JP3882643B2 - 内燃機関の可変圧縮比機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の可変圧縮比機構に関し、特に、クランクピンに取り付けられるロアリンクの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
レシプロ式内燃機関の分野では、機関運転状態に応じて圧縮比を最適なものとするために、圧縮比を変更可能とする種々の形式の可変圧縮比機構が提案されている。その一つとして、特開2000−73804号公報には、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連係した複リンク式の可変圧縮比機構が記載されている。これを簡単に説明すると、シリンダ内に配設されるピストンには、アッパリンクの一端がピストンピンを介して回転可能に連結されている。このアッパリンクの他端は、第1連結ピンを介してロアリンクに回転可能に連結されている。このロアリンクは、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられている。このロアリンクには、コントロールリンクの一端が第2連結ピンを介して回転可能に連結されている。このコントロールリンクの他端は、制御軸の偏心カムに回転可能に取り付けられている。従って、機関運転状態に応じて制御軸をモータにより回転駆動すると、偏心カムからなるコントロールリンクの支持点の位置が変化する。この結果、コントロールリンクによるロアリンクの運動拘束条件が変化して、ピストン上死点位置、ひいては機関圧縮比が変化する。
【0003】
ロアリンクは、クランクピンに後から組み付け可能なように、クランクピンを挟んで本体部とキャップ部とに分割され、これら本体部とキャップ部とは互いにボルトで結合される。上記本体部とキャップ部との間には、円筒状のクランクピン軸受部が形成されている。そして、上記本体部に、第1連結ピンが挿通する第1連結ピン軸受部及び第2連結ピンが挿通する第2連結ピン軸受部が形成されている。各連結ピン軸受部は、各連結ピンをそれぞれ軸方向の両側で支持するように、二股形状をなしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の構成においては、アッパリンクやコントロールリンクから作用する入力荷重が、第1,第2連結ピンを介してロアリンクのクランクピン軸受部に作用する。このとき、二股状に分かれた一対の連結ピン軸受部からそれぞれクランクピン軸受部の軸方向端部に直接的に荷重が作用するので、主にクランクピン軸受部の軸方向端部が大きく変形する。クランクピン軸受部は、主に流体潤滑膜で荷重を支える滑り軸受である。このような滑り軸受においては、軸方向の中央部で油膜圧力が最も高くなり、軸方向の端部では圧力が解放されることから油膜圧力が低い。従って、上述したように円筒状のクランクピン軸受部の軸方向端部が変形すると、油膜圧力で支えることができずに、その軸方向端部とクランクピンの外周面との直接の接触が発生し、摩耗や摩擦が増大する、という不具合がある。
【0005】
この発明は、このような課題に着目してなされたもので、連結ピンからロアリンクの連結ピン軸受部へ作用する入力荷重によって、クランクピン軸受部の軸方向端部に荷重が集中的に作用することを抑制し、クランクピン軸受部の軸方向端部における変形、ひいてはこれに起因する摩耗や摩擦を効果的に低減できる新規な内燃機関の可変圧縮比機構を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る可変圧縮比機構は、一端がピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、このアッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が連結されるとともに、他端が内燃機関本体に対して揺動可能に支持されるコントロールリンクと、を有し、支持位置可変手段により上記コントロールリンクの他端の位置を内燃機関本体に対して変位させることにより、機関圧縮比を変更する。
【0007】
上記ロアリンクは、互いに平行なクランクピン軸受部,第1連結ピン軸受部,及び第2連結ピン軸受部の他、これらの軸受部よりも軸方向長さの短い中央連結部を有している。この中央連結部は、上記第1,第2連結ピン軸受部の少なくとも一方の軸方向中央部と、クランクピン軸受部の軸方向中央部とを連結している。典型的には、この中央連結部を介してのみ、上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部が、上記クランクピン軸受部と連結されている。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、連結ピン軸受部に加わる荷重が、中央連結部を介してクランクピン軸受部へ作用するため、クランクピン軸受部の軸方向両端部への荷重の集中が緩和される。従って、このクランクピン軸受部の軸方向両端部の変形が抑制され、この変形に起因する摩擦・摩耗を軽減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構を示す概略構成図である。シリンダブロック5に形成されるシリンダ6内には、ピストン1が摺動可能に配設されている。このピストン1には、アッパリンク11の一端がピストンピン2を介して回転可能に連結されている。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12を介してロアリンク13A(13)に回転可能に連結されている。このロアリンク13Aは、クランクシャフト3のクランクピン4の外周に回転可能に取り付けられている。ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7によりシリンダブロック5へ回転可能に取り付けられている。
【0010】
ロアリンク13Aにはコントロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回転可能に連結されている。このコントロールリンク15の他端(支持中心)16は、固定体としてのシリンダブロック5のような内燃機関本体に対して揺動可能に支持されており、かつ、圧縮比の変更時には、支持位置可変手段17によって、内燃機関本体に対して変位させられる。
【0011】
この支持位置可変手段17は、圧縮比の変更時に軸周りに回転駆動される制御軸18と、この制御軸18に偏心して固定的に設けられた円形の制御カム19と、を有している。この制御カム19の外周に、コントロールリンク15の他端が回転可能に取り付けられている。制御軸18は、クランクシャフト3と平行に気筒列方向に延在し、かつ、上記のクランク軸受ブラケット7及び制御軸受ブラケット8により回転可能に支持されている。
