JP5515468B2 - 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその設計方法 - Google Patents

内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構に関する。
内燃機関のピストンとクランクシャフトのクランクピンとを連結する主運動系として複リンク式のピストン−クランク機構を用い、ピストンストローク特性の適正化や圧縮比の可変制御を実現することを本出願人は検討している(特許文献1参照)。
特開2009−36146号公報
このような構造の複リンク式ピストン−クランク機構おいては、本出願人による強度試験により、補助リンクに対して想定外の応力が発生することが確認された。この応力発生の原理について、図16を参照して説明する。複リンク式ピストン−クランク機構は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンク6と、このアッパリンク6の他端にアッパピン7を介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピン8に連結されたロアリンク9と、一端の第1軸受部21で補助シャフト13を介して機関本体側に揺動可能に支持されるとともに、他端の第2軸受部22で上記ロアリンク9に補助ピン10を介して連結された補助リンク20と、を備えている。
機関実動中における軸方向αの入力により、基本的には、図16(A)に示すように、アッパリンク6,ロアリンク9及び補助リンク20がそれぞれ個別に軸方向に振動する。但し、燃焼圧や慣性力等の荷重に起因するクランクシャフトのリンク幅方向(図の紙面垂直方向)まわりの変形により、図16(B)に示すように、アッパリンク6,ロアリンク9や補助リンク20がリンク軸方向に倒れ込み、つまりリンク幅方向まわりに倒れ変形すると、アッパリンク6,ロアリンク9や補助リンク20の軸受部分がアッパピン7,補助ピン10や補助シャフト13とこじれて、つまり局所的に強く接触して、アッパリンク6,ロアリンク9及び補助リンク20が一時的に一体となって動く状態となることがある。このような状態で、図16(B)にモデル化して示すように、補助リンク20が第1軸受部21を固定端(支点)としてロアリンク9やアッパリンク6と一体にリンク幅方向まわりに(軸方向に)振動する場合を想定すると、補助リンク20が単独で振動する場合に比して、自由端側の重量mがロアリンク9等の影響で大きくなるために、その固有周波数(固有振動数)が低くなり、この固有周波数が機関振動と共振し得るレベルまで低下すると、共振により想定外の応力が補助リンク20に発生する。このため、補助リンク20に非常に高い強度が求められ、補助リンクの大型化や重量増加が避けられない。
本発明は、このような独自に知見した新たな問題に着目してなされたものであり、仮にロアリンクと補助リンクとが第1軸受部を固定端として軸方向に振動するような状況が生じる場合であっても、共振による想定外の応力が補助リンクに発生することを回避することをその目的としている。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端の第1軸受部で補助シャフトを介して機関本体側に揺動可能に支持されるとともに、他端の第2軸受部で上記ロアリンクに補助ピンを介して連結された補助リンクと、を備えている。そして、上記補助リンクが第1軸受部を固定端としてロアリンクと一体に軸方向に振動するときの固有周波数が、この内燃機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数よりも大きくなるように、補助リンクの形状・寸法が設定されている。つまり、上記補助リンクの第1軸受部と第2軸受部の中心を結ぶリンク中心線に沿うリンク中心線方向と軸方向の双方に直交するリンク幅方向まわりの補助リンクの断面2次モーメントが設定されている。
このような本発明によれば、仮に補助リンクが第1軸受部を固定端としてロアリンクと一体に軸方向に振動するような状況が生じても、この振動の固有周波数が内燃機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数よりも大きく設定されているために、共振による想定外の応力が補助リンクに発生することがなく、補助リンク、更にはこの補助リンクが連結するロアリンクの小型化・軽量化を図ることができる。
