JP2005030220A - 可変圧縮比エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】可変圧縮比エンジンで、クランクシャフト4のねじり振動を有効に低減する。
【解決手段】クランクシャフト4のクランクピン5に回転可能に取り付けられるロアリンク6と、このロアリンク6と各気筒のピストン2とを連携するアッパーリンク3と、を有し、ロアリンク6の運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を可能な可変圧縮比機構を備える。#2気筒と#3気筒の気筒間のメインジャーナルとメインベアリングとを省略し、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cと#3気筒後寄りのクランクウェブ16fとをクランク軸方向に厚肉化・幅広化する。
【選択図】 図1
【解決手段】クランクシャフト4のクランクピン5に回転可能に取り付けられるロアリンク6と、このロアリンク6と各気筒のピストン2とを連携するアッパーリンク3と、を有し、ロアリンク6の運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を可能な可変圧縮比機構を備える。#2気筒と#3気筒の気筒間のメインジャーナルとメインベアリングとを省略し、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cと#3気筒後寄りのクランクウェブ16fとをクランク軸方向に厚肉化・幅広化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関圧縮比を変更可能な複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、機関圧縮比を変更可能な複リンク式の可変圧縮比機構を備えたエンジンが記載されている。可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられたロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連携するアッパーリンクと、を有し、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−47955号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンは、ピストンとクランクピンとを一本のコネクティングロッドにより連携した一般的な単リンク式のピストン−クランク機構を備える圧縮比固定型のエンジンに比してて、クランクシャフトのねじり振動の振幅が大きくなる傾向にあり、このようなねじり振動に対する対策が望まれている。本発明は、複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンで、クランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンは、4つの気筒が直列に配列された気筒列を有するとともに、気筒列に沿って延びるクランクシャフトに、メインベアリングによりシリンダブロック側に回転可能に支持される複数のメインジャーナルが設けられ、かつ、複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンである。この可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと各気筒のピストンとを連携するアッパーリンクと、を備え、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御することができる。
【0006】
複数の隣り合う気筒間の中で、#2気筒と#3気筒の間には上記メインジャーナルとメインベアリングとが存在せず、残りの気筒間及び気筒列両側の4カ所に上記メインジャーナルとメインベアリングとが配置されており、この4カ所でクランクシャフトがシリンダブロック側に回転可能に支持される。
【0007】
【発明の効果】
#2気筒と#3気筒の間にメインジャーナルとメインベアリングとを設けていないので、#2気筒と#3気筒との間に空間的な余裕が増し、例えば、#2,#3気筒周辺のクランクシャフトに設けられるクランクウェブをクランク軸方向に幅広化することができる。このようにクランクウェブを厚肉化・幅広化することにより、クランクシャフトのねじれに対する剛性が高くなり、ねじり共振によるフリクションの増加や音振性能の低下を抑制・防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
先ず、図3を参照して、後述する第1,第2実施例及び比較例に共通する複リンク式の可変圧縮比機構について説明する。この可変圧縮比機構は、気筒列方向に延びるクランクシャフト4のクランクピン5に回転可能に取り付けられるロアリンク6と、このロアリンク6と各気筒のピストン1とを連携するアッパーリンク3と、ロアリンク6の運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御する圧縮比変更手段と、を有している。ピストン1とアッパーリンク3の一端とはピストンピン2により連結され、アッパーリンク3の他端とロアリンク6とはアッパーピン9により連結されている。
【0010】