【0012】
従って、圧縮比の変更時に、図外のアクチュエータ等により制御軸18を回転駆動すると、コントロールリンク15の支持中心16となる制御カム19の軸心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク15によるロアリンク13Aの運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1のストローク行程が変化し、機関圧縮比が変更される。
【0013】
図2〜10は、本発明に係るロアリンクの第1実施形態を示している。このロアリンク13Aは、3つの部材、つまり第1部材71,第2部材72及び第3部材73により大略構成されており、かつ、クランクピン4が挿通するほぼ円筒状のクランクピン軸受部74と、このクランクピン軸受部74に平行で、かつ第1連結ピン12が挿通する二股状の第1連結ピン軸受部75と、クランクピン軸受部74に平行で、かつ第2連結ピン14が挿通するほぼ円筒状の第2連結ピン軸受部76と、を有している。第1部材71には、クランクピン軸受部74の周方向半分74aと、第2連結ピン軸受部76と、が一体的に形成されている。第2部材72には、クランクピン軸受部74の残りの周方向半分74bが一体的に形成されている。第3部材73には、第1連結ピン軸受部75が一体的に形成されている。これら3つの部材71,72,73は、3本のボルト、すなわち2本の第1取付ボルト77及び第2取付ボルト78と、一本の補助取付ボルト79と、により、主として第1部材71と第3部材73とで第2部材72をクランクピンの軸直交方向で挟み込むように、クランクピンの軸直交方向に共締め固定される。
【0014】
第1部材71及び第2部材72には、ほぼ一定の軸方向長さL1を有する中央連結部80が形成されている。中央連結部80は、クランクピン軸受部74の軸方向中央部を環状に囲うように、クランクピン軸受部74の軸方向中央部を部分的に径方向へ厚肉化した中央厚肉部であり、クランクピン軸受部74と一体的に形成されている。図5及び図6にも示すように、この中央連結部(中央厚肉部)80の軸方向長さL1は、クランクピン軸受部74の軸方向長さL2、第1連結ピン軸受部75の軸方向長さL3、及び第2連結ピン軸受部76の軸方向長さL4のいずれよりも短い。この中央連結部80を介してのみ、第1連結ピン軸受部75及び第2連結ピン軸受部76が、クランクピン軸受部74と連結されている。
【0015】
詳しくは、図5及び図9(B)に示すように、中央連結部80のみにより、クランクピン軸受部74の軸方向中央部と、第2連結ピン軸受部76の軸方向中央部と、が連結されている。つまり、クランクピン軸受部74と第2連結ピン軸受部76との間には、中央連結部80しか存在しておらず、この中央連結部80を除いてクランクピン軸受部74と第2連結ピン軸受部76とは接触していない。従って、図9(B)に示すように、第2連結ピン軸受部76からの荷重が中央連結部80を経由して主にクランクピン軸受部74の軸方向中央部へ作用する。このため、クランクピン軸受部74の軸方向両端部に荷重が局所的に集中することがなく、仮想線74aで示すように、この軸方向両端部の変形が充分に抑制される。この結果、クランクピン4との直接的な接触が抑制され、これに起因する摩擦、摩耗が抑制される。クランクピン軸受部74の軸方向中央部へ作用する荷重は、この軸方向中央部で最も大きくなる油膜圧力によって効果的に支えることができる。一方、図9(A)に示す第1比較例のように、クランクピン軸受部74’と連結ピン軸受部76’との間に、軸方向長さの短い中央連結部が存在しない場合には、連結ピン軸受部76’の軸方向両端部に加わる荷重が、直接的にクランクピン軸受部74’の軸方向両端部に作用するため、仮想線74a’で示すように、このクランクピン軸受部74’の軸方向両端部が大きく変形してクランクピン4と接触し易くなってしまう。
【0016】
図1〜8を参照して、第1連結ピン軸受部75が形成された第3部材73は、クランクピン軸受部74と直接的に接触しておらず、クランクピン軸受部74の周囲に形成された中央連結部80を介してクランクピン軸受部74と接続されている。従って、第1連結ピン軸受部75に加わる荷重は中央連結部80を経由してクランクピン軸受部74の軸方向中央部へ作用する。このため、クランクピン軸受部74の軸方向両端部に荷重が局所的に集中することがなく、この部分の変形が充分に抑制される。
【0017】
第1連結ピン軸受部75が形成された第3部材73が、クランクピン軸受部74が形成された第1部材71及び第2部材72と別部材となっているため、両軸受部74,75を1つの部材に一体的に形成する場合に比して、両軸受部74,75間を伝達する荷重の集中が緩和される。
【0018】
特に、図4及び図5に示すように、クランクピン軸受部74と第1連結ピン軸受部75とが互いに対向する領域では、クランクピン軸受部74が形成された第2部材72と第1連結ピン軸受部75が形成された第3部材73とが、上記の中央連結部80を含めて完全に非接触となっている。従って、第1連結ピン軸受部75に加わる荷重は、両軸受部74,75が対向する領域から外れた位置にある第3部材73と第1,第2部材71,72との接触・結合部分を経由して、クランクピン軸受部74の周囲に形成された中央連結部80へ伝わり、この中央連結部80からクランクピン軸受部74へ作用する。従って、上述した荷重の集中を更に確実に緩和することができる。
【0019】
言い換えると、第1連結ピン軸受部75及び第2連結ピン軸受部76のうち、クランクピン軸受部74に対する軸間距離が短く、クランクピン軸受部74への荷重が集中し易い第1連結ピン軸受部75を、クランクピン軸受部74が形成された第1,第2部材71,72とは別体の第3部材73に形成している。
【0020】
クランクピン軸受部74が第1部材71と第2部材72とに2分割して形成されているため、クランクピン4に対して後から組み付けることができる。従って、クランクピン4を含めてクランクシャフト3を予め一体的に形成することができ、クランクシャフト3の剛性を高く保つことができる。
【0021】
