JP2018091430A - 内燃機関のバランス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドの変形を要因としたフリクションなどの不都合が発生することを抑制もしくは回避することができる内燃機関のバランス装置を提供する。
【解決手段】バランス軸と、そのバランス軸6と一体となって回転する偏心ウェイト7と、バランス軸6の回転中心6aを挟んで偏心ウェイト7の反対側の位置にバランス軸6の半径方向に向けて形成された摺動溝18と、一方の端部がクランク軸2の回転中心2aから偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッド10と、摺動溝18に挿入され、かつロッド10の他方の端部にバランス軸6に向けて突出した軸部17とを備え、軸部17が挿入された摺動溝18の溝幅18bが、軸部17の軸線方向でロッド10側よりバランス軸6側の方が大きくなるように形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、ピストンの往復運動に起因する振動を打ち消すための加振力を発生する内燃機関のバランス装置に関するものである。
特許文献1には、ピストンの往復運動に起因する振動を抑制することを目的とした内燃機関のバランス装置が記載されている。この特許文献1に記載されたバランス装置では、それぞれ偏心バランスウェイトを備えた2本のバランス軸および中間軸が、レシプロ式の内燃機関のクランク軸と平行に配置されており、それら2本のバランス軸の間に設けられた歯車機構により、2本のバランス軸が互いに逆方向へ同じ回転数で回転する。また、クランク軸と中間軸との間に設けられた歯車機構により、クランク軸から中間軸へ回転数が2倍に増速されてトルクが伝達される。そして、この特許文献1に記載されたバランス装置は、2本のバランス軸のうちいずれか一方のバランス軸と中間軸との間に、偏心歯車や楕円歯車などを用いた不等速歯車機構が設けられており、バランス軸が中間軸と同じ回転数でかつ不等速で回転するように構成されている。
特開2010−169045号公報
上記の特許文献1に記載されたバランス装置では、不等速歯車機構を用いてバランス軸を回転させることにより、ピストン・クランク機構から生じる振動の起振力とほぼ逆位相の加振力を発生することができ、それら起振力と加振力とをつり合わせることができる。すなわち、バランス装置で発生する加振力により、内燃機関の起振力を打ち消すことができる。そのため、特許文献1に記載されたバランス装置によれば、ピストンの往復運動に起因する内燃機関の振動を有効に抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されたバランス装置のように、バランス軸を駆動するための動力伝達に歯車を用いる場合は、クランク軸とバランス軸との間の距離が長いと、歯車の大径化や歯車機構の大型化を招いてしまう。その結果、内燃機関の小型化・軽量化を妨げてしまう。また、動力伝達に歯車を用いることにより、歯車の歯打ち音や噛み合い音に起因する騒音が発生してしまう。そこで、本願出願人は、特願2016−099067において、機構学上のスライダ・クランク機構や両クランク機構などのリンク装置を応用し、1本のロッド(連接棒)を用いてバランス軸を駆動するように構成したバランス装置を提案している。特にスライダ・クランク機構を利用したバランス装置は、クランク軸とそのロッドとによりスライダ・クランク機構を構成しており、すなわち、シリンダブロックには、バランス軸の回転軸線とクランク軸の回転軸線とを結ぶ直線に沿った摺動溝が形成され、ロッドの長手方向における中央部分には、上記の摺動溝に係合する突起部が形成されている。したがって、クランク軸が回転すると、ロッドの中央部分が、摺動溝に沿ってバランス軸の回転軸線とクランク軸の回転軸線とを結ぶ直線上を往復動する。このスライダ・クランク機構を用いたバランス装置によれば、上記の特許文献1に記載されたバランス装置のような歯車機構や不等速歯車機構を使用しないので、内燃機関の小型軽量化を妨げることなく、また、内燃機関の静粛性を低下させることなく、内燃機関の振動を効果的に抑制することができる。
