JP6635740B2 - 現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像装置と、トナー像を形成するとともに画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、電子写真技術を利用した画像形成装置に関するものである。
電子写真技術を用いた電子写真画像形成装置では、感光ドラムと、感光ドラムに作用するプロセス手段とが、プロセスカートリッジとして一体的にカートリッジ化されていることがある。また、プロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に着脱可能となっている。このようなプロセスカートリッジ方式では、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるため利便性が高まっていた。そのため、プロセスカートリッジ方式は画像形成装置において広く用いられている。
また、プロセスカートリッジには、感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像装置が設けられている。感光ドラムに形成された静電潜像に現像装置がトナーを供給することで、静電潜像がトナー像として現像される。ここで、感光ドラム上の静電潜像を現像する方式としてジャンピング現像方式がある。ジャンピング現像方式では、感光ドラムと現像ローラとの間の電界を変化させることで磁性トナーを飛翔させている。具体的には、電界の強さを細かく変化させることによって磁性トナーを飛翔させている。ジャンピング現像方式では、感光ドラムと現像ローラとが接触せず、感光ドラムと現像ローラとの間でトナーが摺擦されないため、トナーの劣化を抑制することができる。
また、近年、画像を形成するために消費されるトナーの量を少なくすることが求められている。つまり、同じトナー量で多くの画像を印字できることが求められている。これにより、トナーが収納される容器のサイズを小さくすることができるため、画像形成装置を小型化することができる。ここで、ジャンピング現像方式では、感光ドラム上の静電潜像のエッジ部に多くのトナーが付着することが知られている。
そのため、文字や細線などのエッジを多く含む画像を形成する場合、トナー消費量が多くなる傾向がある。ここで、図9は、従来におけるジャンピング現像を説明するための図である。従来では、図9(a)に示すように、現像ローラ上のトナーは、現像ローラ内に配置されたマグネットの磁力によって「穂」のように固まることがある(以下「穂」を磁気穂とする)。現像ローラ上の磁気穂が静電潜像のエッジ部にそのまま全て付着されるため、エッジ部におけるトナー消費量は多くなってしまう。
そこで、特許文献1に開示される技術では、エッジ部におけるトナー消費量を少なくするために、感光ドラムと現像ローラとの間において、現像ローラ上のトナー粒子を、磁気穂としてではなく、1粒1粒ばらばらに移動させている。ここで、現像ローラ上のトナー粒子が1粒1粒個別にばらばらになっている状態をクラウド状態という。特許文献1に開示される技術では、図9(b)に示すように、現像ローラ上のトナー粒子をクラウド状態にすることで、静電潜像のエッジ部におけるトナー消費量を低減させている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、画像形成装置のプロセススピードを高速化した場合にかぶりが生じてしまう。ジャンピング現像において、現像ローラ上のトナー粒子をクラウド状態にする場合、現像ローラ内のマグネットのトナーに対する磁気拘束力を弱くすることでトナー粒子をクラウド状態にしている。そして、クラウド状態となったトナー粒子が感光ドラムと現像ローラとの間を往復移動することで、感光ドラム上の
静電潜像が現像される。
特許第4532996号公報
ここで、図10は、ジャンピング現像においてかぶりが発生する原因を説明するための図である。感光ドラムと現像ローラとの間には、感光ドラムと現像ローラの回転によって気流が発生する。この気流は、画像形成装置のプロセススピードが遅く、感光ドラムと現像ローラの回転速度が遅い場合には、クラウド状態のトナーに影響を生じさせない。しかし、感光ドラムと現像ローラの回転速度が速くなると、クラウド状態のトナーへの影響が大きくなる。トナー粒子1粒の方が磁気穂よりも質量が小さいため、磁気穂の状態のトナー粒子よりも、クラウド状態のトナー粒子の方が気流の影響を受けやすい。
そして、感光ドラムと現像ローラとの間を往復移動しているクラウド状態のトナー粒子は、感光ドラムと現像ローラとの間の気流によって、感光ドラムと現像ローラの回転方向下流側に移動してしまう。このため、往復移動していたトナー粒子であって現像ローラ上に戻るはずだったトナー粒子が、現像ローラ上に戻らなくなることがある。そして、現像ローラ上に戻らなかったトナー粒子が、かぶりとして画像に現れてしまうことがある。
そこで本発明は、
像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像剤であって、平均円形度が0.95以上の磁性一成分現像剤である現像剤と、
前記現像剤が担持される現像剤担持体であって、前記像担持体と空間を介して配置される現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に設けられ、磁極を有する磁性体と、
を有し、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤を、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で電気的に飛翔させて、前記静電潜像に現像剤を付着させることで、前記静電潜像を現像する現像装置であって、
前記現像剤担持体の軸線方向から見た前記現像剤担持体と前記像担持体の断面において、
前記現像剤担持体の軸線と前記像担持体の軸線とを結ぶ線分を第1線分とし、
前記像担持体と対向する位置で前記現像剤担持体に現像剤を担持させるための前記磁極の磁束密度が最大である前記現像剤担持体の表面の位置と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第2線分とし、
前記像担持体と前記現像剤担持体とが回転していない状態で、前記像担持体の電位を0Vとし、前記現像剤担持体に画像形成動作時と同じ直流電圧を印加し、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で前記現像剤を飛翔させた場合に、前記現像剤が付着して現像される前記像担持体上の領域を第1領域とし、
前記像担持体の軸線から前記現像剤担持体の軸線に向かう方向に前記第1領域を投影した前記現像剤担持体上の領域を第2領域とし、
前記第2領域における前記現像剤担持体の回転方向の下流側端部と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第3線分とした場合に、
前記現像剤担持体の回転方向における角度について、前記第1線分と前記第2線分とがなす第1角度は、0°よりも大きく、前記第1線分と前記第3線分とがなす第2角度以下であり、
前記第1角度は4°以上16°以下であることを特徴とする。
本発明によれば、画像品質に維持しつつ、画像形成プロセスを高速化することができる。
実施例1に係る感光ドラムと現像ローラとの間隔を示す図 実施例1に係る画像形成装置を示す概略断面図 実施例1に係るカートリッジを示す概略断面図 実施例1に係る画像形成装置の装置本体とカートリッジとを示す図 実施例1に係るカートリッジの分解斜視図 実施例1に係るマグネットの磁力と磁極の配置とを示す図 従来におけるジャンピング現像を説明するための図 感光ドラムと現像ローラとの間の気流を示す図 従来におけるジャンピング現像を説明するための図 ジャンピング現像においてかぶりが発生する原因を説明するための図 実施例2に係る感光ドラムと現像スリーブとの間隔を示す図 実施例2に係る画像形成装置を示す概略断面図 実施例2に係る現像装置を示す概略断面図 現像スリーブ上におけるトナーの帯電量とトナー量とを示す図 感光ドラムと現像スリーブとの電位差を示す模式図 トナー中の正極性微粒子の量とトナー残量との関係を示す図 現像スリーブ上のトナーの帯電量とプロセススピードとの関係を示す図 プロセススピード毎のトナー残量とカブリ量との関係を示す図 カブリが測定される部分を示す概略図 感光ドラムと現像スリーブとの間においてトナーに作用する力を示す図
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
<画像形成装置の構成>
図2は、実施例1に係る画像形成装置1を示す概略断面図である。図2において、電子写真技術を利用した画像形成装置1は、装置本体AとカートリッジBを有するレーザビームプリンタである。カートリッジBは装置本体Aに対して着脱可能となっている。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側には露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。
また、カートリッジBの下側には、画像が形成される記録媒体としてのシート材Wが収容されるシートトレイ4が配置される。更に、装置本体Aには、シート材Wの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5aと給送ローラ対5bと搬送ローラ対5cと転写ガイド6と転写ローラ7と搬送ガイド8と定着装置9と排出ローラ対10と排出トレイ11とが順次配置されている。また、定着装置9は、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとを有している。
<画像形成プロセス>
図3は、実施例1に係るカートリッジBを示す概略断面図である。次に、画像形成プロセスについて図2と図3を用いて説明する。プリントスタート信号に基づいて、直径が24mmである像担持体としての感光ドラム62は、矢印方向に、所定の周速度(プロセススピード100mm/sec)で回転する。バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は
、感光ドラム62の外周面に接触し、感光ドラム62の外周面を一様に帯電する。露光装
置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部74を通り、レーザ光Lによって感光ドラム62の外周面が走査露光される。これにより、感光ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内に収納された現像剤としてのトナーは、搬送部材43の回転によって撹拌・搬送され、トナー供給室28に送り出される。搬送部材には、現像装置ユニット20のトナー室29とトナー供給室28との間にある開口146を封止するための封止部材145を有している。トナー室29のトナーがトナー供給室28のトナー収納枠体23と現像ローラ32の間を介して漏れることにないように、製品を出荷する際は開口146を封止してトナー室29のみにトナーを収容している。使用時には、搬送部材43を回転させることにより封止部材145が巻き取られることにより開口146が開封される。図3では、封止されていた開口146が開封された状態を示している。トナーは、磁性一成分からなり、直径8mmの磁性体であるマグネットとしてのマグネットローラ34(固定磁石)の磁力によって、直径が10mmである現像剤担持体としての現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32は、感光ドラム62の駆動ギア(不図示)を介して駆動力を受けることで、感光ドラム62の周速度の1.13倍の周速度(113mm/sec)で矢印の方向に回転駆動される。そして、現像ブレード42は、トナーを摩擦帯電し、現像ローラ32表面のトナーの層厚を規制する。そのトナーは感光ドラム62上の静電潜像に付着し、それにより静電潜像がトナー像として可視像化される。
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングに合わせて、ピックアップローラ5aと給送ローラ対5bと搬送ローラ対5cとによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Wがシートトレイ4から給送される。そして、シート材Wは、転写ガイド6にガイドされて、感光ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置に搬送される。この転写位置において、トナー像は、感光ドラム62からシート材Wに順次転写されていく。トナー像が転写されたシート材Wは、感光ドラム62から分離され、搬送ガイド8に沿って定着装置9に向かって搬送される。