上記の圧縮比変更手段は、クランクシャフト4の斜め下方を気筒列方向へ延びるコントロールシャフト7と、このコントロールシャフト7に偏心して設けられた偏心軸部7aと、この偏心軸部7aとロアリンク6とを連携するコントロールリンク8と、を有している。ロアリンク6とコントロールリンク8とはコントロールピン10により連結されている。図示せぬモータ等のアクチュエータによりコントロールシャフト7の回転位置を変化させると、コントロールシャフト7の揺動支点である偏心軸部7aの位置が変化し、ロアリンク6の運動拘束条件が変化して、機関圧縮比が変化することとなる。
【0011】
このような複リンク式の可変圧縮比機構は、車両運転状況に応じて機関圧縮比を連続的に変更できることに加え、ピストンストローク特性を望ましい特性(例えば単振動に近い特性)とすることが可能で、かつ、比較的スペースに余裕のある機関下方側にコントロールシャフト7やコントロールリンク8が配置されているため、機関搭載性に優れている等の利点を持つ。
【0012】
このような複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンでは、クランクシャフトのクランクピンとピストンとを一本のコネクティングロッドで連携した単リンク式のピストン−クランク機構を備えた固定圧縮比型エンジンに比して、クランクシャフトのねじり振動の振幅が大きくなる傾向にあり、このようなねじり振動に対する対策が大きな課題となる。図4は、このようなピストン−クランク間の主運動系部品の構成の違いによるクランクシャフトへの入力トルクの相違を示している。この図は全気筒(この例では4気筒)のクランクピンに入力されるトルクを合計したものであり、気筒内の圧力を略同一としたグラフである。図中の符号11は、可変圧縮比機構を有する複リンク・可変圧縮比エンジンの入力トルク特性を示し、符号12は、一般的な単リンク式のピストン−クランク機構を備えた圧縮比固定型のエンジンの入力トルク特性を示している。図示するように、可変圧縮比エンジンでは圧縮比固定型エンジンに比して交番トルクの振幅が大きくなる。ただし、両者11,12をクランク角度で積分した値はほぼ同じであり、クランクシャフトから出力として取り出される定常的なトルクの値はほぼ同一となる。
【0013】
複リンク式の可変圧縮比エンジンの交番トルクが大きくなる要因として、主として以下の2つが挙げられる。第1の要因は、複リンク構造の機構学的・力学的なものである。すなわち、一般的な単リンク式エンジンにおいては、ピストンからの燃焼荷重がコネクティングロッドのみを介してクランクピンに入力されるのに対し、上記のような複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、燃焼荷重がアッパーリンクとロアリンクとを経由してクランクピンに入力され、ロアリンクにおいてコントロールピン10を支点、アッパーピン9を力点、クランクピン5を作用点とする梃子の原理が働き、燃焼荷重が増幅されてクランクピンに入力されるため、交番トルクの振幅が大きくなるのである。
【0014】
第2の要因は、クランクシャフトの剛性低下にある。複リンク式の可変圧縮比エンジンにおいては、限られた大きさであるロアリンクに、クランクピン,アッパーピン,及びコントロールピンの軸受部を設けなければならないために、クランクピンの太さ(直径)は制限され、一般的な単リンク式エンジンに比してクランクピンが細くなる傾向にある。また、ロアリンクが一般的なコネクティングロッドよりもエンジン前後方向(クランク軸方向)に長く幅広となるために、エンジン前後方向における寸法的な制限から、クランクシャフトのクランクピンとメインジャーナルとの間に設けられるクランクウェブのクランク軸方向厚さが、一般的な単リンク式エンジンよりも薄くなる傾向にある。複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、単リンク式エンジンに比して、クランクアームの長さを短くできる面ではねじり剛性確保の上で有利といえるが、上述したようにクランクピンが細くなることとクランクウェブが薄くなること等により、全体としてはねじり剛性が低くなる傾向にある。
【0015】
実運転時のクランクシャフトのねじり振幅は、入力トルクと、ねじり動剛性の逆数と、の積によって決まるため、上述した二つの要因の相乗効果により、複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、単リンク式エンジンに比して、クランクシャフトのねじり振幅が2倍〜数倍となることがある。仮にクランクシャフトがねじり振動すると、以下に列記するような問題を生じるおそれがある。
【0016】
第1に、大きなねじり振幅により過大な応力が早いサイクルで繰り返しクランクシャフトに入力されることによって、クランクシャフトの耐久性が低下する。
【0017】
第2に、騒音が増加する。具体的には、クランクシャフトがねじり変形することで、クランクシャフトの複数のメインジャーナル間の同軸度を確保することができなくなり、メインジャーナルを回転可能に支持するシリンダブロック側のメインベアリング(軸受ハウジング)に振動入力を与える。この振動入力がエンジン周辺の空気を振動させて騒音を発生したり、他の車両部品を経由して騒音を発生したりする。
【0018】
第3に、クランクシャフトの軸受部分でのフリクションが増加する。具体的には、クランクシャフトがねじり変形することで上述したように複数のメインジャーナル間の同軸度が狂うため、軸受の油膜厚さが局所的に過小・過大になる部位が発生し、クランクシャフトの回転抵抗が増大する。
