JP2018197610A - レシプロエンジンのクランク軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化とねじり剛性の向上を図ると同時に、曲げ剛性の向上を図ることができる
レシプロエンジンのクランク軸を提供する。
【解決手段】クランク軸は、回転中心軸となるジャーナル部Jと、このジャーナル部Jに対して偏心したピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pをつなぐクランクアーム部Aと、クランクアーム部Aと一体のカウンターウエイト部Wと、を備え、クランクアーム部Aのピン部P側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部11の内側にこの縁部11に沿って凹部10が形成されている。このクランク軸は、軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車用エンジン、船舶用エンジン、発電機等の汎用エンジンといったレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に関する。
レシプロエンジンは、シリンダ(気筒)内でのピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すため、クランク軸を必要とする。クランク軸は、型鍛造によって製造されるものと、鋳造によって製造されるものとに大別される。特に、気筒数が2以上の多気筒エンジンには、強度と剛性に優れた前者の型鍛造クランク軸が多用される。
図1は、一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す側面図である。図1に示すクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載されるものであり、5つのジャーナル部J1〜J5、4つのピン部P1〜P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、及びジャーナル部J1〜J5とピン部P1〜P4とをそれぞれつなぐ8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1〜A8を備える。このクランク軸1は、8枚の全てのアーム部A1〜A8にカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1〜W8を一体で有し、4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸と称される。
以下、ジャーナル部J1〜J5、ピン部P1〜P4、アーム部A1〜A8及びウエイト部W1〜W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」と記す。ピン部P及びこのピン部Pにつながる一組のアーム部A(ウエイト部Wを含む)をまとめて「スロー」ともいう。
ジャーナル部J、フロント部Fr及びフランジ部Flは、クランク軸1の回転中心と同軸上に配置される。ピン部Pは、クランク軸1の回転中心からピストンストロークの半分の距離だけ偏心して配置される。ジャーナル部Jは、すべり軸受けによってエンジンブロックに支持され、回転中心軸となる。ピン部Pには、すべり軸受けによってコネクティングロッド(以下、「コンロッド」ともいう)の大端部が連結され、このコンロッドの小端部にピストンがピストンピンによって連結される。
エンジンにおいて、各シリンダ内で燃料が爆発する。その爆発による燃焼圧は、ピストンの往復運動をもたらし、クランク軸1の回転運動に変換される。その際、燃焼圧は、コンロッドを介してクランク軸1のピン部Pに作用し、そのピン部Pにつながるアーム部Aを介してジャーナル部Jに伝達される。これにより、クランク軸1は、弾性変形を繰り返しながら回転する。
クランク軸のジャーナル部を支持する軸受けには潤滑油が存在する。クランク軸の弾性変形に応じ、軸受け内の油膜圧力及び油膜厚さは、軸受け荷重及びジャーナル部の軸心軌跡と相互に関連しながら変化する。更に、軸受けにおけるジャーナル部の表面粗さと軸受けメタルの表面粗さに応じ、油膜圧力が生じるだけでなく、局部的な金属接触も生じる。油膜厚さの確保は、油切れによる軸受け焼き付きを防止するとともに、局部的な金属接触を防止するために重要である。燃費性能に影響するからである。
また、クランク軸の回転に伴う弾性変形、及び軸受け内のクリアランスの中で移動するジャーナル部の軸心軌跡は、回転中心のズレを生じさせるため、エンジン振動(マウント振動)に影響する。更にその振動は、車体を伝播して乗車室内のノイズ、乗り心地等に影響する。