一方、上記のようなバランス装置は、クランク軸の回転によりロッドの中央部分が往復動し、そのロッドのバランス軸側の端部が回転運動することで、バランス軸にトルクを作用するように構成されている。バランス軸には、偏心ウェイトが連結されているため、その慣性は比較的大きくなる。したがって、ロッドのバランス軸に連結された端部には、バランス軸と偏心ウェイトとの慣性に応じた比較的大きな反力が作用することになる。つまり、ロッドには、曲げ荷重が作用する。また、バランス軸とロッドとの取り付け部は相対回転するため、軸受や円筒軸を設けることになる。さらに、このようなリンク装置は複数の回転部分や可動部分を有するため、実際の構造では回転部分や可動部分のそれぞれに不可避的な隙間(クリアランス)が設けられている。したがって、上述したような曲げ荷重によってロッドが変形する場合には、例えば、円筒軸の軸心がずれたり、もしくは、可動部分の軌道のずれが発生する。そのような軸心や軌道のずれが発生すると、フリクションの増大、あるいはバランス軸に対して円筒軸が片当たりするなどの不都合が発生し、ひいてはスライダ・クランク機構の耐久性が低下するおそれがある。
この発明は、上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、ロッドの変形を要因としたフリクションなどの不都合が発生することを抑制もしくは回避することができる内燃機関のバランス装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力する内燃機関に設けられ、前記内燃機関の振動を打ち消す加振力を発生して前記振動を抑制する内燃機関のバランス装置において、前記クランク軸と平行に配置され、かつ回転自在に支持されたバランス軸と、重心の位置が前記バランス軸の回転中心から偏心しているとともに前記バランス軸と一体となって回転する偏心ウェイトと、前記バランス軸の前記回転中心を挟んで前記偏心ウェイトの反対側の位置に前記バランス軸の半径方向に向けて形成された摺動溝と、一方の端部が前記クランク軸の回転中心から偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッドと、前記摺動溝に挿入され、かつ前記ロッドの他方の端部に前記バランス軸に向けて突出した軸部とを備え、前記軸部が挿入された前記摺動溝の溝幅が、前記軸部の軸線方向で前記ロッド側より前記バランス軸側の方が大きくなるように形成されていることを特徴とするものである。
この発明の内燃機関のバランス装置によれば、ロッドの一方の端部がクランク軸における回転中心に対して偏心している位置に連結され、ロッドの中央部分がガイド溝の長手方向に沿って摺動できるように構成されている。すなわち、このバランス装置は、スライダ・クランク機構を用いて構成されている。また、ロッドの他方の端部は、バランス軸に取り付けられており、ロッドの他方の端部の回転運動によりバランス軸を回転させるように構成されている。そして、バランス軸の回転中心を挟んで偏心ウェイトと反対の位置にバランス軸の半径方向に向けて摺動溝が形成されており、その摺動溝には、前記ロッドの他方の端部に形成された軸部が挿入されるように構成されている。また、この摺動溝の溝幅は、その軸部の軸線方向においてロッド側よりバランス軸の方がその溝幅が大きくなるように形成されている。つまり、この摺動溝はロッド側からバランス軸側に向けて傾斜面を有している。したがって、軸部が傾斜するようにロッドが変形した場合やロッドが傾いた場合には、軸部もしくは軸部に設けられた軸受や円筒軸と上記の傾斜面が形成された摺動溝とが節点となる。そして、その節点からロッドまでの距離を、例えば摺動溝に傾斜面を設けない場合と比べて短くすることができる。つまり、ロッドに作用するモーメントにおける腕の長さを短くすることができ、その結果ロッドに作用する曲げモーメントを低減することができる。また、このように、ロッドに作用する曲げモーメントを低減することができることにより、軸部や軸部に設けられた軸受や円筒軸の軸芯が傾斜することを抑制することができるため、軸受などが摺動溝に対して片当たりすることを防ぐことができる。さらに併せて、軸芯が傾斜することや上記の曲げモーメントを要因として生じるフリクションの増大やこじりの発生を抑制もしくは回避することができる。