そして、シート材Wは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部でトナー像が加圧・加熱されることで、トナー像はシート材Wに定着する。トナー像の定着処理を受けたシート材Wは、排出ローラ対10まで搬送され、排出ローラ対10によって排出トレイ11に排出される。一方、図3に示すように、転写後に感光ドラム62上に残留した残留トナーはクリーニングブレード77によって除去され、その後感光ドラム62は再び画像形成プロセスに使用される。なお、感光ドラム62から除去された残留トナーは、クリーニングユニット60における廃トナー室71bに貯蔵される。
<カートリッジを着脱する構成>
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について図4を用いて説明する。図4は、実施例1に係る画像形成装置1の装置本体AとカートリッジBとを示す図である。具体的には、図4は、プロセスカートリッジとしてのカートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aと、カートリッジBとを示す斜視図である。装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。この開閉扉13を開くとガイドレール12が露出される。そして、カートリッジBは、ガイドレール12にガイドされて装置本体A内に装着される。そして、装置本体Aのモータ(不図示)によって駆動される駆動軸14は、カートリッジBに設けられた駆動力受け部63aと係合する。これにより、駆動力受け部63aと結合している感光ドラム62が、装置本体Aから駆動力を受けて回転する。
<カートリッジ全体の構成>
次に、カートリッジBの全体構成について図3と図5を用いて説明する。図5は、実施例1に係るカートリッジBの分解斜視図である。カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20とが組み合わさることで構成される。また、クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71と感光ドラム62と帯電ローラ66とクリーニングブレード77とを有する。
一方、現像装置ユニット20は、蓋部材22とトナー収納枠体23と第1サイド部材26Lと第2サイド部材26Rと現像ブレード42と現像ローラ32とマグネットローラ34とトナー撹拌シート44と付勢部材46とを有する。そして、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20とを結合部材75によって互いに回動可能に結合することによってカートリッジBは構成される。
現像装置ユニット20の長手方向一端部にある第1サイド部材26Lにおけるアーム部26aLの先端には回動穴26bLが設けられている。また、現像装置ユニット20の長手方向他端部にある第1サイド部材26Rにおけるアーム部26aRの先端には回動穴26bRが設けられている。さらに、クリーニング枠体71の長手方向における両端部には、結合部材75を嵌入するための嵌入穴71aが形成されている。
そして、アーム部26aLとアーム部26aRとクリーニング枠体71とを所定の位置に保持して、回動穴26bLと回動穴26bRとを介して嵌入穴71aに結合部材75を挿入する。これにより、結合部材75を中心として回動可能に、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20とが結合される。このとき、アーム部26aLとアーム部26aRの根元にそれぞれ取り付けられた付勢部材46は、クリーニング枠体71に接触することでクリーニングユニット60を付勢している。これにより、現像ローラ32は感光ドラム62に向かって確実に押し付けられる。
<マグネットローラ34の磁束密度と磁極配置>
次に、本実施例で用いられるマグネットローラ34の磁束密度と磁極配置とに関して図6を用いて説明する。図6は、実施例1に係るマグネットローラ34の磁力と磁極の配置とを示す図である。図6(a)は、マグネットローラ34の磁力と磁極の配置とを示している。また、図6(b)は、カートリッジBに対する磁極の配置を示している。
直径10mmの現像ローラ32の内部に挿入された直径8mmのマグネットローラ34(固定磁石)は4つの磁極(磁極S1、磁極S2、磁極N1、磁極N2)から構成される。対向磁極としての磁極S1は、現像時にトナーを現像ローラ上に担持する現像極であり、磁極S2は、現像容器内のトナーを現像ローラ32上(現像剤担持体上に対応する)に担持するための磁極である。また、磁極N1は、現像ローラ32上のトナーの層厚を現像ブレード42とともに規制する磁極であり、磁極N2は、現像ローラ32の下部からトナーが噴き出すのを防止する磁極である。磁極S2によって現像ローラ32上に担持されたトナーは、現像ローラ32の回転に伴い搬送され、現像ブレード42と磁極N1とによって所望の層厚に規制されて、感光ドラム62に対向する位置に搬送される。本実施例において、マグネットローラ34の磁極のピーク磁束密度は、S1=700G、S2=430G、N1=540G、N2=620Gである。
<ジャンピング現像>
次に、ジャンピング現像に関して図7を用いて説明する。本実施例では、トナーはクラウド状態となって現像ローラ32に担持されているが、図7では、トナーは磁気穂となって現像ローラ32に担持されている。図7は、従来におけるジャンピング現像を説明するための図である。図7(a)は、カートリッジBにおける感光ドラム62と現像ローラ32との空間としての間隔を拡大した断面図である。また、図7(b)は、ジャンピング現
像を行うための現像バイアスを示している。
感光ドラム62に対向する位置には、現像極である磁極S1があるため、磁力線に沿ってトナーが積み重なって磁気穂Jが形成される。また、現像ローラ32と感光ドラム62との間には300μmの空隙が設けられている。また、図7(b)に示されるように、現像ローラ32には、交流電圧と直流電圧を重畳した矩形波の現像バイアスが印加されている。現像ローラ32上のトナーは、現像ローラ32と感光ドラム62との間を往復運動しながら、現像ローラ32と感光ドラム62との電位差に応じて、感光ドラム62上の静電潜像を現像する。本実施例における現像バイアスは、交流電圧が1.6kVppであり、周波数が2.7kHzの矩形波であり、直流電圧は−300Vである。また、露光された後の感光ドラム62表面の電位は−120Vである。
<トナー>
次に、本実施例に係るトナーに関して説明する。磁性現像剤としての磁性トナーを用いたジャンピング現像方法によって静電潜像を現像した場合、静電潜像のエッジ部においてトナー消費量が増える現象(いわゆるエッジ効果)が一般的に生じる。そのため、文字や細線などのエッジを多く含む画像においてはトナー消費量が増加してしまう。これは、現像ローラ32上のトナーの磁気穂が、エッジ部にそのまま付着して、現像ローラ32に引き戻されないことで生じている。
そこで、本実施例では、感光ドラム62と現像ローラ32との間において、トナーを、磁気穂として挙動させるのではなく、1粒1粒の粒子として挙動させている(=クラウド状態で現像している)。これにより、静電潜像のエッジ部におけるトナー消費量の増加を低減することができる。クラウド状態のトナーで現像するためには、現像ローラ32上のトナーの磁気穂が崩れ易いことと、トナーの現像バイアスへの追従性が高いことが必要である。
そして、トナーの残留磁化が小さいほど、現像バイアスによる往復運動において磁気穂が崩れ易い。また、トナー粒径が小さいほど、トナーの現像バイアスへの追従性が良好となる。また、トナー粒径が小さいほど、トナー一粒あたりの残留磁化は小さくなるので、トナーがさらにクラウド状態になりやすくなる。そのため、クラウド状態のトナーによって現像するためには、現像に用いられるトナーについて、数平均粒径と残留磁化と平均円形度とを限定することが好ましい。
<数平均粒径と残留磁化>
クラウド状態のトナーで現像するためには、トナーの数平均粒径をD(μm)とし、磁場79.6kA/mにおけるトナーの残留磁化をσr(Am^2/kg)とすると、σr×Dが3.2〜38.0であるが必要がある。さらに、σr×Dが4.5〜29.0である方が好ましく、σr×Dが4.5〜16.0である方がより好ましい。σr×Dがこのような値になることで、トナーがクラウド状態になりやすく、エッジ部でのトナー消費量を削減できる。
一方、平均円形度が0.950以上であり、σr×Dが38.0より大きい場合に、感光ドラム62におけるトナーによって現像される領域である現像領域(第1領域)において、トナーは磁気穂Jとして挙動してしまう。また、平均円形度が0.950以上であり、σr×Dが3.2未満の場合に、現像領域においてトナーはクラウド状態となっているが、カブリが増加してしまう。この場合、エッジ部でのトナー消費量は増加しないが、非画像部でのトナー消費量が増加してしまうことで、結果的にトナー消費量が増加してしまう。
また、本実施例で使用するトナーについて、より微小なドットを忠実に現像するため、数平均粒径はある程度小さい方が好ましい。一方、数平均粒径が3μm未満である場合、粉体としての流動性・撹拌性が低下し、個々のトナー粒子を均一に帯電させることが困難となる。さらに、カブリの増加によってトナー消費量が増加してしまう。よって、本実施例において、磁性トナーの数平均粒径は、3〜9μmであることが好ましく、4〜9μmであることがより好ましい。
トナーの平均粒径と粒度分布は、コールターカウンターTA−II型またはコールターマルチサイザー(コールター社製)等の種々の方法で測定可能であるが、本実施例においては、コールターマルチサイザー(コールター社製)によって測定される。また、コールターマルチサイザーには、個数分布と体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とが接続される。電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いることができ、1%NaCl水溶液を調製したものを用いることができる。コールターマルチサイザーとしては、例えば、ISOTON R−II
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用できる。
測定法としては、上述した電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mlを加え、さらに、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器によって約1〜3分間分散処理が施され、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、コールターマルチサイザーによって、試料中における2μm以上のトナー粒子の個数が測定される。これにより、個数分布を算出し、数平均粒径(D)を求める。
また、磁性トナーの飽和磁化と残留磁化の強さは、振動型磁力計VSM P−1−10
(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。トナー担持体中に固定されているマグネットローラ34の現像極の磁力は一般的には1000エルステッド(約79.6kA/m)前後であるため、外部磁場79.6kA/mで残留磁化を測定することで、現像領域でのトナー挙動を捉えることができる。
<平均円形度>
次に、トナーの形状とクラウド現像との関係を調べたところ、トナーの平均円形度が0.950以上であると(0.960以上がより好ましく、0.970以上がさらに好ましい)、トナーがクラウド状態になり易いことが分かった。円形度が高いほど球形に近い形状であるため、粒子同士の接触は点接触に近づく、磁気穂がほぐれやすくなる。このため、トナーがクラウド状態になり易いものと考える。以上のことから、D×σrが3.2〜38.0であり、トナーの平均円形度が0.950以上(0.95以上)であることで、トナーは現像領域中において1粒1粒の粒子として挙動することができる(=クラウド状態で現像する)。そして、エッジ部においてトナーがきちんと現像ローラ32に引き戻されるため、トナー消費量が低減される。
