JP2012247043A - 内燃機関のクランクシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】直列3気筒式内燃機関のクランクシャフトにおいて、バランスウェイト重量を、好適なバランスウエイト配置構造を提供する。
【解決手段】3つの気筒のうち、両側の第1,第3気筒にバランスウエイト25を設ける。第2気筒のクランクピン21の両側に位置する一対のクランクウェブ23のクランク軸方向の外面間距離E2を、第1,第3気筒のクランクピン21の両側に位置する一対のクランクウェブ23のクランク軸方向の外面間距離E1,E3よりも小さく設定する。第2気筒のクランクピン21の両側に位置するクランクウェブ23の軸方向寸法D3,D4を、第1,第3気筒のクランクピン21の両側に位置するクランクウェブ23の軸方向寸法D1,D2,D5,D6よりも小さく設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば直列3気筒式の内燃機関に好適なクランクシャフトに関する。
特許文献1には、直列3気筒内燃機関に用いられるクランクシャフトにおいて、3つの気筒のうち、中央に位置する第2気筒のクランクウェブに対してバランスウエイトを省略もしくは大幅に小さくし、両側に位置する第1気筒と第3気筒のクランクウェブに設けられるバランスウエイトを相対的に大きくすることで、クランクシャフト全体としてのバランスウエイトの重量や大きさを低減する技術が記載されている。
また、特許文献2には、機関圧縮比を変更可能な装置として、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連結した複リンク式ピストン−クランク機構を利用したものが記載されている。
特開2008−128486号公報 特開2010−24894号公報
両側の第1,第3気筒のクランクウェブのバランスウェイトを大きくするために、当該バランスウエイトの最外径が大きくなると、このバランスウエイトとピストンの下端部との干渉を回避するために機関上下方向寸法が大きくなり、内燃機関が大型化するという問題がある。特に、上述したような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた内燃機関のクランクシャフトにあっては、クランクピンに取り付けられるロアリンクのクランク軸方向幅が比較的大きいために、その分、バランスウエイトのクランク軸方向幅が小さくなり、バランスウエイトの径方向寸法が大きくなる傾向にある。
そこで、第1,第3気筒のクランクウェブの径方向寸法を抑制するために、単に第1,第3気筒のクランクウェブの軸方向寸法を増大すると、その分、クランクシャフトの軸方向寸法が増加し、既存のクランクシャフトと同一の製造ラインで製造することができなくなり、生産性が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、気筒列方向の順に第1気筒,第2気筒及び第3気筒が直列に配置された内燃機関のクランクシャフトであって、各気筒に対応する3つのクランクピンと、各クランクピンの両側に配置され、シリンダブロック側に回転可能に支持される4つのクランクジャーナル部と、各クランクピンとクランクジャーナル部とを連結する6つのクランクウェブと、を有している。
そして、上記第2気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのクランク軸方向の外面間距離を、上記第1気筒もしくは第3気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのクランク軸方向の外面間距離よりも小さく設定するとともに、上記第2気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法を、上記第1気筒もしくは第3気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法よりも小さく設定したことを特徴としている。
このような構成により、振動の低減と軽量化のため、両側の第1気筒と第3気筒のクランクウェブに対して相対的に大きなバランスウェイトを設ける場合に、これら第1,第3気筒に対するクランクウェブの軸方向寸法を相対的に大きくすることで、曲げ剛性を効果的に向上するとともに、バランスウェイトを含めたクランクウェブの径方向寸法の増加を抑制して、内燃機関の小型化及び車両搭載性の向上を図ることができる。
