JP5003656B2 - クランクシャフトの支持構造 - Google Patents

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本発明は、クランクシャフトのクランクジャーナルをエンジンのシリンダブロックとクランクキャップとで挟んで回転可能に支持する構造に関する。特に、クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に介装されるロアスラストベアリングの改良に関する。
一般的に、エンジンによって発生した回転動力を出力するクランクシャフトは、シリンダブロックに回転自在に支持されるクランクジャーナルと、コネクティングロッドが揺動自在に支持されるクランクピンと、回転バランスをとるためのバランスウェイト(あるいはカウンターウェイト)等とを含んだ構成になっている。
このクランクシャフトのクランクジャーナルは、シリンダブロックの下側に設けられる略U字形の台座と、それにボルト等で取り付けられる略U字形のクランクキャップとの間に挟まれた状態で回転自在に支持されるようになっている。
クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間や、クランクシャフトのバランスウェイトとシリンダブロックの台座との間には、スラストベアリングが介装されている。
このスラストベアリングは、一般的に、円盤形状のワッシャを半割りしたようなすべり軸受であり、適宜の自己潤滑性を有するメタルで形成されている。その関係より、通常、クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に介装されるスラストベアリングを「ロアスラストベアリング」と呼び、また、クランクシャフトのバランスウェイトとシリンダブロックの台座との間に介装されるスラストベアリングを「アッパスラストベアリング」と呼んでいる。
この2つ1組のスラストベアリングを回り止めするために、ロアスラストベアリングには、回り止め用の突片が設けられており、さらに、ロアスラストベアリングの表裏の誤装着を防止するために、前記突片が、ロアスラストベアリングの円弧長方向の略中央から少しずらされた位置に設けられている(例えば特許文献1,2参照。)。
参考までに、前記2つ1組のスラストベアリングは、製造コスト面を考慮して、表裏の片面のみに焼付き防止のための処理が施されるので、前記のような表裏の誤装着を防止する工夫が施されているのである。
実開昭58−184017号公報 実開昭61−191521号公報
上記従来例の2つ1組のスラストベアリングは、表裏両面の全体が共に面一となる平坦面とされているために、次のような懸念がある。
つまり、クランクシャフトの回転中には、ピストンの上下運動に伴いバランスウェイトが撓むことがあって、それにより前記2つのスラストベアリングにスラスト荷重が繰り返し作用する他、円周方向での引っ張り荷重や圧縮荷重が繰り返し作用することがある。このようなスラスト荷重、引っ張り荷重や圧縮荷重の作用により、特に、ロアスラストベアリングの突片の付け根に応力が集中することになるために、耐久性が低下することが懸念される。
このような事情に鑑み、本発明は、クランクシャフトのクランクジャーナルをエンジンのシリンダブロックとクランクキャップとで挟んで回転可能に支持する構造において、クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に介装されるロアスラストベアリングの耐久性を向上可能とし、クランクシャフトを長期にわたって安定的に支持可能とすることを目的としている。
本発明は、クランクシャフトのクランクジャーナルをエンジンのシリンダブロックとクランクキャップとで挟んで回転可能に支持する構造において、前記クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に、ロアスラストベアリングが介装されており、このロアスラストベアリングは、半割りワッシャ部の外径側所定位置に、径方向外向きに突出する突片を一体に形成した形状とされていて、前記クランクキャップに設けられる凹みに略合致した状態で嵌合装着されるものであり、前記突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域が、前記バランスウェイトに対して非接触となるように、他の領域に比べて薄肉に形成されている、ことを特徴としている。
この構成では、ロアスラストベアリングの突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域が、前記バランスウェイトに対して非接触となるから、例えばクランクシャフトの回転時にバランスウェイトが撓むことに伴いロアスラストベアリングにスラスト荷重が作用しても、ロアスラストベアリングの半割りワッシャ部の厚肉部分に作用することになって、ロアスラストベアリングの突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域にスラスト荷重が作用しなくなる。