本発明の第1実施例に係る補助リンクを示す斜視図(A),側面図(B)及び正面図(C)。 本発明の第2実施例に係る補助リンクを示す斜視図(A),側面図(B)及び正面図(C)。 上記第2実施例の補助リンクとロアリンクとを示す正面図(A)及び側面図(B)。 本発明の第3実施例に係る補助リンクを示す斜視図(A),側面図(B)及び正面図(C)。 上記第3実施例(A)及び上記第2実施例(B)に係る補助リンクとロアリンクを示す正面図。 本発明の第4実施例に係る補助リンクの第2軸受部分を拡大して示す正面図。 本発明の第5実施例に係る補助リンクの第2軸受部分を拡大して示す正面図。 本発明の第6実施例に係る補助リンクの第2軸受部分を拡大して示す正面図。 本発明の第7実施例に係る補助リンクを示す断面図(A)及び正面図(B)。 本発明の第8実施例に係る補助リンクを示す断面図。 本発明の第9実施例(A),第10実施例(B),及び第11実施例(C)に係る補助リンクを示す正面図。 本発明の第12実施例に係る補助リンクを示す断面図(A)及び正面図(B)。 本発明の第13実施例に係る補助リンクを示す断面図(A)及び正面図(B)。 本発明が適用される複リンク式ピストン−クランク機構の一例を簡略的に示す断面図。 共振回転数の算出に用いられる補助リンクのロッド部の有効長さなどを示す説明図。 補助リンクが第1軸受部を固定端としてロアリンクと一体に軸方向に振動する状況を説明するための説明図。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図14は、この発明に係る複リンク式ピストン−クランク機構の一例を簡略的に示している。なお、この図14は、複リンク式ピストン−クランク機構の基本構成を説明するためのものであり、本発明の要部をなす補助リンクやロアリンクなどの正確なリンク形状や寸法を示すものではない。
シリンダブロック1には、ピストン3が摺動可能に嵌合する複数のシリンダ(気筒)2が形成されるとともに、クランクシャフト4のクランクジャーナル15が回転自在に支持されている。クランクシャフト4には、各気筒毎にクランクピン8が設けられるとともに、クランクピン8とは反対側に延びたカウンタウェイト16が設けられている。
複リンク式ピストン−クランク機構は、ピストン3にピストンピン5を介して一端が連結されたアッパリンク6と、このアッパリンク6の他端にアッパピン7を介して連結されるとともに、クランクシャフト4のクランクピン8に回転可能に取り付けられたロアリンク9と、一端(下端)の第1軸受部21で内燃機関本体としてのシリンダブロック1側に揺動可能に支持されるとともに、他端(上端)の第2軸受部22でロアリンク9に補助ピン(コントロールピン)10を介して連結される補助リンク(コントロールリンク)20と、を備えている。
このような複リンク式ピストン−クランク機構では、ピストンピンとクランクピンとを一本のリンクにより連結した単リンク式のものに比して、ピストンストローク特性の設定の自由度が高く、このピストンストローク特性を適正なもの(例えば、単振動に近い特性)とすることによって、振動や騒音の大幅な低減化等を図ることができる。
また、シリンダブロック1には多気筒に連続した補助シャフト13が図示せぬ支持部材を介してシリンダブロック1に回転可能に支持されており、この補助シャフト13に各気筒毎に設けられる偏心軸部12に、上記の補助リンク20の他端が回転可能に取り付けられている。従って、図示せぬアクチュエータにより機関運転状態に応じて補助シャフト13の回転位置を変更することで、補助リンク20の揺動支持位置となる偏心軸部12の位置が変化し、補助リンク20によるロアリンク9の運動拘束条件の変化に伴い、機関圧縮比が変化する(可変圧縮比手段)。このように複リンク式ピストン−クランク機構を利用して機関圧縮比の可変制御を容易に実現可能である。
次に、本発明の特徴的な構成及び作用効果について、後述する実施例の補助リンク20(20A〜20J)に基づいて説明する。
