JP6484955B2 - レシプロエンジンのクランク軸 - Google Patents

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本発明は、自動車用エンジン、船舶用エンジン、発電機等の汎用エンジンといったレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に関する。
レシプロエンジンは、シリンダ(気筒)内でのピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すため、クランク軸を必要とする。クランク軸は、型鍛造によって製造されるものと、鋳造によって製造されるものとに大別され、特に、気筒数が2以上の多気筒エンジンには、強度と剛性に優位な前者の型鍛造クランク軸が多用される。
図1は、一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す側面図である。同図に例示するクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載されるものであり、5つのジャーナル部J1〜J5、4つのピン部P1〜P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、及びジャーナル部J1〜J5とピン部P1〜P4をそれぞれつなぐ8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1〜A8から構成され、8枚の全てのアーム部A1〜A8にカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1〜W8を一体で有する4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸である。
以下では、ジャーナル部J1〜J5、ピン部P1〜P4、アーム部A1〜A8及びウエイト部W1〜W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。ピン部P及びこのピン部Pにつながる一組のアーム部A(ウエイト部Wを含む)をまとめて「スロー」ともいう。
ジャーナル部J、フロント部Fr及びフランジ部Flは、クランク軸1の回転中心と同軸上に配置され、ピン部Pは、クランク軸1の回転中心からピストンストロークの半分の距離だけ偏心して配置される。ジャーナル部Jは、すべり軸受けによってエンジンブロックに支持され、回転中心軸となる。ピン部Pには、すべり軸受けによってコネクティングロッド(以下、「コンロッド」ともいう)の大端部が連結され、このコンロッドの小端部にピストンが連結される。フロント部Frは、クランク軸1の一方の軸端であり、タイミングベルトやファンベルトを駆動するためのダンパプーリ2が取り付けられる。フランジ部Flは、クランク軸1の他方の軸端であり、フライホイール3が取り付けられる。ウエイト部Wは、軸方向から見て扇形状でアーム部Aと一体化であり、主に重心位置と質量を調整し質量バランスをとる役割を担う。
エンジンの各シリンダ内で燃料が爆発するのに伴い、その爆発による燃焼圧は、ピストンの往復運動をもたらしてクランク軸1のピン部Pに作用し、これと同時に、そのピン部Pにつながるアーム部Aを介してジャーナル部Jに伝達され、回転運動に変換される。その際、クランク軸1は、弾性変形を繰り返しながら回転する。
クランク軸のジャーナル部を支持する軸受けには潤滑油が存在しており、クランク軸の傾斜や弾性変形に応じ、軸受け内で油膜圧力や油膜厚さが、軸受け荷重やジャーナル部の軸心軌跡と相互に関連しながら変化する。更に、軸受けにおけるジャーナル部の表面粗さと軸受けメタルの表面粗さに応じ、油膜圧力だけでなく、局部的な金属接触も生じる。油膜厚さの確保は、油切れによる軸受け焼き付きを防止するとともに、局部的な金属接触を防止するために重要であり、燃費性能に影響する。
また、クランク軸の回転に伴う弾性変形や、軸受け内のクリアランスの中で移動する軸心軌跡は、回転中心のズレを生じさせるので、エンジン振動(マウント振動)に影響する。更にその振動は、車体を伝播して乗車室内のノイズ、乗り心地に影響する。
このようなエンジン性能を向上させるため、クランク軸は剛性が高く、変形し難いことが求められる。これに加えて、クランク軸は軽量化が求められる。
クランク軸は、筒内圧(シリンダ内の燃焼圧)や回転遠心力の荷重が付加されることから、これらの荷重に対する変形抵抗の付与のために、ねじり剛性、曲げ剛性の向上が図られる。クランク軸の設計においては、ジャーナル部の直径、ピン部の直径、ピストンストロークといった主要諸元が決定され、その後にあっては、アーム部の形状設計が残された設計領域となる。このため、アーム部の形状設計により、ねじり剛性と曲げ剛性を共に向上させることが、先ずは重要な要件となる。