図4を参照して、第1取付ボルト77及び第2取付ボルト78は、クランクピン軸受部74を挟んで両側に配置され、このクランクピン軸受部74を構成する一対の分割部(周方向部分)74a,74bの合わせ面82を横切って軸直交方向へ延び、これらクランクピン軸受部74の分割部74a,74bを結合する機能を有している。これらの取付ボルト77,78を利用して、主に3つの部材71,72,73が共締め固定されている。より具体的には、第1取付ボルト77は、第2部材72の一部83を貫通し、この第2部材72の一部83を挟み込んだ状態で、第1部材71と第3部材73とを固定している。第2取付ボルト78は、第3部材73の一部84を挟み込んだ部分に隣接する第1部材71と第2部材72とを固定している。つまり、第3部材73の一部84を挟み込むように第1部材71と第2部材72とを固定している。従って、少ないボルト本数で3つの部材71,72,73を強固に共締め固定することができる。
【0022】
図10に示すように、第2部材72の一部85を第3部材73の凹部86へ嵌合することにより、これら第2部材72と第3部材73とを中間組立体87として予め仮に組み立てておくことができる。従って、ロアリンクをクランクピン4へ組み付ける際には、上記の中間組立体87及び第1部材71の2つの部材をボルト77,78,79により互いに結合すれば良く、その組付作業が容易である。
【0023】
図4を参照して、3つのボルト77,78,79の挿入孔77a,78a,79aの全てが、同じ第1部材71の同じ方向(図4の下方向)へ向けて開口している。従って、ロアリンク組付時にボルト77,78,79を同じ方向から挿入して締め付けることができ、その組付作業が容易である。
【0024】
補助取付ボルト79は、第2連結ピン軸受部76の近傍で、第1部材71と第3部材73とを締結している。このように、補助取付ボルト79が第2連結ピン軸受部76の近傍に配置されているため、第2連結ピン軸受部76の剛性及び強度を特に向上することができる。
【0025】
図11は、本発明の第2実施形態に係るロアリンク13を適用した内燃機関の可変圧縮比機構を示す概略構成図である。シリンダブロック5に形成されるシリンダ6内には、ピストン1が摺動可能に配設されており、このピストン1には、アッパリンク11の一端がピストンピン2を介して回転可能に連結されている。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12を介してロアリンク13に回転可能に連結されている。このロアリンク13は、クランクシャフト3のクランクピン4の外周に回転可能に取り付けられている。ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7を用いてシリンダブロック5へ回転可能に取り付けられている。
【0026】
ロアリンク13にはコントロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回転可能に連結されている。このコントロールリンク15の他端(支持中心)16は、固定体としてのシリンダブロック5等の内燃機関本体に対して揺動可能に支持されており、かつ、圧縮比の変更時には、支持位置可変手段17によって、内燃機関本体に対して変位させられる。
【0027】
この支持位置可変手段17は、圧縮比の変更時に軸周りに回転駆動される制御軸18と、この制御軸18に偏心して設けられる円形の制御カム19と、を有しており、この制御カム19の外周にコントロールリンク15の他端が回転可能に取り付けられている。制御軸18は、クランクシャフト3と平行に気筒列方向に延在しており、上記のクランク軸受ブラケット7及び制御軸受ブラケット8により回転可能に支持されている。
【0028】
従って、圧縮比の変更時に、図外のアクチュエータ等により制御軸18を回転駆動すると、コントロールリンク15の支持中心16となる制御カム19の軸心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1のストローク行程が変化し、機関圧縮比が変更される。
【0029】
図12及び図13は、ロアリンク13の構造を示している。このロアリンク13では、クランクピン4を回転可能に支持するクランクピン軸受部材21と、第1連結ピン12及び第2連結ピン14を回転可能に支持する一対の連結ピン軸受部材22,23と、が互いに別体となっている。これらの部材21,22,23は、連結ピン軸受部材22,23によりクランクピン軸受部材21をクランクピン軸方向に挟み込んだ状態で、一対の軸受部材用ボルト24,25によって締結される。
【0030】
図14は、クランクピン軸受部材21の構造を示している。このクランクピン軸受部材21には、クランクピン4が挿通するクランクピン軸受面31が形成されている。軸受強度を確保するため、クランクピン軸受面31を環状に囲む円筒部であるクランクピン軸受部32の軸方向寸法が、他の部分30に比して相対的に長く設定されている。つまり、クランクピン軸受部材21には、クランクピン軸受部32の軸方向中央部分を環状に囲む中央連結部30がクランクピン軸方向に一定の肉厚に形成されており、クランクピン軸受面31の軸方向両端部を構成している。言い換えると、中央連結部30からクランクピン軸受部32が軸方向に突出して形成されている。中央連結部30は周方向の2箇所で耳状に張り出しており、ここに、上記の軸受部材用ボルト24,25が挿通する一対のボルト貫通孔33,34がクランクピン軸方向に貫通形成されている。
【0031】
クランクピン軸受部材21は、クランクピン軸受面31の軸心を通る合わせ面35に沿って一対の分割体36,37に分割されている。すなわち、クランクピン軸受部材21は、後からクランクピン4に組付可能なように、クランクピン4を挟んでボルト結合される一対の分割体36,37から構成されている。従って、各分割体36,37には、それぞれクランクピン軸受部32の半分、及びボルト孔33,34の一方が形成されている。
【0032】
図15は、連結ピン軸受部材22,23の構造を示している。連結ピン軸受部材22及び23は、互いにほぼ同じ形状の板状部材であり、連結ピン軸受部材22,23のそれぞれに、第1連結ピン12が挿通する軸受面を含む第1連結ピン軸受部41と、第2連結ピン14が挿通する軸受面を含む第2連結ピン軸受部42と、が形成されている。また、クランクピン4との干渉,接触を回避する略U字状の一次切欠面43が形成されている。各一次切欠面43には、クランクピン軸受部32との干渉,接触を回避するために、一次切欠面43より更に深く切り欠かれた二次切欠面44が段付き形状に形成されている。更に、連結ピン軸受部材22,23には、軸受部材用ボルト24,25が挿通・嵌合するボルト孔45,46が形成され、一方の連結ピン軸受部材23のボルト孔45,46には、軸受部材用ボルト24,25が螺合するネジ部が形成されている。
【0033】
