JP2008215532A - クランクシャフトの軸受構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロック下部と軸受キャップとの接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部に生ずるせん断応力を低減することにより、フレッティング疲労などによる亀裂が生ずることがない耐久性の優れたクランクシャフトの軸受構造を提供する。
【解決手段】クランクシャフトの軸受構造において、軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部に軸受キャップ3の側面3b、3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう応力緩和溝15、16を形成することにより、クランクシャフト6の回転による外力が軸受キャップ3の下方向に作用する際、軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部がシリンダブロック下部2を押圧することによりシリンダブロック下部2に生ずる応力を緩和できるよう応力緩和溝15、16の方向に変形する突縁部11、12を軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部にクランクシャフト6の軸線方向に延在して設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、クランクシャフトの軸受構造、詳しくは、シリンダブロック下部およびシリンダブロック下部の下方に設けられた軸受キャップによりクランクシャフトを回転自在に保持するクランクシャフトの軸受構造に関する。
一般に、クランクシャフトの軸受構造においては、シリンダブロックに半円形の凹部を形成するとともに、軸受キャップに半円形の凹部を形成し、シリンダブロックの凹部に収容したメタルベアリングと、軸受キャップの凹部に収容したメタルベアリングとによりクランクシャフトが回転自在に保持されている。この軸受キャップは凹部近傍の両側でボルトによりシリンダブロックに所定の締付トルクで締結され、クランクシャフトの軸が両メタルベアリングに保持されて円滑に回転できるようになっている。
従来、この種のクランクシャフトの軸受構造として、エンジンの気筒数に対応してクランクシャフトに形成された複数の軸が、軸受キャップとシリンダブロック側の軸受とにより保持され滑らかに回転できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来のクランクシャフトの軸受構造は、図8(b)に示すように、シリンダブロック下部51と、軸受キャップ52と、上側メタルベアリング53、下側メタルベアリング54と、ボルト56、57と、結合部品、例えばピンリング58、59とを含んで構成されている。このクランクシャフトの軸受構造においては、軸受キャップ52とシリンダブロック下部51との合わせ面にそれぞれ嵌合穴を形成し、これらの嵌合穴にピンリング58、59を圧入し軸受キャップ52とシリンダブロック下部51とを結合している。
特開2005−195114号公報
しかしながら、上述のような従来のクランクシャフトの軸受構造においては、図8(b)に示すように、軸受キャップ52がボルト56、57によりシリンダブロック下部51に所定の締付トルク(Nm)で締結されているので、その締付力(N)により軸受キャップから受けるシリンダブロック下部51に作用する応力(MPa)は、側面部52aと52bとにそれぞれ対向するシリンダブロック下部51の下面の矢印AおよびBで示す部分以外では、圧縮応力(MPa)として作用するが、側面部52aと52bとにそれぞれ対向するシリンダブロック下部51の下面の矢印AおよびBで示す部分では、せん断応力(MPa)として作用する。
このような状態でクランクシャフト55が回転すると、その回転に応じてその半径方向に爆発荷重を伴った慣性力Cが作用し、特に軸受キャップ52の下方に作用する慣性力Cにより、軸受キャップ52が僅かに下方にたわみ、図8(a)に示すように、矢印AおよびBで示す部分で応力の集中が生じている。
また、シリンダブロック下部51と軸受キャップ52がこのような慣性力Cを繰り返して受けると、軸受キャップ52が僅の下方へのたわみによりシリンダブロック下部51の下面と軸受キャップ52の上面とが離隔する口開きが起き、矢印AおよびBで示すシリンダブロック下部51の下面で、いわゆるフレッティング疲労などによる亀裂が生ずるという問題もあった。
この亀裂の発生を防止するため、矢印AおよびBで示すシリンダブロック下部51の下面に円弧状の溝を形成することにより、いわゆる集中応力を減少させることは可能である。しかしながら、このような円弧状の溝を形成すると、シリンダブロック下部51と軸受キャップ52の接触面の面積が減少してしまい、シリンダブロック下部51と軸受キャップ52とによるクランクシャフト55の保持力が低下してしまうという問題があった。
他方、シリンダブロック下部51と軸受キャップ52の接触面の面積を確保しつつ、矢印AおよびBで示すシリンダブロック下部51の下面に円弧状の溝を形成しようとすると、軸受キャップ52自体が大きくなってしまい、軸受構造の軽量化および省スペース化を促進することができないという問題があった。
本発明は、前述のような従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、シリンダブロック下部と軸受キャップとの接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部に生ずるせん断応力を低減することにより、フレッティング疲労などによる亀裂が生ずることがない耐久性の優れたクランクシャフトの軸受構造を提供することを目的とする。