本実施例において、平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いられている。また、本実施例では、平均円形度は、東亞医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定される。3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を下式(1)によって求める。そして、下式(2)で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(C)と定義する。
Figure 0006635740


Figure 0006635740
測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出した後、平均円形度とモード円形度との算出するため、円形度に基づいて、粒子を、円形度0.40〜1.00を0.01毎に61分割してクラス分けする。そして、分割点の中心値と頻度とを用いて平均円形度の算出を行っている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度と、モード円形度との誤差は非常に少ない。そのため、誤差は実質的には無視できる程度のものであり、本実施例では、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化などのデータを取り扱う上での理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式を利用し、一部変更したこのような算出法を用いている。
測定手順は以下の通りである。界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlに磁性トナー約5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射する。そして、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、上述した装置によって測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度を求める。ここで、本実施例において、平均円形度とは、磁性トナーの凹凸の度合いの指標である。磁性トナーが完全な球形の場合には平均円形度は1.000であり、磁性トナーの表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さくなる。なお、本測定方法においては、3μm以上の円相当径の粒子群についてのみ円形度を測定している。3μm未満の円相当径の粒子群においては、外部添加剤は、トナー粒子とは独立して存在する。本測定方法では、外部添加剤の粒子群の影響を低減することで、より正確にトナー粒子の円形度を求めることができる。
<トナーの製造方法>
本実施例の磁性トナーは、公知のいずれの方法によっても製造する事が可能である。まず、粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂や磁性粉体や離型剤や荷電制御剤や着色剤等の磁性トナーとして必要な成分と、その他の添加剤等とを、ヘンシェルミキサーやボールミル等の混合器によって十分混合する。その後、加熱ロールやニーダーやエクストルーダーなどの熱混練機を用いて溶融混練し、相溶した樹脂類の中で、磁性粉体等の他の磁性トナー材料を分散または溶解させる。その後、冷却固化と粉砕と分級と、必要に応じて表面処理とを行ってトナー粒子を得ることができる。分級と表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、機械衝撃式やジェット式等の公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。本実施例に係る特定の円形度(0.950以上)を有するトナーを得るためには、さらに、熱をかけて粉砕する処理や、補助的に機械的衝撃を加える処理などをすることが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を、熱水中に分散させる湯浴法や、熱気流中を通過させる方法などを用いても良い。
機械的衝撃力を加える手段としては、例えば、川崎重工社製のクリプトロンシステムや、ターボ工業社製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法がある。また、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムや、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置を用いる方法がある。この方法の場合、高速回転する羽根によりトナーをケーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力や摩擦力等の力により、トナーに機械的衝撃力を加える。
本実施例の磁性トナーは上述した粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形のものである。本実施例に係るトナーの必須条件である平均円形度が0.950以上という物性を得るためには、機械的・熱的あるいは何らかの特殊な処理を行うことが必要となり、生産性が劣る。そこで、本実施例のトナーは、分散重合法や会合凝集法や懸濁重合法等によって湿式媒体中で製造されることが好ましい。特に、懸濁重合法は、本実施例における好ましい条件を満たしやすいため、非常に好ましい。
懸濁重合法では、重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて、重合開始剤や架橋剤や荷電制御剤やその他の添加剤など)を、均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物にする。その後、この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中において、適当な撹拌器を用いて分散すると同時に重合反応させる。これにより、所望の粒径を有するトナーを得ることができる。この懸濁重合法で得られるトナー(以後、重合トナーとする)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っており、平均円形度が0.970以上であり、円形度標準偏差が0.045以下である。したがって、本実施例に好適とされる物性要件を満たすトナーが得られやすい。さらに、こういったトナーは帯電量の分布も比較的均一であるためトナー消費量を低減することができる。
次に、本実施例の磁性トナーを好適に製造できる懸濁重合法について説明する。本実施例に係る重合トナーを製造する場合、結着樹脂となる重合性単量体中に、磁性粉体や離型剤や可塑剤や荷電制御剤や架橋剤や、場合によって着色剤等のトナーとして必要な成分が加えられる。そして、重合トナーは、その他の添加剤(例えば、高分子重合体や分散剤等)を適宜加えた後に、分散機等によって均一に溶解または分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁することで製造される。
本実施例に係る重合トナーの製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等が挙げられる。また、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル等が挙げられる。また、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等が挙げられる。また、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。また、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。これらの単量体は、単独で、または混合して使用され得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を、単独で、あるいは他の単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本実施例に係る磁性トナーを重合法で製造する方法では、一般に、上述のトナー組成物等を適宜加えたものを、ホモジナイザーやボールミルやコロイドミルや超音波分散機等の分散機によって均一に溶解または分散させる。そして、これによって得られた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中において懸濁させる。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズにする方が、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合し
ても良い。また、造粒直後であって重合反応を開始する前に、重合性単量体、あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され、かつ、粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤やワックス類等が相分離によりトナー粒子の内側に析出して、内包化がより良好となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期であれば、反応温度を90〜150℃にまで上げることは可能である。
重合トナー粒子は、重合終了後、公知の方法によって濾過・洗浄・乾燥が行われ、必要によって無機微粉体が表面に付着される。これによって、本実施例の磁性トナーが得られる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも可能である。さらに、本実施例において、トナーには、流動化剤として、個数平均1次粒径4〜80nm(より好ましくは6〜40nm)の無機微粉体が添加されることも好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のためにトナーに添加される。ここで、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によって、トナーの帯電量の調整や、環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい。上記製造方法によって、クラウド状態となるトナーを製造することが可能となる。これにより、トナー消費量を低減することができる。
<検証実験>
様々なトナーを作製して、個数平均粒径と平均円形度と残留磁化の値と磁気穂の状態とかぶりとトナー消費量との関係を表1に示した。表1において、現像領域のトナーが磁気穂Jの状態で飛翔している場合を×とし、磁気穂Jがくずれた状態であるクラウド状態でトナーが飛翔している場合を○としている。トナーの現像状態の測定は、現像領域を断面方向から高速度カメラで観察することで行った。また、表1において、トナー消費量の値は、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において、ISO画像を連続通紙で2000枚画出し試験を行った場合に、消費したトナー量を印刷枚数で割った値である。なお、記録媒体としては75g/mの紙を使用した。
かぶりは、常温常室環境下(23℃、60%RH)でベタ白の画出しを行い、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターはグリーンフィルターを用い、かぶり(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−ベタ白部の反射率(%)としてかぶりを測定している。かぶりの判断基準については、2%未満を○とし、2%以上2.5%未満を△とし、2.5%以上を×としている。また、磁極S1は感光ドラム62に対向する位置に配置されており、磁極S1における磁束密度のピーク位置は、感光ドラム62の回転中心軸線に対向している。ここで、磁極S1は、現像ローラ32に向かってトナーを引き寄せる磁極である。
Figure 0006635740
これまで説明した結果と表1とから、平均円形度が0.950以上であり、磁場79.6kA/mにおける残留磁化σrと数平均粒径(D)との積が3.2≦σr×D≦38.