この発明における内燃機関のバランス装置の概略の構成を説明するための図である。 図1に示すバランス装置における円筒軸と摺動溝との構成の一例(第1例)を説明するための図であって、(a)は、ロッドの変形前の状態を示し、(b)は、ロッドの変形後の状態を示すものである。 図1のバランス装置における円筒軸と摺動溝との構成の他の例(第2例)を説明するための図であって、(a)は、ロッドの変形前の状態を示し、(b)は、ロッドの変形後の状態を示すものである。 図1のバランス装置における円筒軸と摺動溝との構成の他の例(第3例)を説明するための図である。 図1のバランス装置における円筒軸と摺動溝との構成に更に緩衝材を設けた一例(第4例)を説明するための図であって、(a)は、ロッドの変形前の状態を示し、(b)は、ロッドの変形後の状態を示すものである。 図1のバランス装置における円筒軸と摺動溝との構成に更に緩衝材を設けた他の例(第5例)を説明するための図であって、(a)は、ロッドの変形前の状態を示し、(b)は、ロッドの変形後の状態を示すものである。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図1に、この発明の実施形態の一例として、エンジン(図示せず)に備え付けたバランス装置1の概略の構成を示してある。この発明の実施形態におけるエンジンは、従来知られている一般的なエンジンであって、ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力するように構成された、いわゆるレシプロ式の内燃機関である。なお、この発明の実施形態では、単気筒もしくは多気筒のいずれの形式の内燃機関であっても対象にすることができる。但し、前掲の特願2016−099067で説明されているように、単気筒の内燃機関は、ピストンを一つしかもたないため、複数のピストンで互いの往復運動の慣性力を打ち消し合うことがない。また、2気筒・4サイクルの内燃機関では、二つのピストンがいずれも同じ位相で往復運動するため、それら二つのピストン同士で互いの往復運動の慣性力を打ち消し合うことがない。したがって、特に、上記のような単気筒の内燃機関、および、2気筒・4サイクルの内燃機関を対象にして、この発明の実施形態におけるバランス装置1でピストンの往復運動による慣性力を打ち消すための加振力を発生することにより、より顕著な制振効果を得ることができる。
図1に示すバランス装置1は、前掲の特願2016−099067に記載されているバランス装置と同様であって、バランス軸の回転速度が不等速となり、バランス軸に一体化された偏心ウェイトの角加速度に応じた加振力が内燃機関の振動に応じた周期で発生するように構成されている。なお、以下の説明において、バランス装置1の制振性能についての詳細な説明は、前掲の特願2016−099067に記載されているため、ここでは、詳細な説明は省略する。
エンジンは、従来周知の構成であり、主要部として、シリンダブロック、ピストン、コンロッド、クランク軸2、および、クランクケースを備えている。ピストンは、シリンダブロックの内部に組み込まれたシリンダに、シリンダの内周面を摺動して往復運動が可能なように挿入されている。また、ピストンは、コンロッドを介してクランク軸に連結されている。なお、以下の説明では、上記の構成のうち、クランク軸2のみを図1に示している。
クランク軸2は、コンロッドが連結されるクランクピン(図示せず)、クランクアーム3、クランク軸2の回転軸として機能するクランクジャーナル4、および、カウンタウェイト5を有している。そのクランク軸2は、シリンダブロックとクランクケースとの間、もしくは、クランクケースに設けられた軸受によって回転自在に支持されている。