本発明に係るクランクシャフトの軸受構造は、上記目的達成のため、(1)シリンダブロック下部および前記シリンダブロック下部の下方に設けられた軸受キャップによりクランクシャフトを回転自在に保持するクランクシャフトの軸受構造において、前記軸受キャップの両側上部に前記軸受キャップの側面で開口し前記クランクシャフトの軸線に沿うよう応力緩和溝を形成することにより、前記軸受キャップの両側上部に前記クランクシャフトの軸線方向に延在した突縁部を形成し、前記突縁部が前記軸受キャップに加わる前記クランクシャフトの回転時の荷重に対して可撓性を有する形状であることを特徴とする。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、軸受キャップの両側上部にこの軸受キャップの側面で開口しクランクシャフトの軸線に沿うよう応力緩和溝が形成されることにより、軸受キャップの両側上部にクランクシャフトの軸線方向に延在した突縁部を形成され、突縁部が軸受キャップに加わるクランクシャフトの回転時の荷重に対して可撓性を有する形状であると、シリンダブロック下部と軸受キャップの上部とが接する部分の面積を減少することなく、突縁部が設けられた軸受キャップの両側上部で軸受キャップの剛性を低くすることができる。
また、クランクシャフトが回転し軸受キャップの下方向に荷重が加わっても、軸受キャップの両側上部の突縁部がシリンダブロック下部を押圧する押圧力が弱まり、シリンダブロック下部において生ずるせん断応力が減少する。せん断応力が減少すると、シリンダブロック下部および軸受キャップにより保持されているクランクシャフトが回転し、その慣性力による荷重が、シリンダブロック下部および軸受キャップに繰り返し作用しても、シリンダブロック下部の下面で軸受キャップの側面と対向している部分において、シリンダブロック下部の下面と軸受キャップの突縁部とが離隔する口開きが起きなくなり、いわゆるフレッティング疲労などによる亀裂が生ずることがなくなる。
本発明の(1)の構成を有するクランクシャフトの軸受構造においては、(2)前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を形成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、前記下面を前記上面に対して傾斜する傾斜面と前記傾斜面に連続する円弧面とで形成してもよい。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、突縁部が、軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と応力緩和溝を形成する下面とシリンダブロック下部に当接する上面とを有し下面が前記上面に対して傾斜する傾斜面と前記傾斜面に連続する円弧面とで形成されているので、シリンダブロック下部において軸受キャップの突縁部端部と接触しているシリンダブロック下部で生ずるせん断応力を、大幅に減少させることができ、軸受キャップの両側面に対向するシリンダブロック下部で生じていた集中応力を大幅に減少させることができる。
本発明の(1)の構成を有するクランクシャフトの軸受構造においては、(3)前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を構成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、前記下面を前記上面に対して平行な平行面と前記平行面に連続する円弧面とで形成してもよい。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、突縁部が、軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、応力緩和溝を構成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、下面が前記上面に対して平行な平行面と前記平行面に連続する円弧面とで形成されているので、前述の(2)と同様、シリンダブロック下部において軸受キャップの突縁部端部と接触しているシリンダブロック下部ので生ずるせん断応力を、大幅に減少させることができ、軸受キャップの両側面に対向するシリンダブロック下部で生じていた集中応力を大幅に減少させることができる。
本発明の(1)の構成を有するクランクシャフトの軸受構造においては、(4)前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を構成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、前記下面を円弧面で形成してもよい。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、突縁部が、軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、応力緩和溝を構成する下面と、シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、下面が円弧面で形成されているので、前述の(2)および(3)と同様、シリンダブロック下部において軸受キャップの突縁部端部と接触しているシリンダブロック下部で生ずるせん断応力を、大幅に減少させることができ、軸受キャップの両側面に対向するシリンダブロック下部で生じていた集中応力を大幅に減少させることができる。
本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、(5)シリンダブロック下部および前記シリンダブロック下部の下方に設けられた軸受キャップによりクランクシャフトを回転自在に保持するクランクシャフトの軸受構造において、前記シリンダブロック下部に当接する上面を有し、前記軸受キャップの両側上部に前記クランクシャフトの軸線方向に延在した突出部を前記軸受キャップの両側から前記クランクシャフトから離隔する方向に突出して設けたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、シリンダブロック下部に当接する突出部が軸受キャップの両側上部に突出して設けられているので、シリンダブロック下部と軸受キャップの上部とが接する部分の面積を大きくすることができるとともに、突出部が設けられた軸受キャップの両側上部で軸受キャップの剛性を弱めることができる。また、シリンダブロック下部において軸受キャップの両側面とそれぞれ対向しているシリンダブロック下部で生ずるせん断応力が減少する。せん断応力が減少すると、シリンダブロック下部および軸受キャップにより保持されるクランクシャフトが回転し、その慣性力が、シリンダブロック下部および軸受キャップに繰り返し作用しても、シリンダブロック下部の下面で軸受キャップの両側面とそれぞれ対向している部分において、シリンダブロック下部の下面と軸受キャップの突縁部とが離隔する口開きが起きなくなり、いわゆるフレッティング疲労などによる亀裂の発生が防止される。