このようなエンジン性能を向上させるため、クランク軸は剛性が高く、変形し難いことが求められる。これに加えて、クランク軸は軽量化が求められる。
クランク軸には、筒内圧(シリンダ内の燃焼圧)の荷重が負荷され、その他に回転遠心力の荷重が負荷される。これらの荷重に対する変形抵抗の付与のために、クランク軸のねじり剛性と曲げ剛性の向上が図られる。クランク軸の設計においては、ジャーナル部の直径、ピン部の直径、ピストンストローク等といった主要諸元が決定される。主要諸元が決定された後、アーム部の形状設計が残された設計領域となる。このため、アーム部の形状設計により、ねじり剛性と曲げ剛性を共に向上させることが、先ずは重要な要件となる。ここでいうアーム部は、上述のとおり、厳密にはジャーナル部とピン部とをつなぐ領域に限定された小判形状の部分であり、カウンターウエイト部の領域の部分は含まない。
一方、クランク軸には、静バランスと動バランスの釣り合いがとれた質量配分が必要である。運動力学的に回転体としてスムーズな回転を行えるようにするためである。これらの静バランスと動バランスをとるために、曲げ剛性とねじり剛性の要件から決定されたアーム部側の質量に対し、ウエイト部側の質量を、軽量化を踏まえて調整することが重要な要件となる。
静バランスは、アーム部及びウエイト部の各部分の質量モーメント(質量×重心半径)について、これらの全ての和が零になるように調整される。また、動バランスは、クランク軸の回転軸のある1点を基準とし、その基準点から各部分の重心までの軸方向の距離を各部分の質量モーメントに乗じ(質量×重心半径×軸方向距離)、これらの全ての和が零になるように調整される。
更に、1スロー内(1気筒に対応するクランク軸の領域)で燃焼圧荷重に対するバランスをとるためにバランス率が調整される。バランス率は、クランク軸のピン部を含む(厳密にはコンロッドの一部も含む)アーム部側の質量モーメントに対するウエイト部側の質量モーメントの割合である。このバランス率がある一定範囲内になるように調整される。
クランク軸のアーム部の剛性を高めることと軽量化を図ることは、トレードオフの関係にあるが、両者の要請を同時に達成するために、従来からアーム部形状に関する技術が様々提案されている。従来技術としては下記のものがある。
特許第4998233号公報(特許文献1)は、アーム部のピン部側の表面及びジャーナル部側の表面において、ジャーナル部の軸心とピン部の軸心とを結ぶ直線(以下、「アーム部中心線」ともいう)上に、集中して大きく窪む凹溝を設けたアーム部を開示する。特許文献1に開示されたアーム部は、軽量化と剛性の向上を狙うものである。ジャーナル部側表面の凹溝は質量の減少による軽量化に寄与し、しかも、この凹溝の周囲の厚肉部がねじり剛性の向上に寄与する。しかし、アーム部中心線上に集中して大きく窪む凹溝が存在することに起因し、実際のところでは、曲げ剛性の向上はあまり期待できない。
特表2004−538429号公報(特許文献2)、特表2004−538430号公報(特許文献3)、特開2012−7726号公報(特許文献4)、及び特開2010−230027号公報(特許文献5)は、アーム部のジャーナル部側の表面において、アーム部中心線上に、大きく深く窪む穴部を設けたアーム部を開示する。特許文献2〜5に開示されたアーム部でも、軽量化とねじり剛性の向上が図られる。しかし、アーム部中心線上に大きく深く窪む穴部が存在することに起因し、実際のところでは曲げ剛性は低下する。
特許第4998233号公報 特表2004−538429号公報 特表2004−538430号公報 特開2012−7726号公報 特開2010−230027号公報
確かに、前記特許文献1〜5に開示された技術によれば、クランク軸の軽量化とねじり剛性の向上を図ることができる。しかし、クランク軸の曲げ剛性の向上については、それらの従来技術では限界があり、その技術革新が強く望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、クランク軸の軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できるレシプロエンジンのクランク軸を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態であるレシプロエンジンのクランク軸は、
回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心の位置でつなげる第3の凹部が形成されている。
本発明の一実施形態であるレシプロエンジンのクランク軸は、
回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心よりも前記ピン部寄りの位置でつなげる第3の凹部が形成されている。