図12に示すように、軸受部材用ボルト24,25によりクランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを締結した組立状態において、連結ピン軸受部材22,23と、クランクピン軸受部材21とは、このボルト結合部及び軸方向の対向面同士でのみ接触しており、この部分以外では実質的に接触していない。つまり、軸直交方向で両者は実質的に非接触状態に保たれている。より具体的には、クランクピン4の外周と一次切欠面43との間、及びクランクピン軸受部32と二次切欠面44との間には、荷重による多少の変形が起こっても接触しないように、所定のクリアランスが確保されている。
【0034】
図12(a)及び図15に示すように、クランクピンの軸方向視で、クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する軸受部材用ボルト24,25(及びそのボルト孔45,46)の位置が、連結ピン12,14(及びその連結ピン軸受部41,42)の形成位置から離れて配置されている。つまり、両連結ピン軸受部41,42から離れた位置で、クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とが結合されている。
【0035】
より具体的には、上記軸方向視において、クランクピン軸受面31の軸心に対し、第1連結ピン軸受部41のほぼ反対方向の位置に一方のボルト孔46が配置され、第2連結ピン軸受部42のほぼ反対方向の位置に他方のボルト孔45が配置されている。更に言えば、2つの連結ピン軸受部41,42は、合わせ面35を挟んで互いに反対側に配置され、かつ、クランクピン軸受部32との間で三角形状をなすように、合わせ面35の一端部寄り、具体的には略U字形をなす一次切欠面43が開口していない側(図15の上側)に配置されている。この関係で、2つのボルト孔45,46は、合わせ面35を挟んで互いに反対側に配置され、かつ、2つのボルト孔45,46ともに、合わせ面35の他端部寄り、つまり略U字形をなす一次切欠面43の開口部寄り(図15の下側)に配置されている。
【0036】
図17及び図18(b)は本実施形態に係るロアリンク13の構造を示しており、図16及び図18(a)は第2比較例に係るロアリンク60の構造を示している。第2比較例のロアリンク60は、クランクピン軸受部61の軸心を通る合わせ面62に沿って一対の分割体63,64に分割されており、クランクピンを挟んで両分割体63,64を分割体用ボルト67により固定する構成となっている。各分割体63,64には、連結ピンが挿通する軸受部65,66の一方と、上記のクランクピン軸受部61の半分と、がそれぞれ形成されている。これらの図16〜18を参照して、本実施形態の特徴的な作用効果について、第2比較例と比較しつつ説明する。
【0037】
アッパリンクやコントロールリンクからロアリンクに作用する荷重Fu,Fc(図11参照)は、アッパリンクやコントロールリンクのリンク軸方向に沿って入力され、その反力として、ロアリンクからクランクピンへ荷重Fpが作用する。これらの荷重の方向は、ピストン位置や機関運転状態に応じて変化するが、その中で、図16,17に示すように、入力荷重Fuがクランクピン軸受部の方向へ向かって作用する場合について考察する。
【0038】
第2比較例では、第1連結ピンが挿通する軸受部65と、クランクピン軸受部61の半分の双方が、一方の分割体63に一体的に形成されているので、入力荷重Fu(及びFp)が直接的にクランクピン軸受部61の一部に作用し、図16の破線で誇張して示すように、このクランクピン軸受部61が局所的に変形し易い。特に、上記のように一体的に形成されているため、連結ピンの軸受部65がクランクピン軸受部61に近くなると、荷重が更に集中し、局所的な変形量も大きくなる。このようなクランクピン軸受部61の変形は、摺動面形状を変化させるため、クランクピンの摺動状態を悪化させ、摩耗や摩擦の増加をもたらす。一方、本実施形態では、クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とが互いに別体であり、かつ、軸直交方向で両者が非接触状態に保たれているため、上記の入力荷重Fu(及びFc)がクランクピン軸受部32の一部に直接的に作用することはない。つまり、連結ピン軸受部材22,23からクランクピン軸受部材21へ作用する荷重F1,F2は、一対の軸受部材用ボルト24,25の部位に分散される。このF1,F2が作用するボルト孔33,34の部位は、クランクピン軸受面31(軸受部32)から離れているので、クランクピン軸受面31に作用する荷重が周方向に適宜に分散され、図17(c)の破線で誇張して示すように、クランクピン軸受面31の局所的な変形量が第2比較例に比して効果的に軽減される。さらに、荷重F1,F2が作用するボルト孔33,34の部位は、ボルト結合部なので、連結ピン軸受部41,42及びその近傍に比較して剛性が高く、その局部変形量自体も抑制される。よって、クランクピン軸受面31の摺動面形状の局所的な好ましくない変形を抑制し、摺動状態の悪化を防止でき、摩耗や摩擦の増加を防止できる。従って、クランクピン軸受面31が形成されたクランクピン軸受部32は、反力Fpに対する剛性を確保すればよいので、要求される剛性が低くなり、その分、第2比較例に比して軽量化を図ることができる。
【0039】
連結ピン軸受部材22,23のそれぞれに、2つの連結ピン軸受部41及び42の一部を一体的に形成しているため、連結ピン軸受部41,42の位置精度が向上する。
【0040】
クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する2本の軸受部材用ボルト24,25が、分割体36,37の合わせ面35を挟んで互いに反対側に配置されているため、連結ピン軸受部材22,23が、合わせ面35を開こうとする力に対向する支持,強度部材としても機能する。この結果、分割体用ボルト38およびその周りの部位の要求剛性,要求強度が軽減されるので、ロアリンクの軽量化,コンパクト化を図ることができる。
【0041】
第2比較例では、連結ピンの軸受部65,66が形成されたロアリンク60のピンボス部が、アッパリンクやコントロールリンクを挟むように軸方向に二股状に分岐して形成され、かつ、連結ピン軸受部65,66とクランクピン軸受部61との間に上記の中央連結部が形成されていないので、軸受部65,66からの入力荷重Fu,Fcによりクランクピン軸受部61に作用する荷重Fpが、このクランクピン軸受部61の軸方向両端部に集中する傾向にある。そのために、クランクピン軸受部61の軸方向端部が局所的に大きく変形してクランクピンと接触し、摺動状態の低下を招くおそれがある。一方、本実施形態では、入力荷重Fu,Fcが、まず第1,第2連結ピン12,14を介して連結ピン軸受部材22,23に加わり、ここから軸受部材用ボルト24,25を介してクランクピン軸受部材21の中央連結部30に伝達されて、最終的にクランクピン軸受面31に作用する。従って、クランクピン軸受面31の軸方向中央部に主に荷重が作用することとなり、中央連結部30から軸方向両側に突出したクランクピン軸受部32つまりクランクピン軸受面31の軸方向端部には、直接的には荷重が作用しない。そのため、仮想線で示すように、クランクピン軸受面31の両端部における局所的な変形を抑制することができる。なお、図18(b)の符号29は、潤滑油膜を示す。クランクピン軸受面31の軸方向中央部に作用した荷重Fpは、軸方向の中央で最も大となる油膜圧力によって効果的に支えられる。
