JP6635740B2 - 現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
静電潜像が現像される。
像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像剤であって、平均円形度が0.95以上の磁性一成分現像剤である現像剤と、
前記現像剤が担持される現像剤担持体であって、前記像担持体と空間を介して配置される現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に設けられ、磁極を有する磁性体と、
を有し、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤を、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で電気的に飛翔させて、前記静電潜像に現像剤を付着させることで、前記静電潜像を現像する現像装置であって、
前記現像剤担持体の軸線方向から見た前記現像剤担持体と前記像担持体の断面において、
前記現像剤担持体の軸線と前記像担持体の軸線とを結ぶ線分を第1線分とし、
前記像担持体と対向する位置で前記現像剤担持体に現像剤を担持させるための前記磁極の磁束密度が最大である前記現像剤担持体の表面の位置と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第2線分とし、
前記像担持体と前記現像剤担持体とが回転していない状態で、前記像担持体の電位を0Vとし、前記現像剤担持体に画像形成動作時と同じ直流電圧を印加し、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で前記現像剤を飛翔させた場合に、前記現像剤が付着して現像される前記像担持体上の領域を第1領域とし、
前記像担持体の軸線から前記現像剤担持体の軸線に向かう方向に前記第1領域を投影した前記現像剤担持体上の領域を第2領域とし、
前記第2領域における前記現像剤担持体の回転方向の下流側端部と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第3線分とした場合に、
前記現像剤担持体の回転方向における角度について、前記第1線分と前記第2線分とがなす第1角度は、0°よりも大きく、前記第1線分と前記第3線分とがなす第2角度以下であり、
前記第1角度は4°以上16°以下であることを特徴とする。
<画像形成装置の構成>
図2は、実施例1に係る画像形成装置1を示す概略断面図である。図2において、電子写真技術を利用した画像形成装置1は、装置本体AとカートリッジBを有するレーザビームプリンタである。カートリッジBは装置本体Aに対して着脱可能となっている。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側には露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。
図3は、実施例1に係るカートリッジBを示す概略断面図である。次に、画像形成プロセスについて図2と図3を用いて説明する。プリントスタート信号に基づいて、直径が24mmである像担持体としての感光ドラム62は、矢印方向に、所定の周速度(プロセススピード100mm/sec)で回転する。バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は
、感光ドラム62の外周面に接触し、感光ドラム62の外周面を一様に帯電する。露光装
置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部74を通り、レーザ光Lによって感光ドラム62の外周面が走査露光される。これにより、感光ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について図4を用いて説明する。図4は、実施例1に係る画像形成装置1の装置本体AとカートリッジBとを示す図である。具体的には、図4は、プロセスカートリッジとしてのカートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aと、カートリッジBとを示す斜視図である。装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。この開閉扉13を開くとガイドレール12が露出される。そして、カートリッジBは、ガイドレール12にガイドされて装置本体A内に装着される。そして、装置本体Aのモータ(不図示)によって駆動される駆動軸14は、カートリッジBに設けられた駆動力受け部63aと係合する。これにより、駆動力受け部63aと結合している感光ドラム62が、装置本体Aから駆動力を受けて回転する。