回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心よりも前記カウンターウエイト部寄りの位置で前記ジャーナル部の輪郭に沿ってつなげる第3の凹部が形成されている。
本発明によれば、アーム部のピン部側の表面に凹部が形成される。これにより、アーム部の両側の縁部が厚肉化され、その内側が凹部によって薄肉化される。更にその凹部の内側の中央部が厚肉化されるので、クランク軸の軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できる。
図1は、一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す側面図である。 図2は、アーム部の曲げ剛性の評価法を説明するための模式図である。 図3は、アーム部のねじり剛性の評価法を説明するための模式図であり、図3(a)は1スローの側面図を、図3(b)はその軸方向視での正面図をそれぞれ示す。 図4は、材料力学的にねじり剛性の観点からアーム部を単純な円板とみなした場合の典型例を示す図であって、図4(a)は矩形断面円板を、図4(b)は凸型断面円板を、図4(c)は凹型断面円板をそれぞれ示す。 図5は、材料力学的に曲げ剛性の観点からアーム部の断面形状を単純化しアーム部を単純な梁とみなした場合の典型例を示す図であって、図5(a)は矩形断面梁を、図5(b)は凸型断面梁を、図5(c)は凹型断面梁をそれぞれ示す。 図6は、曲げ剛性とねじり剛性に直接関連する断面2次モーメント及び極2次モーメントについて、断面形状に応じて大小関係をまとめた図である。 図7は、第1実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図であり、図7(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を、図7(b)はA−A断面図を、図7(c)はB−B断面図を、図7(d)はC−C断面図を、図7(e)はD−D断面図をそれぞれ示す。 図8は、第2実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図であり、図8(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を、図8(b)はE−E断面図を、図8(c)はF−F断面図を、図8(d)はG−G断面図を、図8(e)はH−H断面図をそれぞれ示す。 図9は、第3実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図であり、図9(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を、図9(b)はI−I断面図を、図9(c)はJ−J断面図を、図9(d)はK−K断面図を、図9(e)はL−L断面図をそれぞれ示す。 図10は、第4実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図であり、図10(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を、図10(b)はM−M断面図を、図10(c)はN−N断面図を、図10(d)はO−O断面図を、図10(e)はP−P断面図をそれぞれ示す。
以下に、本発明のレシプロエンジンのクランク軸について、その実施形態を詳述する。
1.クランク軸の設計で考えるべき基本技術
1−1.アーム部の曲げ剛性
図2は、アーム部の曲げ剛性の評価法を説明するための模式図である。図2に示すように、クランク軸の各スローについて、シリンダ内での爆発による燃焼圧の荷重Fは、コンロッドを経由してピン部Pに負荷される。このとき、各スローは両端のジャーナル部Jが軸受けによって支持されるので、荷重Fはピン部Pからアーム部Aを介してジャーナル軸受けに伝わる。これにより、アーム部Aは3点曲げの荷重負荷状態となり、アーム部Aに曲げモーメントMが作用する。これに伴って、アーム部Aには、板厚方向の外側(ジャーナル部J側)で圧縮応力が発生し、板厚方向の内側(ピン部P側)では引張応力が発生する。
ピン部P及びジャーナル部Jの各直径が設計諸元として決定されている場合、アーム部Aの曲げ剛性は、各スローのアーム部形状に依存する。ウエイト部Wは曲げ剛性にほとんど寄与しない。このとき、ピン部Pの軸方向中央における燃焼圧負荷方向の変位uは、下記の式(1)で示すように、ピン部Pに負荷される燃焼圧の荷重Fに比例し、曲げ剛性に反比例する。
u ∝ F/(曲げ剛性) …(1)
1−2.アーム部のねじり剛性
