JP2008247955A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリアリーレンスルフィド樹脂にエポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際に顕著な耐衝撃性の改善効果を発現するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 特定構造の化合物を0.1〜1000質量ppmの範囲となる割合で含有するカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、及びカルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)を必須成分として含有すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、靭性に優れ、電気または電子部品、自動車部品、水周り部品等の成形品に幅広く利用できる、耐衝撃性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
ポリアリーレンスルフィド樹脂は耐熱性及び耐薬品性に優れており、電気または電子部品、自動車部品、機械部品、給湯機部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。近年、前記の電気または電子部品、自動車部品等における部品の高性能化または軽量化が要求されるとともに、前記部品の小型化または薄肉化等が必要となり、溶融成型の際に良好な流動性を有し、かつ得られた成型品の耐衝撃性がさらに改善されることが要求されている。このような耐衝撃性を向上させるための方法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、エポキシシラン等のシランカップリング剤または官能基含有熱可塑性エラストマーとを溶融混練する方法、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の高分子量化を図り靭性を改善する方法が知られている。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を高分子量化して成形品の靭性を改善する方法としては、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂の重合反応中に、反応釜の気相部分を冷却して気相の一部を凝縮し、液相に還流させることにより、該ポリアリーレンスルフィド樹脂の高分子量化を図り、かつ、重合反応後、得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を有機溶媒で洗浄、次いで、水で洗浄することにより低分子量成分を除去する方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このようにして得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は高分子量化され、かつ、不純物である低分子量成分を除去できて靭性はある程度改善されているものの、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際の耐衝撃性改善効果は未だ十分なものではなかった。
特許平8−253587号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂にエポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際に顕著な耐衝撃性の改善効果を発現するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中に含まれる特定構造の化合物量を低減させることにより、エポキシシランカップリング剤または熱可塑性エラストマーとの反応性が改善されて成型品の耐衝撃性が飛躍的に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記構造式(1)
Figure 2008247955
(構造式(1)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)
表される分子構造を有する化合物(a1)を0.1〜1000質量ppmとなる割合で含有するカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、及び、カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)を必須成分とすることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
本発明によれば、ポリアリーレンスルフィド樹脂にエポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際に顕著な耐衝撃性の改善効果を発現するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供できる。
本発明で用いるカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、下記構造式(1)
Figure 2008247955
(構造式(1)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)
表される分子構造を有する化合物(a1)を0.1〜1000質量ppmとなる割合で含有するものである。この上記記構造式(1)で表される構造を有する化合物(a1)は、当該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を製造する際の副生成物であり、本発明は様々な副生成物、不純物のなかでも前記化合物(a1)の含有率を低減させることにより、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際の耐衝撃性改善効果を飛躍的に向上させたものである。カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中の前記化合物(a1)の含有率は前記した通り、0.1〜1000質量ppmの範囲であるが、特にカルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)と溶融混合する際の均一性・反応性が良好なものとなり、耐衝撃性改善効果がより顕著なものとなる点から特に、1質量部〜500質量ppmの範囲にあることが好ましい。
前記化合物(a1)の具体的構造は、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を製造する際の原料や重合条件に依拠するが、例えば、前記構造式(1)中、Yとして臭素原子、又は塩素原子を、Yとして水素原子、臭素原子、又は塩素原子を有し、Rは水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、又はシクロヘキシル基を有し、Rとしてプロピレン基、2−メチルエチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、2−メチルブチレン基、1,1−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基を有するものが挙げられる。これらのなかでも特にポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造原料として、例えば、アミド基含有環状炭化水素化合物がN−メチル−2−ピロリドン、芳香族ポリハロゲン化合物がp−ジクロロベンゼンである場合、前記化合物(a1)は、下記構造式(3)
Figure 2008247955
で表されるものとなる(以下、この化合物を「CP−MABA(水素型)」と略記する)。
また、本発明においては、上記化合物(a1)のみならず、更に、下記構造式(2)
Figure 2008247955
(構造式(2)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Xはアルカリ金属原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)で表される分子構造を有する化合物(a2)の組成物中の含有率を低減させること、具体的には、前記化合物(a1)及び前記化合物(a2)の合計の含有率が、前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中、2〜1800ppmとなる範囲、特に50〜1200質量ppmとなる範囲であることが耐衝撃性の改善効果が顕著なものとなる点から好ましい。