【0019】
以下に説明する本発明の実施例は、このような複リンク式の可変圧縮比エンジンにおけるクランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消するものである。
【0020】
図1及び図5は可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図であり、図1は本発明の第1実施例を示し、図5は比較例を示している。
【0021】
第1実施例と比較例とに共通する構成として、シリンダブロック19には、エンジン前側より順に#1気筒,#2気筒,#3気筒及び#4気筒が気筒列方向に直列に配列されており、全ての気筒に対し、上述した複リンク式の可変圧縮比機構が適用されている。一本のコントロールシャフト7が4つの気筒で共用されるのに対し、アッパーリンクやロアリンク等のリンク部品は各気筒毎にそれぞれ設けられている。
【0022】
クランクシャフト4は、各気筒のロアリンク6が回転可能に嵌合する合計4つのクランクピン5と、シリンダブロック19側のメインベアリングとしてのバルクヘッド13により回転可能に支持される複数のメインジャーナル22と、クランクピン5とメインジャーナル22との間に設けらる複数のクランクウェブ16と、を有している。クランクウェブ16は、クランクシャフト4の回転を円滑に保つための平衡錘(バランスウエイト)として機能するとともに、クランクピン5よりも径方向に張り出した唾部23によりロアリンク6の両側を挟み込み、ロアリンク6の軸方向の移動・位置ずれを防止する機能を有している。
【0023】
図5の比較例では、メインジャーナル22が、隣り合う気筒間の3カ所22b〜22dと、気筒列両側の2カ所22a,22eと、の合計5カ所22a〜22eにほぼ等間隔に配置されている。これらのメインジャーナル22a〜22eと同じ様に、バルクヘッド13も合計5カ所13a〜13eに配置されている。クランクウェブ16は、交互に配設されたメインジャーナルとバルクヘッドの間の合計8カ所16a〜16hに設けられている。全てのクランクウェブ16a〜16hのクランク軸方向厚さが一定に設定されている。
【0024】
このような比較例に対し、図1の第1実施例では、気筒列のほぼ中央に位置する#2気筒と#3気筒との気筒間のバルクヘッド13cとメインジャーナル22cとが省略されており、かつ、#2気筒のクランクピン5bの直後の#3気筒側に隣接するはずのクランクウェブ16dと、#3気筒のクランクピン5cの直後の#2気筒側に隣接するはずのクランクウェブ16eと、が省略されている。従って、メインジャーナルは、#1気筒と#2気筒の気筒間22bと、#3気筒と#4気筒の気筒間22dと、気筒列両側の2カ所22a,22eと、の合計4カ所に配置されている。このメインジャーナルに対応してバルクヘッドも合計4カ所に配置されている。クランクウェブは、上述した2カ所16d,16eを除く合計6カ所16a〜16c,16f〜16hに配置されている。
【0025】
#2気筒のクランクピン5bと#3気筒のクランクピン5cとは、両者と同軸上の棒状の連結軸部24により接続されている。言い換えると、棒状をなす連結軸部24の両側に#2,#3気筒のクランクピン5b,5cが形成されている。従って、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cから#3気筒後寄りのクランクウェブ16fまでの間が、屈曲部のないほぼ一直線の棒状をなす連結軸部24により構成されており、これにより、クランクシャフトのねじり剛性が向上し、実運転時のクランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消することができる。
【0026】
この連結軸部24には、上述した各クランクウェブ16の唾部23と同様、#2気筒と#3気筒のロアリンクよりも径方向に張り出した補助唾部17が設けられ、これらの唾部23,17によりクランクピンの軸方向の位置ずれを防止することができる。
【0027】
#2,#3気筒間のバルクヘッドやクランクウェブの省略による剛性低下を補うように、#2気筒のクランクピン5bの直前すなわち#1気筒側に隣接するクランクウェブ16cと、#3気筒のクランクピン5cの直後すなわち#4気筒側に隣接するクランクウェブ16fとは、他のクランクウェブ16a,16b,16g,16h(及び比較例の同じ位置にあるクランクウェブ16c,16f)に比して、クランク軸方向に長い幅広形状に幅広化・厚肉化されている。これにより、剛性低下が懸念される#2,#3気筒の周辺のクランクシャフトのねじり剛性を有効に向上することができる。
【0028】
気筒間隔等を変更することなく、上述したように一部のクランクウェブ16c,16fを幅広形状とするために、#2気筒のロアリンク6bの中心線14aを、#2気筒のシリンダ中心線14に対し、後方寄り・#3気筒寄りにオフセットさせており、かつ、#3気筒のロアリンク6cの中心線15aを、#3気筒のシリンダ中心線15に対し、前方寄り・#2気筒寄りにオフセットさせている。その他の#1,#4気筒ではロアリンクの中心線はシリンダ中心線15に対して一致している。
【0029】
