JP4148046B2 - 内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク - Google Patents

内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レシプロ式内燃機関のピストンクランク機構、特に複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
レシプロ式内燃機関のピストンピンとクランクピンとの間を複リンク式のピストンクランク機構で連結した従来技術として、特許文献1および特許文献2が公知となっている。これらは、いずれも、ピストンのピストンピンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を備えている。そして、上記アッパリンクと上記ロアリンクとは、アッパピンを介して互いに回転可能に連結され、上記コントロールリンクと上記ロアリンクとは、コントロールピンを介して互いに回転可能に連結されている。
【0003】
典型的なロアリンクの形状は、例えば特許文献1の図1あるいは特許文献2の図4に示されている。
【0004】
このような複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクは、ピストンが受けた燃焼圧力をアッパリンクを介してアッパピンより受け取り、コントロールピンを支点とする一種の”てこ”のような動作でクランクピンに力を伝達する(ただし、吸入・圧縮・燃焼・排気のエンジンの各行程に応じて支点と力点の関係は異なる。)。従って、ロアリンクは、アッパピン、コントロールピンおよびクランクピンを、それぞれ回転可能に保持しつつ、各ピンから入力を受けた際にもこれらの位置関係を保つだけの強度・剛性が必要である。そのため、ロアリンクは、アッパピン、コントロールピンおよびクランクピンを回転可能に保持する軸受のハウジング部あるいはピンボス部を、部材として一体にした形状をなしている。また、クランクシャフトに対する組み立て性を確保するために、クランクピンの軸受ハウジング部は、半円状の穴を有する部品二つをボルトで互いに締結する構成となっている。
【0005】
また、ロアリンクは、クランクピンの軌跡円上を並進移動しつつクランクピン中心を軸に揺動運動する運動部品であり、その質量と慣性モーメントが大きいほど他の主運動部品や機関本体に対して大きな慣性力を付与することになる。従って、ロアリンクは、強度上の要求に加えて、可能な限り軽量にする必要がある。
【0006】
このようなことから、クランクシャフトの軸方向(つまりクランクシャフトの軸に平行な視線)から見たときのロアリンクの輪郭形状は、アッパリンクとロアリンクとを連結するアッパピンを保持する円環状に形成されたアッパピン用ピンボス部の外周部と、ロアリンクとコントロールリンクとを連結するコントロールピンを保持する円環状に形成されたコントロールピン用ピンボス部の外周部と、クランクピンを回転可能に保持する円環状に形成された軸受ハウジング部と、複数に分割したロアリンクを構成する部品を互いにボルト締結するために用いられる雌ねじ部および被締結部(ボルトが貫通する部分)の各外形部と、を、直線あるいは曲線で連結した形状をなしている。特に軽量化の必要性から、この外形線はロアリンクの内側に向かって窪んだ曲線をなすか、あるいは直線をなしており、これにより、ロアリンクに余分な材料が付かないような部品形状をなしている。つまり、従来の技術の範囲内では、外形線を、ロアリンクの外側に向かって突出部を持つ凸曲線とした例は無い。なお、特許文献2の図4には、上記の各軸受部の外周部とボルト締結部の各外形部を直線で連結した形状のロアリンクが開示されており、特許文献1の図1には、内側に向かって窪んだ曲線で連結した形状のロアリンクが開示されている。
【0007】
なお、ピストンピンとクランクピンとが複数のリンクを含む複リンク式のピストンクランク機構を介して連結された内燃機関としては、上記の特許文献1,2のほかに、特許文献3に記載されている中折れコンロッド形式のものが公知である。この例では、ピストンピンとクランクピンとを連結するリンク機構の構成は異なっているものの、中折れ式に構成される第1コンロッドおよび第2コンロッドのいずれも、内側に向かって窪んだ曲線および直線からなる輪郭形状を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−227367公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−61501公報
【0010】
【特許文献3】