本発明の(5)の構成を有するクランクシャフトの軸受構造においては、(6)前記突出部が、前記軸受キャップの側面から突出し所定の長さで形成された先端面と、下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、前記下面を前記上面に対して傾斜する傾斜面と前記傾斜面に連続する円弧面とで形成してもよい。
この構成により、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造においては、突出部が、軸受キャップの側面から突出し所定の長さで形成された先端面と、下面と、シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、下面が上面に対して傾斜する傾斜面とこの傾斜面に連続する円弧面とで形成されているので、シリンダブロック下部において軸受キャップの突縁部端部と接触しているシリンダブロック下部で生ずるせん断応力を、大幅に減少させることができ、軸受キャップの両側面に対向するシリンダブロック下部で生じていた集中応力を大幅に減少させることができる。
本発明によれば、シリンダブロック下部と軸受キャップとの接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部に生ずるせん断応力を低減することにより、軸受キャップの端部によるフレッティング疲労などによる亀裂が生ずることがない耐久性の優れたクランクシャフトの軸受構造を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図4は本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造を示す図である。まず、クランクシャフトの軸受構造の構成について説明する。
本発明に係るクランクシャフトの軸受構造1は、図1および図2に示すように、シリンダブロック下部2と、軸受キャップ3と、上側メタルベアリング4と、下側メタルベアリング5と、クランクシャフト6と、ボルト7、8と、ピンリング9、10とにより構成される。
シリンダブロック下部2は、シリンダブロック19の中央下側部分に位置し、上側メタルベアリング4を収容する半円形の凹部2aを有する。また、凹部2aの両端近傍にはボルト7、8を取付けるためのボルト用ねじ穴2b、2cと、位置決め用のピンリング9、10を挿入するためのピンリング用穴2d、2eとが設けられている。シリンダブロック19は公知のもので、軽量なアルミ合金などからなり、ピストンを収容するシリンダボア、冷却水を通すウォータジャケットなどが形成されている。図1において、シリンダブロック19は、直列4気筒のエンジンを構成するシリンダブロックで図示されているが、気筒数は単数でもよく4気筒以外の複数でもよい。またV型などの他の形式のエンジンを構成するシリンダブロックでもよい。
軸受キャップ3は、例えば、鋳鉄(FC)などの鉄材からなり、図2に示すように、下側メタルベアリング5を収容する凹部3aが上部に形成された独立構造型の四角形のブロックで構成される。また、凹部3aの両端部近傍でボルト用貫通孔3e、3fがシリンダブロック下部2のボルト用ねじ穴2b、2cと対向する位置に形成され、ピンリング用穴3g、3hがシリンダブロック下部2のピンリング用穴2d、2eと対向する位置に所定の深さで形成されている。
また、軸受キャップ3の側面3cの上部に側面3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう応力緩和溝15を形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11がクランクシャフト6の軸線方向に延在して形成されている。軸受キャップ3の他方側の側面3bの上部にも側面3cと同様に応力緩和溝16を形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部12がクランクシャフト6の軸線方向に延在して形成されている。
応力緩和溝15は、図3(a)、(b)に示すように、クランクシャフト6の軸線と直交する方向の断面形状を有し、この断面形状が、軸受キャップ3の上面3dから軸受キャップ3の側面3cに沿って距離Lだけ離隔した点Pと点Pから内方に離隔した点Pを結ぶP間の線と、点Pから側面3cに沿って下方に距離Lだけ離隔した点Pとこの点Pから内方に離隔した点Pを結ぶP間の線と、点Pと点Pを結ぶ円弧状のP間の線とで形成される。このP間の線は、曲率半径rで形成されている。ここで、曲率半径とは、曲線における局所的な曲がり具合を円に近似した場合、この近似した円の半径をいう。
また、P間の線が軸受キャップ3の上面3dに対して、P間の線と上面3dとでなす角が角度θになるよう傾斜している。この角度θは、車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ3の材料その他の条件によって異なるが、応力緩和溝15の上部に形成される突縁部11の剛性が弱まり可撓性を有する形状であればよい。すなわち、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができるよう傾斜していればよい。
また、距離Lの長さは、角度θと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ3の材料、角度θその他の条件によって異なるが、突縁部11の剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。P間の線は、上面3dに対して、平行であってもよく、PがPに対して上方または下方になるよう傾斜して形成されてもよい。P間の線とP間の線は点Pで滑らかに接続され、P間の線とP間の線は点Pで滑らかに接続されている。
