表4中の「1−5」は、1.0〜5.0の得点範囲で評価したことを示す。
[ウェットピック強度]:
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、塗工板紙の表面を給水ロールで湿らせた後、RI印刷機で所定の文字などを印刷したときのピッキングを目視で判定し、1.0〜5.0の得点範囲で評価した。評価基準は、ピッキング現象の少ないものほど高得点(5点)とした。具体的には、ピッキングがない場合を5点、少しピッキングがある場合を4点、部分的にピッキングがある場合を3点、全体的にピッキングがある場合を2点、全体的に激しくピッキングがある場合を1点とした。なお、数値は測定回数(6回)の平均値で示した。表4中、「Wet Pick」と示す。
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、塗工板紙の表面を給水ロールで湿らせた後、RI印刷機で所定の文字などを印刷したときのピッキングを目視で判定し、1.0〜5.0の得点範囲で評価した。評価基準は、ピッキング現象の少ないものほど高得点(5点)とした。具体的には、ピッキングがない場合を5点、少しピッキングがある場合を4点、部分的にピッキングがある場合を3点、全体的にピッキングがある場合を2点、全体的に激しくピッキングがある場合を1点とした。なお、数値は測定回数(6回)の平均値で示した。表4中、「Wet Pick」と示す。
[インキセット性]:
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、塗工板紙に所定の文字などを印刷した後、上記印刷機において上記印刷面に、合成紙を当て、印刷後、20秒、40秒、60秒、80秒、及び100秒にロールを移動させて塗工板紙に合成紙を圧着する。合成紙を圧着させた後、合成紙上のインキ濃度(経時的に塗工板紙の印刷面から合成紙に転移してくるインキの量)を測定した。20秒、40秒、60秒、80秒、及び100秒後のインキ濃度の平均値(平均濃度)を算出し、この平均値の低いものほど高得点とした。なお、インキ濃度が低いほど、すなわち、高得点ほど、インキセットは速い。表4中、「インキセット」と示す。なお、インキ濃度(ODU(optical density unit))は、マクベスインキ濃度計(Kollmorgen Corporation社製)により測定した。
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、塗工板紙に所定の文字などを印刷した後、上記印刷機において上記印刷面に、合成紙を当て、印刷後、20秒、40秒、60秒、80秒、及び100秒にロールを移動させて塗工板紙に合成紙を圧着する。合成紙を圧着させた後、合成紙上のインキ濃度(経時的に塗工板紙の印刷面から合成紙に転移してくるインキの量)を測定した。20秒、40秒、60秒、80秒、及び100秒後のインキ濃度の平均値(平均濃度)を算出し、この平均値の低いものほど高得点とした。なお、インキ濃度が低いほど、すなわち、高得点ほど、インキセットは速い。表4中、「インキセット」と示す。なお、インキ濃度(ODU(optical density unit))は、マクベスインキ濃度計(Kollmorgen Corporation社製)により測定した。
なお、平均濃度が0.87以上のとき1点、平均濃度が0.87未満で0.81以上のとき2点、平均濃度が0.81未満で0.75以上のとき3点、平均濃度が0.75未満で0.70以上のとき4点、平均濃度が0.70未満で0.66以上のとき5点とした。
[ニス引き適性]:
RI印刷機(明製作所社製)のロールによって、1mlのカートンOPニス UV(東洋インキ社製)を均一になるまで練り、その後、塗工板紙に塗布した。塗布10秒後に照射量で1分間、紫外線を照射して塗布層を硬化させる。塗布層を硬化させた後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用して75度の角度における上記塗工板紙上の塗布層の白紙光沢(%)を測定した。なお、表4中、「ニス引き適性(%)」と示す。
RI印刷機(明製作所社製)のロールによって、1mlのカートンOPニス UV(東洋インキ社製)を均一になるまで練り、その後、塗工板紙に塗布した。塗布10秒後に照射量で1分間、紫外線を照射して塗布層を硬化させる。塗布層を硬化させた後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用して75度の角度における上記塗工板紙上の塗布層の白紙光沢(%)を測定した。なお、表4中、「ニス引き適性(%)」と示す。
[白紙光沢]:
村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が75度のときの上記塗工板紙の白紙光沢(%)を測定した。なお、測定値が大きい程、白紙光沢が高いことを示す。
村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が75度のときの上記塗工板紙の白紙光沢(%)を測定した。なお、測定値が大きい程、白紙光沢が高いことを示す。
[印刷光沢(1回刷)]:
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、市販のオフセット印刷用墨インク(商品名「SMX タック グレード 15」、東洋インキ製作所社製)を1度ベタ塗りした後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が60度のときの上記塗工板紙の印刷光沢(%)を測定した。測定値が大きい程、印刷光沢が高いことを示す。なお、表4中、「単色(%)」と示す。