図3は、アーム部のねじり剛性の評価法を説明するための模式図であり、図3(a)は1スローの側面図を示し、図3(b)はその1スローの軸方向視での正面図を示す。クランク軸はジャーナル部Jを中心に回転運動をしているので、図3に示すように、ねじりトルクTが発生する。そこで、アーム部Aのねじり剛性を高めることが必要である。クランク軸のねじり振動に対し、共振を起こすことなくスムーズな回転を確保するためである。
ピン部P及びジャーナル部Jの各直径が設計諸元として決定されている場合、アーム部Aのねじり剛性は、各スローのアーム部形状に依存する。ウエイト部Wはねじり剛性にほとんど寄与しない。このとき、ジャーナル部Jのねじれ角γは、下記の式(2)で示すように、ねじりトルクTに比例し、ねじり剛性に反比例する。
γ ∝ T/(ねじり剛性) …(2)
2.本発明のクランク軸
2−1.アーム部剛性向上のための考え方
上述のとおり、ウエイト部は曲げ剛性とねじり剛性にほとんど寄与しない。そこで、本実施形態では、軽量で曲げ剛性とねじり剛性が同時に向上するアーム部形状を提示する。
2−1−1.ねじり剛性を向上させる形状
ここでは、材料力学の理論に基づいて、ねじり剛性を向上させるための典型的な形状を検討する。前記図3に示すアーム部Aについて、軽量化を維持しつつねじり剛性を向上させるには、極2次モーメントを大きくすることが有効である。
図4は、材料力学的にねじり剛性の観点からアーム部を単純な円板とみなした場合の典型例を示す図である。図4(a)は矩形断面円板を示し、図4(b)は凸型断面円板を示し、図4(c)は凹型断面円板を示す。図4(a)に示す矩形断面円板、図4(b)に示す凸型断面円板、及び図4(c)に示す凹型断面円板の各重量は、軽量化の維持を考慮し、同一としている。すなわち、これらの円板は、断面形状が矩形、凸型及び凹型と互いに異なっているが、これらの円板の体積は同一である。
具体的には、図4(a)に示す矩形断面円板の断面形状は、矩形であり、厚みがHで直径がBである。図4(b)に示す凸型断面円板の断面形状は、中央部が外周部よりも突出した凸型であり、最外周の直径がBである。その中央部は、突出した分の厚みがHで直径がBであり、その外周部は厚みがHである。一方、図4(c)に示す凹型断面円板の断面形状は、中央部が外周部よりも窪んだ凹型であり、最外周の直径がBである。その中央部は、厚みがHで窪みの深さがHであり、窪みの直径がBである。
これらの円板のねじり剛性の大小関係について、重量を同一とした条件下で調べる。一般に、材料力学の理論によれば、ねじり剛性と極2次モーメントとねじれ角との間には、下記の式(3)〜式(5)で表される関係がある。式(3)〜式(5)の関係より、極2次モーメントを大きくすることが、ねじり剛性の向上に有効である。
ねじり剛性:G×J/L …(3)
極2次モーメント:J=(π/32)×d …(4)
ねじれ角:γ=T×L/(G×J) …(5)
式(3)〜式(5)中、Lは軸方向長さ、Gは横弾性率、dは丸棒の半径、Tはねじりトルクである。
図4に示す3種の円板において、重量が同一という条件は、体積が同一であるという条件を意味する。このため、それらの3種の円板の各寸法パラメータに関して下記の式(6)の関係がある。
(π/4)×B×B×H=(π/4)×(B×B×H+B×B×H)=(π/4)×{B×B×(H+H)−B×B×H)} …(6)
そして、3種の円板それぞれの極2次モーメントは、厚みを考慮して、下記の式(7)〜式(9)で表される。
矩形断面円板の極2次モーメント:
(A)=(π/32)×H×B …(7)
凸型断面円板の極2次モーメント:
(B)=(π/32)×(H×B +H×B ) …(8)
凹型断面円板の極2次モーメント:
(C)=(π/32)×{(H+H)×B −H×B } …(9)
これらの式(7)〜式(9)から、矩形断面円板の極2次モーメントJ(A)、凸型断面円板の極2次モーメントJ(B)及び凹型断面円板の極2次モーメントJ(C)の大小関係は、下記の式(10)で示すとおりになる。
(B) < J(A) < J(C) …(10)
この式(10)が材料力学から理論的に導かれる結論である。この結論は、定性的に言えば、ねじりの中心からの距離が遠いところに多くの部材が配置される断面形状の方が、極2次モーメントが高くなる、という材料力学的な考察から理解できる。
例えば、同一重量である条件、すなわち上記式(6)を満たす条件の実例として、各寸法パラメータを下記のとおりに設定した場合のことを考える。
=100mm、H=20mm、H=10mm、H=H=20mm、B=B=100/√2=70.71mm。
この実例の場合、矩形断面円板の極2次モーメントJ(A)は、上記式(7)より、下記の式(11)で示すとおりに求まる。
(A)=1.96×10 …(11)
凸型断面円板の極2次モーメントJ(B)は、上記式(8)より、下記の式(12)で示すとおりに求まる。
(B)=1.47×10 …(12)
凹型断面円板の極2次モーメントJ(C)は、上記式(9)より、下記の式(13)で示すとおりに求まる。