前記化合物(a2)の具体的構造は、前記構造式(2)中、Yとして臭素原子、又は塩素原子を、Yとして水素原子、臭素原子、又は塩素原子を有し、Rは水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、又はシクロヘキシル基を有し、Rとしてプロピレン基、2−メチルエチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、2−メチルブチレン基、1,1−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基を有するものが挙げられる。
化合物(a1)の場合と同様に、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造原料として、例えば、アミド基含有環状炭化水素化合物がN−メチル−2−ピロリドン、アルカリ金属硫化物に硫化ソーダ、芳香族ポリハロゲン化合物がp−ジクロロベンゼンである場合、化合物(a2)は、下記構造式(4)
Figure 2008247955
で表されるものとなる(以下、「CP−MABA(Na型)」と略記する)。
ここで、前記化合物(a1)及び化合物(a2)の含有量を定量する方法は、
まず、前記化合物(a1)の定量方法は、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)にイオン交換水、及び0.4質量%のアルカリ水溶液を混合してイオン交換水を混合して十分にスラリー化したものを撹拌機付き耐圧容器中220℃に加熱し、前記化合物(a1)を抽出し、その含有量を高速液体クロマトグラフ(以下、「HPLC」と略記する。)で定量する方法が挙げられる。
次に、前記化合物(a2)の定量方法は、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)に、イオン交換水を混合して十分にスラリー化したものを撹拌機付き耐圧容器中220℃に加熱することによって、前記化合物(a1)と前記化合物(a2)の両方を抽出し、それらの合計の含有量をHPLCで定量し、前記化合物(a1)の含有量との差をとる方法が挙げられる。
このようにして求めた前記化合物(a1)及び化合物(a2)の含有量と、測定に用いたカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の質量とから、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中の前記化合物(a1)及び化合物(a2)の含有率を求めることができる。
一方、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の主たる成分であるカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィドは、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とし、かつ、その分子構造中にカルボキシル基を有する樹脂構造を有するものである。具体的には、下記構造式(5)
Figure 2008247955
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基を表す。)で表される構造部位を繰り返し単位とする樹脂である。
ここで、前記構造式(5)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記構造式(6)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記構造式(7)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 2008247955
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記構造式(6)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、前記構造式(5)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(8)〜(11)
Figure 2008247955
で表される構造部位を、前記構造式(5)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記構造式(8)〜(11)で表される構造部位は10モル%以下であることが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中に、上記構造式(8)〜(11)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、その分子構造中に、下記構造式(12)
Figure 2008247955
で表される3官能性の構造部位、或いは、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、架橋型のポリアリーレンスルフィド樹脂、及び実質的に線状構造を有する所謂リニア型のポリアリーレンスルフィド樹脂が挙げられる。ここにおいて前記架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂の分子量と、前記リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂の分子量とを、溶融粘度が同等の条件で比較した場合、後者のリニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂の方が高分子量であるため靭性に優れる。このように該リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂は分子量は高いものの、その流動性が良いという特徴を有しているため、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に要求される流動性と、耐磨耗性とを実現するためには最適なものである。具体的には、非ニュートン指数が0.90〜1.20のもの、さらに0.95〜1.15であることが好ましく、特に0.95〜1.10であることが好ましい。
ここで、前記非ニュートン指数とは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)をキャピラリーレオメーターにて、温度300℃の条件下、直径1mm、長さ40mmのダイスを用いて100〜1000(秒−1)の剪断速度に対する剪断応力を測定し、下記式(I)を用いて算出した値である。N値が1であればニュートン流体であり、N値が1を超えれば非ニュートン流体であることを示す。
Figure 2008247955
[ここで、SRは剪断速度(秒−1)、SSは剪断応力(ニュートン/m)、そしてKは定数を示す。]
更に、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、該ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の溶融時の流動性と靭性とのバランスをとる目的を達成するため、前記したリニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂に、前記式(10)で表されるような多分岐構造を有する分岐状ポリアリーレンスルフィド樹脂を少量配合して粘度調整することも可能で、この場合、混合物の状態で非ニュートン指数が0.90〜1.20であることが好ましい。このような靭性の高いポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を含有することによって、耐冷熱衝撃性のより良好なポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が得られるものである。
