JP2014024981A - ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む溶液と、ポリハロ芳香族化合物と、スルフィド化剤とを重合して粗反応混合物を得る重合工程、前記粗反応混合物から非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程、固液分離工程で得られた前記反応混合物を水と接触させて、ポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し回収する精製工程を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
【選択図】 なし
Description
前記粗反応混合物から非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(a)、
固液分離工程で得られた前記反応混合物を水と接触させて、ポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し、該ポリアリーレンスルフィド樹脂を回収する精製工程(a)、
を有することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法、に関する。
前記粗反応混合物から非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(a)、
固液分離工程で得られた前記反応混合物を水と接触させて、ポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し、該ポリアリーレンスルフィド樹脂を回収する精製工程(a)、を有する。
重合工程(a)は、まず、下記一般式(1)
工程1は、アルカリ金属含有無機塩および下記一般式(1)
重合工程(b)で用いるポリハロ芳香族化合物としては、例えば、芳香族環に直接結合した2個以上のハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物であり、具体的には、p−ジクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、ジヨードベンゼン、トリブロムベンゼン、ジブロムナフタレン、トリヨードベンゼン、ジクロルジフェニルベンゼン、ジブロムジフェニルベンゼン、ジクロルベンゾフェノン、ジブロムベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエーテル、ジブロムジフェニルエーテル、ジクロルジフェニルスルフィド、ジブロムジフェニルスルフィド、ジクロルビフェニル、ジブロムビフェニル等のジハロ芳香族化合物及びこれらの混合物が挙げられ、これらの化合物をブロック共重合してもよい。これらの中でも好ましいのはジハロゲン化ベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロルベンゼンを80モル%以上含むものである。
1)アルカリ金属カルボン酸塩またはハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、
2)芳香族ポリハロゲン化合物等の架橋剤を使用する方法、
3)少量の水の存在下に重合反応を行い次いで水を追加してさらに重合する方法、
4)アルカリ金属硫化物と芳香族ジハロゲン化合物との反応中に、反応釜の気相部分を冷却して反応釜内の気相の一部を凝縮させ液相に還流させる方法、
5)ポリハロ芳香族化合物の存在下、アルカリ金属硫化物、又は、含水アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムとを、脱水させながら反応させて固形のアルカリ金属硫化物を含むスラリーを製造する工程、該スラリーを製造した後、更にNMPなどの極性有機溶媒を加え、水を留去して脱水を行う工程、次いで、脱水工程を経て得られたスラリー中で、ポリハロ芳香族化合物と、アルカリ金属水硫化物と、前記脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムの加水分解物のアルカリ金属塩とを、NMPなどの極性有機溶媒1モルに対して反応系内に現存する水分量が0.02モル以下で反応させて重合を行う工程を必須の製造工程として有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法が挙げられる。
続いて、前記粗反応混合物から前記非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(b)を行う。
続いて、前記反応混合物を、水と接触させてポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別することによって、アルカリ金属含有無機塩および前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む水溶液を調製する精製工程(b)を行う。
工程2は、前記アルカリ金属含有無機塩、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む水溶液を蒸留して、水を除去すると伴に、アルカリ金属含有無機塩を析出させる工程である。
一方、蒸留操作で水が系外に排出されることに伴って、系内には水に溶解していたアルカリ金属含有無機塩が析出する。
工程3は、析出させたアルカリ金属含有無機塩を固液分離することによって除去し、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む溶液を回収する工程である。なお、除去したアルカリ金属含有無機塩の析出物および非プロトン性極性溶媒を含む組成物は固形分として回収することができる(以下、工程3’という)。
1)アルカリ金属カルボン酸塩またはハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、
2)芳香族ポリハロゲン化合物等の架橋剤を使用する方法、
