JP2018112095A - 内燃機関のバランス装置 - Google Patents

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隆宜 荒井
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Abstract

【課題】ロッドとの連接部における軸部やガイド溝に作用する応力を低減することができる内燃機関のバランス装置を提供する。【解決手段】クランク軸2の軸線方向で気筒の間に設けられ、かつ一方の端部がクランク軸2の回転中心から偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッド10と、軸線方向でロッド10を挟んで設けられ、かつバランス軸7と一体となって回転する偏心ウェイト8と、バランス軸7の一方の端部に形成された摺動溝23,24と、クランク軸2の回転中心とバランス軸7の回転中心とを結ぶ直線方向に向けて形成されたガイド溝11,12とを備え、摺動溝23,24に挿入された軸部22と、ガイド溝11,12に挿入された支持軸19との少なくとも一方が、軸線方向でロッド10を挟んで両側で支持されている。【選択図】図1

Description

この発明は、ピストンの往復運動に起因する振動を打ち消すための加振力を発生する内燃機関のバランス装置に関するものである。
特許文献1には、ピストンの往復運動に起因する振動を抑制することを目的とした内燃機関のバランス装置が記載されている。この特許文献1に記載されたバランス装置では、それぞれ偏心バランスウェイトを備えた二本のバランス軸および中間軸が、レシプロ式の内燃機関のクランク軸と平行に配置されており、それら二本のバランス軸の間に設けられた歯車機構により、二本のバランス軸が互いに逆方向へ同じ回転数で回転する。また、クランク軸と中間軸との間に設けられた歯車機構により、ギヤ比が増速されてトルクが伝達される。そして、この特許文献1に記載されたバランス装置は、二本のバランス軸のうちいずれか一方のバランス軸と中間軸との間に、偏心歯車や楕円歯車などを用いた不等速歯車機構が設けられており、バランス軸が中間軸と同じ回転数でかつ不等速で回転するように構成されている。
特開2010−169045号公報
上記の特許文献1に記載されたバランス装置では、不等速歯車機構を用いてバランス軸を回転させることにより、ピストン・クランク機構から生じる振動の起振力とほぼ逆位相の加振力を発生することができ、それら起振力と加振力とをつり合わせることができる。すなわち、バランス装置で発生する加振力により、内燃機関の起振力を打ち消すことができる。そのため、特許文献1に記載されたバランス装置によれば、ピストンの往復運動に起因する内燃機関の振動を有効に抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されたバランス装置のように、バランス軸を駆動するための動力伝達に歯車を用いる装置では、クランク軸とバランス軸との間の距離が長いと、歯車の大径化や歯車機構の大型化を招いてしまう。その結果、内燃機関の小型化・軽量化を妨げてしまう。また、動力伝達に歯車を用いることにより、歯車の歯打ち音や噛み合い音に起因する騒音が発生してしまう。そこで、本願出願人は、特願2016−099067号の明細書において、機構学上のスライダ・クランク機構や両クランク機構などのリンク装置を応用し、一本のロッド(連接棒)を用いてバランス軸を駆動するように構成したバランス装置を提案している。特にスライダ・クランク機構を利用したバランス装置は、クランク軸とそのロッドとによりスライダ・クランク機構を構成している。より具体的には、シリンダブロックには、バランス軸の回転軸線とクランク軸の回転軸線とを結ぶ直線に沿った摺動溝(ガイド溝)が形成され、ロッドの長手方向における中央部分には、上記の摺動溝に係合する突起部が形成されている。したがって、クランク軸が回転すると、ロッドの中央部分が、摺動溝に沿ってバランス軸の回転軸線とクランク軸の回転軸線とを結ぶ直線上を往復動する。このスライダ・クランク機構を用いたバランス装置によれば、上記の特許文献1に記載されたバランス装置のような歯車機構や不等速歯車機構を使用しないので、内燃機関の小型軽量化を妨げることなく、また、内燃機関の静粛性を悪化させることなく、内燃機関の振動を効果的に抑制することができる。