(C)=2.45×10 …(13)
これらの式(11)〜式(13)より、上記式(10)の関係が成り立つことが数値的に確認できる。
したがって、ねじり荷重に対しては、凸型断面円板、矩形断面円板、凹型断面円板の順序で、ねじり剛性が高くなり、凹型断面円板が最も好ましい形状であると言える。
2−1−2.曲げ剛性を向上させる形状
ここでは、材料力学の理論に基づいて、曲げ剛性を向上させるための典型的な形状を検討する。前記図2に示すアーム部Aについて、軽量化を維持しつつ曲げに対する曲げ剛性を向上させるには、断面形状の曲げ断面2次モーメントを大きくすることが効率的である。
図5は、材料力学的に曲げ剛性の観点からアーム部の断面形状を単純化しアーム部を単純な梁とみなした場合の典型例を示す図である。図5(a)は矩形断面梁を示し、図5(b)は凸型断面梁を示し、図5(c)は凹型断面梁を示す。図5(a)に示す矩形断面梁、図5(b)に示す凸型断面梁、及び図5(c)に示す凹型断面梁の各重量は、軽量化の維持を考慮し、同一としている。すなわち、これらの梁は、断面形状が矩形、凸型及び凹型と互いに異なっているが、これらの梁の断面積は同一である。
具体的には、図5(a)に示す矩形断面梁の断面形状は、矩形であり、厚みがHで幅がBである。図5(b)に示す凸型断面梁の断面形状は、中央部が両側部よりも突出した凸型であり、全幅がBである。その中央部は、厚みがHで幅がBであり、その両側部はそれぞれ厚みがHで幅がB/2である。一方、図5(c)に示す凹型断面梁の断面形状は、中央部が両側部よりも窪んだ凹型であり、全幅がBである。その中央部は、厚みがHで幅がBであり、その両側部はそれぞれ厚みがHで幅がB/2である。
これらの梁の曲げ荷重に対する剛性の大小関係について、重量を同一とした条件下で調べる。一般に、材料力学の理論から、矩形梁の曲げ剛性と断面2次モーメントの関係は下記の式(14)〜式(16)で表される。式(14)〜式(16)の関係より、断面2次モーメントを大きくすることが、曲げ剛性の向上に有効である。
曲げ剛性:E×I …(14)
断面2次モーメント:I=(1/12)×b×h …(15)
たわみ変位:u=k(M/(E×I)) …(16)
式(14)〜式(16)中、bは幅、hは厚み、Eは縦弾性率、Mは曲げモーメント、kは形状係数である。
図5に示す3種の梁において、重量が同一という条件は、体積が互いに同一、すなわち断面の面積が互いに同一であるという条件を意味する。このため、それらの3種の梁の各寸法パラメータに関して下記の式(17)の関係がある。
×H=(H×B+B×H)=(H×B+B×H) …(17)
そして、3種の梁それぞれの断面2次モーメントは、下記の式(18)〜式(20)で表される。
矩形断面梁の断面2次モーメント:
(D)=(1/12)×B×H …(18)
凸型断面梁の断面2次モーメント:
(E)=1/3×(B×E −B×H +B×E ) …(19)
式(19)中、
は「(B×H +B×H )/{2×(B×H+B×H)}」、
は「H−E」、
は「E−H」である。
凹型断面梁の断面2次モーメント:
(F)=1/3×(B×E −B×H +B×E ) …(20)
式(20)中、
は「(B×H +B×H )/{2×(B×H+B×H)}」、
は「H−E」、
は「E−H」である。
上記式(19)と上記式(20)は形が同じである。これは、重量が同一という条件下では、凸型断面梁の断面2次モーメントI(E)と凹型断面梁の断面2次モーメントI(F)が同じになることを示す。
要するに、矩形断面梁の断面2次モーメントI(D)、凸型断面梁の断面2次モーメントI(E)及び凹型断面梁の断面2次モーメントI(F)の大小関係は、下記の式(21)で示すとおりになる。
(D) < I(E) = I(F) …(21)
この式(21)が材料力学から理論的に導かれる結論である。この結論は、定性的に言えば、曲げの中立面からの距離が遠いところに、多くの部材が配置される断面形状の方が、断面2次モーメントが高くなるという材料力学的な考察から理解できる。
例えば、同一重量である条件、すなわち上記式(17)を満たす条件の実例として、各寸法パラメータを下記のとおりに設定した場合のことを考える。
=B=50mm、B=100mm、H=20mm、H=10mm、H=30mm。このとき、E=12.5mm、E=17.5mm、H=7.5mmとなる。
この実例の場合、矩形断面梁の断面2次モーメントI(D)は、上記式(18)より、下記の式(22)で示すとおりに求まる。
(D)=6.67×10 …(22)
凸型断面梁の断面2次モーメントI(E)は、上記式(19)より、下記の式(23)で示すとおりに求まる。
(E)=2.04×10 …(23)
凹型断面梁の断面2次モーメントI(F)は、上記式(20)より、下記の式(24)で示すとおりに求まる。
