JP2008225390A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤はトナーと逆極性粒子とキャリアを含み、現像装置は、第1の搬送部材と、感光体に対向する第2の搬送部材を有し、電界形成手段は、第1の搬送部材と第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し第1の搬送部材の現像剤中のトナーを第2の搬送部材に移動させると共に逆極性粒子の一部をトナーから分離させて現像剤中に回収させ、第2の搬送部材と感光体との間に第2の電界を形成して第2の搬送部材のトナーを感光体の静電潜像に移動させる。第1の搬送部材と第2の搬送部材との間では、現像時には、第1の電界が形成されることで荷電粒子がトナーから分離して現像剤中に回収され、像間時には、振動電界が印加されることで荷電粒子の一部が第2の搬送部材に移動させられる。
【選択図】図17
Description
また、荷電粒子の殆どが現像剤中に回収されて現像槽内に蓄積される場合、現像槽内に存在する荷電粒子の量が過剰となり、余剰な荷電粒子がキャリア表面以外にトナー表面にも付着して、トナーの帯電性を却って阻害することも考えられる。
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
該現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界を形成し得る第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、
上記静電潜像坦持体上のトナー画像を所定の媒体上に転写するための転写部と、を備え、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間では、現像時においては、上記第1の電界が形成されることで上記トナー表面の上記荷電粒子がトナーから分離して現像剤中に回収される一方、像間時においては、振動電界が印加されることで上記荷電粒子の一部が上記第2の搬送部材に移動させられる、
ことを特徴とする。
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
該現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界を形成し得る第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、
上記静電潜像坦持体上のトナー画像を所定の媒体上に転写するための転写部と、
トナー消費量および転写枚数の何れかを算出する算出手段と、を備え、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間では、上記算出手段による算出値が所定値に達しない通常時は、上記第1の電界が形成されることで上記トナー表面の上記荷電粒子がトナーから分離して現像剤中に回収される一方、上記算出値が第1の所定値に達する毎に、算出値が第2の所定値に達するまでの間だけ、振動電界が印加されることで上記荷電粒子の一部が上記第2の搬送部材に移動させられる、
ことを特徴とする。
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。ハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第2の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材(第2の回転円筒体)であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
供給領域90でスリーブ60から現像ローラ48にトナー6を効率的に移動させるために、現像ローラ48とスリーブ60は電界形成装置110と電気的に接続されている。かかる電界形成装置の具体例としては様々の態様が考えられる。後述するように、現像ローラへのトナー供給時に、できるだけ多くの荷電粒子を現像剤中へ回収する場合についての参考例が図5A〜図9に示してある。
一般に、トナーとキャリアを主成分とする2成分現像剤は、キャリアの表面にトナーが付着してできる汚れ(スペント)が発生し、これがキャリアの寿命を低下させる。そこで、この問題を解消するために、本発明では、2成分現像剤に第3の成分として荷電粒子(インプラント粒子)が添加されている。
トナー、キャリア、荷電粒子、および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