一方で、上記のようなバランス装置は、クランク軸の回転によりロッドの中央部分が往復動し、そのロッドのバランス軸側の端部が回転運動することで、バランス軸にトルクを作用させるように構成されている。また、バランス軸の回転中心に対してロッドの端部は半径方向に移動するため、バランス軸にはロッドの端部に設けられた軸部が係合する摺動溝が形成されている。さらに、バランス軸には、偏心ウェイトが連結されているため、その慣性モーメントは比較的大きい。したがって、軸部の一方の端部にバランス軸を回転させる方向の荷重が作用し、軸部の他方の端部には、バランス軸の慣性モーメントに応じた反力が作用し、それらの荷重は回転方向で対抗する。そのため、軸部が摺動溝に対して傾斜する方向に荷重を受けることになり、その荷重は、ロッドに曲げ荷重として作用する。また、上記の軸部は、ロッドの回転方向の荷重を受けて、ロッドの端部の回転方向の軌跡を定めるように構成されているため、ロッドの回転方向の荷重に加えて、上記のロッドの曲げ荷重が作用すると、軸部や摺動溝などのロッドとの連接部における耐久性が低下するおそれがある。
この発明は、上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、ロッドとの連接部における軸部や摺動溝に作用する応力を低減させることができる内燃機関のバランス装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、少なくとも二つの気筒を有し、かつピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力する内燃機関に設けられ、前記内燃機関の振動を打ち消す加振力を発生して前記振動を抑制する内燃機関のバランス装置において、前記クランク軸と平行に配置され、回転自在に支持されたバランス軸と、前記クランク軸の軸線方向で前記気筒の間に配置され、かつ一方の端部が前記クランク軸の回転中心から偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッドと、重心の位置が前記バランス軸の回転中心から偏心しているとともに、前記軸線方向で前記ロッドを挟んで設けられ、かつ前記バランス軸と一体となって回転する偏心ウェイトと、前記バランス軸の一方の端部に形成された摺動溝と、前記クランク軸の回転中心と前記バランス軸の回転中心とを結ぶ直線方向に向けて形成されたガイド溝とを備え、前記ロッドの他方の端部に形成されかつ前記摺動溝に挿入された軸部と、前記ロッドの長手方向における中央部分に形成されかつ前記ガイド溝に挿入された支持軸との少なくとも一方が、前記軸線方向で前記ロッドを挟んで両側で支持されていることを特徴とするものである。
この発明の内燃機関のバランス装置によれば、少なくとも支持軸もしくは軸部の一方が、軸線方向でロッドを挟んで両側で支持されている。具体的には、軸線方向で気筒の間にロッドが設けられ、そのロッドの他方の端部に形成されかつ摺動溝に挿入された軸部、もしくは、ロッドの長手方向における中央部分に形成されかつガイド溝に挿入された支持軸の少なくとも一方が、軸線方向でロッドを挟んで両側で支持されている。つまり、支持軸と軸部との少なくとも一方が両持ち支持されている。そのため、上述したような曲げ荷重がロッドに作用した場合であっても、ロッドや支持軸もしくは軸部に作用するモーメントは互いに反対方向に作用するため、釣り合って打ち消し合う。その結果、支持軸や軸部、ならびに、その支持軸や軸部が挿入されたガイド溝や摺動溝の耐久性が低下することを抑制もしくは回避することができる。
この発明における内燃機関のバランス装置の概略の構成を説明するための図である。 図1に示すバランス装置におけるロッドを模式的に示す図である。 図1のバランス装置におけるガイド溝を説明する図である。 図1のバランス装置における摺動溝を説明する図である。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
この発明で対象とすることができるバランス装置の基本的な構成は、前掲の特願2016−099067号の明細書で説明されているバランス装置と同様であり、その構成を簡単に説明すると、重心の位置がクランク軸の回転中心に対して偏心した位置となるように、クランク軸に一体化されたカウンタウェイトと、一方の端部がクランク軸に連結されたロッド(連結棒)と、そのロッドの他方の端部の回転動作により回転させられるバランス軸と、重心の位置がバランス軸の回転中心に対して偏心した位置となるようにバランス軸に一体化された偏心ウェイトとを備えている。また、クランク軸の回転中心とバランス軸の回転中心とを結ぶ直線に沿ったガイド溝が、シリンダブロックなどの固定部材に形成されており、ロッドの長手方向における中央部分に形成された支持軸(ピボット)が、そのガイド溝に挿入されるように構成されている。なお、バランス軸の端部には、半径方向に向けて摺動溝が形成されており、その摺動溝にロッドの他方の端部に形成された軸部が挿入されるように構成されている。