また、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィドは、その分子構造中にカルボキシル基を有することから、カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)と溶融混合する際の均一性・反応性が良好なものとなり、耐衝撃性改善効果が飛躍的に向上する。特にこの改善効果が顕著なものとなる点からカルボキシル基の含有率は、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中、15μmol/g〜100μmol/gの範囲、特に15μmol/g〜70μmol/gの範囲にあることが更に好ましく、とりわけ20μmol/g〜50μmol/gの範囲にあることが特に好ましい。
また、前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、300℃で測定した溶融粘度が50ポイズ〜40000ポイズの範囲にあることが好ましい。
本発明ではこのように、低溶融粘度のポリアリーレンスルフィド樹脂であっても優れた対衝撃性を発現させることができるため、電気・電子部品、自動車部品等における部品の小型化または薄肉化等への対応が可能となる。これらの範囲の中でも100ポイズ〜10000ポイズの範囲にあることが成型品の耐衝撃性と成型の際の流動性のバランスが良い点から好ましいものである。
以上詳述したカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を製造するには、具体的には、以下の工程1〜4を経て製造する方法が挙げられる。
(工程1)
先ず、工程1として、アミド基含有環状炭化水素化合物の存在下、アルカリ金属硫化物又はアルカリ金属水硫化物と芳香族ポリハロゲン化合物とを重合させる。この際、重合時にアミド基含有環状炭化水素化合物を加水分解して該化合物の開環物を得、この開環物を芳香族ポリハロゲン化合物と反応させることにより、下記構造式(2)
Figure 2008247955
(構造式(2)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Xはアルカリ金属原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)で表される分子構造を有する化合物(a2)を生成させ、これをポリアリーレンスルフィドの成長末端に付加させることにより、分子末端にカルボン酸塩を有するポリアリーレンスルフィドを製造することができる。該カルボン酸塩は、最終的に精製段階で酸処理を施されてカルボン酸に変換されることになる。
ここで用いるアミド基含有環状炭化水素化合物は、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N′−エチレン−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等及びこれらの混合物を挙げることができ、これらの中でも入手が容易であることからN−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
これらのアミド基含有環状炭化水素化合物の他、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ホルムアミド、アセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチルウレア等の鎖状の有機アミド系溶媒や、ジフェニルスルホン等のアミド系以外の極性溶媒を併用することができる。
ここで用いるアルカリ金属硫化物は、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム等の含水物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、硫化ナトリウム及び硫化カリウムが、反応性が良好である点から好ましく、特に、実際の重合時にはこれらの含水物として用いることが、入手が容易である点から好ましい。とりわけ反応性に優れる点から含水硫化ナトリウムが特に好ましい。
前記含水アルカリ金属水硫化物は、例えば水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウム等の含水物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、水硫化ナトリウムの含水物と水硫化カリウムが、反応性が良好である点から好ましく、特に、実際の重合時にはこれらの含水物として用いることが、入手が容易である点から好ましい。とりわけ反応性に優れる点から含水水硫化ナトリウムが好ましい。
芳香族ポリハロゲン化合物は、例えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロモベンゼン、1,4−ジクロロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、4,4′−ジクロロビフェニル、4,4′−ジブロモビフェニル、2,4−ジクロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,4−ジクロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、4,4′−ジクロロフェニルエーテル、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロフェニルケトン等の芳香族ジハロゲン化合物、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族トリハロゲン化合物、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン等の芳香族テトラハロゲン化合物、及びこれらに類するものならびにこれらの混合物を挙げることができる。なかでもp−ジクロロベンゼンに代表されるパラ位で置換された芳香族ジハロゲン化合物を主成分とするものが好ましい。
また、本発明に用いるカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中のカルボキシル基の含有量を増加させるために、2,4−ジクロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸を用いることが好ましく、また重合反応途中にアルカリ金属水酸化物を添加しても良い。アルカリ金属水酸化物を添加する時期は、芳香族ジハロゲン化合物の反応率が50%以上となった時点以降に実施するのが好ましい。
上記したアミド基含有環状炭化水素化合物の存在下、アルカリ金属硫化物又はアルカリ金属水硫化物と芳香族ポリハロゲン化合物とを重合させる具体的方法は、例えば、
1)アルカリ金属カルボン酸塩またはハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、
2)芳香族ポリハロゲン化合物等の架橋剤を使用する方法、
3)少量の水の存在下に重合反応を行い次いで水を追加してさらに重合する方法、
4)アルカリ金属硫化物と芳香族ジハロゲン化合物との反応中に、反応釜の気相部分を冷却して反応釜内の気相の一部を凝縮させ液相に還流させる方法、
5)含水アルカリ金属水硫化物と、該含水アルカリ金属硫化物1モルに対して1モル未満のアミド基含有環状炭化水素化合物、アルカリ金属水酸化物、及び芳香族ポリハロゲン化合物を混合、脱水反応させて、固形アルカリ金属硫化物、アミド基含有環状炭化水素化合物の加水分解物のアルカリ金属塩、アルカリ金属水流化物、及び芳香族ポリハロゲン化合物を含有するスラリーを得、次いで、該スラリーを更に加熱して重合させる方法、
等が挙げられる。
これらの中でも特に、副生成物の生成が少なく、かつ、直鎖状で高分子量を有するポリアリーレンスルフィド樹脂が容易に低コストで得られる点から前記5)の方法が好ましい。前記5)の方法で用いられるアルカリ金属水酸化物は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、入手が容易なことから水酸化リチウムと水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
前記5)における前記脱水の際の温度は80℃〜200℃未満の範囲にあることが脱水効率に優れる点から好ましい。
なお前記5)の方法における脱水反応の際には、含水アルカリ金属水硫化物中に微量存在する不純物を除去するために、アルカリ金属水酸化物を少量過剰に加えても良い。また、前記した重合を行う際の温度条件は、前記脱水反応時の温度よりも高い温度条件であればよく、具体的には、200〜300℃であることが好ましい。