特開2000−54873公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術においては、ロアリンクの強度・剛性確保よりも、むしろ軽量化に重点が置かれた設計思想に基づき、上述のように部品内部に向かって窪んだ輪郭形状にロアリンクが設計されているが、実際の内燃機関においては、強度・剛性確保の要求が強くなる。最も大きな強度・剛性上の問題点は以下の2点である。
【0012】
例えば内燃機関の燃焼行程においてロアリンクに入力される力を考慮すると、アッパピンとクランクピンからはおおよそ逆方向に荷重が入力されるために、アッパピン用ピンボス部とクランクピン軸受ハウジング部との間には剪断応力が発生する。特にアッパピンとクランクピンの軸間距離に対する各ピンの半径の和の比率が大きくなるほどアッパピン用ピンボス部のピンボア(ピン孔)とクランクピン軸受ハウジング部との間の部材(肉)は小さくなるため、剪断応力の影響が顕著となる。従って、小型で高出力の内燃機関ほど、この傾向は顕著になり、材料の疲労強度に対する安全率が問題となる。
【0013】
また、コントロールピン用ピンボス部のピンボアとクランクピン軸受ハウジング部の中間部においては、コントロールピン用のピンボアを下向きに引張る力が作用し、このピンボアを有するピンボス部の二股状に形成された部分が互いに内向きに変形する。この変形によりコントロールピンの軸受部の同軸度が悪化し、コントロールピンの回転摩擦が増加する虞がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式のピストンクランク機構を前提としており、そのロアリンクの輪郭形状を改良したものである。
【0015】
本発明のロアリンクは、クランクシャフトの軸方向から見たときのロアリンクの輪郭形状として、上記クランクピンが嵌合するクランクピン軸受ハウジング部と、上記アッパピンを保持するアッパピン用ピンボス部の外周部と、上記コントロールピンを保持するコントロールピン用ピンボス部の外周部と、上記ロアリンクアッパ部品と上記ロアリンクロア部品とをボルト締結するために用いられる雌ねじ部および被締結部の外形部と、を、直線で繋いだ仮想の最小輪郭形状を有するとともに、上記アッパピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分のピストンに近い側の輪郭形状が上記最小輪郭形状よりもロアリンクの外周に向けて凸となるように膨らんだ凸曲線をなし、この凸曲線の頂点が、アッパピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもアッパピンに近い側に存在し、かつ、上記コントロールピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分の、上記コントロールリンクの機関本体側の揺動中心に近い側の輪郭形状が上記最小輪郭形状よりもロアリンクの外周に向けて凸となるように膨らんだ凸曲線をなし、この凸曲線の頂点が、コントロールピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもコントロールピンに近い側に存在する。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、ロアリンクの外周に向けて凸となった輪郭形状により、ロアリンクの強度・剛性が向上し、ロアリンクが各ピンからの入力荷重を受けた際に、各ピン間の位置関係を維持しつつ、各ピンからの入力荷重によりロアリンクの部材に発生する応力の集中を緩和し、耐久信頼性を向上させる効果が得られる。
特に本発明では、アッパピン用ピンボス部とクランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分のピストンに近い側の輪郭形状が凸曲線をなし、この凸曲線の頂点(すなわちアッパピン用ピンボス部外周とクランクピン軸受ハウジング部外周との共通接線から実際のロアリンク輪郭曲線までの距離が最大となる点)が、アッパピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもアッパピンに近い側に存在し、かつ、コントロールピン用ピンボス部とクランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分の、コントロールリンクの機関本体側の揺動中心に近い側の輪郭形状が凸曲線をなし、この凸曲線の頂点(すなわちコントロールピン用ピンボス部外周とクランクピン軸受ハウジング部外周との共通接線から実際のロアリンク輪郭曲線までの距離が最大となる点)が、コントロールピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもコントロールピンに近い側に存在するので、アッパピン用ピンボス部とクランクピン軸受ハウジング部との中間位置の応力集中を抑制でき、かつコントロールピン用ピンボス部とクランクピン軸受ハウジング部との中間位置の変形を抑制できると同時に、ロアリンクを補強する役割を有する輪郭形状の一対の凸部がクランクピン中心を焦点に略点対称の位置に配置されることになり、ロアリンク重心位置がクランクピン中心からずれることによる慣性加振力の悪化を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1〜図5は、この発明に係るロアリンク1を示している。このロアリンク1は、前述した特許文献1や特許文献2によって公知となっている複リンク式のピストンクランク機構に用いられるものであり、図示せぬアッパリンクとコントロールピンリンクとクランクピン(クランクシャフト)との三者を互いに連結する部品である。