【0042】
第2比較例では、合わせ面62が形成された分割体63,64に連結ピン軸受部65,66が一体的に形成されており、かつ、分割体36,37の軸中央部を1つの分割体用ボルト67により結合しているため、分割体36,37の合わせ面62に曲げ方向の力が作用し易く、合わせ面62が開くことを防止するには、上記曲げ方向の力に対する剛性も必要となる。その剛性確保のために、更に重量が増大する傾向にある。これに対して本実施形態では、合わせ面35が形成された分割体36,37と連結ピン軸受部41,42が形成された連結ピン軸受部材22,23とが別体であり、ボルト結合部を経由して連結ピン軸受部41,42から合わせ面35へ荷重が伝達・作用するために、分割体用ボルト38のボルト軸線に対する荷重入力方向のずれ(合わせ面35に作用する曲げ方向の力)が非常に小さい。従って、剛性が確保し易く、第2比較例に比して軽量化を図ることができる。
【0043】
本実施形態では、一対の連結ピン軸受部材22,23が互いにほぼ同じ形状の平板状に形成されているため、加工、作成が容易であり、コストの低減化を図ることができる。また、各連結ピン軸受部材22,23をスチール材(鋼板)の鍛造により成形することで、十分な硬度を保った上で、軽量に作成できる。クランクピン軸受部材21は、材質自体の強度よりもクランクピン軸受面における構造上の剛性を確保する必要性がある関係で、スチール材よりも強度は低下するが、焼結合金や鋳鉄により成形することが望ましい。これにより、形状の自由度が高くなり、所望の剛性を確保しつつコンパクト化,軽量化を図れる。
【0044】
クランクピン軸受部材21を挟んで2つの連結ピン軸受部材22,23を軸方向に共締め固定する構造としているため、連結ピン軸受部材22,23に形成される連結ピン軸受部41,42を後から連結ピン12,14の両端に嵌合させることができ、連結ピン12,14をアッパリンク11やコントロールリンク15に予め一体的に形成することが可能となる。従って、連結ピンを後から圧入する場合に比して、圧入による応力増加が解消され、作業性が向上するとともに、重量の軽減化を図ることができる。
【0045】
クランクピン軸受部材21を一体的に成形した状態で、合わせ面35で破断させて分割体36,37に分割させる製造方法を採用することにより、位置決めピン等を用いることなく安価に、かつ、精度良く分割体36,37を製造することができる。
【0046】
上述したように第2比較例に比してクランクピン軸受面31に対する要求剛性・要求強度が抑制されるため、クランクピン軸受部材21に用いる材料の選択の自由度が大きい。従って、クランクピン軸受面31を形成する軸受用の合金と同じ材料でクランクピン軸受部材21の他の部分を成形することも可能となる。従って、クランクピン軸受面31に別途軸受メタル等を取り付ける必要がなく、簡素化及び低コスト化を図れる。
【0047】
ロアリンク13を構成する複数の部材をボルトで結合する構成となっているため、ロアリンク13を構成する全ての部材を一旦仮組みした状態で軸受面の最終加工を行い、再びボルトを外して分解した後、エンジンのクランクピン4へ実際に組み付けることで、各軸受面の精度を容易に向上することができる。なお、上記加工用の仮組み時と実際のエンジンへの組み付け時とで同じボルトを使用できる。ボルト結合部が2箇所以上あることで、それぞれの結合部の要求強度,剛性が比較的低く抑制される。
【0048】
クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する軸受部材用ボルト24,25がクランクピン軸方向に沿って配置されているので、これらのボルトに作用する引っ張り方向の荷重を著しく低減できる。このことにより、ボルト径を低減でき、更なる軽量化が可能となる。
【0049】
クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する軸受部材用ボルト24,25に作用する荷重は、部位により異なるため、要求強度等に応じてボルト径(太さ)を異ならせることにより、所望の強度等を確保しつつ、更なる軽量化を図ることができる。この実施形態では、燃焼荷重が作用するアッパリンクからの入力荷重Fuがコントロールリンクからの入力荷重Fcに比して大きい傾向にあるため、第1連結ピン軸受部41に近い軸受部材用ボルト24及びそのボルト孔33,45を、第2連結ピン軸受部42に近い軸受部材用ボルト25及びそのボルト孔34,46よりも大径に設定している(図13)。
【0050】
図17(a)にも示すように、クランクピン軸方向視でクランクピン軸受部と2つの連結ピン軸受部とが三角形状をなすように配置されていると、連結ピン12,14及びそのピンボス部、すなわちアッパリンク11やコントロールリンク15のピンボス部を含めた実質的なロアリンクの重心が、クランクピン軸受面の軸心に対し、連結ピン軸受部の方向(図17の上方向)へ離れる傾向にある。ここで、ロアリンクの運動は、リンク自身の自転運動を含むため、上記の実質的なロアリンクの重心位置が、クランクピン軸受面の軸心から離れると、エンジン回転よりも高次の成分を持った慣性力を発生する。エンジン回転の1次成分は、多気筒化によって容易に打ち消せるが、高次成分は打ち消すことが困難で、エンジン振動を招いてしまう。本実施形態では、ボルト24,25の結合位置をクランクピン軸受面31の軸心に対して連結ピン軸受部41,42とほぼ反対側に配置しているため、連結ピン軸受部41,42が形成されていない側、つまり図17(a)で下側寄りの部分の重量が必然的に増加する。この結果、不必要に重量を増加させることなく、実質的なロアリンクの重心をクランクピン軸受面31の軸心に近づけて、上記のエンジン振動を有効に抑制することができる。
【0051】
上記実質的なロアリンクの重心位置はロアリンク単体での重心位置よりもクランクピン軸受面31の軸心に近くなるように設定されている。詳しくは、上記実質的なロアリンクの重心位置が、クランクピン軸受面31の軸心にほぼ一致するように、ロアリンク単体での重心位置が、クランクピン軸受面31の軸心よりも連結ピン軸受部41,42から遠い側(図17(a)の下側)に設定されている。