クランク軸2のカウンタウェイト5は、重心5aの位置がクランク軸2の回転中心(すなわち、クランクジャーナル4の軸心)2aから偏心している。具体的には、カウンタウェイト5は、その重心5aがクランクジャーナル4を挟んでクランクピンの反対側に位置するように形成されている。カウンタウェイト5は、コンロッドの重量を打ち消すための重量と、ピストンの重量の半分に相当する重量を打ち消すための重量とを合わせた重量を有している。
上記のようなエンジンの振動を抑制するためのバランス装置1が設けられている。この発明の実施形態におけるバランス装置1は、エンジンが運転される際に、ピストンの往復運動に起因する振動の起振力を打ち消す加振力を発生し、エンジンの振動を抑制するように構成されている。具体的には、バランス装置1は、主要部として、上述したクランク軸2に加えてバランス軸6、偏心ウェイト7、第1連接部8、第2連接部9、ロッド10、ガイド溝11、および、スライダ・クランク機構12を備えている。
バランス軸6は、上述したクランク軸2と平行に配置されている。バランス軸6には、バランス軸6と一体となって回転する偏心ウェイト7が取り付けられている。また、バランス軸6には、第2連接部9がバランス軸6と一体となって回転するように取り付けられている。
偏心ウェイト7は、重心7aの位置がバランス軸6の回転中心6aから偏心している。具体的には、偏心ウェイト7は、その重心7aが回転中心6aを挟んで第2連接部9の反対側に位置するように形成されている。偏心ウェイト7は、概ねピストンの重量の半分に相当する重量を打ち消すための重量を有している。なお、偏心ウェイト7と第2連接部9とを一体に成形し、それら偏心ウェイト7および第2連接部9を、バランス軸6に一体となって回転するように取り付けてもよい。
ロッド10は、スライダ・クランク機構12における連接棒として機能し、長手方向における中央部分に支持軸(ピボット)13を備えている。また、その支持軸13には円形のガイド部14が装着され、ロッド10の長手方向における中央部分に形成されたガイド溝11を摺動するように構成されている。ガイド溝11は、例えばシリンダブロックなどの固定部15に形成され、かつクランク軸2の回転中心2aとバランス軸6の回転中心6aとを結ぶ直線に沿って形成されており、支持軸13が、そのガイド溝11に挿入されるように構成されている。
そして、ロッド10は、一方の端部10aが、クランク軸2の回転中心2aから偏心した位置に形成された第1連接部8と相対回転可能に連結されている。また、他方の端部10bが、バランス軸6の回転中心6aから偏心した位置に形成された第2連接部9と相対回転可能に連結されている。具体的には、ロッド10の一方の端部10aには、第1連接部8の軸部16と嵌合する穴が形成されている。また、他方の端部10bには、第2連接部9の軸部17と嵌合する摺動溝18が形成され、その摺動溝18の半径方向において相対移動できるように構成されている。
上記の第1連接部8は、クランク軸2の回転軸線方向に垂直な所定の平面上でクランク軸2の回転中心2aから偏心した位置に、クランク軸2と一体となって回転するように形成されている。例えば、図1に示す例では、第1連接部8は、クランクアーム3の所定の位置に、ロッド10の一方の端部10aに形成された穴がはめ込まれる軸部16状に形成されている。
上記の第2連接部9は、バランス軸6の回転軸線方向に垂直な所定の平面上でバランス軸6の回転中心6aから偏心した位置に、バランス軸6と一体となって回転するように形成されている。例えば、図1に示す例では、第2連接部9は、回転中心6aを挟んで偏心ウェイト7の反対側の位置に形成され、また、上述したように第2連接部9の軸部17と嵌合する摺動溝18が、バランス軸6の回転中心6aを挟んで偏心ウェイト7の反対側の位置にバランス軸6の半径方向に向けて形成され、その摺動溝18の半径方向において相対回転できるように構成されている。
このように構成されたバランス装置1は、クランク軸2の回転に伴って、ロッド10の中央部分が長手方向に直線運動するとともに、上記のバランス軸6側の端部が回転運動する。一方、バランス軸6には、偏心ウェイト7が連結されているため、バランス軸6と偏心ウェイト7との慣性が大きく、そのため、軸部17には、バランス軸6と偏心ウェイト7との慣性に応じた反力が作用する。すなわち、ロッド10の一方の端部には、クランク軸2の回転方向の荷重が作用し、ロッド10の他方の端部には、その端部の回転運動に対抗した反力が作用する。
