JP2003254319A - エンジンのクランク軸構造 - Google Patents

エンジンのクランク軸構造

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JP2003254319A
JP2003254319A JP2002058975A JP2002058975A JP2003254319A JP 2003254319 A JP2003254319 A JP 2003254319A JP 2002058975 A JP2002058975 A JP 2002058975A JP 2002058975 A JP2002058975 A JP 2002058975A JP 2003254319 A JP2003254319 A JP 2003254319A
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crank
center
crankshaft
main shaft
engine
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Application number
JP2002058975A
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English (en)
Inventor
Osamu Sekimoto
修 関本
Shintaro Yagi
慎太郎 八木
Takashi Nishihara
敬 西原
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡単な構成でクランクウェブ形状の設計の自
由度を高め、軽量化を図り、クランクシャフト組立て圧
入時の傾きを防止して圧入荷重を支持し、作業性の向上
を図ったエンジンのクランク軸構造を提供する。 【解決手段】 クランクケース33に軸支される主軸5
2、61とともに回転するクランクウェブ64を備えた
クランク軸50において、クランクウェブ64は、外周
縁に沿って突設される外周側クランクウェイト部64c
と、クランクウェブ64の回転中心部に外周側クランク
ウェイト部64cと同一方向に突設される回転中心側ク
ランクウェイト部64dを備え、クランクウェブ64の
外周側クランクウェイト部64c、回転中心側クランク
ウェイト部64d、クランクピン63が嵌合される嵌合
部以外の部位の肉厚を最小限にすることを特徴とするも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの構造に
関し、特に、エンジンのクランク軸構造送風構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンのクランク軸は、クラ
ンクケースに回転自在に軸支される主軸と、前記主軸に
対して偏心して設けられてピストンに連結されるコネク
ティングロッドを揺動回転自在に軸支するクランクピン
と、前記主軸とクランクピンとを連結するクランクアー
ムとを備えている。そして、ピストン等の往復運動によ
る慣性力をバランスするためにクランクピンと反対側に
クランクウェイトが設けられている。
【0003】従来、スクータ、汎用エンジンおよび雪上
車等に搭載されるエンジンにおいては、クランク軸にク
ランクアームとクランクウェイトとを一体に形成したい
わゆるクランクウェブを採用したものがある。また、従
来のクランク軸の構成として、クランク軸の構成部品の
一部を別体で構成した分割式クランク軸が知られてい
る。
【0004】前記分割式クランク軸の構成の一例を以下
に説明すると、図6の(a)、(b)に示すように、ク
ランクウェブ164を軸部材(図示省略)とは別体で構
成したものがある。前記クランクウェブ164は、平面
視で錨形状を呈して略板状に形成されている。前記クラ
ンクウェブ164の回転中心部には主軸が嵌合される主
軸取付孔164aが形成され、前記主軸取付孔164a
を中心に一端側には略扇状にウェイト部164cが形成
されるとともに、他端側に前記ウェイト部164cとは
対称位置にクランクピン取付孔164bが形成されるク
ランクピン取付部164dが突出形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成によると、慣性能率、クランクシャフトバランス率に
与える影響の少ない場所、例えばクランクシャフト回転
中心付近にも肉付けされているため、重量が重くなると
いう問題点があった。
