JP2008082522A - 内燃機関のコネクティングロッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コネクティングロッド1のスカート部8に、軸線Lに対し、大端部3がクランクピン6に対して相対的に移動する方向側(回転上流側領域)を主たる開口領域とする貫通孔81を形成する。これにより、エンジンの燃焼行程時において回転上流側領域での軸受メタル71とクランクピン6との間への荷重伝達を抑制し、この領域の油膜厚さを確保する。
【選択図】図1
Description
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、内燃機関の燃焼行程時においてコネクティングロッドの大端部とクランクピンとの間での油膜が薄くなる領域への荷重伝達を抑制するべく、その領域に対応する部分の剛性を他の部分よりも低くするようにコネクティングロッドを非対称形状とする。そして、従来から油膜が十分に確保されている領域への荷重伝達量を多くすることで、各部の油膜を略均一に且つ十分に確保できるようにしている。
具体的に、本発明は、ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドを前提とする。このコネクティングロッドに対し、上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向側の剛性が、反対方向側の剛性よりも低くなるような形状に、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域を形成している。つまり、上記ロッド軸線を挟んで一方側(大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向側)の剛性を他方側(大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向とは逆方向側)の剛性よりも低くしている。
先ず、第1実施形態について説明する。図1(a)は、本実施形態に係るコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であって、エンジンの燃焼行程時において、ピストン5の上死点位置よりもクランク角度で十数度だけクランク回転角が進んだ位置での姿勢(燃焼行程途中の姿勢)を示している。また、この図では、ピストン5を仮想線で示している。また、図1(b)は、図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るコネクティングロッド1の主要構成部としては従来のものと略同様である。以下、簡単に説明する。
本実施形態の特徴は、エンジンの燃焼行程においてコネクティングロッド1に作用する荷重を所定の分散形態をもって分散可能となるような形状にコネクティングロッド1が形成されている点にある。以下、具体的に説明する。
次に、第2実施形態について図3(図3(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図3(b)は、図3(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1は、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでは、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
次に、第3実施形態について図4(図4(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図4(b)は、図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1にあっても、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでも、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
次に、第4実施形態について図5(図5(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図5(b)は、図5(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1も、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでも、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
次に、第5実施形態について図6(図6(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図6(b)は、図6(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1も、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでも、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
次に、第6実施形態について図7(図7(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図7(b)は、図7(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1にあっても、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでも、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
次に、第7実施形態について図8(図8(a)はコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た図であり、図8(b)は、図8(a)におけるB−B線に沿った断面図である)を用いて説明する。本実施形態に係るコネクティングロッド1も、荷重分散のための構成が上記第1実施形態のものとは異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、ここでも、荷重分散のための構成についてのみ説明する。
以上説明した各実施形態では、コネクティングロッド1の形状として、このコネクティングロッド1をクランクシャフトの軸線に沿った方向から見た場合(正面視)にロッド軸線Lを挟んで非対称とし、且つクランクシャフトの軸線に直交する方向から見た場合(側面視及び側面視)にロッド軸線Lを挟んで対称な形状としていた。本発明は、これに限らず、クランクシャフトの軸線に直交する方向から見た場合にロッド軸線Lを挟んで非対称な形状としてもよい。例えば第2実施形態の如く凹陥部41を設ける場合に、コラム部4の表裏面のうち一方の面のみに凹陥部41を形成するといった構成である。
2 小端部
3 大端部
4 コラム部
5 ピストン
6 クランクピン
L ロッド軸線
Claims (13)
- ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向側の剛性が、反対方向側の剛性よりも低くなるような形状に、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向側の領域には、その領域の剛性を低くするような加工が施されている一方、その反対方向側の領域にあっては剛性を低くするような上記加工が施されていないことを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記コラム部または、コラム部から大端部に亘る領域は、剛性を低くするような形状に形成されており、
上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記大端部がクランクピンに対して相対的に移動する方向側の領域における剛性の低下量が、その反対方向側の領域における剛性の低下量よりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記クランクピンが大端部に対して相対的に回転する方向側の領域には、その領域の剛性を高くするような加工が施されている一方、その反対方向側の領域にあっては剛性を高くするような上記加工が施されていないことを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - ピストンに連結される小端部、クランクピンに連結される大端部、これら小端部と大端部とに亘るコラム部を備えた内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記コラム部または、コラム部から大端部に亘る領域は、剛性を高くするような形状に形成されており、
上記小端部の中心点と大端部の中心点とを結んだロッド軸線に対し、内燃機関の燃焼行程時において上記クランクピンが大端部に対して相対的に回転する方向側の領域における剛性の上昇量が、その反対方向側の領域における剛性の上昇量よりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項1または3記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする形状として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に貫通孔が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項2記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする加工として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に貫通孔が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項1または3記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする形状として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に凹陥部が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項2記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする加工として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に凹陥部が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項1または3記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする形状として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域におけるロッド軸線との間の幅寸法が短くなるように形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項2記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を低くする加工として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域におけるロッド軸線との間の幅寸法が短くなるように形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項4記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を高くする加工として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に厚肉部が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。 - 上記請求項5記載の内燃機関のコネクティングロッドにおいて、
上記剛性を高くする形状として、上記コラム部または、このコラム部から大端部に亘る領域に厚肉部が形成されていることを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。
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