このように構成されたバランス装置は、前掲の特願2016−099067号の明細書に記載されているバランス装置と同様であって、クランク軸とバランス軸とが同一の回転数が回転するとともに、バランス軸の回転速度が不等速となり、バランス軸に一体化された偏心ウェイトの角加速度に応じた加振力が内燃機関の振動に応じた周期で発生するように構成されている。なお、以下の説明において、バランス装置の制振性能についての詳細な説明は、前掲の特願2016−099067号の明細書に記載されているため、ここでは、詳細な説明は省略する。
図1は、この発明の実施形態の一例として、エンジン(図示せず)に備え付けたバランス装置1の概略の構成を示した図である。この発明の実施形態におけるエンジンは、従来知られている一般的なエンジンであって、ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力するように構成された、いわゆるレシプロ式の内燃機関である。なお、この発明の実施形態では、単気筒もしくは多気筒のいずれの形式の内燃機関であっても対象にすることができる。但し、前掲の特願2016−099067号の明細書で説明されているように、単気筒の内燃機関は、ピストンを一つしかもたないため、複数のピストンで互いの往復運動の慣性力を打ち消し合うことがない。また、2気筒・4サイクルの内燃機関では、二つのピストンがいずれも同じ位相で往復運動するため、それら二つのピストン同士で互いの往復運動の慣性力を打ち消し合うことがない。つまり、上記のような単気筒の内燃機関、および、2気筒・4サイクルの内燃機関を対象にして、この発明の実施形態におけるバランス装置1でピストンの往復運動による慣性力を打ち消すための加振力を発生することにより、より顕著な制振効果を得ることができる。したがって、図1に示す例では、その一例として、2気筒・4サイクルの内燃機関を対象としたバランス装置1を示している。
エンジンは、従来周知の構成であり、主要部として、シリンダブロック、ピストン、コンロッド、クランク軸2、および、クランクケースを備えている。ピストンは、シリンダブロックの内部に組み込まれたシリンダに、シリンダの内周面を摺動して往復運動が可能なように挿入されている。また、ピストンは、コンロッドを介してクランク軸2に連結されている。なお、以下の説明では、上記のエンジンの構成のうち、クランク軸2のみを図1に示している。
クランク軸2は、コンロッドが連結されるクランクピン3a,3b、クランクアーム4、クランク軸2の回転軸として機能するクランクジャーナル5、および、カウンタウェイト6を有している。そのクランク軸2は、シリンダブロックとクランクケースとの間、もしくは、クランクケースに設けられた軸受によって回転自在に支持されている。具体的には、図1に示すクランク軸2は、上述したように2気筒のエンジンからなるクランク軸2であって、そのクランク軸2には、ピストンが連結されるクランクピン3a,3bと、クランクジャーナル5と、そのクランクジャーナル5と各クランクピン3a,3bとの間に、それらを連結するクランクアーム4が設けられている。
また、クランク軸2のカウンタウェイト6は、重心の位置がクランク軸2の回転中心(すなわち、クランクジャーナル5の軸心)から偏心している。具体的には、カウンタウェイト6は、その重心がクランクジャーナル5を挟んでクランクピン3a(3b)の反対側に位置するように形成されている。カウンタウェイト6は、コンロッドの重量を打ち消すための重量と、ピストンの重量の半分に相当する重量を打ち消すための重量とを合わせた重量を有している。
上記のようなエンジンの振動を抑制するためのバランス装置1が設けられている。この発明の実施形態におけるバランス装置1は、エンジンが運転される際に、ピストンの往復運動に起因する振動の起振力を打ち消す加振力を発生し、エンジンの振動を抑制するように構成されている。具体的には、バランス装置1は、主要部として、上述したクランク軸2に加えてバランス軸7、偏心ウェイト8、連接部9、ロッド10、ガイド溝11,12、および、スライダ・クランク機構13を備えている。
バランス軸7は、上述したクランク軸2と平行に配置されている。バランス軸7には、バランス軸7と一体となって回転する偏心ウェイト8が取り付けられている。また、バランス軸7には、そのバランス軸7とロッド10との連接部9がバランス軸7と一体となって回転するように取り付けられている。
偏心ウェイト8は、重心の位置がバランス軸7の回転中心から偏心している。具体的には、偏心ウェイト8は、その重心がバランス軸7の回転中心を挟んで連接部9の反対側に位置するように形成されている。偏心ウェイト8は、概ねピストンの重量の半分に相当する重量を打ち消すための重量を有している。また、この偏心ウェイト8は、クランク軸2の軸線方向で、ロッド10の前後に連接部9を介して設けられており、その偏心ウェイト8の重量は均等とされている。