更に、クランク軸は回転体としてスムーズな回転を行えるように、静バランス、動バランスの釣り合いがとれた質量配分が必要である。これらのバランスをとるために、曲げ剛性とねじり剛性の要件から決定されたアーム部側の質量に対し、ウエイト部側の質量を、軽量化を踏まえて調整することが重要な要件となる。
以上の観点からの従来技術としては下記のものがある。
特許文献1には、クランク軸の軽量化を図りつつ、ねじり剛性と曲げ剛性を高めるために、アーム部のピン側表面及びジャーナル側表面の中央部に肉抜き凹部を設ける技術が開示されている。同文献に開示された技術は、アーム部に対する軽量化、高剛性化に着目し、アーム部に対する設計方法を示すものである。つまり、この設計方法は、設計上である剛性値の目標が与えられたときに、いかにしてアーム部の軽量化を図るかを示す設計方法であり、また、逆に設計上で軽量化の目標値が与えられたときに、いかにしてアーム部の剛性を上げるかを示す設計方法である。
特許文献2には、クランク軸のアーム部の曲げ剛性を上げるために、ジャーナル部の軸心とピン部の軸心とを結ぶ直線(以下、「アーム部中心線」ともいう)に沿って補強リブを設けたアーム部が開示されている。
特許文献3には、クランク軸の軽量化を図ると同時に、曲げ剛性を上げるために、ピン部を中空とし、その中空部分に補強リブを立て、更にアーム部にも補強リブを設けることが開示されている。これらの補強リブは、アーム部中心線に沿って設置されたり、アーム部中心線に対し、最大燃焼圧の負荷される角度の分を傾斜させて設置されたりする。
特許文献4には、カウンターウエイト部を軸方向から見たときの形状に着目し、アーム部中心線を境界にしてウエイト部形状を左右非対称にしたアーム部が開示されている。この左右非対称のアーム部は、アーム部中心線に対し、ジャーナル部の軸心(回転中心)を中心とするウエイト部の重心の配置角度が、最大燃焼圧の負荷されるクランク角(20°程度)の分シフトするような形状とされる。
特開2009−133331号公報 特開2000−320531号公報 実開昭61−133115号公報 特許第2866379号公報
石川義和,「自動車用ガソリンエンジン設計の要諦」,山海堂,2003年,p.76
確かに、前記特許文献1〜4に開示された技術によれば、クランク軸の軽量化と曲げ剛性の向上を図ることができる。しかし、特にクランク軸の軽量化については、それらの従来技術では限界があり、その技術革新が強く望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、飛躍的に軽量化を図ることができるレシプロエンジンのクランク軸を提供することを目的とする。
本発明の実施形態によるレシプロエンジンのクランク軸は、
回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、このクランクアーム部と一体に設けられた扇形状のカウンターウエイト部と、を備え、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
前記カウンターウエイト部のジャーナル部側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに突起部が設けられ、これらの各突起部は、ジャーナルスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する。
また、上記のクランク軸は、前記突起部に加え、又は前記突起部代えて、前記カウンターウエイト部の前記ピン部側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに突起部が設けられ、これらの各突起部は、ピンスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する構成とすることができる。
本発明によれば、ウエイト部の外周縁に突起部を設けることにより、ウエイト部全体の質量モーメントが効率良く増大するため、設計段階でクランク軸の軽量化を飛躍的に図ることができる。
図1は、一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す側面図である。 図2は、アーム部の曲げ剛性の評価法を説明するための模式図である。 図3は、アーム部のねじり剛性の評価法を説明するための模式図であり、同図(a)は1スローの側面図を、同図(b)はその軸方向視での正面図をそれぞれ示す。 図4は、クランク軸のバランス設計に用いるアーム部及びバランス部の諸設計値の代表例を模式的に示す図である。 図5は、ウエイト部の基本的な形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。 図6は、従来の手法により質量モーメントを調整する場合のウエイト部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。 図7は、本発明で質量モーメントを調整する場合のウエイト部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。 