好適に使用される荷電粒子は、トナーの帯電極性に応じて適宜選択される。荷電粒子の個数平均粒径は、例えば、0.5〜1.5μmである。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナーを用いる場合、荷電粒子は、トナーとの接触により正極性に帯電する微粒子が用いられる。そのような微粒子は、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ベリリウム、チタン酸マグネシウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成できる。なお、ここで用いる樹脂は、平均分子量が60万以上であることが好ましい。微粒子を構成する樹脂にトナーとの接触により正極性に帯電する正荷電制御剤を含有させてもよい。正荷電制御剤には、例えば、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩等が使用できる。荷電粒子は含窒素モノマーで構成してもよい。含窒素モノマーを構成する材料には、例えば、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニールピリジン、N−ビニールカルバゾール、ビニールイミダゾールがある。
トナーには、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
図1の現像装置を有する画像形成装置と図11に示す現像装置を備えた画像形成装置を用いて、荷電粒子の効果を調べた。実験用に、荷電粒子を担持していないトナーAと、荷電粒子を担持したトナーBを用意した。
トナーAの製造方法は以下のとおりである。湿式造粒法で作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材100重量部に、複数の添加剤−第1の疎水性シリカ0.2重量部、第2の疎水性シリカ0.5重量部、疎水性酸化チタン0.5重量部−を添加した。次に、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用い、添加剤が添加されたトナー母材を攪拌して添加剤をトナー母材の表面に付着させ、負極帯電性のトナーAを得た。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。第1の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(#130:日本アエロジル社製)を疎水化剤のヘキサメチルジラザン(HMDS)で表面処理して得たものである。第2の疎水性シリカは、固体平均一次粒径20nmのシリカ(#90:日本アエロジル社製)をHMDSで表面処理して得たものである。疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを、水系湿式環境で、疎水化剤のイソブチルトリメトキシシランにより表面処理して得たものである。
トナーBの製造方法は以下のとおりである。トナーAに、荷電粒子として個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウムを添加した。荷電粒子の添加量は、トナーAに含まれるトナー母材粒子100重量部に対して、2重量部であった。次に、荷電粒子が添加されたトナーAを三井鉱山社製のヘンシェルミキサで攪拌し、トナーの表面に荷電粒子を付着させて、トナーBを得た。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。
実験に用いたキャリアは、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350キャリアである。このキャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子にアクリル系樹脂をコーティングしたコート型キャリアである。
現像装置は図1に示す形態の現像装置を使用した。現像剤は、上述のキャリアとトナーBを用いた。現像剤中のトナー比率を8%に調整した。トナー比率は、現像剤全体の重量に対する、トナーと荷電粒子を含む添加材との合計重量の割合である。電界形成装置は、図9に示す形態を採用し、搬送ローラに直流電圧VDC2:−500ボルトを印加し、現像ローラには、直流電圧VDC1:−300ボルトと交流電圧を印加した。交流電圧は、周波数:2kHz、振幅VP−P:1,600ボルト、マイナスデューティ比(トナー回収デューティ比):40%、プラスデューティ比(トナー供給デューティ比):60%の矩形波であった(図13参照)。したがって、負極性に帯電したトナーをスリーブから現像ローラにバイアスする供給電位差(トナー供給電圧)は1,000ボルト、現像ローラからスリーブにトナーをバイアスする回収電圧差(トナー回収電圧)は600ボルトである。
試験例1と同一の現像剤を用いた。現像装置は、図11に示す現像装置を用いた。スリーブには、振幅1,400ボルト、直流電圧−300ボルト、マイナスデューティ比50%、周波数4kHzの矩形波を印加した。スリーブと感光体の現像ギャップは0.3mmに設定した。その他の条件は、試験例1と同一である。
荷電粒子を有するトナーBに代えて、荷電粒子の無いトナーAを用いた。その他の条件は、試験例1と同一である。