(F)=2.04×10 …(24)
これらの式(22)〜式(24)より、上記式(21)の関係が成り立つことが数値的に確認できる。
したがって、曲げ荷重に対しては、凸型断面梁と凹型断面梁は同等の曲げ剛性を有すると言える。また、矩形断面梁よりも、アーム部の一部を厚肉化したような凸型断面梁又は凹型断面梁の方が、曲げ剛性が高く好ましい形状であると言える。
2−1−3.曲げ剛性とねじり剛性を向上させる基本形状のまとめ
図6は、曲げ剛性とねじり剛性に直接関連する断面2次モーメント及び極2次モーメントについて、断面形状に応じて大小関係をまとめた図である。図6では、前記図4及び図5に示す矩形断面、凸型断面及び凹型断面の断面形状ごとに、極2次モーメント及び断面2次モーメントを、矩形断面を基準「1」とした比率で表示する。
図6に示す結果から、曲げ剛性とねじり剛性を共に効率的に向上させるために共通する手段として、アーム部の厚みを厚肉化することがあると言える。図6に示すように、断面形状が凸型又は凹型であれば曲げ剛性が高まり、一方、断面形状が凹型であればねじり剛性が高まる。このことから、これらの断面形状を組み合わせることにより、曲げ剛性とねじり剛性が共に向上する。
2−2.本発明のクランク軸の概要
上述したように、曲げ剛性とねじり剛性を共に向上させるには、アーム部の断面形状を凸型と凹型を組み合わせた形状に設計することが有効である。すなわち、アーム部の輪郭に沿った両側の縁部を厚肉化し、この縁部の内側を薄肉化する。更にその薄肉化された部分の内側である中央部(アーム部中心線上でジャーナル部寄りの部分)を厚肉化する。アーム部のねじり中心から遠い縁部を厚肉化すると同時に、その内側を薄肉化することにより、軽量化を実現しつつ、ねじり剛性を高く確保できる。アーム部の縁部の厚肉化は、曲げ剛性の確保に寄与する。加えて、曲げ剛性の確保には、アーム部の中央部の厚肉化が寄与する。
以上のことを踏まえ、本実施形態によるクランク軸は、アーム部のピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部の内側にこの縁部に沿って凹部が形成されたものである。これにより、アーム部の凹部の外側の縁部が厚肉化され、その縁部の内側が凹部によって薄肉化される。更にその凹部の内側が厚肉化される。そのため、本実施形態のクランク軸は、軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できる。
2−3.具体例
[第1実施形態]
図7は、第1実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図である。図7(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を示し、図7(b)はA−A断面図を示し、図7(c)はB−B断面図を示し、図7(d)はC−C断面図を示し、図7(e)はD−D断面図を示す。図7(b)のA−A断面は、アーム部中心線Ac上の断面である。図7(c)のB−B断面図は、アーム部中心線Acに直角でクランク軸の回転中心(ジャーナル部の軸心Jc)を通る断面である。図7(d)のC−C断面は、B−B断面と平行でクランク軸の回転中心よりもピン部寄りの断面であり、図7(e)のD−D断面は、B−B断面と平行でクランク軸の回転中心よりもウエイト部寄りの断面である。
図7に示す第1実施形態のアーム部Aでは、ピン部P側の表面に、アーム部中心線Acに対して対称に凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)が形成される。具体的には、アーム部Aは、ピン部P側の表面の輪郭に沿った両側それぞれに縁部11を有する。各縁部11の内側に各縁部11に沿って、凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)が形成される。これにより、アーム部Aの両側の縁部11が厚肉化され、その縁部11の内側が凹部10によって薄肉化される。更にその凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)の内側の中央部が厚肉化される。その結果、このクランク軸は、軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できる。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図である。図8(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を示し、図8(b)はE−E断面図を示し、図8(c)はF−F断面図を示し、図8(d)はG−G断面図を示し、図8(e)はH−H断面図を示す。図8のE−E断面、F−F断面、G−G断面、H−H断面は、それぞれ前記図7のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面の位置に対応する。