これにより、突片の付け根に応力が集中することを防止できるので、ロアスラストベアリングがその突片の付け根側から破損することが避けられる。したがって、ロアスラストベアリングの耐久性が向上し、信頼性の向上に貢献できるようになる。
好ましくは、前記クランクキャップの凹みは、半円弧状段差と、その所定位置の外径側に径方向外向きに設けられる直線溝とを含んで構成され、前記クランクキャップの半円弧状段差と直線溝とが交差している壁部に、穴が形成されることによって前記交差壁部が除去され、前記ロアスラストベアリングにおいて半割りワッシャ部と突片との連接部分が曲線形状とされるとともに、その曲率半径が前記半円弧状段差と直線溝との交差部分の残存壁部に干渉しない大きさに設定される。
この構成では、上記構成上のメリットに加えて、突片の付け根が曲率半径の大きな曲線になっていて、亀裂の発生起点が無くなっている関係より、突片における付け根の強度が向上している。
これにより、上記構成による作用の他に、クランクシャフトの回転時にロアスラストベアリングに円周方向の引っ張り荷重や圧縮荷重が作用しても、前記曲線部分の全域に応力が分散されることになり、突片の付け根側からの破損を回避する効果が増大するようになる。
好ましくは、前記ロアスラストベアリングの突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域には、肉厚方向に貫通する孔が設けられる。
この構成では、上記構成上のメリットに加えて、クランクシャフトの回転時においてバランスウェイトが撓むことによって、ロアスラストベアリングおよびクランクキャップにスラスト荷重が作用したときに、バランスウェイトとロアスラストベアリングおよびクランクキャップとの間に存在する潤滑油膜が、ロアスラストベアリングの孔を通じてクランクキャップの直線溝側へ抜け出ることになる。
これにより、上記構成による作用の他に、ロアスラストベアリングにおいて突片および半割ワッシャ部において突片と連なる領域に対し、油膜圧力が作用しにくくなるので、突片の付け根への応力集中をさらに減じることが可能になり、突片の付け根側からの破損を回避する効果が増大するようになる。
ところで、本発明は、クランクシャフトのクランクジャーナルをエンジンのシリンダブロックとクランクキャップとで挟んで回転可能に支持する構造においてクランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に介装されるロアスラストベアリングにおいて、半割りワッシャ部の外径側所定位置に、径方向外向きに突出する突片を一体に形成した形状とされていて、前記クランクキャップに設けられる凹みに略合致した状態で嵌合装着されるものとされ、前記突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域が、前記バランスウェイトに対して非接触となるように、他の領域に比べて薄肉に形成されている、構成とすることができる。
本発明のロアスラストベアリングは、耐久性を向上することが可能になる等、信頼性の向上に貢献できる。また、本発明のクランクシャフトの支持構造は、長期にわたって安定的に支持することが可能になる等、エンジンの信頼性向上に貢献できる。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1から図5に、本発明の実施形態1を示している。まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るクランクシャフトの支持構造を説明する。
図1および図2において、1はシリンダブロック、2はクランクシャフト、3はコネクティングロッドである。
クランクシャフト2は、この実施形態において4気筒エンジンに用いるタイプとされており、その関係より、5つのクランクジャーナル2aと、4つのクランクピン2bと、8つのバランスウェイト2cとを有している。
このクランクシャフト2のクランクジャーナル2aは、シリンダブロック1の下側の台座1aとそれにボルト6等で結合されるクランクキャップ5との間に挟まれた状態で回転自在に支持される。
台座1aには、シリンダブロック1の上側へ向けて断面略U字形に凹む凹部1bが設けられている。また、クランクキャップ5には、シリンダブロック1側へ向けて断面略U字形に凹む凹部5aが設けられている。
そして、クランクシャフト2の各クランクジャーナル2aの回転支持部分、詳しくはクランクシャフト2のクランクジャーナル2aの外周面と、台座1aの凹部1b内面およびクランクキャップ5の凹部5a内面との対向間には、ラジアルベアリング7,8が介装されるようになっている。
このラジアルベアリング7,8は、一般的に、円筒形のものを半割りしたようなすべり軸受であり、適宜の自己潤滑性を有するメタル等で形成されている。2つ1組のラジアルベアリング7,8のうち、一方のラジアルベアリング7は台座1aの凹部1b内面に嵌合装着され、他方のラジアルベアリング8はクランクキャップ5の凹部5a内面に嵌合装着される。この装着関係に応じて、以下では、シリンダブロック1の台座1a側に配置されるラジアルベアリング7をアッパラジアルベアリングと呼び、また、クランクキャップ5側に配置されるラジアルベアリング8をロアラジアルベアリングと呼んでおり、2つ1組で使用される