【0052】
図19は、本発明の第3実施形態を示している。なお、上記第2実施形態と重複する部分については説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
【0053】
この第3実施形態では、クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する軸受部材用ボルト54,55が、クランクピン軸受部材21の分割体36,37を互いに結合する機能を兼ね備えた兼用ボルトとなっている。つまり、クランクピン軸受部材21を構成する分割体36,37の下部には、部分的に軸方向へ張り出したボルト用ボス部50が形成されている。これらのボス部50は、組付状態で連結ピン軸受部材22,23の一次切欠面43に嵌合する。各ボス部50には、軸受部材用ボルト54,55が挿通する一対のボルト孔51が合わせ面35を横切って軸直交方向に貫通形成されている。また、分割体36,37の上部には、分割体用ボルト38が挿通するボルト孔が形成されており、この分割体用ボルト38と上記の軸受部材用ボルト54,55とにより、分割体36,37が互いに結合される。
【0054】
各連結ピン軸受部材22,23には、軸受部材用ボルト54,55が挿通する一対のボルト孔52が軸直交方向に貫通形成されている。なお、各ボルト孔52の一部53には、分割体用ボルト38に螺合するネジ部が形成されている。上記のボルト孔52と連結ピン軸受部41,42とはクランクピン軸受面31の軸心に対してほぼ反対側の部位(対称位置)に配置されている。
【0055】
この第3実施形態によれば、上記第2実施形態とほぼ同様の作用効果が得られることに加え、クランクピン軸受部材21と連結ピン軸受部材22,23とを結合する軸受部材用ボルト54,55が、分割体36,37の下端部同士を結合する機能を兼用しているため、その分、部品点数が削減され、軽量化及び低コスト化等を図ることができる。
【0056】
図20〜図24は第4実施形態を示している。軸受部材用ボルト26は、クランクピン軸受部材21の一方の第1分割体36を挟んで、2つの連結ピン軸受部材22,23を軸方向に共締め固定している。このボルト26で第1の分割体36と連結ピン軸受部材22,23とを仮固定した状態で、第1の分割体36に形成される軸受面31の一部(半円弧部分)と、連結ピン軸受部材22,23の略U字状をなす切欠面43,44とが、同じ方向(図21の下側)へ向けて開放している。従って、上記の第2,第3実施形態と合わせ面35の向きがほぼ90°異なっている。上記の軸受部材用ボルト26は、第1連結ピン軸受部41と第2連結ピン軸受部42とのほぼ中間に位置している。この軸受部材用ボルト26に対応して、連結ピン軸受部材22,23に、ボルト貫通孔47aおよびネジ孔47bが付加的に形成され、かつ第1の分割体36に、ボルト貫通孔39が形成されている。
【0057】
4本の軸受部材用ボルト54,55は、クランクピン軸受部材21の第2分割体37と連結ピン軸受部材22,23とを締結している。これらのボルト54,55は、分割体36,37の合わせ面35に強い圧縮方向の力が作用するように、ほぼ合わせ面35に直交する方向に沿って配置されており、実質的に第1分割体36と第2分割体37とを結合する機能を兼ね備えた兼用ボルトである。これら兼用ボルト54,55に対応して、第2分割体37の中央連結部30には、部分的に軸方向へ張り出したボルト用ボス部50が形成され、各ボス部50にボルト孔51が貫通形成されているとともに、連結ピン軸受部材22,23にネジ孔53(図22参照)が形成されている。
【0058】
上述したように、第1分割体36に形成されるクランクピン軸受面31の一部と切欠面43,44とが同じ方向へ開放しているため、軸受部材用ボルト26により連結ピン軸受部材22,23と第1分割体36とを中間組立体として予め固定しておくことができる。従って、最終的にロアリンク13をクランクピンへ組み付ける際には、クランクピン4を挟んで上記の中間組立体と第2分割体37とを兼用ボルト54,55で締結すればよく、その組付作業性が著しく向上する。兼用ボルト54,55を締め付けることにより、第2分割体37が連結ピン軸受部材22,23に固定されるとともに、これら連結ピン軸受部材22,23に固定された第1分割体36と第2分割体37との合わせ面35に強い圧縮方向の力が作用する。
【0059】
図23(a)に示すように、クランクピン軸方向視で、連結ピン軸受部材22,23のそれぞれに対し、2本の兼用ボルト54及び55がクランクピン軸受面31の両側に配設され、これら兼用ボルト54,55と上記の軸受部材用ボルト26とが三角形状にクランクピン軸受部32を囲うように配置されている。従って、クランクピン軸受部32の周囲の剛性を有効に向上することができる。
【0060】
上記のクランクピン軸方向視で、第1連結ピン軸受部41が、実質的に、この第1連結ピン軸受部41に近い一方の兼用ボルト54と、軸受部材用ボルト26と、の間に配置され、これら3点41,54,26が三角形をなすように配置されている。従って、第1連結ピン12から加わる荷重を主に軸受部材用ボルト26と一方の兼用ボルト54とで効果的に支えることができ、反対側の兼用ボルト55に過大なモーメントが作用することはない。同様に、第2連結ピン軸受部42が実質的に軸受部材用ボルト26と他方の兼用ボルト55との間に配置され、これら3点が三角形をなすように配置されているため、第2連結ピン14から加わる荷重を主に軸受部材用ボルト26と兼用ボルト55とで効果的に支えることができ、反対側の兼用ボルト54に過大なモーメントが作用することはない。
【0061】
図25〜27は第5実施形態を示している。第2分割体37には、兼用ボルト54,55により連結ピン軸受部材22,23に固定される4つのボス部50が形成されている。そして、第1分割体36に、延長ボス部56が形成されている。この延長ボス部56は、第1連結ピン軸受部41に近い方の兼用ボルト54が挿通するボルト孔56aを有し、この兼用ボルト54によって第2分割体37のボス部50aとともに連結ピン軸受部材22,23に共締め固定される。図27にも示すように、第1分割体36の中央連結部30には、合わせ面35を越えて周方向に延びる延長部57が形成され、この延長部57の先端に、上記の延長ボス部56が形成されている。第2分割体37には、上記の延長部57が嵌合する切欠部58が凹設されている。
【0062】
このように、兼用ボルト54により第1分割体36の延長ボス部56を第2分割体37のボス部50aとともに連結ピン軸受部材22,23へ固定することによって、合わせ面35における第1分割体36と第2分割体37との結合力を更に高めることができ、分割体36,37の口開きをより確実に防止できる。