【0019】
図1は、ロアリンク1をクランクシャフトの軸方向から見た正面図であり、図2は、このロアリンク1を厚さ方向(クランクシャフト軸方向)の中心面(図3の上面図におけるA−A線に沿った面)で切断した断面図である。また、図3は、上面図、図4は左側面図、図5は右側面図である。
【0020】
ロアリンク1は、クランクピンへの組み立て性のために、ロアリンクアッパ部品2とロアリンクロア部品3とに分割して構成され、両者を一対のボルト4、5で締結して構成されている。図示せぬシリンダが上下に配置されているとすると、クランクケース内で上記ロアリンクアッパ部品2が上側に、上記ロアリンクロア部品3が下側に、それぞれ位置し、上記ボルト4,5は、クランクケースの下側から締め付けられる形となる。なお、51は位置決め用のロケートピンである。
【0021】
6は、アッパリンクとの間の図示せぬアッパピンが挿入されるピンボアであり、他の部分と連続的に構成されているため明確に境界が分からない部分はあるが、基本的に円環状をなすアッパピン用ピンボス部7によって形成されている。本実施例では、ピンボア6に対しアッパピンが回転可能に保持される。ここに組み合わされる図示せぬアッパリンクは、一端のアッパピン軸受周辺が二股状に形成されており、二股の内側に、ロアリンク1側のアッパピン用ピンボス部7が回転可能に組み合わされる。
【0022】
8は、コントロールリンクとの間の図示せぬコントロールピンが挿入されるピンボアであり、同様に基本的に円環状をなすコントロールピン用ピンボス部9によって形成されている。本実施例では、ピンボア8に対しコントロールピンが回転可能に保持される。コントロールピン用ピンボス部9は、二股状に構成されており、この二股の内側に、図示せぬコントロールリンク一端のピンボス部が回転可能に組み合わされる。
【0023】
10は、クランクシャフトのクランクピンの軸受をなすピンボアであり、このピンボア10の中心を通る面で、ロアリンク1は、ロアリンクアッパ部品2とロアリンクロア部品3とに上下に分割されている。このクランクピンに対するピンボア10は、該ピンボア10と同心円状に幅広に形成された軸受ハウジング部11によって剛性を確保され、その形状が維持されている。
【0024】
前述したように、一対のボルト4,5によってロアリンクアッパ部品2とロアリンクロア部品3とが組み立てられているが、このような締結構造を成立させるために、ロアリンクアッパ部品2側に雌ねじ部12,13が形成され、ロアリンクロア部品3側にボルト軸力により圧縮される被締結部(被締め付け部)14,15が形成されている。これらの部位は、ボルトの軸力を受けるためにある程度の肉厚が必要である。一般的には、最低限ボルトの座面と同一の直径の円筒に相当する大きさが必要であるとされるが、本実施例ではそれより大きい範囲で、矩形状に部材が確保されており、これらのボルト締結に必要な部材の外形部を図示すると、それぞれ符号16,17,18,19で示すような略矩形となる。
【0025】
さて、外部荷重を受けた際にも3箇所の軸受の位置関係を保持し、二つの部品2,3をボルト締結してなるロアリンク1を成立させるためには、アッパピン用ピンボス部7と、コントロールピン用ピンボス部9と、クランクピン軸受ハウジング部11と、ねじ締結のための雌ねじ部12,13の外形部16,17および被締結部14,15の外形部18,19と、のそれぞれの外形を直線で繋ぎ合わせた輪郭形状20(これを最小輪郭形状と呼ぶこととする)をなせばよい。しかしながら本実施例では、この最小輪郭形状20の外側にも、部材を有している。すなわち、アッパピン用ピンボス部7とクランクピン軸受ハウジング部11とを繋ぐ部位21のピストンに近い側の部分22は、ロアリンク1の外側に向かって凸の輪郭形状23を形成している。また、この輪郭形状23の凸曲線の頂点(最小輪郭形状20と実際の輪郭形状23との間の距離が最大となる点)24は、アッパピン中心25とクランクピン中心26とを結ぶ線分27の垂直二等分線28よりもアッパピンに近い側に設けられている。
【0026】
