JP5176351B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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第一の極性に帯電されるトナーと、
摩擦接触によって前記トナーの第一の極性とは逆の第二の極性に帯電されるキャリアと、
前記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され、前記トナーの表面から分離したあとに前記キャリアの表面に保持される第二の極性に帯電された荷電粒子と、を含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置であって、当該現像装置は、
第一の搬送部材と、
第一の領域を介して前記第一の搬送部材に対向し、第二の領域を介して前記静電潜像担持体に対向する第二の搬送部材と、
前記第一の搬送部材と前記第二の搬送部材との間に第一の電界を形成して、前記第一の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを前記第二の搬送部材に移動させる第一の電界形成手段を備えており、
前記第一の電界が、交流と直流を重畳した電界に、さらに10乃至100kHzの高周波の交流が重畳された電界であることを特徴とする現像装置が提供される。
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置1の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
現像装置34は、第一の成分粒子である非磁性トナーと第二の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。ハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第二の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材(第二の回転円筒体)であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
供給領域90で搬送ローラ54のスリーブ60から現像ローラ48にトナー6を効率的に移動させるために、現像ローラ48と搬送ローラ54のスリーブ60とは、電界形成装置110と電気的に接続されている。
一般に、トナーとキャリアを主成分とする2成分現像剤は、キャリアの表面にトナーが付着してできる汚れ(スペント)が発生し、これがキャリアの寿命を低下させる。そこで、この問題を解消するために、本発明では、2成分現像剤に第3の成分として荷電粒子(インプラント粒子)が添加されている。
トナー、キャリア、荷電粒子、および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
好適に使用される荷電粒子は、トナー6の帯電極性に応じて適宜選択される。荷電粒子の個数平均粒径は、例えば、100〜1000nmである。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナー6を用いる場合、荷電粒子は、トナー6との接触により正極性に帯電する微粒子が用いられる。そのような微粒子は、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成できる。微粒子を構成する樹脂にトナーとの接触により正極性に帯電する正荷電制御剤を含有させてもよい。正荷電制御剤には、例えば、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩等が使用できる。荷電粒子は含窒素モノマーで構成してもよい。含窒素モノマーを構成する材料には、例えば、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニールピリジン、N−ビニールカルバゾール、ビニールイミダゾールがある。
トナー6には、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
図1の画像形成装置を用いて、所定高周波の交流電圧印加の効果を調べた。
トナー6の製造方法は以下のとおりである。湿式造粒法で作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材100重量部に、複数の添加剤−第一の疎水性シリカ0.2重量部、第二の疎水性シリカ0.5重量部、疎水性酸化チタン0.5重量部−を添加した。次に、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用い、添加剤が添加されたトナー母材を攪拌して添加剤をトナー母材の表面に付着させ、負極帯電性のトナーを得た。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。第一の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(#130:日本アエロジル社製)を疎水化剤のヘキサメチルジラザン(HMDS)で表面処理して得たものである。第二の疎水性シリカは、固体平均一次粒径20nmのシリカ(#90:日本アエロジル社製)をHMDSで表面処理して得たものである。疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを、水系湿式環境で、疎水化剤のイソブチルトリメトキシシランにより表面処理して得たものである。