0であれば、磁気穂の状態ではなくクラウド状態で現像することができる。表1では、この状態について「現像領域のトナー状態」を○としている。本実施例においては、磁極の位置を下流側に配置している。トナー状態が○でなくても磁極の位置が下流にあればかぶりトナーに関し一定の効果がある。また、表1から、磁気穂の状態で現像している場合よりも、クラウド状態で現像している場合の方が、トナー消費量を低減できることが分かる。
<高速化による課題>
上記トナーを用いることによりトナー消費量を低減することが可能となったが、近年のプロセススピードの高速化に対応しようとすると、かぶりを低減することが難しくなってくる。この原因について図8を用いて説明する。図8は、感光ドラム62と現像ローラ32との間の気流を示す図である。図8(a)にあるように、空気中において、回転する感光ドラム62や現像ローラ32などの周囲には、回転体周囲の空気が回転体の回転に追従することで生じる流れ(気流F)が生じている。そして、プロセススピードが高速化することで、感光ドラム62や現像ローラ32などの回転速度が速くなる。そうなると、図8(b)にあるように、回転体周囲に発生する回転方向に沿った気流Fの影響により、質量が小さいトナー1粒1粒が、回転体の回転方向に沿って移動しやすくなる。
特に、図8(b)の点線で囲まれた領域において、気流Fによって感光ドラム62の回転方向下流側に移動したトナーは、現像ローラ32から遠くなるため、磁力や現像バイアスなどから影響を受けにくくなってしまう。そのため、ジャンピング現像による往復運動を繰り返した場合、本来現像ローラ32上に戻れるはずのトナーが、上記理由により、現像ローラ32上に戻れなくなる場合がある。この場合、かぶりとしてトナーが紙上に転写されてしまう。
このかぶりトナーを現像ローラ32側に戻すためには、磁極S1の磁力を強くすることも考えられる。しかし、トナーに作用する磁気拘束力を弱くすることでトナーをクラウド状態にしているため、磁極S1の磁力を強くした場合、現像ローラ32上のトナーが磁気穂となり、トナー消費量が増加してしまう。そのため、磁極S1の磁力を強くすることはできない。以上のように、上記クラウド状態で現像する構成では、プロセススピードが高速化した場合において、かぶりを低減することが困難になっていた。ここで、表2に、プロセススピードとかぶりとの関係を示す。表2において、トナーは、表1における5番のトナーを用いている。また、画出しには、本実施例で説明した画像形成装置を用いている。そして、感光ドラム62の回転速度を変更している。
かぶりは、常温常室環境下(23℃、60%RH)でベタ白の画出しを行い、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターはグリーンフィルターを用いて、かぶり(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−ベタ白部の反射率(%)としてかぶりを測定している。かぶりの判断基準について、2%未満を○とし、2%以上2.5%未満を△とし、2.5%以上を×とする。また、磁極S1は感光ドラム62に対向する位置に配置されており、磁極S1における磁束密度のピーク位置は、感光ドラム62の回転中心軸線に対向している。
Figure 0006635740
以上のことから、本実施例では、ジャンピング現像方式において、プロセススピードを高速化した場合に、トナー消費量を維持したままかぶりを低減するために、磁極S1の磁束密度のピーク位置を、現像ローラ32の回転方向下流側に設定している。これにより、現像ローラ32の回転方向下流側において磁力を強くすることができる。プロセススピードの高速化によって生じるかぶりの原因が、クラウド状態のトナーによって静電潜像が現像される領域である現像領域の下流側で引き起こされるため、現像領域に基づいて磁極S1の位置について図1を用いて説明する。ここで、図1は、実施例1に係る感光ドラム62と現像ローラ32との間隔を示す図である。
<現像領域>
ここで、現像ローラ32の回転中心軸線O´方向(回転中心軸線方向)から見た現像ローラ32と感光ドラム62の断面について考える。現像領域とは、感光ドラム62と現像ローラ32とが回転していない状態で、感光ドラム62と現像ローラ32との間でトナーを電気的に飛翔させた場合に、静電潜像が現像される感光ドラム62上(像担持体上に対応する)の領域である。なお、現像領域とは、感光ドラム62の周面全てに静電潜像が形成された場合において静電潜像が現像される領域である。感光ドラム62の周面全てに静電潜像が形成された場合であって、具体的に現像領域を特定することは、感光ドラム62の回転駆動時においては難しい。そのため、感光ドラム62の駆動が停止している状態で、感光ドラム62上の静電潜像と現像ローラ32とに電位差が生じるように、現像ローラ32に直流電流を印加する。なお、本実施例では、感光ドラム62の電位が0Vである状態で、現像ローラ32に、現像バイアスである直流バイアス−300Vを5秒間印加している。ここで、図1においては、現像領域は、感光ドラム62の円周面におけるPQ間である。
ここで、感光ドラム62の回転方向における現像領域の上流側端部の位置を位置Pとし、感光ドラム62の回転方向における現像領域の下流側端部(回転方向の下流側端部に対応する)の位置を位置Qとする。そして、図1における線分OO´(第1線分)が延びる方向において、位置Pに対向する現像ローラ32上の位置を位置P´とする。また、図1における線分OO´が延びる方向において、位置Qに対向する現像ローラ32上の位置を位置Q´とする。
ここで、図1において、感光ドラム62上の現像領域と対向する現像ローラ32上の領域を対向領域(第2領域)とする。対向領域は、図1に示すように、現像ローラ32の外周面における位置P´と位置Q´との間の領域である。具体的には、感光ドラム62の回転中心軸線Oから現像ローラ32の回転中心軸線O´に向かう方向に現像領域を投影した
現像ローラ32上の領域である。つまり、現像ローラ32の回転方向における対向領域の上流側端部は位置P´であり、現像ローラ32の回転方向における対向領域の下流側端部は位置Q´である。通常は、この位置Pと位置P’と位置Qと位置Q’とに囲まれた領域においてトナーが飛翔する。また、かぶりの原因となるトナーもこの領域で飛翔する。しかし、先に述べたように、プロセススピードが高速化した場合、トナーは、気流Fの影響によって、感光ドラム62の回転方向において現像領域よりも下流側に移動してしまうことがある。それにより、飛翔していたトナーが、現像ローラ32上に戻れなくなり、かぶりとして紙上に顕在化する。
<磁極S1の角度範囲>
次に、磁極S1の配置について図1を用いて説明する。図1は、実施例1に係る感光ドラム62と現像ローラ32との間隔を示す図である。実施例1では、感光ドラム62の回転中心軸線と、現像ローラ32の回転中心軸線とが平行となっている。ここで、感光ドラム62の回転中心軸線Oと、現像ローラ32の回転中心軸線O’とを結ぶ線分を線分OO’とする。ここで、現像ローラ32の回転中心軸線O’は、現像ローラ32に内包されたマグネットローラ34の中心軸線と同一である。また、上述したように、感光ドラム62の回転方向における現像領域の上流側端部の位置を位置Pとし、感光ドラム62の回転方向における現像領域の下流側端部の位置を位置Qとする。
また、線分OO´が延びる方向において、位置Pに対向する現像ローラ32上の位置を位置P´とし、位置Qに対向する現像ローラ32上の位置を位置Q´とする。また、磁極S1の磁束密度が最大である現像ローラ32の表面の位置である位置M2と、現像ローラ32の回転中心軸線O´とを結ぶ線分を線分M2O´(第2線分)とする。現像ローラ32の回転中心軸線O´と、現像ローラ32上の位置Q´とを結ぶ線分を線分Q´O´(第3線分)とする。そして、現像ローラ32の回転方向における線分OO´と線分M2O´とがなす角度を角度θ(°)(第1角度)とする。
従来は、磁極S1の磁束密度が最大である現像ローラ32の表面の位置(磁束密度のピーク位置)が感光ドラム62と対向していたため角度θ=0°であった。そして、現像ローラ32の回転方向下流側に線分M2O´が回転するほど角度θは大きくなる。プロセス速度が高速化することでかぶりが悪化するのは、感光ドラム62の回転方向において現像領域よりも下流側にトナーが移動するためである。そのため、角度θを大きくするほど、感光ドラム62の回転方向において現像領域よりも下流側に移動したトナーが感光ドラム62に付着してしまうことを低減することができる。
また、現像ローラ32の回転中心軸線O´と位置M2とを通る直線が位置Qを通過する場合に、感光ドラム62の回転方向において現像領域よりも下流側にトナーが移動するのを低減することができ、かぶりの発生を最も低減することできる。また、線分M2O´が通るマグネットローラ34表面上の位置を位置Mとする。さらに、角度θを大きくした場合でもかぶりを低減することができるが、磁極S1の磁束密度のピーク位置が現像領域をはずれると、現像領域内においてトナーに対する磁気拘束力が弱くなる。そのため、かぶりの原因となるトナーが現像領域に多く付着してしまい、急激にかぶりの状態が悪化する。
そのため、本実施例では、現像ローラ32の回転方向において線分OO´と線分O´Q´とがなす角度を角度γ(第2角度)とすると、角度θを0<θ≦γの範囲に設定している。これにより、本実施例では、プロセス速度が高速化した場合においてもかぶりを低減することが可能となる。なお、上述したように、角度θが、線分O´Q(第4線分)と線分OO´とがなす角と同じである場合、最もかぶりを低減することができる。また、本実施例においては角度γ=16°であるため、具体的には角度θは0<θ≦16°に設定し
てある。なお、角度θは4°≦θ≦16°(4°以上16°以下)の範囲に設定されていることが好ましい。また、本実施例では、角度θ=8°となるように設計されている。第2角度は、現像ローラの軸線からの直線で現像領域と交差する位置の最大値であり、第2角度よりも大きくなると現像領域とは交差しない。