なお、クランクシャフト2のクランクピン2bには、コネクティングロッド3の大端部が揺動可能に取り付けられ、このコネクティングロッド3の小端部には、ピストン(図示省略)が取り付けられる。
このコネクティングロッド3の大端部は、略U字形とされ、この大端部に略U字形のキャップをボルト等で取り付けることにより、クランクピン2bを挟むようになっている。このクランクピン2bとコネクティングロッド3の大端部との間にも、上記クランクジャーナル2aと同様にラジアルすべり軸受としてのラジアルベアリング(符号省略)が介装されるようになっている。
そして、クランクシャフト2のバランスウェイト2cとクランクキャップ5との間や、クランクシャフト2のバランスウェイト2cとシリンダブロック1の台座1aとの間には、スラストベアリング9,10が介装されている。
このスラストベアリング9,10は、一般的に、円盤形状のワッシャを半割りしたようなすべり軸受であり、適宜の自己潤滑性を有するメタル等で形成されている。その関係より、通常、クランクシャフト2のバランスウェイト2cとクランクキャップ5との間に介装されるスラストベアリング9を「ロアスラストベアリング」と呼び、また、クランクシャフト2のバランスウェイト2cとシリンダブロック1の台座1aとの間に介装されるスラストベアリング10を「アッパスラストベアリング」と呼んでおり、2つ1組で使用される。
ロアスラストベアリング9は、半割りワッシャ部9aの外径側所定位置に、径方向外向きに突出する突片9bを一体に形成した形状とされている。アッパスラストベアリング10は、半割りワッシャ形状とされており、前記のような突片9bは設けられていない。
2つ1組のスラストベアリング9,10を回り止めするために、ロアスラストベアリング9に回り止め用の突片9bが設けられており、さらに、ロアスラストベアリング9の表裏の誤装着を防止するために、突片9bが、ロアスラストベアリング9の円弧長方向の略中央から少しずらされた位置に設けられている。また、突片9bの付け根の隅は、丸く形成されている。
しかも、アッパスラストベアリング10の表裏の誤装着を防止するために、ロアスラストベアリング9とアッパスラストベアリング10との合わせ端に、互いに凹凸嵌合する凹状部9c,10aと凸状部9d,10bとが設けられている。
このような2つ1組のスラストベアリング9,10は、製造コスト面を考慮して、表裏の片面のみに焼付き防止のための処理が施されるので、前記のような表裏の誤装着を防止するための工夫が施されているのである。
シリンダブロック1の台座1aには、アッパスラストベアリング10を嵌合装着するための半円弧状段差1cが設けられている。
一方、クランクキャップ5にも、ロアスラストベアリング9を嵌合装着するための凹み(5b,5c)が設けられているが、この凹みは、半円弧状段差5bと、直線溝5cとを組み合わせたものになっている。半円弧状段差5bは、クランクキャップ5の一側面において凹部5aの縁に沿って設けられている。直線溝5cは、半円弧状段差5bの真ん中寄りで、クランクキャップ5の高さ方向に沿って設けられている。
そして、図2に示すように、直線溝5cは、半円弧状段差5bよりも深く形成されている。その理由を説明する。なお、図2では、直線溝5cの深さを誇張して記載している。
そもそも、半円弧状段差5bと直線溝5cとは、別々に加工するが、仮に製造公差等により直線溝5cが半円弧状段差5bよりも浅く形成された場合、直線溝5cの底が出っ張りとなることがありうる。そのような場合、クランクシャフト2の回転によってピストン(図示省略)が上下運動することに伴いバランスウェイト2cが撓むことによってロアスラストベアリング9に片当たりすると、突片9bに対して局部的にスラスト荷重が作用することになってしまい、突片9bの付け根に応力が集中して、突片9bが付け根から破損しやすくなるおそれがある。
そこで、あえて、直線溝5cを半円弧状段差5bよりも深くすれば、前記のように突片9bの付け根に応力が集中することを回避できるようになる。このことから前記のように設定している。
この実施形態では、上記したロアスラストベアリング9に対し、その突片9bの亀裂や折損を防止するための工夫を施しているので、以下で詳細に説明する。
ロアスラストベアリング9の突片9bおよび半割りワッシャ部9aのバランスウェイト2c側の面において突片9bと連なる領域が、半割りワッシャ部9aの他の領域に比べて薄肉とされている。この薄肉部分に符号9eを付している。なお、半割りワッシャ部9aの薄肉部9eは、径方向に沿う溝によって形成されている。
このような構成とすれば、例えばクランクシャフト2の回転に伴いそのバランスウェイト2c側からロアスラストベアリング9にスラスト荷重が作用したときに、図5に示すように、このスラスト荷重が半割りワッシャ部9aの厚肉部分に作用することになって、ロアスラストベアリング9の薄肉部9eおよび突片9bに作用しなくなる。