図8は、本発明で質量モーメントを調整する場合のウエイト部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。 図9は、従来の手法により質量モーメントを調整する際のウエイト部の質量M、重心半径a及び質量モーメントMaのそれぞれと中心角θとの関係を示す図である。 図10は、図9の一部を拡大した図であって、従来手法の一例としてウエイト部の中心角θを60°から90°に増加させたときの諸量の変化状況を説明するための図である。 図11Aは、本発明のウエイト部における突起部の重心半径ayの求めるために、第1段階として中心角がθのウエイト部の外周縁全域に存在する突起部の重心半径azの求め方を示す図である。 図11Bは、本発明のウエイト部における突起部の重心半径ayの求めるために、第2段階として中心角がθ/2のウエイト部の外周縁全域に存在する突起部の重心半径azsの求め方を示す図である。 図11Cは、本発明のウエイト部における突起部の重心半径ayの求め方を説明する図である。 図12は、本発明のウエイト部全体の重心半径atの求め方を説明する図である。 図13は、図9の一部を拡大した図であって、本発明のウエイト部の一例として、中心角θが60°のままで、ウエイト部の外周縁に突起部を付加し、ウエイト部の質量を50%増加させたときの諸量の変化状況を説明するための図である。 図14は、本発明のクランク軸におけるウエイト部形状の一例を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。 図15は、本発明のクランク軸におけるウエイト部形状の別例を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。
以下に、本発明のレシプロエンジンのクランク軸について、その実施形態を詳述する。
1.クランク軸の設計で考えるべき基本技術
1−1.アーム部の曲げ剛性
図2は、アーム部の曲げ剛性の評価法を説明するための模式図である。同図に示すように、クランク軸の各スローについて、シリンダ内での点火・爆発による燃焼圧の荷重Fは、コンロッドを経由してピン部Pに負荷される。このとき、各スローは両端のジャーナル部Jが軸受けで支持されているので、荷重Fはピン部Pからアーム部Aを介してジャーナル軸受けに伝わる。これにより、アーム部Aは3点曲げの荷重負荷状態となり、アーム部Aに曲げモーメントMが作用する。これに伴って、アーム部Aには、板厚方向の外側(ジャーナル部J側)で圧縮応力が発生し、それとは反対の内側(ピン部P側)では引張応力が発生する。
ピン部P及びジャーナル部Jの各直径が設計諸元として既に指定されている場合、アーム部Aの曲げ剛性は、各スローのアーム部形状に依存する。ウエイト部Wは曲げ剛性にほとんど寄与しない。このとき、ピン部Pの軸方向中央における燃焼圧負荷方向の変位uは、下記の(1)式で示すように、ピン部Pに負荷される燃焼圧の荷重Fに比例し、曲げ剛性に反比例する関係にある。
u ∝ F/(曲げ剛性) …(1)
1−2.アーム部のねじり剛性
図3は、アーム部のねじり剛性の評価法を説明するための模式図であり、同図(a)は1スローの側面図を、同図(b)はその軸方向視での正面図をそれぞれ示す。クランク軸はジャーナル部Jを中心に回転運動をしているので、同図に示すように、ねじりトルクTが発生する。そこで、クランク軸のねじり振動に対し、共振を起こすことなくスムーズな回転を確保するために、アーム部Aのねじり剛性を高めることが必要である。
ピン部P及びジャーナル部Jの各直径が設計諸元として既に指定されている場合、アーム部Aのねじり剛性は、各スローのアーム部形状に依存する。ウエイト部Wはねじり剛性にほとんど寄与しない。このとき、ジャーナル部Jのねじれ角γは、下記の(2)式で示すように、ねじりトルクTに比例し、ねじり剛性に反比例する関係にある。
γ ∝ T/(ねじり剛性) …(2)
1−3.カウンターウエイト部
クランク軸は回転運動するが、回転体として静バランスと動バランスのそれぞれの釣り合いをとることが、スムーズな回転を実現する上で重要となる(後述する(3)式、(4)式参照)。そのためには、クランク回転軸(回転中心であるジャーナル部の軸心)を基本線とし、アーム部側の質量及びその重心位置と、ウエイト部側の質量及びその重心位置について、バランスが必要である。アーム部側については、上記1−1項及び1−2項で説明した剛性に対する要件と、更に軽量化の観点から形状が決まり、まずアーム部側の質量及びその重心位置が決定される。そして、次にウエイト部側でバランスがとれるように質量、その重心位置及び質量モーメントを調整する必要がある。
1−4.クランク軸のバランス
クランク軸は回転体であるので、以上に示した設計方法のほかに、基礎技術として、回転軸に対して、静バランスと動バランスをとり、更にバランス率を満足することが、回転運動を滑らかにするために必須の設計条件となる。これらの条件をウエイト部の重量配分で調整し満足することが、クランク軸を設計する上での前提条件である。
1−4−1.静バランス