図2は、本発明の第2実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図である。基本構成は第1実施例と同様であるが、この第2実施例では、#2気筒のロアリンク6bと#3気筒のロアリンク6cとが、クランクピンとしての連結軸部24に回転可能に嵌合する一つの一体型ロアリンク18として構成・統合されている点と、#2気筒と#3気筒とで1本のコントロールリンク8’を共有している点とで、第1実施例と大きく異なっている。
【0030】
このように、#2気筒と#3気筒とでロアリンク18とコントロールリンク8’とが一本化されているため、部品点数が削減され、部品管理が容易化され、エンジン製作コストが低減化される。また、比較例や第1実施例に比して、コントロールリンクの本数が4本から3本に低減するため、コントロールリンクと偏心軸部との軸受部分も4箇所から3箇所へ低減し、軸受部分を研磨加工する製造コストも更に軽減される。
【0031】
複リンク式の可変圧縮比エンジンにおいては、一般的な単リンク式エンジンに比して、クリアランスを有する軸受部分が多数(例えば1気筒あたり6箇所)存在し、これら軸受部分のクリアランス誤差の累積により気筒間のピストンストローク行程のばらつきが大きくなり、気筒間の筒内圧力がばらつきを持ちやすい。この第2実施例では#2気筒と#3気筒とでロアリンクとコントロールリンクとをそれぞれ共用しているために、軸受部分が低減されるとともに、気筒間の筒内圧力のばらつきの管理が第1実施例の場合に比して容易・簡単になるというメリットも得られる。
【0032】
#1気筒後寄りのクランクウェブ16bと#4気筒前寄りのクランクウェブ16gとを、他のクランクウェブ16a,16h、あるいは比較例や第1実施例の同じ位置でのクランクウェブ16b,16gに比して、クランク軸方向に長い幅広形状に幅広化している。これにより、#2,#3気筒周辺のクランクシャフトのねじり剛性を更に効果的に向上することができる。
【0033】
このようなクランクウェブ16b,16gの幅広化を、気筒間隔等を変更することなく容易に行うことができるように、#1気筒と#2気筒の間のバルクヘッド13bの中心線20aを、#1気筒のシリンダ中心線と#2気筒のシリンダ中心線との中間線20に対し、後方寄り・#2気筒寄りにオフセットさせており、かつ、#3気筒と#4気筒の間のバルクヘッド13dの中心線21aを、#3気筒と#4気筒の中間線21に対し、前方寄り・#3気筒寄りにオフセットさせている。なお、他の気筒間のバルクヘッドの中心線は気筒間の中間線と一致している。
【0034】
このように第2実施例では、#2−#3気筒間のバルクヘッド等が省略されたことと、#2,#3気筒のロアリンクとコントロールリンクとがそれぞれ一本化されたことにより、#2−#3気筒間の空間的な余裕が増すため、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cと#3気筒後寄りのクランクウェブ16fとを第1実施例と同じ様に軸方向に長い幅広形状として、ねじり剛性の向上が図られている。
【0035】
更に第2実施例では、#2,#3気筒でのロアリンクとコントロールリンクとの一本化・共用化により、構成の簡素化や軸受部分の削減による性能向上等が得られ、かつ、#1気筒後寄りのクランクウェブ16bと#4気筒前寄りのクランクウェブ16gとの幅広化により、更なる剛性向上効果を得ることができる。
【0036】
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【図2】本発明の第2実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【図3】複リンク式の可変圧縮比機構を示す概略構成図。
【図4】複リンク式の可変圧縮比エンジンと単リンク式の固定圧縮比型エンジンとのトルク特性の差異を示すグラフ。
【図5】比較例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【符号の説明】
1…ピストン
3…アッパーリンク
4…クランクシャフト
5…クランクピン
6…ロアリンク
7…コントロールシャフト
8…コントロールリンク
13…バルクヘッド(メインベアリング)
16…クランクウェブ
22…メインジャーナル
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関圧縮比を変更可能な複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、機関圧縮比を変更可能な複リンク式の可変圧縮比機構を備えたエンジンが記載されている。可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられたロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連携するアッパーリンクと、を有し、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−47955号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンは、ピストンとクランクピンとを一本のコネクティングロッドにより連携した一般的な単リンク式のピストン−クランク機構を備える圧縮比固定型のエンジンに比してて、クランクシャフトのねじり振動の振幅が大きくなる傾向にあり、このようなねじり振動に対する対策が望まれている。