そもそも、クランクシャフト2が回転すると、前記しているようにバランスウェイト2cが撓むことがあり、そのために、ロアスラストベアリング9の突片9bにスラスト荷重が作用しやすくなるのであるが、上記したような構成とすれば、このようなスラスト荷重が突片9bおよび薄肉部9eに作用することを回避できる。
これにより、突片9bの付け根に応力が集中することを防止できるので、ロアスラストベアリング9がその突片9bの付け根側から亀裂が発生したり、折れたりするといった不具合の発生を防止できるようになる等、ロアスラストベアリング9の耐久性が向上し、信頼性の向上に貢献できるようになる。
(実施形態2)
図6および図7を参照して、本発明の実施形態2を説明する。この実施形態2では、ロアスラストベアリング9において半割りワッシャ部9aと突片9bとの連接部分が曲線形状に形成されているとともに、その曲率半径Rが半円弧状段差5bと直線溝5cとの交差部分の残存壁部5e,5eに干渉しない大きさに設定されている。
ところで、クランクキャップ5の半円弧状段差5bと直線溝5cとが交差している壁部の角が、仮に先鋭になっている場合には、ロアスラストベアリング9において半割りワッシャ部9aと突片9bとの連接部分も、鋭角にする必要があって、当該連接部分の曲率半径Rを前記のように可及的に大きくすることは物理的に不可能である。
そこで、クランクキャップ5の半円弧状段差5bと直線溝5cとが交差している壁部に、図6に示すような穴5d,5dを形成することによって、前記交差壁部そのものを除去するようにしている。この穴5d,5dは、奥が塞がった形状になっているが、貫通する孔とすることも可能である。
この穴5d,5dの内径は、大きくすればするほど、ロアスラストベアリング9において半割りワッシャ部9aと突片9bとの連接部分の曲率半径Rを可及的に大きくすることが可能になる。このように曲率半径Rは、図7に示すように、クランクキャップ5の凹み(5b,5c)に、ロアスラストベアリング9を嵌合装着した状態で、クランクキャップ5において半円弧状段差5bと直線溝5cとの交差部分の残存壁部5e,5eに干渉しないような大きさに設定されている。
この実施形態2の場合の動作を説明する。
つまり、上記実施形態1で説明したようにクランクシャフト2の回転時にバランスウェイト2cが撓むことによって、ロアスラストベアリング9およびクランクキャップ5にスラスト荷重が作用すると、ロアスラストベアリング9の半割りワッシャ部9aと突片9bとに全体的にスラスト荷重が作用する他、クランクシャフト2の回転時にロアスラストベアリング9に円周方向の引っ張り荷重や圧縮荷重が作用することになって、従来例と同様に突片9bの付け根に応力が集中することは避けられない。
しかしながら、この突片9bの付け根が曲率半径Rの大きな曲線になっていて、亀裂の発生起点が無くなっている関係より、前記曲線部分の全域に応力が分散されることになる等、突片9bにおける付け根の強度が向上するようになっている。
そのため、この実施形態2の場合も、上記実施形態1の場合と同様に、ロアスラストベアリング9に、その突片9bの付け根側から亀裂が発生したり、折れたりするといった不具合の発生を防止できるようになる等、ロアスラストベアリング9の耐久性が向上し、信頼性の向上に貢献できるようになる。
ところで、この実施形態2の構成は、例えば図8に示すように、上記実施形態1の構成に組み合わせることも可能である。その場合には、上記実施形態1の構成によるメリットに加えて、突片9bの付け根側からの破損を回避する効果が増大する。
(実施形態3)
図9および図10を参照して、本発明の実施形態3を説明する。この実施形態3では、ロアスラストベアリング9において突片9bおよび半割ワッシャ部9aにおいて突片9bと連なる領域に、肉厚方向に貫通する孔9fを設けるようにしている。
具体的に、図示しているように、前記突片9bおよび半割ワッシャ部9aにおいて突片9bと連なる領域には、複数の孔9fがロアスラストベアリング9の径方向に一定の間隔をもって並んで形成されている。
この場合、上記実施形態1で説明したようにクランクシャフト2の回転時においてバランスウェイト2cが撓むことによって、ロアスラストベアリング9およびクランクキャップ5にスラスト荷重が作用する。その際、バランスウェイト2cとロアスラストベアリング9およびクランクキャップ5との間に潤滑油膜が存在しているが、ロアスラストベアリング9に前記のような孔9fを設けていると、前記油膜が前記孔9fを通じてクランクキャップ5の直線溝5c側へ抜け出ることになる。
これにより、ロアスラストベアリング9において突片9bおよび半割ワッシャ部9aにおいて突片9bと連なる領域に対しては、クランクシャフト2からのスラスト荷重が作用しにくくなり、突片9bの付け根に応力が集中することを防止できるようになる。
そのため、この実施形態3の場合も、上記実施形態1,2の場合と同様に、ロアスラストベアリング9がその突片9bの付け根側から破損するといった不具合の発生を防止できるようになる等、ロアスラストベアリング9の耐久性が向上し、信頼性の向上に貢献できるようになる。
