JP2015101959A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】重量増加および製造コスト増加を抑制しつつ、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することのできるエンジンを提供すること。
【解決手段】第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3より大きく設定し、第2気筒#2のストローク長を他の気筒より大きくする。また、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3の2倍に設定する。また、第1気筒#1、第2気筒#2および第3気筒#3が直列に順次配列される。
【選択図】図7
【解決手段】第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3より大きく設定し、第2気筒#2のストローク長を他の気筒より大きくする。また、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3の2倍に設定する。また、第1気筒#1、第2気筒#2および第3気筒#3が直列に順次配列される。
【選択図】図7
Description
本発明は、3気筒の隣り合うクランクピンの位相が180°に設定され第2気筒の休止運転が可能なエンジンに関する。
近年、多気筒エンジンにおいてエンジン回転数や負荷に応じて一部の気筒を気筒休止するエンジンが実用化されている。一般にこの種のエンジンでは、大きなエンジン出力が要求されない低速低負荷領域で気筒休止を行うことで、ポンピングロスおよび燃料消費を低減するようになっている。ここで、3つの気筒を備える3気筒エンジンでは、クランク角位相が120°であると第2気筒を休止する場合に不等間隔燃焼となるため、特に低速低負荷領域で振動が顕著に発生してしまう。
これに対し、従来、クランク角位相を180°にして第2気筒を休止可能にするとともに、第2気筒の往復運動部および回転運動部の質量を他の気筒の2倍に設定した3気筒エンジンが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された3気筒エンジンによれば、気筒休止時に第1気筒と第3気筒の燃焼間隔および第3気筒と第1気筒の燃焼間隔が360°の等間隔になるため振動が低減される。
しかしながら、従来のエンジンは、第2気筒の各運動部の質量を他の気筒の2倍に設定しているため、第2気筒の各運動部の重量が増加してしまうという問題があった。すなわち、第1気筒および第3気筒の各運動部の質量を通常より小さくすることは強度等の点から困難であるため、第2気筒の各運動部の質量を他の気筒より増加せざるを得えず、この場合は第2気筒のコネクティングロッド等を強化する必要もあるため、エンジン全体が大型で重いものになってしまう虞があった。また、従来のエンジンは、第2気筒の各運動部の質量を他の気筒の2倍に設定しているため、第2気筒のピストンやピストンピン等を他の気筒と共通化することができず、製造コストが増加してしまう虞があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、重量増加および製造コスト増加を抑制しつつ、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することのできるエンジンを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、重量増加および製造コスト増加を抑制しつつ、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することのできるエンジンを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、順次配列されボア径が互いに同一の第1気筒、第2気筒および第3気筒と、前記第1気筒、前記第2気筒および前記第3気筒に対応するクランクピンの位相が180°の間隔に設定されたクランクシャフトとを備え、前記第2気筒の燃焼を休止する気筒休止運転が可能なエンジンであって、前記第2気筒のクランクアーム長を、前記第1気筒および前記第3気筒のクランクアーム長より大きく設定している。
本発明の第2の態様としては、前記第2気筒のクランクアーム長を、前記第1気筒および前記第3気筒のクランクアーム長の2倍に設定することが好ましい。
本発明の第3の態様としては、前記第1気筒、前記第2気筒および前記第3気筒が直列に順次配列されていることが好ましい。
本発明の第2の態様としては、前記第2気筒のクランクアーム長を、前記第1気筒および前記第3気筒のクランクアーム長の2倍に設定することが好ましい。