図4に示すように、直列4気筒エンジンに搭載される8枚カウンターウエイトのクランク軸を例に挙げ、クランク軸の静バランスを説明する。静バランスを検討するにあたり、各アーム部、各ウエイト部の質量と重心半径をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の質量:MAj
アーム部の重心半径:aAj
ウエイト部の質量:MWj
ウエイト部の重心半径:aWj
ここで、「j」は、クランク軸のフロント部側から順に付したアーム部、ウエイト部の番号であり、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
なお、図4には、フロント部側から3番目の第3アーム部A3、第3ウエイト部W3の諸設計値を代表的に例示している。
この場合に、静バランスをとるとは、下記の(3)式を満足することである。
Figure 0006484955
同式中、「MWj×aWj」はウエイト部の質量モーメントを意味する。
1−4−2.動バランス
同様に図4に示すクランク軸を例に挙げ、クランク軸の動バランスを説明する。動バランスを検討するにあたり、更にクランク軸の回転軸のある1点を基点とし、各アーム部の重心までの軸方向の距離、各ウエイト部の重心までの軸方向の距離をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の重心までの距離:LAj
ウエイト部の重心までの距離:LWj
ここで、「j」は、上記(3)式と同様に、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
この場合に、動バランスをとるとは、下記の(4)式を満足することである。
Figure 0006484955
上記(3)式、(4)式は、従来から行われている静バランス、動バランスの設計方法であり、それぞれクランク軸の各アーム部、各ウエイト部の重心に対して和を求め、その和が0(ゼロ)になるようにクランク軸の形状を調整し設計する。
1−4−3.バランス率
クランク軸のピン部を含む(厳密にはコンロッドの一部も含む)アーム部側の質量モーメントに対するウエイト部側の質量モーメントの割合をバランス率と呼ぶ。バランス率がある一定範囲内であることが、燃焼圧による荷重を受けるクランク軸のスムーズな回転に寄与するので、ウエイト部の質量は0(ゼロ)を含まないある範囲内で付加することが必要である。そのため、ウエイト部を小さくして軽量化するには限度がある。したがって、剛性確保のためにアーム部の質量の調整が必要である一方、静バランスと動バランスの確保のためにウエイト部の質量の調整が必要であるが、バランス率に下限があるため、クランク軸の軽量化に際しては、適切な質量が総合的に決定される。
2.本発明のクランク軸
2−1.概要
静バランス、動バランス、バランス率といった物理量を調整するに当たり、ウエイト部の質量MWjと重心半径aWjを乗じた質量モーメント「MWj×aWj」の大きさがそれらの物理量に効き、クランク軸の性能に影響を及ぼす。したがって、例えば質量モーメント「MWj×aWj」を一定としたとき、それらの物理量は一定になるが、ウエイト部の重心半径aWjを大きくとることができれば、ウエイト部の質量MWjを小さくできるので、クランク軸の質量を減少することができる。すなわち、静バランス、動バランス、バランス率を一定にした状態でクランク軸の軽量化を図るには、ウエイト部の重心半径aWjを大きくすればよいことになる。
要するに、ウエイト部の重心半径aWjの拡大がクランク軸の軽量化をもたらす。このためには、ジャーナル部の軸心(クランク回転軸)から離れた位置にウエイト部の質量を多く配置すればよいが、クランク軸の回転半径の制限から、上限が存在する。そこで、ウエイト部の質量を限られた範囲内に多く配置するには、定性的に言えばウエイト部の板厚の厚肉化が有効であるといえる。
この点、本発明のクランク軸は、ウエイト部のジャーナル部側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに、ジャーナルスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する突起部が設けられたり、ウエイト部のピン部側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに、ピンスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する突起部が設けられたりしたものである。すなわち、本発明のクランク軸は、ウエイト部外周縁の突起部がジャーナル部やピン部の領域までオーバーハングし、これにより、ウエイト部の外周縁の板厚が突起部によって従来よりも著しく厚肉化されたものである。これにより、ウエイト部の重心半径aWjが効率的に拡大されることから、ウエイト部の領域で質量減少が許容され、ウエイト部の軽量化、ひいてはクランク軸の軽量化を飛躍的に図ることができる。突起部をウエイト部の外周縁の両端部に設定する形状は、鍛造による場合に製造しやすいというメリットがある。