本発明は、複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンで、クランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンは、4つの気筒が直列に配列された気筒列を有するとともに、気筒列に沿って延びるクランクシャフトに、メインベアリングによりシリンダブロック側に回転可能に支持される複数のメインジャーナルが設けられ、かつ、複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンである。この可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと各気筒のピストンとを連携するアッパーリンクと、を備え、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御することができる。
【0006】
複数の隣り合う気筒間の中で、#2気筒と#3気筒の間には上記メインジャーナルとメインベアリングとが存在せず、残りの気筒間及び気筒列両側の4カ所に上記メインジャーナルとメインベアリングとが配置されており、この4カ所でクランクシャフトがシリンダブロック側に回転可能に支持される。
【0007】
【発明の効果】
#2気筒と#3気筒の間にメインジャーナルとメインベアリングとを設けていないので、#2気筒と#3気筒との間に空間的な余裕が増し、例えば、#2,#3気筒周辺のクランクシャフトに設けられるクランクウェブをクランク軸方向に幅広化することができる。このようにクランクウェブを厚肉化・幅広化することにより、クランクシャフトのねじれに対する剛性が高くなり、ねじり共振によるフリクションの増加や音振性能の低下を抑制・防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
先ず、図3を参照して、後述する第1,第2実施例及び比較例に共通する複リンク式の可変圧縮比機構について説明する。この可変圧縮比機構は、気筒列方向に延びるクランクシャフト4のクランクピン5に回転可能に取り付けられるロアリンク6と、このロアリンク6と各気筒のピストン1とを連携するアッパーリンク3と、ロアリンク6の運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更・制御する圧縮比変更手段と、を有している。ピストン1とアッパーリンク3の一端とはピストンピン2により連結され、アッパーリンク3の他端とロアリンク6とはアッパーピン9により連結されている。
【0010】
上記の圧縮比変更手段は、クランクシャフト4の斜め下方を気筒列方向へ延びるコントロールシャフト7と、このコントロールシャフト7に偏心して設けられた偏心軸部7aと、この偏心軸部7aとロアリンク6とを連携するコントロールリンク8と、を有している。ロアリンク6とコントロールリンク8とはコントロールピン10により連結されている。図示せぬモータ等のアクチュエータによりコントロールシャフト7の回転位置を変化させると、コントロールシャフト7の揺動支点である偏心軸部7aの位置が変化し、ロアリンク6の運動拘束条件が変化して、機関圧縮比が変化することとなる。
【0011】
このような複リンク式の可変圧縮比機構は、車両運転状況に応じて機関圧縮比を連続的に変更できることに加え、ピストンストローク特性を望ましい特性(例えば単振動に近い特性)とすることが可能で、かつ、比較的スペースに余裕のある機関下方側にコントロールシャフト7やコントロールリンク8が配置されているため、機関搭載性に優れている等の利点を持つ。
【0012】
このような複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンでは、クランクシャフトのクランクピンとピストンとを一本のコネクティングロッドで連携した単リンク式のピストン−クランク機構を備えた固定圧縮比型エンジンに比して、クランクシャフトのねじり振動の振幅が大きくなる傾向にあり、このようなねじり振動に対する対策が大きな課題となる。図4は、このようなピストン−クランク間の主運動系部品の構成の違いによるクランクシャフトへの入力トルクの相違を示している。この図は全気筒(この例では4気筒)のクランクピンに入力されるトルクを合計したものであり、気筒内の圧力を略同一としたグラフである。図中の符号11は、可変圧縮比機構を有する複リンク・可変圧縮比エンジンの入力トルク特性を示し、符号12は、一般的な単リンク式のピストン−クランク機構を備えた圧縮比固定型のエンジンの入力トルク特性を示している。図示するように、可変圧縮比エンジンでは圧縮比固定型エンジンに比して交番トルクの振幅が大きくなる。ただし、両者11,12をクランク角度で積分した値はほぼ同じであり、クランクシャフトから出力として取り出される定常的なトルクの値はほぼ同一となる。
【0013】
複リンク式の可変圧縮比エンジンの交番トルクが大きくなる要因として、主として以下の2つが挙げられる。第1の要因は、複リンク構造の機構学的・力学的なものである。すなわち、一般的な単リンク式エンジンにおいては、ピストンからの燃焼荷重がコネクティングロッドのみを介してクランクピンに入力されるのに対し、上記のような複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、燃焼荷重がアッパーリンクとロアリンクとを経由してクランクピンに入力され、ロアリンクにおいてコントロールピン10を支点、アッパーピン9を力点、クランクピン5を作用点とする梃子の原理が働き、燃焼荷重が増幅されてクランクピンに入力されるため、交番トルクの振幅が大きくなるのである。