本発明の第3の態様としては、前記第1気筒、前記第2気筒および前記第3気筒が直列に順次配列されていることが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、第2気筒のクランクアーム長を、第1気筒のクランクアーム長および第3気筒のクランクアーム長より大きく設定しているため、第2気筒のストローク長が他の気筒より大きくなっている。このため、第2気筒と他の気筒との間の慣性力の不釣り合いが是正されるので、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することができる。また、クランクシャフトの第2気筒のクランクアーム長のみが他の気筒と異なるので、第2気筒のクランクアーム以外の部材を全気筒で共通化することができ、エンジンの重量増加および製造コスト増加を抑制することができる。また、第2気筒のストローク長を他の気筒より大きくしているので、第2気筒の排気量が他の気筒より大きくなり、第2気筒を気筒休止したときの燃費向上効果を大きくすることができる。
また、本発明の第2の態様によれば、第2気筒のクランクアーム長を、第1気筒のクランクアーム長および第3気筒のクランクアーム長の2倍に設定している。このため、第2気筒の往復運動部質量が、第1気筒の往復運動部質量と第3気筒の往復運動部質量の合計に近くなるので、往復方向の不釣り合いが適正化される。この結果、振動および騒音を更に低減することができる。
また、本発明の第3の態様によれば、第1気筒、第2気筒および第3気筒が直列に順次配列されている。この構成により、第1気筒、第2気筒および第3気筒を水平対向配置またはV型配置にした場合と比較し、シリンダヘッドの共有化等により製造性を向上することができるとともにエンジンの幅方向のサイズを小さくすることができる。
以下に、本発明の実施形態に係るエンジンの詳細を図面に基づいて説明する。
まず、構成について説明する。図1に示すように、本実施形態のエンジン1は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3を気筒配列方向(図中Z方向)に直列に順次配置した3気筒4ストロークエンジンとして構成されている。また、エンジン1は、後述する気筒休止機構70(図3参照)を第2気筒#2に備えており、この気筒休止機構70によって第2気筒が休止可能になっている。
まず、構成について説明する。図1に示すように、本実施形態のエンジン1は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3を気筒配列方向(図中Z方向)に直列に順次配置した3気筒4ストロークエンジンとして構成されている。また、エンジン1は、後述する気筒休止機構70(図3参照)を第2気筒#2に備えており、この気筒休止機構70によって第2気筒が休止可能になっている。
エンジン1は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3にそれぞれ対応させて、ピストン11、12、13と、ピストンピン21、22、23と、コネクティングロッド31、32、33とを備えている。コネクティングロッド31、32、33の小端部(図中の上端部)とピストン11、12、13は、ピストンピン21、22、23によって接続されている。ピストン11、12、13は互いに同一の外径に形成されている。すなわち、エンジン1は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3で同一のボア径を有している。
また、エンジン1は、ピストン11、12、13のX軸方向の往復運動をZ軸周りの回転運動に変換するクランクシャフト2を備えている。クランクシャフト2は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3にそれぞれ対応させて、クランクピン41、42、43と、クランクアーム51、52、53と、一対のカウンタウェイト61、62、63とを備えている。また、クランクシャフト2は、不図示のクランクベアリングに支持される4つのジャーナル部3を備えている。クランクアーム51、52、53は、クランクシャフト2の回転中心から放射外方に突出して形成されている。クランクピン41、42、43は、クランクアーム51、52、53の放射外方の端部近傍に設けられている。コネクティングロッド31、32、33の大端部(図中の下端部)は、このクランクピン41、42、43によってクランクシャフト2に接続されている。カウンタウェイト61、62、63は、クランクシャフト2の軸芯O1を挟んでクランクアーム51、52、53に対向する位置に配置されており、ピストンピン21、22、23およびコネクティングロッド31、32、33との重量の釣り合いを取るようになっている。