そして、中央の第2気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブを相対的に薄肉化することによって、第1,第3気筒のクランクウェブの厚肉化による軸方向増加分を、第2気筒のクランクウェブの薄肉化による軸方向短縮分により相殺させて、クランクシャフトの軸方向寸法(全長)の増減を解消することができる。これによって、既存のクランクシャフトと同一の製造ラインで製造することが可能なり、生産性が向上する。
このように本発明によれば、コンパクトで剛性に優れたバランスの良い直列3気筒式内燃機関用のクランクシャフトを得ることができる。
本発明の一実施例に係る内燃機関のクランクシャフトの第1気筒のバランスウエイトの配置構造を示す断面図。 本実施例に係る内燃機関のクランクシャフトの第3気筒のバランスウエイトの配置構造を示す断面図。 比較例(A)及び本実施例(B)のクランクシャフトを単体で示す側面図。 第1〜第3気筒のバランスウエイトの重量配分を模式的に示す説明図。 本実施例のクランクシャフトのクランクピン及びバランスウエイトの配置を模式的に示す斜視図。 本実施例のクランクシャフトのクランクピン及びバランスウエイトの配置をクランク軸方向視で模式的に示す説明図。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、本明細書では基本的に、ピストン往復軸線に沿う方向を「上下方向」、ピストン上死点側を「上」、ピストン下死点側を「下」とし、クランクシャフトの軸方向に沿う方向を「前後方向」として説明している。
図1及び図2を参照して、この内燃機関は、後述するように3つの気筒が気筒列方向に直列に配置された直列3気筒式のものであり、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する主運動系として、上記の特開2010−248954号公報等にも記載さているように、シリンダブロック1の各気筒(#1〜#3)のシリンダ2内に嵌合するピストン3とクランクシャフト20とを複数のリンクで連結した複リンク式ピストン−クランク機構が設けられている。この複リンク式ピストン−クランク機構は、クランクシャフト20のクランクピン21に回転可能に取り付けられるロアリンク11と、ピストン3とロアリンク11とを連結するアッパリンク12と、一端がロアリンク11に連結されるとともに、他端がシリンダブロック1等の機関本体側に回転可能に支持された制御リンク13と、を有している。アッパリンク12の一端はピストンピン14を介してピストン3の回転可能に連結されており、他端はアッパリンク連結ピン15を介してロアリンク11に回転可能に連結されている。制御リンク13の一端は制御リンク連結ピン16を介してロアリンク11に回転可能に連結されている。
また、制御リンク13の他端の支持位置を変更することによって、機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構が設けられている。この可変圧縮比機構は、シリンダブロック1側に回転可能に支持される制御軸17を有し、この制御軸17に偏心して設けられる制御偏心軸部17Aに、上記の制御リンク13の他端が回転可能に取り付けられている。従って、オイルパンアッパ4の外壁に取り付けられる可変圧縮比アクチュエータ18により連結レバー19を介して制御軸17の回転位置を変更することによって、制御リンク13の他端の支持位置が変化し、制御リンク13に連結するロアリンク11の姿勢が変化することによって、ピストン3の上死点位置及び下死点位置の変化を伴って機関圧縮比を変更することができる。
次に、本実施例の要部をなす直列3気筒式内燃機関のクランクシャフト20について、図1〜図6を参照して説明する。この内燃機関は、第1気筒#1、第2気筒#2及び第3気筒#3の3つの気筒が機関前後方向(クランク軸方向)に直列に並べられた直列3気筒式の内燃機関であり、図6にも示すように、クランクシャフト20には、各気筒に対応する3つのクランクピン21#1,21#2,21#3が、クランク回転方向で120度の位相差をもって等間隔置きに設けられている。なお、以下の説明において、気筒毎の構成要素を明示する場合、参照符号に後に、対応する気筒を示す符号#1〜#3を適宜付記している。