<磁極S1の効果検証実験>
次に、感光ドラム62の周速度と角度θとかぶりの発生との関係について表3を用いて説明する。表3に示す実験結果において、トナーは、表1と表2における5番のトナーが用いられている。画出しには本実施例に係る画像形成装置1が用いられ、感光ドラム62の周速度と角度θとを適宜変更している。
かぶりは、常温常室環境下(23℃、60%RH)でベタ白の画出しを行って、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定される。フィルターはグリーンフィルターを用いて、かぶり(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−ベタ白部の反射率(%)としてかぶりを測定している。また、かぶりは、2%未満であれば実際に目視でかぶりを認識できないので○と、2.0%以上〜2.5%未満であれば多少のかぶりを認識できるレベルであるため△としている。また、2.5%以上であればはっきりかぶりを認識できるため×と判断している。
Figure 0006635740
表3に示すように、クラウド状態のトナーによって静電潜像を現像する場合、感光ドラム62の回転速度が上昇するほど紙上のかぶりが増加している。また、角度θを大きくすることで紙上かぶりが改善している。また、角度θを大きくしすぎると、逆にかぶりが悪化している。表3に示すように、感光ドラム62の周速度が240mm/sec以上であるとθ=0°ではかぶりが悪化する傾向にあるので、感光ドラム62の周速度が240mm/sec以上である場合に角度θを大きくする必要がある。本実施例では、プロセススピードが250mm/secであるため、角度θを0<θ≦16°(より好ましくは4°≦θ≦16)にすればかぶりを低減することが可能となる。
以上のように、実施例1では、現像ローラ32の回転方向における角度について、線分OO´と線分M2O´とがなす角度は、0°よりも大きく、線分OO´と線分Q´O´とがなす角度以下となっている。これにより、クラウド状態のトナーを用いてジャンピング現像方式によって静電潜像を現像する場合にかぶりを低減することができる。
また、実施例1では、トナーをクラウド状態にすることで、静電潜像のエッジ部におけるトナー消費量を低減することができる。
(実施例2)
<画像形成装置全体の構成>
図12は、実施例2に係る画像形成装置100を示す概略断面図である。画像形成装置100における画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、感光ドラム101は、不図示の感光体駆動モーターによって図12の矢印方向に回転駆動される。
感光ドラム101表面を帯電する帯電装置としての帯電ローラ102には、不図示の帯電用電源から所定のタイミングで負電圧が印加される。そして、帯電ローラ102は、感光ドラム101の表面を一様に負帯電する。帯電された感光ドラム101を露光する露光装置としてのレーザ露光ユニット103は、画像データに応じてレーザビームによって感光ドラム101を露光することで、感光ドラム101上に静電潜像を形成する。
現像器としての現像装置104において、現像剤担持体としての現像スリーブ151に現像バイアス電源(不図示)から現像バイアスが印加されることによって、感光ドラム101上の静電潜像はトナー像として可視化される。感光ドラム101上の可視化されたトナー像は、さらに、感光ドラム101と転写ローラ109とが接触する部分に送られ、タイミングを合わせて搬送されるシート材Wに転写される。また、不図示の電源によって、転写ローラ109には転写バイアスが印加されている。トナー像が転写されたシート材Wは、定着装置108によって加熱・加圧される。これにより、トナー像がシート材Wに定着する。このような工程によってシート材Wに画像が形成される。
<現像装置>
本実施例に係る現像手段である現像装置104において、トナーとしては磁性一成分トナーが用いられ、現像スリーブ151は、感光ドラム101に対して所定の間隔を空けて配置される。また、本実施例において、現像装置104は、現像スリーブ151と感光ドラム101とが非接触の状態で、感光ドラム101上の静電潜像を反転現像する。つまり、現像装置104は、磁性一成分ジャンピング現像方式と反転現像方式とを採用した現像装置である。本実施例では、現像スリーブ151と感光ドラム101とのギャップ(S−Dギャップ)は、現像スリーブ151の両端部に配設された現像コロによって維持されている。また、現像時において、現像スリーブ151と感光ドラム101との間には、現像バイアスとして、直流(DC)と交流(AC)の重畳電圧が印加される。
次に、図13を用いて、本実施例に係る現像装置104について説明する。図13は、実施例2に係る現像装置104の概略断面図である。現像装置104は、図12におけるプロセスカートリッジB1に設けられている。また、プロセスカートリッジB1は、画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能となっている。現像装置104おいて、アルミニウムやステンレススチールなどのパイプから形成された非磁性現像スリーブである現像スリーブ151は、図13の矢印方向に回転駆動される。現像スリーブ151の中では、交互に配置された複数の磁極N・Sを有するマグネットとしてのマグネットローラ106が固定されている。また、現像スリーブ151の表面は、所望量のトナーが搬送されるような粗さに加工されている。
現像装置104内には、搬送部材143が配置されている。搬送部材143はトナー撹拌シート144を有しており、搬送部材143が回転することでトナー撹拌シート144が現像装置104内のトナーを撹拌・搬送する。また、現像スリーブ151の上側においては、弾性体によって形成された現像剤規制部材としての現像ブレード152が、現像スリーブ151に所定の圧力で当接している。現像装置104内におけるトナーが収納される容器内には、磁力によって現像スリーブ151に引き付けられたトナーは、現像ブレード152よって、トナー量が規制され、適切な電荷が付与される。そして、現像スリーブ151上(樹脂層上に対応する)のトナーは、感光ドラム101上の現像領域に搬送される。なお、実施例2における現像領域の定義は、実施例1に係る現像領域の定義と同一である。また、現像に用いられなかったトナーは、現像スリーブ151の回転に伴って容器に戻る。
<マグネットローラ>
次に、現像スリーブ151の中に配置されたマグネットローラ106について詳細に説
明する。本実施例に係るマグネットローラ106は、マグネットローラ106における磁極S101が感光ドラム101と対向するように、現像スリーブ151の内部に配置されている。また、マグネットローラ106は、4つの磁極(磁極N101と磁極N102と磁極S101と磁極S102)を内部に有するマグネットであって、ナイロン等の合成樹脂バインダーによって磁性体粉末を結着させた樹脂マグネットである。マグネットローラ106における磁極S102の磁力によって、トナーは、現像スリーブ151の表面に引き寄せられるとともに保持される。そして、トナーは、現像ブレード152によって摩擦帯電されることで適正な電荷が付与され、その後、現像スリーブ151の回転に伴って、マグネットローラ106における磁極S101の近傍に搬送される。
<現像スリーブ>
本実施例では、現像スリーブ151は、非磁性の導電体(基体)上に樹脂層が設けられることで形成されている。基体としては、円筒状部材や円柱状部材やベルト状部材などの部材が挙げられる。基体の材質としては、アルミニウムやステンレス鋼や真鍮などの非磁性の金属または合金が用いられる。また、樹脂層は、例えば、樹脂層に用いられる各成分を溶媒中で分散混合させて塗料化することで基体上に塗工することができる。そして、塗工された樹脂を乾燥固化あるいは硬化することによって樹脂層を形成することができる。なお、各成分を塗料液中で分散混合させるために、サンドミルやペイントシェーカーやダイノミルやパールミルなどのビーズを用いた公知の分散装置を利用することができる。また、塗工方法としては、ディッピング法やスプレー法やロールコート法など公知の方法を適用することができる。
さらに詳細に説明すると、樹脂層は以下の(A)乃至(E)を含む塗料組成物を熱硬化することで得られる。
(A)結着樹脂としての熱硬化性樹脂
(B)溶媒としての炭素数1乃至4のアルコール
(C)下記式(R)で示されるユニットを有する樹脂
(D)X線回折で測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下である黒鉛化カーボンブラック
(E)pH5.0以下の酸性カーボンブラック
Figure 0006635740
式(R)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3、R4およびR5から選ばれる一つまたは二つ以上は炭素数4乃至18のアルキル基を示し、残りの基は炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、−COO−と、−CONH−と、−C6H4−のいずれかである。A−はアニオンを示す。
現像スリーブ151の樹脂層の体積抵抗は、10−1Ω・cm以上10Ω・cm以下
であることが好ましい。現像スリーブ151の樹脂層の体積抵抗をこの範囲とすることで、チャージアップによって現像スリーブにトナーが固着することを抑制することができる。また、トナーのチャージアップに伴って生じる不具合であって、現像スリーブ151の表面でトナーを摩擦帯電する際に生じる不具合を低減することができる。