また、クランク軸2、ロッド10、支持軸13、ならびに、ガイド溝11によりスライダ・クランク機構12を構成しているため、クランク軸2が回動すると、支持軸13がガイド溝11の側面に押圧され、その反力が支持軸13に作用する。その反力は、支持軸13を回動させる荷重と対抗している。そのため、ロッド10には、クランク軸2のトルクに応じたモーメントと、支持軸13がガイド溝11から受ける反力に応じたモーメントと、バランス軸6から受ける反力に応じたモーメントとが作用し、つまり、ロッド10には曲げ荷重が作用する。
さらに、軸部17は、摺動溝18に対して相対移動もしくは相対回転できるように構成されているため、その軸部17には、円筒軸(軸受)19が嵌入され、かつ摺動溝18に嵌合されている。図2は、その軸部17、摺動溝18、円筒軸19、ならびにロッド10の関係を示す図である。この円筒軸19と摺動溝18の内壁面18aとには、組付け性を向上させるため、あるいは、回転部分や可動部分に設けられる不可避的な隙間20が形成されている。したがって、ロッド10には、上述した曲げ荷重が作用して、そのロッド10が曲げ変形すると、摺動溝18に対して円筒軸19が傾斜し、その傾斜を要因としてロッド10に作用するモーメントが増大、ならびに、円筒軸19に作用するモーメントが増大する。また、そのように円筒軸19が傾斜すると、円筒軸19と摺動溝18の内壁面18aとが片当たりして、接触面圧が過大となり、こじりやフリクションが増大するなどの不都合が発生するおそれがある。
そのため、この発明の実施形態におけるバランス装置1では、上記の曲げ荷重を要因とする上述した不都合を解消するために、摺動溝18の内壁面18aが傾斜するように傾斜面が設けられている。具体的には図2に示すように、摺動溝18の溝幅18bが上記の軸部17の軸線方向でロッド10側よりバランス軸6側の方が大きく、すなわち上記の傾斜面においてロッド10に近い側の溝幅18bよりロッド10から遠い側の溝幅18bの方が大きくなるように構成されている。なお、図2に示す例では、一例としてバランス軸6が90°に回転している状態を示している。
上記の、摺動溝18と円筒軸19との関係をより具体的に説明すると、円筒軸19が摺動溝18に対して相対移動するように挿入されており、その円筒軸19と摺動溝18の内壁面18aとには、上述した不可避的な隙間20が設けられている。また、上述したように摺動溝18の溝幅18bが、軸部17の軸線方向でロッド10側よりバランス軸6側の方が大きく構成されている。つまり、摺動溝18の溝幅18bは、その摺動溝18の内壁面18aにおいて、ロッド10側からバランス軸6側へ向けてその溝幅18bが大きくなるように構成され、言い換えれば摺動溝18はバランス軸6に向けた傾斜面を有している。
このように摺動溝18に傾斜面を設けること、すなわち摺動溝18の内壁面18aにロッド10側からバランス軸6側に向けて傾斜面を形成することによって、上述した曲げ荷重がロッド10に作用した場合には、円筒軸19と摺動溝18との節点21は、ロッド10側に近くなる。つまり、図2(b)に示すように、円筒軸19と摺動溝18との節点21からロッド10までの距離eが小さくなる。そのため、ロッド10に作用する曲げモーメントを低減させることができる。したがって、このように曲げモーメントを低減できることによって、円筒軸19の軸心が傾斜することを抑制もしくは回避でき、ならびに幾何学的に正しい位置に保持されてフリクションの増大やこじりが発生することを抑制もしくは回避することができる。
また、上記の円筒軸19の外周面は、図2のような矩形ではなく、楕円や樽型などの湾曲形状でもよい。図3はその円筒軸19の外周面が湾曲に形成された例を示しており、摺動溝18の内壁面18aと円筒軸19とが面接触している。そして、このように円筒軸19の外周面を湾曲に形成することによって、図3(a)に示すロッド10が変形前から図3(b)に示すロッド10の変形後にかけて、円筒軸19と摺動溝18との接触面圧の変化を抑制することができる。また、円筒軸19の外周面を湾曲に形成することによって、例えば、図3における円筒軸19の上下方向で摺動溝18の内壁面18aとの節点が存在する場合であって、かつ図2のように円筒軸19の外周面を矩形に形成した場合に比べて、円筒軸19に作用するモーメントの腕の長さを短くすることができる。つまり、円筒軸19に作用するモーメントを低減させることができる。