次に、カートリッジBの全体構成について図3と図5を用いて説明する。図5は、実施例1に係るカートリッジBの分解斜視図である。カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20とが組み合わさることで構成される。また、クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71と感光ドラム62と帯電ローラ66とクリーニングブレード77とを有する。
次に、本実施例で用いられるマグネットローラ34の磁束密度と磁極配置とに関して図6を用いて説明する。図6は、実施例1に係るマグネットローラ34の磁力と磁極の配置とを示す図である。図6(a)は、マグネットローラ34の磁力と磁極の配置とを示している。また、図6(b)は、カートリッジBに対する磁極の配置を示している。
次に、ジャンピング現像に関して図7を用いて説明する。本実施例では、トナーはクラウド状態となって現像ローラ32に担持されているが、図7では、トナーは磁気穂となって現像ローラ32に担持されている。図7は、従来におけるジャンピング現像を説明するための図である。図7(a)は、カートリッジBにおける感光ドラム62と現像ローラ32との空間としての間隔を拡大した断面図である。また、図7(b)は、ジャンピング現
像を行うための現像バイアスを示している。
次に、本実施例に係るトナーに関して説明する。磁性現像剤としての磁性トナーを用いたジャンピング現像方法によって静電潜像を現像した場合、静電潜像のエッジ部においてトナー消費量が増える現象(いわゆるエッジ効果)が一般的に生じる。そのため、文字や細線などのエッジを多く含む画像においてはトナー消費量が増加してしまう。これは、現像ローラ32上のトナーの磁気穂が、エッジ部にそのまま付着して、現像ローラ32に引き戻されないことで生じている。
クラウド状態のトナーで現像するためには、トナーの数平均粒径をD(μm)とし、磁場79.6kA/mにおけるトナーの残留磁化をσr(Am^2/kg)とすると、σr×Dが3.2〜38.0であるが必要がある。さらに、σr×Dが4.5〜29.0である方が好ましく、σr×Dが4.5〜16.0である方がより好ましい。σr×Dがこのような値になることで、トナーがクラウド状態になりやすく、エッジ部でのトナー消費量を削減できる。
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用できる。
(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。トナー担持体中に固定されているマグネットローラ34の現像極の磁力は一般的には1000エルステッド(約79.6kA/m)前後であるため、外部磁場79.6kA/mで残留磁化を測定することで、現像領域でのトナー挙動を捉えることができる。
次に、トナーの形状とクラウド現像との関係を調べたところ、トナーの平均円形度が0.950以上であると(0.960以上がより好ましく、0.970以上がさらに好ましい)、トナーがクラウド状態になり易いことが分かった。円形度が高いほど球形に近い形状であるため、粒子同士の接触は点接触に近づく、磁気穂がほぐれやすくなる。このため、トナーがクラウド状態になり易いものと考える。以上のことから、D×σrが3.2〜38.0であり、トナーの平均円形度が0.950以上(0.95以上)であることで、トナーは現像領域中において1粒1粒の粒子として挙動することができる(=クラウド状態で現像する)。そして、エッジ部においてトナーがきちんと現像ローラ32に引き戻されるため、トナー消費量が低減される。
本実施例の磁性トナーは、公知のいずれの方法によっても製造する事が可能である。まず、粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂や磁性粉体や離型剤や荷電制御剤や着色剤等の磁性トナーとして必要な成分と、その他の添加剤等とを、ヘンシェルミキサーやボールミル等の混合器によって十分混合する。その後、加熱ロールやニーダーやエクストルーダーなどの熱混練機を用いて溶融混練し、相溶した樹脂類の中で、磁性粉体等の他の磁性トナー材料を分散または溶解させる。その後、冷却固化と粉砕と分級と、必要に応じて表面処理とを行ってトナー粒子を得ることができる。分級と表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
ても良い。また、造粒直後であって重合反応を開始する前に、重合性単量体、あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