図1は、第1実施例に係る補助リンク20Aを示している。この補助リンク20Aは、第1軸受部21の中心を通る合わせ面24に沿って2分割された分割体25,26が補助シャフト13の偏心軸部12(図14参照)を挟んで2本のボルト27により結合されて構成され、その軸方向αの寸法がリンク全体にわたって均一に設定される。また、第1軸受部21と第2軸受部22とを連結するロッド部23において、リンク軸方向αと、両軸受部21,22の中心を通るリンク中心線に沿うリンク中心線方向βと、の双方に直交するリンク幅方向γの寸法γ1,γ2が、第2軸受部22から第1軸受部21へ向かうに従って徐々に拡径する扇状・三角形状に形成されている。
[1]先ず、後述する全ての実施例にも共通する技術的特徴として、補助リンク20が第1軸受部21を固定端・支点としてロアリンク9と一体に軸方向に(リンク幅方向まわりに)振動するときの固有周波数が、この内燃機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数(4気筒の場合は2次周波数、6気筒の場合は3次周波数)よりも大きくなるように、補助リンク20の形状・寸法が設計されている。具体的には、補助リンク20のリンク幅方向γまわりの断面2次モーメントが設定されている。上記の固有周波数は、図16(B)にモデル化して示すように、アッパリンク6とロアリンク9とが結合され、ロアリンク9と補助リンク20とが結合され、かつ、補助リンク20の第1軸受部21が接地固定された部品系の固有振動数に相当する。
具体的には、簡易的に以下の数式(1)を満たすように補助リンク(及びロアリンク)が設計されている。すなわち、補助リンクが第1軸受部を支点としてロアリンクと一体に軸方向に振動するときの共振回転数Nrが、この内燃機関の最高回転数Nmaxよりも大きく設定されている。
Figure 0005515468
ここで、
Eが補助リンクのヤング率、
Lが補助リンクの第1軸受部と第2軸受部とを連結するロッド部の有効長さ、
Iがロッド部の有効長さ範囲の平均化した断面2次モーメント、
nが内燃機関の気筒数、
mがロアリンクの質量と第2軸受部の質量との合算値、
Nmaxが内燃機関の最回転数、である。
図15に示すように、ロッド部23の有効長さLは、第1軸受部21と第2軸受部22の中心間距離から両軸受部21,22の半径を差し引いた値であり、第1軸受部21の内周から第2軸受部22の内周までの距離に相当する。リンク幅方向γ周りの断面2次モーメントは、リンク中心線方向βに直交するリンク断面の軸方向αの寸法をh、リンク幅方向γの寸法をbとすると、[bh/12]で表される。
質量の合算値mは、図15に示すように、ロアリンク9の質量mlと第2軸受部22の質量msとを加算したもので、この第2軸受部22の質量msは、補助リンク20の質量mcと、補助リンク20の重心から第1軸受部21の中心までの距離lbと、補助リンク20の重心から第2軸受部22の中心までの距離lsと、を用いて求められる。なお、アッパリンクによる影響は少ないために、ここではアッパリンクの影響を無視して共振回転数Nrを求めている。
このような設定により、仮に上述したようにロアリンク9と補助リンク20とが軸方向に一体に振動するような場合であっても、このときの固有周波数が、機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数よりも更に大きな値となっているために、共振による過度な応力の発生を招くことがない。従って、補助リンク20の強度が過度に要求されることがなく、信頼性に優れるとともに、補助リンク20の軽量化・小型化を図ることができる。
[2]図1に示す第1実施例では、第1軸受部21と第2軸受部22とを連結するロッド部23において、第1軸受部21から第2軸受部22へ向かうに従ってリンク幅方向寸法γ1,γ2が徐々に小さくなっている。言い換えると、リンク幅方向γまわりの断面2次モーメントが、第1軸受部21から第2軸受部22へ向かうに従って徐々に小さくなるように設定されている。これにより、リンク幅方向γの寸法が均一なものに比して、固定端となる第1軸受部21側の重量が相対的に重くなるとともに断面2次モーメントが高くなり、自由端となる第2軸受部22側の重量が軽くなるとともに断面2次モーメントが小さくなるために、上記の固有周波数を有効に高めることができる。