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複写機bizhub C350を改造した画像形成装置を用い、複数の条件で画像面積率5%のオリジナル画像を50,000枚印刷した。10,000枚の印刷ごとに現像装置内の現像剤をサンプリングし、トナー帯電量を測定した。結果を図14に示す。この図から明らかなように、試験例1では、印刷枚数の増加に拘わらず、トナーの帯電量はほぼ一定の値を維持した。これに対し、試験例2,3では、印刷枚数の増加と共にトナーの帯電量が低下した。
図16に示す実験装置170を用いて荷電粒子の帯電極性を確認した。実験装置170は、固定円筒体172と、円筒体172の内部に回転可能に配置されたマグネットローラ174と、マグネットローラ174を囲む外筒176を有する。円筒体172と外筒176との間には、負極性のトナーを円筒体172から外筒176に向けて電気的に付勢しない電界、すなわち、トナーと逆極性の荷電粒子を円筒体172から外筒176に向けて付勢する電界を加えた。そして、荷電粒子を含むトナーBとキャリアからなる現像剤を攪拌した後、攪拌後の現像剤を円筒体172の外周面に保持させてマグネットローラ174を回転した。結果、円筒体172から外筒176に向かう電界付勢力を受けた荷電粒子のチタン酸ストロンチウムが現像剤から分離して離脱し、外筒176の内面上に確認された。これにより、チタン酸ストロンチウムがトナーとは逆の極性(正極性)に帯電していることが分かる。
以上より、現像装置の中で、トナーとは逆の極性に帯電するチタン酸ストロンチウムがキャリアの表面に付着し、それにより、キャリアがトナーを帯電する能力の低下を補い、長期に亘ってトナーの帯電量が必要な値に保たれることが分かった。
また、第2の電源182も、スリーブ60とグランドGとの間に直流電源185と交流電源186を有している。直流電源185は、トナー6の帯電極性と同一極性で且つ第1の直流電圧VDC1(例えば、−500ボルト)よりも高圧の第2の直流電圧VDC2(例えば、−800ボルト)をスリーブ60に印加することができる。交流電源186は、第1の交流電圧VAC1を打ち消す、すなわち交流電圧VAC1の交流波形に対して位相が逆になった、第2の交流電圧VAC2をスリーブ60に印加することができる。直流電源185と交流電源186は電源ライン187で直列に接続されており、第2の直流電圧VDC2に重畳して第2の交流電圧VAC2をスリーブ60に印加することができる。
この切換スイッチ189は、現像時には電源ライン187側に投入され、各電源183,184,185,186の作用により、供給領域90では、負極性に帯電しているトナー6がスリーブ60から現像ローラ48に電気的に吸引される。このとき、正極性に帯電しているキャリア4は、スリーブ60の内部の固定磁石の磁力によってスリーブ60に保持され、現像ローラ48に供給されることはない。また、現像領域96では、現像ローラ48に保持されている負極性トナーは、現像ローラ48と静電潜像画像部との電位差に基づき、静電潜像画像部に付着する。
図17では、像間時に切換スイッチ189を接地ライン188側に切り換えたが、切り換え先のラインは接地ラインには限られず、直流電源および/または交流電源を有するラインでも良い。いずれにしても、切り換えることによって荷電粒子8を現像ローラ48側へ移動させる方向の直流電圧と交流電圧とが作用するように設定されていれば、図17の電界形成装置を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
この変形例に係る電界形成装置190は、現像ローラ48とグランドGの間に、第1の実施形態(図17参照)と同様の第1の電源181を備えている。スリーブ60に接続された第2の電源192は、並列に配設された第1,第2の2つの直流電源193,194と、これら直流電源193,194とグランドGとの間に交流電源195を有している。そして、この交流電源195と上記第1直流電源193とが第1ライン197で接続され、交流電源195と上記第2直流電源194とが第2ライン198で接続されている。
第1直流電源193は、トナー6の帯電極性と同一極性で且つ第1の直流電圧VDC1(例えば、−500ボルト)よりも高圧の第2の直流電圧VDC2(例えば、−800ボルト)をスリーブ60に印加することができる。第2直流電源194は、トナー6の帯電極性と逆極性の第3の直流電圧VDC3(例えば、+300ボルト)をスリーブ60に印加することができる。交流電源195は、第1の交流電圧VAC1を打ち消す第2の交流電圧VAC2をスリーブ60に印加することができる。この交流電源195の第2の交流電圧VAC2は、第1ライン197においては第2の直流電圧VDC2に重畳され、また第2ライン198においては第3の直流電圧VDC3に重畳される。