応力緩和溝15は、側面3cからの深さDを有し、このDは角度θおよび距離Lと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ3の材料、角度θ、距離Lその他の条件によって異なるが、突縁部11の剛性が弱まり可撓性を有する深さであればよい。また、応力緩和溝15は、その底部がクランクシャフト6の軸線に沿うように形成されているが、クランクシャフト6の軸線と応力緩和溝15の底部が平行に形成されている場合だけでなく、所定の角度で上下方向に傾斜して形成されていてもよい。また、深さDは、応力緩和溝15において一定であることが好ましいが、位置によって異なっていてもよい。
応力緩和溝16は、軸受キャップ3の側面3cに形成した前述の応力緩和溝15と同一の形状および大きさであってもよく、異なった形状および大きさであってもよい。例えば、クランクシャフト6の回転方向や形状などに対応して、異なった形状および大きさで形成してもよい。また、クランクシャフト6の複数の軸受に対応して設けられた複数の軸受キャップ3のそれぞれに形成された各応力緩和溝15、16は他の軸受キャップ3に形成された各応力緩和溝15、16と異なった形状および大きさであってもよく、同じ形状および大きさであってもよい。このように応力緩和溝15、16の各形状および大きさを適宜選択することにより、下側メタルベアリング5を介してクランクシャフト6をシリンダブロック下部2と軸受キャップ3により左右バランスよく支持することにより、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。
突縁部11は、図3(b)に示すように、クランクシャフト6の軸線方向に延在するよう形成されている。具体的には、所定の長さLで形成された側面43と、応力緩和溝15を形成する下面31と、シリンダブロック下部2に当接する上面42とを有し、下面31が上面42に対して前述の角度θで傾斜する傾斜面31aと傾斜面31aに連続し、曲率半径rの円弧面31bとで形成されている。突縁部11が上述のように構成されているので、クランクシャフト6の回転による慣性力が軸受キャップの下方向に作用する際、軸受キャップ3の側面3b、3cの上部がシリンダブロック下部2を押圧することによりシリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を緩和できるよう応力緩和溝15の方向に変形するようになっている。
突縁部12は、軸受キャップ3の側面3cに形成した前述の突縁部11と同一の形状および大きさであってもよく、異なった形状および大きさであってもよい。例えば、クランクシャフト6の回転方向や形状などに対応して、異なった形状および大きさで形成してもよい。また、クランクシャフト6の複数の軸受に対応して設けられた複数の軸受キャップ3のそれぞれに形成された各突縁部11、12は他の軸受キャップ3に形成された突縁部11、12と異なった形状および大きさであってもよく、同じ形状および大きさであってもよい。このように前述の応力緩和溝15、16と同様に突縁部11、12の各形状および大きさを適宜選択することにより、下側メタルベアリング5を介してクランクシャフト6をシリンダブロック下部2と軸受キャップ3により左右バランスよく支持することにより、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。
上側メタルベアリング4および下側メタルベアリング5は、例えば、スチールなどからなる金属板を円弧状に形成したもので、その内壁面には初期なじみ性を向上させる微細条痕や潤滑用の溝などが形成されている。
クランクシャフト6は、公知のものでエンジンの気筒数に応じたクランクピンを有し、コネクティングロッドを介してピストンと連結され、ピストンの往復運動により回転運動するようになっている。
ピンリング9、10は、例えば、スチール製からなる円柱状のピンで構成され、一端部がシリンダブロック下部2に形成されたピンリング用穴2d、2eに圧入され、他端部が、軸受キャップ3に形成されたピンリング用穴3g、3hに圧入されるようになっている。このようにピンリング9、10の両端部がそれぞれ圧入されるので、軸受キャップ3をシリンダブロック下部2に締結する際の位置決めになっている。
以上の構成により、クランクシャフトの軸受構造1は、図2、図3(a)、(b)に示すように、まず、ピンリング9、10の一端部がシリンダブロック下部2に形成されたピンリング用穴2d、2eに圧入され、次に上側メタルベアリング4がシリンダブロック下部2の凹部2aに収容され、クランクシャフト6の軸が上側メタルベアリング4に収容される。次いで、下側メタルベアリング5が軸受キャップ3の凹部3aに収容され、さらに軸受キャップ3に形成されたピンリング用穴3g、3hにピンリング9、10の他端部が、軸受キャップ3の上面3dがシリンダブロック下部2に当接する位置になるよう圧入され、シリンダブロック下部2に対して軸受キャップ3の位置決めがなされる。
次いで、ボルト7、8がボルト用貫通孔3e、3fにそれぞれ挿入され、さらにシリンダブロック下部2のボルト用ねじ穴2b、2cに挿入され所定の締付トルク(Nm)で軸受キャップ3がシリンダブロック下部2に締結される。この締結により、クランクシャフト6は上側メタルベアリング4および下側メタルベアリング5に保持され滑らかに回転することができる。
クランクシャフトの軸受構造1は、以上説明したように、軸受キャップ3の側面3b、3cの上部に応力緩和溝15、16を形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11、12が設けられているので、シリンダブロック下部2と軸受キャップ3との接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。