前記5)の方法においてアミド基含有環状炭化水素化合物の配合量は、前記含水アルカリ金属水硫化物1モルに対し0.02モル〜0.9モルの範囲が好ましく、特に、スラリーの重合時において、副生成物の生成を効果的に抑制できる点、また、適度な反応速度を発現する点から0.03モル〜0.6モルの範囲、とりわけ0.04モル〜0.4モルの範囲にあることが好ましい。
前記芳香族ポリハロゲン化合物の配合量は、前記含水アルカリ金属硫化物1モルに対して、0.2モル〜5.0モルの範囲が好ましい。芳香族ポリハロゲン化合物の配合量が多くなる場合には、脱水反応時における脱水効率が良好なものとなる一方で、過剰の芳香族ポリハロゲン化合物を除去する煩雑さが増す。よって、これらのバランスの点から特に0.3〜2.0モルの範囲が好ましい。
反応終了後は、減圧下に加熱して前記アミド基含有環状炭化水素化合物を留去するか、又は、反応釜内で反応スラリーを冷却、前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を晶析させた後に、ろ過して得られたろ過残渣を非酸化性雰囲気下で加熱して、残存する前記アミド基含有環状炭化水素化合物を除去する。アミド基含有環状炭化水素化合物を除去するには、上記方法の他、次工程である工程3において反応スラリーを水洗することによって行ってもよい。
(工程2)
上記のようにしてポリアリーレンスルフィドを得た後、生成物を水洗して重合時に生成した無機塩類を除去する。水洗の方法は、例えば反応スラリーに水を加えて撹拌した後にろ過装置を用いてろ過する方法、前記したろ過によって得られた水分を含有するろ過残渣(以下「含水ケーキ」と略記する。)に再度水を加えてスラリーとした後にろ過する方法、または前記含水ケーキがろ過器に保持された状態で再度水を加えろ過する方法等が挙げられる。
水洗の際に反応スラリーに加える水の量は最終的に得られるポリアリーレンスルフィドの理論収量に対して2倍〜10倍の範囲にあることが好ましく洗浄効率の点から好ましく、上記の量の水を2〜10回、好ましくは2〜4回に分割して水洗に供することが好ましい。
前記水洗時の水の温度は50℃〜90℃の範囲であることが、やはり洗浄効率が良好となる点から好ましく、なかでも70℃〜90℃の範囲であることが特に好ましい。
(工程3)
次に、工程3として、生成物を熱水で処理することにより、前記化合物(a2)を除去することができる。該化合物(a2)は樹脂内に残存した場合、酸処理によって前記化合物(a1)へと変化し、該化合物(a1)の含有率を高めてしまうため、この温水乃至熱水での処理によって、十分に前記化合物(a2)の含有率を低減させておくことが肝要である。ここで用いる熱水の温度は、例えば、120〜275℃の範囲であることが、化合物(a2)の抽出効率が良好となる点から好ましい。更に具体的には、反応器内の気相の圧力を0.2〜4.6MPaなる条件下、140〜260℃の熱水で抽出処理を行うことが好ましい。このような熱水処理によりポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中に包含されている前記化合物(a2)を効率よく水中に抽出することができ、続いてろ過することによって前記化合物(a2)を除去することができる。
このような熱水処理を行う具体的方法は、工程2で得られたポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を圧力容器中において所定の圧力条件及び温度条件下に水で攪拌下に洗浄する方法が挙げられる。前記加熱攪拌の時間は10分〜300分であることが好ましい。
また、工程3で用いる熱水の量はポリアリーレンスルフィドの質量に対して1.5倍〜10倍であることが、前記化合物(a2)の抽出効率が良好となる点から好ましく、この量の熱水を2回以上に分けて熱水洗を行ってもよい。例えば、熱水洗を2回繰り返す場合、1回目の熱水洗と2回目の熱水洗の間にはろ過を行い、1回目の熱水洗で抽出した化合物(a2)を除去することが好ましい。また、熱水洗を一回実施した後にろ過を行い、前記した水洗を実施しても良い。この操作によっても化合物(a2)の除去がより促進される。また1回目の熱水洗工程と2回目の熱水洗工程の条件は前記の条件より任意に選ぶことができるものの、1回目の熱水洗工程の温度は例えば120℃〜200℃の範囲にある温度に設定して、まず高アルカリ性のろ液をろ別して除去した後に、2回目の熱水洗工程の温度を1回目の熱水洗工程の温度より高い温度、例えば150℃〜275℃の範囲にある温度に設定して実施することが前記熱水洗工程に用いられる装置の耐薬品性の観点から好ましい。
さらに、熱水洗の際に酸や塩基を添加してpH調整をすることによって、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の反応性や結晶化速度、アルカリ金属含有量等を制御することができ、熱水洗後のpHは6.5〜11.5の範囲になるように制御されることが好ましい。熱水洗後のpHが6.5以上の場合、化合物(a2)は化合物(a1)に変化しにくく水に抽出され易いため除去し易く、前記カルボキシル基との反応性を有する化合物とポリアリーレンスルフィド樹脂組成物とを溶融成型して得られた成形品の曲げ強度、耐衝撃性が改善され高い弾性率を有するので好ましい。また、熱水洗後のpHが11.5以下では前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中の塩基性化合物量を低減し易いため、前記カルボキシル基との反応性を有する化合物と前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物とを溶融混練して得られた混合物の成型の際の粘度上昇が抑制され好ましい。これらの中でも熱水洗の際に酸を添加して熱水洗後のpHを6.5〜8.5にすることによって、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の結晶化速度を速めることができ、熱水洗の際に塩基を添加して熱水洗後のpHを9.5〜11.5にすると、前記化合物(a1)は前記化合物(a2)に変化し除去され易く、前記カルボキシル基との反応性を有する化合物と前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物とを溶融混練して得られた成形品の耐衝撃性が改善されるので好ましい。ここで用いられる酸は、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、酢酸等が挙げられ、これらの中でも炭酸や酢酸が好ましい。また用いられる塩基性化合物は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、または炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
この熱水洗工程は圧力容器中において水の沸点以上に加熱し、攪拌することにより、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の粒子中に包含されている化合物(a2)が効率よく抽出され、次いでろ過することによってろ液中に抽出された前記化合物(a2)を除去するものである。熱水洗の条件は例えば温度は120℃〜275℃が好ましく、120℃以上で前記化合物(a2)の抽出効率が改善でき、275℃以下では前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の溶融し難く冷却後に溶融物が塊になることが抑制されるので好ましいものである。これらの中でも140℃〜260℃の範囲にあることがより好ましい。前記過熱攪拌の時間は10分〜300分が好ましく、10分以上の場合化合物(a2)の抽出効率が改善され、300分以下の場合生産性が改善でき経済性が良くなり好ましい。水量は樹脂の重量に対して1.5倍〜10倍が好ましく、1.5倍以上の場合、スラリーの流動性が改善され均一加熱されることにより前記化合物(a2)の抽出効率が向上する、10倍以下の場合スラリーを加熱するために必要な熱量が経済的な範囲に抑制され易く好ましい。
(工程4)
工程1〜3を経て得られた反応生成物を酸で処理してポリアリーレンスルフィドの分子構造中に存在するカルボン酸金属塩をカルボン酸に変換させる。