【0006】また、特開昭60−104811号公報に
開示されているように、クランクウェイトが形成された
円板状のクランクウェブを有する分割式クランク軸にお
いて、前記クランクウェブの外周部を残すようにクラン
クピンボスの左右に貫通孔を形成したものが提案されて
いる。しかしながら、この構成によっても、前述した従
来例の様に、クランクシャフト回転中心付近にも肉付け
されているため、重量が重くなるという問題点があっ
た。
【0007】さらに、上述した従来のような構成では、
クランクウェブの重量によりクランクウェブの形状が制
限されるという問題点があった。また、クランク軸をク
ランクウェブに圧入する際に、クランクウェブに形成さ
れるクランクウェイトの形状や肉厚の違いによって、ク
ランク軸が傾くおそれがあるので作業が煩雑になるとい
う問題点があった。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、簡単な構成でクランクウェブ形状の設
計の自由度を高め、軽量化を図るとともに、クランクシ
ャフト組立て圧入時の傾きを防止して、主軸をクランク
ウェブに圧入する際の圧入荷重を支持して作業性の向上
を図ったエンジンのクランク軸構造を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンのク
ランク軸構造に係り、エンジンのクランクケースに回転
自在に軸支される主軸と、コネクティングロッドを回転
自在に軸支するクランクピンと、前記クランクピンと主
軸とを偏心させて連結し前記主軸とともに回転するクラ
ンクウェブとを備えたクランク軸において、前記クラン
クウェブは、外周縁に沿ってクランク軸軸芯方向に突設
される外周側クランクウェイト部と、該クランクウェブ
の回転中心部にクランク軸軸芯方向に前記外周側クラン
クウェイト部と同一方向に突設される回転中心側クラン
クウェイト部とを備え、前記クランクウェブの少なくと
も前記外周側クランクウェイト部、回転中心側クランク
ウェイト部、およびクランクピンが嵌合される嵌合部以
外の部位の肉厚を最小限にすることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、前記外周側クランクウェイト部は、
主軸の中心とクランクピンの中心とを通る中心線に対し
略垂直で、且つ前記クランクピンの中心を通る中心線の
延長線よりも主軸側に形成することが好ましい。また、
前記回転中心側クランクウェイト部は、主軸の中心とク
ランクピンの中心とを通る中心線に対し略垂直で、且つ
主軸の中心を通る中心線の延長線よりも反クランクピン
側に形成することが好ましい。また、前記クランク軸
は、雪上車用2サイクルエンジンに搭載することが好ま
しい。また、前記エンジンは、2気筒エンジンとするこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して詳細に説明する。図1〜図5は発明を実施す
る形態の一例であって、図1は本発明の実施形態に係る
スノーモービルの全体構成を示す側面図、図2は前記ス
ノーモービルの全体構成を示す平面図、図3は本実施形
態に係るエンジンの構成を示す正面断面図、図4は本実
施形態に係るクランク軸の構成を示す側面断面図、図5
の(a)は前記クランク軸を構成するクランクウェブの
構成を示す平面図、(b)は前記クランクウェブの断面
構成を示す(a)のA−A断面矢視図である。図中、図
と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0012】本実施形態は、図1、図2に示すように、
スノーモービル1に搭載されるエンジン3に本発明に係
るエンジンのクランク軸構造を採用したものである。前
記スノーモービル1は、前後方向に延びた車体フレーム
10のフレーム前部(エンジンマウントフレーム)11
下部に左右一対の操舵用そり13が左右方向に向くよう
に回動自在に設置され、フレーム後部12の下部にトラ
ックベルト15を循環させる駆動用のクローラ16が配
置されている。前記クローラ16は、フレーム後部12
の前端に配置された駆動輪17と後端に配置された従動
輪18と複数個の中間輪19とサスペンション機構20
と各車輪の周囲に巻かけられて循環するトラックベルト
15とを設けたものである。
【0013】前記車体フレーム10は、モノコックフレ
ーム構造で形成されており、エンジン3が搭載されるフ
レーム前部11は、主部11aより前部分が上方に突出
形成され、操舵用そり13の支持用のフロントサスペン