具体的には、図4(a)および(b)に示すように、ボルト7、8の締付力(N)により軸受キャップ3の側面3bと3cとにそれぞれ対向するシリンダブロック下部2の各下面に生ずるせん断応力(MPa)は、著しく低減されている。すなわち、従来のクランクシャフトの軸受構造において生じていた、図4(a)の点線と■印からなる折れ線グラフの端部に示すせん断応力に対して、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造1においては、実線と□印からなる折れ線グラフの端部に示すように、軸受キャップ3に形成された突縁部11、12に接触するシリンダブロック下部2の軸受キャップ3の取付部で生ずるせん断応力が約70%低減されている。図4(a)に示す折れ線グラフは、CAE(Computer Aided Engineering)によりシミュレーションした結果を表したもので、図3に示す角度θ、距離L、深さDなどをパラメータとして適宜最適な条件を選択しシミュレーションし、シリンダブロック下部2における圧縮応力(MPa)およびせん断応力(MPa)を表している。すなわち、シリンダブロック下部2において、前述のように軸受キャップ3の側面3bと3cとにそれぞれ対向するシリンダブロック下部2の各下面には、せん断応力が生じ、そのシリンダブロック下部2の各下面以外の部分では圧縮応力が生じている。
このようにせん断応力が低減されると、クランクシャフト6の回転によりその半径方向に繰り返して放射状に慣性力が作用しても、シリンダブロック下部2の下面で、シリンダブロック下部2下面と軸受キャップ3の上面3dとが離隔する口開きが起きることはなく、また、いわゆるフレッティング疲労などによる亀裂が生ずるということはないので、耐久性に優れたクランクシャフトの軸受構造が得られる。
(第2の実施の形態)
図5(a)、(b)は本発明の第2の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造を示す図である。
なお、第2の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造においては、第1の実施の形態の軸受キャップに形成された応力緩和溝が異なっているが、他の構成は同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1〜図4に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
軸受キャップ23は、例えば、鋳鉄(FC)などの鉄材からなり、図2に示すものと同様に、下側メタルベアリング5を収容する凹部3aが上部に形成された四角形のブロックで構成される。また、凹部3aの両端部近傍でボルト用貫通孔3e、3fがシリンダブロック下部2のボルト用ねじ穴2b、2cと対向する位置に形成され、ピンリング用穴3g、3hがシリンダブロック下部2のピンリング用穴2d、2eと対向する位置に所定の深さで形成されている。
また、図5(a)、(b)に示すように、軸受キャップ23の側面3cの上部に側面3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう応力緩和溝15aを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11aが形成されている。軸受キャップ23の他方側の側面3bの上部にも側面3cと同様に応力緩和溝16aを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部12aが形成されている。この左側の応力緩和溝16aと右側の応力緩和溝15aおよび左側の突縁部12aと右側の突縁部11aの左右の形状および大きさは、下側メタルベアリングを介してクランクシャフト6をバランスよく支持する点で、クランクシャフト6の回転方向や形状などに対応して、左右それぞれ異なった形状および大きさで形成してもよく、応力緩和溝16aと15aおよび突縁部12aと11aの左右が同一の形状および大きさで形成してもよい。また、クランクシャフト6の複数の軸受に対応して設けられた複数の軸受キャップ23のそれぞれに形成された応力緩和溝15a、16aおよび突縁部11a、12aは軸受キャップ23毎に異なった形状および大きさであってもよく、同じ形状および大きさであってもよい。
応力緩和溝15aは、図5(a)、(b)に示すように、クランクシャフト6の軸線と直交する方向の断面形状を有し、この断面形状が、軸受キャップ23の上面3dから軸受キャップ23の側面3cに沿って距離Lだけ離隔した点Pと点Pから側面3cに沿って下方に距離Lだけ離隔した点Pを結ぶ曲率半径rの円弧状のP間の線で形成される。距離Lの長さは、車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ23の材料その他の条件によって異なるが、突縁部11aの剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。また、曲率半径rの長さは、深さDの大きさに応じて形成される。
応力緩和溝15aの側面3cからの深さDは、距離Lの長さと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ23の材料、距離Lの長さその他の条件によって異なるが、突縁部11aの剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。
また、応力緩和溝15aは、その底部がクランクシャフト6の軸線に沿うように形成されているが、クランクシャフト6の軸線と応力緩和溝15aの底部が平行に形成されている場合だけでなく、所定の角度で上下方向に傾斜して形成されていてもよい。例えば、1〜10度傾斜していてもよい。また、深さDは、応力緩和溝15aにおいて一定であることが好ましいが、位置によって異なっていてもよい。
