JP4888273B2 - 複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造 - Google Patents
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(1)ピストン3にピストンピン5を介して一端が連結されたアッパリンク6と、このアッパリンク6の他端にアッパピン7を介して連結され、かつクランクシャフト4のクランクピン8に回転可能に取り付けられたロアリンク9と、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンク9にコントロールピン10を介して連結されたコントロールリンク11と、を備える複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造であって、上記アッパリンク6には、上記アッパピン7が回転可能に遊嵌するアッパ側ピン孔22が形成されたアッパ側ピンボス部21が設けられるとともに、上記ロアリンク9には、上記アッパ側ピンボス部21を両側から挟み込む二股状をなし、上記アッパピン7が圧入固定される2つのロア側ピン孔26,27が形成されたロア側ピンボス部23が設けられている。
(2)好ましくは上記第2〜5実施例のように、二股状をなすロア側ピンボス部23の一方の脚部24に形成される大径ピン孔26の内径が、他方の脚部25に形成される小径ピン孔27の内径よりも大きく設定され、アッパ側ピン孔22の内径が少なくとも小径ピン孔27の内径よりも大きく設定されている。また、アッパピン7は、大径ピン孔26に圧入固定される大径ピン部28と、アッパ側ピン孔22を遊嵌しつつ小径ピン孔27に圧入固定される小径ピン部29と、を有している。
(3)更に好ましくは図2,図3の第2,第3実施例のように、小径ピン孔27に嵌合する小径ピン部29の先端周縁の隅角部分に、傾斜又は湾曲する面取り部31を形成する。これにより、アッパピンの挿入作業性を一段と向上することができる。
(4)図3に示す第3実施例では、小径ピン部29と大径ピン部28とを接続する段差面を、アッパピン7の軸直交面に対して傾斜(又は湾曲)する傾斜面(又は湾曲面)30Aとしている。これにより、段差面における応力集中を低減し、アッパピン7の耐久性を向上させることができる。
(5)図4,図5に示す第4,第5実施例では、大径ピン孔26と小径ピン孔27とを偏心させるとともに、これに対応して、大径ピン部28と小径ピン部29とを偏心させている。これによって、ロアリンク9に対して、アッパピン7の嵌合角度、つまり周方向位置を一義的に定められる。このため、最大荷重の作用する位置等に応じて肉厚を周方向で適切に設定することが可能となる。
(6)例えば図4に示す第4実施例では、アッパ側ピン孔22の中で大きな荷重が作用する領域33にのみ、DLCコーティング加工を施している。これにより、少ない加工範囲で耐久性・耐荷重性を有効に向上することができる。
(7)また、図4の第4実施例では、偏心する小径ピン部29と大径ピン部28とを所定箇所36で内接させている。このように、アッパピン7のたわみによって応力集中を招き易い部分36で段差を解消することで、応力集中の発生を有効に低減・回避し、アッパピン7の耐久性を向上することができる。
(8)図4の第4実施例のように、クランクピン軸受部32から遠い側の部分の剛性が低い場合、好ましくは、大径ピン部28と大径ピン孔26との圧入部において、クランクピン軸受部32から遠い側の部分の圧入代を、クランクピン軸受部32に近い側の部分の圧入代よりも大きく設定する。このように、周方向の中で剛性の低い部分の圧入代を大きくすることで、より安定した圧入が可能となる。
(9)図4,図5の第4,第5実施例では、アッパピン7に断面円形の中空孔34が貫通形成されており、この中空孔34の軸心P1を、大径ピン部28の軸心P2と小径ピン部29の軸心P3の少なくとも一方に対して偏心させている。このように、断面円形の中空孔34を形成することによって、大径ピン部28や小径ピン部29の肉厚を周方向で容易に変化させることができる。
(10)具体的には、図4の第4実施例においては、中空孔34の軸心P1を、大径ピン部28の軸心P2と小径ピン部29の軸心P3に対し、クランクピン軸受部32と反対方向、つまり大きな荷重F1の作用方向と反対方向へ偏心させている。これによって、アッパピン7の中でも大きな荷重が作用する領域33を薄肉化して、アッパピン7をたわみ易くし、軸受部分のエッジあたり等を緩和し、軸受耐久性を向上することができる。
(11)あるいは図5の第5実施例のように、中空孔34の軸心P1を、大径ピン部28の軸心P2と小径ピン部29の軸心P3に対し、クランクピン軸受部32の側、つまり、大きな荷重F1の作用側へ偏心させる。これにより、大きな荷重が作用する領域33の肉厚が大きくなり、その剛性を上げて変形量を小さくし、発生する応力を低減することができる。
(12)大径ピン部と小径ピン部との偏心量が小さく、その周方向位置の特定が難しいような場合、好ましくは、ロアリンク9における大径ピン孔26が形成された脚部24の側面と、大径ピン部28の端面とに、圧入時の位置決め用のマーキングを設ける。これによって、アッパピンの周方向の嵌合位置を容易に確認でき、作業効率を一層向上させることができる。
4…クランクシャフト
5…ピストンピン
6…アッパリンク
7…アッパピン
8…クランクピン
9…ロアリンク
10…コントロールピン
11…コントロールリンク
21…アッパ側ピンボス部
22…アッパ側ピン孔
23…ロア側ピンボス部
24,25…脚部
26…大径ピン孔(ロア側ピン孔)
27…小径ピン孔(ロア側ピン孔)
Claims (9)
- ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造であって、