様々なトナーを作製して、個数平均粒径と平均円形度と残留磁化の値と磁気穂の状態とかぶりとトナー消費量との関係を表1に示した。表1において、現像領域のトナーが磁気穂Jの状態で飛翔している場合を×とし、磁気穂Jがくずれた状態であるクラウド状態でトナーが飛翔している場合を○としている。トナーの現像状態の測定は、現像領域を断面方向から高速度カメラで観察することで行った。また、表1において、トナー消費量の値は、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において、ISO画像を連続通紙で2000枚画出し試験を行った場合に、消費したトナー量を印刷枚数で割った値である。なお、記録媒体としては75g/m2の紙を使用した。
0であれば、磁気穂の状態ではなくクラウド状態で現像することができる。表1では、この状態について「現像領域のトナー状態」を○としている。本実施例においては、磁極の位置を下流側に配置している。トナー状態が○でなくても磁極の位置が下流にあればかぶりトナーに関し一定の効果がある。また、表1から、磁気穂の状態で現像している場合よりも、クラウド状態で現像している場合の方が、トナー消費量を低減できることが分かる。
上記トナーを用いることによりトナー消費量を低減することが可能となったが、近年のプロセススピードの高速化に対応しようとすると、かぶりを低減することが難しくなってくる。この原因について図8を用いて説明する。図8は、感光ドラム62と現像ローラ32との間の気流を示す図である。図8(a)にあるように、空気中において、回転する感光ドラム62や現像ローラ32などの周囲には、回転体周囲の空気が回転体の回転に追従することで生じる流れ(気流F)が生じている。そして、プロセススピードが高速化することで、感光ドラム62や現像ローラ32などの回転速度が速くなる。そうなると、図8(b)にあるように、回転体周囲に発生する回転方向に沿った気流Fの影響により、質量が小さいトナー1粒1粒が、回転体の回転方向に沿って移動しやすくなる。
ここで、現像ローラ32の回転中心軸線O´方向(回転中心軸線方向)から見た現像ローラ32と感光ドラム62の断面について考える。現像領域とは、感光ドラム62と現像ローラ32とが回転していない状態で、感光ドラム62と現像ローラ32との間でトナーを電気的に飛翔させた場合に、静電潜像が現像される感光ドラム62上(像担持体上に対応する)の領域である。なお、現像領域とは、感光ドラム62の周面全てに静電潜像が形成された場合において静電潜像が現像される領域である。感光ドラム62の周面全てに静電潜像が形成された場合であって、具体的に現像領域を特定することは、感光ドラム62の回転駆動時においては難しい。そのため、感光ドラム62の駆動が停止している状態で、感光ドラム62上の静電潜像と現像ローラ32とに電位差が生じるように、現像ローラ32に直流電流を印加する。なお、本実施例では、感光ドラム62の電位が0Vである状態で、現像ローラ32に、現像バイアスである直流バイアス−300Vを5秒間印加している。ここで、図1においては、現像領域は、感光ドラム62の円周面におけるPQ間である。
現像ローラ32上の領域である。つまり、現像ローラ32の回転方向における対向領域の上流側端部は位置P´であり、現像ローラ32の回転方向における対向領域の下流側端部は位置Q´である。通常は、この位置Pと位置P’と位置Qと位置Q’とに囲まれた領域においてトナーが飛翔する。また、かぶりの原因となるトナーもこの領域で飛翔する。しかし、先に述べたように、プロセススピードが高速化した場合、トナーは、気流Fの影響によって、感光ドラム62の回転方向において現像領域よりも下流側に移動してしまうことがある。それにより、飛翔していたトナーが、現像ローラ32上に戻れなくなり、かぶりとして紙上に顕在化する。
次に、磁極S1の配置について図1を用いて説明する。図1は、実施例1に係る感光ドラム62と現像ローラ32との間隔を示す図である。実施例1では、感光ドラム62の回転中心軸線と、現像ローラ32の回転中心軸線とが平行となっている。ここで、感光ドラム62の回転中心軸線Oと、現像ローラ32の回転中心軸線O’とを結ぶ線分を線分OO’とする。ここで、現像ローラ32の回転中心軸線O’は、現像ローラ32に内包されたマグネットローラ34の中心軸線と同一である。また、上述したように、感光ドラム62の回転方向における現像領域の上流側端部の位置を位置Pとし、感光ドラム62の回転方向における現像領域の下流側端部の位置を位置Qとする。
てある。なお、角度θは4°≦θ≦16°(4°以上16°以下)の範囲に設定されていることが好ましい。また、本実施例では、角度θ=8°となるように設計されている。第2角度は、現像ローラの軸線からの直線で現像領域と交差する位置の最大値であり、第2角度よりも大きくなると現像領域とは交差しない。