図3を参照して、図3(A)は各クランクウェブ23の軸方向寸法D0が均一で、かつ、各気筒のクランクピン21の両側に位置する一対のクランクウェブ23の外面間距離E0、言い換えると、クランクピン21の両側に位置するクランクジャーナル部22の端部間距離(クランクウェブ23とクランクジャーナル部22との境界面間の距離)E0が均一な比較例のクランクシャフト20’を示し、(B)は本実施例のクランクシャフト20を示している。同図に示すように、このクランクシャフト20には、シリンダブロック側に回転可能に支持される4つのクランクジャーナル部22がクランクシャフト20の回転中心20Aと同軸上に設けられており、各クランクピン21とクランクジャーナル部22との端部同士が、合計6つのクランクウェブ23により一体的に接続されている。クランクジャーナル部22には、軸受部分等へ潤滑油を供給するための油路24が形成されている。
そして、クランクウェブ23には、クランクジャーナル部22の軸受部分への荷重入力の低減及び振動低減の目的で、バランスウエイト25が一体的に設けられている。ここで本実施例においては、図3(B)に示すように、機関前側より順に並べられた第1〜第6クランクウェブ23−1〜23−6のうち、機関前側の第1気筒#1のクランクピン21#1の両側に位置する第1クランクウェブ23−1及び第2クランクウェブ23−2と、機関後側の第3気筒#3のクランクピン21#3の両側に位置する第5クランクウェブ23−5及び第6クランクウェブ23−6に対して、それぞれバランスウエイト25#1,25#3を設けており、中央の第2気筒#2のクランクピン21#2の両側に位置する第3クランクウェブ23−3,第4クランクウェブ23−4については、バランスウエイトを大幅に小型化して、実質的に省略している。
そして本実施例では、第2気筒#2のバランスウエイトを省略している分、軽量な第2気筒#2のクランクウェブ23−3,23−4を相対的に薄肉化し、両側の第1,第3気筒#1,#3のクランクウェブ23−1,23−2,23−5,23−6を相対的に厚肉化している。具体的には、第2気筒のクランクピン21の両側に位置する一対のクランクウェブ23のクランク軸方向の外面間距離E2(クランクピン21の両側に位置するクランクジャーナル部22の端部間距離E2、あるいはクランクウェブ23とクランクジャーナル部22との境界面間の距離E2)を、第1,第3気筒のクランクピン21の両側に位置する一対のクランクウェブ23のクランク軸方向の外面間距離E1,E3よりも小さく設定している。そして、第2気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法D3,D4を、第1,第3気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法D1,D2,D5,D6よりも小さく設定している。言い換えると、本実施例では、比較例に比して、第2気筒の両側に位置する第2,第3クランクジャーナル部22を軸方向中央寄りに配置している。
これによって、図3(A)の比較例に対し、クランクシャフトの軸方向寸法、つまり機関前端のクランクジャーナル部22の中心から機関後端のクランクジャーナル部22の中心までの距離E4を一定に維持しつつ、第1,第3気筒#1,#3のクランクウェブを厚肉化することで、剛性が向上するとともに、同等の質量を確保した上で径方向寸法を抑制し、小型化を図ることができる。また、クランクシャフトの全長E4を変更する必要がないので、既存のクランクシャフトと同一の製造ラインで製造することが可能であり、生産性に優れている。
また本実施例では、第1気筒のクランクピン21#1の両側に位置する一対のクランクウェブ23−1,23−2のうち、第2気筒寄り・中央寄りの第2クランクウェブ23−2の軸方向寸法D2を、機関前側の第1クランクウェブ23−1の軸方向寸法D1よりも大きく設定している(D2>D1)。同様に、第3気筒のクランクピン21#3の両側に位置する一対のクランクウェブ23−5,23−6のうち、第2気筒寄り・中央寄りの第5クランクウェブ23−5の軸方向寸法D5を、機関後側の第6クランクウェブ23−6の軸方向寸法D6よりも大きく設定している(D5>D6)。これにより、第2気筒側との連結部分に位置することで大きな荷重・応力が作用する第2,第5クランクウェブ23−2,23−5の剛性を効果的に向上し、コンパクトでバランスの良いクランクシャフトを得ることができる。
更に本実施例では、クランクシャフトの機関前側と機関後側のうち、自動変速機等を介して駆動輪側へ接続する機関後側に高い剛性が要求されることから、第2,第5クランクウェブ23−2,23−5のうち、機関後側の第5クランクウェブ23−5の軸方向寸法D5を、機関前側の第2クランクウェブ23−2の軸方向寸法D2よりも大きく設定している。
以上のように、6つのクランクウェブ23の軸方向寸法は、下式(1)の関係を満たすように設定される。