2−2.カウンターウエイト部のオーバーハングによる軽量化の一般表示
図5は、ウエイト部の基本的な形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。ウエイト部Wは扇形状であり、その中心角、質量、外周半径及び重心半径をそれぞれ以下のとおりに定義する。
中心角:θ、質量:M、外周半径:R、重心半径:a。
図6は、従来の手法により質量モーメントを調整する場合のウエイト部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。従来、ウエイト部Wの質量モーメントを調整するために質量mを付加する場合、ウエイト部Wの中心角θの外側に付加質量mを配置する(図6中の斜線部参照)。その際、その付加質量mの半分の質量(2/m)を均等に分配するとすれば、付加質量mが中心角θの外側に配置されているため、付加質量m(=m/2+m/2)の重心半径amは、質量Mのもともとのウエイト部Wの重心半径aよりも小さな値にならざるを得ない。
その上、質量mの付加が多いほど、個々の付加質量(m/2)の設置角度αが広がり、これに伴って、全体の付加質量m(=m/2+m/2)の重心位置がジャーナル部Jの軸心Jcに近付くことから、重心半径amが一層小さくなる。このため、質量モーメントの調整効率がますます下がる事態が避けられない。
このとき、ウエイト部全体の重心半径atcは、下記の(5)式で表わされる。付加質量mの重心半径amが小さいので、ウエイト部全体の重心半径atcも小さくならざるを得ない。
tc=(M×a+m×am)/(M+m) …(5)
図7、図8は、本発明で質量モーメントを調整する場合のウエイト部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。図7に示すウエイト部Wは、ジャーナル部J側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに突起部Ojが設けられ、これらの突起部Ojにより質量m(個々の突起部Ojの質量:m/2)が付加されている(図7中の斜線部参照)。これらの突起部Ojは、クランク軸の軸方向にジャーナル部Jのスラスト面Jtの位置を超えて突出し、ジャーナル部Jの領域までオーバーハングした状態で、ウエイト部Wと一体化されている。
一方、図8に示すウエイト部Wは、ピン部P側の表面のうちで外周縁の両端部それぞれに突起部Opが設けられ、これらの突起部Opにより質量m(個々の突起部Ojの質量:m/2)が付加さている(図8中の斜線部参照)。これらの突起部Opは、クランク軸の軸方向にピン部Pのスラスト面Ptの位置を超えて突出し、ピン部Pの領域までオーバーハングした状態で、ウエイト部Wと一体化されている。
なお、図7、図8に示す突起部Oj、Opは、説明の簡素化のために断面が矩形状になっているが、矩形状でなくてもよい。すなわち、これらの形状に限定したものでは無く、オーバーハングして設けられることが要点である。
図7、図8に示すように、質量がMのウエイト部Wに質量がmの突起部Oj、Opを付加する場合、突起部Oj、Opの質量mは、ウエイト部Wの中心角θの内側に配置され、しかも、ジャーナル部Jの軸心Jcから離れた位置に配置されることになる。このため、突起部Oj、Opの重心半径ahを大きくすることができる。このことから、突起部Oj、Opの重心半径ahと、前記図6に示す従来手法による付加質量mの重心半径amとの大小関係は、下記の(6)式のようになる。
h > am …(6)
このとき、ウエイト部全体の重心半径athは、下記の(7)式で表わされる。
th=(M×a+m×ah)/(M+m) …(7)
そして、上記(5)〜(7)式の関係から、下記の(8)式が導き出される。
th > atc …(8)
上記(8)式より、本発明のウエイト部全体の重心半径athは、従来手法によるウエイト部全体の重心半径atcよりも大きくなる。すなわち、付加質量mが同じでも、本発明の方が従来手法によるよりも、ウエイト部全体の重心半径を効率的に大きくできる。これは同じ付加増加mで質量モーメントを効率的に大きくできるという、本発明の利点である。このことは、別の設計上の観点から、従来手法によるよりも小さな質量の付加で同一質量モーメントを得ることができ、また、もともとのウエイト部の領域で質量減少を許容することができると言い換えられる。すなわち、本発明はカウンターウエイト部の軽量化、ひいてはクランク軸の軽量化に有用である。
2−3.具体例
2−3−1.カウンターウエイト部の重量を50%増加する場合
ウエイト部を単純な扇形と見なすと、ウエイト部Wの質量M、重心半径a、質量モーメントMaの間には、下記の(9)〜(11)式に示す関係がある(非特許文献1参照)。
M=1/2×b×ρ×θ×R2 …(9)
a=2/3×{sin(θ/2)/(θ/2)}×R …(10)
Ma=M×a …(11)
同式中、b:ウエイト部の厚さ(板厚)、ρ:密度である。
