JP4935436B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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トナーとキャリアを含み、上記トナーとキャリアは相互の摩擦接触によって上記トナーが第1の極性に帯電されると共に上記キャリアが上記第1の極性とは異なる第2の極性に帯電される現像剤と、
上記現像剤を磁力で保持しながら搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段を備えており、
上記現像剤は更に荷電粒子を含み、上記荷電粒子は、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され、上記トナーの表面から分離した後上記キャリアの表面に保持されると、上記トナーとの摩擦接触によって上記トナーを上記第1の極性に帯電するものであり、
上記第1の搬送部材と第2の搬送部材が対向する第1の領域であって上記第1の搬送部材に保持されている現像剤が上記第2の搬送部材に接触している領域において、上記第1と第2の搬送部材の間の空間を、上記現像剤が25%以上占めており、
上記第1の搬送部材は、複数の磁極を有する固定磁石体と、上記固定磁石体の周囲を回転移動する回転体を有し、上記複数の磁極は互いに隣接する2つの同極部であって上記回転体の回転方向に関して上流側に位置する上流側同極部と上記回転体の回転方向に関して下流側に位置する下流側同極部を含み、上記下流側同極部の磁力ピーク値は上記上流側同極部の磁力ピーク値よりも小さいことを特徴とする。
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と、以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。なお、図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。ハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第2の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
供給領域90でスリーブ60から現像ローラ48にトナー6を効率的に移動させるために、現像ローラ48とスリーブ60は電界形成装置110と電気的に接続されている。電源の具体例が図6A〜図10に示してある。
一般に、トナーとキャリアを主成分とする2成分現像剤は、キャリアの表面にトナーが付着してできる汚れ(スペント)が発生し、これがキャリアの寿命を低下させる。そこで、この問題を解消するために、本発明では、2成分現像剤に第3の成分として荷電粒子(インプラント粒子)が添加されている。
トナー、キャリア、荷電粒子、および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
好適に使用される荷電粒子は、トナーの帯電極性に応じて適宜選択される。荷電粒子の個数平均粒径は、例えば、100〜1000nmである。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナーを用いる場合、荷電粒子は、トナーとの接触により正極性に帯電する微粒子が用いられる。そのような微粒子は、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成できる。微粒子を構成する樹脂にトナーとの接触により正極性に帯電する正荷電制御剤を含有させてもよい。正荷電制御剤には、例えば、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩等が使用できる。荷電粒子は含窒素モノマーで構成してもよい。含窒素モノマーを構成する材料には、例えば、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニールピリジン、N−ビニールカルバゾール、ビニールイミダゾールがある。
トナーには、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
図1の現像装置を有する画像形成装置を用いて実験を行った。実験には以下に示す装置、材料を用いた。
実験に使用したトナーAの製造方法は以下のとおりである。湿式造粒法で作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材100重量部に、複数の添加剤−第1の疎水性シリカ0.2重量部、第2の疎水性シリカ0.5重量部、疎水性酸化チタン0.5重量部−を添加した。荷電粒子として、個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウムを2重量部添加した。添加剤と荷電粒子が添加されたトナー母材を、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用いて攪拌して添加剤と荷電粒子をトナー母材の表面に付着させ、負極帯電性のトナーAを得た。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。第1の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(#130:日本アエロジル社製)を疎水化剤のヘキサメチルジラザン(HMDS)で表面処理して得たものである。第2の疎水性シリカは、固体平均一次粒径20nmのシリカ(#90:日本アエロジル社製)をHMDSで表面処理して得たものである。疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを、水系湿式環境で、疎水化剤のイソブチルトリメトキシシランにより表面処理して得たものである。
実験に用いたキャリアは、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350キャリアである。このキャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子にアクリル系樹脂をコーティングしたコート型キャリアである。
現像装置の電界形成装置は、図10に示す形態を採用し、搬送ローラに直流電圧VDC2:−400ボルトを印加した。現像ローラには、直流電圧VDC1:−300ボルトと交流電圧を印加した。交流電圧は、周波数:2kHz、振幅VP−P:1,400ボルト、マイナスデューティ比(トナー回収デューティ比):40%、プラスデューティ比(トナー供給デューティ比):60%の矩形波であった(図12参照)。したがって、負極性に帯電したトナーをスリーブから現像ローラにバイアスする供給電位差(トナー供給電圧)は800ボルト、現像ローラからスリーブにトナーをバイアスする回収電圧差(トナー回収電圧)は600ボルトである。