D3,D4 < D1,D6 < D2 < D5 …(1)
なお、レイアウト的に第2,第5クランクウェブ23−2,23−5の軸方向寸法を異ならせることが困難な場合には、両者の軸方向寸法D2,D5を同一としても良い。
図4は、3気筒直列内燃機関のクランクシャフトにおける各気筒#1〜#3のクランクウェブを含めたバランスウエイトの質量を模式的に示している。図中の破線の特性L1は、クランシャフトへの振動発生や荷重入力を最も打ち消すことができる参考例を示しており、実線の特性L2が本実施例のものである。本実施例L2では、参考例L1に比して、第2気筒#2のバランスウエイトの質量を大幅に低減しており、これに伴って、クランクシャフトの運動をいわゆるスリコギ運動と呼ばれる適正なものとして振動の発生を抑制するように、両側の第1,第3気筒#1,#3についてもクランクシャフトの重量を相対的に低減している。
図5及び図6は、本実施例のクランクシャフト20における各気筒のクランクピン及びバランスウエイトの配置を模式的に示している。図6のクランク軸方向視において、クランクシャフトの回転中心20Aを基点とし、クランクピン21#1〜21#3の中心と反対方向へ延びる線を、それぞれバランスウエイト基準配置ライン26#1〜26#3とすると、上述した図4(A)の参考例のように、各気筒のバランスウエイトの質量が均一である場合に、各バランスウエイトの重心位置を、それぞれのバランスウエイト基準配置ライン26#1〜26#3上に配置した場合に、クランクシャフトの荷重入力や振動の発生を打ち消すことができるバランスの良いレイアウトとなる。
これに対して本実施例では、中央の第2気筒のバランスウエイトを実質的に省略しているために、図6に示すように、第1気筒のバランスウエイト25#1の重心位置を、そのバランスウエイト基準配置ライン26#1に対し、所定のオフセット量θ1(クランク角)、クランク回転方向αの進み側(図6の時計回り方向)に大幅にオフセットさせている。具体的には、第1気筒のバランスウエイト25#1が第2気筒#2のカウンターウエイトの一部としても機能するように、第2気筒のバランスウエイト基準配置ライン26#2と直交するライン27に対して、少なくとも第2気筒のクランクピン21#2と反対側に位置するように、第1気筒のバランスウエイト25#1の進み側へのオフセット量θ1を設定している。
同様に、第3気筒のバランスウエイト25#3の重心位置を、そのバランスウエイト基準配置ライン26#3に対し、所定のオフセット量θ2(クランク角)、クランク回転方向αの遅れ側(図6の反時計回り方向)に大幅にオフセットさせている。具体的には、第3気筒のバランスウエイト25#3が第2気筒#2のカウンターウエイトの一部としても機能するように、第2気筒のバランスウエイト基準配置ライン26#2と直交するライン27に対し、第2気筒のクランクピン21#2と反対側に位置するように、第3気筒のバランスウエイト25#3の遅れ側へのオフセット量θ2(クランク角)を設定している。
このような構成によって、中央の第2気筒に対するバランスウエイトを省略もしくは大幅に小さくして、軽量化を図りつつ、これに伴うアンバランスな力の発生を抑制し、振動発生や荷重入力の少ないバランスの良いレイアウトを実現することができる。また、両側の第1,第3気筒のバランスウエイト25#1,25#3を、そのバランスウエイト標準配置ライン26#1,26#3に対して遅れ側,進み側にオフセットさせているために、ピストン下死点近傍のクランク角においては、バランスウエイト25がピストン3に対して進み側,遅れ側に離れる傾向となり、ピストン3との干渉の回避にも有利である。
ここで、バランスウエイトの具体的な形状について説明すると、図1に示すように、第1気筒のバランスウエイト25#1は、略扇状の板状をなしており、そのクランク回転方向αの進み側の部分28#1が、クランク回転方向αの遅れ側の部分29#1に比して、外径が大きく設定されている。つまり、遅れ側の部分29#1の外周部に、進み側の部分28#1に対して部分的に切り欠かれた切欠部30#1が形成された形状となっている。
そして、このバランスウエイト25#1の最外径の回転軌跡、つまり進み側の部分28#1の外径の回転軌跡31#1が、ピストン3の下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。つまり、図1に示すように、ピストン3が最も下方に位置する最低圧縮比の設定におけるピストン下死点近傍で、ピストン3の下端部の一部32#1が、バランスウエイト25#1の最外径の回転軌跡31#1よりも下方へ入り込み、両者がクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。