図9は、従来の手法により質量モーメントを調整する際のウエイト部の質量M、重心半径a及び質量モーメントMaのそれぞれと中心角θとの関係を示す図である。ウエイト部の質量モーメントを調整するとき、従来手法による場合は、前記図6に示すように、ウエイト部Wの両側に質量mを分配して付加し、ウエイト部Wの開きの中心角θを拡大させる。図9では、上記(9)〜(11)式を用い、中心角θの変化に対するウエイト部の質量M、重心半径a及び質量モーメントMaのそれぞれの変化を、ウエイト部の中心角θが180°のときを基準(1)とした比率で示している。
図9に示すように、ウエイト部の中心角θが増加すると、質量Mは、中心角θに比例して直線的に増加する。重心半径aは、中心角θが0°のときに約1.6であり、中心角θの増加に伴って単調に減少する。その結果、質量モーメントMaは、中心角θの増加に伴って増加するものの、中心角θが180°の近辺では飽和する傾向を示す。つまり、ウエイト部の扇形の中心角θを増加させる従来手法では、中心角θが大きくなると、質量Mは増加する一方、質量モーメントMaの増加の仕方は次第に減少する。このため、従来手法は、質量モーメントMaを効率的に増加させる手法として効果的であるとはいえない。
ここで、中心角θが60°のウエイト部をベースにし、その中心角θを90°に増加させる場合を例に挙げて考える。
図10は、図9の一部を拡大した図であって、従来手法の一例としてウエイト部の中心角θを60°から90°に増加させたときの諸量の変化状況を説明するための図である。同図に示すように、ベースとしてウエイト部の中心角θが60°のとき、質量Mは0.333であり、この質量Mを50%増加させて0.5にする状況、すなわち中心角θを90°に増加させる状況を考える。このときの重心位置aは、1.501から1.415に減少し、これにより、質量モーメントMaは、0.5から0.708に29.2%増加する。すなわち、質量Mの増加量が50%であるのに対し、質量モーメントMaの増加量は29.2%に止まり、質量Mの増加量に対する質量モーメントMaの増加量で表される質量モーメント増加効率は約58%となる。
一方、前記図7に示す本発明のようにオーバーハングを許容し、中心角θが60°のままで、ウエイト部Wの外周縁の両端部15°ずつの領域に、合計質量がM/2の突起部Ojを付加して、ウエイト部Wの質量Mを50%増加させる場合について考える。この場合、突起部Ojは、中心角が30°(θ/2)の領域には存在しない。
図11A〜図11Cは、本発明のウエイト部における突起部の重心半径ayの求め方を順に説明する図であり、図11Aは、第1段階として中心角がθのウエイト部の外周縁全域に存在する突起部の重心半径azの求め方を示し、図11Bは、第2段階として中心角がθ/2のウエイト部の外周縁全域に存在する突起部の重心半径azsの求め方を示し、図11Cは、最終段階としてウエイト部の外周縁の両端部に存在する突起部の重心半径ayの求め方を示す。図12は、本発明のウエイト部全体の重心半径atの求め方を説明する図である。
第1段階として、図11Aに示すように、中心角がθのウエイト部の外周縁全域に突起部(以下、「広角域突起部」という)が存在すると仮定し、この広角域突起部の重心半径azを求める場合、上記(9)式より、広角域突起部の半径Rxは、下記の(12)式、(13)式で表される。
M=1/2×b×ρ×θ×Rx 2 …(12)
x=1/√2×R …(13)
ここでは、2M=1/2×b×ρ×θ×R2
上記(10)式及び(13)式より、広角域突起部の領域を取り除いた半径がRxの小さい扇形の重心半径axは、下記の(14)式で表される。
x=1/√2×a …(14)
図11Aに示すように、広角域突起部と半径Rxの扇形を足し合わせると、ウエイト部と同じ中心角がθで半径がRの扇形ができることから、質量モーメントの釣り合いに基づき、オーバーハングした広角域突起部の重心半径azは、下記の(15)式を満たす。
2×M×a=M×az+M×ax …(15)
この(15)式より、広角域突起部の重心半径azは、下記の(16)式で示される。
z=2×a−ax=(2−1/√2)×a …(16)
第2段階として、図11Bに示すように、中心角がθ/2のウエイト部の外周縁全域に突起部(以下、「狭角域突起部」という)が存在すると仮定し、この狭角域突起部の重心半径asを求める場合、上記(9)式より、狭角域突起部の半径Rxは、下記の(17)式、(18)式で表される。
M/2=1/2×b×ρ×(θ/2)×Rx 2 …(17)
x=1/√2×R …(18)
ここでは、M=1/2×b×ρ×(θ/2)×R2
上記(10)式及び(18)式より、狭角域突起部の領域を取り除いた半径がRxの小さい扇形の重心半径axsは、下記の(20)式で表される。
xs=1/√2×as …(20)
図11Bに示すように、狭角域突起部と半径Rxの扇形を足し合わせると、中心角がθ/2でウエイト部と同じ半径がRの扇形ができることから、質量モーメントの釣り合いに基づき、オーバーハングした狭角域突起部の重心半径azsは、下記の(21)式を満たす。