【0063】
この実施形態では、軸受部材用ボルト26が、主としてアッパリンク11との干渉を回避するために、第2連結ピン軸受部42寄りに配置され、第1連結ピン軸受部41から相対的に遠い。この関係で、第1分割体36の中でも、第1連結ピン軸受部41に近い部分59の剛性を確保し難く、この部分59が変形し易い。そこで、特に剛性が要求される部分59に近い側にのみ、上記の延長ボス部56を形成している。
【0064】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形、変更を含むものである。例えば、上記の延長ボス部を必要に応じてクランクピン軸受部の両側に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るロアリンクを適用した内燃機関の可変圧縮比機構の全体構成図。
【図2】第1実施形態のロアリンクを単体で示す斜視図。
【図3】第1実施形態のロアリンクを示す分解斜視図。
【図4】第1実施形態のロアリンクを軸方向中央部で切断した断面図。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図。
【図6】図4のB−B線に沿う断面図。
【図7】図4のC−C線に沿う断面図。
【図8】図4のD−D線に沿う断面図。
【図9】第1比較例(A)及び第1実施形態(B)に係るロアリンクの荷重伝達の説明図。
【図10】第1実施形態のロアリンクの組立手順を説明するための斜視図。
【図11】本発明の第2実施形態に係るロアリンクを適用した内燃機関の可変圧縮比機構を示す全体構成図。
【図12】第2実施形態のロアリンクを示す正面図(a)、上面図(b)、左側面図(c)、及び右側面図(d)。
【図13】第2実施形態のロアリンクを示す分解斜視図。
【図14】第2実施形態のクランクピン軸受部材のみを示す正面図(a)および右側面図(b)。
【図15】第2実施形態の一対の連結ピン軸受部材の詳細を示す正面図(a),(c)および背面図(b),(d)。
【図16】第2比較例に係るロアリンクを示す正面図(a)及び上面図(b)。
【図17】第2実施形態に係るロアリンク(a)、連結ピン軸受部材(b)、及びクランクピン軸受部材(c)における荷重伝達の説明図。
【図18】第2比較例(b)及び第2実施形態(a)のロアリンクにおける荷重伝達の説明図。
【図19】本発明の第3実施形態に係るロアリンクを示す分解斜視図。
【図20】本発明の第4実施形態に係るロアリンクを適用した内燃機関の可変圧縮比機構を示す全体構成図。
【図21】第4実施形態のロアリンクを示す分解斜視図。
【図22】第4実施形態の一対の連結ピン軸受部材を示す正面図(a)、背面図(b)、及び下面図(c)。
【図23】第4実施形態のロアリンクを示す正面図(a)、上面図(b)、左側面図(c)、及び右側面図(d)。
【図24】第4実施形態のクランクピン軸受部材を示す正面図(a)および右側面図(b)。
【図25】本発明の第5実施形態に係るロアリンクを示す分解斜視図。
【図26】第5実施形態のロアリンクを示す正面図(a)、上面図(b)、左側面図(c)、及び右側面図(d)。
【図27】第5実施形態のクランクピン軸受部材を示す正面図(a)、右側面図(b)、及び分解正面図(c)。
【符号の説明】
1…ピストン
2…ピストンピン
3…クランクシャフト
4…クランクピン
11…アッパリンク
12…第1連結ピン
13…ロアリンク
14…第2連結ピン
15…コントロールリンク
17…支持位置可変手段
71…第1部材
72…第2部材
73…第3部材
74…クランクピン軸受部
75…第1連結ピン軸受部
76…第2連結ピン軸受部
Claims (28)
- 一端がピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
このアッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、
このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が連結されるとともに、他端が内燃機関本体に対して揺動可能に支持されるコントロールリンクと、
圧縮比の変更時に、上記コントロールリンクの他端の位置を内燃機関本体に対して変位させる支持位置可変手段と、
を有する内燃機関の可変圧縮比機構において、
上記ロアリンクは、
上記クランクピンが挿通するクランクピン軸受部と、
このクランクピン軸受部に平行で、上記第1連結ピンが挿通する第1連結ピン軸受部と、
上記クランクピン軸受部に平行で、上記第2連結ピンが挿通する第2連結ピン軸受部と、
上記クランクピン軸受部及び第1,第2連結ピン軸受部のいずれよりも軸方向長さの短い中央連結部と、を有し、
この中央連結部は、上記第1,第2連結ピン軸受部の少なくとも一方の軸方向中央部と、上記クランクピン軸受部の軸方向中央部とを連結していることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部は、上記中央連結部を介してのみ、上記クランクピン軸受部と連結されている請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部の一方と上記クランクピン軸受部の少なくとも周方向一部とが一体的に形成された第1の部材を有する請求項2に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部の一方と上記クランクピン軸受部の周方向一部とが一体的に形成された第1の部材と、
上記クランクピン軸受部の残りの周方向一部が形成された第2の部材と、
上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部の他方が形成された第3の部材と、を有し、