3)少量の水の存在下に重合反応を行い次いで水を追加してさらに重合する方法、
4)アルカリ金属硫化物と芳香族ジハロゲン化合物と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物との反応中に、反応釜の気相部分を冷却して反応釜内の気相の一部を凝縮させ液相に還流させる方法、などが挙げられる。
5−1)ポリハロ芳香族化合物と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物の存在下、含水アルカリ金属硫化物、又は、含水アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムとを、脱水させながら反応させて固形のアルカリ金属硫化物を含むスラリーを製造する工程、該スラリーを製造した後、更にNMPなどの極性有機溶媒を加え、水を留去して脱水を行う工程、次いで、脱水工程を経て得られたスラリー中で、ポリハロ芳香族化合物と、アルカリ金属水硫化物と、前記脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムの加水分解物のアルカリ金属塩と、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物とを、NMPなどの極性有機溶媒1モルに対して反応系内に現存する水分量が0.02モル以下で反応させて重合を行う工程を必須の製造工程として有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
続いて、前記粗反応混合物から前記非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(a)を行う。本工程は、前記固液分離工程(b)と同様に行うことができる。
本発明は、さらに固液分離工程で得られた該反応混合物を水と接触させて、ポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し回収する精製工程(a)を有する。本工程は、前記精製工程(b)と同様に行うことができる。
圧力計、温度計、コンデンサーを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55質量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.7重量%NaOH)9.317kgと、N−メチル−2−ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水11.916kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン17.129kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、オートクレーブ上部を散水することにより冷却した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、0.86MPaであった。反応後、冷却し、温度100℃で底弁を開き、反応スラリーを平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過したのち、N−メチル−2−ピロリドン16.0kgを加え、加圧ろ過した。ろ過後、撹拌翼付き真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で2時間撹拌してN−メチル−2−ピロリドンを留去した。次に70℃温水90kgを加え撹拌したのち、濾過し、さらに70℃温水25kgを加え濾過し、濾液を集めて「水溶液(A)」を調製した。水溶液(A)中のCP−MABA濃度は1.84〔g/L〕、ポリアリーレンスルフィド樹脂濃度は0〔質量%〕であった。
水溶液(A)5LにN−メチル−2−ピロリドン2.5Lを加え、常温で30分間撹拌した。その後、減圧蒸留装置内で、130℃、−50kPaで減圧蒸留を行い、水を留去した。減圧蒸留後に得られた混合物を濾過し、塩化ナトリウム析出物を除去し、得られた濾過残渣にさらにN−メチル−2−ピロリドンを300ml加え、この操作を2回繰り返して、濾液(A)を回収した。回収した濾液(A)は、N−メチル−2−ピロリドン中にCP−MABAが2.8g/Lの割合で含有されていた。
参考例1、2における水溶液(A)中のCP−MABA濃度および濾液(A)中のCP−MABA濃度は、調整した測定サンプルのHPLC測定を行い、下記の方法で作製した標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから液中の濃度を求め、算出した。
水溶液(A)中のCP−MABAは、そのまま移動相を加えて調製した。一方、N−メチル−2−ピロリドン中のCP−MABAはN−メチル−2−ピロリドンをエバポレータで留去したのち、残渣にHPLCの移動相を加え溶解して調製した。
48%NaOH水溶液83.4g(1.0モル)とN‐メチル‐2‐ピロリドン297.4g(3.0モル)を、撹拌機付き耐圧容器に仕込み、230℃で3時間撹拌した。この撹拌が終了した後、温度230℃のままバルブを開き、放圧し、N‐メチル‐2‐ピロリドンの蒸気圧程度である230℃において0.1MPaまで圧力を低下させ、水を留去した。その後、再び密閉し200℃程度まで温度を低下させた。
水溶液(A)中におけるポリアリーレンスルフィド樹脂濃度は以下のとおり測定した。
該水溶液(A)100質量部にクロロホルム20質量部を加え、分析ロートで混合抽出し、分液してクロロホルム層と水層に分離した。移動相にクロロホルムを用いた液体クロマトグラフ装置でクロロホルム層を測定し、得られたピークから前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物のピークを除いたエリア面積(A)を求めた。但し、事前に所定濃度の前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物のクロロホルム溶液を測定し、保持時間を測定しておくことで、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物のピークを判別した。また、別途ポリアリーレンスルフォド樹脂濃度0.32wt%のクロロホルム溶液のエリア面積(B)を求め、下記式より、該水溶液(A)中のポリアリーレンスルフィド樹脂濃度を算出した。