一方、像間時には上記切換スイッチ199が第2ライン198側に投入される。この第2ライン198では、交流電源195の第2の交流電圧VAC2はトナー6の帯電極性と逆極性の第3の直流電圧VDC3(例えば、+300ボルト)に重畳されることにより、スリーブ60と現像ローラ48の間には、第1の直流電圧VDC1と第3の直流電圧VDC3の差に相当する電界が作用することになる。その結果、トナー6がスリーブ60側に吸引される一方、トナー6とは逆極性の荷電粒子8は現像ローラ48側に吸引されることとなり、上記第1の実施形態の電界形成装置180を用いた場合と同様の効果を奏することができる。
図17,図18の構成を備えた電界形成装置180,190を組み込んだ現像装置を採用したことによる効果を確かめるために、実験Iを行った。
〔実施例1〕
現像装置は、図17の実施形態に係る電界形成装置180を組み込んだものを用いた。
作像条件は次の通りとした。
・感光体電位:−600ボルト
・現像DCバイパス(第1の直流電圧VDC1):−500ボルト
・現像ACバイアス(第1の交流電圧VAC1):ピーク・ツー・ピーク電圧が1500ボルト,周波数は2kHz
・スリーブDCバイパス(第2の直流電圧VDC2):−800ボルト
・スリーブACバイアス(第2の交流電圧VAC2):上記第1の交流電圧VAC1を打ち消す交流電圧
・スリーブバイアスの切換スイッチ:現像時は電源ライン187に接続し、像間時には接地ライン188に切り換える
・トナー:トナー粒径が6μmで、荷電粒子として粒径が0.5−1.5μmのチタン酸ストロンチウムを1.5%外添処理したもの
・キャリア:粒径が30μmのフェライトコートキャリア
・混合比:10%
100,000枚印刷後でも、感光体のフィルミングに起因するスジ状のノイズは認められず、また、いわゆる地肌かぶりも見られず、良好な印刷結果が得られた。
実施例1と同様の設定条件で、像間時でも、切換スイッチ189の切り換えを行わずに現像時と同じ電界条件として、実施例1と同様の耐久印刷試験を行った。
約70,000枚程度で感光体のフィルミングに起因するスジ状のノイズが現れ、また、約70,000枚程度から地肌かぶりが徐々に発生した。
現像装置は、上記変形例(図18)に係る電界形成装置190を組み込んだものを用いた。
作像条件は、現像ローラ48に印加される第1の電源181については実施例1と同様の設定とした。第2の電源192については、第1ライン197の第1の直流電源193の第2の直流電圧VDC2を−800ボルト、第2ライン198の第2の電源194の第3の直流電圧VDC3を+300ボルト、交流電源195の電圧を第1の電源181の交流電源184の交流電圧を打ち消す電圧とした。その他の条件は実施例1と同様とした。
スリーブバイアスの切換スイッチは、現像時は第1ライン197に接続し、像間時には第2ライン198に切り換えるようにした。
現像剤は、実施例1で用いたものと同じものを使用した。
200,000枚印刷後でも、感光体のフィルミングに起因するスジ状のノイズは認められず、また、いわゆる地肌かぶりも見られず、良好な印刷状態が得られた。
以上のように、トナーに外添処理されている荷電粒子が像間で現像ローラに供給されるようにした実施例1及び実施例2では、何れも、感光体のフィルミングに起因するスジ状のノイズ及び地肌かぶりは認められなかったのに対して、像間でも現像時と同一条件で印刷を続けた比較例1では、試験途中で上記の印刷不良が発生している。
これらの試験結果より、実施例1,実施例2の現像装置を用いて、トナーに外添処理されている荷電粒子を像間で現像ローラに供給することで、地肌かぶりが発生することなく、しかも、感光体のフィルミングに起因するスジ状のノイズの発生を有効に防止できることが確認された。
実施例1で用いたものと同一の現像装置および現像剤を使用し、電界形成条件を様々に変更して、画像面積率が5%の画像を100,000枚印刷後、印刷不良発生の有無を調べる試験を行った。
各条件での試験結果は、次の4段階のランク分けにて評価した。
・×:許容できない印刷状態
・××:更に低い印刷状態
・○:許容できる印刷状態
・◎:初期と全く変わらない良好な印刷状態
試験結果を表1に示す。
実施例1と同一の試験条件で、トナーに外添処理する荷電粒子の材質を、チタン酸ストロンチウムから、チタン酸カルシウム、チタン酸ベリリウム、チタン酸マグネシウム、アルミナにそれぞれ変更して、同様の印刷耐久試験を行った。
何れの材料を用いた場合においても、100,000枚印刷後でも良好な印刷状態が得られた。
実施例1と同一の現像装置および現像剤を用い、電界形成条件も同一とし、切換スイッチ189の切換条件のみを変更する試験を行った。
本試験では、現像時と像間時とで切り換えるのではなく、トナー消費量が所定値A(例えば300グラム)に達する毎に、一定量B(例えば30グラム)のトナー消費量分に相当するプリント枚数分の時間だけ切換スイッチ189を接地ライン188側に切り換えた状態で現像装置を駆動させるようにした。尚、トナー消費量は、印刷枚数をカウントするレーザ光の発光回数に基づいて算出した。
尚、トナー消費量の代わりに印刷枚数によってスイッチ切換を行うようにしても良い。簡便な構成にでき、印刷物の画像面積率の変動が比較的小さい場合は、特に有効である。