ション13a上部を収容するフロントサスペンションハ
ウジング11bが形成されるとともに、前記主部11a
より後部分が斜め後ろ上方に立ち上がる形状で、クロー
ラ16の駆動輪17上方付近を収容するトラックハウジ
ング11cがフレーム後部12と連続的かつ一体的に形
成されている。
【0014】前記フレーム後部12は、車体前後方向で
後端部に亘り延設され、クローラ16全体を下方に収容
するカバーを兼ねている。また、前記フレーム後部12
上方には、鞍形のシート22が配置され、該シート22
の車体幅方向両側には、該シート22より一段低くなっ
たステップ23が設けられている。前記シート22と前
部カバー4との間のほぼ車体中央部にはステアリングシ
ャフト(図示省略)が立設され、該ステアリングシャフ
トの上端にはバーハンドル26がやや後方に傾いて水平
方向左右に延設されている。
【0015】前記バーハンドル26近傍の前方には、ウ
インドシールド28が立設されており、該ウインドシー
ルド28基部より前部カバー4が略流線形状に前方に向
かいなだらかに下がった概略船底を逆さにした形状を呈
している。前記バーハンドル26によりステアリングシ
ャフトを介して操舵用そり13を操作するようにされて
いる。
【0016】次に、エンジン3の構成について詳細に説
明する。エンジン3は、スノーモービル1の前部カバー
4内部のエンジンルーム30内において、図1〜図3に
示すように、エンジン3のシリンダ31を略垂直にした
状態で、クランク軸50を車体幅方向とほぼ平行に向け
て、前部カバー4内側のエンジンルーム30内のほぼ中
央に配置されている。前記エンジン3の前方には、排気
管35が配置されている。
【0017】前記エンジン3は、図3に示すように、幅
方向に並列に2個のシリンダ31が配置された2気筒2
サイクルエンジンであって、2個のシリンダ31の上方
にシリンダヘッド32が配置され、該シリンダ31の下
側にはクランクケース33が配置され、前記クランクケ
ース33のマグネト側端部に遠心ファン41を備え、且
つシリンダ31及びシリンダヘッド32の外周部を覆う
ベンチレーションカウリング45を備えた空冷装置40
が設けられた強制空冷エンジンである。
【0018】前記シリンダヘッド32の上部には、図3
に示すように、冷却フィン32aが略垂直に且つフロン
ト側からリア側に向かいマグネト側から出力軸側へ斜め
方向に形成され、また、各シリンダ31と対向して形成
される燃焼室32bの略中央部に点火プラグ32cが各
々設置されている。さらに、前記点火プラグ32c同士
の略中間の位置には、ベンチレーションカウリング45
を固定するための取付けボルト32dが取付けられてい
る。
【0019】前記クランクケース33は、シリンダ側に
配置されるアッパークランクケース33aと、該アッパ
ークランクケース33aの下側に配置されるロアクラン
クケース33bにより構成されている。
【0020】前記クランクケース33には、図3、図4
に示すように、車体幅方向と略平行にクランク軸50が
配置されている。前記クランク軸50は、その一方端5
0aにはフライホイールマグネト36のローター部36
aが取付けられ、他方端はクランクケース33より外側
に突出して出力軸50bが設けられている。前記クラン
クケース33のマグネト側にはステータ部36bが配設
され、該ステータ部36bの先端部外周には、発電コイ
ル36cがローター部36aの内壁に対向して近接して
配置されている。
【0021】前記ローター部36aは、円筒状の外形を
呈し、一方側に中央部にクランク軸50の一端部に嵌合
されるボス部36dが内側に向かい突設され、他方側が
クランクケース側に向かい開口されている。該ローター
部36aの内周壁には複数の磁石が配置されている。
【0022】前記クランクケース33のマグネト側側部
には、空冷装置40を構成する遠心ファン41が設けら
れている。前記遠心ファン41は、遠心ファン羽根車4
1aと該遠心ファン羽根車41aの外周を覆うよう構成
された遠心ファンケーシング42を備えている。
【0023】前記遠心ファン羽根車41aは、フライホ
イールマグネト36と別体で設けられ、合成樹脂で形成
されている。前記遠心ファン羽根車41aは、クランク
軸50の一端部にフライホイールマグネト36と同軸で
該フライホイールマグネト36の外側に設けられ、且つ
該遠心ファン羽根車41aの外側にリコイルカップ38
が配置されて、締結ボルト39により該リコイルカップ
38とともにフライホイールマグネト36のローター部
36aにいわゆる共締めで同時に締結されている。