[3]また、第1軸受部21の径方向寸法が第2軸受部22よりも大きくなっている。このため、固定端となる第1軸受部21から第2軸受部22までの距離が短くなり、また、振動する側の第2軸受部22が相対的に軽くなることから、上記の固有周波数・共振回転数の向上効果が得られる。
[4]図2に示す第2実施例の補助リンク20Bでは、第1実施例のものに対し、ロッド部23の第2軸受部22寄りの部分に、軸方向αの寸法が第1軸受部21,第2軸受部22及びロッド部23の一般部(第1軸受部21寄りの部分)よりも短く設定された薄肉部28が設けられている。すなわちロッド部23が薄肉部28で軸方向αにくびれた形状をなしている。一方、図3に示すように、ロアリンク9Bには、補助リンク20Bの第2軸受部22を軸方向両側より挟み込む二股状の一対の壁部31を有しており、これらの壁部31と第2軸受部22とを補助ピン10(図14参照)が挿通・嵌合するようになっている。ここで、機関実動中に薄肉部28が通過する一対の壁部31の対向面に、内側へ張り出した張出部32を形成している。このような張出部32を含めた壁部31がロアリンク9Bの外周を取り巻き、ロアリンク9Bの剛性・強度を確保するリブとして機能している。このような張出部32を設けることで、補助リンク20Bとの干渉を招くことなくロアリンク9Bの剛性・強度を確保しつつ、ロアリンク9Bの軸方向寸法を縮小し、ロアリンク9Bの小型化・軽量化を図ることができ、ひいては、ロアリンクの軽量化に伴い上記の固有周波数を有効に高めることができる。また、薄肉部28を設けることで、第2軸受部22寄りの重量が更に軽減され、このことも上記の固有周波数の向上に寄与する。
更に言えば、補助リンクの3方向α,β,γの寸法のうち、軸方向βの寸法が、断面2次モーメント[bh/12]に対する感度が最も高く、固有周波数・共振回転数Nrに対する感度も高いことから、固有周波数・共振回転数Nrに対する上昇効果も高い。
[5]図4に示す第3実施例の補助リンク20Cでは、第2実施例のものに対し、主に軽量化のため、ロッド部23のリンク幅方向寸法γ,γ2が第1,第2軸受部21,22よりも短くなっており、ロッド部23がリンク幅方向γにもくびれた形状となっている。このことにより、ロアリンクのレイアウト自由度が広がり、ロアリンクの外形を小さくすることが可能となる。具体的には、図5(A)に示すように、ロッド部23のリンク幅方向γの減少分、ロアリンク9Cにおけるクランクピン軸受部の周りの厚肉部分33との距離が広がる形となり、この厚肉部分33の幅を確保しつつ、図5(B)に示す第2実施例のものに比して、クランクピン中心と補助ピン中心との軸間距離をL2からL1に短縮可能で、ロアリンクの小型化・軽量化を図ることができ、このようなロアリンクの軽量化により上記の固有周波数を更に高めることが可能となる。
[6]図6に示す第4実施例では、第3実施例のものに対し、第2軸受部22周りの形状を変更している。すなわち、第2軸受部22のうち、ロッド部23寄りの部分34を相対的に厚肉化している。具体的には、この第1軸受部21のうち、ロッド部23寄りの部分34では、ロッド部23のつけ根部分へ向かうに従って半径がR0からR1へ徐々に大きくなる楕円・長円形状に設定されている。これによって、第2軸受部22のうちでロッド部23寄りの部分の剛性が高くなり、また、剛性の低いロッド部23の長さが実質的に短くなることから、ロッド部23の曲げ剛性が向上する。
なお、実際には応力集中を回避するために、ロッド部23とのつけ根部分には、図の破線で示すように、適宜な曲率の隅角部35が形成される。また、第2軸受部22と同様、第1軸受部21についても、ロッド部23寄りの部分を相対的に厚肉化するようにしても良い。
[7]図7に示す第5実施例では、第4実施例のものに対し、第2軸受部22のロッド部23寄りの部分のうち、ロアリンクと反対側の部分36のみを厚肉化している。このように、第2軸受部22のロッド部23寄りの部分のうち、ロアリンク側の部分を厚肉化しないことで、第3実施例と同様に、軸間距離L2の短縮によるロアリンクの小型・軽量化を図りつつ、ロアリンクと反対側の部分36のみを厚肉化することで、第4実施例のようなロッド23の曲げ剛性の向上を図ることが可能となる。