次に、感光ドラム62の周速度と角度θとかぶりの発生との関係について表3を用いて説明する。表3に示す実験結果において、トナーは、表1と表2における5番のトナーが用いられている。画出しには本実施例に係る画像形成装置1が用いられ、感光ドラム62の周速度と角度θとを適宜変更している。
また、実施例1では、トナーをクラウド状態にすることで、静電潜像のエッジ部におけるトナー消費量を低減することができる。
<画像形成装置全体の構成>
図12は、実施例2に係る画像形成装置100を示す概略断面図である。画像形成装置100における画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、感光ドラム101は、不図示の感光体駆動モーターによって図12の矢印方向に回転駆動される。
本実施例に係る現像手段である現像装置104において、トナーとしては磁性一成分トナーが用いられ、現像スリーブ151は、感光ドラム101に対して所定の間隔を空けて配置される。また、本実施例において、現像装置104は、現像スリーブ151と感光ドラム101とが非接触の状態で、感光ドラム101上の静電潜像を反転現像する。つまり、現像装置104は、磁性一成分ジャンピング現像方式と反転現像方式とを採用した現像装置である。本実施例では、現像スリーブ151と感光ドラム101とのギャップ(S−Dギャップ)は、現像スリーブ151の両端部に配設された現像コロによって維持されている。また、現像時において、現像スリーブ151と感光ドラム101との間には、現像バイアスとして、直流(DC)と交流(AC)の重畳電圧が印加される。
次に、現像スリーブ151の中に配置されたマグネットローラ106について詳細に説
明する。本実施例に係るマグネットローラ106は、マグネットローラ106における磁極S101が感光ドラム101と対向するように、現像スリーブ151の内部に配置されている。また、マグネットローラ106は、4つの磁極(磁極N101と磁極N102と磁極S101と磁極S102)を内部に有するマグネットであって、ナイロン等の合成樹脂バインダーによって磁性体粉末を結着させた樹脂マグネットである。マグネットローラ106における磁極S102の磁力によって、トナーは、現像スリーブ151の表面に引き寄せられるとともに保持される。そして、トナーは、現像ブレード152によって摩擦帯電されることで適正な電荷が付与され、その後、現像スリーブ151の回転に伴って、マグネットローラ106における磁極S101の近傍に搬送される。
本実施例では、現像スリーブ151は、非磁性の導電体(基体)上に樹脂層が設けられることで形成されている。基体としては、円筒状部材や円柱状部材やベルト状部材などの部材が挙げられる。基体の材質としては、アルミニウムやステンレス鋼や真鍮などの非磁性の金属または合金が用いられる。また、樹脂層は、例えば、樹脂層に用いられる各成分を溶媒中で分散混合させて塗料化することで基体上に塗工することができる。そして、塗工された樹脂を乾燥固化あるいは硬化することによって樹脂層を形成することができる。なお、各成分を塗料液中で分散混合させるために、サンドミルやペイントシェーカーやダイノミルやパールミルなどのビーズを用いた公知の分散装置を利用することができる。また、塗工方法としては、ディッピング法やスプレー法やロールコート法など公知の方法を適用することができる。
(A)結着樹脂としての熱硬化性樹脂
(B)溶媒としての炭素数1乃至4のアルコール
(C)下記式(R)で示されるユニットを有する樹脂
(D)X線回折で測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下である黒鉛化カーボンブラック
(E)pH5.0以下の酸性カーボンブラック
であることが好ましい。現像スリーブ151の樹脂層の体積抵抗をこの範囲とすることで、チャージアップによって現像スリーブにトナーが固着することを抑制することができる。また、トナーのチャージアップに伴って生じる不具合であって、現像スリーブ151の表面でトナーを摩擦帯電する際に生じる不具合を低減することができる。
0.4μm以上3.0μm以下である。
トナーには、トナーの帯電状態を安定させるために、例えば、酸化マグネシウムや酸化亜鉛や酸化アルミニウムや酸化チタニウムや酸化鉛などの酸化物や、硫化物や窒化物やシリカなどの無機微粉体などが外添されることが広く知られている。そして、トナーの帯電状態は外添剤の量と関係している。