M×as=M/2×azs+M/2×axs …(21)
この(21)式より、狭角域突起部の重心半径azsは、下記の(22)式で示される。
zs=2×as−axs=(2−1/√2)×as …(22)
最終段階として、図11Cに示すように、中心角がθのウエイト部における外周縁の両端部の突起部(以下、「両端域突起部」という)は、前記図11Aに示す広角域突起部から前記図11Bに示す狭角域突起部を除いたものである。このことから、質量モーメントの釣り合いに基づき、オーバーハングした両端域突起部の重心半径ayは、下記の(23)式を満たす。
M×az=M/2×ay+M/2×azs …(23)
この(23)式より、両端域突起部の重心半径ayは、下記の(24)式で示される。
y=2×az−azs …(24)
そして、図12に示すように、半径Rのもとのウエイト部の質量Mと両端域突起部の質量M/2(もとのウエイト部の質量Mの50%)を複合した本発明のウエイト部全体の重心半径atは、下記の(25)式を満足する。
(M+M/2)×at=M×a+M/2×ay …(25)
この(25)式より、ウエイト部全体の重心半径atは、下記の(26)式で示される。
t=1/3×(2×a+ay) …(26)
図13は、図9の一部を拡大した図であって、本発明のウエイト部の一例として、中心角θが60°のままで、ウエイト部の外周縁の両端部15°ずつの領域に突起部(両端域突起部)を付加し、ウエイト部の質量を50%増加させたときの諸量の変化状況を説明するための図である。同図に示すように、ベースとしてウエイト部の中心角θが60°のときの質量Mが0.333であるところ、上述のとおり、ウエイト部に両端域突起部を付加して、ウエイト部の質量Mを50%増加させる状況を考える。
このときの重心位置a(at)は、上記(26)式より、1.501から1.623に増加し、これにより、質量モーメントMaは、0.5から0.811に62.2%増加する。すなわち、質量Mの増加量が50%であるのに対し、質量モーメントMaの増加量は62.2%と著しく上昇する。したがって、本発明は、質量モーメント増加効率(質量モーメントの増加量/質量の増加量)が約124.4%となり、従来手法(約58%)よりも効率良く質量モーメントを増大できることが分かる。
2−3−2.カウンターウエイト部と周辺部品の形状例
クランク軸は、ピン部にコンロッドの大端部が取り付けられ、ジャーナル部がエンジンブロックのジャーナル軸受けによって支持される。コンロッド大端部及びジャーナル軸受けはいずれも半割りである。
クランク軸のウエイト部に、ピン部の領域までオーバーハングした突起部が設けられている場合、突起部の存在しない方から半割りのコンロッド大端部を個々に装着すれば、ピン部にコンロッド大端部を取り付けることができる。一方、クランク軸のウエイト部に、ジャーナル部の領域までオーバーハングした突起部が設けられている場合、突起部の存在しない方からジャーナル部を半割りのジャーナル軸受けに挿入し、クランク軸を半回転させてから半割りの他方のジャーナル軸受けを装着すれば、ジャーナル部をエンジンブロックのジャーナル軸受けによって支持した状態に組み付けることができる。したがって、ウエイト部に突起部が設けられていても、周辺部品の組み付けに支障はない。
ただし、クランク軸はエンジン内で回転するため、回転中に、突起部がジャーナル軸受けの支持ブロックに干渉したり、コンロッドのロッド本体に干渉したりしないように、寸法設計を行う必要がある。これは、ジャーナル軸受けの支持ブロックに凹部を形成したり、コンロッドのロッド本体の厚みを小さくしたり、ウエイト部の突起部の突出高さを制限したりすることで可能である。
図14は、本発明のクランク軸におけるウエイト部形状の一例を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。同図では、クランク軸がエンジンに組み込まれた状態、すなわち、ピン部Pにコンロッド4が取り付けられ、ジャーナル部Jがエンジンブロックのジャーナル軸受け5aによって支持された状態を示している。
図14に示すウエイト部Wは、前記図7に示すウエイト部の概念を活用したものであり、ジャーナル部J側の表面に、ジャーナルスラスト面Jtの位置を越える突起部Ojが設けられている。図14に示す突起部Ojは、ウエイト部Wのジャーナル部J側の表面のうちで外周縁の両端部に限定して突出する。クランク軸において、そのような突起部Oj付きのウエイト部Wは、ピン部Pの配置角が同一のスロー(例:4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸の場合、第1スローと第4スロー、又は第2スローと第3スロー)に設置される。エンジンブロックへのクランク軸の組み込みを可能にするためである。もっとも、アーム部のいずれか1つに、突起部Oj付きのウエイト部Wが設置されてもよい。このようなクランク軸は、突起部Ojによってウエイト部W全体の質量モーメントが効率良く増大するため、設計段階で予め軽量化を図ることが可能である。