【0014】
第2の要因は、クランクシャフトの剛性低下にある。複リンク式の可変圧縮比エンジンにおいては、限られた大きさであるロアリンクに、クランクピン,アッパーピン,及びコントロールピンの軸受部を設けなければならないために、クランクピンの太さ(直径)は制限され、一般的な単リンク式エンジンに比してクランクピンが細くなる傾向にある。また、ロアリンクが一般的なコネクティングロッドよりもエンジン前後方向(クランク軸方向)に長く幅広となるために、エンジン前後方向における寸法的な制限から、クランクシャフトのクランクピンとメインジャーナルとの間に設けられるクランクウェブのクランク軸方向厚さが、一般的な単リンク式エンジンよりも薄くなる傾向にある。複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、単リンク式エンジンに比して、クランクアームの長さを短くできる面ではねじり剛性確保の上で有利といえるが、上述したようにクランクピンが細くなることとクランクウェブが薄くなること等により、全体としてはねじり剛性が低くなる傾向にある。
【0015】
実運転時のクランクシャフトのねじり振幅は、入力トルクと、ねじり動剛性の逆数と、の積によって決まるため、上述した二つの要因の相乗効果により、複リンク式の可変圧縮比エンジンでは、単リンク式エンジンに比して、クランクシャフトのねじり振幅が2倍〜数倍となることがある。仮にクランクシャフトがねじり振動すると、以下に列記するような問題を生じるおそれがある。
【0016】
第1に、大きなねじり振幅により過大な応力が早いサイクルで繰り返しクランクシャフトに入力されることによって、クランクシャフトの耐久性が低下する。
【0017】
第2に、騒音が増加する。具体的には、クランクシャフトがねじり変形することで、クランクシャフトの複数のメインジャーナル間の同軸度を確保することができなくなり、メインジャーナルを回転可能に支持するシリンダブロック側のメインベアリング(軸受ハウジング)に振動入力を与える。この振動入力がエンジン周辺の空気を振動させて騒音を発生したり、他の車両部品を経由して騒音を発生したりする。
【0018】
第3に、クランクシャフトの軸受部分でのフリクションが増加する。具体的には、クランクシャフトがねじり変形することで上述したように複数のメインジャーナル間の同軸度が狂うため、軸受の油膜厚さが局所的に過小・過大になる部位が発生し、クランクシャフトの回転抵抗が増大する。
【0019】
以下に説明する本発明の実施例は、このような複リンク式の可変圧縮比エンジンにおけるクランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消するものである。
【0020】
図1及び図5は可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図であり、図1は本発明の第1実施例を示し、図5は比較例を示している。
【0021】
第1実施例と比較例とに共通する構成として、シリンダブロック19には、エンジン前側より順に#1気筒,#2気筒,#3気筒及び#4気筒が気筒列方向に直列に配列されており、全ての気筒に対し、上述した複リンク式の可変圧縮比機構が適用されている。一本のコントロールシャフト7が4つの気筒で共用されるのに対し、アッパーリンクやロアリンク等のリンク部品は各気筒毎にそれぞれ設けられている。
【0022】
クランクシャフト4は、各気筒のロアリンク6が回転可能に嵌合する合計4つのクランクピン5と、シリンダブロック19側のメインベアリングとしてのバルクヘッド13により回転可能に支持される複数のメインジャーナル22と、クランクピン5とメインジャーナル22との間に設けらる複数のクランクウェブ16と、を有している。クランクウェブ16は、クランクシャフト4の回転を円滑に保つための平衡錘(バランスウエイト)として機能するとともに、クランクピン5よりも径方向に張り出した唾部23によりロアリンク6の両側を挟み込み、ロアリンク6の軸方向の移動・位置ずれを防止する機能を有している。
【0023】
図5の比較例では、メインジャーナル22が、隣り合う気筒間の3カ所22b〜22dと、気筒列両側の2カ所22a,22eと、の合計5カ所22a〜22eにほぼ等間隔に配置されている。これらのメインジャーナル22a〜22eと同じ様に、バルクヘッド13も合計5カ所13a〜13eに配置されている。クランクウェブ16は、交互に配設されたメインジャーナルとバルクヘッドの間の合計8カ所16a〜16hに設けられている。全てのクランクウェブ16a〜16hのクランク軸方向厚さが一定に設定されている。
【0024】
このような比較例に対し、図1の第1実施例では、気筒列のほぼ中央に位置する#2気筒と#3気筒との気筒間のバルクヘッド13cとメインジャーナル22cとが省略されており、かつ、#2気筒のクランクピン5bの直後の#3気筒側に隣接するはずのクランクウェブ16dと、#3気筒のクランクピン5cの直後の#2気筒側に隣接するはずのクランクウェブ16eと、が省略されている。従って、メインジャーナルは、#1気筒と#2気筒の気筒間22bと、#3気筒と#4気筒の気筒間22dと、気筒列両側の2カ所22a,22eと、の合計4カ所に配置されている。このメインジャーナルに対応してバルクヘッドも合計4カ所に配置されている。クランクウェブは、上述した2カ所16d,16eを除く合計6カ所16a〜16c,16f〜16hに配置されている。