本実施例では、導電性樹脂被覆層の表面粗さを均一に維持するために、導電性樹脂被覆層中に、凹凸を形成するための粗粒子を添加することができる。粗粒子としては、特に限定されないが、具体的には、EPDM、NBR、SBR、CR、シリコーンゴムのようなゴム粒子;ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステルなどが挙げられる。また、ポリアミド系の熱可塑性エラストマー(TPE)のようなエラストマー粒子;PMMA、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂などが挙げられる。また、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂のような樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。また、酸化錫のような酸化物粒子;炭素化粒子、導電処理を施した樹脂粒子のような導電性粒子、その他、例えばイミダゾール化合物のような有機化合物を粒子状にしたものなどが挙げられる。また、現像スリーブの表面粗さの目安は、算術平均粗さRa(JIS B0601−2001)=
0.4μm以上3.0μm以下である。
本実施例では、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせることで、現像スリーブ151の表面に均一な潤滑性を付与している。そのため、現像スリーブ151に対する現像ブレード152の当接圧を軽くしても、トナーを均一に帯電することができる。また、現像ブレード152との摺擦によって現像スリーブ151の表面粗さが変化することを低減することができる。ここで、図14は、現像スリーブ151上におけるトナーの帯電量とトナー量とを示す図である。図14(a)に示すように、画像形成装置100を長期間使用してトナー残量が少なくなった場合でも、現像スリーブ151上のトナー量を維持することができる。これにより、シート材Wに形成された画像の画像濃度を維持することができる。
<トナーの帯電状態>
トナーには、トナーの帯電状態を安定させるために、例えば、酸化マグネシウムや酸化亜鉛や酸化アルミニウムや酸化チタニウムや酸化鉛などの酸化物や、硫化物や窒化物やシリカなどの無機微粉体などが外添されることが広く知られている。そして、トナーの帯電状態は外添剤の量と関係している。
例として、負帯電トナーに正極性を持つ微粒子が外添されている場合について説明する。正極性の粒子が負帯電トナーの表面に付着し、正極性の粒子と負帯電トナーとが摺擦することで、トナーが負極性に安定して帯電される。ここで、図15は、感光ドラム101と現像スリーブ151との電位差を示す模式図である。正極性を有する物質は、図15に示すように、感光ドラム101と現像スリーブ151との電位差の関係で白地部に飛びやすい。
ここで、図16は、トナー中の正極性微粒子の量とトナー残量との関係を示す図である。一般に、図16に示すように、現像装置104内のトナー残量が多い場合は、正極性の粒子がトナー中に多く含まれているため、白地部が多いテキスト画像などでは、白地部に多くのトナーが付着しやすい。その後は、現像装置104内のトナー残量が少なくなっていくにつれて、トナー中に含まれている正極性微粒子の量も減っていく。このように、トナーの外添剤が減少するため、現像装置104内のトナー残量が少ない状態(耐久後半)では、現像ブレード152によってトナーに電荷が十分に付与されない。
<高速化による課題>
図17は、現像スリーブ151上のトナーの帯電量とプロセススピードとの関係を示す図である。また、図18は、プロセススピード毎のトナー残量とカブリ量との関係を示す図である。図19は、カブリが測定される部分を示す概略図である。図17に示すように、本実施例に係る現像スリーブ151を用いた場合、プロセス速度が高速化した画像形成装置100において、従来よりも、現像スリーブ151上のトナーの帯電量(μC/g)が大きい。つまり、現像スリーブ151上のトナーを均一に帯電することができる。しかしながら、図14(b)に示すように、本実施例では、画像形成装置100のプロセススピードが増加した場合、現像装置104内のトナー残量が少なくなるにつれて、現像スリーブ151上のトナーの帯電量(μC/g)が小さくなっていく。
したがって、本実施例に係る現像スリーブ151においても、プロセス速度が高速化した画像形成装置100を用いて長期に渡って画像形成を行った場合、外添剤の量が減少したトナーに均一に電荷を付与することが困難となる。そのため、現像スリーブ151上のトナー中において、所望の極性と逆極性に帯電したトナーまたは未帯電のトナーが増加してしまう。このとき、図18に示すように、紙上のカブリ量(%)は、プロセス速度が高速化した画像形成装置100において、トナー残量(%)が少なくなるにつれて増加した。
紙上のカブリ量を求めるために、常温常室環境下(23℃、60%RH)でベタ白の画出しを行った。図19に示すように、紙上の5か所について、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用しカブリ量を測定した。そして、5か所の平均値を紙上のカブリ量とした。なお、フィルターとしてグリーンフィルターを用いて、かぶり(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−ベタ白部の反射率(%)としてカブリ量を測定している。カブリ量の判断基準について、2.5%以下を○とし、2.5%
を超えた場合を×とする。
<現像領域>
図20は、感光ドラム101と現像スリーブ151との間においてトナーに作用する力を示す図である。ここで、現像領域とは、実施例1と同様に、感光ドラム101と現像スリーブ151とが回転していない状態で、感光ドラム101と現像スリーブ151との間でトナーを飛翔させた場合に、静電潜像が現像される感光ドラム101上の領域である。具体的に現像領域を特定することは、感光ドラム101の回転駆動時においては難しい。そのため、感光ドラム101の駆動が停止している状態で、感光ドラム101上の静電潜像と現像スリーブ151とに電位差が生じるように、現像スリーブ151に直流電流を印加する必要がある。なお、本実施例では、感光ドラム101の電位が0Vである状態で、現像スリーブ151に、現像バイアスである直流バイアス−300Vを5秒間印加している。ここで、図20(b)においては、現像領域は、感光ドラム101の円周面におけるP1とQ1との間の領域である。
ここで、図11は、実施例2に係る感光ドラム101と現像スリーブ151との間隔を示す図である。感光ドラム101の回転方向における現像領域の上流側端部の位置を位置P1とし、感光ドラム101の回転方向における現像領域の下流側端部の位置を位置Q1とする。そして、図11における線分O1O1´が延びる方向において、位置P1に対向する現像スリーブ151上の位置を位置P1´とする。また、図11における線分O1O1´が延びる方向において、位置Q1に対向する現像スリーブ151上の位置を位置Q1´とする。
ここで、図11において、実施例1と同様に、感光ドラム101上の現像領域と対向する現像スリーブ151上の領域を対向領域とする。対向領域は、図11において、現像ス
リーブ151の外周面における位置P1´と位置Q1´との間の領域である。つまり、現像スリーブ151の回転方向における対向領域の上流側端部は位置P1´であり、現像スリーブ151の回転方向における対向領域の下流側端部は位置Q1´である。
通常は、この位置P1と位置P1’と位置Q1と位置Q1’とに囲まれた領域においてトナーが飛翔する。また、かぶりの原因となるトナーもこの領域で飛翔する。しかし、実施例1で述べたように、プロセススピードが高速化した場合、トナーは、感光ドラム101と現像スリーブ151との間の気流の影響によって、感光ドラム101の回転方向において現像領域よりも下流側に移動してしまうことがある。それにより、飛翔していたトナーが、現像スリーブ151上に戻れなくなり、かぶりとして紙上に顕在化する。
<マグネットローラにおける磁極の配置について>
トナーは、現像スリーブ151の内部に設けられたマグネットローラ106におけるS102極の磁力によって現像スリーブ151の表面に保持される。現像スリーブ151は、図20(a)に示すように矢印方向に回転する。また、トナーが現像ブレード152によって摩擦帯電されることで、トナーには適正な電荷を付与される。電荷を付与されたトナーは、その後、マグネットローラ106の磁極S101の近傍に到達する。
図20(b)に示すように、電荷を付与されたトナーには、磁極S101の磁力によって生じる磁気拘束力Hと、感光ドラム101と現像スリーブ151との間の電界差によって生じる電気力Eとが作用している。また、トナーには、付与された電荷によって生じる鏡像力Gが作用している。磁気拘束力Hと電気力Eと鏡像力Gとの関係が適正であるとき、現像スリーブ151から感光ドラム101にトナーが飛翔し、静電潜像が顕像化される。トナーの帯電状態が不安定になると、3つの力(磁気拘束力H、電気力E、鏡像力G)の関係が適正でなくなり、カブリが増加することがある。トナーに付与された電荷が十分でない場合、トナーに作用する鏡像力Gが小さくなり、トナーが現像スリーブ151から飛翔しやすくなるためである。
このため、磁極S101ピーク磁力位置が感光ドラム101に対向している場合、図20(b)に示すように、現像スリーブ151から飛翔したトナーは、磁気拘束力H1によって現像スリーブ151側に引き戻される。また、図20(b)に示すように、現像スリーブ151の回転方向における現像領域Nよりも下流側の領域である下流領域N´においても、磁気拘束力H2によってトナーが現像スリーブ151側に引き戻される。しかし、磁気拘束力H2<磁気拘束力H1であるため、下流領域N´では、現像領域Nよりも、トナーが感光ドラム101に到達しやすい。