規制ギャップを変化させることによって現像剤充填率を変更した。各規制ギャップ(現像剤充填率)について、画像面積率5%の画像を50,000枚印刷し、50,000枚印刷後の帯電量低下量を求めた。
実験の結果を表1に示す。
表中、評価に用いたシンボル「×」は帯電量低下量が10μC/g以上、シンボル「△」は帯電低下量が5μC/g以上で10μC/g未満、シンボル「○」は5未満を表す。
実施例1のトナーAと現像装置を用い、搬送ローラ54と現像ローラ48の間で現像剤に作用する電界条件を変化させて帯電量の低下を計測した。供給回収領域の現像剤充填率は25%に設定した。変化させた電界条件は、電界の種類(直流電界/振動電界)、供給方向電位差、回収方向電位差、電界強度を含む。具体的な実験条件は表2に示す。各実験条件で、画像面積率5%の画像を50,000枚印刷し、印刷後の帯電量低下量を測定した。また、各条件で現像ローラのトナー搬送量を測定した。
表中、評価に用いたシンボル「△」は帯電低下量が5μC/g以上で10μC/g未満、シンボル「○」は5未満を表す。
実施例1のトナーAと現像装置を用い、現像ローラと搬送ローラの最近接位置近傍に位置する磁極N1の法線方向磁束密度Br(N1)のピーク位置を変化させて帯電量の低下を計測した。実験では、搬送ローラの現像剤搬送量を340g/m2、供給回収ギャップを0.3mmに設定し、現像ローラと搬送ローラの間に振動電界を形成し、トナー供給電界を2.5×106V/m以上に設定した。磁極N1のピーク磁束密度Br(N1)は90mTとした。磁束密度のピークは3つの位置、すなわち、現像ローラと搬送ローラの最近接位置に一致させた位置(θ=0°)、搬送ローラの回転方向に関して最近接位置の上流側と下流側にそれぞれθ=±5°ずらした位置、に設定した。この条件で、画像面積率5%の画像を50,000枚印刷し、印刷後の帯電量低下量を測定した。結果を図15に示す。
実施例1のトナーAと現像装置を用い、搬送ローラの同極磁極N2,N3の法線方向磁束密度Brを変化させて帯電量の低下を計測した。実験では、搬送ローラの現像剤搬送量を340g/m2、供給回収ギャップを0.3mmに設定し、現像ローラと搬送ローラの間に振動電界を形成し、トナー供給電界を2.5×106V/m以上に設定した。磁極N1のピーク磁束密度は90mTとした。磁極N1に対して現像剤搬送方向上流側の磁極N3の法線方向磁束密度Br(N3)と磁極N1に対して現像剤搬送方向下流側の磁極N2の法線方向磁束密度Br(N2)を3つの条件−(1)Br(N3)=90mT、Br(N2)=60mT、(2)Br(N3)=90mT、Br(N2)=90mT、(3)Br(N3)=60mT、Br(N2)=90mT−に設定した。この条件で、画像面積率5%の画像を50,000枚印刷し、印刷後の帯電量低下量を測定した。結果を図16に示す。
実施例1のトナーAと現像装置を用い、規制板の材料を変更して帯電量の低下を計測した。実験では、搬送ローラの現像剤搬送量を340g/m2、供給回収ギャップを0.3mmに設定し、現像ローラと搬送ローラの間に振動電界を形成し、トナー供給電界を2.5×106V/m以上に設定した。規制板として、磁性部材(SECC)と非磁性部材(アルミニウム)の板を用意した。この条件で、画像面積率5%の画像を50,000枚印刷し、印刷後の帯電量低下量を測定した。結果を図17に示す。
荷電粒子の個数平均粒径が帯電量の低下に及ぼす影響を調べた。そのために、以下の表3に示す個数平均粒径を有するチタン酸ストロンチウム2重量部を添加した複数のトナーB〜トナーFを用意した。なお、荷電粒子と必要な添加剤が添加されたトナー母材を、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用いて、40m/sの速度で3分間攪拌して添加剤と荷電粒子をトナー母材の表面に付着させた。
荷電粒子の材料が帯電量の低下に及ぼす影響を調べた。そのために、以下の表4に示す材料を2重量部を添加した複数のトナーG〜トナーJを用意した。なお、荷電粒子と必要な添加剤が添加されたトナー母材を、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用いて、40m/sの速度で3分間攪拌して添加剤と荷電粒子をトナー母材の表面に付着させた。
Claims (6)
- トナーとキャリアを含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置であって、
トナーとキャリアを含み、上記トナーとキャリアは相互の摩擦接触によって上記トナーが第1の極性に帯電されると共に上記キャリアが上記第1の極性とは異なる第2の極性に帯電される現像剤と、
第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段を備えており、
上記現像剤は更に荷電粒子を含み、上記荷電粒子は、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され、上記トナーの表面から分離した後上記キャリアの表面に保持されると、上記トナーとの摩擦接触によって上記トナーを上記第1の極性に帯電するものであり、
上記第1の搬送部材と第2の搬送部材が対向する第1の領域であって上記第1の搬送部材に保持されている現像剤が上記第2の搬送部材に接触している領域において、上記第1と第2の搬送部材の間の空間を、上記現像剤が25%以上占めており、
上記第1の搬送部材は、複数の磁極を有する固定磁石体と、上記固定磁石体の周囲を回転移動する回転体を有し、上記複数の磁極は互いに隣接する2つの同極部であって上記回転体の回転方向に関して上流側に位置する上流側同極部と上記回転体の回転方向に関して下流側に位置する下流側同極部を含み、上記下流側同極部の磁力ピーク値は上記上流側同極部の磁力ピーク値よりも小さいことを特徴とする現像装置。 - 上記第1の搬送部材は、複数の磁極を有する固定磁石体と、上記固定磁石体の周囲を回転移動する回転体を有し、上記複数の磁極のうち上記第1の領域の近傍に配置された第1の磁極は、上記回転体の回転方向に関して上記回転体と上記第2の搬送部材との最近接位置の下流側に磁力ピーク部を有する請求項1に記載の現像装置。
- 上記回転体の外周面と所定の間隔をあけて対向し、上記第1の領域に搬送される現像剤の量を規制する規制部材を有し、上記規制部材は非磁性の材料で形成されている請求項1又は2に記載の現像装置。
- 上記荷電粒子の個数平均粒径が約100nm〜約850nmの範囲にある請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
- 上記荷電粒子の比誘電率が8.5以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
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