上記アッパリンクには、上記アッパピンが回転可能に遊嵌するアッパ側ピン孔が形成されたアッパ側ピンボス部が設けられるとともに、上記ロアリンクには、上記アッパ側ピンボス部を両側から挟み込む二股状をなし、上記アッパピンが圧入固定される2つのロア側ピン孔が形成されたロア側ピンボス部が設けられ、
二股状をなす上記ロア側ピンボス部の一方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の一方である大径ピン孔の内径が、他方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の他方である小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパ側ピン孔の内径が、少なくとも小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパピンは、上記大径ピン孔に圧入固定される大径ピン部と、上記アッパ側ピン孔を遊嵌しつつ小径ピン孔に圧入固定される小径ピン部と、を有し、
上記大径ピン孔と小径ピン孔とを偏心させるとともに、上記大径ピン部と小径ピン部とを偏心させたことを特徴とする複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。 - 上記アッパ側ピン孔の中で大きな荷重が作用する領域にのみ、DLCコーティング加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
- 偏心する小径ピン部と大径ピン部とを所定箇所で内接させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
- ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造であって、
上記アッパリンクには、上記アッパピンが回転可能に遊嵌するアッパ側ピン孔が形成されたアッパ側ピンボス部が設けられるとともに、上記ロアリンクには、上記アッパ側ピンボス部を両側から挟み込む二股状をなし、上記アッパピンが圧入固定される2つのロア側ピン孔が形成されたロア側ピンボス部が設けられ、
二股状をなす上記ロア側ピンボス部の一方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の一方である大径ピン孔の内径が、他方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の他方である小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパ側ピン孔の内径が、少なくとも小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパピンは、上記大径ピン孔に圧入固定される大径ピン部と、上記アッパ側ピン孔を遊嵌しつつ小径ピン孔に圧入固定される小径ピン部と、を有し、
上記大径ピン部と大径ピン孔との圧入部において、上記ロアリンクのクランクピン軸受部から遠い側の部分の圧入代が、クランクピン軸受部に近い側の部分の圧入代よりも大きく設定されていることを特徴とする複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。 - ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造であって、
上記アッパリンクには、上記アッパピンが回転可能に遊嵌するアッパ側ピン孔が形成されたアッパ側ピンボス部が設けられるとともに、上記ロアリンクには、上記アッパ側ピンボス部を両側から挟み込む二股状をなし、上記アッパピンが圧入固定される2つのロア側ピン孔が形成されたロア側ピンボス部が設けられ、
二股状をなす上記ロア側ピンボス部の一方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の一方である大径ピン孔の内径が、他方の脚部に形成される上記ロア側ピン孔の他方である小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパ側ピン孔の内径が、少なくとも小径ピン孔の内径よりも大きく設定され、
上記アッパピンは、上記大径ピン孔に圧入固定される大径ピン部と、上記アッパ側ピン孔を遊嵌しつつ小径ピン孔に圧入固定される小径ピン部と、を有し、
上記アッパピンに断面円形の中空孔が貫通形成されており、この中空孔の軸心を、上記大径ピン部の軸心と小径ピン部の軸心の少なくとも一方に対して偏心させたことを特徴とする複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。 - 上記中空孔の軸心を、上記大径ピン部の軸心と小径ピン部の軸心に対し、上記ロアリンクのクランクピン軸受部と反対方向へ偏心させたことを特徴とする請求項5に記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
- 上記中空孔の軸心を、上記大径ピン部の軸心と小径ピン部の軸心に対し、上記ロアリンクのクランクピン軸受部の側へ偏心させたことを特徴とする請求項5に記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
- 上記小径ピン孔に嵌合する小径ピン部の先端周縁の隅角部分に、傾斜又は湾曲する面取り部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
- 上記小径ピン部と大径ピン部とを接続する段差面を、アッパピンの軸直交面に対して傾斜又は湾曲する傾斜面又は湾曲面としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造。
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