実験IVで用いたものと同一の現像装置および現像剤を使用し、上記トナー消費量A,Bを様々に変更して、画像面積率が5%の画像を100,000枚印刷後、印刷不良発生の有無を調べる試験を行った。
各条件での試験結果は、実験IIと同様に次の4段階のランク分けにて評価した。
・×:許容できない印刷状態
・△:○より劣るが許容できる印刷状態
・○:初期よりは低下するが良好な印刷状態
・◎:初期と全く変わらない良好な印刷状態
試験結果を表2に示す。
190:電界形成装置、192:第2の電源、193:第1の直流電源、193:第2の直流電源、195:交流電源、197:第1ライン、198:第2ライン、199:切換スイッチ、G:グランド。
Claims (5)
- 少なくともトナーとキャリアを含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置を備えた画像形成装置であって、
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
該現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界を形成し得る第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、
上記静電潜像坦持体上のトナー画像を所定の媒体上に転写するための転写部と、を備え、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間では、現像時においては、上記第1の電界が形成されることで上記トナー表面の上記荷電粒子がトナーから分離して現像剤中に回収される一方、像間時においては、振動電界が印加されることで上記荷電粒子の一部が上記第2の搬送部材に移動させられる、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 上記第2の電界は、トナーを上記第2の搬送部材から上記静電潜像坦持体へ移動させる方向の直流電界と、該直流電界に重畳する振動電界とで構成され、
上記第1の電界は、トナーを上記第1の搬送部材から上記第2の搬送部材へ移動させる方向の直流電界と、上記第2の電界の振動電界を打ち消す振動電界とで構成されており、
上記第1の電界形成手段には、像間時に上記第1の搬送部材がグランドに接続するように接続状態を切り換える切換手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 少なくともトナーとキャリアを含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置を備えた画像形成装置であって、
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
該現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界を形成し得る第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、
上記静電潜像坦持体上のトナー画像を所定の媒体上に転写するための転写部と、
トナー消費量および転写枚数の何れかを算出する算出手段と、を備え、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間では、上記算出手段による算出値が所定値に達しない通常時は、上記第1の電界が形成されることで上記トナー表面の上記荷電粒子がトナーから分離して現像剤中に回収される一方、上記算出値が第1の所定値に達する毎に、算出値が第2の所定値に達するまでの間だけ、振動電界が印加されることで上記荷電粒子の一部が上記第2の搬送部材に移動させられる、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 上記第2の電界は、トナーを上記第2の搬送部材から上記静電潜像坦持体へ移動させる方向の直流電界と、該直流電界に重畳する振動電界とで構成され、
上記第1の電界は、トナーを上記第1の搬送部材から上記第2の搬送部材へ移動させる方向の直流電界と、上記第2の電界の振動電界を打ち消す振動電界とで構成されており、
上記第1の電界形成手段には、上記算出値が第1の所定値に達した後上記第2の所定値に達するまでの間だけ、第1の電界の振動電界の印加を休止させるように切り換える切換手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 上記算出手段はトナー消費量を算出するものであり、
上記第1の所定値(A)と、該第1の所定値に達した後上記第2の所定値に達するまでの間でのトナー消費量(B)とが、5≦(B/A)×100≦20の関係を満たす、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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