実験に用いたキャリアは、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350キャリアである。このキャリアは、Mn・Znフェライト球の磁性体からなるキャリアコア粒子にアクリル系樹脂をコーティングしたコート型キャリアであり、粒径は40μmである。
現像装置34は、図1に示した形態の現像装置を使用した。現像剤は、上述のキャリアとトナーを用いた。現像剤中のトナー比率を8%に調整した。トナー比率は、現像剤全体の重量に対する、トナーと荷電粒子を含む添加材との合計重量の割合である。トナーとキャリアの混合比を12%にした。耐刷における画像比率(B/W比)は5%である。電界形成装置は、図2に示す形態を採用し、搬送ローラ54のスリーブ60には直流電圧VDC1:−750Vと交流電圧を印加した。交流電圧VAC1は、表1に示すように、周波数:8乃至120kHz、振幅VP−P:250乃至3000Vの矩形波であった(図2参照)。現像ローラ48には、直流電圧VDC2:−500Vと交流電圧を印加した。交流電圧は、周波数:1.5kHz、振幅VP−P:1500Vの矩形波であった(図2参照)。したがって、負極性に帯電したトナー6を搬送ローラ54のスリーブ60から現像ローラ48にバイアスする供給電位差(トナー供給電圧)は250Vである。
実施例1と同一の現像剤を用いた。現像装置としては、上記現像装置を用いるとともに、図3に示した電圧パターンを印加した。すなわち、搬送ローラ54のスリーブ60には、直流電圧VDC1:−750Vだけを印加した。その他の条件は、上記実施例1と同一である。
次に、第一の電界を変化させたときの、高周波印加効果を調べた。表3は、搬送ローラ54のスリーブ60に対して、直流電圧VDC1:−800Vと、所定の交流電圧とを印加した結果を示している。また、表4は、搬送ローラ54のスリーブ60に対して、直流電圧VDC1:−600Vと、所定の交流電圧とを印加した結果を示している。
荷電粒子として上記チタン酸ストロンチウムの代わりに、個数平均粒径350nmのチタン酸ベリリウムを添加したトナー(表5)、個数平均粒径350nmのチタン酸カルシウムを添加したトナー(表6)、個数平均粒径350nmのチタン酸マグネシウムを添加したトナー(表7)、をそれぞれ作成した。各荷電粒子の添加量は、トナー6に含まれるトナー母材粒子100重量部に対して、1.5重量部とした。それ以外の実験方法や評価方法等は、上述した実施例1と同じである。
荷電粒子として、個数平均粒径350nmのチタン酸ベリリウムを添加したトナー(表5)、個数平均粒径350nmのチタン酸カルシウムを添加したトナー(表6)、個数平均粒径350nmのチタン酸マグネシウムを添加したトナー(表7)、をそれぞれ作成した。各荷電粒子の添加量は、トナー6に含まれるトナー母材粒子100重量部に対して、0.8重量部とした。それ以外の実験方法や評価方法等は、上述した実施例1と同じである。
荷電粒子として、個数平均粒径100nmのチタン酸ストロンチウムを添加したトナー、個数平均粒径850nmのチタン酸ストロンチウムを添加したトナー、をそれぞれ作成した。これらのトナーを用いて上記実施例1と同様の実験を行った結果、いずれも場合でも実施例1と同様にACバイアス周波数10乃至100kHzにおいて、地肌かぶりの無い良好な結果が得られた。
2:現像剤
6:トナー
12:感光体
16:帯電ステーション
18:露光ステーション
20:現像ステーション
22:転写ステーション
24:クリーニングステーション
26:帯電装置
28:露光装置
30:画像光
32:通路
34:現像装置
36:転写装置
38:シート
40:クリーニング装置
42:ハウジング
44:開口部
46:第二の空間
48:現像ローラ
50:現像ギャップ
52:第二の空間
54:搬送ローラ
56:供給回収ギャップ
58:磁石体
60:スリーブ
63:規制板
64:規制ギャップ
66:現像剤攪拌室
68:前室
70:後室
72:前スクリュー
74:後スクリュー
76:隔壁
86:規制領域
88:供給回収領域
90:供給領域
92:回収領域
94:放出領域
96:現像領域
98:トナー補給部
100:容器
102:開口部
104:補給ローラ
110:電界形成装置
112:第一の電源
114:第二の電源
Claims (2)
- 第一の極性に帯電されるトナーと、
摩擦接触によって前記トナーの第一の極性とは逆の第二の極性に帯電されるキャリアと、
前記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され、前記トナーの表面から分離したあとに前記キャリアの表面に保持される第二の極性に帯電された荷電粒子と、を含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置であって、当該現像装置は、
第一の搬送部材と、
第一の領域を介して前記第一の搬送部材に対向し、第二の領域を介して前記静電潜像担持体に対向する第二の搬送部材と、
前記第一の搬送部材と前記第二の搬送部材との間に第一の電界を形成して、前記第一の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを前記第二の搬送部材に移動させる第一の電界形成手段を備えており、
前記第一の電界が、交流と直流を重畳した電界に、さらに10乃至100kHzの高周波の交流が重畳された電界であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置を含むことを特徴とする、画像形成装置。
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