RI印刷機(明製作所社製)を用いて、市販のオフセット印刷用墨インク(商品名「SMX タック グレード 15」、東洋インキ製作所社製)を1度ベタ塗りした後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が60度のときの上記塗工板紙の印刷光沢(%)を測定した。測定値が大きい程、印刷光沢が高いことを示す。なお、表4中、「単色(%)」と示す。
[印刷光沢(2回刷)]:
(明製作所社製)を用いて、市販のオフセット印刷用墨インク(商品名「SMX タック グレード 15」、東洋インキ製作所社製)を1度ベタ塗りした後、インターバルを30秒とり、更に、上記オフセット印刷用墨インクをベタ塗りする。その後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が60度のときの上記塗工板紙の印刷光沢(%)を測定した。測定値が大きい程、印刷光沢が高いことを示す。なお、表4中、「重色(%)」と示す。
(明製作所社製)を用いて、市販のオフセット印刷用墨インク(商品名「SMX タック グレード 15」、東洋インキ製作所社製)を1度ベタ塗りした後、インターバルを30秒とり、更に、上記オフセット印刷用墨インクをベタ塗りする。その後、村上式光沢計(村上色彩技術研究所社製)を使用し、上記塗工板紙とのなす角度が60度のときの上記塗工板紙の印刷光沢(%)を測定した。測定値が大きい程、印刷光沢が高いことを示す。なお、表4中、「重色(%)」と示す。
[糊付け性]:
塗工板紙の表面に、糊付けテスト用アプリケーターで日栄化工社製の「ライフボンドAV650」を一定量塗布した後、その上に上記塗工板紙の裏面が接するようにして重ね、圧着する。一日後、接着した箇所を、できる限り一定の力で剥がし、接着部分の剥離状態により評価を行った。この評価は、完全に原紙層から破壊された場合は良好で5点(完全な基材破壊)、塗工層で剥がれているものは3点、完全に接着面から剥がれたものは最も不良であり1点として、各中間的な段階も考慮して5段階相対評価を行った。高得点ほど、糊付け性が良好である。
塗工板紙の表面に、糊付けテスト用アプリケーターで日栄化工社製の「ライフボンドAV650」を一定量塗布した後、その上に上記塗工板紙の裏面が接するようにして重ね、圧着する。一日後、接着した箇所を、できる限り一定の力で剥がし、接着部分の剥離状態により評価を行った。この評価は、完全に原紙層から破壊された場合は良好で5点(完全な基材破壊)、塗工層で剥がれているものは3点、完全に接着面から剥がれたものは最も不良であり1点として、各中間的な段階も考慮して5段階相対評価を行った。高得点ほど、糊付け性が良好である。
[ブリスターパック適性]:
荒川塗料工業社製の「ブリスターパック用接着剤#11」とシンナーとを1:1にブレンドして得た液を塗工板紙の表面にワイヤーバーNo.10を使用して一定量塗布し乾燥させて、接着剤層を得た。接着剤層上に厚さ0.3mmの塩化ビニル製のフィルムを重ねた後、これらをインパルスシーラーで100〜200℃の適度な温度で5秒圧着する。圧着後、冷却し、上記フィルムをできる限り一定の力で剥がし、接着剤層上のフィルムの剥離状態によりブリスターパック適性の評価を行った。この評価は、完全に原紙層から破壊された場合は良好で5点(完全な基材破壊)、塗工層で剥がれているものは3点、完全に接着面から剥がれたものは最も不良であり1点として、各中間的な段階も考慮して5段階相対評価を行った。高得点ほど、ブリスターパック適性が良好である。なお、表4中、「BP適性」と示す。
荒川塗料工業社製の「ブリスターパック用接着剤#11」とシンナーとを1:1にブレンドして得た液を塗工板紙の表面にワイヤーバーNo.10を使用して一定量塗布し乾燥させて、接着剤層を得た。接着剤層上に厚さ0.3mmの塩化ビニル製のフィルムを重ねた後、これらをインパルスシーラーで100〜200℃の適度な温度で5秒圧着する。圧着後、冷却し、上記フィルムをできる限り一定の力で剥がし、接着剤層上のフィルムの剥離状態によりブリスターパック適性の評価を行った。この評価は、完全に原紙層から破壊された場合は良好で5点(完全な基材破壊)、塗工層で剥がれているものは3点、完全に接着面から剥がれたものは最も不良であり1点として、各中間的な段階も考慮して5段階相対評価を行った。高得点ほど、ブリスターパック適性が良好である。なお、表4中、「BP適性」と示す。
本実施例の塗工板紙は、ドライピック強度が4.0、ウェットピック強度が3.5、インキセット性が4.0、ニス引き適性が68.4、白紙光沢が66.3、印刷光沢(1回刷)が55.3、印刷光沢(2回刷)が57.9、糊付け性が4.0、ブリスターパック適性が4.0であった。
(実施例2〜7、比較例1〜3)
表3に示す配合処方とすること以外は、実施例1と同様にして、塗工板紙を得た。得られた塗工板紙の各評価結果を表4に示す。
表3に示す配合処方とすること以外は、実施例1と同様にして、塗工板紙を得た。得られた塗工板紙の各評価結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1〜7の塗工板紙は、比較例1〜3の塗工板紙に比べて、ニス引き適性が良好であることに加え、良好なインキセット性を有し、バインダーの使用量(特に、塗工層を形成するための塗工液に含有されるラテックスの使用量)が少ないが強度が維持された塗工層を有するものであることが明らかである。