図17は、現像スリーブ151上のトナーの帯電量とプロセススピードとの関係を示す図である。また、図18は、プロセススピード毎のトナー残量とカブリ量との関係を示す図である。図19は、カブリが測定される部分を示す概略図である。図17に示すように、本実施例に係る現像スリーブ151を用いた場合、プロセス速度が高速化した画像形成装置100において、従来よりも、現像スリーブ151上のトナーの帯電量(μC/g)が大きい。つまり、現像スリーブ151上のトナーを均一に帯電することができる。しかしながら、図14(b)に示すように、本実施例では、画像形成装置100のプロセススピードが増加した場合、現像装置104内のトナー残量が少なくなるにつれて、現像スリーブ151上のトナーの帯電量(μC/g)が小さくなっていく。
を超えた場合を×とする。
図20は、感光ドラム101と現像スリーブ151との間においてトナーに作用する力を示す図である。ここで、現像領域とは、実施例1と同様に、感光ドラム101と現像スリーブ151とが回転していない状態で、感光ドラム101と現像スリーブ151との間でトナーを飛翔させた場合に、静電潜像が現像される感光ドラム101上の領域である。具体的に現像領域を特定することは、感光ドラム101の回転駆動時においては難しい。そのため、感光ドラム101の駆動が停止している状態で、感光ドラム101上の静電潜像と現像スリーブ151とに電位差が生じるように、現像スリーブ151に直流電流を印加する必要がある。なお、本実施例では、感光ドラム101の電位が0Vである状態で、現像スリーブ151に、現像バイアスである直流バイアス−300Vを5秒間印加している。ここで、図20(b)においては、現像領域は、感光ドラム101の円周面におけるP1とQ1との間の領域である。
リーブ151の外周面における位置P1´と位置Q1´との間の領域である。つまり、現像スリーブ151の回転方向における対向領域の上流側端部は位置P1´であり、現像スリーブ151の回転方向における対向領域の下流側端部は位置Q1´である。
トナーは、現像スリーブ151の内部に設けられたマグネットローラ106におけるS102極の磁力によって現像スリーブ151の表面に保持される。現像スリーブ151は、図20(a)に示すように矢印方向に回転する。また、トナーが現像ブレード152によって摩擦帯電されることで、トナーには適正な電荷を付与される。電荷を付与されたトナーは、その後、マグネットローラ106の磁極S101の近傍に到達する。
の回転方向における現像領域の下流側端部の位置を位置Q1とする。
本検証実験で使用する現像装置104の詳細を示す。本検証実験では、トナーは、重合法によって作製された磁性1成分重合トナーを用いる。また、現像装置104は、ジャンピング現像方式を採用した現像装置を用いる。現像スリーブ151は、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂層によって形成されている。
黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを含む樹脂層用塗料にエタノールを添加することで固形分濃度を35%に調整した。また、外径10mmのアルミニウム製の円筒管の両端部にマスキングを施し、円筒管を回転台に立てて回転させ、エアスプレーガンを一定速度で下降させることで、樹脂層用塗料を円筒管の表面に塗工した。この工程によって樹脂層を形成させた。なお、30℃/35%RHの環境下において、樹脂層用塗料の温度を恒温槽で28℃にした状態で塗工を実施した。続いて、熱風乾燥炉によって150℃で30分間樹脂層を加熱することで樹脂層を硬化させ、現像スリーブ151の算術平均粗さをRa=2.50μmにした。
01)の表面粗さに基づいて、小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用いて行った。測定条件については、カットオフを0.8mmとし、評価長さを8mmとし、送り速度を0.5mm/secとした。測定する位置は、現像スリーブ151の中央位置と、そ
の中央位置と塗工両端部との中間の位置(2箇所)との計3箇所とした。さらに、現像スリーブ151を120°回転させた後で同様に3箇所測定した。その後、さらに、現像スリーブ151を120°回転させた後で同様に3箇所測定した。本検証実験では、計9点について測定し、その平均値を求めた。
〔樹脂層用塗料の作製〕
塗料中間体に以下の材料を混合し樹脂層用塗料を得た。
結着樹脂 固形分として 20部
添加樹脂 固形分として 4部
〔塗料中間体の作製〕
以下の材料を混合して塗料中間体を得た。
結着樹脂 固形分として20部
黒鉛化カーボンブラック 10部
酸性カーボンブラック 10部
エタノール 50部
〔黒鉛化カーボンブラック〕