上記のロッド10は、スライダ・クランク機構13における連接棒として機能し、図1に示すこの発明の実施形態では、クランク軸2の軸線方向でクランクピン3aとクランクピン3bとの間に配置されている。ロッド10について具体的に説明すると、先ずロッド10は、図1および図2に示すように、ロッドの上端部10aは、上述したバランス軸7とロッド10との連接部9が形成され、下端部10bは、クランク軸2が挿入されるように環状に形成されている。そして、その上端部10aと下端部10bとの間にはガイド溝11,12を往復動する支持軸が形成されている。なお、図2に示すようにロッド10の下端部10bは、ロッド10の本体と下端部10bとが分割して構成されており、したがって、クランク軸2を組み付けた後にそのロッド10の本体と、下端部10bの一方であるキャップ14とをボルト15により固定する。また、このように下端部10bが分割されていることにより、併せてクランク軸2と環状の下端部10bとの間に設けられるすべり軸受16も分割して構成されている。
また、このロッド10は、ロッド10に作用する曲げ荷重を打ち消し合うように両持ち支持されている。具体的には、ロッド10の長手方向における中央部分の一方の側面に対向した第1壁部17と、ロッド10の他方の側面に対向した第2壁部18とを有する固定部材が設けられ、その固定部材における第1壁部17が例えば、図示しないシリンダブロックにボルトなどにより固定されている。第1壁部17と第2壁部18とには、クランク軸2の回転中心とバランス軸7の回転中心とを結ぶ直線方向に沿った所定の長さを有するガイド溝11,12がそれぞれ形成されている。なお、以下の説明では、第1壁部17に形成されたガイド溝を、第1ガイド溝11と記し、第2壁部18に形成されたガイド溝を、第2ガイド溝12と記す。
さらに、上記の第1ガイド溝11と第2ガイド溝12とにそれぞれ挿入される支持軸19が、クランク軸2の軸線方向においてロッド10の前後に貫通して形成されている。より具体的には、ロッド10の厚み方向における貫通孔に支持軸19が挿入され、その支持軸19とロッド10とが溶接などにより一体化されている。なお、支持軸19とロッド10とを一体化させる手段は特に限定されず、また支持軸19とロッド10とを一体成型したものであってもよい。また、支持軸19は、図1の例のように一つの支持軸からでなく、ロッド10の厚み方向における表裏の両面にそれぞれ形成してもよい。
上記の支持軸19は、ガイド溝11,12の内面に接触しながら回転するとともに、ガイド溝11,12に沿って直線運動する場合があり、その際の摺動抵抗を低減するために、その支持軸19には、転がり軸受(以下、支持軸受と記す)20,21が取り付けられている。すなわち、支持軸19の一方が、第1支持軸受20に嵌合しており、支持軸19の他方が、第2支持軸受21に嵌合している。また、ガイド溝11,12は、図3に示すように各支持軸受20,21がガイド溝11,12に挿入され直線運動できる程度の大きさに形成されている。つまり、第1支持軸受20が第1ガイド溝11に挿入され、第2支持軸受21が第2ガイド溝12に挿入されている。なお、第1支持軸受20と第1ガイド溝11の内面とには、組み付け性を向上させるためや、加工誤差を考慮したことによる不可避的な隙間が空いており、第2支持軸受21と第2ガイド溝12の内面とにも、同様の理由により不可避的な隙間が空いている。
また、このようなガイド溝11,12と支持軸19との構成は、バランス軸7とロッド10との連接部9においても同様である。つまり、その連接部9にロッド10が相対回転可能に取り付けられ、バランス軸7の軸線方向において、ロッド10を貫通する軸部22が設けられている。また、その軸部22が摺動する摺動溝23,24がそのバランス軸7に形成され、かつ軸線方向でロッド10を挟んで前後に摺動溝23,24がそれぞれ形成されている。なお、図1に示す例では、その摺動溝23,24は、図1における左側で軸部22が摺動する溝を第1摺動溝23とし、図1における右側で軸部22が摺動する溝を第2摺動溝24とする。また、軸部22は、図1の例のように一つの軸部22から構成されるだけでなく、ロッドの厚み方向における表裏の両面にそれぞれ形成してもよい。
さらに、軸部22には、軸部22が摺動溝23,24を摺動する際の摺動抵抗を低減するためのカムフォロア(軸受)25,26が設けられている。すなわち、軸部22の一方が、第1カムフォロア25に嵌合しており、軸部22の他方が、第2カムフォロア26に嵌合している。また、摺動溝は図4に示すように各カムフォロア25,26が摺動溝23,24に挿入され摺動できる程度の大きさに形成されている。つまり、第1カムフォロア25が摺動溝23に挿入され、同様に第2カムフォロア26が摺動溝24に挿入されている。なお、第1カムフォロア25と第1摺動溝23の内面とには、組み付け性を向上させるため、あるいは、加工誤差を考慮した不可避的な隙間が空いており、第2カムフォロア26と第2摺動溝24の内面とにも、同様の理由により不可避的な隙間が空いている。