[8]図1に示す第1実施例のように、第2軸受部22とロッド部23との軸方向寸法が等しく、両者22,23の軸方向側面が同一平面をなしている場合、第2軸受部22の周囲のうち、ロッド部23との接続部の近傍の剛性が局所的に高くなり、この部分の軸方向両端縁で補助ピン10と強く接触する、いわゆるエッジ接触を招くおそれがある。
そこで、特に第2軸受部22とロッド部23との軸方向寸法が等しい場合、好ましくは、図8に示す第6実施例のように、第2軸受部22の周囲のうち、ロッド部23との接続部に、第2軸受部22の外周に沿った円弧状の窪み部37を設ける。これによって、ロッド部23との接続部における剛性・強度を低減し、上記のエッジ接触を緩和させることで、所期の潤滑性能を維持することができる。
[9]図9に示す第7実施例の補助リンク20Dでは、第1軸受部21の径方向寸法及び軸方向寸法の双方ともに、第2軸受部22よりも大きく設定されている。軸受性能の面では、第1,第2軸受部21,22には同等の投影面積が必要である。ここで第1軸受部21に対し、その軸方向寸法つまり軸受幅を増やすことで、曲げ剛性に影響を与える断面剛性を向上することができ、また、径方向寸法を大きくすることで、固定端となる第1軸受部21から第2軸受部22までの距離の低減が可能で、上記の固有周波数の更なる上昇に寄与する。
[10]図10に示す第8実施例の補助リンク20Eでは、第7実施例に対し、ロッド部23のリンク軸方向αの寸法が、第1軸受部21から第2軸受部22へ向かうに従って徐々に小さくなっている。これにより、リンク軸方向αの寸法が均一なものに比して、固定端となる第1軸受部21側の重量が相対的に重くなり、自由端となる第2軸受部22側の重量が低減できるために、上記の固有周波数を上昇させることができる。
図11(A)〜(C)に示す第9〜11実施例では、上記の第3実施例と同様、ロッド部23のリンク幅方向寸法γ,γ2が第1,第2軸受部21,22よりも短くなっており、ロッド部23がリンク幅方向γにくびれた形状となっている。すなわち、軸方向視で第1,第2軸受部21,22の外周縁同士を結ぶ共通接線39よりもロッド部23が内側に窪んだ形状となっている。このため、ロッド部23自身の剛性は低下するものの、上記第3実施例と同様、ロアリンクの小型化・軽量化を図ることができ、ひいては上記の固有周波数を有効に高めることができる。
なお、図11(A)の第9実施例の補助リンク20Fでは、ロッド部23のリンク幅方向寸法が一定であり、図11(B)の第10実施例の補助リンク20Gでは、ロッド部23のリンク幅方向寸法がリンク中心線方向の全長にわたって第2軸受部22に向かうに従って徐々に小さくなり、図11(C)の第11実施例の補助リンク20Hでは、ロッド部23のうちで第1軸受部21寄りの部分のみ、第2軸受部22に向かうに従ってリンク幅方向寸法が徐々に小さくなっている。
図12に示す第12実施例では、第1軸受部21,第2軸受部22及ロッド部23の軸方向寸法及びリンク幅方向寸法が均一となっている。図13に示す第13実施例では、第11実施例に対し、ロッド部23の軸方向寸法が第1軸受部21,第2軸受部22よりも短く設定されている。
上述したいずれの実施例においても、固有周波数が最回転数での[気筒数/2]次周波数より大きく、共振回転数Nrが最回転数Nmaxより大きく設定されているために、仮に補助リンク20がロアリンク9と一体に軸方向に振動する状況となっても、共振による過度な応力の発生を招くことはない。
3…ピストン
4…クランクシャフト
5…ピストンピン
6…アッパリンク
7…アッパピン
8…クランクピン
9…ロアリンク
10…補助ピン
20(20A〜20J)…補助リンク
21…第1軸受部
22…第2軸受部
23…ロッド部

Claims (7)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端の第1軸受部で補助シャフトを介して機関本体側に揺動可能に支持されるとともに、他端の第2軸受部で上記ロアリンクに補助ピンを介して連結された補助リンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構において、