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#5500、東海カーボン社製)を黒鉛坩堝に入れ、窒素ガス雰囲気中2500℃で熱処理して黒鉛化することで黒鉛化カーボンブラックを得た。
〔酸性カーボンブラック〕
(商品名:Specialblack4 酸性度PH3 粒径25nm)
〔結着樹脂〕
レゾール型フェノール樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:J−325 固形分60%)
撹拌機と冷却器と温度計と窒素導入管と滴下ロートとが設けられた4つ口セパラブルフラスコ内で、以下の材料を混合し、系が均一になるまで撹拌した。
ジメチルアミノエチルメタクリレート 36.5部
ラウリルブロマイド(4級化剤) 63.5部
エタノール 50部
撹拌を続けながら70℃まで昇温した後でさらに5時間撹拌してモノマーの4級化を行うことで、4級アンモニウム塩基含有モノマーである(2−メタクリロイロキシエチル)ラウリルジメチルアンモニウムブロマイドを得ることができた。そして、得られた反応溶液を冷却した後、溶媒としてのエタノール50部と、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0部とを滴下ロートに仕込み、系が均一になるまで撹拌した。撹拌を続けながら、反応系内の温度を70℃まで昇温し、滴下ロートに仕込んだ上記重合開始剤を含有するエタノール溶液を1時間かけて添加した。滴下終了後、さらに、窒素導入下還流状態5時間反応させ、その後、さらに、AIBNを0.2部添加した後1時間反応させた。さらに、この溶液をエタノールで希釈することで、固形分40%の添加樹
脂溶液を得た。
本実施例で使用したトナーは、懸濁重合法により製造された一成分磁性トナーであり、下記式3および式4で計算される平均円形度が0.96のトナーである。ここで、本実施例で使用した一成分磁性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体とを有している。
通紙10000枚の画出し耐久テストを行った。今回は、検証のために、図11に示すマグネットローラ106における磁極S101の磁極角度Θ(上述した角度θ1)を以下のように設定した。
〔マグローラのS1磁極角度Θ〕
0°、5°、10°、15°、20°
〔マグネットローラの他の条件〕
外径 8mm
ピーク磁束密度 S1=700G
S2=430G
N1=540G
N2=620G
プロセススピード 250mm/sec
ジャンピング現像によって静電潜像を現像
現像スリーブ外径 10.6mm
現像スリーブと感光ドラムとの距離 300μm
帯電印加バイアス DC:−400V、AC:正弦波、Vpp=1600V、周波数=
2700Hz
現像バイアス DC:−300V、AC:矩形波、Vpp=1800V、周波数=2300Hz
感光ドラム電位設定 暗部電位(白地部電位)VD=−350V、明部電位(印字部電位)VL=−95V
また、実施例2では、現像スリーブ151が、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂によって形成されている。これにより、現像スリーブ151に潤滑性を付与することができるため、トナーを均一に帯電することができる。
これまで説明してきたように、各実施例では、磁極の最大磁束密度を像担持体との対向位置で回転方向の下流側に位置させることにより、像担持体上へのかぶりトナーを低減することが可能になる。これにより高速化した場合にも画像品質を維持することができる。磁性体の磁極の最大磁束密度の位置は、第1領域(現像領域)や第2領域(対向領域)内にあることが好ましい。
20…現像装置ユニット、O…回転中心軸線、O´…回転中心軸線、S1…磁極、
OO´…線分、M2O´…線分、Q´O´…線分、θ…角度、γ…角度
Claims (9)
- 像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像剤であって、平均円形度が0.95以上の磁性一成分現像剤である現像剤と、
前記現像剤が担持される現像剤担持体であって、前記像担持体と空間を介して配置される現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に設けられ、磁極を有する磁性体と、
を有し、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤を、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で電気的に飛翔させて、前記静電潜像に現像剤を付着させることで、前記静電潜像を現像する現像装置であって、