ところで、この実施形態3の構成は、上記実施形態1や2の構成に組み合わせることも可能である。その場合には、上記実施形態1や2の構成によるメリットに加えて、突片9bの付け根側からの破損を回避する効果が増大する。実施形態1と3を組み合わせた形態について、例えば図11に示している。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態1〜3では、クランクシャフト2を長期にわたって安定的に支持することが可能になる等、エンジンの信頼性の向上に貢献できる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記各実施形態では、クランクシャフト2に備える複数のクランクジャーナル2aそれぞれに、個別のクランクキャップ5を結合するようにした例を挙げているが、本発明は、それに限定されるものではなく、各クランクキャップ5を一体に連結したような、いわゆるラダービーム構造としたものを用いることも可能であり、その場合にも上記実施形態と同様に本発明を適用できる。
(2)上記各実施形態では、ロアスラストベアリング9とアッパスラストベアリング10との合わせ端の形状については特に限定されるものではなく、例えば実開昭61−191521号公報に示すような形状とすることが可能である。
本発明に係るクランクシャフト支持構造の実施形態1を模式的に示す断面図である。 図1に示すシリンダブロックとクランクキャップとクランクシャフトとを分離した状態を示す分解斜視図である。 図1の(3)−(3)線断面の矢視図である。 図1の一部(左端のクランクジャーナル部分)を拡大して示す図である。 図3においてロアスラストベアリング周辺を上方から見下ろした状態を示す図である。 本発明に係るクランクシャフト支持構造の実施形態2で、図3に対応する図である。 図6の実施形態2において、2つのスラストベアリングを取り付けた状態を示す図である。 実施形態1と実施形態2とを組み合わせた例で、図3および図6に対応する図である。 本発明に係るクランクシャフト支持構造の実施形態3で、図3に対応する図である。 図9の実施形態3において、図5に対応する図である。 実施形態1と実施形態3とを組み合わせた例で、図3および図9に対応する図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
1a シリンダブロックの台座
2 クランクシャフト
2a クランクシャフトのクランクジャーナル
2b クランクシャフトのクランクピン
2c クランクシャフトのバランスウェイト
3 コネクティングロッド
5 クランクキャップ
5b クランクキャップの半円弧状段差
5c クランクキャップの直線溝
5d クランクキャップの穴
9 クランクジャーナル用のロアスラストベアリング
9a ロアスラストベアリングの半割りワッシャ部
9b ロアスラストベアリングの突片
9e ロアスラストベアリングの薄肉部
9f ロアスラストベアリングの孔
10 クランクジャーナル用のアッパスラストベアリング

Claims (3)

  1. クランクシャフトのクランクジャーナルをエンジンのシリンダブロックとクランクキャップとで挟んで回転可能に支持する構造において、
    前記クランクシャフトのバランスウェイトとクランクキャップとの間に、ロアスラストベアリングが介装されており、
    このロアスラストベアリングは、半割りワッシャ部の外径側所定位置に、径方向外向きに突出する突片を一体に形成した形状とされていて、前記クランクキャップに設けられる凹みに略合致した状態で嵌合装着されるものであり、
    前記突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域が、前記バランスウェイトに対して非接触となるように、他の領域に比べて薄肉に形成されている、ことを特徴とするクランクシャフトの支持構造。
  2. 請求項1に記載のクランクシャフトの支持構造において、
    前記クランクキャップの凹みは、半円弧状段差と、その所定位置の外径側に径方向外向きに設けられる直線溝とを含んで構成され、
    前記クランクキャップの半円弧状段差と直線溝とが交差している壁部に、穴が形成されることによって前記交差壁部が除去され、
    前記ロアスラストベアリングにおいて半割りワッシャ部と突片との連接部分が曲線形状とされるとともに、その曲率半径が前記半円弧状段差と直線溝との交差部分の残存壁部に干渉しない大きさに設定される、ことを特徴とするクランクシャフトの支持構造。
  3. 請求項1または2に記載のクランクシャフトの支持構造において、
    前記ロアスラストベアリングの突片および前記半割りワッシャ部において前記突片と連なる領域には、肉厚方向に貫通する孔が設けられる、ことを特徴とするクランクシャフトの支持構造。
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