【0024】前記遠心ファンケーシング42は、図3に
示すように、クランクケース33のマグネト側に形成さ
れるマグネト側ケーシング43と、エンジン側方より遠
心ファン羽根車41aを覆う外気入口側ケーシング44
とにより構成されている。
【0025】前記マグネト側ケーシング43は、ベンチ
レーションカウリング45のリア側ベンチレーションカ
ウリング47と一体で形成されたベンチレーションカウ
リング側ケーシング43aと、クランクケース33と一
体で形成されたクランクケース側ケーシング43bとに
より構成されている。
【0026】前記クランクケース側ケーシング43b
は、遠心ファン羽根車41aのクランクケース側を覆う
とともに、該遠心ファン羽根車41aの円周方向に沿っ
て隙間を形成して送風通路42aを形成している。前記
送風通路42aは、送風通路上流側(フロント側)から
下流側(リア側)に向かい漸次広くなるように構成され
ている。
【0027】前記外気入口側ケーシング44は、図3
(a)に示すように、遠心ファン羽根車41aをエンジ
ン側方より覆うとともに、該遠心ファン羽根車41aの
円周方向に沿って隙間が形成されて送風通路42aが形
成され、且つ、遠心ファン羽根車41aと対向する部分
を外側に膨出させた膨出部44cが形成され、その外壁
部に空気孔44dが構成されている。
【0028】前記ベンチレーションカウリング45は、
シリンダ31およびシリンダヘッド32のフロント側を
覆うフロント側ベンチレーションカウリング46と、そ
のリア側を覆うリア側ベンチレーションカウリング47
より構成されている。
【0029】前記リア側ベンチレーションカウリング4
7は、図3に示すように、マグネト側に前記外気入口側
ケーシング44に対向する位置に、ベンチレーションカ
ウリング側ケーシング43aが一体的に形成されてい
る。前記ベンチレーションカウリング側ケーシング43
aは、前記クランクケース側ケーシング43bの上端部
に当接配置されている。
【0030】前記フロント側ベンチレーションカウリン
グ46とリア側ベンチレーションカウリング47とは、
シリンダヘッド上部の略中央で、フロント側ベンチレー
ションカウリング46の一部とリア側ベンチレーション
カウリング47の一部とを重ね合わせて、取付けボルト
32dによりいわゆる共締めで同時に装着されている。
【0031】ここで、本実施形態に係るクランク軸の構
成について詳細に説明する。前記クランク軸50は、図
3、図4に示すように、2気筒用クランク軸であって、
複数の軸部材により分割式で構成されている。
【0032】第1軸部材51は、図3、図4に示すよう
に、クランク軸50の一端側に配設され、クランクケー
ス33の一側端にニードルベアリング71を介して回転
自在に軸支される主軸52と、ピストン34に連結され
るコネクティングロッド37を揺動回転自在に軸支する
クランクピン53と、前記クランクピン53と主軸52
とを偏心させて連結して前記主軸52とともに一体的に
回転するクランクウェブ54とにより構成されている。
前記クランクウェブ54の側壁には、取付ビス55によ
りウェイト56が締結されている。
【0033】第2軸部材57は、前記クランクウェブ5
4と対向して配置されるクランクウェブ58と、前記ク
ランクウェブ58の回転中心に一体的に形成された主軸
59とにより構成されている。前記クランクウェブ58
は、前記クランクピン53が嵌合するクランクピン取付
孔58aが形成され、前記クランクピン53により前記
クランクウェブ54と一体的に構成される。前記主軸5
9は、クランクケース33内の略中央部でボールベアリ
ング72、73を介して回転自在にクランクケース33
に軸支される。
【0034】第3軸部材60は、クランクケース33の
他側端にボールベアリング74を介して回転自在に軸支
される主軸61と、前記主軸61とともに一体的に回転
するクランクウェブ62とにより構成されている。前記
クランクウェブ62には、第3軸部材60と別体で構成
されたクランクピン63が主軸61と偏心して嵌合され
るクランクピン取付孔62aが形成されている。
【0035】前記第3軸部材60のクランクウェブ62
と対向して、該第3軸部材60と別体で構成されたクラ
ンクウェブ64が配設されている。前記クランクウェブ
64の中心部には、前記第2軸部材57の主軸59が嵌
合される主軸取付孔64aが形成され、前記第3軸部材
60に嵌合されるクランクピン63と対向する位置にク
ランクピン取付孔64bが形成されている。また、前記