突縁部11aは、前述の応力緩和溝15aが軸受キャップ23の側面3cに形成されることによりクランクシャフト6の軸線方向に延在するよう形成されている。突縁部12aは、図5(b)に示すように、所定の長さLで形成された側面45と、応力緩和溝15aを形成する下面35と、シリンダブロック下部2に当接する上面44とを有し、下面35は前述のように曲率半径rの円弧面で形成されている。突縁部11aが上述のように構成されているので、クランクシャフト6の回転による慣性力が軸受キャップ23の下方向に作用する際、軸受キャップ23の側面3b、3cの上部がシリンダブロック下部2を押圧することによりシリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を緩和できるよう応力緩和溝15aの方向に変形するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造1は、軸受キャップ23の側面3b、3cの上部に応力緩和溝15a、16aを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11a、12aが設けられているので、シリンダブロック下部2と軸受キャップ23との接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。具体的には、図4(a)および(b)に示す第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施の形態)
図6(a)、(b)は本発明の第3の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造を示す図である。
なお、第3の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造においては、第1の実施の形態の軸受キャップに形成された応力緩和溝が異なっているが、他の構成は同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1〜図4に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
軸受キャップ24は、例えば、鋳鉄(FC)などの鉄材からなり、図2に示すものと同様に、下側メタルベアリング5を収容する凹部3aが上部に形成された四角形のブロックで構成される。また、凹部3aの両端部近傍でボルト用貫通孔3e、3fがシリンダブロック下部2のボルト用ねじ穴2b、2cと対向する位置に形成され、ピンリング用穴3h、3iがシリンダブロック下部2のピンリング用穴2d、2eと対向する位置に所定の深さで形成されている。
また、図6(a)、(b)に示すように、軸受キャップ24の側面3cの上部に側面3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう応力緩和溝15bを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11bが形成されている。軸受キャップ24の他方側の側面3bの上部にも側面3cと同様に応力緩和溝16bを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部12bが形成されている。この左側の応力緩和溝16bと右側の応力緩和溝15bおよび左側の突縁部12bと右側の突縁部11bの左右の形状および大きさは、下側メタルベアリングを介してクランクシャフト6をバランスよく支持する点で、クランクシャフト6の回転方向や形状などに対応して、左右それぞれ異なった形状および大きさで形成してもよく、応力緩和溝16bと15bおよび突縁部12bと11bの左右が同一の形状および大きさで形成してもよい。また、クランクシャフト6の複数の軸受に対応して設けられた複数の軸受キャップ24のそれぞれに形成された応力緩和溝15b、16bおよび突縁部11b、12bは軸受キャップ24毎に異なった形状および大きさであってもよく、同じ形状および大きさであってもよい。
応力緩和溝15bは、図6(a)、(b)に示すように、クランクシャフト6の軸線と直交する方向の断面形状を有し、この断面形状が、軸受キャップ24の上面3dから軸受キャップ24の側面3cに沿って距離Lだけ離隔した点Pと点Pから内方に離隔した点Pを結ぶP間の線と、点Pから側面3cに沿って下方に距離Lだけ離隔した点P10とこの点P10から内方に離隔した点Pを結ぶP10間の線と、点Pと点Pを結ぶ円弧状のP間の線とで形成される。このP間の線は、軸受キャップ24の上面3dと平行になるよう形成され、P間の線は、曲率半径rで形成されている。
距離Lの長さは、車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ24の材料その他の条件によって異なるが、突縁部11bの剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。また、曲率半径rの長さは、距離Lの長さと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ24の材料その他の条件によって異なるが、突縁部11bの剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。
応力緩和溝15bの側面3cからの深さDは、距離Lの長さと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ24の材料、距離Lの長さその他の条件によって異なるが、突縁部11bの剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。
また、応力緩和溝15bは、その底部がクランクシャフト6の軸線に沿うように形成されているが、クランクシャフト6の軸線と応力緩和溝15bの底部が平行に形成されている場合だけでなく、所定の角度で上下方向に傾斜して形成されていてもよい。また、深さDは、応力緩和溝15bにおいて一定であることが好ましいが、位置によって異なっていてもよい。
突縁部11bは、前述の応力緩和溝15bが軸受キャップ24の側面3cに形成されることによりクランクシャフト6の軸線方向に延在するよう形成されている。突縁部11bは、図6(b)に示すように、所定の長さLで形成された側面47と、応力緩和溝15bを形成する下面32と、シリンダブロック下部2に当接する上面46とを有し、下面32は平行面36と曲率半径rの円弧面37で形成されている。突縁部11bが上述のように構成されているので、クランクシャフト6の回転による慣性力が軸受キャップ24の下方向に作用する際、軸受キャップ24の側面3b、3cの上部がシリンダブロック下部2を押圧することによりシリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を緩和できるよう応力緩和溝15bの方向に変形するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造1は、軸受キャップ24の側面3b、3cの上部に応力緩和溝15b、16bを形成することにより、シリンダブロック下部2に当接する突縁部11b、12bが設けられているので、シリンダブロック下部2と軸受キャップ24との接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。具体的には、図4(a)および(b)に示す第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(第4の実施の形態)