本実施形態では、図2(a)に示すように、第1気筒#1のクランクピン41と第2気筒#2のクランクピン42の間隔を180°に設定している。また、第2気筒#2のクランクピン42と第3気筒#3のクランクピン43との間隔を180°に設定している。すなわち、クランクピン41、42、43の位相は、クランクピン41の位置を0°としたとき、第1気筒#1側からそれぞれ0°−180°−0°に設定されており、クランクピン41、43に対してクランクピン42が対向している。
また、エンジン1の点火順序は、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2の順番となっている。なお、図2(b)は、一般的な3気筒エンジンを示し、この3気筒エンジンではクランクピンの位相を第1気筒#1側から0°−120°−240°に設定されている。
また、エンジン1の点火順序は、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2の順番となっている。なお、図2(b)は、一般的な3気筒エンジンを示し、この3気筒エンジンではクランクピンの位相を第1気筒#1側から0°−120°−240°に設定されている。
エンジン1において、往復運動部の質量(往復運動部質量)をMA、回転運動部の質量(回転運動部質量)をMBとすると、各気筒のカウンタウェイト61、62、63に付与される不釣り合い量は、MA*0.5+MB*1.0となる。ここで、往復運動部は、ピストン11、12、13、ピストンピン21、22、23、コネクティングロッド31、32、33の小端部である。また、回転運動部は、クランクピン41、42、43、コネクティングロッド31、32、33の大端部、クランクアーム51、52、53、カウンタウェイト61、62、63である。
気筒休止機構70は、図3に示すように、カム軸73と、カムキャリア74と、カム切換部75と、ロッカーアーム76とを備えている。カム軸73にはスプライン73aが形成されている。カムキャリア74は、軸線方向に隣り合うように一対の駆動カム71と休止カム72とを有しており、カム軸73のスプライン73a上に軸線方向に移動可能に設けられている。カム切換部75は、不図示の油圧機構によりカムキャリア74をカム軸73上で一端側(図中左側)および他端側(図中右側)に移動させるようになっている。このように構成された気筒休止機構70は、カム切換部75によってカムキャリア74を一端側に移動させることで、駆動カム71をロッカーアーム76に対向させてバルブ77(吸気バルブおよび排気バルブ)を開閉させるようになっている。また、気筒休止機構70は、カム切換部75によってカムキャリア74を他端側に移動させることで、休止カム72をロッカーアーム76に対向させてバルブ77の開弁を停止し、第2気筒#2を休止するようになっている。
また、気筒休止機構70は、図4に示すように、高回転高負荷時およびフル加速時等に、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3による3気筒運転を実施し、低回転低負荷時に第2気筒#2を休止して、第1気筒#1、第3気筒#3による2気筒運転を実施するようになっている。なお、気筒休止機構70としては、図3に示すものに限定されるものではなく、上述のようなエンジン回転数およびエンジン負荷の領域で第2気筒#2を休止可能なものであれば他の構成を採用することができる。
ここで、本実施形態のようにクランクピン41、42、43の位相を第1気筒#1側から0°−180°−0°に設定しているエンジン1においては、第2気筒#2の往復慣性力Fx2は、第1気筒#1の往復慣性力Fx1および第3気筒#3の往復慣性力Fx3を打ち消すように作用する。このため、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくすることで、エンジン1全体の往復慣性力Fxを小さくし、振動と騒音を低減することが可能となる。そこで、本実施形態では、以下に説明する手法によって、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくなるようにしている。なお、往復慣性力とは、ピストン11、12、13の往復方向(X軸方向)に作用する慣性力である。また、クランクシャフト2の角速度をω、クランクシャフト2の位相(回転角)をθとしたとき、エンジン1全体の往復慣性力Fxは、MA*Rcp*w2*COSθとなる。
次に、上記のように第2気筒#2の往復慣性力Fx2を他の気筒より大きくするための具体的手法について説明する。