図8に示す第2実施形態のアーム部Aは、前記図7に示す第1実施形態のアーム部Aの構成を基本とし、その構成の一部を変形したものである。第2実施形態では、図8に示すように、アーム部Aのピン部P側の表面に形成された凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)が、アーム部中心線Acまで伸び出す。凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)はクランク軸の回転中心、すなわちジャーナル部Jの軸心Jcの位置でつながる(第3の凹部)。
第2実施形態では、アーム部Aの両側の縁部11が厚肉化され、その縁部11の内側が凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)によって薄肉化される。更にその凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)の内側の中央部が厚肉化される。また、第2実施形態では、上記の第1実施形態と比較し、アーム部Aの両側の凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)がつながったため(第3の凹部)、凹部10(第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部)の領域が広い。このため、第2実施形態のアーム部Aは、上記の第1実施形態と同様に、クランク軸の軽量化とねじり剛性及び曲げ剛性の向上を実現できる。特に、第2実施形態のアーム部Aの形状は、クランク軸全体の軽量化に有効である。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図である。図9(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を示し、図9(b)はI−I断面図を示し、図9(c)はJ−J断面図を示し、図9(d)はK−K断面図を示し、図9(e)はL−L断面図を示す。図9のI−I断面、J−J断面、K−K断面、L−L断面は、それぞれ前記図7のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面の位置に対応する。
図9に示す第3実施形態のアーム部Aは、前記図7に示す第1実施形態のアーム部Aの構成の一部を変形したものである。第3実施形態では、図9に示すように、アーム部Aのピン部P側の表面に形成された凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)が、クランク軸の回転中心よりもピン部P寄りの位置でつながる(第3の凹部)。
第3実施形態では、アーム部Aの両側の縁部11が厚肉化され、その縁部11の内側が凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)によって薄肉化される。更にその凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)の内側の中央部が厚肉化される。これに加えて凹部10(第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部)の領域が第1実施形態と比較して広い。このため、第3実施形態のアーム部Aは、上記の第2実施形態と同様の効果を有する。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態のクランク軸におけるアーム部形状の一例を模式的に示す図である。図10(a)はピン部側からの軸方向視での正面図を示し、図10(b)はM−M断面図を示し、図10(c)はN−N断面図を示し、図10(d)はO−O断面図を示し、図10(e)はP−P断面図を示す。図10のM−M断面、N−N断面、O−O断面、P−P断面は、それぞれ前記図7のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面の位置に対応する。
図10に示す第4実施形態のアーム部Aは、前記図7に示す第1実施形態のアーム部Aの構成の一部を変形したものである。第4実施形態では、図10に示すように、アーム部Aのピン部P側の表面に形成された凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)が、クランク軸の回転中心よりもウエイト部W寄りの位置でつながる(第3の凹部)。特に、図10に示す凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)は、ジャーナル部Jの輪郭に沿ってつながる(第3の凹部)。