圧力計、温度計、コンデンサーを連結したオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55質量%NaSH)589.48g、48%苛性ソーダ(48.7質量%NaOH)394.72gと、参考例2で得られたCP−MABAを2.8g/Lの割合で含むN−メチル−2−ピロリドン1583g(CP−MABA4.3g)を仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水496.48gを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン713.09gと参考例2で得られたCP−MABAを2.8g/Lの割合で含むN−メチル−2−ピロリドン667g(CP−MABA1.8g)を仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、オートクレーブ上部を散水することにより冷却した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、0.86MPaであった。反応後、冷却し、温度170℃の時点でシュウ酸・2水和物11.83g(93.8ミリモル)をN−メチル−2−ピロリドン27.60g中に含む溶液を加え、30分間攪拌後、室温まで冷却した。反応スラリーを120℃に加熱し、減圧ろ過した後、攪拌翼付き真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で3時間乾燥して、N−メチル−2−ピロリドンを留去した。次に70℃温水3780gを加え攪拌した後、ろ過し、さらに70℃温水1080gを加えてろ過した。70℃温水1080gをさらに加え、160℃熱水先した後、ろ過し、さらに70℃温水1080gを加えろ過した。得られた含水ケーキを120℃の熱風循環乾燥機で12時間乾燥して、PPS樹脂(1)を得た。得られたPPS樹脂(1)の溶融粘度(V6)、PPS樹脂中のカルボキシ基含有量、PPS樹脂中のCP−MABA含有量をそれぞれ測定した。その結果を下表1に示す。
脱水後の「参考例2で得られたCP−MABAを2.8g/Lの割合で含むN−メチル−2−ピロリドン667g(CP−MABA1.8g)」の代わりに、「N−メチル−2−ピロリドン667g」を仕込んだことを以外は、実施例1と同様にしてPPS樹脂(2)を得た。得られたPPS樹脂(2)の溶融粘度(V6)、PPS樹脂中のカルボキシ基含有量、PPS樹脂中のCP−MABA含有量をそれぞれ測定した。その結果を下表1に示す。
脱水前の「参考例2で得られたCP−MABAを2.8g/Lの割合で含むN−メチル−2−ピロリドン1583g(CP−MABA4.3g)」の代わりに、「N−メチル−2−ピロリドン1583g」を仕込んだことを以外は、実施例1と同様にしてPPS樹脂(3)を得た。得られたPPS樹脂(3)の溶融粘度(V6)、PPS樹脂中のカルボキシ基含有量、PPS樹脂中のCP−MABA含有量をそれぞれ測定した。その結果を下表1に示す。
圧力計、温度計、コンデンサーを連結したオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55質量%NaSH)589.48g、48%苛性ソーダ(48.7質量%NaOH)394.72gと、N−メチル−2−ピロリドン1583gを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水496.48gを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン713.09gおよびN−メチル−2−ピロリドン667gを仕込んだ。これ以降の操作は、実施例1と同様に行い、PPS樹脂(4)を得た。得られたPPS樹脂(4)の溶融粘度(V6)、PPS樹脂中のカルボキシ基含有量、PPS樹脂中のCP−MABA含有量をそれぞれ測定した。その結果を下表1に示す。
フローテスター(島津製作所製高化式フローテスター「CFT−500D型」)を用いて、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持後の溶融粘度を測定した。
PPS樹脂50gにイオン交換水140gと0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて、良く撹拌して十分にスラリー化した後に、標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから抽出液中の濃度を求め、PPS樹脂中のCP−MABA濃度を算出した。なお、CP−MABA(水素型)はアルカリ条件にするとCP−MABA(Na型)に変化して抽出されるため、この濃度はCP−MABA(水素型)と元々存在するCP−MABA(Na型)の合計のCP−MABA濃度を意味するものとする。
定量方法はポリアリーレンスルフィド樹脂を350℃でプレスしたのち、急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成し、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。)で測定した。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシ基の含有量(以下「カルボキシル基含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシ基の含有量はPPS樹脂1g中のモル数(μmol/g)で表した。検量線は酸処理を行わずに、カルボン酸塩を分子末端に含有するポリアリーレンスルフィド樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合した後、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシ基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。