このようにピストンとバランスウエイトとの運動軌跡が部分的に重なるように設定されているものの、図1に示すように、この第1気筒のバランスウエイト25#1は所定量θ1だけ進み側にオフセットして設けられているために、ピストン下死点近傍では、バランスウエイトの進み側の部分28#1が既にピストン3の下端部の往復軌跡を通り越して進み側に回転している形となり、ピストン3との干渉を招くことはない。また、このように進み側の部分28#1の外径を大きくすることによって、バランスウエイトの重心位置25A#1を効率的に進み側にオフセットさせることが可能となっている。
図2に示すように、第3気筒のバランスウエイト25#3は、第1気筒とは逆に、クランク回転方向αの遅れ側の部分29#3が、クランク回転方向αの進み側の部分28#3に比して、外径が大きく設定されており、このバランスウエイトの最外径である遅れ側の部分29#3の外径の回転軌跡31#3が、ピストン3の下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。つまり、図2に示すように、ピストン3が最も下方に位置する最低圧縮比の設定におけるピストン下死点近傍で、ピストン3の下端部の一部32#3が、バランスウエイト25#3の最外径の回転軌跡31#3よりも下方へ入り込み、両者がクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。
このようにピストンとバランスウエイトとの運動軌跡が部分的に重なるように設定されているものの、図2に示すように、この第3気筒のバランスウエイト25#3は所定量θ2だけ遅れ側にオフセットして設けられているために、ピストン下死点近傍では、バランスウエイトの遅れ側の部分29#3が未だピストン3の下端部の往復軌跡に達していない形となり、ピストン3との干渉を招くことはない。また、このように遅れ側の部分29#3の外径を大きくすることによって、バランスウエイトの重心位置25A#3を効率的に遅れ側にオフセットさせることができる。
なお、本実施例においては、慣性力や燃焼荷重が最も大きくなる最大圧縮比の設定状態においては、バランスウエイト25とピストン3との干渉をより確実に回避するように、ピストン3の下端部の往復軌跡がバランスウエイト25の最外径の軌跡31#3よりも外側(上側)に外れており、両者がクランク軸方向視で重ならないように設定されている。
次に、本実施例のように複リンク式ピストン−クランク機構を適用した場合の特徴的な構造について、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例の複リンク式ピストン−クランク機構にあっては、クランク回転中心20Aに対して、ピストン往復軸線3A(シリンダボア中心線)をクランク回転方向αの遅れ側(図の左側)にオフセットさせたオフセットクランク構造としている。これによって、最も大きな燃焼荷重が作用する圧縮上死点近傍における燃焼行程(ピストン下り区間)において、アッパリンク12がピストン往復軸線3A(シリンダボア中心線)とほぼ平行に直立する姿勢となり、アッパリンク12の傾きに起因するスラスト−反スラスト方向(図の左右方向)の荷重を低減し、燃焼荷重を有効にクランクシャフト側へ伝達することができる。
また、本実施例のロアリンク11にあっては、アッパリンク12の揺動角度を小さくしてスラスト−反スラスト荷重を抑制するように、クランクピン21の中心からアッパリンク連結ピン15までの腕長さが、クランクピン21の中心から制御リンク連結ピン16までの腕長さよりも長く設定されており、この関係で、ロアリンク11の重心位置11Aが、バランスウエイト標準配置ライン26に対し、クランク回転方向αで進み側の位置、つまり制御リンク連結ピン16寄りの位置に設定されている。
そして、第3気筒のバランスウエイト重心位置25A#3のバランスウエイト標準配置ライン26#3に対するオフセット量θ2を、第1気筒のバランスウエイト重心位置25A#1のバランスウエイト標準配置ライン26#1に対する進み側へのオフセット量θ1よりも大きく設定している(θ2>θ1)。