図7(a)、(b)は本発明の第4の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造を示す図である。
なお、第4の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造においては、第1の実施の形態の軸受キャップに形成された応力緩和溝がなく突出部が形成されている点が異なっているが、他の構成は同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1〜図4に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
軸受キャップ25は、例えば、鋳鉄(FC)などの鉄材からなり、図2で示すものと同様に、下側メタルベアリング5を収容する凹部3aが上部に形成された四角形のブロックで構成される。また、凹部3aの両端部近傍でボルト用貫通孔3e、3fがシリンダブロック下部2のボルト用ねじ穴2b、2cと対向する位置に形成され、ピンリング用穴3g、3hがシリンダブロック下部2のピンリング用穴2d、2eと対向する位置に所定の深さで形成されている。
また、図7(a)、(b)に示すように、軸受キャップ25の側面3cの上部に側面3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう突出部17が形成されている。軸受キャップ25の他方側の側面3bの上部にも側面3cと同様に突出部18が形成されている。この左側の突出部18と右側の突出部17の左右の形状および大きさは、下側メタルベアリング5を介してクランクシャフト6をバランスよく支持する点で、クランクシャフト6の回転方向や形状などに対応して、左右それぞれ異なった形状および大きさで形成してもよく、突出部17との左右が同一の形状および大きさで形成してもよい。また、クランクシャフト6の複数の軸に対応して設けられた複数の軸受キャップ25のそれぞれに形成された突出部17、18は軸受キャップ25毎に異なった形状および大きさであってもよく、同じ形状および大きさであってもよい。
突出部17は、クランクシャフト6の軸線方向に延在するよう形成されている。突出部17は、図7(a)、(b)に示すように、上面48と、側面49と、傾斜面39および円弧面41からなる下面50とを有する。この突出部17は、クランクシャフト6の軸線と直交する方向の断面形状を有し、この断面形状が、軸受キャップ25の上面48から軸受キャップ25の側面49に沿って距離Lだけ離隔した点P11と点P11から内方に離隔した点P12を結ぶP1112間の線と、点P12から下方に離隔した側面3c上に位置する点P13と点P12を結ぶ円弧状のP1312間の線とで形成される。このP1112間の線は、軸受キャップ25の上面48とP1112間の線とのなす角が角度θになるよう傾斜して形成され、P1312間の円弧状の線は、曲率半径rで形成されている。
距離Lの長さは、車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ25の材料その他の条件によって異なるが、突出部17の剛性が比較的低く可撓性を有する長さであればよい。この角度θは、車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ25の材料その他の条件によって異なるが、突出部17の剛性が比較的低く可撓性を有する角度であればよい。また、曲率半径rの長さは、距離Lの長さと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ25の材料その他の条件によって異なるが、突出部17の剛性が弱まり可撓性を有する長さであればよい。
突出部17の側面3cからの先端面49までの高さHは、距離Lの長さと同様に車種、エンジンの性能、シリンダブロックおよび軸受キャップ25の材料、距離Lの長さその他の条件によって異なるが、突出部17の剛性が弱まり可撓性を有する高さであればよい。また、突出部17は、その先端面49がクランクシャフト6の軸線に沿うように形成されているが、クランクシャフト6の軸線と突出部17の先端面49が平行に形成されている場合だけでなく、所定の角度でクランクシャフト6の軸線と直交する方向に傾斜して形成されていてもよい。また、高さHは、突出部17において一定であることが好ましいが、位置によって異なっていてもよい。
クランクシャフトの軸受構造1は、軸受キャップ25の側面3b、3cの上部に突出部17、18が設けられているので、シリンダブロック下部2と軸受キャップ25との接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロック下部2に生ずるせん断応力を低減することができる。具体的には、図4(a)および(b)に示す第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造は、シリンダブロック下部2およびシリンダブロック下部2の下方に設けられた軸受キャップ3によりクランクシャフト6を回転自在に保持する構造であり、軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部に軸受キャップ3の側面3b、3cで開口しクランクシャフト6の軸線に沿うよう応力緩和溝15、16を形成することにより、クランクシャフト6の回転による外力が軸受キャップ3の下方向に作用する際、軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部がシリンダブロック下部2を押圧することによりシリンダブロック下部2に生ずる応力を緩和できるよう応力緩和溝15、16の方向に変形する突縁部11、12を軸受キャップ3の側面3b、3cの各上部に設けたので、シリンダブロックと軸受キャップとの接触面の面積を確保しつつ、シリンダブロックに生ずるせん断応力を低減することにより、フレッティング疲労などによる亀裂が生ずることがない耐久性が向上するという効果を奏する。