本実施例に係る黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂層からなる現像スリーブ151においては、帯電状態が不十分なトナーが増加するため、カブリ量が増加する。ここで、下流領域N´における磁力を強くするために磁極S1のピーク磁力を強くすることも考えられるが、現像領域Nにおける磁気拘束力Hが強くなることで現像性が低下してしまう。
そこで、本実施例では、実施例1と同様に、現像スリーブ151の回転方向において磁極S101を従来よりも下流側に配置している(図11)。また、実施例2では、実施例1と同様に、感光ドラム101の回転中心軸線と、現像スリーブ151の回転中心軸線とが平行となっている。ここで、図11に示すように、感光ドラム101の回転中心軸線O1と、現像スリーブ151の回転中心軸線O1´とを結ぶ線分を線分O1O1´とする。ここで、現像スリーブ151の回転中心軸線O1´は、現像スリーブ151に内包されたマグネットローラ106の中心軸線と同一である。また、上述したように、感光ドラム101の回転方向における現像領域の上流側端部の位置を位置P1とし、感光ドラム101
の回転方向における現像領域の下流側端部の位置を位置Q1とする。
また、線分O1O1´が延びる方向において、位置P1に対向する現像スリーブ151上の位置を位置P1´とし、位置Q1に対向する現像スリーブ151上の位置を位置Q1´とする。また、磁極S101の磁束密度が最大である現像スリーブ151表面の位置である位置M12と、現像スリーブ151の回転中心軸線O1´とを結ぶ線分を線分M12O1´とする。現像スリーブ151の回転中心軸線O1´と、現像スリーブ151上の位置Q1´とを結ぶ線分を線分Q1´O1とする。そして、現像スリーブ151の回転方向における線分O1O1´と線分M12O1´とがなす角度を角度θ1(°)とする。
従来は、磁極S101における磁束密度が最大の位置(磁束密度のピーク位置)が感光ドラム101と対向していたため角度θ1=0°であった。そして、現像スリーブ151の回転方向下流側に線分M12O1´が回転するほど角度θ1は大きくなる。プロセス速度が高速化することでかぶりが悪化するのは、感光ドラム101の回転方向において現像領域よりも下流側にトナーが移動するためである。そのため、角度θ1を大きくするほど、感光ドラム101の回転方向において現像領域よりも下流側に移動したトナーが感光ドラム101に付着してしまうことを低減することができる。
さらに、現像スリーブ151の回転中心軸線O1´と位置M12とを通過する直線が位置Q1を通過する位置にある場合に、感光ドラム101の回転方向において現像領域よりも下流側にトナーが移動するのを低減することができる。この場合に、かぶりの発生を最も低減することできる。さらに、角度θ1を大きくした場合でもかぶりを低減することができるが、磁極S101の磁束密度のピーク位置が現像領域(P1とQ1の間)をはずれる。このため、現像領域内においてトナーに対する磁気拘束力が弱くなる。結果として、かぶりの原因となるトナーが現像領域に多く付着してしまい、かぶりの状態が現像領域内に磁束密度のピーク位置がある場合よりも悪化する。そのため、本実施例では、現像スリーブ151の回転方向において線分O1O1’と線分O1´Q1´とがなす角度を角度Yとすると、角度θ1を0<θ1≦Yの範囲に設定している。これにより、本実施例では、プロセス速度が高速化した場合においてもかぶりを低減することが可能となる。なお、角度θ1が、線分O1´Q1と線分O1O1´とがなす角と同じである場合、最もかぶりを低減することができる。角度Yは、現像スリーブ151の回転中心軸線からの直線で現像領域と交差する位置の最大値であり、角度θ1が角度Yよりも大きくなると、線分M12O1´は現像領域と交差しない。
<検証実験>
本検証実験で使用する現像装置104の詳細を示す。本検証実験では、トナーは、重合法によって作製された磁性1成分重合トナーを用いる。また、現像装置104は、ジャンピング現像方式を採用した現像装置を用いる。現像スリーブ151は、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂層によって形成されている。
<現像スリーブ>
黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを含む樹脂層用塗料にエタノールを添加することで固形分濃度を35%に調整した。また、外径10mmのアルミニウム製の円筒管の両端部にマスキングを施し、円筒管を回転台に立てて回転させ、エアスプレーガンを一定速度で下降させることで、樹脂層用塗料を円筒管の表面に塗工した。この工程によって樹脂層を形成させた。なお、30℃/35%RHの環境下において、樹脂層用塗料の温度を恒温槽で28℃にした状態で塗工を実施した。続いて、熱風乾燥炉によって150℃で30分間樹脂層を加熱することで樹脂層を硬化させ、現像スリーブ151の算術平均粗さをRa=2.50μmにした。
現像スリーブ151表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、JIS B0601(20
01)の表面粗さに基づいて、小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用いて行った。測定条件については、カットオフを0.8mmとし、評価長さを8mmとし、送り速度を0.5mm/secとした。測定する位置は、現像スリーブ151の中央位置と、そ
の中央位置と塗工両端部との中間の位置(2箇所)との計3箇所とした。さらに、現像スリーブ151を120°回転させた後で同様に3箇所測定した。その後、さらに、現像スリーブ151を120°回転させた後で同様に3箇所測定した。本検証実験では、計9点について測定し、その平均値を求めた。
ここで、樹脂層用塗料の作製方法を示す。
〔樹脂層用塗料の作製〕
塗料中間体に以下の材料を混合し樹脂層用塗料を得た。
結着樹脂 固形分として 20部
添加樹脂 固形分として 4部
塗料中間体の作成は以下のように行った。
〔塗料中間体の作製〕
以下の材料を混合して塗料中間体を得た。
結着樹脂 固形分として20部
黒鉛化カーボンブラック 10部
酸性カーボンブラック 10部
エタノール 50部
また、本実施例において、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックと結着樹脂と添加樹脂は以下のようにして作成した。
〔黒鉛化カーボンブラック〕
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#5500、東海カーボン社製)を黒鉛坩堝に入れ、窒素ガス雰囲気中2500℃で熱処理して黒鉛化することで黒鉛化カーボンブラックを得た。
〔酸性カーボンブラック〕
(商品名:Specialblack4 酸性度PH3 粒径25nm)
〔結着樹脂〕
レゾール型フェノール樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:J−325 固形分60%)
〔添加樹脂溶液の製造〕
撹拌機と冷却器と温度計と窒素導入管と滴下ロートとが設けられた4つ口セパラブルフラスコ内で、以下の材料を混合し、系が均一になるまで撹拌した。
ジメチルアミノエチルメタクリレート 36.5部
ラウリルブロマイド(4級化剤) 63.5部
エタノール 50部
撹拌を続けながら70℃まで昇温した後でさらに5時間撹拌してモノマーの4級化を行うことで、4級アンモニウム塩基含有モノマーである(2−メタクリロイロキシエチル)ラウリルジメチルアンモニウムブロマイドを得ることができた。そして、得られた反応溶液を冷却した後、溶媒としてのエタノール50部と、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0部とを滴下ロートに仕込み、系が均一になるまで撹拌した。撹拌を続けながら、反応系内の温度を70℃まで昇温し、滴下ロートに仕込んだ上記重合開始剤を含有するエタノール溶液を1時間かけて添加した。滴下終了後、さらに、窒素導入下還流状態5時間反応させ、その後、さらに、AIBNを0.2部添加した後1時間反応させた。さらに、この溶液をエタノールで希釈することで、固形分40%の添加樹
脂溶液を得た。
<トナー>
本実施例で使用したトナーは、懸濁重合法により製造された一成分磁性トナーであり、下記式3および式4で計算される平均円形度が0.96のトナーである。ここで、本実施例で使用した一成分磁性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体とを有している。

Figure 0006635740

Figure 0006635740
平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いており、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定した場合において次のように定義している。すなわち、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を上記に示す式3によってそれぞれ求め、さらに、式4によって求められた全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(Ci)と定義している。ここで示した平均円形度とはトナーの凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、トナーの表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さくなる。また、本実施例では、作製したトナーに、外添剤としてチタン酸ストロンチウムを0.5部添加している。
ここで、本実施例に係る画像形成装置100を用いて、環境23℃/50%において、