    上記補助リンクの第1軸受部と第2軸受部の中心を結ぶリンク中心線に沿うリンク中心線方向と軸方向の双方に直交する方向をリンク幅方向とすると、
    上記補助リンクが第1軸受部を固定端としてロアリンクと一体に軸方向に振動するときの固有周波数が、この内燃機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数よりも大きくなるように、上記補助リンクのリンク幅方向まわりの断面2次モーメントが設定されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  2. 上記補助リンクの第1軸受部と第2軸受部とを連結するロッド部は、上記第1軸受部から第2軸受部へ向かうに従って軸方向寸法が小さくなっていることを特徴とする請求第1に記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  3. 上記補助リンクの第1軸受部と第2軸受部とを連結するロッド部は、上記第1軸受部から第2軸受部へ向かうに従ってリンク幅方向寸法が小さくなっていることを特徴とする請求第1又は2に記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  4. Eが補助リンクのヤング率、
    Lが補助リンクの第1軸受部と第2軸受部とを連結するロッド部の有効長さ、
    Iがロッド部の有効長さ範囲の平均化した断面2次モーメント、
    nが内燃機関の気筒数、
    mがロアリンクの質量と第2軸受部の質量との合算値、
    Nmaxが内燃機関の最回転数、
    Nrが補助リンクが第1軸受部を支点としてロアリンクと一体に軸方向に振動するときの共振回転数、とすると、
    Figure 0005515468
    上式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  5. 上記補助シャフトに偏心して設けられた偏心軸部に上記補助リンクの第1軸受部が回転可能に取り付けられており、
    かつ、アクチュエータにより上記補助シャフトの回転位置を変更することにより、機関圧縮比を変更する可変圧縮比手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  6. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端の第1軸受部で補助シャフトを介して機関本体側に揺動可能に支持されるとともに、他端の第2軸受部で上記ロアリンクに補助ピンを介して連結された補助リンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構において、
    上記補助リンクが第1軸受部を固定端としてロアリンクと一体に軸方向に振動するときの共振回転数が、この内燃機関の最高回転数よりも大きくなるように、ロアリンクの形状・寸法が設定されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  7. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端の第1軸受部で補助シャフトを介して機関本体側に揺動可能に支持されるとともに、他端の第2軸受部で上記ロアリンクに補助ピンを介して連結された補助リンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の設計方法において、
    上記補助リンクがロアリンクと結合されるとともに、上記第1軸受部が接地固定された部品系における、上記補助リンクの第1軸受部と第2軸受部の中心を結ぶリンク中心線に沿うリンク中心線方向と軸方向の双方に直交するリンク幅方向まわりの曲げ振動の固有周波数が、この内燃機関の最高回転数での[気筒数/2]次周波数よりも大きくなるように、上記補助リンク及びロアリンクを設計することを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の設計方法。
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