まず、図5に示すエンジン1は、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を、第1気筒#1のカウンタウェイト61および第3気筒#3のカウンタウェイト63の質量より小さくすることで、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくしている。すなわち、図5では、第2気筒#2において、カウンタウェイト62の質量を小さくすることでピストン12等の往復運動部との間で不釣り合いを生じさせ、この結果、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を他の気筒より大きくするようにしている。また、図5では、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3にそれぞれ対応するカウンタウェイト61、62、63の半径Rcw1、Rcw2、Rcw3を、Rcw2>Rcw1、Rcw3としている。すなわち、カウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくすることで、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を他の気筒の質量より小さくしている。換言すると、図5では、各カウンタウェイト61、62、63の肉厚を等しくしたまま、カウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくしている。なお、第2気筒#2のカウンタウェイト62の肉厚を他の気筒より薄くすることによってカウンタウェイト62の質量が他の気筒の質量より小さくなるようにしてもよい。
まず、図5に示すエンジン1は、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を、第1気筒#1のカウンタウェイト61および第3気筒#3のカウンタウェイト63の質量より小さくすることで、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくしている。すなわち、図5では、第2気筒#2において、カウンタウェイト62の質量を小さくすることでピストン12等の往復運動部との間で不釣り合いを生じさせ、この結果、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を他の気筒より大きくするようにしている。また、図5では、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3にそれぞれ対応するカウンタウェイト61、62、63の半径Rcw1、Rcw2、Rcw3を、Rcw2>Rcw1、Rcw3としている。すなわち、カウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくすることで、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を他の気筒の質量より小さくしている。換言すると、図5では、各カウンタウェイト61、62、63の肉厚を等しくしたまま、カウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくしている。なお、第2気筒#2のカウンタウェイト62の肉厚を他の気筒より薄くすることによってカウンタウェイト62の質量が他の気筒の質量より小さくなるようにしてもよい。
また、図6に示すエンジン1は、第2気筒#2の往復運動部質量MA2を、第1気筒#1の往復運動部質量MA1および第3気筒#3の往復運動部質量MA3より大きくすることで、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくしている。また、図6では、図5と同様に第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を、第1気筒#1のカウンタウェイト61および第3気筒#3のカウンタウェイト63の質量より小さくしている。図6では、第2気筒#2の往復運動部質量MA2を他の気筒より大きくするため、第1気筒#1、第3気筒#3のピストンピン21、23を中空構造としたまま、第2気筒#2のピストンピン22を中実構造にしている。具体的には、図6に示すエンジン1は、振動よび騒音をより低減するためには、第2気筒#2の往復運動部質量MA2を、第1気筒#1の往復運動部質量MA1および第3気筒#3の往復運動部質量MA3の2倍とし、MA2=2MA1=2MA3の関係を満たすようにしている。なお、第2気筒#2の往復運動部質量MA2を「2倍」にするとは、正確に2倍であることに限定されず、略2倍をも含んでいる。
また、図7に示すエンジン1は、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3より大きくし、Rcp2>Rcp1=Rcp3としている。すなわち、第2気筒#2のストローク長(ピストン12の移動距離)を第1気筒#1のストローク長(ピストン11の移動距離)および第3気筒#3のストローク長(ピストン13の移動距離)より大きくすることで、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、第1気筒#1および第3気筒#3の往復慣性力Fx1、Fx3より大きくしている。