クランクウェブ64は、前記主軸59により第2軸部材
57と一体的に構成され、前記クランクピン63により
第3軸部材60と一体的に連結される。
【0036】すなわち、クランク軸50を構成する第1
軸部材51、第2軸部材57、第3軸部材60、クラン
クウェブ64は、クランクピン53、63および主軸5
9により一体的に、且つ分割可能に構成される。
【0037】次に、本実施形態に係るクランクウェブの
構成を、図面を参照して詳細に説明する。クランクウェ
ブ64を例に挙げて説明すると、前記クランクウェブ6
4は、図5の(a)、(b)に示すように、平面視で円
弧部を広く有する拡開した略扇状を呈し、その中心部に
主軸59が嵌合される主軸取付孔64aが形成されてい
る。扇状の要部に相当するクランクピン取付部63kに
は、前記クランクピン63が嵌合されるクランクピン取
付孔64bが形成されている。
【0038】前記クランクウェブ64の一側面には、外
周側クランクウェイト部64cが外周縁に沿ってクラン
ク軸軸芯方向に突出して延設され、また、該クランクウ
ェブ64の回転中心部には、回転中心側クランクウェイ
ト部64dが主軸取付孔64aの外周部に沿って前記外
周側クランクウェイト部64cと同一方向に突出して延
設されている。
【0039】前記外周側クランクウェイト部64cと回
転中心側クランクウェイト部64dとは、主軸59の中
心とクランクピン63の中心とを通る中心線に沿って連
続的に形成されている。また、前記外周側クランクウェ
イト部64cの突出面と回転中心側クランクウェイト部
64dの突出面とは面一で、且つ主軸取付孔64aの軸
心方向に対して略垂直に形成されている。
【0040】また、前記外周側クランクウェイト部64
cは、その端部64e、64fが主軸59の中心とクラ
ンクピン63の中心とを通る中心線に対し略垂直で、且
つ前記クランクピン63の中心を通る中心線の延長線よ
りも主軸側にいわゆる錨形状に形成されている。
【0041】一方、前記回転中心側クランクウェイト部
64dは、その端部64g、64hが主軸59の中心と
クランクピン63の中心とを通る中心線に対し略垂直
で、且つ主軸59の中心を通る中心線の延長線よりも反
クランクピン側に略C字状に形成されている。
【0042】前記クランクウェブ64の一側面側は、前
記外周側クランクウェイト部64c及び回転中心側クラ
ンクウェイト部64dを除き、且つ主軸59が嵌合され
る主軸取付孔64a及びクランクピン63が嵌合される
クランクピン取付孔64bの外周付近を除いた部分に
は、最小限に肉厚をぬすんだ凹部64jが構成されてい
る。
【0043】前記第2軸部材、第3軸部材のクランクウ
ェブ58、62は、前述したクランクウェブ64と同様
な形状を呈するとともに、同様な構成で外周側クランク
ウェイト部、回転中心側クランクウェイト部および肉厚
をぬすんだ凹部(図示省略)が形成されている。
【0044】以上のように構成したので、本実施形態の
エンジンのクランク軸構造によれば、クランク軸50を
分割式としたことで、クランクウェブ形状を自由に設計
することが可能となる。また、クランクウェブ64のク
ランクウェイト部を外周側クランクウェイト部64cと
回転中心側クランクウェイト部64dとにより構成し、
前記外周側クランクウェイト部64cの端部64e、6
4fを主軸59の中心とクランクピン63の中心とを通
る中心線に対し略垂直で、且つ前記クランクピン63の
中心を通る中心線の延長線よりも主軸側にいわゆる錨形
状に形成したので、肉付けを最小限に止め、慣性能率達
成が可能となる。
【0045】さらに、前記回転中心側クランクウェイト
部64dの端部64g、64hを主軸59の中心とクラ
ンクピン63の中心とを通る中心線に対し略垂直で、且
つ主軸59の中心を通る中心線の延長線よりも反クラン
クピン側に略C字状に形成したので、前記クランクウェ
ブ64のクランクウェイト部側を基準面として安定した
配置が可能となる。したがって、第2軸部材57とクラ
ンクウェブ64とを嵌合する際に、特別な治具等を使用
することなく第2軸部材57の主軸59を傾かせずにク
ランクウェブ64の主軸取付孔64aに圧入嵌合するこ
とできる。
【0046】また、本実施形態によれば、第2軸部材5
7のクランクウェブ58および第3軸部材60のクラン
クウェブ62の形状をクランクウェブ64と略同様な形
状に構成したので、第2軸部材57や第3軸部材60の
主軸59、61にそれぞれボールベアリング72、7
3、74を圧入する際に、第2軸部材57や第3軸部材