【0025】
#2気筒のクランクピン5bと#3気筒のクランクピン5cとは、両者と同軸上の棒状の連結軸部24により接続されている。言い換えると、棒状をなす連結軸部24の両側に#2,#3気筒のクランクピン5b,5cが形成されている。従って、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cから#3気筒後寄りのクランクウェブ16fまでの間が、屈曲部のないほぼ一直線の棒状をなす連結軸部24により構成されており、これにより、クランクシャフトのねじり剛性が向上し、実運転時のクランクシャフトのねじり振動を有効に低減・解消することができる。
【0026】
この連結軸部24には、上述した各クランクウェブ16の唾部23と同様、#2気筒と#3気筒のロアリンクよりも径方向に張り出した補助唾部17が設けられ、これらの唾部23,17によりクランクピンの軸方向の位置ずれを防止することができる。
【0027】
#2,#3気筒間のバルクヘッドやクランクウェブの省略による剛性低下を補うように、#2気筒のクランクピン5bの直前すなわち#1気筒側に隣接するクランクウェブ16cと、#3気筒のクランクピン5cの直後すなわち#4気筒側に隣接するクランクウェブ16fとは、他のクランクウェブ16a,16b,16g,16h(及び比較例の同じ位置にあるクランクウェブ16c,16f)に比して、クランク軸方向に長い幅広形状に幅広化・厚肉化されている。これにより、剛性低下が懸念される#2,#3気筒の周辺のクランクシャフトのねじり剛性を有効に向上することができる。
【0028】
気筒間隔等を変更することなく、上述したように一部のクランクウェブ16c,16fを幅広形状とするために、#2気筒のロアリンク6bの中心線14aを、#2気筒のシリンダ中心線14に対し、後方寄り・#3気筒寄りにオフセットさせており、かつ、#3気筒のロアリンク6cの中心線15aを、#3気筒のシリンダ中心線15に対し、前方寄り・#2気筒寄りにオフセットさせている。その他の#1,#4気筒ではロアリンクの中心線はシリンダ中心線15に対して一致している。
【0029】
図2は、本発明の第2実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図である。基本構成は第1実施例と同様であるが、この第2実施例では、#2気筒のロアリンク6bと#3気筒のロアリンク6cとが、クランクピンとしての連結軸部24に回転可能に嵌合する一つの一体型ロアリンク18として構成・統合されている点と、#2気筒と#3気筒とで1本のコントロールリンク8’を共有している点とで、第1実施例と大きく異なっている。
【0030】
このように、#2気筒と#3気筒とでロアリンク18とコントロールリンク8’とが一本化されているため、部品点数が削減され、部品管理が容易化され、エンジン製作コストが低減化される。また、比較例や第1実施例に比して、コントロールリンクの本数が4本から3本に低減するため、コントロールリンクと偏心軸部との軸受部分も4箇所から3箇所へ低減し、軸受部分を研磨加工する製造コストも更に軽減される。
【0031】
複リンク式の可変圧縮比エンジンにおいては、一般的な単リンク式エンジンに比して、クリアランスを有する軸受部分が多数(例えば1気筒あたり6箇所)存在し、これら軸受部分のクリアランス誤差の累積により気筒間のピストンストローク行程のばらつきが大きくなり、気筒間の筒内圧力がばらつきを持ちやすい。この第2実施例では#2気筒と#3気筒とでロアリンクとコントロールリンクとをそれぞれ共用しているために、軸受部分が低減されるとともに、気筒間の筒内圧力のばらつきの管理が第1実施例の場合に比して容易・簡単になるというメリットも得られる。
【0032】
#1気筒後寄りのクランクウェブ16bと#4気筒前寄りのクランクウェブ16gとを、他のクランクウェブ16a,16h、あるいは比較例や第1実施例の同じ位置でのクランクウェブ16b,16gに比して、クランク軸方向に長い幅広形状に幅広化している。これにより、#2,#3気筒周辺のクランクシャフトのねじり剛性を更に効果的に向上することができる。
【0033】
このようなクランクウェブ16b,16gの幅広化を、気筒間隔等を変更することなく容易に行うことができるように、#1気筒と#2気筒の間のバルクヘッド13bの中心線20aを、#1気筒のシリンダ中心線と#2気筒のシリンダ中心線との中間線20に対し、後方寄り・#2気筒寄りにオフセットさせており、かつ、#3気筒と#4気筒の間のバルクヘッド13dの中心線21aを、#3気筒と#4気筒の中間線21に対し、前方寄り・#3気筒寄りにオフセットさせている。なお、他の気筒間のバルクヘッドの中心線は気筒間の中間線と一致している。
【0034】
このように第2実施例では、#2−#3気筒間のバルクヘッド等が省略されたことと、#2,#3気筒のロアリンクとコントロールリンクとがそれぞれ一本化されたことにより、#2−#3気筒間の空間的な余裕が増すため、#2気筒前寄りのクランクウェブ16cと#3気筒後寄りのクランクウェブ16fとを第1実施例と同じ様に軸方向に長い幅広形状として、ねじり剛性の向上が図られている。
【0035】
更に第2実施例では、#2,#3気筒でのロアリンクとコントロールリンクとの一本化・共用化により、構成の簡素化や軸受部分の削減による性能向上等が得られ、かつ、#1気筒後寄りのクランクウェブ16bと#4気筒前寄りのクランクウェブ16gとの幅広化により、更なる剛性向上効果を得ることができる。