この場合、図14(b)に示すように、エンジンブロックにおけるジャーナル軸受け5aの支持ブロック5bには凹部5cが形成されており、ウエイト部Wの突起部Ojとの干渉が防止されている。
図15は、本発明のクランク軸におけるウエイト部形状の別例を模式的に示す図であり、同図(a)は軸方向視での正面図を、同図(b)は側面図をそれぞれ示す。同図でも、前記図14と同様に、クランク軸がエンジンに組み込まれた状態を示している。
図15に示すウエイト部Wは、前記図8に示すウエイト部の概念を活用したものであり、ピン部P側の表面に、ピンスラスト面Ptの位置を越える突起部Opが設けられている。図15に示す突起部Opは、ウエイト部Wのピン部P側の表面のうちで外周縁の両端部に限定して突出する。クランク軸において、そのような突起部Op付きのウエイト部Wは、スローのすべてに設置されてもよいし、選択したアーム部に設置されてもよい。ピン部Pへのコンロッド大端部4bの取付けに支障はないからである。このようなクランク軸は、突起部Opによってウエイト部W全体の質量モーメントが効率良く増大するため、設計段階で予め軽量化を図ることが可能である。
この場合、図15(b)に示すように、ウエイト部Wの突起部Opとコンロッド4のロッド本体4aとが干渉しないように、ロッド本体4aの厚みが小さく設計されている。ウエイト部Wの突起部Opの突出高さを制限することでも構わない。
図15に示す突起部Opは、図14に示す突起部Ojを有するウエイト部Wに追加することもできる。
本発明のクランク軸は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸を対象とする。すなわち、エンジンの気筒数は、2気筒、3気筒、4気筒、6気筒、8気筒及び10気筒のいずれでもよく、更に多いものであってもよい。エンジン気筒の配列も、直列配置、V型配置、対向配置等を特に問わない。エンジンの燃料も、ガソリン、ディーゼル、バイオ燃料等の種類を問わない。また、エンジンとしては、内燃機関と電気モータを複合してなるハイブリッドエンジンも含む。
本発明は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に有効に利用できる。
1:クランク軸、
J、J1〜J5:ジャーナル部、 Jc:ジャーナル部の軸心、
Jt:ジャーナルスラスト面、
P、P1〜P4:ピン部、 Pt:ピンスラスト面、
Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、
A、A1〜A8:クランクアーム部、
W、W1〜W8:カウンターウエイト部、
Oj、Op:カウンターウエイト部の突起部、
2:ダンパプーリ、 3:フライホイール、
4:コネクティングロッド、 4a:ロッド本体、 4b:大端部、
5a:ジャーナル軸受け、 5b:支持ブロック、 5c:凹部

Claims (3)

  1. 回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、このクランクアーム部と一体に設けられた扇形状のカウンターウエイト部と、を備え、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
    前記カウンターウエイト部のジャーナル部側の表面のうちで、前記回転中心軸方向視で、外周縁を含む両端部それぞれに前記カウンターウエイト部と一体成形された突起部が設けられ、これらの各突起部は、ジャーナルスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する、レシプロエンジンのクランク軸。
  2. 請求項1に記載のレシプロエンジンのクランク軸であって、
    更に、前記カウンターウエイト部の前記ピン部側の表面のうちで、前記回転中心軸方向視で、外周縁を含む両端部それぞれに前記カウンターウエイト部と一体成形された突起部が設けられ、これらの各突起部は、ピンスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する、レシプロエンジンのクランク軸。
  3. 回転中心軸となるジャーナル部と、このジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、このクランクアーム部と一体に設けられた扇形状のカウンターウエイト部と、を備え、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸であって、
    前記カウンターウエイト部の前記ピン部側の表面のうちで、前記回転中心軸方向視で、外周縁を含む両端部それぞれに前記カウンターウエイト部と一体成形された突起部が設けられ、これらの各突起部は、ピンスラスト面の位置を超えて軸方向に突出する、レシプロエンジンのクランク軸。
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