本発明の塗工板紙は、紙器、ブリスターパック容器、本の表紙などとして特に好適に使用することができる。また、その他の各種パッケージ用、各種カード用としても使用することができる。
Claims (8)
- 塗工板紙原紙と、前記塗工板紙原紙の少なくとも一の面に下塗り用塗工液を塗工して形成される下塗り塗工層と、前記下塗り塗工層上に上塗り用塗工液を塗工して形成される上塗り塗工層と、を備える塗工板紙であって、
前記下塗り用塗工液が、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含み、
前記上塗り用塗工液が、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む塗工板紙。 - 前記下塗り用共重合体ラテックスが、
(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び
(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものであり、
前記上塗り用共重合体ラテックスが、
(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び
(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものである請求項1に記載の塗工板紙。 - 前記下塗り用共重合体が、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するもの、または、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものである請求項1または2に記載の塗工板紙。
- 前記下塗り用塗工液が、更に、澱粉を含有し、
前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が、前記顔料100質量部に対して、5〜10質量部であり、
前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び前記澱粉の総量が、前記顔料100質量部に対して、12質量部以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗工板紙。 - 塗工板紙原紙の少なくとも一の面に、ゲル含量が90%以上である下塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が60〜90nmである下塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む下塗り用塗工液を塗工して下塗り塗工層を形成し、
形成した前記下塗り塗工層上に、ゲル含量が80%以上である上塗り用共重合体を含有するとともに、数平均粒子径が90nmを超える上塗り用共重合体ラテックスと、顔料と、を含む上塗り用塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成する塗工板紙の製造方法。 - 前記下塗り用共重合体ラテックスが、
(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び
(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものであり、
前記上塗り用共重合体ラテックスが、
(a)脂肪族共役ジエン単量体を35〜55質量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜5質量%、及び
(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体を40〜64.5質量%含む(但し、(a)+(b)+(c)=100質量%)単量体成分を乳化重合して得られるものである請求項5に記載の塗工板紙の製造方法。 - 前記下塗り用共重合体が、そのガラス転移温度が、−60〜−10℃の範囲、及び0〜20℃の範囲のそれぞれに少なくとも一点ずつ存在するもの、または、−80〜50℃の範囲に示差熱量曲線における転移領域を有し、この転移領域中の最低温度と最高温度との差が10℃以上のものである請求項5または6に記載の塗工板紙の製造方法。
- 前記下塗り用塗工液が、更に、澱粉を含有し、
前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)の含量が、前記顔料100質量部に対して、5〜10質量部であり、
前記下塗り用共重合体ラテックス(固形分)及び前記澱粉の総量が、前記顔料100質量部に対して、12質量部以下である請求項5〜7のいずれか一項に記載の塗工板紙の製造方法。
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JP2010144033A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 共重合体ラテックス、塗工紙用組成物及び印刷用塗工紙 |
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JP2013533139A (ja) * | 2010-07-02 | 2013-08-22 | オムヤ・デイベロツプメント・アー・ゲー | インクジェット記録のための紙 |
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