酸処理の方法は、工程3の熱水洗を実施した後に、得られたスラリーに対して酸処理する方法であってもよいし、または工程3の熱水洗後ろ過し、イオン交換水を加えて再度ろ過して得られた含水ケーキをスラリー化した後に酸処理する方法、または熱水洗後ろ過し、イオン交換水を加えて再度ろ過した後に固形分であるポリアリーレンスルフィドに対して酸処理する方法等が挙げられる。これらのなかでも、熱水洗後ろ過し、イオン交換水を加えて再度ろ過して得られた含水ケーキをスラリー化した後に酸処理する方法、または熱水洗後ろ過し、イオン交換水を加えて再度ろ過した後に固形分であるポリアリーレンスルフィドに対して酸処理する方法が前記CP−MABA(Na型)の除去効率に優れる点から好ましい。
前記酸処理の温度条件は5℃〜100℃の範囲が挙げられるが、ポリアリーレンスルフィド中のカルボン酸量を増大させ、かつ、酸による分子量低下を防止する点から特に15℃〜80℃の温度であることが好ましい。
前記酸処理の際のpHは、酸処理後において5.0〜7.0の範囲に制御されることが前記化合物(a2)が低減され、かつポリアリーレンスルフィド中のカルボキシル基含有量が高まる点から好ましい。特に、ポリアリーレンスルフィド中のカルボン酸含有率がより高く、かつ、酸による分子量低下を良好に防止できる点から5.5〜6.5なる範囲であることが好ましい。pHの測定方法は、例えば、スラリーに対して酸を添加する場合には該スラリーをろ過したろ液のpHを測定する方法が挙げられ、ろ過後の固形分であるポリアリーレンスルフィドに対して酸処理する場合には、所定の酸濃度の水溶液を用いて洗浄を繰り返して得られたろ液を全て混合した洗浄ろ液のpHを測定する方法を挙げることができる。
酸処理に使用する酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、フタル酸、塩酸、リン酸、硫酸、炭酸等が挙げられる。
次に、本発明に用いられる酸基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)は、具体的には、エポキシシランカプリング剤(b1)、又は、カルボキシル基と反応性を有する官能基を分子構造中に有する熱可塑性エラストマー(b2)であることが成型品の耐衝撃性の改善効果が顕著なものとなる点から好ましい。
エポキシシランカプリング剤(b1)は、1分子当たりエポキシ基を1個以上含有するものであれば良く、例えば、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。前記エポキシシランカプリング剤(b1)の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部〜3質量部の範囲にあることが好ましい。0.01質量部以上の場合前記エポキシシランカプリング剤(b1)の添加効果が発現され、前記カルボキシル基との反応性を有する化合物とポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とを溶融成型して得られた成形品の曲げ強度、耐衝撃性が改善され高い弾性率を有するので好ましい。3質量部以下の場合前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物との反応による粘度上昇が抑制される為好ましい。これらの中でも前記成形品の曲げ強度、弾性率、耐衝撃性および粘度のバランスの観点から0.1〜1質量部の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に用いられるカルボキシル基と反応性を有する官能基を分子構造中に有する熱可塑性エラストマー(b2)は、具体的にはエポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基、または下記の構造式(13)、構造式(14)
Figure 2008247955
(構造式(13)、構造式(14)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される部分構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
これらの中でも、エポキシ基、カルボキシル基、または下記の構造式(13)、構造式(14)
Figure 2008247955
(構造式(13)、構造式(14)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される部分構造を有する熱可塑性エラストマーがカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と溶融混練されることによって良好に反応し、溶融成型して得られる成型品の曲げ強度、耐衝撃性が優れ、高い曲げ弾性率を有する点から特に好ましい。
前記カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)は、例えばα−オレフィン類と前記官能基を有するビニル重合性化合物類との共重合で得ることができる。前記α−オレフィン類は、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素数2〜8のα−オレフィン類等が挙げられる。前記官能基を有するビニル重合性化合物類としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のα、β―不飽和カルボン酸類及びそのアルキルエステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の炭素数4〜10の不飽和ジカルボン酸類とそのモノ及びジエステル類、その酸無水物等のα、β―不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、或いはグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記した通り、これらの中でも、その分子内にエポキシ基、カルボキシル基、または下記の構造式(13)、構造式(14)
Figure 2008247955
(構造式(13)、構造式(14)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、または芳香環を表す。)で表される部分構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン−プロピレン共重合体、またはエチレン−ブテン共重合体が靭性や耐衝撃性の向上のため好ましい。さらに、分子内にエポキシ基、カルボキシル基を含有するものが好ましく、特に分子内にエポキシ基を有するものが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、無機充填材(C)が配合されることにより、高剛性、高耐熱安定性のものが得られる。無機充填材(C)は、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状充填材、タルク、マイカ等の板状充填材、ガラスビーズ、シリカビーズ、ガラスバルーン等の粒状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト繊維等の繊維状充填材、ガラスフレーク等が挙げられる。前記無機充填材(C)の含有量は前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、1質量部〜300質量部となる範囲で含有されることが好ましく、1質量部以上の場合溶融成形して得られた成型品の機械物性が改善され、300質量部以下の場合溶融成形の際の流動性が改善されるため好ましいものである。これらの範囲の中でも成型品の機械物性と溶融成形の際の流動性のバランスの点から、5〜200質量部の範囲にあることが特に好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物には、添加剤として離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤を含有させることができる。更に、同様に下記のごとき合成樹脂およびエラストマーを混合して使用できる。これら合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等が挙げられ、熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマー、シリコーン系エラストマー、等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定され