60を安定した状態で配置できる。したがって、特別な
治具等を使用することなく主軸59、61を傾かせずに
ボールベアリング72、73、74を圧入することがで
きる。
【0047】また、本実施形態によれば、クランクウェ
ブ64の一側面側に、外周側クランクウェイト部64c
及び回転中心側クランクウェイト部64dを除き、且つ
主軸59が嵌合される主軸取付孔64a及びクランクピ
ン63が嵌合されるクランクピン取付孔64bの外周付
近を除いた部分に肉厚をぬすんだ凹部64jを構成した
ので、クランク軸50の軽量化を図ることができる。ま
た、クランクウェブ64の肉厚のぬすみ方によっていろ
いろな凹部の構成が可能となるので、クランクウェブ形
状の設計の自由度を高めることができる。
【0048】尚、本実施形態では、クランクウェブの一
側面側に凹部を形成して肉厚を薄くしているが、本発明
は、クランクウェブの軽量化と重量バランスをとるため
に肉厚を最小限にするものであれば、これに限定される
ものではなく、例えば、クランクウェブに貫通孔を設け
てクランクウェブの軽量化と重量バランスを図るように
したものであっても良い。
【0049】また、本実施形態では、クランク軸50を
構成する複数のクランクウェブのうち、クランクウェブ
58、60、64の形状について説明しているが、本発
明は、クランクウェブの構成に係るものであって、個数
に限定されるものではない。
【0050】また、本実施形態はスノーモービルに搭載
されるエンジンを例にとって説明しているが、本発明
は、これに限定されるものではなく、例えば、スクータ
や汎用エンジン等を対象に構成するものであっても良
い。また、本発明のエンジンのクランク軸構造は、上述
の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは
勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1
〜5に記載のエンジンのクランク軸構造によれば、簡単
な構成でクランクウェブ形状の設計の自由度を高め、軽
量化を図るとともに、クランクシャフト組立て圧入時の
傾きを防止して圧入荷重を支持し、作業性の向上を図る
ことができるという優れた効果を奏し得る。
【0052】詳しくは、本発明によれば、エンジンのク
ランクケースに回転自在に軸支される主軸と、コネクテ
ィングロッドを回転自在に軸支するクランクピンと、前
記クランクピンと主軸とを偏心させて連結し前記主軸と
ともに回転するクランクウェブとを備えたクランク軸に
おいて、前記クランクウェブの外周縁に沿ってクランク
軸軸芯方向に突設される外周側クランクウェイト部を形
成することで、肉付けを最小限に止め、慣性能率達成が
可能となる。さらに、クランク軸組立て時にクランクウ
ェブを安定した状態で配置して、該クランクウェブに主
軸を圧入する際に該主軸の傾きを防止することができ
る。また、前記クランクウェブの回転中心部にクランク
軸軸芯方向に前記外周側クランクウェイト部と同一方向
に突設される回転中心側クランクウェイト部とを形成す
ることで、クランク軸組立て時に主軸の圧入荷重を支持
することができる。また、前記クランクウェブの少なく
とも前記外周側クランクウェイト部、回転中心側クラン
クウェイト部、およびクランクピンが嵌合される嵌合部
以外の部位の肉厚を最小限にすることで、クランク軸の
軽量化を図ることができる。
【0053】また、本発明によれば、クランクウェブの
外周側クランクウェイト部を、主軸の中心とクランクピ
ンの中心とを通る中心線に対し略垂直で、且つ前記クラ
ンクピンの中心を通る中心線の延長線よりも主軸側に形
成することで、クランク軸組立て時にクランクウェブを
安定した状態で配置して、該クランクウェブに主軸を圧
入する際に該主軸の傾きを防止することができる。
【0054】また、本発明によれば、クランクウェブの
回転中心側クランクウェイト部を、主軸の中心とクラン
クピンの中心とを通る中心線に対し略垂直で、且つ主軸
の中心を通る中心線の延長線よりも反クランクピン側に
形成することで、クランク軸組立て時に主軸の圧入荷重
を支持することができる。
【0055】また、本発明によれば、前述したクランク
軸を雪上車用2サイクルエンジンに搭載することで、ク
ランク軸を軸支するボールベアリングを容易に装着で
き、高回転となる2サイクルエンジンに対応することが
できる。また、本発明によれば、前述したクランク軸を
2気筒エンジンに搭載することで、軽量化を図ることが