さらに、上記の摺動溝18の形状は、円筒軸19の外周面が湾曲形状の場合には、図4に示すようにその摺動溝18の形状も同様に湾曲形状から構成されてもよい。これにより、その湾曲形状の曲面同士に作用する接触応力が低減される(ヘルツの接触応力)。このように、円筒軸19の形状を湾曲形状にすること、ならびに、摺動溝18の傾斜面の形状を湾曲にすることによって、上述したロッド10に作用するモーメントを低減できることに加えて、円筒軸19と摺動溝18とが片当たりすることを抑制もしくは回避することができる。また、それに伴って、その接触面における接触面圧が過大となることを防止することができる。
そして、上述したように、円筒軸19と摺動溝18との間には、組付け性などを考慮した不可避的な隙間20が設けられている。スライダ・クランク機構12を幾何学的に正規な運動を実現させようとすると、この隙間20は、より小さい方が好ましい。しかしながら、その隙間20が大きい場合、もしくは、その隙間20の大きさによっては、円筒軸19と摺動溝18との間で打音や振動が増大するおそれがある。そこで図5に示す例では、上述した図2の構成に加えて、その接触面での打音や振動が増大することを抑制するための緩衝材22が設けられている。具体的には、図5に示すように、バランス軸6における摺動部23と円筒軸19のスライド面24との間に緩衝材22が設けられている。つまり、図2から図4で説明した摺動溝18に形成された傾斜面に沿うように緩衝材22および円筒軸19のスライド面24が設けられている。また、この摺動部23、スライド面24、ならびに、緩衝材22の構成は、図6に示すようにスライド面24を傾斜面とすることにより、摺動溝18全体を傾斜面としてもよい。これにより、図5(a)から図5(b)、ならびに、図6(a)から図6(b)のようにロッド10が変形した場合であっても、上述したロッド10の曲げ変形に起因して上記の緩衝材22がつぶれるため、上述した打音や振動を抑制することができる。
1…バランス装置、 2…クランク軸、 6…バランス軸、 6a…(バランス軸の)回転中心、 7…偏心ウェイト、 7a…(偏心ウェイトの)重心、 8…第1連接部、 9…第2連接部、 10…ロッド、 10a…(クランク軸側の)端部、 10b…(バランス軸側の)端部、 11…ガイド溝、 12…スライダ・クランク機構、 16,17…軸部、 18…摺動溝、 19…円筒軸、 20…隙間、 21…節点。

Claims (1)

  1. ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力する内燃機関に設けられ、前記内燃機関の振動を打ち消す加振力を発生して前記振動を抑制する内燃機関のバランス装置において、
    前記クランク軸と平行に配置され、かつ回転自在に支持されたバランス軸と、
    重心の位置が前記バランス軸の回転中心から偏心しているとともに前記バランス軸と一体となって回転する偏心ウェイトと、
    前記バランス軸の前記回転中心を挟んで前記偏心ウェイトの反対側の位置に前記バランス軸の半径方向に向けて形成された摺動溝と、一方の端部が前記クランク軸の回転中心から偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッドと、
    前記摺動溝に挿入され、かつ前記ロッドの他方の端部に前記バランス軸に向けて突出した軸部とを備え、
    前記軸部が挿入された前記摺動溝の溝幅が、前記軸部の軸線方向で前記ロッド側より前記バランス軸側の方が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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