具体的には、図7に示すエンジン1は、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3の2倍とし、Rcp2=2Rcp1=2Rcp3の関係を満たすようにしている。なお、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を「2倍」にするとは、正確に2倍であることに限定されず、略2倍をも含んでいる。ここで、クランクアーム長Rcp1、Rcp2、Rcp3は、それぞれクランクシャフト2の軸芯O1からクランクピン41、42、43までの長さである。また、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3の各ストローク長は、クランクアーム長Rcp1、Rcp2、Rcp3の2倍の値となる。図7においても、図5と同様に第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を、第1気筒#1のカウンタウェイト61および第3気筒#3のカウンタウェイト63の質量より小さくしている。
このように、第2気筒#2の往復慣性力Fx2を、他の気筒より大きくする手法としては、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を他の気筒より小さくする構成(図5)、または第2気筒#2の往復運動部質量MA2を他の気筒より大きく(好ましくは2倍)する構成(図6)、または第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を他の気筒より大きく(好ましくは2倍)する構成(図7)を採用することができる。また、図5、図6、図7の構成は組み合わせて採用することができる。
次に、作用について図8〜図12を参照して説明する。
図2(b)の従来の一般的な3気筒エンジンでは、クランクピンの位相が第1気筒#1側から0°−120°−240°に設定されているため、図8(a)に示すように、3気筒運転時には点火時期が0°(#1)→240°(#3)→480°(#2)→720°(#1)の等間隔燃焼となる。しかし、第2気筒#2を休止して第1気筒#1と第3気筒#3での運転を行う気筒休止運転時(2気筒運転時)には、点火時期が0°(#1)→240°(#3)→720°(#1)の不等間隔燃焼となる。このため、図2(b)に示す一般的な3気筒エンジンは、低速低負荷運転時に気筒休止をする際に、不等間隔燃焼による違和感が顕著となりドライバビリディも低下する。
図2(b)の従来の一般的な3気筒エンジンでは、クランクピンの位相が第1気筒#1側から0°−120°−240°に設定されているため、図8(a)に示すように、3気筒運転時には点火時期が0°(#1)→240°(#3)→480°(#2)→720°(#1)の等間隔燃焼となる。しかし、第2気筒#2を休止して第1気筒#1と第3気筒#3での運転を行う気筒休止運転時(2気筒運転時)には、点火時期が0°(#1)→240°(#3)→720°(#1)の不等間隔燃焼となる。このため、図2(b)に示す一般的な3気筒エンジンは、低速低負荷運転時に気筒休止をする際に、不等間隔燃焼による違和感が顕著となりドライバビリディも低下する。
これに対し、図5〜図7に示すエンジン1は、図1で説明したように何れもクランクピン41、42、43の位相を第1気筒#1側から0°−180°−0°に設定している。ここで、エンジン回転数と回転変動との間には図9に示すように高回転であるほど回転変動が小さいという関係がある。このため、本実施形態のエンジン1は、図8(b)に示すように気筒休止をしない3気筒運転時に点火時期が0→360°→540°→720°となり不等間隔燃焼となるものの、図7で説明したように高回転域で3気筒運転を実施するので、不等間隔燃焼による違和感は軽微でありドライバビリティも維持される。また、図5〜図7に示すエンジン1は、図8(c)に示すように気筒休止運転時に点火時期が0°(#1)→360°(#3)→720°(#1)となり、等間隔燃焼となる。このため、エンジン1の回転変動は小さなものとなり、振動および騒音も低減される。
また、本実施形態のエンジン1は、クランクピン41、42、43の位相を第1気筒#1側から0°−180°−0°に設定しているため、クランクピン41、42、43が略同一平面上に配置された平面的な構造になる。このため、クランクシャフト2を鍛造または鋳造で製造する際の製造コストを低減することができる。
また、図1のようにクランクピン41、42、43の位相を第1気筒#1側から0°−180°−0°に設定した構成においては、エンジン1の振動特性は、図10に示すものとなる。図10は、エンジン1のX軸方向の往復慣性力FxおよびY軸方向の往復慣性力Fyの変動を示しており、クランク角が0°(360°)のときに往復慣性力Fxが最大値となっている。なお、図10では、X軸周りのモーメントMXと、Y軸周りのモーメントMYも記している。