第4実施形態では、アーム部Aの両側の縁部11が厚肉化され、その縁部11の内側が凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)によって薄肉化される。更にその凹部10(第1の凹部及び第2の凹部)の内側の中央部が厚肉化される。これに加えて凹部10(第1の凹部、第2の凹部及び第3の凹部)の領域が第1実施形態と比較して広い。このため、第4実施形態のアーム部Aは、上記の第2、第3実施形態と同様の効果を有する。
本実施形態のクランク軸は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸を対象とする。すなわち、エンジンの気筒数は、2気筒、3気筒、4気筒、6気筒、8気筒及び10気筒のいずれでもよく、更に多いものであってもよい。エンジン気筒の配列も、直列配置、V型配置、対向配置等を特に問わない。エンジンの燃料も、ガソリン、ディーゼル、バイオ燃料等の種類を問わない。また、エンジンとしては、内燃機関と電気モータを複合してなるハイブリッドエンジンも含む。
本発明は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に有効に利用できる。
1:クランク軸、
J、J1〜J5:ジャーナル部、 Jc:ジャーナル部の軸心、
P、P1〜P4:ピン部、 Pc:ピン部の軸心、
Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、
A、A1〜A8:クランクアーム部、 Ac:アーム部中心線、
W、W1〜W8:カウンターウエイト部、
2:ダンパプーリ、 3:フライホイール、
10:凹部、 11:縁部

Claims (4)

  1. 回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
    前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心の位置でつなげる第3の凹部が形成されている、レシプロエンジンのクランク軸。
  2. 回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
    前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心よりも前記ピン部寄りの位置でつなげる第3の凹部が形成されている、レシプロエンジンのクランク軸。
  3. 回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、前記クランクアーム部と一体のカウンターウエイト部と、を備え、前記クランクアーム部と、前記カウンターウエイト部とは、継ぎ目を有しない一体形状であり、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、この表面の輪郭に沿った両側それぞれの縁部のうち、一方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って第1の凹部が形成されており、他方の前記縁部の内側にこの縁部に沿って前記第1の凹部と分離した第2の凹部が形成されており、
    前記第1の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記第2の凹部の、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線側の縁は、前記クランクアーム部の縁部に沿い、
    前記クランクアーム部の前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の領域が厚肉化されており、
    前記クランクアーム部の前記ピン部側の表面において、前記第1の凹部と前記第2の凹部とをクランク軸の回転中心よりも前記カウンターウエイト部寄りの位置で前記ジャーナル部の輪郭に沿ってつなげる第3の凹部が形成されている、レシプロエンジンのクランク軸。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のレシプロエンジンのクランク軸であって、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部とは、前記ジャーナル部の軸心と前記ピン部の軸心とを結ぶ直線に対して対称である、レシプロエンジンのクランク軸。
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