るものではない。
[標準物質:CP−MABA(水素型)の合成]
48%NaOH水溶液83.4g(1.0モル)とN‐メチル‐2‐ピロリドン297.4g(3.0モル)を、撹拌機付き耐圧容器に仕込み、230℃で3時間撹拌した。この撹拌が終了した後、温度230℃のままバルブを開き、放圧し、N‐メチル‐2‐ピロリドンの蒸気圧程度である230℃において0.1MPaまで圧力を低下させ、水を留去した。その後、再び密閉し200℃程度まで温度を低下させた。
p−ジクロロベンゼン147.0g(1.0モル)を60℃以上の温度条件下で加熱溶解して反応混合物中に投入し、250℃まで昇温後4時間撹拌した。この撹拌が終了した後、室温まで冷却した。p−ジクロロベンゼンの反応率は31モル%であった。冷却後、内容物を取り出し、水を加えて撹拌後、未反応のp−ジクロロベンゼンが不溶物となって残ったものをろ過によって取り除いた。
次いで、ろ液である水溶液に塩酸を加えて該水溶液のpHを4に調整した。このとき水溶液中に褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が生じた。そこにクロロホルムを加えて褐色オイル状物質を抽出した。このときの水相には、N‐メチル‐2‐ピロリドン及びその開環物である4−メチルアミノ酪酸(以下「MABA」と略記する。)が含まれるため水相は廃棄した。クロロホルム相は水洗を2回繰り返した。
クロロホルム相に水を加えてスラリー化した状態で48%NaOH水溶液を加え、該スラリーのpHを13に調整した。このときCP−MABAはナトリウム塩となって水相に移り、クロロホルム相には副生成物であるp−クロロ−N−メチルアニリン及びN−メチルアニリンが溶解しているためクロロホルム相は廃棄した。水相はクロロホルム洗浄を2回繰り返した。
水溶液に希塩酸を加えて該水溶液のpHを1以下に調整した。このときCP−MABAは塩酸塩となって水溶液中にとどまるので、水溶液にクロロホルムを加えて、副生成物であるp−クロロフェノールを抽出した。p−クロロフェノールが溶解したクロロホルム相は廃棄した。
残った水溶液に48%NaOH水溶液を加え、該水溶液のpHを4に調整した。これにより、CP−MABAの塩酸塩が中和され、褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が水溶液から析出した。CP−MABA(水素型)をクロロホルムで抽出し、クロロホルムを減圧除去することによってCP−MABA(水素型)を得た。
単離したCP−MABAは、核磁気共鳴装置(以下「プロトンNMR」、及び「C13−NMR」と略記する。)、液体クロマトグラム−質量分析装置(以下「LC−MS」と略記する。)にて構造解析し、下記構造式(3)の構造であることを決定した。
Figure 2008247955
[標準物質:CP−MABA(Na型)の合成]
上記[CP−MABA(水素型)の合成]と同様にしてCP−MABA(水素型)を製
造した後、pH10の水酸化ナトリウム水溶液に、該CP−MABA(水素型)を投入し
、攪拌後、水分を留去してCP−MABA(Na型)を得た。
単離したCP−MABA(Na型)は、プロトンNMR、C13−NMR、LC−MS
にて構造解析し、下記構造式(4)の構造であることを確認した。
Figure 2008247955
[CP−MABA(水素型)、CP−MABA(Na型)の定量方法]
カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と化合物(a1)の合計質量に対するCP−MABA(水素型)又はCP−MABA(Na型)の定量は、以下のようにして行った。
(1)上記合成方法で合成したCP−MABA(水素型)又はCP−MABA(Na型)のメタノール溶液は以下の4水準、1000ppm、100ppm、10ppm、1pmm、の濃度になるように作製し、各濃度の標準サンプル溶液についてHPLCで保持時間とピーク面積を測定し、ピーク面積と濃度の関係を示す検量線を作成した。
(2)CP−MABA(水素型)の定量
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物50gにイオン交換水150gを加えて、よく撹拌して十分にスラリー化した後に、撹拌機付き耐圧容器中、220℃に昇温し30分間撹拌して抽出した。この抽出液をHPLCで測定して、標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから抽出液中の濃度を求め、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中の濃度(以下「CP−MABA(水素型)含有量」と略記する。)を算出した。
(3)CP−MABA(Na型)の定量
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物50gにイオン交換水140gと0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて、よく撹拌して十分にスラリー化した後に撹拌機付き耐圧容器中、220℃に昇温し30分間撹拌して抽出した。前記と同様の方法で、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中の濃度を算出した。CP−MABA(水素型)はアルカリ条件にするとCP−MABA(Na型)に変化して抽出されるため、この濃度はCP−MABA(水素型)と元々存在するCP−MABA(Na型)の合計の濃度(以下「全CP−MABA含有量」と略記する。)を意味する。従って、この濃度と前記(2)の方法で求めたCP−MABA(水素型)の濃度との差より、CP−MABA(Na型)の濃度(以下「CP−MABA(Na型)含有量」と略記する。)を算出した。
[カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)のカルボキシル基の定量方法]
定量方法はポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を350℃でプレスしたのち、急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成し、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。)で測定を行った。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途後述する方法により作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシル基の含有量(以下「カルボキシル基の全含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシル基の含有量は樹脂組成物1g中のモル数で示され、その単位はμmol/gで表される。このようにして求めたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のカルボキシル基の含有量と前記方法により定量したCP−MABA(水素型)の濃度の差より、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)のカルボキシル基の含有量(以下「ポリマー中のカルボキシル基含有量」と略記する。)を算出した。検量線の作成方法は酸処理を行わずにカルボン酸塩を分子末端に含有するポリアリーレンスルフィド樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合したのち、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシル基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。
[反応性の評価]
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物40gにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.32gを加え、良く混合したのち、東洋精機製作所製、ラボプラストミルを用いて、300℃、40rpmの条件で22分間混練の際の、時間結果ごとのトルク測定を行った。同一粘度であるならば、ラボプラストミルのトルクが高いほど、反応性が高いことを示す。
[溶融粘度V6の測定方法]