ピストン3をクランク回転中心20Aに対して遅れ側にオフセットさせているため、第1気筒と第3気筒のバランスウエイトのうち、遅れ側にオフセットさせた第3気筒のバランスウエイト25#3が下死点近傍でピストン3と近づく形となるものの、本実施例では、この第3気筒のバランスウエイト25#3の遅れ側へのオフセット量θ2を、第1気筒のバランスウエイト25#1の進み側へのオフセット量θ1よりも大きく設定しているために、ピストン3との干渉を有効に回避することができる。
また、ロアリンク11の重心位置11Aが進み側に配置されているために、全体の慣性質量が遅れ側に偏る傾向にあるが、本実施例では、遅れ側の第3気筒のバランスウエイト25#3のオフセット量θ2を、進み側の第1気筒のバランスウエイト25#1のオフセット量θ1よりも大きく設定しているために、このようなロアリンク11の重心位置による慣性質量の偏りの影響を相殺して、バランスの良い重量配分を実現し、クランクシャフトへの荷重入力や振動の発生を有効に抑制・低減することができる。
1…シリンダブロック
2…シリンダ(気筒)
3…ピストン
11…ロアリンク
20…クランクシャフト
21…クランクピン
22…クランクジャーナル部
23…クランクウェブ
25…バランスウエイト

Claims (5)

  1. 気筒列方向の順に第1気筒,第2気筒及び第3気筒が直列に配置された内燃機関のクランクシャフトにおいて、
    各気筒に対応する3つのクランクピンと、
    各クランクピンの両側に配置されて、シリンダブロック側に回転可能に支持される4つのクランクジャーナル部と、
    各クランクピンとクランクジャーナル部とを連結する6つのクランクウェブと、を有し、
    上記第2気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのクランク軸方向の外面間距離を、上記第1気筒もしくは第3気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのクランク軸方向の外面間距離よりも小さく設定するとともに、
    上記第2気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法を、上記第1気筒もしくは第3気筒のクランクピンの両側に位置するクランクウェブの軸方向寸法よりも小さく設定したことを特徴とする内燃機関のクランクシャフト。
  2. 第1気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのうち、第2気筒寄りのクランクウェブの軸方向寸法を相対的に大きく設定するとともに、
    第3気筒のクランクピンの両側に位置する一対のクランクウェブのうち、第2気筒寄りのクランクウェブの軸方向寸法を相対的に大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランクシャフト。
  3. 上記3つの気筒のうち、少なくとも第1気筒と第3気筒に対して設けられるクランクウェブに対してのみ、バランスウェイトを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のクランクシャフト。
  4. クランクシャフトの回転中心を基点とし、クランクピンの中心と反対方向へ延びる線をバランスウエイト基準配置ラインとすると、
    上記第1気筒のバランスウエイトが、上記バランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の進み側にオフセットしているとともに、
    上記第3気筒のバランスウエイトが、上記バランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の遅れ側にオフセットしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のクランクシャフト。
  5. ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換して伝達する複リンク式ピストン−クランク機構を備え、
    このピストン−クランク機構は、各気筒のクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクの一端とピストンとを連結するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結され、他端が機関本体側に支持される制御リンクと、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のクランクシャフト。
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