できる。以上のように優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスノーモービルの全体
構成を示す側面図である。
【図2】前記スノーモービルの全体構成を示す平面図で
ある。
【図3】本実施形態に係るエンジンの構成を示す正面断
面図である。
【図4】本実施形態に係るクランク軸の構成を示す側面
断面図である。
【図5】(a)は前記クランク軸を構成するクランクウ
ェブの構成を示す平面図、(b)は前記クランクウェブ
の断面構成を示す(a)のA−A断面矢視図である。
【図6】(a)は従来のクランクウェブの構成を示す平
面図、(b)は前記クランクウェブの構成を示す側面断
面図である。
【符号の説明】
1 スノーモービル 3 エンジン 33 クランクケース 34 ピストン 50 クランク軸 51 第1軸部材 54、58、62、64 クランクウェブ 57 第2軸部材 60 第3軸部材 64a 主軸取付孔 64b クランクピン取付孔 64c 外周側クランクウェイト部 64d 回転中心側クランクウェイト部 64e、64f、64g、64h 端部 64j 凹部 72、73、74 ボールベアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 敬 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 3J033 AA02 AC02 BA02 BA06 BC06 CA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランクケースに回転自在に
    軸支される主軸と、コネクティングロッドを回転自在に
    軸支するクランクピンと、前記クランクピンと主軸とを
    偏心させて連結し前記主軸とともに回転するクランクウ
    ェブとを備えたクランク軸において、 前記クランクウェブは、外周縁に沿ってクランク軸軸芯
    方向に突設される外周側クランクウェイト部と、該クラ
    ンクウェブの回転中心部にクランク軸軸芯方向に前記外
    周側クランクウェイト部と同一方向に突設される回転中
    心側クランクウェイト部とを備え、 前記クランクウェブの少なくとも前記外周側クランクウ
    ェイト部、回転中心側クランクウェイト部、およびクラ
    ンクピンが嵌合される嵌合部以外の部位の肉厚を最小限
    にすることを特徴とするエンジンのクランク軸構造。
  2. 【請求項2】 前記外周側クランクウェイト部は、主軸
    の中心とクランクピンの中心とを通る中心線に対し略垂
    直で、且つ前記クランクピンの中心を通る中心線の延長
    線よりも主軸側に形成されることを特徴とする請求項1
    に記載のエンジンのクランク軸構造。
  3. 【請求項3】 前記回転中心側クランクウェイト部は、
    主軸の中心とクランクピンの中心とを通る中心線に対し
    略垂直で、且つ主軸の中心を通る中心線の延長線よりも
    反クランクピン側に形成されることを特徴とする請求項
    1または2に記載のエンジンのクランク軸構造。
  4. 【請求項4】 前記クランク軸は、雪上車用2サイクル
    エンジンに搭載されることを特徴とする請求項1乃至3
    のうちの何れか一項に記載のエンジンのクランク軸構
    造。
  5. 【請求項5】 前記エンジンは、2気筒エンジンとする
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に
    記載のエンジンのクランク軸構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090801A1 (ja) * 2004-03-24 2005-09-29 Kondo Kousakusho Co., Ltd. クランクシャフト及びその製法
JP2010060014A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Honda Motor Co Ltd クランクシャフト及びクランクシャフトを備えたエンジン
JPWO2016021201A1 (ja) * 2014-08-07 2017-04-27 新日鐵住金株式会社 レシプロエンジンのクランク軸
CN115210480A (zh) * 2020-02-01 2022-10-18 Tvs电机股份有限公司 动力单元及其转换构件

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