また、図5のように第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量を他の気筒の質量より小さくする構成においては、エンジン1の振動特性は図11に示すものとなる。図11において、往復慣性力Fxは、クランク角が0°、180°、360°のとき最大値となっている。図11における往復慣性力Fxの最大値は図10における往復慣性力Fxの最大値よりも小さくなっている。また、図5の構成では、第2気筒#2のカウンタウェイト62の質量が他の気筒より小さいだけであるので、ピストン11、12、13、ピストンピン21、22、23等の部材は全気筒で共通である。このため、図5の構成では、第2気筒#2のカウンタウェイト62以外の部材を共通化することができる。
また、図6のように第2気筒#2の往復運動部質量MA2を、第1気筒#1の往復運動部質量MA1および第3気筒#3の往復運動部質量MA3より大きくする構成においては、第2気筒#2の回転運動部が発生する遠心力が他の気筒より大きくなるとともに、第2気筒#2の回転運動部および往復運動部の慣性力も他の気筒より大きくなる。
図6の構成において第2気筒#2の往復運動部質量MA2を他の気筒の2倍にした場合、エンジン1の振動特性は図12に示すものとなる。図12においては、往復慣性力Fxは2次慣性力成分のみとなっている。すなわち、図6の構成のエンジン1は、第2気筒#2の往復慣性力Fx2が第1気筒#1および第3気筒#3の合計の往復慣性力Fx1+Fx3に等しくなり、エンジン1全体の往復慣性力Fxが完全に釣り合うため、バランサ付2気筒エンジンと同じエンジンバランスを実現することができる。
図6の構成において第2気筒#2の往復運動部質量MA2を他の気筒の2倍にした場合、エンジン1の振動特性は図12に示すものとなる。図12においては、往復慣性力Fxは2次慣性力成分のみとなっている。すなわち、図6の構成のエンジン1は、第2気筒#2の往復慣性力Fx2が第1気筒#1および第3気筒#3の合計の往復慣性力Fx1+Fx3に等しくなり、エンジン1全体の往復慣性力Fxが完全に釣り合うため、バランサ付2気筒エンジンと同じエンジンバランスを実現することができる。
また、図7のように第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3より大きくした構成においても、図6の場合と同様に、第2気筒#2の回転運動部が発生する遠心力が他の気筒より大きくなるとともに、第2気筒#2の回転運動部および往復運動部の慣性力も他の気筒より大きくなる。このため、第2気筒と他の気筒との間の慣性力の不釣り合いが是正されるので、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することができる。
図7の構成において第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を他の気筒の2倍にした場合、エンジン1の振動特性は図12に示すものとなる。したがって、図7の構成のエンジン1は、図6の構成と同様に、第2気筒#2の往復慣性力Fx2が第1気筒#1および第3気筒#3の合計の往復慣性力Fx1+Fx3に等しくなり、エンジン1全体の往復慣性力Fxが完全に釣り合うため、バランサ付2気筒エンジンと同じエンジンバランスを実現することができる。
図7の構成において第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を他の気筒の2倍にした場合、エンジン1の振動特性は図12に示すものとなる。したがって、図7の構成のエンジン1は、図6の構成と同様に、第2気筒#2の往復慣性力Fx2が第1気筒#1および第3気筒#3の合計の往復慣性力Fx1+Fx3に等しくなり、エンジン1全体の往復慣性力Fxが完全に釣り合うため、バランサ付2気筒エンジンと同じエンジンバランスを実現することができる。
また、図7の構成は、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2が他の気筒のクランクアーム長Rcp1、Rcp3の2倍になっているだけであるので、ピストン11、12、13、ピストンピン21、22、23等の部材は図5と同様に全気筒で共通である。このため、図7の構成では、第2気筒#2のクランクアーム52以外の部材を共通化することができる。この結果、エンジン1の重量増加を抑制することができる。また、エンジン1の製造コスト増加を抑制することができる。
更に、図7の構成は、第2気筒#2のストローク長が他の気筒のストローク長より大きくなり、第2気筒#2の排気量に対して第1気筒#1および第3気筒#3の排気量が相対的に小さくなる。このため、第2気筒#2を休止したときの燃費向上等の減筒効果を大きくすることができる。
更に、図7の構成は、第2気筒#2のストローク長が他の気筒のストローク長より大きくなり、第2気筒#2の排気量に対して第1気筒#1および第3気筒#3の排気量が相対的に小さくなる。このため、第2気筒#2を休止したときの燃費向上等の減筒効果を大きくすることができる。