島津製作所製のフローテスター(CFT−500C型)を用いて、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持した後に測定した。
[塩化メチレン抽出量の測定方法]
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物4gを塩化メチレン80gに加え、4時間ソックスレー抽出を行った後、室温まで冷却した。抽出後の塩化メチレン溶液をエバポレーターを用い、塩化メチレンを留去して除去したのち、さらに70℃の真空乾燥機で乾燥し抽出物を得た。抽出物の秤量することにより塩化メチレン抽出量を求めた。
[ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレットの製造方法]
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物100質量部、住友化学工業(株)製グリシジル基含有熱可塑性エラストマー(商品名:ボンドファースト7L)10質量部、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.8質量部を混合した後、2軸押出機に投入し、また、サイドフィダーからガラス繊維(繊維径10μm、長さ3mmのガラス繊維チョップドストランド)をポリアリーレンスルフィド樹脂組成物100質量部に対し52.4質量部の割合で供給しながら、設定温度310℃で溶融混練してポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレット得た。
次いで、このポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレットを用いてIzod衝撃強度試験を行った。
[Izod衝撃強度試験]
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレットを、射出成形機を用い、シリンダー温度330℃、金型温度150℃の条件で射出成形し、試験片を作成した。次いでこの試験片についてASTM D256に準じてノッチ無しの試験片を用いてIzod衝撃強度を測定した。
参考例1
圧力計、温度計、コンデンサ−、デカンタ−を連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブにp−ジクロロベンゼン22.050kg(150モル)、N‐メチル‐2‐ピロリドン2.974kg(30モル)、68%NaSH12.362kg(150モル)、及び48%NaOH12.500kg(150モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで昇温して、水12.353kgを留出させた後、釜を密閉した。その際、共沸により留出したp−ジクロロベンゼンはデカンタ−で分離して、随時釜内に戻した。脱水終了後、内温を160℃に冷却し、N‐メチル‐2‐ピロリドン29.486kg(297モル)を仕込み、220℃まで昇温し、2時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。最終圧力は0.28MPaであった。反応後、オートクレーブの底弁を開いて減圧状態のまま撹拌翼付き150リットル真空撹拌乾燥機にN‐メチル‐2‐ピロリドンを抜き取り、減圧下150℃で2時間撹拌してN‐メチル‐2‐ピロリドンを十分除去し、粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)を得た。
参考例2
圧力計、温度計、コンデンサ−を連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.3重量%NaS)19.413kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水4.644kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン22.185kg及びN‐メチル‐2‐ピロリドン18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、オートクレーブ上部を散水することにより冷却した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、0.85MPaであった。反応後、冷却し、温度170℃の時点でシュウ酸・2水和物0.284kg(2.25モル)をN‐メチル‐2‐ピロリドン0.663kgに含む溶液を加圧注入した。30分間撹拌後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過したのち、N‐メチル‐2‐ピロリドン16kgを加え、加圧ろ過した。ろ過後、撹拌翼付き150リットル真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で2時間撹拌してN‐メチル‐2‐ピロリドンを除去し、粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(B−1)を得た。
参考例3
シュウ酸・2水和物0.378kg(3.00モル)をN‐メチル‐2‐ピロリドン0.882kgに含む溶液を加圧注入した以外は参考例2と同様に行い、粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(B−2)を得た。
参考例4
圧力計、温度計、コンデンサ−を連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.3重量%NaS)19.413kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水4.644kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン22.185kg及びN‐メチル‐2‐ピロリドン18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、オートクレーブ上部を散水することにより冷却した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、0.85MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過しN‐メチル‐2‐ピロリドン16kgを加え、再度加圧ろ過した後、撹拌翼付き150リットル真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で2時間撹拌してN‐メチル‐2‐ピロリドンを除去し、粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(C−1)を得た。
実施例1
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水800gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃で30分間撹拌を行った。冷却後、室温で酢酸を加えてpHを6.6に調整し、30分間撹拌して酸処理したのち、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例2
pHを5.6に調整した以外は実施例1と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例3
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水800gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃で30分間撹拌を行った。冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加えろ過したのち、室温のイオン交換水600gでスラリー化し、酢酸でpHを6.5に調整した。30分間撹拌して酸処理したのち、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例4
pHを4.5に調整した以外は実施例3と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例5
220℃で30分間撹拌を行ったのち、冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水1200gを加えろ過した以外は実施例3と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例6