アッパピン用ピンボス部7とクランクピン軸受ハウジング部11との間の輪郭形状23が上記のように形成されているために、例えば内燃機関の燃焼行程において、図1に示すように、アッパピンからロアリンク1へ矢印で示す荷重29が入力され、クランクピンからロアリンク1へ矢印で示す荷重30が入力された際に、略逆方向の荷重29,30によってアッパピン用ピンボス部7とクランクピン軸受ハウジング部11との中間部位21には剪断荷重が入力されるが、この剪断荷重を、上記の線分27から輪郭形状23までの幅広い部材で分担することができ、応力過大による過大な変形や部品の損傷を防止することができる。
【0027】
また、コントロールピン用ピンボス部9とクランクピン軸受ハウジング部11とを繋ぐ部位31の、コントロールリンクの機関本体側揺動中心に近い側の部分32は、最小輪郭形状20よりもロアリンク1の外側に向かって凸の輪郭形状33を形成している。また、この輪郭形状33の凸曲線の頂点(最小輪郭形状20と実際の輪郭形状33との間の距離が最大となる点)34は、コントロールピン中心35とクランクピン中心26とを結ぶ線分36の垂直二等分線37よりもコントロールピンに近い側に設けられている。
【0028】
ここで例えば内燃機関の燃焼行程において、図1に示すように、コントロールピンからロアリンク1へ矢印で示す荷重38が入力され、クランクピンからロアリンク1へ矢印で示す荷重30が入力された際に、荷重38,30によって中間の部位31は図1の斜め上下に引張り荷重を受けるが、この引張り荷重によってコントロールピン用ピンボス部9が図1の斜め左下方向に変形する。そして、この変形に伴って、二股形状のコントロールピン用ピンボス部9は、互いに内すぼみに変形する。
【0029】
この変形モードを、ロアリンク1の右側面図である図6を用いて説明すると、外力が加わらない状態では、コントロールピン用ピンボス部9周辺の構造は、ロアリンクロア部品3のロアリンクアッパ部品2と合わせられる平面(これをスケルトン図として破線41で示す)の下に、二股形状をなす一対のコントロールピン用ピンボス部9(これをスケルトン図として破線42で示す)がぶら下がった形状をなしているが、外力の作用により、ロアリンクアッパ部品2と合わせられる平面41は、符号43の実線で示すように、ピンボス部9に下向きに引っ張られて上向き凸の形状に変形し、一対のピンボス部9は、このように合わせ面の両端が下向きに傾いたことにより、符号44の実線のように、内すぼみの形状に変形する。
【0030】
本実施例では、コントロールピン用ピンボス部9とクランクピン軸受ハウジング部11との間で輪郭形状33が上記のように形成されているために、図6に示した変形モードに対して、頂点34付近が効果的な補強部材となり、その変形が抑制される。従って、ピンボス部9の内すぼみの変形によりコントロールピンとピンボア8との同軸度が狂い、コントロールピンの回転方向の摩擦抵抗が増大する、ということが防止される。
【0031】
また、特開2002−129995号公報などに記載されているように、ロアリンク1の重心位置はクランクピン中心に近いほど振動低減の上で望ましいが、本実施例のロアリンク1の形状は重心位置の最適化の観点からも望ましい。すなわち、ロアリンク構造の補強部材として作用すると同時に質量付与の効果も有している輪郭形状の凸部(頂点24,34付近の部分)がクランクピン中心を焦点に略点対称に配置されている。したがって輪郭形状に部分的に凸部を設けたことによるロアリンク1の重心のズレを互いに相殺することができ、重心位置のズレを最小限にとどめることができる。
【0032】
さらに、アッパピン用ピンボス部7の外周部のクランクピンと反対側、つまりクランクピン中心とアッパピン中心とを結ぶ線分27のクランクピン中心と反対方向の延長線周辺に、ロアリンク1外周方向に向かって凸状に張り出した張り出し部40が設けられている。この張り出し部40は、図3および図4に示すように、アッパピン用ピンボス部7の軸方向の全長よりも薄肉に形成されている。
【0033】
例えば内燃機関の燃焼行程において、アッパピンからロアリンクへ荷重29(図1参照)が入力された際、アッパピン用のピンボア6は荷重29の方向に引き伸ばされた楕円状に変形しようとする。特に、本実施例のロアリンク構造では、部位22付近が輪郭形状23の効果で補強されているために、ピンボア6周辺のみの局所変形を起こしやすい傾向が有る。しかしながら、上記のように張り出し部40を設けたことにより、このピンボア6の楕円状の変形を効果的に抑制することができ、アッパピンの潤滑不良による回転摩擦抵抗の増大や焼き付きの可能性などの不具合を効果的に防止できる。また、張り出し部40は、アッパピン用ピンボス部7よりも薄肉に形成されているため、ロアリンク1の質量ならびに慣性モーメントの増大を、最小限にとどめることができる。また、同一の質量増加の範囲内であれば、アッパピン用ピンボス部7の径を増すことよりも張り出し部40を設けることの方が剛性補強効果が高い。これは張り出し部40を設けた形状の方がアッパピン中心からの距離が増すため、ピンボス部7全体の径を増すよりも断面係数の増加が大きいからである。
【0034】