このように、図7の構成は、図5の構成と比較して振動特性において有利な効果を奏し、図6の構成と比較して重量および製造コストにおいて有利な効果を奏するため好適である。
なお、図7の構成は、図5のようにカウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくする構成と併用することで、第2気筒#2のピストン12が下死点にあるときにピストン12とカウンタウェイト62との間に隙間ができるように容易に設計することができる。
なお、図7の構成は、図5のようにカウンタウェイト62の半径Rcw2を他の気筒より小さくする構成と併用することで、第2気筒#2のピストン12が下死点にあるときにピストン12とカウンタウェイト62との間に隙間ができるように容易に設計することができる。
このように、図7に示す本実施形態のエンジン1は、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3より大きく設定しているため、第2気筒#2のストローク長が他の気筒より大きくなっている。このため、第2気筒と他の気筒との間の慣性力の不釣り合いが是正されるので、全気筒運転時および気筒休止運転時の振動を低減することができる。
また、図7に示す本実施形態のエンジン1は、クランクシャフト2の第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2のみが他の気筒と異なるので、第2気筒#2のクランクアーム52以外の部材を全気筒で共通化することができ、エンジン1の重量増加および製造コスト増加を抑制することができる。
また、本実施形態のエンジン1は、第2気筒のストローク長を他の気筒より大きくしているので、第2気筒#2の排気量が他の気筒より大きくなり、第2気筒#2を気筒休止したときの燃費向上効果を大きくすることができる。
また、図7に示す本実施形態のエンジン1は、クランクシャフト2の第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2のみが他の気筒と異なるので、第2気筒#2のクランクアーム52以外の部材を全気筒で共通化することができ、エンジン1の重量増加および製造コスト増加を抑制することができる。
また、本実施形態のエンジン1は、第2気筒のストローク長を他の気筒より大きくしているので、第2気筒#2の排気量が他の気筒より大きくなり、第2気筒#2を気筒休止したときの燃費向上効果を大きくすることができる。
また、本実施形態は、第2気筒#2のクランクアーム長Rcp2を、第1気筒#1のクランクアーム長Rcp1および第3気筒#3のクランクアーム長Rcp3の2倍に設定している。このため、第2気筒#2の往復運動部質量MA2が、第1気筒#1の往復運動部質量MA1と第3気筒#3の往復運動部質量MA3の合計に近くなるので、往復方向の不釣り合いが適正化される。この結果、振動および騒音を更に低減することができる。
また、本実施形態は、第1気筒#1、第2気筒#2および第3気筒#3が直列に順次配列されている。この構成により、第1気筒#1、第2気筒#2および第3気筒#3を水平対向配置またはV型配置にした場合と比較し、シリンダヘッドの共有化等により製造性を向上することができるとともにエンジン1の幅方向(Y方向)のサイズを小さくすることができる。
以上、実施形態について説明したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられ得ることは明白である。本発明は、すべてのこのような修正および等価物が含まれることが意図されている。
#1…第1気筒、#2…第2気筒、#3…第3気筒、1…エンジン、2…クランクシャフト、41,42,43…クランクピン、51,52,53…クランクアーム、70…気筒休止機構、Rcp1,Rcp2,Rcp3…クランクアーム長
Claims (3)
- 順次配列されボア径が互いに同一の第1気筒、第2気筒および第3気筒と、
前記第1気筒、前記第2気筒および前記第3気筒に対応するクランクピンの位相が180°の間隔に設定されたクランクシャフトとを備え、
前記第2気筒の燃焼を休止する気筒休止運転が可能なエンジンであって、
前記第2気筒のクランクアーム長を、前記第1気筒および前記第3気筒のクランクアーム長より大きく設定したことを特徴とするエンジン。 - 前記第2気筒のクランクアーム長を、前記第1気筒および前記第3気筒のクランクアーム長の2倍に設定したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
- 前記第1気筒、前記第2気筒および前記第3気筒が直列に順次配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン。
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