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水800gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃で30分間撹拌を行い、室温にまで冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加えろ過したのち、20℃でpHが4.0の炭酸水600gを加えろ過し、さらに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例7
酢酸でpH調整をしなった以外は実施例3と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例8
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水800gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃で30分間撹拌を行った。冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水1200gを加えろ過したのち、室温のイオン交換水600gでスラリー化し、酢酸でpHを6.5に調整した。30分間撹拌して酸処理したのち、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃30分間撹拌を行った。冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例9
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(B−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作を1回繰り返したのち得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
実施例10
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(B−2)を用いた以外は実施例8と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
比較例1
pHを5.0に調整した以外は実施例1と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
比較例2
pHを4.5に調整した以外は実施例1と同様に行い、白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
比較例3
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(A−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水400gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して、得られた含水ケーキに70℃のイオン交換水800gを加えろ過を行った。得られた含水ケーキとイオン交換水600gと20重量%の酢酸水溶液40gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み、220℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却したのちのスラリーのpHは3.3であった。冷却後のスラリーをろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加えろ過したのち、室温のイオン交換水600gでスラリー化したのち、ろ過し、さらに70℃のイオン交換水600gを加え、ろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
比較例4
ポリアリーレンスルフィド樹脂と塩類の混合物(C−1)417gに70℃のイオン交換水1000gを加え、20分間撹拌したのちろ過した。この操作をもう1回繰り返した。得られた含水ケーキとイオン交換水600gを撹拌機付き1リッターオートクレーブに仕込み160℃で30分間撹拌を行った。室温にまで冷却後、ろ過して得た含水ケーキに70℃のイオン交換水600gを加えろ過した。さらに70℃のイオン交換水600gを加えろ過して得た含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で6時間乾燥して白色粉末状のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た。
Figure 2008247955
Figure 2008247955
Figure 2008247955
Figure 2008247955
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物はシランカップリング剤やその他の樹脂との反応性に優れており、シランカップリング剤を添加したコンパウンドやその他の樹脂とのポリマーアロイの製造に好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2008247955

    (構造式(1)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)
    表される分子構造を有する化合物(a1)を0.1〜1000質量ppmとなる割合で含有するカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、及び、カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)を必須成分とすることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中のカルボキシル基の含有率が15〜100μmol/gである請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)が前記化合物(a1)に加え、更に、下記構造式(2)
    Figure 2008247955

    (構造式(2)中、Yはハロゲン原子を、Yは水素原子又はハロゲン原子を、Xはアルカリ金属原子を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を表す。)
    表される分子構造を有する化合物(a2)を、前記カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中、2〜1800質量ppmとなる割合で含有するものある請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)が、300℃で測定した溶融粘度が50ポイズ〜40000ポイズの範囲にあるものである請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)が、エポキシシランカップリング剤(b1)である請求項1〜4の何れか1つに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. カルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)が、カルボキシル基と反応性を有する官能基を分子構造中に有する熱可塑性エラストマー(b2)である請求項1〜4の何れか1つに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。

  7. 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)及びカルボキシル基と反応性を有する耐衝撃性改質剤(B)に加え、更に繊維状無機充填剤(C)を含有する請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の組成物を溶融混練して得られるものであるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
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