【0036】
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【図2】本発明の第2実施例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【図3】複リンク式の可変圧縮比機構を示す概略構成図。
【図4】複リンク式の可変圧縮比エンジンと単リンク式の固定圧縮比型エンジンとのトルク特性の差異を示すグラフ。
【図5】比較例に係る可変圧縮比エンジンを示す図3のA−A線に沿う断面対応図。
【符号の説明】
1…ピストン
3…アッパーリンク
4…クランクシャフト
5…クランクピン
6…ロアリンク
7…コントロールシャフト
8…コントロールリンク
13…バルクヘッド(メインベアリング)
16…クランクウェブ
22…メインジャーナル
Claims (7)
- 4つの気筒が直列に配列された気筒列を有するとともに、この気筒列に沿って延びるクランクシャフトに、メインベアリングによりシリンダブロック側に回転可能に支持される複数のメインジャーナルが設けられ、
かつ、上記クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと各気筒のピストンとを連携するアッパーリンクと、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を有する複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンにおいて、
複数の隣り合う気筒間の中で、#2気筒と#3気筒の気筒間には上記メインジャーナルとメインベアリングとが存在せず、残りの気筒間及び気筒列両側の4カ所に上記メインジャーナルとメインベアリングとが配置されることを特徴とする可変圧縮比エンジン。 - 上記クランクシャフトのメインジャーナルとクランクピンとの間にクランクウェブが設けられ、
#2気筒のクランクピンの#1気筒側に隣接するクランクウェブと、#3気筒のクランクピンの#4気筒側に隣接するクランクウェブとが、クランク軸方向に幅広化されていることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジン。 - #2気筒のロアリンクの中心線が、#2気筒のシリンダ中心線に対して、#3気筒寄りにオフセットし、
#3気筒のロアリンクの中心線が、#3気筒のシリンダ中心線に対して、#2気筒寄りにオフセットしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変圧縮比エンジン。 - #2気筒のロアリンクと#3気筒のロアリンクとを一つの一体型ロアリンクとして構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の可変圧縮比エンジン。
- クランクシャフトのメインジャーナルとクランクピンとの間にクランクウェブが設けられ、
#1気筒のクランクピンの#2気筒側に隣接するクランクウェブと、#4気筒のクランクピンの#3気筒側に隣接するクランクウェブとが、クランク軸方向に幅広化されていることを特徴とする請求項1,2又は4に記載の可変圧縮比エンジン。 - #1気筒と#2気筒の間のメインベアリングの中心線が、#1気筒のシリンダ中心線と#2気筒のシリンダ中心線との中間線に対し、#2気筒寄りにオフセットし、
#3気筒と#4気筒の間のメインベアリングの中心線が、#3気筒のシリンダ中心線と#4気筒のシリンダ中心線との中間線に対し、#3気筒寄りにオフセットしていることを特徴とする請求項1,2,4又は5に記載の可変圧縮比エンジン。 - 複数の気筒が直列に配列された気筒列を有するとともに、この気筒列に沿って延びるクランクシャフトに、メインベアリングによりシリンダブロック側に回転可能に支持される複数のメインジャーナルが設けられ、
かつ、上記クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと各気筒のピストンとを連携するアッパーリンクと、ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、機関圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を有する複リンク式の可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比エンジンにおいて、
複数の隣り合う気筒間の中で、少なくとも一つの気筒間には上記メインジャーナルとメインベアリングとが存在せず、残りの気筒間及び気筒列両側に上記メインジャーナルとメインベアリングとが配置されることを特徴とする可変圧縮比エンジン。
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JP2003193302A JP2005030220A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 可変圧縮比エンジン |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-07-08 JP JP2003193302A patent/JP2005030220A/ja active Pending
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