上記第3の部材に形成された連結ピン軸受部が、上記第1の部材に形成された連結ピン軸受部に比して、上記クランクピン軸受部に対する軸間距離が短い請求項2に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記第1,第2及び第3の部材から選ばれた2つの部材で残る1つの部材の少なくとも一部をクランクピンの軸直交方向で挟み込むように、上記第1,第2及び第3の部材を固定する固定手段を有する請求項4に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記固定手段は、上記第1,第2及び第3の部材をクランクピンの軸直交方向に共締め固定する第1のボルト及び第2のボルトを有する請求項5に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1のボルトは、上記第2の部材の一部を挟み込むように、上記第1の部材と第3の部材とを固定する請求項6に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第2のボルトは、上記第3の部材の一部を挟み込むように、上記第1の部材と第2の部材とを固定する請求項7に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1の部材と第3の部材とを固定する第3のボルトを有する請求項6〜8のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1のボルトの挿入孔及び上記第2のボルトの挿入孔の双方が、ほぼ同じ方向へ開口している請求項6〜8のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記ロアリンクは、上記クランクピン軸受部が形成されたクランクピン軸受部材と、上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部が形成された連結ピン軸受部材と、を有し、
これらクランクピン軸受部材と連結ピン軸受部材とは、互いに別体である請求項2に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記ロアリンクは、上記クランクピン軸受部が形成されたクランクピン軸受部材と、上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部が形成された連結ピン軸受部材と、から構成されており、
上記中央連結部が、上記クランクピン軸受部材に一体的に形成され、
上記連結ピン軸受部材が、上記中央連結部に結合されているとともに、上記クランクピン軸受部と非接触となっている請求項2に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記連結ピン軸受部材は、上記クランクピンの軸方向で上記クランクピン軸受部材を挟み込む一対の板状部材からなる請求項11又は12に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 各板状部材のそれぞれに、上記第1連結ピン軸受部の一部と第2連結ピン軸受部の一部とが形成されている請求項13に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材と連結ピン軸受部材とが、複数の軸受部材用ボルトによって結合されている請求項11〜14のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記複数の軸受部材用ボルトは、要求される強度に応じて太さが異なる請求項15に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記連結ピン軸受部材がスチール材の鍛造により成形され、上記クランクピン軸受部材が焼結合金により成形される請求項11〜16のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記連結ピン軸受部材がスチール材の鍛造により成形され、上記クランクピン軸受部材が鋳鉄により成形される請求項11〜16のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材が、上記クランクピンの軸受面を形成する合金と同じ材料により成形されている請求項11〜18のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1,第2連結ピン及びそのピンボス部を含めたロアリンクの実質的な重心位置が、上記ロアリンク単体での重心位置に比して、上記クランクピン軸受部の軸心に近い請求項11〜19のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材は、上記クランクピン軸受部の軸心に沿う合わせ面により一対の分割体に分割されている請求項11〜20のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材と連結ピン軸受部材とを結合する複数の軸受部材用ボルトの少なくとも一つが、上記一対の分割体を互いに結合する機能を兼用する兼用ボルトである請求項21に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記連結ピン軸受部材が、上記クランクピンの軸方向で上記クランクピン軸受部材を挟み込む一対の板状部材からなり、
上記分割体の少なくとも一方に、クランクピン軸方向へ突出するボルト用ボス部が形成され、
このボルト用ボス部と上記板状部材とが上記兼用ボルトにより結合される請求項22に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記板状部材のそれぞれに、クランクピンとの接触を回避する切欠面が形成され、
上記複数の軸受部材用ボルトの少なくとも一つが、上記一対の分割体の一方である第1の分割体に形成されるクランクピン軸受部の一部と上記切欠面とが同じ方向へ向けて開放するように、上記一対の板状部材と第1の分割体とを固定し、上記ボルト用ボス部が、上記一対の分割体の他方である第2の分割体に形成されている請求項23に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。 - 上記兼用ボルトが、一つの板状部材に対し、上記クランクピン軸受部の両側にそれぞれ設けられている請求項23又は24に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記第1の分割体に、上記兼用ボルトによって上記ボルト用ボス部とともに上記板状部材に共締め固定される延長ボス部が形成されている請求項24又は25に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材と連結ピン軸受部材とは、上記クランクピン軸受部の軸心に対して、上記第1連結ピン軸受部及び第2連結ピン軸受部と略反対方向の位置で結合されている請求項11〜21のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
- 上記クランクピン軸受部材と連結ピン軸受部材とを結合する複数の軸受部材用ボルトの全てが、クランクピンの軸方向に沿って上記クランクピン軸受部材を貫通している請求項27に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
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