次に、各請求項の発明に特有な作用効果について列記する。
【0035】
請求項2の発明によれば、クランクピン軸受ハウジング部および各ピンボス部が、各々のピンの同心円筒状をなすので、ロアリンクのクランクシャフト軸方向から見た輪郭形状を、各ピンの中心位置から幾何学的に定義することが容易になる。
【0036】
請求項3の発明によれば、複数部品をボルト締結するための雌ねじ部および被締結部の各外形部が、ボルトと同心でかつ直径がボルト座面直径と同一の円筒をクランクシャフト軸方向から見たときの投影形状より小さくないので、ロアリンクのクランクシャフト軸方向から見た輪郭形状を、各ピンの中心位置と部品の組み立てに用いられるボルトの直径と位置とから定義することが容易になる。
【0042】
請求項の発明によれば、アッパピン用ピンボス部のクランクピンと反対方向の外周部に、厚さがアッパピン用ピンボス部よりも薄い張り出し部を設けたので、この張り出し部がアッパピン用ピンボス部の変形を抑制するリブとして作用し、アッパピンからロアリンクに荷重が入力された際のアッパピン用ピンボス部の変形、特に荷重方向にピンボアが引き伸ばされ楕円形になる変形が抑制され、アッパピンの潤滑不良が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のロアリンクをクランクシャフト軸方向から見た正面図。
【図2】図3のA−A線に沿った断面図。
【図3】この実施例のロアリンクの上面図。
【図4】同じく左側面図。
【図5】同じく右側面図
【図6】コントロールピン用ピンボス部の荷重による変形モードを示す説明図。
【符号の説明】
1…ロアリンク
2…ロアリンクアッパ部品
3…ロアリンクロア部品
7…アッパピン用ピンボス部
9…コントロールピン用ピンボス部
11…クランクピン軸受ハウジング部
16,17…雌ねじ部外形部
18,19…被締結部外形部

Claims (4)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構において、
    上記ロアリンクは、
    上記クランクピンの中心を通る分割面に沿って、アッパピンを含むロアリンクアッパ部品とコントロールピンを含むロアリンクロア部品とに2分割されているとともに、
    クランクシャフトの軸方向から見たときのロアリンクの輪郭形状として
    上記クランクピンが嵌合するクランクピン軸受ハウジング部と、
    上記アッパピンを保持するアッパピン用ピンボス部の外周部と、
    上記コントロールピンを保持するコントロールピン用ピンボス部の外周部と、
    上記ロアリンクアッパ部品と上記ロアリンクロア部品とをボルト締結するために用いられる雌ねじ部および被締結部の外形部と、
    を、直線で繋いだ仮想の最小輪郭形状を有するとともに、
    上記アッパピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分のピストンに近い側の輪郭形状が上記最小輪郭形状よりもロアリンクの外周に向けて凸となるように膨らんだ凸曲線をなし、この凸曲線の頂点が、アッパピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもアッパピンに近い側に存在し、かつ、
    上記コントロールピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受ハウジング部とを繋ぐ部分の、上記コントロールリンクの機関本体側の揺動中心に近い側の輪郭形状が上記最小輪郭形状よりもロアリンクの外周に向けて凸となるように膨らんだ凸曲線をなし、この凸曲線の頂点が、コントロールピン中心とクランクピン中心とを結ぶ線分の垂直二等分線よりもコントロールピンに近い側に存在することを特徴とする内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  2. 上記クランクピン軸受ハウジング部、上記アッパピン用ピンボス部、および上記コントロールピン用ピンボス部、が、各々のピンの同心円筒状をなすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  3. 上記雌ねじ部および上記被締結部の各外形部が、ボルトと同心でかつ直径がボルト座面直径と同一の円筒をクランクシャフトの軸方向から見たときの形状より小さくないことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  4. 上記アッパピン用ピンボス部のクランクピンと反対方向の外周部に、該アッパピン用ピンボス部の軸方向の全長よりも厚さが薄い張り出し部を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
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