このように構成されたバランス装置1は、クランク軸2の回転に伴ってロッド10の中央部分が長手方向に直線運動するとともに、バランス軸7側の端部が回転運動する。一方、バランス軸7には、偏心ウェイト8が連結されているため、バランス軸7と偏心ウェイト8との慣性モーメントが大きく、そのため、軸部22には、バランス軸7と偏心ウェイト8との慣性モーメントに応じた反力が作用する。すなわち、軸部22におけるバランス軸7に連結された一方の端部に作用する荷重と、他方の端部に作用する荷重とが回転方向で反対方向となる。すなわち、軸部22にはロッド10を挟んで両側で、それぞれ重量が均等な偏心ウェイト8が両持ちで支持されつつ連結されているため、軸部22および摺動溝23,24に作用するモーメントはそれぞれ反対方向であるため釣り合い、打ち消し合う。
また、その軸部22に作用する荷重は、ロッド10の回転面に対して傾斜するため、ロッド10には、曲げ荷重として作用する。その結果、支持軸19の一方は、ロッド10の回転方向における第1ガイド溝11の一方側にガタが詰まるように、第1ガイド溝11に対して傾斜し、支持軸19の他方は、ロッド10の回転方向における第2ガイド溝12の他方側にガタが詰まるように、第2ガイド溝12に対して傾斜する。
そして、第1支持軸受20と第1ガイド溝11とが接触し、第2支持軸受21と第2ガイド溝12とが接触して、ロッド10の曲げ方向の荷重を受ける。つまり、支持軸19に作用する荷重およびロッド10に作用する曲げ荷重は、それぞれ反対方向の荷重が作用するため、支持軸19やロッド10に作用するモーメントが釣り合い、打ち消し合う。その結果、支持軸19や軸部22に作用する応力、および各ガイド溝11,12や各摺動溝23,24に作用する応力を低減でき、支持軸19および軸部22、ならびに、各ガイド溝11,12および各摺動溝23,24の耐久性が低下することを抑制もしくは回避することができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上述した例に限定されないのであって、この発明の目的を達成する範囲で適宜変更してもよい。上述した実施形態では、2気筒のエンジンを示して説明したが、この発明の実施形態におけるバランス装置1は、複数の気筒を有するエンジンであればよく、したがって、例えば3気筒や4気筒からなるエンジンを対象としてもよい。その場合であっても、上述したバランス装置1を各気筒(もしくはクランクピン3)の間に設けることによって、同様の効果を得ることができる。
また、上述した例では、支持軸19に支持軸受20,21を設けた構成を示しているが、この発明の実施形態におけるバランス装置1は、ロッド10の曲げ荷重を両持ち支持することができればよく、したがって、支持軸受20,21を備えてなくてもよい。その場合には、ガイド溝11,12の内面に自己潤滑性の樹脂材料を被覆するなどにより、支持軸19とガイド溝11,12との摺動抵抗を低減するように構成すればよい。
1…バランス装置、 2…クランク軸、 3a,3b…クランクピン、 7…バランス軸、 8…偏心ウェイト、 10…ロッド、 11…第1ガイド溝、 12…第2ガイド溝、 19…支持軸、 20…第1支持軸受、 21…第2支持軸受、 22…軸部、 23…第1摺動溝、 24…第2摺動溝、 25…第1カムフォロア、 26…第2カムフォロア。

Claims (1)

  1. 少なくとも二つの気筒を有し、かつピストンの往復運動をクランク軸の回転運動に変換してトルクを出力する内燃機関に設けられ、前記内燃機関の振動を打ち消す加振力を発生して前記振動を抑制する内燃機関のバランス装置において、
    前記クランク軸と平行に配置され、回転自在に支持されたバランス軸と、
    前記クランク軸の軸線方向で前記気筒の間に配置され、かつ一方の端部が前記クランク軸の回転中心から偏心した位置に相対回転可能に連結されたロッドと、
    重心の位置が前記バランス軸の回転中心から偏心しているとともに、前記軸線方向で前記ロッドを挟んで設けられ、かつ前記バランス軸と一体となって回転する偏心ウェイトと、
    前記バランス軸の一方の端部に形成された摺動溝と、
    前記クランク軸の回転中心と前記バランス軸の回転中心とを結ぶ直線方向に向けて形成されたガイド溝とを備え、
    前記ロッドの他方の端部に形成されかつ前記摺動溝に挿入された軸部と、前記ロッドの長手方向における中央部分に形成されかつ前記ガイド溝に挿入された支持軸との少なくとも一方が、前記軸線方向で前記ロッドを挟んで両側で支持されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランス装置。
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