通紙10000枚の画出し耐久テストを行った。今回は、検証のために、図11に示すマグネットローラ106における磁極S101の磁極角度Θ(上述した角度θ1)を以下のように設定した。
〔マグローラのS1磁極角度Θ〕
0°、5°、10°、15°、20°
画出し時のほかの条件は次に示す通りである。
〔マグネットローラの他の条件〕
外径 8mm
ピーク磁束密度 S1=700G
S2=430G
N1=540G
N2=620G
〔画出し条件〕
プロセススピード 250mm/sec
ジャンピング現像によって静電潜像を現像
現像スリーブ外径 10.6mm
現像スリーブと感光ドラムとの距離 300μm
帯電印加バイアス DC:−400V、AC:正弦波、Vpp=1600V、周波数=
2700Hz
現像バイアス DC:−300V、AC:矩形波、Vpp=1800V、周波数=2300Hz
感光ドラム電位設定 暗部電位(白地部電位)VD=−350V、明部電位(印字部電位)VL=−95V
Figure 0006635740
表4に検証実験結果を示す。検証実験の結果、θ1が0°である画像形成装置100と、θ1が20°である画像形成装置100では、通紙枚数が10000枚の時に画像にカブリが発生した。一方、θ1が5°、10°、15°である場合は、通紙枚数が10000枚に達した後においてもカブリの発生はなかった。特に、θ1が10°である場合に、通紙枚数が10000枚に達するまでにおけるカブリの発生を最も低減することができた。これは、現像スリーブ151と感光ドラム101との間でトナーに働く力の作用が影響している。
θ1が0°、20°である場合では、下流領域N´における磁力が弱いため、トナーに作用する磁気拘束力H2が弱くなり、下流領域N´において感光ドラム101側に飛翔するトナー量が多くなる。これによりカブリ量が増加した。一方、θ1が5°、10°、15°である場合では、下流領域N´における磁力が強いため、トナーに作用する磁気拘束力H2が強くなり、下流領域N´において感光ドラム101側に飛翔するトナー量が低減される。これによりカブリ量が減少したと考えられる。なお、本実施例において、θ1の範囲は0<θ1<Yとなることが必要となる。本実施例では、具体的には、0°<θ1<16°であり、4°<θ1<16°であることが好ましい。
以上のように、実施例2では、実施例1と同様に、クラウド状態のトナーを用いてジャンピング現像方式によって静電潜像を現像する場合にかぶりを低減することができる。また、トナーをクラウド状態にすることで、静電潜像のエッジ部におけるトナー消費量を低減することができる。
また、実施例2では、現像スリーブ151が、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂によって形成されている。これにより、現像スリーブ151に潤滑性を付与することができるため、トナーを均一に帯電することができる。
なお、各実施例において、静電潜像が形成される像担持体は必ずしも感光ドラムであるとは限られない。例えば、ベルト状のものでもよい。この場合には、現像剤担持体と対抗する張架ローラの軸線を基準に磁性体の磁極の位置を設定すればよい。また、現像剤としてのトナーを担持する現像剤担持体は、必ずしも現像ローラや現像スリーブであるとは限られない。また、各実施例において、静電潜像を現像するための現像剤は必ずしもトナーであるとは限られない。また、各実施例において、現像ローラを構成する樹脂層は必ずしもスリーブ状であるとは限られない。
これまで説明してきたように、各実施例では、磁極の最大磁束密度を像担持体との対向位置で回転方向の下流側に位置させることにより、像担持体上へのかぶりトナーを低減することが可能になる。これにより高速化した場合にも画像品質を維持することができる。磁性体の磁極の最大磁束密度の位置は、第1領域(現像領域)や第2領域(対向領域)内にあることが好ましい。
1…、62…感光ドラム、32…現像ローラ、34…マグネットローラ、
20…現像装置ユニット、O…回転中心軸線、O´…回転中心軸線、S1…磁極、
OO´…線分、M2O´…線分、Q´O´…線分、θ…角度、γ…角度

Claims (9)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像剤であって、平均円形度が0.95以上の磁性一成分現像剤である現像剤と、
    前記現像剤が担持される現像剤担持体であって、前記像担持体と空間を介して配置される現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の内部に設けられ、磁極を有する磁性体と、
    を有し、
    前記現像剤担持体に担持された前記現像剤を、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で電気的に飛翔させて、前記静電潜像に現像剤を付着させることで、前記静電潜像を現像する現像装置であって、
    前記現像剤担持体の軸線方向から見た前記現像剤担持体と前記像担持体の断面において、
    前記現像剤担持体の軸線と前記像担持体の軸線とを結ぶ線分を第1線分とし、
    前記像担持体と対向する位置で前記現像剤担持体に現像剤を担持させるための前記磁極の磁束密度が最大である前記現像剤担持体の表面の位置と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第2線分とし、
    前記像担持体と前記現像剤担持体とが回転していない状態で、前記像担持体の電位を0Vとし、前記現像剤担持体に画像形成動作時と同じ直流電圧を印加し、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で前記現像剤を飛翔させた場合に、前記現像剤が付着して現像される前記像担持体上の領域を第1領域とし、
    前記像担持体の軸線から前記現像剤担持体の軸線に向かう方向に前記第1領域を投影した前記現像剤担持体上の領域を第2領域とし、
    前記第2領域における前記現像剤担持体の回転方向の下流側端部と、前記現像剤担持体の軸線とを結ぶ線分を第3線分とした場合に、
    前記現像剤担持体の回転方向における角度について、前記第1線分と前記第2線分とがなす第1角度は、0°よりも大きく、前記第1線分と前記第3線分とがなす第2角度以下であり、
    前記第1角度は4°以上16°以下であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記第1角度は、前記第1線分と、前記像担持体の回転方向における前記第1領域の下
    流側端部と前記現像剤担持体の回転中心軸線とを結ぶ第4線分とがなす角度と同じであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤は、前記像担持体と前記現像剤担持体との間で、1粒1粒個別に飛翔することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤担持体と前記像担持体との間に生じる電界の強さを変化させることで、前記現像剤を、前記現像剤担持体と前記像担持体との間において振動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤は、数平均粒径がD(μm)であり、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)におけるトナーの残留磁化をσr(Am^2/kg)としたときに3.2≦σr×D≦38.0を満たす磁性現像剤であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤担持体の表面には樹脂層が設けられており、
    前記樹脂層上に現像剤が担持され、
    前記樹脂層上の現像剤に接触することで、前記樹脂層上に担持された現像剤の量を規制する現像ブレードを有し、
    前記樹脂層は、黒鉛化カーボンブラックと酸性カーボンブラックとを組み合わせた樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記樹脂層は以下の(A)乃至(E)を含む塗料組成物を熱硬化して得られるものであることを特徴とすることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
    (A)結着樹脂としての熱硬化性樹脂
    (B)溶媒としての炭素数1乃至4のアルコール
    (C)下記式(R)で示されるユニットを有する樹脂
    (D)X線回折で測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下である黒鉛化カーボンブラック
    (E)pH5.0以下の酸性カーボンブラック
    Figure 0006635740

    式(R)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3、R4およびR5から選ばれる一つまたは二つ以上は炭素数4乃至18のアルキル基を示し、残りの基は炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、−COO−と、−CONH−と、−C6H4−のいずれかである。A−はアニオンを示す。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の現像装置と、
    前記像担持体と、を有し、
    画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の現像装置、または、請求項に記載のプロセスカートリッジを有し、
    記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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