したがって、本発明に係るクランクシャフトの軸受構造は、広く回転するシャフトの軸受を独立した構造の軸受キャップで保持する軸受構造全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造の分解斜視図であり、軸受キャップを分解した状態を示す。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造の軸受キャップの斜視図である。 (a)は、図2のA−A矢視断面図であり、(b)は、図3(a)のB部分の拡大断面図である。 (a)は、本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造のシリンダブロック側の軸受キャップ取付部の応力図であり、(b)は、シリンダブロック下部、クランクシャフトおよび軸受キャップの断面図である。 (a)は、本発明の第2の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造の軸受キャップの部分断面図であり、(b)は、図5(a)のC部分の拡大断面図である。 (a)は、本発明の第3の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造の軸受キャップの部分断面図であり、(b)は、図6(a)のD部分の拡大断面図である。 (a)は、本発明の第4の実施の形態に係るクランクシャフトの軸受構造の軸受キャップの部分断面図であり、(b)は、図7(a)のE部分の拡大断面図である。 (a)は、従来のクランクシャフトの軸受構造のシリンダブロック側の軸受キャップ取付部の応力図であり、(b)は、従来のシリンダブロック下部、クランクシャフトおよび軸受キャップの断面図である。
符号の説明
1 クランクシャフトの軸受構造
2 シリンダブロック下部
2a、3a 凹部
2b、2c ボルト用ねじ穴
2d、2e ピンリング用穴
3、23、24、25 軸受キャップ
3b、3c 側面
3d 上面
3e、3f ボルト用貫通孔
3g、3h ピンリング用穴
4 上側メタルベアリング
5 下側メタルベアリング
6 クランクシャフト
7、8 ボルト
9、10 ピンリング
11、12、11a、12a、11b、12b 突縁部
15、16、15a、16a、15b、16b 応力緩和溝
17、18 突出部
19 シリンダブロック
31、32、50 下面
31a、39 傾斜面
33、38 平面
35、37、41 円弧面
36 平行面
42、44、46、48 上面
43、45、47、49 側面
51 シリンダブロック下部
52 軸受キャップ
53 上側メタルベアリング
54 下側メタルベアリング
55 クランクシャフト
56、57 ボルト
58、59 ピンリング
〜D 深さ
H 高さ
〜L 距離
〜P13
〜r 曲率半径

Claims (6)

  1. シリンダブロック下部および前記シリンダブロック下部の下方に設けられた軸受キャップによりクランクシャフトを回転自在に保持するクランクシャフトの軸受構造において、
    前記軸受キャップの両側上部に前記軸受キャップの側面で開口し前記クランクシャフトの軸線に沿うよう応力緩和溝を形成することにより、前記軸受キャップの両側上部に前記クランクシャフトの軸線方向に延在した突縁部を形成し、前記突縁部が前記軸受キャップに加わる前記クランクシャフトの回転時の荷重に対して可撓性を有する形状であることを特徴とするクランクシャフトの軸受構造。
  2. 前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を形成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面と、を有し、前記下面が前記上面に対して傾斜する傾斜面と前記傾斜面に連続する円弧面とで形成されたことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの軸受構造。
  3. 前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を構成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面と、を有し、前記下面が前記上面に対して平行な平行面と前記平行面に連続する円弧面とで形成されたことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの軸受構造。
  4. 前記突縁部が、前記軸受キャップの側面側に所定の長さで形成された側面と、前記応力緩和溝を構成する下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面と、を有し、前記下面が円弧面で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの軸受構造。
  5. シリンダブロック下部および前記シリンダブロック下部の下方に設けられた軸受キャップによりクランクシャフトを回転自在に保持するクランクシャフトの軸受構造において、前記シリンダブロック下部に当接する上面を有し、前記軸受キャップの両側上部に前記クランクシャフトの軸線方向に延在した突出部を前記軸受キャップの両側から前記クランクシャフトから離隔する方向に突出して設けたことを特徴とするクランクシャフトの軸受構造。
  6. 前記突出部が、前記軸受キャップの側面から突出し所定の長さで形成された先端面と、下面と、前記シリンダブロック下部に当接する上面とを有し、前記下面が前記上面に対して傾斜する傾斜面と前記傾斜面に連続する円弧面とで形成されたことを特徴とする請求項5に記載のクランクシャフトの軸受構造。
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