PPS樹脂(1)〜(4)69.7部、ポリエチレンワックス0.3部、ガラス繊維(平均繊維径10μm、長さ3mmのガラス繊維チョップドストランド)40部を混合した後、2軸押出機を用いて設定樹脂温度330℃で溶融混練してPPS樹脂組成物ペレットを得た。続いて、該PPS樹脂組成物ペレットをシリンダー温度320℃、金型温度130℃設定で射出成形を行い、ASTM1号ダンベル試験片を得た。得られたASTM1号ダンベル試験片を中央から2等分し、エポキシ接着剤との接着面積が50mm2となるように作成したスペーサー(厚さ:1.8〜2.2mm、開口部:5mm×10mm)を2等分したASTM1号ダンベル試験片2枚の間に挟み、クリップを用いて固定した後、開口部にエポキシ接着剤(ナガセケムテック株式会社製2液型エポキシ樹脂/主剤:XNR5002、硬化剤:XNH5002、配合割合は主剤:硬化剤=100:90)を注入し、135℃に設定した熱風循環乾燥機中で3時間加熱し、硬化、接着させた。室温で1日放置後スペーサーを外して、試験片(1)〜(4)を得た。
得られた試験片(1)〜(4)を、歪み速度1mm/min、支点間距離80mmで引張試験機を用いて引張破断強さを測定し、接着面積で除した値をエポキシ接着強度とした。その結果を下表2に示す。
Claims (6)
- 下記一般式(1)
前記粗反応混合物から非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(a)、
固液分離工程で得られた前記反応混合物を水と接触させて、ポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し、該ポリアリーレンスルフィド樹脂を回収する精製工程(a)、
を有することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。 - 前記重合工程(a)において、非プロトン性極性溶媒の割合がアルカリ金属硫化物またはアルカリ金属水硫化物中の硫黄原子1モルに対し1.0〜6.0モルの範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
- 前記重合工程(a)において、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物の割合がアルカリ金属硫化物中またはアルカリ金属水硫化物中の硫黄原子1モルに対して0.5〜10ミリモルの範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
- 前記重合工程(a)において、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む溶液は、下記工程1〜3を経て製造されたものである請求項1〜3の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
(1)アルカリ金属含有無機塩および前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む水溶液に非プロトン性極性溶媒を加えて混合し、アルカリ金属含有無機塩、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む水溶液を調製する工程1
(2)アルカリ金属含有無機塩、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む水溶液を蒸留して、水を除去すると伴に、アルカリ金属含有無機塩を析出させる工程2
(3)析出させたアルカリ金属含有無機塩を固液分離することによって除去し、前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む溶液を回収する工程3 - 前記工程1において、アルカリ金属含有無機塩および前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む水溶液は、
非プロトン性極性溶媒と、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを混合し、該非プロトン性極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、(i)アルカリ金属硫化物とを、または、(ii)アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物とを反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物と非プロトン性極性溶媒を含む粗反応混合物を得る重合工程(b)、
前記粗反応混合物から非プロトン性極性溶媒を固液分離させてポリアリーレンスルフィド樹脂とアルカリ金属含有無機塩と前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む反応混合物を得る固液分離工程(b)、
該反応混合物を水と接触させてポリアリーレンスルフィド樹脂を濾別し、該アルカリ金属含有無機塩および前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を含む水溶液を回収する精製工程(b)を経て得られたものである請求項4記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。 - 前記非プロトン性極性溶媒が、有機アミド溶媒である請求項1〜5の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
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