前記現像剤担持体の軸線方向から見た前記現像剤担持体と前記像担持体の断面において、
前記現像剤担持体の軸線と前記像担持体の軸線とを結ぶ線分を第1線分とし、
前記像担持体と対向する位置で前記現像剤担持体に現像剤を担持させるための前記磁極の磁束密度が最大である前記現像剤担持体の表面の位置と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第2線分とし、
前記像担持体と前記現像剤担持体とが回転していない状態で、前記像担持体の電位を0Vとし、前記現像剤担持体に画像形成動作時と同じ直流電圧を印加し、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で前記現像剤を飛翔させた場合に、前記現像剤が付着して現像される前記像担持体上の領域を第1領域とし、
前記像担持体の軸線から前記現像剤担持体の軸線に向かう方向に前記第1領域を投影した前記現像剤担持体上の領域を第2領域とし、
前記第2領域における前記現像剤担持体の回転方向の下流側端部と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第3線分とした場合に、
前記現像剤担持体の回転方向における角度について、前記第1線分と前記第2線分とがなす第1角度は、0°よりも大きく、前記第1線分と前記第3線分とがなす第2角度以下であり、
前記第1角度は4°以上16°以下であることを特徴とする現像装置。 - 前記第1角度は、前記第1線分と、前記像担持体の回転方向における前記第1領域の下
流側端部と前記現像剤担持体の回転中心軸線とを結ぶ第4線分とがなす角度と同じであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記現像剤は、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で、1粒1粒個別に飛翔することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体と前記像担持体との間に生じる電界の強さを変化させることで、前記現像剤を、前記現像剤担持体と前記像担持体との間において振動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤は、数平均粒径がD(μm)であり、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)におけるトナーの残留磁化をσr(Am^2/kg)としたときに3.2≦σr×D≦38.0を満たす磁性現像剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体の表面には樹脂層が設けられており、
前記樹脂層上に現像剤が担持され、
前記樹脂層上の現像剤に接触することで、前記樹脂層上に担持された現像剤の量を規制する現像ブレードを有し、
前記樹脂層は、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記樹脂層は以下の(A)乃至(E)を含む塗料組成物を熱硬化して得られるものであることを特徴とすることを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
(A)結着樹脂としての熱硬化性樹脂
(B)溶媒としての炭素数1乃至4のアルコール
(C)下記式(R)で示されるユニットを有する樹脂
(D)X線回折で測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下である黒鉛化カーボンブラック
(E)pH5.0以下の酸性カーボンブラック
式(R)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3、R4およびR5から選ばれる一つまたは二つ以上は炭素数4乃至18のアルキル基を示し、残りの基は炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、−COO−と、−CONH−と、−C6H4−のいずれかである。A−はアニオンを示す。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記像担持体と、を有し、
画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置、または、請求項8に記載のプロセスカートリッジを有し、
記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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